レイ「フィフス。…ちょっと」カヲル「?」
Part1
1 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 21:41:30.15 ID:nq/uNbe00
カヲル「何だい?」
レイ「……」
カヲル「用が無いなら失礼させてもらうよ」
レイ「…あの、」
カヲル「……」
レイ「……」
カヲル「…何?」
レイ「………。…あの…」
4 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 22:05:41.01 ID:nq/uNbe00
レイ「…頼みたいことがあるの」
カヲル「へぇ、僕に?珍しいね」
レイ「今週の土曜日、暇?」
カヲル「特に予定は無いよ」
レイ「私の家に来てほしい」
カヲル「…どうして?」
レイ「………」
カヲル「………、…わかったよ。土曜だね?」
レイ「ええ。…できれば、早い方がいいわ」
カヲル「午前中?…じゃあ、9時頃でいいかい?」
レイ「ええ。…それじゃあ」
カヲル「うん」
5 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 22:07:41.19 ID:nq/uNbe00
土曜日。
レイのマンション。
コンコン
カヲル「ファースト、僕だよ」
ガチャッ
レイ「…どうぞ」
カヲル「やぁ。上がらせてもらうよ」
レイ「…適当に、座って。どこでもいいわ」
カヲル「いや、このままで構わないよ」
レイ「………。ベッドの上なら、制服も汚れないと思うわ」
カヲル「それより本題を聞かせてよ。一体僕に何の用があって呼び出したんだい?」
レイ「………」
カヲル「………」
レイ「………」
カヲル「言いづらいこと?」
レイ「そういうわけではないわ」
カヲル「じゃあ話してよ」
レイ「…わかった」
6 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 22:13:48.00 ID:nq/uNbe00
カヲル「…………………料理の作り方を教えてほしい?」
レイ「…そう」
カヲル「そう言われても…、君も知ってるだろう?僕は基本的に食事はネルフの食堂で摂ってるんだ。料理経験なんて学校の調理実習くらいしか無いよ」
レイ「…あなたも、そうなのね…」
カヲル「シンジくんに頼んだ方が良いんじゃないかな。シンジくんならきっと、君の望むとおりの事を教えてくれると思うよ」
レイ「………」
カヲル「…?」
レイ「…碇くんに…、………お弁当を、…作りたくて」
カヲル「シンジくんに?」
レイ「ええ。…できれば、秘密にしたいの。だから…」
カヲル「シンジくん本人に聞くわけにはいかない、か…」
レイ「…」
9 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 23:27:37.01 ID:nq/uNbe00
カヲル「セカンドは?」
レイ「…あまり期待できないと思う」
カヲル「でも僕よりは料理の知識があるんじゃないかな。一応、女性であることは間違いないからね」
レイ「…………」
カヲル「…ああ、そういえば君とセカンドはあまり仲が良くないんだったね」
レイ「…別に、それとこれとは関係無いわ」
カヲル「ふーん…まぁいいや、そういうことにしておこうか」
レイ「碇くんは…何が好きかしら」
カヲル「…」
レイ「あなた、何か知らないの?」
カヲル「…」
レイ「お昼、良く一緒に食べているけど」
カヲル(そういえばあまり昼食の内容については話したことが無いかもしれない)
レイ「…お昼の休憩中、碇くんばかり見ているけど」
カヲル(盲点だったな…。僕自身あまり食べ物の好き嫌いが無いから聞きそびれてしまっていた)
レイ「…フィフス?」
カヲル「えっ。…あ、うん」
レイ「知らないのね」
カヲル「残念ながらね」
10 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 23:28:42.67 ID:nq/uNbe00
レイ「…フィフス」
カヲル「何だい?」
レイ「今日は、お昼からも予定は無い?」
カヲル「特に何も無いよ」
レイ「そう。…少し、付き合ってもらえる?」
カヲル「構わないよ。…でも、何にだい?」
レイ「…お弁当、中身を決めたり、材料を買ったりしないといけないから」
カヲル「荷物持ち?…まぁ、いいさ」
レイ「それから、料理の練習」
カヲル「ファースト。さっきも言ったけれど、僕は…」
レイ「包丁の扱い方や野菜の切り方、…知ってる?」
カヲル「…、多少はね」
レイ「じゃあ…教えてほしい」
カヲル「………」
レイ「別に、強制はしないけど」
カヲル「…わかったよ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/16(火) 01:04:52.01 ID:ecqTfzFVo
兄妹みたい
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/16(火) 10:00:24.74 ID:b8v0qEsco
期待
17 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/18(木) 22:41:40.73 ID:Pa4x3xnQ0
某本屋。
カヲル「…ねぇ」
レイ「……」
カヲル「料理の材料を買いに行くんじゃなかったのかい?ここは本屋だよ」
レイ「……、これ」
カヲル「え?」
『簡単!お弁当レシピ』
カヲル「…ああ、なるほど。2人とも料理初心者だからこういうものは必要だね」
レイ「…本の種類が多すぎて決まらないわ」
カヲル(確かに。リリンはやけに食生活に気を遣う生き物だとは思っていたけど、教本のようなものがこんなに沢山あるとは…)
レイ「……」
『野菜only サラダレシピ』
レイ「レジに行ってくるわ」
カヲル「ファースト」
レイ「…何?」
カヲル「それだとサラダのレシピしか載っていないんじゃないのかい?」
レイ「ええ。いいと思うわ」
カヲル「ファースト…。シンジくんも僕たちと同じ、育ち盛りの中学生だ。さすがにお弁当の中身が野菜だけでは寂しいと思うよ」
レイ「…今の中学生は野菜が不足しがちだと、この間家庭科で習ったはず」
カヲル「バランスが大切さ。いくら君が肉嫌いだと言っても、シンジくんもそうだとは限らない」
レイ「…」
カヲル「怖いのかい?肉を調理するのが」
レイ「…いいえ。…ただ、食べた事が無いものは味がわからないから」
カヲル「大丈夫だよ。もし必要なら僕が味見役を引き受けるさ」
レイ「…そう。それじゃあ、選び直してみる」
18 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/18(木) 22:50:21.04 ID:Pa4x3xnQ0
カヲル「随分分厚い本を買ったんだね」
レイ「…レシピは多い方が良いわ」
カヲル「まぁ…それもそうか。ところで、材料を揃える予定のお店はどこにあるんだい?」
レイ「…あっち。15分ほど歩けば、着くと思う」
カヲル「そう。じゃあ、歩こうか」
レイ「……」テクテク
カヲル「……」テクテク
レイ「……」テクテク
カヲル「……」テクテク
…。
幼女「すき、きらい、すき、…」プチッ プチッ
幼女2「…きらい… ええー…」
レイ「…?」
カヲル「ねぇ君たち、どうして花びらをむしっているんだい?」
幼女「これ?はなうらないしてるのー」
レイ「ハナウラナイ…?」
幼女2「えっとね、すきなひとのことをおもいうかべながらこんなふうに、すき、きらい、すき、きらい…ってはなびらをちぎっていくの」プチッ プチッ
幼女「さいごにのこったはなびらが“すき”か“きらい”かで、そのひとがじぶんにたいしておもっているきもちがわかるんだよー」
レイ「…」
カヲル「…」
女性「2人とも帰ってらっしゃい、おやつが出来たわよー」
幼女「ママだー」
幼女2「おにいちゃんおねえちゃん、じゃあね!」
19 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/18(木) 22:51:35.77 ID:Pa4x3xnQ0
レイ「…」
カヲル「…さぁ、行こうかファースト」
レイ「…」ブチッ
カヲル「ファースト? …まさかさっきの子供たちが言っていた事を真に受けているのかい?」
レイ「…」
カヲル「こう言っては悪いけど、時間の無駄さ。やめておきなよ。そんな事で他人の心がわかるのなら誰も苦労はしないよ」
レイ「…」プチッ プチッ
カヲル「…はぁ」
レイ「…」プチッ プチッ
カヲル(………。ただ待っているだけなのも暇だな…)ブチッ
レイ「…」プチッ プチッ
カヲル「…」プチッ プチッ
レイ(碇くんは私の事を…好き、嫌い、好き、嫌い、好き…)プチッ プチッ
カヲル(シンジくんは僕の事を好き、嫌い、好き、嫌い、好き…)プチッ プチッ
レイ(…嫌い)
カヲル(嫌い…)
レイ「…」
カヲル「…」
ブチッ
プチッ プチッ プチッ プチッ
ーーー数十分後。
レイ「…」
カヲル「…花びらに埋もれて何をやってるんだ僕たちは…」
レイ「…」
カヲル「行こう。こんな事に躍起になっていたら日が暮れてしまうよ」
レイ「……うん」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/19(金) 00:59:54.80 ID:HGRc9DBsO
こいつら可愛いなw
21 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:37:48.03 ID:WEcw/Omz0
某スーパー。
カヲル「何を作るかは大体決めてあるのかい?」
レイ「…さっき買った本を少し読んで、一応…決めたわ。うまくできるかは、まだわからないけど」
カヲル「それでいいよ、最初だからね。まずは何を買うんだい?」
レイ「まず、調味料から」
カヲル「塩や砂糖の類だね。向こうの棚に置いてあるかな…」
レイ「フィフス。…そういえばこの間、洞木さんが鈴原くんにお弁当を作っていたんだけど」
カヲル「ああ…そういえばあったね、そんな日が。鈴原くん、とても喜んでいたよ」
レイ「…参考にしたいから、お弁当の中身について聞きたいの。…何か、覚えていない?」
カヲル「そうだね、僕はあまり他人のお弁当の中身は気にした事が無いから…、……いや…、ああ、そういえば「甘い物が入ってるのは嬉しい」というような事を言っていたような気がする」
レイ「…甘いもの…?」
カヲル「確かデザートの事だったと思うよ。果物だったかな…」
レイ「そう。…お弁当に甘い物が入っていると、嬉しいのね」
カヲル「果物売り場も覗いてみるかい?リンゴなんて良さそうだけど」
レイ「…そうする」
…。
カヲル「…少々買い込みすぎた気がするね」
レイ「…平気?」
カヲル「別に持つのは構わないけど…この暑さだ、急いで帰った方が良さそうだね。食材が傷んでしまったら今までの苦労と僕たちのお金が無駄になるよ」
レイ「そうね。…急ぎましょう」
22 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:43:41.80 ID:WEcw/Omz0
レイのマンション。
カヲル「調理器具は揃っているんだね」
レイ「…昨日、ネルフの食堂で借りてきたの」
カヲル「へぇ。ところで、お弁当のおかずは何を作る予定なんだい?」
レイ「…まずは、これ。このページの…」パラパラ
カヲル「ポテトサラダか…。うん、良いと思うよ。お弁当の定番だとも書いてあるしね」
レイ「…」
カヲル「じゃあまず、野菜を切ろうか」
レイ「うん」スッ
カヲル「ファースト、野菜は一応軽く洗ってからの方が良いと思うよ」
レイ「…そう。わかった」スッ
カヲル「あの…」
レイ「?」
カヲル「僕の班の調理実習で野菜を洗った時は、洗剤は使わなかったよ?」
レイ「…そう。洗剤は、必要ないのね」
カヲル「お湯だけでいいんじゃないかな」
レイ「…やってみる」
ザー…
カヲル「…。ファースト」
レイ「何?」
カヲル「その…さっきから気になっているんだけど、それは何?」
レイ「きゅうり」
カヲル「きゅうりはジャガイモの横に置いてある野菜じゃないのかい?それはなんだか、きゅうりにしては妙に太いような…」
レイ「…やっぱり、そうかしら。新種のきゅうりかと思って…」
カヲル「さっきのスーパーで貰ったレシート、見せてもらっても良いかい?」
23 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:51:23.08 ID:WEcw/Omz0
カヲル「…やっぱり、聞き慣れない名称のものが一つあるね。“ゴーヤ”」
レイ「ゴーヤ…?」
カヲル「何かに載っていないかな。学校の教科書とか」
レイ「…ちょっと、見てみるわ」カチッ、カタカタカタ
レイ「……。…これ?」
カヲル「ああ、どうやらこれみたいだね。ツルレイシ、別名ニガウリ、ゴーヤー…“強い苦味が特徴”」
レイ「…苦味?」
カヲル「うん。そう書いてあるよ」
レイ「そう。…少し、食べてみましょう」サク、サク、サク
カヲル「…生で食べても問題ないものなのかい、これは」
レイ「…きっと」
カヲル「…」
レイ「…」
パクッ …ガリッ
レイ「…う、」
カヲル「…………………………」
24 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:57:56.61 ID:WEcw/Omz0
カヲル「恐ろしい目に遭った…」
レイ「…………」
カヲル「だめだファースト、これはやめよう。シンジくんを僕たちと同じ目に遭わせるわけにはいかないよ」
レイ「…………ええ…」
カヲル「…まだ舌がビリビリする」
レイ「だけど…これが店頭で売られているということは、これを好んで食べる人もいるということ。…調理の仕方によっては、とても美味しくなるものなのかもしれないわ」
カヲル「そうだね。ツルレイシについては今度時間が空いた時にゆっくり勉強するとするよ。それよりも今はポテトサラダに集中しよう、まずはきゅうりを切るんだ。いいね?」
レイ(…こんなに早口で話すフィフスを見たのは初めてかも知れないわ)
カヲル「先の部分を少し落としてから、そのまま薄く切るといいと思うよ」
レイ「…小口切りね。この間、家庭科で習った切り方。…座学だったから、実際に切った事はないけど」
カヲル「手を切らないようにね」
レイ「…」トン、トン、トン、トン
カヲル「ああ、そうだ。言い忘れていたけど、その持ち方だと指を切る危険があるそうだから左手は少し丸めた方がーーー」
レイ「…」トン、トン、トン、…ザクッ
カヲル「…」
レイ「………」
カヲル「絆創膏、あるかい?」
レイ「…ええ」
カヲル「何だい?」
レイ「……」
カヲル「用が無いなら失礼させてもらうよ」
レイ「…あの、」
カヲル「……」
レイ「……」
カヲル「…何?」
レイ「………。…あの…」
4 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 22:05:41.01 ID:nq/uNbe00
レイ「…頼みたいことがあるの」
カヲル「へぇ、僕に?珍しいね」
レイ「今週の土曜日、暇?」
カヲル「特に予定は無いよ」
レイ「私の家に来てほしい」
カヲル「…どうして?」
レイ「………」
カヲル「………、…わかったよ。土曜だね?」
レイ「ええ。…できれば、早い方がいいわ」
カヲル「午前中?…じゃあ、9時頃でいいかい?」
レイ「ええ。…それじゃあ」
カヲル「うん」
5 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 22:07:41.19 ID:nq/uNbe00
土曜日。
レイのマンション。
コンコン
カヲル「ファースト、僕だよ」
ガチャッ
レイ「…どうぞ」
カヲル「やぁ。上がらせてもらうよ」
レイ「…適当に、座って。どこでもいいわ」
カヲル「いや、このままで構わないよ」
レイ「………。ベッドの上なら、制服も汚れないと思うわ」
カヲル「それより本題を聞かせてよ。一体僕に何の用があって呼び出したんだい?」
レイ「………」
カヲル「………」
レイ「………」
カヲル「言いづらいこと?」
レイ「そういうわけではないわ」
カヲル「じゃあ話してよ」
レイ「…わかった」
6 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 22:13:48.00 ID:nq/uNbe00
カヲル「…………………料理の作り方を教えてほしい?」
レイ「…そう」
カヲル「そう言われても…、君も知ってるだろう?僕は基本的に食事はネルフの食堂で摂ってるんだ。料理経験なんて学校の調理実習くらいしか無いよ」
レイ「…あなたも、そうなのね…」
カヲル「シンジくんに頼んだ方が良いんじゃないかな。シンジくんならきっと、君の望むとおりの事を教えてくれると思うよ」
レイ「………」
カヲル「…?」
レイ「…碇くんに…、………お弁当を、…作りたくて」
カヲル「シンジくんに?」
レイ「ええ。…できれば、秘密にしたいの。だから…」
カヲル「シンジくん本人に聞くわけにはいかない、か…」
レイ「…」
9 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/15(月) 23:27:37.01 ID:nq/uNbe00
カヲル「セカンドは?」
レイ「…あまり期待できないと思う」
カヲル「でも僕よりは料理の知識があるんじゃないかな。一応、女性であることは間違いないからね」
レイ「…………」
カヲル「…ああ、そういえば君とセカンドはあまり仲が良くないんだったね」
レイ「…別に、それとこれとは関係無いわ」
カヲル「ふーん…まぁいいや、そういうことにしておこうか」
レイ「碇くんは…何が好きかしら」
カヲル「…」
レイ「あなた、何か知らないの?」
カヲル「…」
レイ「お昼、良く一緒に食べているけど」
カヲル(そういえばあまり昼食の内容については話したことが無いかもしれない)
レイ「…お昼の休憩中、碇くんばかり見ているけど」
カヲル(盲点だったな…。僕自身あまり食べ物の好き嫌いが無いから聞きそびれてしまっていた)
レイ「…フィフス?」
カヲル「えっ。…あ、うん」
レイ「知らないのね」
カヲル「残念ながらね」
レイ「…フィフス」
カヲル「何だい?」
レイ「今日は、お昼からも予定は無い?」
カヲル「特に何も無いよ」
レイ「そう。…少し、付き合ってもらえる?」
カヲル「構わないよ。…でも、何にだい?」
レイ「…お弁当、中身を決めたり、材料を買ったりしないといけないから」
カヲル「荷物持ち?…まぁ、いいさ」
レイ「それから、料理の練習」
カヲル「ファースト。さっきも言ったけれど、僕は…」
レイ「包丁の扱い方や野菜の切り方、…知ってる?」
カヲル「…、多少はね」
レイ「じゃあ…教えてほしい」
カヲル「………」
レイ「別に、強制はしないけど」
カヲル「…わかったよ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/16(火) 01:04:52.01 ID:ecqTfzFVo
兄妹みたい
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/16(火) 10:00:24.74 ID:b8v0qEsco
期待
17 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/18(木) 22:41:40.73 ID:Pa4x3xnQ0
某本屋。
カヲル「…ねぇ」
レイ「……」
カヲル「料理の材料を買いに行くんじゃなかったのかい?ここは本屋だよ」
レイ「……、これ」
カヲル「え?」
『簡単!お弁当レシピ』
カヲル「…ああ、なるほど。2人とも料理初心者だからこういうものは必要だね」
レイ「…本の種類が多すぎて決まらないわ」
カヲル(確かに。リリンはやけに食生活に気を遣う生き物だとは思っていたけど、教本のようなものがこんなに沢山あるとは…)
レイ「……」
『野菜only サラダレシピ』
レイ「レジに行ってくるわ」
カヲル「ファースト」
レイ「…何?」
カヲル「それだとサラダのレシピしか載っていないんじゃないのかい?」
レイ「ええ。いいと思うわ」
カヲル「ファースト…。シンジくんも僕たちと同じ、育ち盛りの中学生だ。さすがにお弁当の中身が野菜だけでは寂しいと思うよ」
レイ「…今の中学生は野菜が不足しがちだと、この間家庭科で習ったはず」
カヲル「バランスが大切さ。いくら君が肉嫌いだと言っても、シンジくんもそうだとは限らない」
レイ「…」
カヲル「怖いのかい?肉を調理するのが」
レイ「…いいえ。…ただ、食べた事が無いものは味がわからないから」
カヲル「大丈夫だよ。もし必要なら僕が味見役を引き受けるさ」
レイ「…そう。それじゃあ、選び直してみる」
18 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/18(木) 22:50:21.04 ID:Pa4x3xnQ0
カヲル「随分分厚い本を買ったんだね」
レイ「…レシピは多い方が良いわ」
カヲル「まぁ…それもそうか。ところで、材料を揃える予定のお店はどこにあるんだい?」
レイ「…あっち。15分ほど歩けば、着くと思う」
カヲル「そう。じゃあ、歩こうか」
レイ「……」テクテク
カヲル「……」テクテク
レイ「……」テクテク
カヲル「……」テクテク
…。
幼女「すき、きらい、すき、…」プチッ プチッ
幼女2「…きらい… ええー…」
レイ「…?」
カヲル「ねぇ君たち、どうして花びらをむしっているんだい?」
幼女「これ?はなうらないしてるのー」
レイ「ハナウラナイ…?」
幼女2「えっとね、すきなひとのことをおもいうかべながらこんなふうに、すき、きらい、すき、きらい…ってはなびらをちぎっていくの」プチッ プチッ
幼女「さいごにのこったはなびらが“すき”か“きらい”かで、そのひとがじぶんにたいしておもっているきもちがわかるんだよー」
レイ「…」
カヲル「…」
女性「2人とも帰ってらっしゃい、おやつが出来たわよー」
幼女「ママだー」
幼女2「おにいちゃんおねえちゃん、じゃあね!」
19 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/18(木) 22:51:35.77 ID:Pa4x3xnQ0
レイ「…」
カヲル「…さぁ、行こうかファースト」
レイ「…」ブチッ
カヲル「ファースト? …まさかさっきの子供たちが言っていた事を真に受けているのかい?」
レイ「…」
カヲル「こう言っては悪いけど、時間の無駄さ。やめておきなよ。そんな事で他人の心がわかるのなら誰も苦労はしないよ」
レイ「…」プチッ プチッ
カヲル「…はぁ」
レイ「…」プチッ プチッ
カヲル(………。ただ待っているだけなのも暇だな…)ブチッ
レイ「…」プチッ プチッ
カヲル「…」プチッ プチッ
レイ(碇くんは私の事を…好き、嫌い、好き、嫌い、好き…)プチッ プチッ
カヲル(シンジくんは僕の事を好き、嫌い、好き、嫌い、好き…)プチッ プチッ
レイ(…嫌い)
カヲル(嫌い…)
レイ「…」
カヲル「…」
ブチッ
プチッ プチッ プチッ プチッ
ーーー数十分後。
レイ「…」
カヲル「…花びらに埋もれて何をやってるんだ僕たちは…」
レイ「…」
カヲル「行こう。こんな事に躍起になっていたら日が暮れてしまうよ」
レイ「……うん」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/04/19(金) 00:59:54.80 ID:HGRc9DBsO
こいつら可愛いなw
21 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:37:48.03 ID:WEcw/Omz0
某スーパー。
カヲル「何を作るかは大体決めてあるのかい?」
レイ「…さっき買った本を少し読んで、一応…決めたわ。うまくできるかは、まだわからないけど」
カヲル「それでいいよ、最初だからね。まずは何を買うんだい?」
レイ「まず、調味料から」
カヲル「塩や砂糖の類だね。向こうの棚に置いてあるかな…」
レイ「フィフス。…そういえばこの間、洞木さんが鈴原くんにお弁当を作っていたんだけど」
カヲル「ああ…そういえばあったね、そんな日が。鈴原くん、とても喜んでいたよ」
レイ「…参考にしたいから、お弁当の中身について聞きたいの。…何か、覚えていない?」
カヲル「そうだね、僕はあまり他人のお弁当の中身は気にした事が無いから…、……いや…、ああ、そういえば「甘い物が入ってるのは嬉しい」というような事を言っていたような気がする」
レイ「…甘いもの…?」
カヲル「確かデザートの事だったと思うよ。果物だったかな…」
レイ「そう。…お弁当に甘い物が入っていると、嬉しいのね」
カヲル「果物売り場も覗いてみるかい?リンゴなんて良さそうだけど」
レイ「…そうする」
…。
カヲル「…少々買い込みすぎた気がするね」
レイ「…平気?」
カヲル「別に持つのは構わないけど…この暑さだ、急いで帰った方が良さそうだね。食材が傷んでしまったら今までの苦労と僕たちのお金が無駄になるよ」
レイ「そうね。…急ぎましょう」
22 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:43:41.80 ID:WEcw/Omz0
レイのマンション。
カヲル「調理器具は揃っているんだね」
レイ「…昨日、ネルフの食堂で借りてきたの」
カヲル「へぇ。ところで、お弁当のおかずは何を作る予定なんだい?」
レイ「…まずは、これ。このページの…」パラパラ
カヲル「ポテトサラダか…。うん、良いと思うよ。お弁当の定番だとも書いてあるしね」
レイ「…」
カヲル「じゃあまず、野菜を切ろうか」
レイ「うん」スッ
カヲル「ファースト、野菜は一応軽く洗ってからの方が良いと思うよ」
レイ「…そう。わかった」スッ
カヲル「あの…」
レイ「?」
カヲル「僕の班の調理実習で野菜を洗った時は、洗剤は使わなかったよ?」
レイ「…そう。洗剤は、必要ないのね」
カヲル「お湯だけでいいんじゃないかな」
レイ「…やってみる」
ザー…
カヲル「…。ファースト」
レイ「何?」
カヲル「その…さっきから気になっているんだけど、それは何?」
レイ「きゅうり」
カヲル「きゅうりはジャガイモの横に置いてある野菜じゃないのかい?それはなんだか、きゅうりにしては妙に太いような…」
レイ「…やっぱり、そうかしら。新種のきゅうりかと思って…」
カヲル「さっきのスーパーで貰ったレシート、見せてもらっても良いかい?」
23 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:51:23.08 ID:WEcw/Omz0
カヲル「…やっぱり、聞き慣れない名称のものが一つあるね。“ゴーヤ”」
レイ「ゴーヤ…?」
カヲル「何かに載っていないかな。学校の教科書とか」
レイ「…ちょっと、見てみるわ」カチッ、カタカタカタ
レイ「……。…これ?」
カヲル「ああ、どうやらこれみたいだね。ツルレイシ、別名ニガウリ、ゴーヤー…“強い苦味が特徴”」
レイ「…苦味?」
カヲル「うん。そう書いてあるよ」
レイ「そう。…少し、食べてみましょう」サク、サク、サク
カヲル「…生で食べても問題ないものなのかい、これは」
レイ「…きっと」
カヲル「…」
レイ「…」
パクッ …ガリッ
レイ「…う、」
カヲル「…………………………」
24 : ◆sIVlz2/mNs :2013/04/19(金) 22:57:56.61 ID:WEcw/Omz0
カヲル「恐ろしい目に遭った…」
レイ「…………」
カヲル「だめだファースト、これはやめよう。シンジくんを僕たちと同じ目に遭わせるわけにはいかないよ」
レイ「…………ええ…」
カヲル「…まだ舌がビリビリする」
レイ「だけど…これが店頭で売られているということは、これを好んで食べる人もいるということ。…調理の仕方によっては、とても美味しくなるものなのかもしれないわ」
カヲル「そうだね。ツルレイシについては今度時間が空いた時にゆっくり勉強するとするよ。それよりも今はポテトサラダに集中しよう、まずはきゅうりを切るんだ。いいね?」
レイ(…こんなに早口で話すフィフスを見たのは初めてかも知れないわ)
カヲル「先の部分を少し落としてから、そのまま薄く切るといいと思うよ」
レイ「…小口切りね。この間、家庭科で習った切り方。…座学だったから、実際に切った事はないけど」
カヲル「手を切らないようにね」
レイ「…」トン、トン、トン、トン
カヲル「ああ、そうだ。言い忘れていたけど、その持ち方だと指を切る危険があるそうだから左手は少し丸めた方がーーー」
レイ「…」トン、トン、トン、…ザクッ
カヲル「…」
レイ「………」
カヲル「絆創膏、あるかい?」
レイ「…ええ」
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む