女剣士「目指せ!城塞都市!」魔法使い「はじまりのはじまり」
Part2
23 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 01:59:33.25 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「商人君には銀行と、予算の管理をお願いしたい。」
商人「……すごく大きな仕事ですね!」
魔法使い「盗賊君は自警団。 ゆくゆくは騎士様に。」
盗賊「ええっ!? ボクがあっ?」
賢者「商人君はお金の管理が得意ですし、盗賊君ならセキュリティーについても才能を発揮できますね。 素晴らしい配置ですよ」
魔法使い「そうなの? たまたまだけど良かったわ。」
魔法使い「緊急時以外は私たち六人が1ヶ月に一回集まって街の行く末を話し合う会議を行う。 これ大事。」
魔法使い「司法関係は賢者さんに任せる。」
賢者「分かりました。 魔法使いさんの補佐もさせて頂いてよろしいでしょうか?」
魔法使い「今後の計画立案に力を貸してもらえると有り難い。」
魔法使い「私は道具屋を経営しつつ、この町、オリファン城塞都市化の計画を立てる。 ……女剣士。」
女剣士「? ああ」
女剣士「私はこの町を城塞都市に変え、来るべき新魔王の脅威に備えたい」
女剣士「皆の力を借りたい……よろしくたのむ!」
五人「おおっ!」
三匹「ワン! ワン!」
僧侶「現在の人口……六人と三匹!」
24 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:18:02.28 ID:ni3WNVbAO
ーー
魔法使い「さて、色々やらなければならないことがある。」
女剣士「いや、たくさんあるだろうな。 ほとんど一から街を作るんだから」
魔法使い「とりあえず宿の確保が出来たので、冒険者誘致、大工誘致をする。」
賢者「街を訪れる冒険者から希望者を募って住み着いてもらうんですね。」
魔法使い「これで理にかなってる?」
賢者「そうですね。 それとまず、資金の方を確認したいのですが……」
女剣士「商人君に魔王城のお宝とかの鑑定をお願いしてるから全部を把握するには時間がかかるが、軽く見積もっても1500万Gはある」
賢者「小国の国家予算は余裕で上回りますね」
魔法使い「それに加えて私が竜の秘薬を売ったお金も国庫に入れようと思っている。」
女剣士「あれか」
僧侶「私の病気も治りました!」
賢者「それはどれくらい売れそうですか?」
魔法使い「一個二十万。 ただし腐食するものだから半年くらいで在庫は無くなる。 持ち帰れたのは三百個分と言ったところ。」
賢者「……二十万! いや、竜の秘薬と言えば万病を癒すもの、その値段でも広報が上手く行けば売れそうですね」
25 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:20:53.53 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「これを行商人に五万で卸すのも考えてる。」
賢者「流石です。 賢い行商人になら早々とさばけるでしょう。 足りなくなれば竜を狩りに出かけることも出来ますし……」
魔法使い「供給を少なくして値段を釣り上げたいのもあるけど、なるべくなら戦闘は避けたい。」
賢者「わかります」
女剣士「とりあえず麓の町とタイガンの国、ヤマナミの国に広報を出したい」
賢者「そのあたりはギルドや業者に頼むべきですね。 思い切って二百万くらい使ってしまいましょう」
魔法使い「なるほど。 人を集めるには仕事も必要だけど……」
女剣士「公共事業って奴だな。 麓の町との間に砦を設けるための資材搬入とか建設要員として……」
賢者「……待ってください、流石にそれだけの人員を増やすと町がパンクしてしまいます」
魔法使い「そうね、まずは専用宿泊施設を作ろう。」
女剣士「何事にも手順が大切と言うわけか。」
魔法使い「まずは大工……15人くらいかな。 それと竜の秘薬だけど、どこかに病気の王族でもいればその人に営業をかけようと思っている。」
僧侶「……難しい」プスプス
女剣士「うん……」ナデ
26 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:24:13.48 ID:ni3WNVbAO
盗賊「すごいお金だね!」
商人「そうだね。 あ、盗賊君が預かってるお金はそのまま持ってて。 二百くらいでしょ?」
盗賊「うん、二百十六だよ」
商人「旅先とかで緊急で必要になるかも知れないし、一番管理能力高そうなの盗賊君だしね」
盗賊「……ねえ、商人君。 ボクらすごくラッキーだったんじゃないかな?」
商人「……そうだね」
商人「始まりの国が滅ぼされて僕らは孤児になった」
商人「二人で色々食べ物を漁りながら、魔物とも戦ったね」
盗賊「賢者さんに拾われていろんなことを教えてもらわなかったら……ボクはきっと汚いだけの盗賊になってた」
商人「そして旅してきて、勇者様のパーティーに出会えた」
盗賊「ボクね、女剣士さんのためにがんばるよっ!」
商人「……そう言うのは本人に言ってあげるときっと喜ぶよ……。 さて」
商人「財宝の鑑定は少し怪しいけど、千八百万ってところかな」
盗賊「……うわあ……、目が回るみたいな大金だねえ」
商人「これから街を大きくするんだから、足りないよ」
盗賊「ええっほんとにぃ!?」
商人「まあね。 もちろんあの人たちなら何か収益を得る方法も考えているんだろうけど」
27 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:25:58.00 ID:ni3WNVbAO
グギュル……
盗賊「……ボクおなか減った」
商人「だね。 そろそろ広間に戻ろう」
ーー
女剣士「ああ、二人降りてきたな」
僧侶「ごはんだよぉ〜!」
商人「はい!///」
盗賊「ごちそうだあ〜!」
賢者「美味しい……」
魔法使い「料理は実験。 実験は得意。」
女剣士「うちは三人でいろんなこと賄ってきたからね」
僧侶「畑も作るんだよ〜!」
賢者「そうですか。 城塞都市を構えるなら兵糧を自給できるシステムは肝要ですね」
魔法使い「まあね。」
賢者「……なんと言うか、私の出る幕がありませんね。 魔法使いさんは博識です」
魔法使い「ほめても実験しかできない。」
女剣士「それどんな鬼畜?」
盗賊「美味しいよ! 女剣士さんっ」
女剣士「そうかぁ。 良かったぁ///」ナデ
魔法使い「それどんな変態?」
犬三匹「ワンワン!」
28 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:28:00.00 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「とりあえず私は明日はこのあたりの地理を把握するために探索に出るつもり。 僧侶についてきてもらいたい」
女剣士「私もそっちに行こうか?」
魔法使い「そこまで危険はないと思う。 いざとなれば帰還魔法を使う。」
賢者「では私たちは広報に回りましょう。 女剣士さんは王族の方とも顔見知りなんですよね?」
女剣士「一応ね。 タイガンには行きたくないけど」
魔法使い「タイガンの王子にプロポーズされたんだっけ」
盗賊「……王子様に……?」
商人「ライバル強力だね……」
僧侶「女剣士さん、王子様は苦手だって言ってたよ」
盗賊「!」
商人「良かったですね」
盗賊「えっ? べつにっ///」
29 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:32:06.51 ID:ni3WNVbAO
盗賊「そうだ、魔法使いさん、セキュリティー魔法について聞きたいんだけど……」
僧侶「いいとこをみせたいんだねっ」
商人「女剣士さんを射るならまず魔法使いさんか、盗賊君の策略家!」
女剣士「……?」
ーー
女剣士「じゃあ留守番は任せる……盗賊君だけだけど大丈夫かな?」
魔法使い「大丈夫。 完全なセキュリティー体制で町長宅、兼宿屋は雑魚魔物には突破不可能。」
女剣士「なんかすごい仕事できるよね、魔法使いって」
魔法使い「任せて。実験は得意。」
女剣士「……まあ失敗したの見たことないからな」
僧侶「そうそう、てっぺきだよ〜! 盗賊君を信じてあげようね女剣士ちゃん!」
女剣士「?」
賢者「……では、行きましょうか」
商人「とりあえず薬のサンプルと二百万、お金を持って行きますね」
女剣士「君らもしっかりしてるよなあ」
魔法使い「じゃあこの辺で、私と僧侶は南の崖下の川とその向こうの山脈、東の森をまわり、北の山を調査してくる。」
女剣士「私たちは麓の町からヤマナミの城、最後にタイガンに飛ぶ。 今日は帰れないかもな」
魔法使い「私はできる限り早く帰る。 どうせ調査は何度もいく。」
30 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:40:28.38 ID:ni3WNVbAO
女剣士「じゃあ盗賊君、留守は任せたよ!」
盗賊「はい!」
女剣士「犬たちも頼むよ」
犬たち「ワン!」
ーー
その後、魔法使いと僧侶は緩やかな崖をおり、川に着いた
僧侶「きれーい! あ、お魚さんだ!」
魔法使い「うん、釣りも出来そう。 しかし上水道には使えないから北の山にある川も見ておかないと。 それと、できれば排水がこの川に流れないようにしないといけない。」
僧侶「お水は井戸があるけど、火事とかあるともっとお水がいるし、下水も整備しないといけないしね」
魔法使い「勉強してるね。 いい子。」ナデ
僧侶「えへへ///」
魔法使い「それで東の森。 下水処理できる場所を作りたいから北の山沿いに開けた土地が有れば……。」
魔法使い「南の山は今日回るのは厳しいかな。」
僧侶「じゃあ森にはいろっか!」
魔法使い「そうしよう。 気をつけて。」
僧侶「うん!」ジャキッ
僧侶は女神のメイスを装備した!
31 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:42:17.81 ID:ni3WNVbAO
今日はここまでです。
更新はいつになるか分かりませんが早めに書ければと思います。
32 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/03(金) 11:50:58.74 ID:wlFbBFnbo
乙
期待してます
33 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/05(日) 02:49:23.90 ID:wosDm9ako
期待
34 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:23:05.49 ID:s2U25+XAO
少しだけ更新します。
先は長くなりそうです
35 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:28:21.18 ID:s2U25+XAO
一方、女剣士達は西の森を見下ろしつつ、山道を降りていた
女剣士「砦を築くより幾つかの門を作って、崖上で城壁を作った方が防御は堅いかな?」
賢者「そうですね、まずは陸路、侵入者を防ぎつつ流通を妨げない仕組みが必要になりますね。 門をいくつか作ると言うのはいいアイデアです」
賢者「普段は入り口だけで検閲を行うといいですね。 兵士が10人くらい各門にいれば堅く守れますし」
賢者「空からの進入を考えて城壁に弓兵を配置出来るようにしましょうか」
賢者「……」
女剣士「? どうした?」
賢者「いえ、なんだかワクワクしてきました。 ここが戦場になることを想像するのは良くないことですが、それを乗り切ることを思えば魂が高鳴ります」
女剣士「そうか。 君みたいな人がどうしてここにいるのか不思議ではあるが、君が心からここにいたいと思ってくれるなら心強い限りだ」
商人(二人は年が近いんだな……これは盗賊くん、ピンチ。)
(でも交渉向きなボクと賢者さんに、顔が広い女剣士さんで外交するのは当然の組み合わせだし、村を留守にする訳にもいかないしなあ……)
商人「……ん? なんだか麓が煙ってるような……」
商人(! 魔物の群?!)
36 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:33:28.85 ID:s2U25+XAO
商人「賢者さん、女剣士さん!」
賢者「!」
女剣士「今まで気配を感じなかった……強い群だぞ!」
商人、賢者「!!」
女剣士「……いつ以来かな」
商人(これは……二人の邪魔にならないようにするべきだな)
女剣士はまだ視界に入ったばかりの魔物に向かい、走り始めた
賢者(女剣士さんは勇者と共に戦った歴戦の強者)
賢者(ここはサポートに徹するべき)
賢者は倍速行動魔法、攻撃強化魔法、防御強化魔法、魔法防御魔法と、移動しながらも丁寧に女剣士に重ねてかけていく
女剣士「ふふふ……魔王城を一息に突破した時を思い出す」
女剣士「血がわき踊るこの感覚!」
やがて眼前に魔物の群が現れたが、女剣士の突進に慌て、なまじ大量の群であったため、混乱をきたした
魔物「ひっ、怯むなあ! たった一人だぞ!」
かつて単騎で乗り込んだ将兵が、戦果を勝ち取ることがままあったが、それは味方の中心に敵対象が現れた場合を想定すればある程度察しがつく
つまり、お互いの武器や魔法が味方に当たることを懸念して、速く大きな行動を取れなくなるのだ
37 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:37:40.85 ID:s2U25+XAO
魔物の群は精強ではあったが、そこに飛び込んだのは、かつて魔王の城に乗り込んでその首を取った女剣士である
足場の悪い山道で、強敵に、山上から、先手を取られた時点で勝負は決していた
女剣士「おりゃあっ!」
女剣士の雷撃剣が群がる敵を凪払う!
賢者「ははっ、一人で一軍とはよく言ったものです」
商人「……すごい」
商人「自分の見識はまだまだ甘かったようです……」
賢者「私もあんな人、初めて見ましたよ」
女剣士が剣を納め、チン、と小気味の良い金属音が響いた時には、そこには精強であったはずの魔物の群の死体が転がっていた
女剣士「……おかしい」
38 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:40:09.77 ID:s2U25+XAO
二百メートルほどの距離を賢者と商人がようやく追いついた時に、女剣士は呟くように言った
女剣士「賢者さん、この魔物の群、弱かったと思うか?」
賢者「! ……いや、私も見知った魔物がいくつかいます。 図鑑に載るような魔物は、メジャーな魔物か中級より上の魔物のはず」
賢者「見識が浅くて申し訳ありませんが、この魔物が弱い部類の魔物でないのは、分かるつもりです」
賢者「問題は……、そんな魔物がまるで、一軍を率いるように何もない山道を登ってきたことですね?」
女剣士「……」
商人「もしや、また勇者討伐隊が?」
女剣士「……まさか……」
賢者「……魔王が蘇った?」
39 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:44:39.44 ID:s2U25+XAO
女剣士「もしくは、それに準ずる者が現れた」
賢者「……しかし、早すぎる……」
女剣士「……とりあえず……」
賢者「戻りますか?」
女剣士「……いや」
女剣士「このままヤマナミ国王に会う」
女剣士「盗賊くんが心配だが、あっちには私以上に魔物感知に長けた魔女と、無敵の女僧侶がいる」
女剣士「私は私のやるべきことをやる」
賢者「……」
賢者「了解しました。 この一瞬でそこまで思い至るのは戦場に身を置いた経験からでしょうか」
賢者「私はリーダーの勘を信じることにします」
商人「……なんだか自分が場違いな空間にいる気がしてきました……」
40 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:50:20.63 ID:s2U25+XAO
……
そして、その数刻後、勇者の町、オリファンでも異変が起こっていた
山賊A「ようやく山脈を乗り越えられたと思ったら、こりゃまた随分とシケた村がありやがる」
山賊B「……ほんとだ、人の気配もねーぞ?」
山賊A「おっかしらあ、どうしやしょう?」
山賊頭「……ふん、先の戦で焼かれた町か。 盗賊に荒らされてなきゃ良いが」
山賊A「下に川が流れてやすぜ?」
山賊B「ひさしぶりに水浴びと行くかあ」
もしこの薄汚れて極まった山賊のセリフを件の魔女が聞いていたら、大実験大会開催であろう
しかし、幸運にも?山賊頭の下した判断は、水浴びの前に仕事、であった
山賊頭「いけや! お前ら!」
山賊A〜D「「へい!」」
41 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:55:17.97 ID:s2U25+XAO
町はまだ復興を始めていないし、そこに残った建物は数件である
たちまち山賊たちは村長の家に辿り着いた
山賊A「さて、このデカい家だけやたら綺麗だし、なんかお宝出てくれよぉ!」
山賊が、せいっ、と扉を蹴り込むと
魔法使いの声「ヘイ! 超絶天才美少女魔法使い様の、個人認証結界システム作動だぜい! ヘイ!」
魔法使いの声「結論! 解体用サンプル! ぐへへ!」
けたたましく、狂ったような叫び声が、家の全体から響くと
山賊A「ぎゃべらぼちゃあべしっ」
結界に触れた山賊が可哀想な悲鳴をあげて、焼け焦げた
山賊B「……なななななななな……」
盗賊「なに、この家」
犬たち「ワン! ワン! ワン!」
42 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:59:25.46 ID:s2U25+XAO
盗賊「! あっ、誰か来たんだ」
慌てて二階に登り、窓から下を伺う
盗賊「……うわあ、一般の人だったらどうしよう……」
眼下には、カオスが広がっている
魔法使いの声「ハズレ!」
山賊B「がぎゃべらぼちったわっばっ」
魔法使いの声「失格!」
山賊C「ぐほらへはひゃひっでぶっ」
山賊D「ちょっおまっ」
魔法使いの声「駄目男!」
山賊頭「はやひゃぎらべほひっうわっらばっ」
山賊D「かっ、かしらぁあっ、って駄目男はひでえ! あ、四十まで山賊とか駄目男か」
盗賊「」
盗賊「かっ、固まってる場合じゃない! そうだ、とりあえず誰なのか聞かなきゃ!」
盗賊は思い切って窓を開けると、山賊たちを見下ろした
盗賊「……あ〜あ……」
まだ十三歳になったばかりの少年盗賊には、目の痛い光景である
真っ黒に焦げた四人の山賊と、辛うじて危ない橋を渡らないタイプだった山賊Dがおどおどしていた
山賊D「……て、てめえ! てめえかこんな凶悪無比なトラップ仕込んだのは!」
盗賊「心外です」
魔法使い「商人君には銀行と、予算の管理をお願いしたい。」
商人「……すごく大きな仕事ですね!」
魔法使い「盗賊君は自警団。 ゆくゆくは騎士様に。」
盗賊「ええっ!? ボクがあっ?」
賢者「商人君はお金の管理が得意ですし、盗賊君ならセキュリティーについても才能を発揮できますね。 素晴らしい配置ですよ」
魔法使い「そうなの? たまたまだけど良かったわ。」
魔法使い「緊急時以外は私たち六人が1ヶ月に一回集まって街の行く末を話し合う会議を行う。 これ大事。」
魔法使い「司法関係は賢者さんに任せる。」
賢者「分かりました。 魔法使いさんの補佐もさせて頂いてよろしいでしょうか?」
魔法使い「今後の計画立案に力を貸してもらえると有り難い。」
魔法使い「私は道具屋を経営しつつ、この町、オリファン城塞都市化の計画を立てる。 ……女剣士。」
女剣士「? ああ」
女剣士「私はこの町を城塞都市に変え、来るべき新魔王の脅威に備えたい」
女剣士「皆の力を借りたい……よろしくたのむ!」
五人「おおっ!」
三匹「ワン! ワン!」
僧侶「現在の人口……六人と三匹!」
24 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:18:02.28 ID:ni3WNVbAO
ーー
魔法使い「さて、色々やらなければならないことがある。」
女剣士「いや、たくさんあるだろうな。 ほとんど一から街を作るんだから」
魔法使い「とりあえず宿の確保が出来たので、冒険者誘致、大工誘致をする。」
賢者「街を訪れる冒険者から希望者を募って住み着いてもらうんですね。」
魔法使い「これで理にかなってる?」
賢者「そうですね。 それとまず、資金の方を確認したいのですが……」
女剣士「商人君に魔王城のお宝とかの鑑定をお願いしてるから全部を把握するには時間がかかるが、軽く見積もっても1500万Gはある」
賢者「小国の国家予算は余裕で上回りますね」
魔法使い「それに加えて私が竜の秘薬を売ったお金も国庫に入れようと思っている。」
女剣士「あれか」
僧侶「私の病気も治りました!」
賢者「それはどれくらい売れそうですか?」
魔法使い「一個二十万。 ただし腐食するものだから半年くらいで在庫は無くなる。 持ち帰れたのは三百個分と言ったところ。」
賢者「……二十万! いや、竜の秘薬と言えば万病を癒すもの、その値段でも広報が上手く行けば売れそうですね」
25 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:20:53.53 ID:ni3WNVbAO
魔法使い「これを行商人に五万で卸すのも考えてる。」
賢者「流石です。 賢い行商人になら早々とさばけるでしょう。 足りなくなれば竜を狩りに出かけることも出来ますし……」
魔法使い「供給を少なくして値段を釣り上げたいのもあるけど、なるべくなら戦闘は避けたい。」
賢者「わかります」
女剣士「とりあえず麓の町とタイガンの国、ヤマナミの国に広報を出したい」
賢者「そのあたりはギルドや業者に頼むべきですね。 思い切って二百万くらい使ってしまいましょう」
魔法使い「なるほど。 人を集めるには仕事も必要だけど……」
女剣士「公共事業って奴だな。 麓の町との間に砦を設けるための資材搬入とか建設要員として……」
賢者「……待ってください、流石にそれだけの人員を増やすと町がパンクしてしまいます」
魔法使い「そうね、まずは専用宿泊施設を作ろう。」
女剣士「何事にも手順が大切と言うわけか。」
魔法使い「まずは大工……15人くらいかな。 それと竜の秘薬だけど、どこかに病気の王族でもいればその人に営業をかけようと思っている。」
僧侶「……難しい」プスプス
女剣士「うん……」ナデ
26 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:24:13.48 ID:ni3WNVbAO
盗賊「すごいお金だね!」
商人「そうだね。 あ、盗賊君が預かってるお金はそのまま持ってて。 二百くらいでしょ?」
盗賊「うん、二百十六だよ」
商人「旅先とかで緊急で必要になるかも知れないし、一番管理能力高そうなの盗賊君だしね」
盗賊「……ねえ、商人君。 ボクらすごくラッキーだったんじゃないかな?」
商人「……そうだね」
商人「始まりの国が滅ぼされて僕らは孤児になった」
商人「二人で色々食べ物を漁りながら、魔物とも戦ったね」
盗賊「賢者さんに拾われていろんなことを教えてもらわなかったら……ボクはきっと汚いだけの盗賊になってた」
商人「そして旅してきて、勇者様のパーティーに出会えた」
盗賊「ボクね、女剣士さんのためにがんばるよっ!」
商人「……そう言うのは本人に言ってあげるときっと喜ぶよ……。 さて」
商人「財宝の鑑定は少し怪しいけど、千八百万ってところかな」
盗賊「……うわあ……、目が回るみたいな大金だねえ」
商人「これから街を大きくするんだから、足りないよ」
盗賊「ええっほんとにぃ!?」
商人「まあね。 もちろんあの人たちなら何か収益を得る方法も考えているんだろうけど」
27 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:25:58.00 ID:ni3WNVbAO
グギュル……
盗賊「……ボクおなか減った」
商人「だね。 そろそろ広間に戻ろう」
ーー
女剣士「ああ、二人降りてきたな」
僧侶「ごはんだよぉ〜!」
商人「はい!///」
盗賊「ごちそうだあ〜!」
賢者「美味しい……」
魔法使い「料理は実験。 実験は得意。」
女剣士「うちは三人でいろんなこと賄ってきたからね」
僧侶「畑も作るんだよ〜!」
賢者「そうですか。 城塞都市を構えるなら兵糧を自給できるシステムは肝要ですね」
魔法使い「まあね。」
賢者「……なんと言うか、私の出る幕がありませんね。 魔法使いさんは博識です」
魔法使い「ほめても実験しかできない。」
女剣士「それどんな鬼畜?」
盗賊「美味しいよ! 女剣士さんっ」
女剣士「そうかぁ。 良かったぁ///」ナデ
魔法使い「それどんな変態?」
犬三匹「ワンワン!」
魔法使い「とりあえず私は明日はこのあたりの地理を把握するために探索に出るつもり。 僧侶についてきてもらいたい」
女剣士「私もそっちに行こうか?」
魔法使い「そこまで危険はないと思う。 いざとなれば帰還魔法を使う。」
賢者「では私たちは広報に回りましょう。 女剣士さんは王族の方とも顔見知りなんですよね?」
女剣士「一応ね。 タイガンには行きたくないけど」
魔法使い「タイガンの王子にプロポーズされたんだっけ」
盗賊「……王子様に……?」
商人「ライバル強力だね……」
僧侶「女剣士さん、王子様は苦手だって言ってたよ」
盗賊「!」
商人「良かったですね」
盗賊「えっ? べつにっ///」
29 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:32:06.51 ID:ni3WNVbAO
盗賊「そうだ、魔法使いさん、セキュリティー魔法について聞きたいんだけど……」
僧侶「いいとこをみせたいんだねっ」
商人「女剣士さんを射るならまず魔法使いさんか、盗賊君の策略家!」
女剣士「……?」
ーー
女剣士「じゃあ留守番は任せる……盗賊君だけだけど大丈夫かな?」
魔法使い「大丈夫。 完全なセキュリティー体制で町長宅、兼宿屋は雑魚魔物には突破不可能。」
女剣士「なんかすごい仕事できるよね、魔法使いって」
魔法使い「任せて。実験は得意。」
女剣士「……まあ失敗したの見たことないからな」
僧侶「そうそう、てっぺきだよ〜! 盗賊君を信じてあげようね女剣士ちゃん!」
女剣士「?」
賢者「……では、行きましょうか」
商人「とりあえず薬のサンプルと二百万、お金を持って行きますね」
女剣士「君らもしっかりしてるよなあ」
魔法使い「じゃあこの辺で、私と僧侶は南の崖下の川とその向こうの山脈、東の森をまわり、北の山を調査してくる。」
女剣士「私たちは麓の町からヤマナミの城、最後にタイガンに飛ぶ。 今日は帰れないかもな」
魔法使い「私はできる限り早く帰る。 どうせ調査は何度もいく。」
30 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:40:28.38 ID:ni3WNVbAO
女剣士「じゃあ盗賊君、留守は任せたよ!」
盗賊「はい!」
女剣士「犬たちも頼むよ」
犬たち「ワン!」
ーー
その後、魔法使いと僧侶は緩やかな崖をおり、川に着いた
僧侶「きれーい! あ、お魚さんだ!」
魔法使い「うん、釣りも出来そう。 しかし上水道には使えないから北の山にある川も見ておかないと。 それと、できれば排水がこの川に流れないようにしないといけない。」
僧侶「お水は井戸があるけど、火事とかあるともっとお水がいるし、下水も整備しないといけないしね」
魔法使い「勉強してるね。 いい子。」ナデ
僧侶「えへへ///」
魔法使い「それで東の森。 下水処理できる場所を作りたいから北の山沿いに開けた土地が有れば……。」
魔法使い「南の山は今日回るのは厳しいかな。」
僧侶「じゃあ森にはいろっか!」
魔法使い「そうしよう。 気をつけて。」
僧侶「うん!」ジャキッ
僧侶は女神のメイスを装備した!
31 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/03(金) 04:42:17.81 ID:ni3WNVbAO
今日はここまでです。
更新はいつになるか分かりませんが早めに書ければと思います。
32 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/03(金) 11:50:58.74 ID:wlFbBFnbo
乙
期待してます
33 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/05(日) 02:49:23.90 ID:wosDm9ako
期待
34 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:23:05.49 ID:s2U25+XAO
少しだけ更新します。
先は長くなりそうです
35 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:28:21.18 ID:s2U25+XAO
一方、女剣士達は西の森を見下ろしつつ、山道を降りていた
女剣士「砦を築くより幾つかの門を作って、崖上で城壁を作った方が防御は堅いかな?」
賢者「そうですね、まずは陸路、侵入者を防ぎつつ流通を妨げない仕組みが必要になりますね。 門をいくつか作ると言うのはいいアイデアです」
賢者「普段は入り口だけで検閲を行うといいですね。 兵士が10人くらい各門にいれば堅く守れますし」
賢者「空からの進入を考えて城壁に弓兵を配置出来るようにしましょうか」
賢者「……」
女剣士「? どうした?」
賢者「いえ、なんだかワクワクしてきました。 ここが戦場になることを想像するのは良くないことですが、それを乗り切ることを思えば魂が高鳴ります」
女剣士「そうか。 君みたいな人がどうしてここにいるのか不思議ではあるが、君が心からここにいたいと思ってくれるなら心強い限りだ」
商人(二人は年が近いんだな……これは盗賊くん、ピンチ。)
(でも交渉向きなボクと賢者さんに、顔が広い女剣士さんで外交するのは当然の組み合わせだし、村を留守にする訳にもいかないしなあ……)
商人「……ん? なんだか麓が煙ってるような……」
商人(! 魔物の群?!)
36 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:33:28.85 ID:s2U25+XAO
商人「賢者さん、女剣士さん!」
賢者「!」
女剣士「今まで気配を感じなかった……強い群だぞ!」
商人、賢者「!!」
女剣士「……いつ以来かな」
商人(これは……二人の邪魔にならないようにするべきだな)
女剣士はまだ視界に入ったばかりの魔物に向かい、走り始めた
賢者(女剣士さんは勇者と共に戦った歴戦の強者)
賢者(ここはサポートに徹するべき)
賢者は倍速行動魔法、攻撃強化魔法、防御強化魔法、魔法防御魔法と、移動しながらも丁寧に女剣士に重ねてかけていく
女剣士「ふふふ……魔王城を一息に突破した時を思い出す」
女剣士「血がわき踊るこの感覚!」
やがて眼前に魔物の群が現れたが、女剣士の突進に慌て、なまじ大量の群であったため、混乱をきたした
魔物「ひっ、怯むなあ! たった一人だぞ!」
かつて単騎で乗り込んだ将兵が、戦果を勝ち取ることがままあったが、それは味方の中心に敵対象が現れた場合を想定すればある程度察しがつく
つまり、お互いの武器や魔法が味方に当たることを懸念して、速く大きな行動を取れなくなるのだ
37 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:37:40.85 ID:s2U25+XAO
魔物の群は精強ではあったが、そこに飛び込んだのは、かつて魔王の城に乗り込んでその首を取った女剣士である
足場の悪い山道で、強敵に、山上から、先手を取られた時点で勝負は決していた
女剣士「おりゃあっ!」
女剣士の雷撃剣が群がる敵を凪払う!
賢者「ははっ、一人で一軍とはよく言ったものです」
商人「……すごい」
商人「自分の見識はまだまだ甘かったようです……」
賢者「私もあんな人、初めて見ましたよ」
女剣士が剣を納め、チン、と小気味の良い金属音が響いた時には、そこには精強であったはずの魔物の群の死体が転がっていた
女剣士「……おかしい」
38 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:40:09.77 ID:s2U25+XAO
二百メートルほどの距離を賢者と商人がようやく追いついた時に、女剣士は呟くように言った
女剣士「賢者さん、この魔物の群、弱かったと思うか?」
賢者「! ……いや、私も見知った魔物がいくつかいます。 図鑑に載るような魔物は、メジャーな魔物か中級より上の魔物のはず」
賢者「見識が浅くて申し訳ありませんが、この魔物が弱い部類の魔物でないのは、分かるつもりです」
賢者「問題は……、そんな魔物がまるで、一軍を率いるように何もない山道を登ってきたことですね?」
女剣士「……」
商人「もしや、また勇者討伐隊が?」
女剣士「……まさか……」
賢者「……魔王が蘇った?」
39 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:44:39.44 ID:s2U25+XAO
女剣士「もしくは、それに準ずる者が現れた」
賢者「……しかし、早すぎる……」
女剣士「……とりあえず……」
賢者「戻りますか?」
女剣士「……いや」
女剣士「このままヤマナミ国王に会う」
女剣士「盗賊くんが心配だが、あっちには私以上に魔物感知に長けた魔女と、無敵の女僧侶がいる」
女剣士「私は私のやるべきことをやる」
賢者「……」
賢者「了解しました。 この一瞬でそこまで思い至るのは戦場に身を置いた経験からでしょうか」
賢者「私はリーダーの勘を信じることにします」
商人「……なんだか自分が場違いな空間にいる気がしてきました……」
40 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:50:20.63 ID:s2U25+XAO
……
そして、その数刻後、勇者の町、オリファンでも異変が起こっていた
山賊A「ようやく山脈を乗り越えられたと思ったら、こりゃまた随分とシケた村がありやがる」
山賊B「……ほんとだ、人の気配もねーぞ?」
山賊A「おっかしらあ、どうしやしょう?」
山賊頭「……ふん、先の戦で焼かれた町か。 盗賊に荒らされてなきゃ良いが」
山賊A「下に川が流れてやすぜ?」
山賊B「ひさしぶりに水浴びと行くかあ」
もしこの薄汚れて極まった山賊のセリフを件の魔女が聞いていたら、大実験大会開催であろう
しかし、幸運にも?山賊頭の下した判断は、水浴びの前に仕事、であった
山賊頭「いけや! お前ら!」
山賊A〜D「「へい!」」
41 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:55:17.97 ID:s2U25+XAO
町はまだ復興を始めていないし、そこに残った建物は数件である
たちまち山賊たちは村長の家に辿り着いた
山賊A「さて、このデカい家だけやたら綺麗だし、なんかお宝出てくれよぉ!」
山賊が、せいっ、と扉を蹴り込むと
魔法使いの声「ヘイ! 超絶天才美少女魔法使い様の、個人認証結界システム作動だぜい! ヘイ!」
魔法使いの声「結論! 解体用サンプル! ぐへへ!」
けたたましく、狂ったような叫び声が、家の全体から響くと
山賊A「ぎゃべらぼちゃあべしっ」
結界に触れた山賊が可哀想な悲鳴をあげて、焼け焦げた
山賊B「……なななななななな……」
盗賊「なに、この家」
犬たち「ワン! ワン! ワン!」
42 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/01/07(火) 21:59:25.46 ID:s2U25+XAO
盗賊「! あっ、誰か来たんだ」
慌てて二階に登り、窓から下を伺う
盗賊「……うわあ、一般の人だったらどうしよう……」
眼下には、カオスが広がっている
魔法使いの声「ハズレ!」
山賊B「がぎゃべらぼちったわっばっ」
魔法使いの声「失格!」
山賊C「ぐほらへはひゃひっでぶっ」
山賊D「ちょっおまっ」
魔法使いの声「駄目男!」
山賊頭「はやひゃぎらべほひっうわっらばっ」
山賊D「かっ、かしらぁあっ、って駄目男はひでえ! あ、四十まで山賊とか駄目男か」
盗賊「」
盗賊「かっ、固まってる場合じゃない! そうだ、とりあえず誰なのか聞かなきゃ!」
盗賊は思い切って窓を開けると、山賊たちを見下ろした
盗賊「……あ〜あ……」
まだ十三歳になったばかりの少年盗賊には、目の痛い光景である
真っ黒に焦げた四人の山賊と、辛うじて危ない橋を渡らないタイプだった山賊Dがおどおどしていた
山賊D「……て、てめえ! てめえかこんな凶悪無比なトラップ仕込んだのは!」
盗賊「心外です」
女剣士「目指せ!城塞都市!」魔法使い「はじまりのはじまり」
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