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犬「オリハルコンの牙」
Part1

犬「オリハルコンの牙」
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1 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:27:48.96 ID:zDQpLJAAO
初めてのSSで非常に緊張しています。
なにかルール違反とか、読みにくいとか、意味が分からないとか、あればご指摘お願いします。
書きやすさを重視したため、ベタベタなお話です。
頑張りますっ。

2 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:28:59.61 ID:zDQpLJAAO
勇者父「もうすぐ俺の子が産まれるのか…」
僧侶父「がっはっはっ、てめえそれでも勇気ある者、勇者かよ!」
勇者父「(うぜえ)お前も子供が産まれたら分かるよ。笑ってられねえぞ」
春の月、桜の舞い散る日、勇者は生まれた。

3 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:30:32.82 ID:zDQpLJAAO
勇者「バブッ!バブウッ(乳吸いてえ)」
勇者父「かわいいなあ!」
「……はあ……」
「魔王も倒してないのに……いいのかなあ……」
勇者母「……あなた……」
父「ん……?」
勇者母「愛しています」
勇者父「ああ……、俺もだ」
魔王を倒す。それは勇者の絶対的な命題である。
しかし、勇者父は、それを果たすに至らなかった。
勇者は魔王討伐より、家族の愛を選択したのだ。
勇者父の活躍により、魔王軍は大きく戦力を削られ、当面の大規模な戦を仕掛けることは不可能になっていた。
勇者父「……これくらい……。……これくらいの幸せ……いいよ……な……」

4 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:31:48.69 ID:zDQpLJAAO
僧侶父「おお、勇者父! 息子が生まれたらしいな!!……おめでとう!」
勇者父「……あ、ああ、ありがとう」
僧侶父「そうだ、ガキが生まれた記念に犬飼わねえか?」
勇者父「なんだ?唐突に。子供が産まれてすぐなのに、そんな余裕ねーよ」
僧侶父「まあ待てよ、犬と一緒にガキを育てたら仲間意識や集団行動を学べるって話だぜ?」
僧侶父「……頼むよ、いっぱい生まれて困ってるんだ」
勇者父「それが本音か。 ん〜まあ、嫁に相談してみるわ」
犬は、勇者と同じ日、春の月、桜の舞い散る日に生まれた。
中型の、トーストのような毛色の、愛らしい犬である。
勇者の家に引き取られた犬は、その息子と同じだけ愛を注がれて育っていった。

5 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:33:25.09 ID:zDQpLJAAO
僧侶「ゆうしゃさまあ〜! まってえ〜!」
勇者「あっはは、早くおいでよ僧侶〜!」
「犬〜! 速いよ〜! はしゃぎすぎ〜!」キャハハ!
犬「ワン、ワン!」
勇者と犬はお互いに信頼を深めていった。
家族であった。
勇者「いつまでも平和ならいいのにな〜。」
僧侶「ゆうしゃさま、ゆうしゃさまがうまれたひにこのむらでうまれたものがしんにまおうをたおすゆうしゃさま、っておつげがあったんだよね〜!」
勇者「そーらしーんだよなー。うへへっ。しかたねーなー」ザッ
勇者「こんにちは!狼主!」
狼主「またお前か。お前は私が怖くはないのか?」
勇者「なんで?狼主、ふかふかじゃん?」
僧侶「ふかふか〜!」
狼主「ガクッ そっ……そうか」
勇者「ねー、狼主、魔法教えて!」
狼主「勇者父に習えば良かろう」
勇者「ちぇー。」
狼主「何故私に教わりたがるのか……」
勇者「ふかふかだから?」
僧侶「ふかふか〜」モフモフ
狼主「……獣臭いがな」
犬「きゃん!きゃん!」

6 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:35:14.64 ID:zDQpLJAAO
普通に勇者のような境遇で生まれれば、権勢症候群の犬のように我が儘に育ってもおかしくは無かっただろう。
そうならなかったのは明らかに犬のお陰である。
勇者にそれを学ばせるために犬は左足に怪我を負ったりもしたが、犬にとってはそれは勲章のようなものであった。
犬の主、勇者は、村の者全てに愛され、次代のリーダーとして、逞しく、勇ましく育っていたからだ。
しかしーー
勇者の誕生日を祝う、祭りの最中、魔王軍が村を襲撃した
勇者「父さん!」ズバッ!
勇者父「お前は母さんを守っていろ!」
勇者「分かった!」
勇者は電撃の呪文を放った!
魔物を倒した!

7 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:37:56.10 ID:zDQpLJAAO
僧侶「ゆーしゃさま!だいじょーぶ?!」回復魔法!
勇者「危ないぞ!」ズバッ
勇者「……はあ、はあ、……お前は、逃げろ!」
僧侶「えっ?やだっ!」
勇者「……頼む! 救援を呼んできてくれ!」
僧侶「でも」
勇者「行け!」
僧侶「……ううっ……ぐすっ」
勇者「……頼むよ」
僧侶「……はい」
犬の攻撃!会心の一撃!魔物を倒した!
勇者の攻撃!会心の一撃!魔物を倒した!
魔王の使い「くっくっくっ……見つけたぞ、勇者よ!」
勇者「来い!貴様で最後だ!」
勇者は電撃の魔法を放った!
魔王の使い「ぐほっ!……なんたる強さよ……」
犬「ワン! ワオン!」会心の一撃!
魔王の使い「ぐはあっ! な、なんだこの犬は!」
勇者「くらえっ!」会心の一撃!
魔王の使い「……な、ここまで強いのか!」
勇者「犬!とどめだ!」
犬「ワオン!」会心の一撃!
魔王の使い「ま……まさか……」
「犬に倒されるとは……」
「このままでは……すまさん!」
自爆魔法!
勇者「……んなっ!?」
犬「くおんっ……!?」

9 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:50:01.89 ID:zDQpLJAAO
再開
勇者は咄嗟に犬を庇った
爆熱と閃光が、全てを焼き払わんと、その空間を、……埋め尽くした……
犬が目覚めると、そこは焦土であった
犬「……く〜んく〜ん(主様はどこだ……?)」
辺り一帯、何もなかったが、勇者の剣が落ちていた
勇者父から譲り受けた剣だ。
その近くにはオリハルコン製の犬の牙のような物が落ちていたが、不幸にも犬にはそれが何かは分からなかった。
犬(……主様……亡くなられたのか……)
ザッザッザッ
女剣士「ここが勇者様の村?……なんてひどい……」
僧侶「うっ……ううっ……ゆうしゃさま……ふぇえ……」
魔法使い「ちょっと〜。ここに剣落ちてますけど。砕き散らかしていい?」
女剣士「何でだよ! お前は何でも壊しすぎなんだよ! ……良い剣だな。私がもらう。」
僧侶「……これ、ゆうしゃさまの……」
女剣士「!!……まさか……」
村の入り口で壮絶に散ったであろう勇者父の亡骸を見た時から、不安はあった。
しかし現実にそれを見てしまうと、僧侶は心の平静を失い、泣き続けた。
ーーその頃、犬は山を駆けていた。
犬「はっはっはっ……ウオーン!」(どこにいる……どこだ!)

10 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:52:42.02 ID:zDQpLJAAO
犬は知っていた
己の無力を
犬は知っていた
己より強い存在を
犬は知っていた
主の仇を討たねばならぬ事を
犬「ワォーーン!」(どこにいる!狼主!)
犬「はっはっはっ」(腹減った)
村の所々には、魔物の死体があった
しかし流石に食う気にはならなかった
犬(獣でも狩るか……)
そこに不意に、人の声
いや……それを発したのは人ではない
狼主「なんだ犬コロ、また来たか」
犬「ワン!」(狼主!)
犬「ワン!ワン!ワオーン!」
……
狼主「……なるほどな、勇者が討たれたか……」
犬「くぉん」(そうだ……)
狼主「そして、主も魔法を学びたいと……」
犬「ワン!」(頼む!)
狼主「やれやれ……何故私なのやら……」
犬「ワオン?」(ふかふかだから?)

11 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:55:12.71 ID:zDQpLJAAO
女剣士「これで村は一通り調べ終わったか……。他には何も残ってなかったな」
僧侶「うっ……うっ……うっ……」
魔法使い「よしよし。泣きはらした目玉可愛い。もらっていい?」
女剣士「」
女剣士「よせ、全くお前は……」
魔法使い「和むかと思って」
女剣士「和むか!」
僧侶「……」グスッ
女剣士「とりあえずまだ調べ残しもあるかも知れないし、しばらくはここでキャンプするよ」(墓も建てねばな……)
魔法使い「勇者様のお墓もぶわあっと建てないとね!」
女剣士「ぶわあって……気を使って口に出さなかったのに……」
僧侶「……うえ〜ん!」
女剣士「ああっ!すまん!泣くな!」
魔法使い「湿っぽいのは、苦手なのよ……。」
……
狼主「違う!そうではない!」
「魔力を集約した後に変換せねばならぬ!」
「こうだ!」超級閃光魔法!
犬「ウオーン!」(すげえっ!)
狼主「とりあえず、基礎は全て教えた。お前は犬の割に強いし、これで充分であろう」
犬「ワオン!」(ありがとう!ふかふか主!)
狼主「ふかふか主ではない」
狼主(たかが犬コロがなかなかの覇気ではあるな……)
(もう既に高齢であるのが惜しいが……)

12 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 18:59:00.89 ID:zDQpLJAAO
女剣士「ふう、……ガレキまで漁ってみたが、やはりたいしたものは無いな」
僧侶「もうお墓も建てたし、いこ?」
女剣士「……」ナデナデ
僧侶「んうっ」
女剣士「行くか」
魔法使い「実験に使えそうな死体もない」
女剣士「……おまえなあ……」プルプル
犬「はっはっはっはっ、ワン!ワン!」(おっ、誰かいるな!)
女剣士「ん?犬」
僧侶「あっ!犬ちゃん!犬ちゃ〜ん!」ダキッ
犬「はっはっはっ……クゥン」(僧侶ちゃんか、よかった)
魔法使い「焼いて食うと美味しいらしい」
女剣士「うん、食わないよ?」
犬「ワオン!?」(俺を食う気!?)
僧侶「犬ちゃんも、一緒に行こう?」
女剣士「ペット付きだと宿に泊まるの難しくない?」
僧侶「だいじょうぶだよ、この子すっごく賢いから。宿に泊まれなかったらたぶんその町の外とかで寝てくれる」
女剣士「ふーん、まあいいか。エサ代くらいで済むなら」
魔法使い「実験台ゲット!」グッ
女剣士「お前は発言がいちいちダークなんだよ!」

13 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 19:02:08.19 ID:zDQpLJAAO
跳ばしてないか不安。
麓の町へと歩く一行の前に、魔物の群が立ちはだかる
女剣士「くっ、多いな!」ズバッ
魔法使い「閃光魔法。蚊取り。」
僧侶「蚊?いっぱいとれそう!」回復魔法!
犬「ワン!」会心の一撃!
犬「ワンワオン!」火炎魔法!
ゴオオ……
女剣士「この犬すげえええ!!」
僧侶「犬ちゃん魔法使えたんだ……」
魔法使い「解体したい……」
犬「キャウン?!」(ヤメテ?!)
ーー数ヶ月後ーー
剣士「ずいぶん長く旅してきたが、犬のおかげでだいぶ楽だった気がする」
僧侶「小さいから奇襲とか効果絶大!だったね〜」
魔法使い「いろいろ調べたけどよく分からない。解体したい。」
犬「キャウン?!」(ヤメテ?!)
剣士「……さて、行くか、魔王の使いを倒さないとな」
魔法使い「その前に。この近くにドラゴンが巣くってるって聞いたんだけど。倒しに行かない?」
僧侶「ドラゴン? こわいよー」
女剣士「んー、わざわざ危険を冒すメリットが分からないんだけど」
魔法使い「竜の血肉はあらゆる病を癒す万能薬になる。ウロコは装備に使える。解体したい。」
女剣士「最後のが本音だろ」

14 : ◆J9pjHtW.ylNB :2013/12/26(木) 19:03:48.42 ID:zDQpLJAAO
女剣士「……無駄に戦闘したくないよ、私」
僧侶「ドラゴンとか、危険が危ないよ〜」
女剣士「そりゃ危険は危ないよ」
魔法使い「ん〜、結局魔王の使いと戦うんだから危ないけど。それに死んだら実験してあげる。無駄にならない。」
女剣士「ヤメテ?!」
犬「キャウン?!」(ヤメテ?!)
僧侶「魔法使いちゃん、燃えたら実験できないよ?」
魔法使い「んー。あんたは可愛いね。生のうちに持って帰ってあげるね。」
女剣士「焼けるの確定か!……とにかく行かないから」
魔法使い「けちー。いしあたまー。モルモットー。」
女剣士「最後不穏!」
犬「ワン!」(俺は犬だ!)

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