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女「私、幽霊になりたかったのに」

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Part1
1 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 17:54:25.35 ID:HA2iId5DO
男「ふー……ようやくバイト終了」
男「2時過ぎかぁ……早く帰って風呂入って寝てぇ」
男「……ここの池、夜見ると不気味だな。昔、ここで自殺した女がいたっつー噂もあるし……」
男「そういや昨日の夜ここで幽霊見たとか友が言ってたな……」
男「……」ブル…ッ
男「……とっとと帰るか」
男「ん?」
男「な、何だあいつ……」
女「……」

2 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 17:54:52.71 ID:KinhU/0n0
男「……」ブル…ッ
たちションすな

3 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 17:55:35.17 ID:HA2iId5DO
男(浴衣着た女?)
男(しかも下半身池に浸かってるし……)
男(おいおい、もうじき真冬だぞ……?)
男(普通の人間じゃねーよな、絶対)
男(キチガイか、それとも……幽霊?)
男(はは……まさかな)
女「……」クルッ
男(うわ、こっち見た!?)
女「……」ニヤァ…
男「……っ!」ゾクッ

4 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:00:42.81 ID:HA2iId5DO
男(に、逃げなきゃ……! キチガイだろうが幽霊だろうがヤバいだろ……!)
女「たす……けて……」
女「助けて……」ユラリ…
男(ヤバい……ヤバいヤバいヤバい!!)ダダッ!
女「あははははははは待てええええええ」ザッパザッパ
男「ひいいいっ!」
女「待てー……きゃっ!?」ザッパーン!
女「ごぼっ、たす、助けてえええ!!」バシャバシャ
男「……えーと」

6 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:05:52.26 ID:HA2iId5DO
女「はぁ……助かりました。ありがとうございます」
男「……お前、ただの(頭のおかしな)人間だよな?」
女「いいえー。正真正銘の幽霊ですよー?」
男「溺れかけて助けを求める幽霊がどこにいる。……で、何でそんな格好してんだよ? 寒いだろ?」
女「はい! ものすごく寒いです!」ガタガタブルブル
男「そりゃそうだろうよ。俺もズボンが濡れて滅茶苦茶寒い。お前のせいでな」
女「すみません。……水に浸かってる時は感覚麻痺してそんなに寒くなかったんですけどねー。上がるともう駄目です。歯の根が合いません」ガチガチ
男「着替えとか無いのか?」
女「あの木陰に着てきた服とタオルの入ったカバンが」ブルブル
男「じゃあさっさと着替えてこい。ついでにその後タオル貸せ」
女「はーい」ブルブル


7 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:10:47.62 ID:HA2iId5DO
男(何やってんだろ俺……)
男(溺れかけたキチガイを池に入って助けてズボン濡らして、その上着替え待って……うー寒い)
男(でも、近くで見たらそこそこ美人だったな。黒髪ストレートとか結構好みだし)
男(いやでもキチガイはちょっとなぁ……)
男(……あの陰で着替えてんだよな、今)
男(……)
男(……いやいや何も考えてない。何も考えてないぞ俺は)
女「お待たせしましたー」
男「うをぅ!?」ビックーン!
女「どうしたんですか?」
男「な、な、何でもねーよ!」
女「……?」

8 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:11:49.97 ID:+h0vVr/e0
遠くから見てるからな

10 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:15:12.05 ID:Exr1RruJO
…ん、んぁ?ち、ちょっと通りかかっただけだ…

11 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:16:38.77 ID:HA2iId5DO
男(今度は普通のダッフルコートか。……でも下はホットパンツにニーソかよ! 寒いだろ!)
女「はい、タオル」
男「……やっぱ拭いても駄目だな。……うぅ、寒ぃ」
女「すみません……」
男「お前さ、幽霊の真似事なんかして楽しいか?」
女「だから私は幽霊ですってばー」
男「下らねぇ嘘つくなよ」
女「……ばっちり生きてますすみません」

13 :VIPがお送りします: [sage] 2009/11/24(火) 18:17:18.25 ID:abLbVSrxO
黒髪ストレートなんてわざわざ設定つけなくていいのに 頑張って下さい
帰りますね

14 :>>1:3完璧俺の趣味ですサーセンwww [] 2009/11/24(火) 18:23:06.57 ID:HA2iId5DO
男「はぁ……お前ん家、この近く?」
女「え? ええ、そうですけど」
男「送ってく。最近物騒だし女が一人で夜道ふらふらすんなよ」
女「送り狼?」
男「誰がテメーみたいなキチガイ襲うか馬鹿野郎」
女「うぅ……」

15 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:28:15.63 ID:HA2iId5DO
女「ここが家のマンションです」
男「ふーん……」
女「ちなみに404号室です」
男「聞いてねーよ。じゃあな。二度とあんな悪ふざけすんなよ」
女「部屋、寄っていきます? お詫びに温かい飲み物でも……」
男「いらねーよ。さっさと帰りてぇんだよ、俺は」
女「いけずー」
男「とっとと帰ってクソして寝ろ」
女「冷たっ!池より冷たい!」
男「何とでも言え」スタスタ…
女「あーあ、行っちゃった……」

17 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:33:19.77 ID:HA2iId5DO
友「お前、昨日大丈夫だったか?」
男「何が?」
友「お前ん家、あの池近いだろ? 幽霊追っかけて来なかったか? 『助けてー待てー』って。うぅ……今思い出しても寒気がする」
男「ああ、追っかけて来た」
友「な、言った通りだろ? だからあの池の近くは通るなとあれ程……」
男「で、溺れた」
友「え? 誰が?」
男「幽霊」
友「……なんだそれ」
男「あの幽霊、生きた人間だった。幽霊の正体はキチガイのコスプレだ。馬鹿馬鹿しい」
友「へ……?」

18 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:34:55.13 ID:5BEJUWlZO
夏のあらし

19 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:39:40.29 ID:HA2iId5DO
友「……なるほど。で、その女の子を助けたと」
男「そーゆーわけだ」
友「なーんだ。ビビって損した」
男「幽霊なんて非科学的なもの存在するわけねーだろ」
友「……何か真実知るとイライラすんな。悪趣味な奴だ」
男「幽霊なんか本気で信じてる奴も悪趣味だと思うがな」
友「ぐ……っ」
男「まぁ怪談とかいう与太話、真に受けるなっつーことだ」

20 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:44:53.73 ID:HA2iId5DO
友「……その子、今日もあの池に居るんかな?」
男「二度とこんなことすんなって釘さしといたから多分居ないだろ」
友「でも少し残念だな。人生初の心霊体験できた! ……と思ったのに」
男「怖いとか言っといて結構喜んでんじゃねーか」
友「ふっふっふっ、怪談大好きですから。それにな、あの池案外有名なんだぞ? オカ板とか、心霊系のサイトとかで」
男「釣り乙だな」
友「ちきしょー。見事に釣られた……」
男「それにしても、何であいつあんなトコであんなことしてたんだろ?」
友「俺に訊かれてもなー。本人に訊いたら?」
男「……」

21 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:51:38.13 ID:HA2iId5DO
男「今日も遅くまでバイト」
男「またあの池の側を通るわけだが……」
男「……また居たよ、あいつ」
女「助けてー……って、昨日の人か」
男「お前、昨日言ったばっかだろ? 二度とこんなことすんなってさ」
女「日課ですから」
男「もっとマシな日課を見つけろ」
女「でも、ネット見たらみんな期待してくれてるし……目撃した人はたっぷり怖がらせて満足させてるし……」
男「あー……そのネットの噂、多分もうネタばらししてあると思う」
女「えー!?」
男「一昨日、お前がおどかした奴居るだろ? あれ、俺の友達。昨日のことは全部言った。
  今頃オカ板とかに『あれは偽物だ』って書き込んでると思う」
女「そんなぁ……」

23 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 18:59:34.03 ID:HA2iId5DO
女「悔しいなぁ……せっかく驚かせてあげたのにっ」
男「……でさ、何でお前こんなことしようとか考えついたの?」
女「しゅ……趣味だから?」
男「本当にそれだけか? それだけで毎日、こんな寒い中人が通るの待ち続けてんのか? だとしたらとんだ阿呆だ」
女「……」

24 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:00:26.05 ID:RtK4vaiXO
この話、半分実話だよな
全然釣れなくてしかもネタバレされて散々だった

25 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:02:09.02 ID:HA2iId5DO
>>24
あのスレROMってた
で、妄想膨らませて書いてる


26 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:02:15.27 ID:SBs/Iw8tO
俺は知らない

27 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:07:22.88 ID:HA2iId5DO
女「これやり始めた理由かぁ。あんまり人に話すことじゃないんですけどね……」
男「勿体ぶらずにさっさと要点だけまとめて言え」
女「一年前の夜中にこの池で自殺しようとした。でも死にきれなかった。ずぶ濡れの私を見て幽霊と勘違いした人がいた。以上」
男「ちょ……」
女「要点だけまとめて言いましたよ? あ、ちなみにその時は浴衣じゃなかったですけどね」

28 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:12:43.78 ID:HA2iId5DO
男「えーと……詳細を聞きたいところだがとりあえず着替えてこい。寒いだろ」
女「優しいんですね。えーと……」
男「男だ」
女「私は女。よろしくね」
男(よろしくされたくねー……)

29 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:18:08.56 ID:HA2iId5DO
女「着替えてきましたー」
男(ミニスカにまたニーソ……ニーソ好きなのか?)
男「で、自殺未遂ってどーゆーことだよ」
女「私、何やっても上手くいかなくって。受験生だったけど成績も最悪。なーんか生きるのつまんないなぁって思っちゃって」
男(メンヘラかよ……うぜー)
女「で、丁度家の近くに池もあるし飛び込んじゃえーって。……でも、やっぱり溺死って苦しいですね」
男「当たり前だろ」
女「結局死に損なって、何とか岸まで泳ぎきって。体育の成績悪かったのにね。火事場の馬鹿力ですかねー?」
男「知らねぇよ」
女「で、全身びしょ濡れでゼイゼイあえぎながら池の周りフラフラしてたら丁度通りかかった人が叫びながら逃げてっちゃって」
男「そいつが自分を幽霊と思い込んでくれたのに味をしめてこんなこと続けてんのか?」
女「うーん……半分正解」
男「半分って何だよ」

30 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:24:40.05 ID:HA2iId5DO
女「次の日ににちゃんねるのある板で『昨日池の近くで幽霊見た』って書き込みがあって」
男(多分オカ板だな……)
女「で、そこに『その池で入水自殺した女が居る』って書いたの」
男「性格悪ぃな、お前」
女「そしたらその書き込みにみんな食いついてくれてね。……何だか、フッて楽になれたの」
男「……何で?」

31 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:30:25.32 ID:HA2iId5DO
女「死に損なった私が、本当に死ねたような気がしてね。……それからは何だか身が軽くなって勉強にも力が入って見事に第一志望合格っ」
男「……お前、どこの学校行ってんの?」
女「○○大学」
男「ちょ、おま……同じ大学じゃねーか!」
女「え、本当? 私、××キャンパスなんだけど」
男「俺は△△キャンパス」
女「おしいなぁ。でも、会おうと思えば会えるね」
男「誰が会うか」

32 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:36:07.37 ID:HA2iId5DO
女「でね、色々考えて『幽霊といったら着物でしょ!』って思ったの」
男「完璧な偏見だな」
女「でも家に浴衣しかないしこれで妥協したんです。で、寒くてもこれで我慢!」
男「……こんなことしてて楽しいのかよ?」
女「何だろ……楽しいっていうか、気持ちが楽になるんですよ」

33 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:43:47.56 ID:HA2iId5DO
女「みんなが驚いてくれる度にね、私は死ねたんだ、死ねたんだ。幽霊になったんだって思えるんです」
女「……でも、この遊びも、もうおしまい」
女「私、幽霊になりたかったのに」

34 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:49:31.06 ID:HA2iId5DO
書き溜め切れたんでこれから超がつく程のスローペースになります
サーセンwwwwてかあんま人居ないねwwwwwwwwサーセンサーセンwwwwwwwwwwwwwwwww

35 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:51:36.44 ID:Yd3KoBPM0
いや、見てるよ?

37 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 19:53:32.47 ID:4G7QL4oE0
変なテンションだな

40 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 20:09:35.10 ID:HA2iId5DO
男「本当にお前がここで死ねば心霊スポットになるんじゃねーか?」
女「半笑いで酷いこと言いますね」
男「何とでも言え。お前みたいなジメジメした考えのメンヘラは嫌いなんだ」
女「ホント、酷いなぁ。……男さん、もしかして幽霊が本当に居ると思ってるんですか?」
男「いや、別に……」
女「ですよねー。……幽霊なんて居るわけない。死んだら無になるだけ。……そう思いません?」
男「それは同意だが……」
女「私は一年前に死にかけた時、無を見ました」
男(何かややこしい話になってきたぞ……)

41 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 20:15:26.23 ID:HA2iId5DO
女「酸素が薄れて、全身を水に責められて……目の前から何もかもが消え失せていく感覚。……二度と忘れません」
男「そのまま死ねれば良かったのにな」
女「本当ですよ。……死ぬつもりだったのになぁ。何ででしょう?」
男「さぁな。やっぱり生きたいっつー本能が勝ったんじゃねーか?」
女「……心の底から消えたかったのに、身体は生きたがったんですかね」
男「ややこしいことを俺に訊くなって」
女「……ですね。自分でも分からないくらいですもんね」

42 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 20:19:00.21 ID:HA2iId5DO
女「……幽霊役を一年も続けてたのは、死んだつもりになりたいだけじゃなかったのかも知れません」
男「他にどんな下らねぇ思惑が?」
女「死後の世界を、在るのか無いのかあやふやな世界を作りたかったんです。私の中にだけでも良いから。……多分、ですけどね」
男「自分のことのくせに何にも分かってねーんだな」
女「はい。……全く分からないんです。自分のことのくせに、ね」

43 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 20:27:57.86 ID:zOy6eEaf0
こういうスレに出てくる男の主人公ってたいてい上から目線だよな
なんか偉そう

44 :VIPがお送りします: [sage] 2009/11/24(火) 20:40:11.04 ID:giefJbwi0
>>43
そりゃ書き手が基本的に女性関係うまく築けていない人でしょうし。
鬱屈したものを文章に変換して吐き出していれば自然とそうなるよね。

45 :VIPがお送りします: [sage] 2009/11/24(火) 20:45:19.01 ID:HRr9y2h4O
>>44
だが欝屈してない人間が書くものは大概つまらん

47 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 20:50:27.49 ID:HA2iId5DO
男「で、お前これからどうすんだ?」
女「え?」
男「もう嘘の幽霊もバレて、明日こんなことしても驚く奴居なくなるかも知れないぞ?
  それでもやんのか? ……この馬鹿馬鹿しいごっこ遊びを」
女「昨日男さんが止めろって言ったじゃないですか。友達に本当のこと話したのも、そういうことなんでしょう?」
男「……。……まぁな」

48 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 20:57:57.31 ID:HA2iId5DO
女「良いんです。どうせいつかバレることでしたし。一年間無事続いたのは奇跡みたいなものです」
男「嫌な奇跡だな」
女「えへへ。そうですよね。明日からは……どうしましょう? 浴衣着て水の中に佇んでても馬鹿にされるだけですよね」
男「だろうな」
女「『この嘘つきお化け!』って石投げられちゃうかも」
男「かも、じゃなくて絶対だと思うがな」
女「あーあ、つまんない。死んじゃいたいくらいつまんないなぁ」

49 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:02:52.47 ID:HA2iId5DO
女「一年間幽霊やってきたのに……私、生き返っちゃいました。どうしましょ」
男「生き返ったんだからまともな趣味探せよ」
女「難しいこと言いますねぇ。これ以外の趣味かぁ。ネットと……ネット?」
男「非生産的だな」
女「褒めても何も出ませんよ」
男「褒めてねーよ」
女「冗談です、冗談」
男「お前、友達とか彼氏とか居ねーの? そいつらと真っ当な遊びだの恋愛だのでもしてろよ」
女「友達? 彼氏? 何ですかそれ都市伝説でしょう?」
男「うわ……」
女「『うわ……』ってなんですかー」
男「想像以上に非リア充だな、お前」
女「非リア充なのは仕方ありません。自力でリア充化なんて到底無理です」

50 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:13:35.45 ID:HA2iId5DO
男「お前、たまに変なこと言うけど結構饒舌だから友達くらいならできるんじゃねーの?」
女「大学での私、かなりの無口ですよ? バイト先でも必要以上のこと言わないし」
男「……意外だな」
女「そうですか? ……なーんか男さんとなら色々話せちゃうんですよね。何ででしょうかね?」
男「知るかよ」
女「これも幽霊効果なのかなぁ?」
男「どんな効果だよ」
女「私が幽霊ごっこしてなかったら会えなかったし、こうやって沢山喋ることもなかった」
男「俺的にはあまり良い出会いとは言えんがな」
女「相変わらず冷たいですねー」

52 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:21:40.88 ID:HA2iId5DO
女「私は会えて良かったですよ。……こんなに話すの久しぶり」
男「学校でもそれくらい話せよ」
女「無理無理。私、こう見えてかなりの人見知りなんですよ?」
男「夜な夜な知らない奴に『助けてー』だの『待てー』だの言ってたくせに」
女「それも幽霊効果です」
男「万能薬だな、幽霊」
女「ですねぇ」

53 :VIPがお送りします: [sage] 2009/11/24(火) 21:25:56.57 ID:d2XfmY+dO
地味に面白い・・・

54 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:26:21.28 ID:HA2iId5DO
男「……。……良かったら俺が友達になってやろうか?」
女「良いんですか?」
男「でも変な依存とかすんなよ?」
女「はい! ……地上初、幽霊と友達の人間の誕生ですね」
男「お前生きてんじゃねーか」
女「……ふふ。それはどうでしょう?」

55 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:28:16.92 ID:zOy6eEaf0
妄想
男「……。……良かったら俺が友達になってやろうか?」
女「良いんですか?」
現実
男「……。……良かったら俺が友達になってやろうか?」
女「え?やだ気持ち悪い・・・」

56 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:36:50.90 ID:HA2iId5DO
女「私、本当は死んでいるんです」
男「また下らない冗談か?」
女「死んだこと、ちょっと後悔してるんですよ。……もっと生きていれば良かったって、いつも思っていたんです」チャポッ
男「お、おい。何で池に入ってんだ! また濡れるぞ!」
女「だから、ちょっとしたごっこ遊びをしていたんです。『私は生きた人間。本当の幽霊じゃなくて幽霊を演じているだけだ』って」ザプッ、ザプ…ッ
男「な、何言って……」
女「昨日言ったマンションの404号室。本当は今空き家なんです。……住む人間が死んでしまったからね」
男「おい、いい加減上がって来いよ。風邪引くぞ!」
女「騙してすみません。でも、本当に生きているような気分になれました。……ありがとうございます」
男「……」
女「……。……なんちゃって。騙されました?」ニコッ
男「誰がそんな浮世離れしたこと信じるか、アホ」
女「ちぇー。これにて幽霊ごっこは終了かぁ」

58 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:42:57.66 ID:HA2iId5DO
女「あ、でも私たちが友達同士になったのは嘘でもなんでもないですよ?」
男「はいはい。……まさか明日、こっちのキャンパスに遊びに来るつもりか?」
女「駄目ですか?」
男「駄目じゃねーけど……変な発言控えろよ。一緒に居る俺まで変人扱いされちまう」
女「分かりました。今度はリア充ごっこですね!」
男「……幽霊ごっこよりだいぶマシだな」
女「頑張ります!」
男「あと、そのですます調止めろ。友達同士で敬語とかムズムズする」
女「うん。分かったよ」
男「それで良し」

60 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 21:46:41.92 ID:HA2iId5DO
男「あーあ、ニーソぐしょ濡れじゃねーか。寒いだろ?」
女「かなりね。……結局引っ掛かってくれないんならやらなきゃ良かった」
男「ほら、さっさと帰るぞ。送ってってやるから」
女「ありがとねー」
男「……世話の焼ける友達ができちまったなぁ」
女「でも私、男くんが困ってたら何でもするよ! できる限りのこと!」
男「……何かお前のできる限りって範囲滅茶苦茶狭そうだな」
女「うん。自覚はしてる」

61 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 22:06:22.13 ID:HA2iId5DO
男「ほら、マンション着いたぞ。とっとと行け」
女「せっかくだし……寄ってく?」
男「寄らねぇ。俺はバイトで疲れてんだ」
女「バイト、何やってんの?」
男「居酒屋」
女「へー。私、お酒好きだよ?」
男「ふーん。……やっぱ一人で飲んでんの?」
女「単独で居酒屋潜入は怖いから、いつも家で飲んでる」
男「寂しっ!」
女「うん。すっごく寂しい。だから一緒に飲も?」
男「ああ、今度な」
女「え?」
男「……え?」

62 :VIPがお送りします: [] 2009/11/24(火) 22:12:52.35 ID:dslO9s6e0
え?

63 :VIPがお送りします: [sage] 2009/11/24(火) 22:14:26.05 ID:OmQOlOGy0
え?

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