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勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
触手王のお仕置き編

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Part1
1 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:08:32.59 ID:MraeMU1Uo
勇者:文字通り。魔王を倒した後、淫魔の国の王になる。ムダに強い。
堕女神:淫魔の国の王の身の回りの世話をしている。態度が硬いが、実はキス魔。料理も得意な元・”愛”の女神。
サキュバスA:おちょくるような態度を取るお姉さんタイプのサキュバス。実はMの20942歳。
サキュバスB:精神年齢低めのサキュバス。王にガチ惚れしてて色々悩む。3418歳。
隣女王:隣国の淫魔を統べる女王。幼い姿のまま成長しない特性を持つ、褐色銀髪ついでに貧乳の15歳。真面目だが本性は……
オーク:レイプ要員。空気も読める。
ローパー:触手要員。ちょっとだけ芸もできる。
隣国の淫魔達:幼女の姿で歳を取る。おしなべて殺人的に淫乱。サキュバスAがドン引きするレベル。
ポチ:魔界最強のローパー。魔族の魔法では決して傷つかず、不死に限りなく近い。今はワルキューレとえっちしたい。
ワルキューレ:迷子になって淫魔の国に居ついた。勇者に勝つのが目標。サキュバスAにトラウマを植え付けられた。
・本編完結後の後日談となります。
・毎日更新は多分できませんが、できる限り頑張ります。
・質問には可能な限りお答えいたします。ご指摘、ご感想お待ちしています。
・荒らしはスルー。荒らしに反応してる人に対してもスルー。
・sage進行でお願いしますが、ageられても怒らない怒らない

2 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:09:57.25 ID:MraeMU1Uo
染め抜かれたような闇の中から、続けざまに、粘つくような液体音が響く。
途中に絶え絶えに混じり合うのは、甘やかな吐息と、嫌悪を孕んだ悲鳴。
嗅ぎなれない生臭い香りが鼻をつき、暗闇の中で行われている行為をそこはかとなしに気づかせた。
だが―――「何」がいるのか。
交響曲のように、いくつもの微かに異なる「音」が重なり合う。
ぐしゅぐしゅ、と何かを泡立て、擦りつけるような音。
ぶちゅぅ、と何かを絞り出すような音。
激しく吸い付くような音、
湿った何かを水音とともに激しく摩擦させる音、
そして、表現の言葉さえ見つからないような、想像さえもできない音。
???「いあっ…ひゃぅぅっ!だ、ダメ……ぇ……!ゆるして、ゆるしてぇぇ……!」
久方ぶりに、この空間に意味ある「言葉」が訪れた。
原始に帰ったかのように、まるで意味のない韻律しか紡がれなかった世界に、再び。
???「ごめんなさ……ひいぃあぁぁぁぁぁ!いぎぃぃぃ!」
謝罪の言葉は、絶叫へと化けた。
直前に聞こえたのは、空気をかき分けるような、細く長い音。
それはもはや、断末摩の悲鳴だった。
果たして、この場で行われているのは、一体何なのか。
吐き気を催すような血の香りは漂っていない。
ただただ生臭く、たまに薄まったアンモニアの匂いが鼻をつくのみ。
―――それだけに、何よりも不気味だった。
???「ごめんなさい!ごめんなさいぃぃぃ!もう、やめ……が、あぁぁぁぁぁ!いやあぁぁぁぁ!!」
???『……いけません。これは、教育なのですから』

3 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:10:28.52 ID:MraeMU1Uo
話は、二日ほど遡る。
勇者「………話が見えないぞ?」
隣女王「……陛下のご協力が必要なのです」
内密に頼みたい事がある、と訪れた隣国の女王は、ある話を持ちかけた。
勇者「つまり、あれか。態度が悪い部下に、お仕置きをしたいと?」
隣女王「はい。…どうか、お願いいたしたく」
先のワルキューレの一件は、彼女でさえもまずいと思ったとの事。
解放しろと命令したはずのワルキューレを城の地下に捕らえ、嬲り、
最終的には惨めな肉人形へと堕としてしまった。
それも、遊び半分に。
彼女はもはやヴァルハラには戻れず、今も尚、女王の宮殿で暮らしているという。
勇者「女王がそんな事を言うからには、ワルキューレの一件だけじゃないんだろ?」
隣女王「彼女らの行動は目に余ります。もはや見過ごせません」
勇者「風呂場で命の恩人を寄って集ってオモチャにしたりな」
隣女王「はい?」
勇者「あ、あぁ……いや、何でもない!」アセアセ
隣女王「?」

4 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:11:02.89 ID:MraeMU1Uo
勇者「……で、他に何をやったのかな?…言いたくないなら突っ込まないけど」
隣女王「…………まぁ、基本的にはワルキューレの方と同じです。ただ、前科があまりに多くて」
勇者「ほほう」
隣女王「…そ、その……私の口からは…とても……!」カァァァ
勇者「……(二重人格め)」
隣女王「とにかく……彼女らを教育するため。ぜひとも……『キングローパー』の力をお借りしたいのです」
勇者「キング?…ローパー?」
隣女王「…陛下は、『ポチ』と名付けておいででしたね」
勇者「あいつ、そんな種族だったの?」
隣女王「創世の女神をも穢し堕とす、最強種のローパー。淫魔でさえもよがり狂い、人間であれば悶え死ぬと言います」
勇者「えー……」
隣女王「ご存じなかったのですか?」
勇者「……確かに普通のローパーにしちゃ、やけにデカいし触手が多いと思ってた」
隣女王「…………」

5 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:11:26.38 ID:MraeMU1Uo
勇者「で、何だ。ポチを貸せと?」
隣女王「……語弊がありました。彼に、我が国への出張をお願いしたいのです」
勇者「ふーむ……」
隣女王「タダでとは申しません。……どうか、お願いします。恥を忍んで……」
勇者「…………まぁ、いいが」
隣女王「え?」
勇者「ポチも欲求不満のようだし、ガス抜きにはいいだろうし」
隣女王「ありがとうございます!それでは、明日にでも、彼を連れて行かせていただいても?」
勇者「ああ、いいとも。……こちらから、『本人』には話をつけておくよ」
隣女王「……話せるのですか?ローパーと?」
勇者「俺じゃない。……っていうか、ローパーと話せるのはやっぱり珍しいの?」
隣女王「普通は話せませんよ。そもそもローパーに発声器官など無いじゃないですか」
勇者「あ」
隣女王「……『コミュニケーション』という概念があるのかどうかさえ疑わしいですよ」


6 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:11:52.10 ID:MraeMU1Uo
勇者「しかし…他に、やり方はないのか?」
隣女王「………どんな罰を下しても、彼女らには効き目がありませんでした」
勇者「だからって……」
隣女王「……確かに、私達の種族は、抑え難いほどの『本能』を持っています」
勇者「(自覚あったのか)」
隣女王「…ショック療法、というものを試してみようと思いまして」
勇者「おいおい……」
隣女王「別に、真面目になってくれなくとも良いのです。少しだけ反省して、少しだけ慎みを持ってくれさえすれば」
勇者「まぁ、女王みたいに真面目なのもいるからな。……ちなみに、そいつらは何歳?」
隣女王「確か……CとDが47歳、他の者達は50から60……」
勇者「47でそんなキャラ!?」
隣女王「……お恥ずかしい限りです」
勇者「……年上…………いや…今に始まった事じゃないか」
隣女王「?」

7 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:12:16.03 ID:MraeMU1Uo
執務室
勇者「……ってな訳で、しばらくポチは隣国に出張する事になった」
堕女神「…また事後承諾ですか」
勇者「仕方ないだろ。ポチのガス抜きというか、慰安も兼ねてさ」
堕女神「大丈夫でしょうか。心配です」
勇者「大丈夫だって。そうそうヤワでもないぞ、ポチは」
堕女神「いえ、そちらではなく……」
勇者「?」
堕女神「隣国の淫魔です。…無事だと良いのですが」
勇者「…………え?」
堕女神「お預けを食わされ高まったキング・ローパー。その猛り狂った触手を受け止められる種族などありません」
勇者「え?」
堕女神「……淫魔でさえも耐えられない、もはや残酷な程の快感。……死者が出なければ良いのですが」
勇者「えー……ひょっとして、トンデモナイ事をしちゃったかな?」
堕女神「まぁ、聞くところでは、対象は一人ではないようですし……おそらく、大丈夫でしょう。分散されますよ」

8 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:12:50.71 ID:MraeMU1Uo
勇者「……やべ、ちょっと冷や汗が出てきた」
堕女神「せめて、ご相談下されば」
勇者「後悔してるよ」
堕女神「……それでは明日、『ポチ』を隣国へ送り……」フラッ
勇者「おい、堕女神?」
堕女神「はい…?」
勇者「…はい、じゃないだろ。大丈夫なのか」
堕女神「……問題は……ありません」
勇者「目の前でフラついておいてそれは無いだろ」
堕女神「…申し訳ありません」
勇者「……体調が悪いんなら、隠すなよ」
堕女神「いえ、大丈夫です。それより、続けさせていただきます」
勇者「…………」

9 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:13:20.83 ID:MraeMU1Uo
地下室
勇者「……そういう事で、明日から頼むぞ、ポチ」
サキュバスB「なるほどぉ~……」
ポチ「……」グネグネ
勇者「何か言ってるのか?」
サキュバスB「『腕、いや触手が鳴るぜぇ!』だそうです」
勇者「ヤる気満々だな、期待しているぞ。ちゃんと女王の言う事を聞けよ?」
ポチ「………」コクリ
サキュバスB「隣の淫魔さん達、大丈夫なんでしょーか……」
勇者「…それはもういい。既に悪党の気分なんだよ」
サキュバスB「……うーん」
ポチ「………」グネグネ
勇者「今度は何だって?」
サキュバスB「『フッ。俺様が子宮の奥まで根性を叩き直してやるぜ』ですって」
勇者「キャラ変わってね?」
サキュバスB「この子、いつもわりと熱血ですよ?」
勇者「いらない情報増やすな!」

10 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:13:52.95 ID:MraeMU1Uo
――――そして、明くる日。
女王をもてなした後に、馬車にローパーを詰め込み、彼女らは帰って行った。
軟体を持つ魔物は馬車にみっちりと押し込まれ、女王を含めた数人の淫魔は、別の馬車へ。
勇者「それじゃ、ポチ。頑張れよ」
ポチ「………」グネグネ
サキュバスB「『おれにまかせろ』だそうです」
勇者「マネすんなこの野郎」
隣女王「それでは、ありがとうございました。……済み次第、こちらにお送りいたしますね」
勇者「ああ。……まぁ、好きにさせて。責任は俺は取らないぞ」
隣女王「?」
勇者「いや、別に。……それでは、体に気を付けてな」
隣女王「はい。それでは、皆様方もお元気で」
馬車が見えなくなるまで見送り、勇者と彼女らは城内へと戻る。
―――そして、話は隣の国へ。

11 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:14:22.84 ID:MraeMU1Uo
隣女王「……いいですか?」
幼淫魔C「…?女王さま?何ですか?」
夜中、宮殿の中を見回っていた「一人目」へ、隣女王が声をかけた。
当人はきょとんとして、次の言葉を待っている。
減らされた明かりの下で、女王の顔は苦く、歪んだ。
唇の震えを押さえながらでは、上手く言葉は綴られない。
たとえこれが罰だと分かっていても。
臣下の素行を正すための、仕方ない過程であろうとも。
彼女は、まるでどちらが罰を下される側なのか、分からないような空気を漂わせていた。
隣女王「ついてきていただけますか?あなたに、大切な話があるのです」
幼淫魔C「……はい。どこに行くんですか?」
隣女王「地下へ。どうしても、他の者には聞かれたくない話なのです」
幼淫魔C「わかりました」
疑いを一欠片も持たず、彼女は、女王へと追従した。
その素直な態度に、ちくちくと胸が痛む。
これから―――彼女は、「教育」を受けるのだ。
それも、淫魔をも喰らう魔手によって。

12 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:14:55.67 ID:MraeMU1Uo
階段を抜け、底冷えのする地下室を歩み続ける。
反響した足音が重なり合い、二人だけの足音が幾倍にも増えて聞こえた。
あくまで振り返らず表情を見せない女王。
それに反して、表情が少しずつ曇り始めた、幼い淫魔。
足取りがどこに向かっているかを、理解し始めたからだ。
ワルキューレに始まり、訪れた他種族の女を弄ぶのに使った、鉄扉に隔てられた空間。
その場所へと誘導されていると、気付いたのだ。
幼淫魔C「…女王、さま?」
隣女王「はい」
幼淫魔C「どこへ…行くんですか?」
隣女王「すぐ近くです。…言ったでしょう。誰にも聞かれたくない話があると」
優しくたおやかな女王にしては、冷たい声で返事がされる。
有無を言わせぬ迫力さえ感じ、幼淫魔Cはすぐに口を噤んだ。
隣女王「……着きました、この部屋です。こちらへどうぞ」
案内された場所は―――予想を裏切っては、くれなかった。

13 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:15:25.19 ID:MraeMU1Uo
重く軋んだ音を立て、鉄製の扉が開かれる。
入り口を除いて照明は落とされており、部屋の奥には完全な闇の一角があった。
否――正しくは、部屋の7割が、暗闇と化していた。
入ってすぐの壁面に蝋燭が3本ほど灯されている他は、何も無い。
飲み込まれるような、誘い込むような、闇。
幼淫魔C「……あの……?」
隣女王「入ってください」
幼淫魔C「で、でも……なんで、こんな……暗く……?」
隣女王「使わない部屋の明かりを落としておくのは、おかしいですか?」
幼淫魔C「………」
隣女王「…私は、『入りなさい』と言いましたよ?」
幼淫魔C「は、はい!」
急かされ、疑念を宿したまま、部屋に入る。
眼で見通せない闇の中には、気配を感じるような錯覚をする事がある。
それ故、人々は闇を恐れる。
そこに見えぬ何かが存在するのではないか、と慄く。
この場合は、無論、錯覚ではないのだ。
闇の中には、文字通りの『魔物』が潜んでいるのだから。

14 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:16:00.17 ID:MraeMU1Uo
開け放たれた入り口近くに、女王が立つ。
闇を背にして、幼淫魔Cが、背を気にしながら向かい合うように。
未だ、自らに起こる事も、闇の中にいる者も、理解している訳では無い。
あまりにも、不自然すぎる事だけだ。
女王が声をかけ、自分一人を連れてきた事。
話があるといい、地下室の、それも奥まったこの部屋へと連れて来られた事。
よりによって、幾多の凌辱が行われたこの部屋、それも何故、ことさらに闇へと包まれているのか。
そして―――何故、女王は口を開こうとしないのか。
隣女王「……私は、あなたが好きです」
幼淫魔C「え……?」
隣女王「いえ、あなただけではありません。私は、我が国の民を愛しております」
幼淫魔C「え、な、何ですかぁ?」
隣女王「…都合のいい物言いだとは分かっています。私は……あなたが好きだから、こうするしかないのです」
幼淫魔C「な、何を言ってるんですか?」
隣女王「……ワルキューレを弄び、魔界に迷い込んだ人間を性別関係なく犯し、壊してしまった」
幼淫魔C「…………?」
隣女王「これは罰ではありません。……でもあなたには、一度だけ地獄を見ていただくしかないのです」
幼淫魔C「何……?こ、怖いですよ?女王さま?」
隣女王「………お願いします。『ポチ』さん」

15 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:16:34.60 ID:MraeMU1Uo
闇の中、空気が蠢く。
やたらに粘っこい音が高らかに響き、闇に感じた気配が一気に収束していく。
背を向けていた彼女の背筋に走ったのは、悪寒などという「生ぬるい」ものではない。
本能が、ただ一つの言葉を警鐘を打ち鳴らす如くに繰り返す。
彼女の思考一切すべてがそれだけに傾き、他の思考を叩き出して。
―――逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
振り返る事無く、半開きの扉へと走り出す。
女王の脇をすり抜け、敷居をまたいだ、その瞬間。
腹部、足首、肩、胸。
全身に何かが巻き付く感触。
粘り気や不快感を感じるより先に、強烈な負荷とともに、一気に引き戻され――闇の中へと、引きずり込まれた。
眼の端に女王の姿が映り、それは、一瞬で遠くなった。
幼淫魔C「……な、何っ!?じょ、女王さまぁ!」
隣女王「…あなたが反省し、行動を少し改めてくれればそれでよかった。……でも、あなたはその全ての機会を蹴ったのです」
幼淫魔C「やだっ……!ね、ネバネバして……ひゃぁぁぁっ!?」
隣女王「……それでは、また明日の夜に来ます。その時には、お返事を聞かせてくださいね?」
視界を埋め尽くす触手の林に、扉をくぐる女王の姿を認めた。
彼女を独り、魔物とともに残して。
幼淫魔C「ま、待ってぇ!置いていかないでぇ!いや、いやだよぉぉっ!」
せめてもの情けか、女王が出る間際に、室内の蝋燭が全て灯る。
そして―――扉が閉まる無慈悲な音が、竦ませるように響き渡った。

16 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:17:09.00 ID:MraeMU1Uo
完全に閉め切られた空間に、淫魔と、魔物が取り残される。
罠にかかった鳥のように、彼女は何度も逃れようと手足をばたつかせる。
しかし、それは足掻きにもならない。
小さく力の弱い彼女では、からみ付く無数の触手から逃れる事などできない。
手首を、太腿を、華奢な腰を、細い首を、大小合わせて数十の触手が拘束する。
粘っこく不気味に暖かい潤滑液が、彼女の全身をぬめぬめと穢していく。
衣服からじんわりと浸透し、ぬるま湯に浸かっているような感覚が広がる。
幼淫魔C「…や、だぁ……気持ち、わるいよぉ……!」
不平をこぼした口に、粘液がわずかに忍び込む。
量にしてほんの数滴にも満たないそれは、口内に異様なほどの生臭さを充満させる。
息をするのも苦痛となり、鼻を抜けるそれは幾度も吐き気を催させる。
幼淫魔C「いやっ!臭い………!うぶぅっ……」
咄嗟に吐き出そうと試みるも、瞬間、更に多くの粘液が滑り込んでくる。
耐えがたい悪臭と不快感、そして「恐怖」は、永劫の如く彼女を責め苛む。
その悪臭が逆に気つけとなってパニックをやや落ち着かせた彼女は、現状を把握しようと試みる。
肉体に、苦痛は感じない。
全身を隈なく縛められながらも、痛みは無い。
むしろ、彼女に不要な痛みを与えないように、この触手の主が慮っているようにも思えた。
幼淫魔C「ローパー……?」
本体は見えない。
しかし、他に思い当たるものも、当てはまるものもない。
――――――――
無数の触手を蠢かす魔物、ローパー。
硬質化させた触手を用いて甲冑をも貫き、鞭のように薙ぎ払い、その戦闘力も侮れたものではない。
人界に存在するローパーには、その生殖方法において二つの種類が存在する。
「産卵型」と、「受精型」だ。
前者は捕らえた他種族の体内に産卵を行い、同時に獲物を麻痺させて苗床へと作り変える。
そして後者は、他種族、人間をはじめとした種族の体内に精を放ち、種を植え付け、受精させる。
その為に、排卵を促す成分を注入するための針のような器官を通常備えている。

17 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/05/29(火) 01:17:42.77 ID:MraeMU1Uo
しかしここは、人界ではない。
ローパーが繁殖に用いる事ができるような種族は存在しない。
多岐にわたる淫魔をはじめとした魔族、アラクネ、ラミアといった女性型の魔物。
どちらも、ローパーに後れをとる代物ではない。
強いて挙げれば総じて臆病な性質の「ハーピー」が当てはまるが、空を飛べる事を考えると、捕まえる事は不可能。
繁殖の手段と機会は、この魔界には無いと言ってもよい。
魔界に適合したローパーは進化を遂げ、独自の繁殖方法を発達させていった。
とは言っても、他種族の力を借りずに産卵を行い、自ら子を育てるだけである。
もともと至極単純な魔物である彼らには、遺伝子を交配させる意味はそう無かった。
しかし、一部のローパーはいつしか、掟破りの生存戦略を打ち立てた。
単純明快、そして生物として不可能ともいえる難題を、追い求めて。
―――「死ななければ、繁殖の必要はない」
――――――――
幼淫魔C「んっ……んぅぅぅ!」
為すがままにされていた彼女が、力を漲らせ、魔力を放つ。
紫紺の光が室内を照らし、燭台の火がゆらぐ。
その瞬間、彼女の全身をまさぐっていた触手の群れが紫の炎に包まれる。
彼女の体に熱は伝えず、ただ触手だけに熱傷を与えようと。
淫魔の魔力によって生み出された炎は、決して消えない。
相手を焼き焦がすまでは、たとえ水中に逃れようとも燃え続ける。
――――はずだった。

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