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勇者「淫魔の国で風邪をひくとこうなる」

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Part1
1 :淫魔の国 ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:15:49.35 ID:fQSRpZJAo
このスレはSS速報にて更新していた
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
の後日談です。
尚、板が変わった事によって酉は変わっておりますが本人です、後ほどtwitterでも告知いたします
ろくに書き貯めもできず、少量ずつですがひとまず毎日の投下になる事、ご容赦ください
それでは始めます

2 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:17:21.38 ID:fQSRpZJAo
あれ、酉は変わってないか
それなら安心

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/23(月) 00:19:27.41 ID:VulOlsrDO
待ってた

5 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:19:41.70 ID:fQSRpZJAo
*****
始まりは、城の廊下で起きた、たった一度の咳からだった。
勇者「ーーーーーーけほっ」
サキュバスB「……陛下? 大丈夫? お風邪ひいちゃいましたですか?」
勇者「いや……分からないから、近寄らない方がいい。“お手伝い”に戻れ。心配してくれてありがとう」
サキュバスB「誰が“お手伝い”ですか! でも、お具合悪かったら……言ってくださいね? 
         わたしの必殺、“ヒーリング☆フェラ”で治しちゃいますよ? おケガ以外なら何でも治っちゃうんですからね?」
勇者「気持ちだけ受け取るよ。無理はしない」
舌をぺろりと出し、いたずらっぽく微笑みながらサキュバスBは去っていく。
しかし、勇者は内心妙だと感じていた。
ここへ来て一年が経つのに……今のは、少し悪い咳だった。
喉に何かが絡んだり、空気の乾燥のせいではない。
勇者(……今日は、早く寝よう)
*****

6 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:20:56.94 ID:fQSRpZJAo
次の日になると、起きてすぐ喉が荒れているのが分かった。
昨日は何もせずに寝たのに。
酒も断って、暖かくして眠ったのにも関わらず、喉の痛みが酷い。
勇者「……な゛ん、だ……ごれ゛……?」
水を飲んでも、咳払いをしても、荒れた喉が発声の邪魔をして、治らない。
イガが突き刺さったような不快感が、消えない。
堕女神「おはようございます、陛下」
勇者「ああ。……お゛……っ」
いつものように起こしに来た堕女神に挨拶しようとして、息が詰まり……喘鳴を含んだ、タチの悪い咳をしてしまった。
勇者「う゛、げほっ……! がふっ……!」
堕女神「え……!? へ、陛下?」
勇者「ああ゛……心配、しなくて……っ!!!」


7 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:21:38.76 ID:fQSRpZJAo
威嚇するように震えた咳とともに、喉に鋭い痛みが走った。
続けて、込み上げてくる熱と、胃へ向けて下りて行く熱の両方を感じた。
それは気管にまで入り込み、思わず咽て咳き込み……口から、“熱”の正体が吐き出されてベッドを汚す。
堕女神「陛下っ!」
赤く飛び散る、その飛沫を見たのは、一年ぶりに。
“魔王”との戦い、以来だった。
勇者「堕女神……だい……じょう、ぶ……だ……っ!」
落ち着けようと言葉を発しようとしても、言葉にならない。
彼女の呼びつけた近くのメイドが部屋に入ってくるまで。。

8 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:22:38.86 ID:fQSRpZJAo
*****
サキュバスA「……つまり、何ですの。咳のしすぎで喉が破れて、血を吐いたと?」
勇者「あぁ……ぞ、う゛……なる゛……」
サキュバスA「お話しにならなくて構いませんわよ。それにしても……ねぇ」
勇者「……?」
サキュバスA「堕女神様も……気が気でなかったでしょう」
喉の奥が、息をするだけでも痛んだ。
少し声を出そうとするだけでズキズキと疼いて、滲み出た血が喉へ流れ込む。
サキュバスA「まぁ、今日はお眠りなさいな。命に関わる事ではありませんし」

9 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:23:36.52 ID:fQSRpZJAo
勇者(……体調を崩すなんて、なぁ)
怪我でも呪いでも毒でもなく、“病気”にかかるのは久しぶりだった。
もしかすると……“勇者”になる前にまで遡れる。
サキュバスA「ただ……陛下もそろそろ、落ち着いてこれたのでしょうね」
勇者「え……?」
サキュバスA「だって、そうでしょう。陛下のこれまでのご人生。病床に伏す暇も恐らくは無かったのでしょう」
勇者「まぁ……ぞう゛、だな」
サキュバスA「何せ貴方は、世界の希望。絶望たる“魔王”と双極。魔王があくせく働いているのに、“勇者”が休む訳には参りませんもの」
勇者(……なるほど。俺もようやく……感冒にかかって寝る事が、できるのか)
受けた毒、負わされた怪我、かけられた呪い、身体を侵す能力低下の魔法。
そうした“戦い”の傷ではなく、ただ何となく流行るお決まりの感冒。
思えば、かかり始めの事ぐらいは旅の中でもあったのに、それに気付いてはならないから無理を押して旅をし、戦い続けてきた。
今、発熱と倦怠感、それと喉の痛みと咳をようやく自覚できる。
ようやく命の危機なく、何に遠慮をすることもなく眠って治す事ができる。
ようやくーーーー“病人”を、やれる。

10 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:25:20.25 ID:fQSRpZJAo
サキュバスA「……ちなみにこの状況、サキュバス族の“定番のシチュエーションベスト10”の常連ですわね。
         病で寝込む殿方、忍び込む淫魔、『うふふ……こんなに硬く張ってて、苦しそうねぇ……』。
         そう言ってズボンと下着を下ろさせると、長く身体も拭けずに溜まったオスの香りが鼻をつき、
         ひたすら高まり熟成されたモノがぎっちりと詰まって……」
勇者「待で」
サキュバスA「加えて病床の殿方は命の危機に瀕している本能か、ともかく精力が増していて。
         “ふふっ……いっぱい出たわね”の一言で〆るのが定番で」
勇者「そう、いう話は……今、ば……」
サキュバスA「あら、知識より実践がお好み? それでしたら私が僭越ながら……」
堕女神「何をしているのですか」
ベッドの向こう側の椅子、サキュバスAの対面に座っていた堕女神がそれを制する。
サキュバスA「何、って……まぁ、ナニなど」

11 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:26:46.73 ID:fQSRpZJAo
堕女神「いけません。弱っておられる陛下の寝込みを襲うなど」
サキュバスA「いいえ、イケます。それにあまり高熱ですと、精子を作る機能が弱ってしまいますし」
堕女神「陛下は微熱です」
サキュバスA「じゃあもう、あれです。……病で少し弱々しくなった陛下にもうちょっとうざったく絡みたいだけで他意は……」
堕女神「他意そのものじゃないですか!」
勇者「いい゛、から……静かに……」
堕女神「……申し訳ありません」
サキュバスA「ほぅら怒られた。病人の部屋で騒ぐなんて……いただけませんわねぇ」
堕女神「誰のせいだと……!」
サキュバスA「では、私はこれで。堪能させていただきましたわ。それではまた明日。おやすみなさいませ」

12 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:27:40.22 ID:fQSRpZJAo
サキュバスAがようやく退出すると、寝室の中は一気に静まり返った。
勇者は声を出すのも億劫なばかりか、姿勢を変える事でさえ酷く気だるく感じる。
いがらっぽさがまだ喉に残り、咳き込むたびにズキズキ痛んだ。
ぼうっとした熱が頭の中に籠もり、目も潤んできたのに、それに反して寒気がある。
“勇者”じゃなかった時代にかかった、何という事も無い感冒と同じで……懐かしさだけがある。
堕女神「まったく、彼女ときたら……。そろそろお眠りくださいませ。明日は、お体をお拭き致します。今日のところは……どうか」
勇者「……悪い、な」
堕女神「いえ、陛下の御身体の為……と、申し上げたいところですが……」
勇者「え……?」
布団の中でーーーー温感の鈍くなった手を、それでも熱く感じる華奢な手が握った。
ふと、堕女神の顔を見れば……黒真珠のような眼が潤み、その中にある紅と細い瞳孔が、たよりない火のように揺れていた。
堕女神「私、は……あんなに、怖くなったのは……初めて、でし、た……」
絞り出すような声は、震えている。
幾度も詰まる言葉の終わりには、とうとう嗚咽までも混ざった。
手を握り返してやって……しばらくも、彼女の震えは治まらない。

13 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:28:52.54 ID:fQSRpZJAo
堕女神「……申し訳ございません、陛下」
どれだけ時間が経ったか、ようやく堕女神は落ち着きを取り戻す。
勇者「……心配かけて、ごめん」
堕女神「その……陛下。今日はお側で眠らせてくださいませんか」
勇者「え……? いや、駄目だ。君にうつる」
堕女神「ご心配には及びません。私は、かつてとはいえ“神”の眷族ですから……病にかかる事は、ありません」
勇者「でも……」
堕女神「どうかお願い致します。もし私が自室に戻ったとしても……きっと、眠れません」
勇者「……分かったよ」
こうなってしまうと、もう堕女神は引き下がらない。
いくら“大丈夫だ”と言い聞かせても埒が明かないだろう。
まして理由がこちらであって……仮に引きさがらせても、余計に堕女神の心労が嵩むだけだと悟った。
目を閉じると衣擦れの音と、脱いだそれを折り畳む音が聴こえた。
どれだけ寝ても満たされない眠気にまた身を浸し、沈む直前。
布団の中に入り、寄り添ってきた堕女神の少し冷えた肌が当たる。
それはとても心地よくて……体の熱さと怠さが、吸い取られ、どこかへ消えていってしまうような気がした。
堕女神「……もし、お辛いようでしたらなんなりとお申し付けください。何でも……いたします」

14 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/23(月) 00:33:03.96 ID:fQSRpZJAo
一日目、投下ここまでで終了です
もうスレは立てないと言ったけれど、まぁ一年に一度ぐらいなら構やしないだろうと
まだ一応は正月だし景気を付ける意味でも
それではまた明日、日付けは変わるか変わらないかの頃にまた会いましょう

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/23(月) 00:34:53.03 ID:bpULiCbM0
待ってました乙
だめがみさんマジ正妻

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/23(月) 00:37:30.89 ID:VulOlsrDO


23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/23(月) 00:59:14.02 ID:Av3MNTRJo
待ってた!
復習がてら最初から読み直してくる

48 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:17:54.48 ID:TB1GBG6ro
*****
深夜になり、痛みが目を覚まさせた。
倦怠感に覆われた身体を、それでもよじらせるような……そんな堪えがたい、熱を持った痛み。
その根源にあるのは……まさしくサキュバスAが指摘した通りの場所だ。
勇者「ぐぅっ!」
寝返りを打とうとして、シーツに触れた一瞬。
昂ぶり切った神経が、一瞬の摩擦を痛みに替えて背骨に走らせた。
思わず苦痛の声が漏れ出て、とっさに堕女神を起こしてしまっていないか、気配を探った。
だが、彼女に特に目を覚ました気配はない。
 
ひとまず安堵するも、それより何より……ひどく、昂ぶってやまない。
彼女を起こして、落ち着かせてくれと頼む事はいくらなんでもできない。
しかし堕女神が隣で寝ているのに自分で鎮めるのも無理だった。

49 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:18:54.17 ID:TB1GBG6ro
勇者(寝、る……なんとか、寝るしか……!)
ずきずきと痛むほど血が巡るそこは、厄介な傷になった。
ほんの少しの摩擦でも痛い。
貫かれ、突き出た剣先を指で掴まれて傷口を広げられるような、感覚の暴走。
実際そうされた傷なら耐え忍べたのに……あまりに、部位がまずい。
一度として味わった事の無い痛みが、もっとも脆弱な部分を襲っていた。
勇者「……い、たっ……!」
堕女神「……陛……下?」
情けなくも声を漏らしてしまうと、向けた背中越しに、堕女神の声がはっきりと聴こえた。
気付かない振りも、寝ている振りも、もうできない。
勇者「起こして、悪い。……でも、何でも無いんだ」
堕女神「陛下。私を慮っていただけるのなら、どうか正直に申して下さい。どこか……悪いのですか?」

50 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:19:52.92 ID:TB1GBG6ro
布団の中で、すっかりと暖まった堕女神の手が差し伸ばされ、腹部を抱くように撫でられた。
じわりとした暖かさが沁みるような、優しく細い手の感触。
それはーーーー紛れもなく、彼女が“女神”であった事を何より語る。
同時に、勇者は恥じて……恥じながらも、正直に告げる。
勇者「分かった。でも、腹とかじゃない。……その、下だ」
堕女神「下?」
そのままゆっくり、女神の掌が腹筋から臍、と滑りおりてーーーー熱く高まった“それ”の気配を感じて、動きを止めた。
勇者「……だから別に、どこか痛いわけでも、気分が悪いわけでもない。寝ていてくれ」
病気じゃない。
薬を飲んだり、水を飲んで治まるものでもない。
男がそうなった時は、とにかく時が経つのを待つしかない。
なのに。
堕女神「……かしこまりました、陛下。私が……お鎮めします」

51 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:20:40.93 ID:TB1GBG6ro
勇者「何っ……え!?」
布団の中に潜り込んだ堕女神が、その中でこちらの下着を優しく下ろす。
屹立したそれが引っかからないように、布団の中、それでなくても暗闇だというのに気を遣っているのが分かる。
時間にして、ほんの数秒。
彼女は、何の痛みも届ける事無くーーーーこちらの剣を、抜かせてみせた。
堕女神「んっ……こんなに、硬くなされて……これも、症状なのでしょうか……?」
勇者「分からない……な……」
堪えきれず布団を剥ぎ取ると、窓から差し込む明けかけた夜の薄明りに、情けないほど屹立した“自分”と、堕女神の顔が見えた。
彼女と眼が合う事はない。
その視線は異常なほどに昂ぶるモノに向けられていた。
布団をかぶっていなくても、寒気は無い。
それどころか……火照った体に具合の良いほどだった。


52 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:21:23.69 ID:TB1GBG6ro
堕女神「あの、陛下。もし……痛みがありましたら、どうかお申し付け下さいね」
それだけ言って、彼女は目を閉じ、根元からゆっくりと舐め上げる。
その刺激は……痛みに感じない。
むしろ何かが癒されて行くような、不思議な心地よさがある。
普段するそれとはーーーー“性感”とは、また違うものだった。
何かが満たされて行くような、摩訶不思議な感覚。
堕女神「ん……大き、くて……、んぶっ……! まる、で……腫れてる……みたいで……!」
今日の堕女神は、普段とは違い……早く出させるために、余裕のない口淫を行っていた。
持ち前の豊かな二つの果実を使う事も無く、手指を添えて焦らす事も無く、ただ、早く射精を促すため。
これまでで知った性感帯をなぞり、最短距離でそこへ到達するための。
それは、“愛の女神”の振る舞いそのものだ。
激痛を及ぼす傷口を、慈悲深く癒すための施術。
全ての世界でーーーー勇者、ただ一人だけがそれを受けられる。
それは熱くて邪な昂ぶりが、まるで浄化されるような不思議な感覚だった。

53 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:23:32.15 ID:TB1GBG6ro
勇者「っ……だ、めだ……! 出るっ……!」
堕女神「はむぅっ……! どうか我慢なさらないで……私のお口に、吐き出してください。
     ……貴方の……苦しいの、私が、飲み干しますから……!」
呆気なく、その時を迎えた。
彼女がぱくりと銜え込んだ亀頭から、放熱するようにそれは迸り、口腔を穢す。
ごぷごぷと垂れ流される精液という名の“膿”は激流のように堕女神の口から喉へ、流れ込む。
ぴったりとモノに貼り付いた唇を窄め、飲み下していく彼女の頭は、小刻みに震えていた。
彼女の口の中、舌とすべすべの歯、頬の粘膜、体温を……上書きするように、吐き出された精液のぬめった温もりが絡みつく。
それなのに、一滴たりとも……こぼれる事は無い。
女神はそう誓約を果たすように、浄めていった。
 

54 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:27:33.83 ID:TB1GBG6ro
やがて治まり、モノが硬さを失い始めてようやく堕女神は、ゆっくりと口を離していった。
口の粘膜と舌で、こびりついた精液を拭い去るように。
最後の一滴までも味わうようにーーーーゆっくりと、唇からモノを離す。
軽い咳払いを一度してから、彼女は言った。
堕女神「……陛下、お具合はいかがでしょうか?」
勇者「ああ……助かった」
堕女神「それは何よりです。……陛下」
勇者「?」
剥ぎ捨てた布団を再び首までかけてくれ、堕女神も再び寝床へ横たわる。
その中で探り、引き寄せられた腕が、彼女の胸の間へ吸い込まれて……二つの柔らかさの中で、鼓動を伝えられた。
堕女神「快癒なされたら……しましょう、ね……?」
いきなりの感冒で潰れた一日。
その終わりはーーーー彼女の、そんな“お願い”で終わった。

55 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:28:39.83 ID:TB1GBG6ro
翌朝……起きた時には、もう身体の不調はなくなっていた。
完全にではなくとも、普段とあまり変わらない程度には、熱もだるさも、寒気も薄れていた。
しかし、目が覚めるとーーーー自然、“そこ”は張ってしまっていて。
勇者「…………」
堕女神「お断りします」
勇者「何も言ってない」
堕女神「言わずとも分かります。……日が昇ったばかりですよ? 少し回復されたようで何よりです」
勇者「くっ……」
堕女神「慎んでください。さて……朝食を運んで参ります。それでは」

56 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:29:16.40 ID:TB1GBG6ro
昨晩とはうって変わって冷たく突き離され、勇者は独りで部屋に残された。
誰もいなくなった部屋で、冷静に今一度自分の体調を確認する。
頭を軽く振っても、頭痛も目眩もしない。
ぼんやりと焦点の狂っていたような視界もなく、額や脇に手を当てても、熱は引いていた。
シーツの端を掴んだり、離したり、色々とまさぐってみても手の触感もおかしくなく、自由だ。
血を吐くまで咳き込んだ喉も、今はもう痛くない。
一晩明けてみれば、昨日の不調がまるで嘘だったように、けろりと治ってしまう。
勇者(大人になると……こういうのは長引かないものなのか?)
釈然としないまま、サイドテーブルの水差しに手を伸ばす。
窓から差し込む朝日と、鳥の声に聴き入りながら、ひとまずは朝の時を過ごした。
その間に朝立ちは収まった。
収まったが……それでも、おかしな半勃起状態より下にはならない。

57 : ◆1UOAiS.xYWtC :2017/01/24(火) 00:29:56.19 ID:TB1GBG6ro
本日投下分終了です
ではまた明日

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/24(火) 00:33:20.86 ID:2OYQYVUko


59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/24(火) 00:37:38.84 ID:iD6/dVq60

活力が生まれた

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/24(火) 00:42:34.26 ID:tjzE6YG20
乙です

61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/24(火) 01:09:16.65 ID:N0P6DL4y0

明日が楽しみだ 待ってる

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/24(火) 01:13:37.78 ID:yb+OQS970
さすがの文章だ 毎日の楽しみになったわ

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