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サン「アシタカがなかなか会いに来てくれない…」

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Part1
1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:36:17.567 ID:kn4ZILoj0
サン「会いに行くって言ったのに…」グスン
山犬1「まーた始まったか…」
山犬2「つか、まだあれから一週間しか経ってなくね?」
サン「う、うるさいぞ!お前達!……一週間も会えなかったら誰だって寂しいだろ!!」

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:38:01.759 ID:kn4ZILoj0
山犬1「へ?サンってば寂しいの?」
サン「……ふぇ?」
山犬2「へぇ~意外とさみしがり屋なんだな」ニヤニヤ
サン「そ、そんなことあるわけないだろ!私はただ…ア、アシタカの奴が寂しがっているだろうと思っただけだっ!」プイッ

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:40:11.610 ID:kn4ZILoj0
山犬1「ま、そういうことにしとくか」
山犬2「意地でも認めないだろうしな…。ところで、さっき森に誰か入って来たみたいだけど…気づいてた?」
サン「へ?侵入者?……も、もちろん気づいていたに決まってるだろう!……ん?…この匂いは……」クンクン
山犬1「あの人間っぽいな」クンクン

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:41:54.938 ID:kn4ZILoj0
山犬2「ん~でもちょっと違うような…?なんかあいつより美味そうな匂いだ」クンクン
山犬1「ねぇねぇ!食べて良い?食べて良い?」ハッハッハッ
サン「食べちゃダメ。……でも、ほんとに匂いが似てる……私、気になるからちょっと様子見てくる!」タタッ
山犬's「「いってら~」」

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:43:41.237 ID:kn4ZILoj0
カヤ(……兄様を探し求めて早数ヶ月…。目撃情報を頼りにここまで辿りついたは良いものの…)
カヤ「と、とうとう遭難してしまいました…」グスッ
カラカラカラ…
カヤ「…ひゃうッ!?」ビクッ
コダマ「」カラカラカラ
カヤ「コ、コダマさん…?」


10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:45:40.583 ID:kn4ZILoj0
コダマ「」カラカラカラ
カヤ「び、びっくりしたぁ~。……でも、こっちにもコダマさんが住める森があるなんて…」
コダマ「」カラカラカラ
カヤ「ふふっ…ねぇコダマさん?カヤはアシタカという名前の人を探しているのですけど、ご存知ありませんか?」
コダマ「」カラカラカラ

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:48:03.732 ID:kn4ZILoj0
カヤ「コダマさんに聞いても仕方ないですよね…。はぁ~兄様ぁ~…。一体どこに行ってしまったのですか…?」シュン
サン「アシタカに何の用だ?」
カヤ「ふぁっ!?だ、誰っ!?」ビクッ
サン「人に名前を尋ねる前に、まず自分から名乗るべきではないのか?……アシタカはそうしたぞ」

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:50:23.666 ID:kn4ZILoj0
カヤ「あ、兄様を知っているのですか!?」ガバッ
サン「よ、寄るな人間っ!とにかく名を名乗れ!さもなくば…!」ギラッ
カヤ「あ…こ、これは失礼を…。私の名前はカヤと申します。兄様…アシタカヒコの故郷の者です」ペコリ
サン「アシタカの故郷?たしか…随分遠くからやって来たと聞いているが…?」

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:54:02.153 ID:kn4ZILoj0
カヤ「カヤは兄様の許嫁なのです!」
サン「い、許嫁…?」
カヤ「はい!…話せば長くなるのですが…突然村に現れた祟り神からカヤを護る為に腕に呪いを受けた兄様は、村を追われることとなってしまいまして…その去り際にカヤは玉の小刀を兄様に差し上げたのです」
サン「!?」ギクッ

16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:56:05.647 ID:kn4ZILoj0
カヤ「その時兄様は…『いつもカヤを想う』と言って下さって…きゃあ!きゃあ!何だか恥ずかしいです~!」モジモジ
サン「あ、あいつ…」ギリッ
カヤ「どうかしましたか…?って…おや?あなたが首から下げてるソレはもしや…?」
サン「ハッ!?……き、気のせいだ!気にするな!」ササッ

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:57:28.408 ID:kn4ZILoj0
カヤ「……?…とにかく、そういった経緯でここまで来たのですが…とうとう道に迷ってしまって…」シュン
サン「なるほど…同じ故郷の者だから匂いが似ていたのか」
カヤ「に、匂い?」
サン「あぁ…名乗るのが遅れたな。私の名はサン。山犬の姫だ」

18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 15:59:29.516 ID:kn4ZILoj0
カヤ「山犬の…姫?」キョトン
サン「そう。私は山犬に育てられた。だから、鼻が人よりも効くのだ。……それを揶揄して巷では『もののけ姫』などと呼ばれているがな…」
カヤ「そ、そうなんですか…。でも、カヤは『もののけ姫』って呼び名…素敵だと思いますよ?」
サン「は?…す、素敵って…な、何故?」

19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:01:03.855 ID:kn4ZILoj0
カヤ「だって、サン様とっても美しいじゃないですか!思わず妖の類かと思うほどに…」
サン「……どうやらアシタカの故郷の者は皆おかしな感性を持っているようだな…」
カヤ「へ?」
サン「いや、なんでもない。……アシタカに逢いたいのなら案内してやる。付いて来い」

20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:04:23.062 ID:kn4ZILoj0
カヤ「あ、ありがとうございます!サン様に出会えて、ほんとに良かった…」
サン「……『様』なんて付けなくて良い。私の名はサンだ。それから…賢まった言い回しもしなくて良い」
カヤ「……それじゃあ、よろしくね?サン」
サン「……ぬかるんでるから、足元に注意して歩け」

22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:10:18.190 ID:kn4ZILoj0
カヤ「…兄様は森に住んでるの?」
サン「いや…アシタカはこの森の先にあるタタラ場に住んでいる」
カヤ「タタラ場…そこに兄様が…。ねぇ、ちょっと聞いても良い?」
サン「なんだ?」
カヤ「サンは、兄様とはどんな関係なの?」

23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:14:09.710 ID:kn4ZILoj0
サン「……へ?ど、どんな関係って…私とアシタカは…えと…その…そう!『命を救い、救われた』間柄だ!」
カヤ「つまりお互いが命の恩人ってことかしら?…そっか…そんなに親密な関係なのね…」
サン「い、いや!誤解するな!それだけだ!それ以上でも以下でもないから!」アタフタ
カヤ「ふふっ…サンは優しいのね」クスクス

24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:15:47.804 ID:kn4ZILoj0
サン「そ、そんなことより、道中は長いから…それまで、アシタカの故郷の話しを聞かせてくれ!」
カヤ「サンったら、何を焦ってるの?」クスクス
サン「あ、焦ってなど…!」
カヤ「ふふっ…兄様と私の故郷はね……」

25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:18:16.756 ID:kn4ZILoj0
カヤ「………でね、兄様は優しくて、困ってる人を見捨てられない人だったのよ」
サン「……あいつは昔からそうだったのだな」
カヤ「サンも優しくされちゃったの?」
サン「……へ?そ、そんなことある筈ないだろう!!それよりほら!見えて来たぞ!あれがタタラ場だ!」

26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:22:03.120 ID:kn4ZILoj0
カヤ「あれが兄様が住むタタラ場…?へぇ~大きな町ね!……あら?でもあちこちボロボロみたい…?」
サン「つい最近突風に見舞われたんだ…。まぁ、自業自得だけどな…」
カヤ「……自業自得ってなんのこと?」キョトン
サン「いいんだ。それより、早く行け。……兄様に逢いに来たんだろ?」

27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:24:20.734 ID:kn4ZILoj0
カヤ「ほんとにありがとう…おかげで助かったわ。何かお礼をしたいのだけど…サンは一緒に来ないの?」
サン「……私はここまでだ。あそこは…私が生きる場所じゃない」
カヤ「……そう。それじゃあ、ここでお別れね。……サン様…ほんとにありがとうございました」ペコリ
サン「……こっちこそ…ア、アシタカの昔話を聞かせてくれて…あ、ありがとう。……じゃあな」タタッ


29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:26:14.046 ID:kn4ZILoj0
サン(『ありがとう』なんて人間に言ったの…初めてだ…)タッタッタッ
ガサガサガサ
サン「!?」
山犬1「おいサン!良かったのかよ?」
山犬2「許嫁っていったら恋敵じゃねーか!」

30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:27:34.919 ID:kn4ZILoj0
サン「お、お前達…つけてたのか!?」
山犬1「おいおい…気づいてないとか、どんだけ余裕なかったんだよ…」
山犬2「お前がその気ならあの恋敵をいつでも食い殺す気で控えてたんだぜ?……なぁ、今なら間に合うぜ?食べていい?ねぇねぇ?食べていい?」ハッハッハッ
サン「……食べちゃダメ」

31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:30:14.624 ID:kn4ZILoj0
山犬1「でも、いいのかよ?サンのつがいのあの人間、取られちまうぜ?」
サン「……ふんっ…『もののけ姫』よりはお似合いだろうさ」プイッ
山犬2「またそんな意地張って…」
サン「意地なんて張ってない!!あいつは…アシタカは…人間として幸せになるべきなんだ。だから良いんだ…これで…」グスン
山犬1「うちらの姫様は健気だねぇ…」
山犬2「まったくだぜ…」

32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:31:58.375 ID:kn4ZILoj0
タタラ場
カヤ「ごめんくださーい!」
門番「何者だ!」
カヤ「私はカヤと申します。アシタカヒコの故郷の者なのですが…」
門番「アシタカ殿の…?」
エボシ「どうした?一体何を騒いでる?」

33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:33:33.641 ID:kn4ZILoj0
門番「エ、エボシ様!?いや、アシタカ殿の故郷の者が訪ねて来たのですが…」
エボシ「アシタカの?……ふむ。通してやれ」
門番「はっ!カヤとやら、通って良いぞ!」
カヤ「ありがとうございます~!あの、助かりました!」ペコリ
エボシ「なに、礼には及ばん。私はこのタタラ場の主のエボシだ。もし良ければ、そなたの身の上の話しを聞かせておくれ」

34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:35:50.068 ID:kn4ZILoj0
カヤ「実はかくかくしかじかで…」
エボシ「ふむふむ…。なるほど…あいわかった。それでアシタカに会いに来たのだな?」
カヤ「そうなんですけど……カヤは、一目兄様の姿を見れたらそれで構いません」
エボシ「何?…会って、話しをしなくていいのか?」

35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:37:56.497 ID:kn4ZILoj0
カヤ「えっと…このタタラ場に来る道中を道案内してくれた方が、どうやら兄様と親しい方みたいだったので…それで…」
エボシ「アシタカと親しい者が道案内…?もしや、森を抜けてここまで…?」
カヤ「はい。森で遭難して困っていたところを助けて下さったのです」
エボシ「もののけ姫か…。……なるほどな。あの山犬の姫に気を遣って身を引こうというわけか」

36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:40:46.527 ID:kn4ZILoj0
カヤ「それだけではありません。村を出て、このタタラ場で新しい生活を送る兄様のご迷惑になりたくないとも思いまして…」
エボシ「……そなたは優しいのだな」
カヤ「いえ…きっと私は最初から…一目兄様の姿が見たかっただけなのです。兄様の腕の呪いは治らぬものだと聞いております。だから…まだ生きているうちに兄様のお姿が見られればカヤはそれで満足です…」グスン
エボシ(腕は治ったのだが…。……ふむ。ここは私がひと肌脱ぐとしようか)

37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:43:23.115 ID:kn4ZILoj0
エボシ「そなたの気持ちはわかった。……しかし、アシタカは今仕事中でこっそり姿を見るには人目が邪魔だろう。夜になったらアシタカを連れて行くから、それまで私の家で待っていておくれ」
カヤ「よ、よろしいのですか?」
エボシ「構わんさ。そなたは奥の部屋からこっそりアシタカの姿をその目に焼き付けるといい」
カヤ「何から何まで…本当にありがとうございます!」ペコリ

39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:47:47.409 ID:kn4ZILoj0
その夜
サン「ん~…遠くてよく見えないな…どこだアシタカは…?」
山犬1「やっぱり気になって様子見てるんじゃねーか…」
サン「……黙れ」
山犬2「そんなに気になるなら、夜襲でもかければいいだろ?」
サン「だから黙れってば!……あっ!見つけた!」

40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:52:14.619 ID:kn4ZILoj0
山犬1「大喜びじゃねーか…。まったく、こんな遠くからよく見つけられるな…えーと…どこだ…?…おっ!見っけ!…あの野郎…呑気に散歩中かよ……って、おい…あの方向!」
山犬2「あぁ。間違いねぇ…あの家に向かってやがる…」
サン「そんな…なんで…エボシの家なんかに…?」
山犬2「実はよ…言ってなかったけど、あの野郎…最近夜になるとあの女の家に入り浸ってんだよ」

41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:54:18.100 ID:kn4ZILoj0
サン「!?」
山犬1「…は?マジで??」
山犬2「マジで」
サン「そんな…そんな…」
山犬2「でも、ほら…やっぱり今日も行くみたいだぜ?」

42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:55:57.728 ID:kn4ZILoj0
サン「あっ」
山犬1「うわっ…本当にあの女の家に入りやがったよあいつ」
山犬2「な?だから言ったろ?」
サン「そんな…私もカヤも裏切られたってこと…?」

44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:57:34.678 ID:kn4ZILoj0
山犬2「まぁ…なんつーか…御愁傷様でしたわ」
山犬1「いやいや…よりにもよってエボシのところとかないわー。あーあ。割とあいつのこと気に入ってたんだけどなぁ…」
サン「もう知らないっ!アシタカなんて知らないっ!!」タタッ
山犬's「「おい!サン!!」」タタッ

45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 16:59:31.095 ID:kn4ZILoj0
エボシの家
アシタカ「連日連夜押しかけてすまないな…エボシ殿」
エボシ「なに、気にするな。今夜は私もそなたに話しがあるのだ」
アシタカ「……話し?」
カヤ(…兄様!…良かった…お元気そうで…。なんだか…より一層男らしくなったみたい…)コソコソ

46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:01:57.175 ID:kn4ZILoj0
エボシ「そうだ。……聞いてくれるか?」
アシタカ「もちろんそれは構わないが…」
エボシ「実はなアシタカ…そろそろ私も世継ぎを産まねばならんのだよ」
アシタカ「……は?」
カヤ(……へ?…ちょっ…どういうこと!?)コソコソ

47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:03:57.609 ID:kn4ZILoj0
エボシ「私ももう良い歳だ…そろそろ子を成しておかなくてはと常々思っていたのだ…」
アシタカ「はぁ…」
エボシ「そこで、そなたに種馬になって貰いたいのだ」
アシタカ「………は?」
カヤ「!?」ガタッ

48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:06:06.599 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「…?……なにやら奥の部屋が騒がしいようだが…?」
エボシ「そんなことは気にするな。なぁアシタカよ…こんなかたわの女など抱きたくはないだろうが…どうか頼めぬか?」
アシタカ「……いや、さっきから話しが見えないのだが…?」
エボシ「わからぬか?私を抱けと…そう言っているのだ」ハラリ
カヤ(帯を取った…!?)ゴクリ

50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:07:51.012 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「……いや、エボシ殿…?これは一体何の冗談だ…?」
エボシ「冗談かどうか、その身をもって確かめてみるが良い!」ガバッ
バンッ!
カヤ「ダメー!?」
バンッ!
ゴンザ「いけませぬ!!エボシ様ぁー!?」

51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:10:09.199 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「カ、カヤ!?どうしてここに!」
エボシ「ゴンザ…お前という奴は…」
カヤ「あっ…兄様…こ、これは…その……ご、ごめんなさぁーい!!」タタッ
ゴンザ「エボシ様ァー!?どうかそのお役目はこのゴンザめにぃー!!」ガバッ

52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:14:16.353 ID:kn4ZILoj0
エボシ「ええい!うっとおしい!狂言だというのがわからんのかゴンザ!!おかげでカヤが逃げてしまったではないか!」
ゴンザ「……へ?」
アシタカ「エボシ殿…これはどういうことだ!」
エボシ「……さっき見たとおり、カヤがお前を訪ねてこのタタラ場に来てな。あの者はそなたに気を遣って会わぬと申すから、私が一芝居打ってなんとか会わせてやろうと思ったのだ。……最後の最後でとんだ邪魔が入ったがな」ギロリ
ゴンザ「……へ?」

53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:16:57.803 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「カヤが私を訪ねて…?」
エボシ「追わなくて良いのか?……あの者はお前に逢う為に、遥々このタタラ場まで来たのだぞ?」
アシタカ「……かたじけない。御免!」タタッ
エボシ「ふっ…あながち…冗談ではなかったのだがな…」ボソッ
ゴンザ「何が…何やら…?」ポカーン

55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:19:06.573 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「カヤ!」
カヤ「…ッ!…あ、兄様…」
アシタカ「逃げなくても良い。……もう会うことはないと思っていたが…よく来てくれたな…」
カヤ「…先ほどはお邪魔をしてしまい申し訳ありません…兄様…。…しかし、あのようなことをしては…きっと、きっとサン様が傷つくと思って…居ても立っても居られず…つい…」

56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:22:21.592 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「サン…?サンを知っているのか?」
カヤ「……はい。サン様は森で迷ってしまったカヤに道案内をして下さったのです…。それで…その…サ 、サン様の首に私の玉の小刀がかかっているのを見てしまいまして…」
アシタカ「そうだったのか…」
カヤ「サン様はきっと兄様の大事な人なのでしょう?そのような相手が居るのに…あ、あのようなことをしては…サン様は傷つくと思います…!」

57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:25:11.944 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「案ずるなカヤ。あれはエボシ殿の狂言だ」
カヤ「へ?……きょ、狂言だったのですか?カ、カヤはそうとは知らずに…ほんとに申し訳ありません!兄様!!」
アシタカ「……エボシ殿は私に会わぬと言ったそなたを案じて、一芝居打ったのだ。そのおかげでこうして会えて…私は嬉しいぞカヤ」
カヤ「そ、そうだったのですか……カヤも…カヤも兄様にお会いしとうございました…ふぇ~ん…兄様ぁ~…兄様ぁ~」グスングスン

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