ミサト「発想を逆転させるのよ!」シンジ「!」
Part1
1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:05:13.38 ID:nEjRNPMK0
逆裁×エヴァです
???「……はあ、はあ」
???「な、なんだよ」
???「なんだよこれ……」
???「俺が……俺がやったのか?」
???「……俺が殺したのか!?」
5月26日 9:22 地方裁判所 被告人控え室
シンジ「……うう~、もうすぐか。キンチョーするなぁ」
ミサト「シンジ君、グッモーニン!」
シンジ「あ、み、ミサトさん。ぐ、ぐっもーにん……」
ミサト「あらーなによ、ずいぶん具合悪そうな顔ね。だいじょぶ?」
シンジ「あまり大丈夫ではないような……」
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:07:44.73 ID:nEjRNPMK0
ミサト「ま、無理もないか。何せはじめての法廷が殺人事件の弁護だなんてねぇ」
シンジ「は、はあ……」
シンジ(……)
シンジ(僕は碇シンジ。今日、初めての裁判を迎える新米弁護士だ)
シンジ(そして目の前に立っているのが葛城ミサトさん。僕の先輩で腕利きの弁護士)
シンジ(今日の事件は、ミサトさんのお世話になることになりそう……)
ミサト「ま、あんまりキンチョーしすぎないことね。肩の力をほぐして、おいっちに、おいっちに」
ミサト「それで、今回の依頼人君はどんな調子なの?」
シンジ「そ、それが……」チラ
トウジ「うう、センセェ……」オロオロ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:10:27.42 ID:nEjRNPMK0
ミサト「確か、シンジ君のお友達だったかしら?」
シンジ「はい。この事件を引き受けたのもそれが理由なんですけど……」
トウジ「センセ、ワシ、ワシ、やってしもた……」
シンジ「や、やった?」
トウジ「ワシの人生、もう終わってしもたああああああああ!!」
シンジ「え、ええ!?いやいや!!」
シンジ「殺したのはトウジじゃないでしょ!だから僕が弁護するんじゃないか!」
トウジ「でも、でもワシぃ……。もうどうしたらええんか……」
トウジ「ワシ、あいつがいない人生なら死んだ方がマシやから!」
トウジ「よし、こうなったらもう有罪になってやる!!」
トウジ「有罪になって死刑を食らってやるんや!!」
シンジ(うう、アタマが痛くなってきたぞ……)
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:10:33.23 ID:cC6B95o4O
凄く期待
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:12:42.23 ID:KO5UjNvXO
見てるよ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:12:54.43 ID:nEjRNPMK0
ミサト「あらあら、随分ナイーブな依頼人さんね」
トウジ「……!」
ミサト「はじめまして、あたしは葛城ミサト。シンジ君の先輩の弁護士よ。よろしく」
トウジ「ふ、ふぁい!」
シンジ「ふぁい?」
トウジ「わ、ワシ、トウジ、鈴原トウジっていいます!」
ミサト「ふふ、そう。じゃあ鈴原君、心配になる気持ちは分かるけど、最後まで諦めちゃダメよ?」
ミサト「そうだ、この法廷が終わったら鈴原君の好きなもの、お祝いに食べに行こうかしら」
シンジ「トウジの好きなもの……すき焼きか!いいですね!」
トウジ「ふぁい!!」
シンジ「と、トウジ……?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:15:03.78 ID:nEjRNPMK0
トウジ「あ、あの、ミサトさん!」
ミサト「?」
トウジ「わ、ワシ、頑張りますんで!」バシ
シンジ(いや、頑張るのは僕だろ!!)
ミサト「ふふ、頑張りなさい。二人ともね」
ミサト「さて、そろそろ時間ね。シンジ君、行きましょうか」
シンジ「は、はい!じゃあ、トウジまた……」
トウジ「ふにゃら」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:18:24.65 ID:nEjRNPMK0
同日10:00 地方裁判所 法廷
裁判長「ではこれより鈴原トウジの法廷を開廷します」
サキエル「検察側、準備完了しております」
人物ファイル
『咲江 リュウ(サキエ リュウ)(42):ベテラン検察官。姿勢が悪いためかいつも肩パッドを入れているらしい』
シンジ「……」
裁判長「……」
シンジ「…………」
裁判長「…………」
シンジ「…………?」
裁判長「いや、『…………?』ではないでしょう!弁護側はどうなのですか」
シンジ「は、はぁ。どうなのかと言われると……」
シンジ「どうなんでしょう?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:19:31.77 ID:po0TMo0DO
サキエルwwww肩パット確かにしてるwwww
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:21:46.90 ID:nEjRNPMK0
裁判長「質問しているのは私ですぞ!」
シンジ「あ、いや、あの!じ、準備、その」
ミサト「ちょっと、シンジ君!焦りすぎよ!」
ミサト「不安があるなら一度、事件ファイルで事件をおさらいしておきましょう」
シンジ(……!そ、そうだ、事件ファイルだ)
事件ファイル
『事件内容:被害者は洞木ヒカリ。死因は失血死。凶器は現場に落ちていた包丁。一刺しで絶命』
シンジ(殺人事件か……改めて見ると体がスクむなぁ)
裁判長「弁護人!一人で落ち着かないように!」
シンジ「あ、は、はい!弁護側、準備完了しております!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:24:28.86 ID:nEjRNPMK0
サキエル「くっくっく。全く、法廷の準備もろくに終わらせられないような新人相手とは、張合いがありませんな」
裁判長「次からは開廷前に終わらせておきなさい」
シンジ(うぅ……言われたい放題だぞ……)
ミサト「シンジ君、気落ちしてる暇はないわよ」
裁判長「では検察側、冒頭弁論をお願いします」
サキエル「はい」
サキエル「今回取り扱うのは、市内に住んでいた若き女性、洞木ヒカリさんが殺害されたインザンなる事件です。凶器は現場に落ちていた包丁と思われます」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:28:07.14 ID:nEjRNPMK0
サキエル「ちなみに犯人は凶器を処分しようとしたらしく、この包丁は被害者宅のゴミ箱の中にありました」
裁判長「ふむぅ、なるほど。重要な証拠品のようですね、受理します」
事件ファイル
『包丁:現場のゴミ箱にあった包丁。被害者の血の痕がベットリと残っている』
シンジ(証拠品……か。あとあと大事になってきそうだな)
裁判長「そしてその事件を犯したと思われるのが……」
サキエル「左様、被告人の鈴原トウジというわけですな」
サキエル「そこで検察側は証人として事件の捜査を担当した絵馬刑事に事件概要を証言して頂こうと思います」
裁判長「なるほど、分かりました。では、絵馬刑事をここに」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:31:44.80 ID:nEjRNPMK0
…………
絵馬「…………」
サキエル「証人、名前と職業を」
絵馬「は!自分は絵馬 ゲリオ!刑事をやっていますから!」
人物ファイル
『絵馬 ゲリオ(エバ ゲリオ)(29):現職の刑事さん。やけに背が高い』
シンジ(なんだかお腹がユルそうな名前だな)
エバ「あ、あの、本官の仕事は!本官の仕事は、犯人を捕まえることでありますから!」ジャキン
エバ「今すぐに犯人を逮捕いたしますから!」ジャキン
シンジ「うわっ!」
裁判長「ひぃ!なんですかなそれは!」
サキエル「し、証人!法廷でパレットガンを構えないように!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:34:54.80 ID:nEjRNPMK0
エバ「し、しかし本官の仕事は!」
サキエル「あ、あなたの今の仕事は事件の証言をすることですぞ!」
エバ「む、それは……!」
エバ「……失礼しましたから。つい熱が入りすぎてしまい」ガチャリ
裁判長「ふむぅ、仕事熱心なのですね」
シンジ(そういうモンダイじゃないぞ!!)
ミサト「あのエバー刑事さん、熱くなると止まらないみたいね」
シンジ「絵馬ですよミサトさん?」
ミサト「……エバー」
シンジ「ミサトさん?」
ミサト「…………」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:37:25.55 ID:nEjRNPMK0
サキエル「ではまず証人、事件の概要について詳しく証言して貰いましょう」
エバ「分かりました!ではまず事件当時の状況についてお話しますから!」
ー証言開始ー
エバ『事件は白昼に行われましたから』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
エバ『また事件当日は洞木さんの家の窓ガラスが割られていましたが』
エバ『どうやらアパートの裏の公園で野球をしていた少年達のボールが当たったようです』
エバ『割れた窓から人が出入り出来るほど大きな穴は開かなかったようですから』
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:42:01.85 ID:nEjRNPMK0
裁判長「なるほど」
サキエル「これが事件当時の状況ですな」
エバ「ちなみに室内の割れた窓ガラスの破片というのがこちらです」
裁判長「ほほう、これは危ないですな」
サキエル「街中で野球をするなど言語道断。最近の若者はポリシーが欠けています」
裁判長「全くです。若い人たちには気をつけて欲しいものですね」
シンジ(……二人とも僕の方を見て言っているぞ)
裁判長「とにかく、こちらは証拠品として受理しましょう」
事件ファイル
『割れたガラス:事件当日、被害者宅に散乱していた』
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:47:52.48 ID:nEjRNPMK0
ミサト「さあ、シンジ君。ここからが本番よ」
シンジ「本番?」
ミサト「ええ。これから証人にあなたが質問する尋問に入るわ」
シンジ「尋問……」
ミサト「そう。この裁判は被告人……つまりあそこの彼が事件の犯人ではないかと言う事を審議しているの。当然証人もそのことを証言するわ」
ミサト「でももしそれが間違っていたら」
シンジ「証言に事実との違い……ムジュンが生まれる、ですよね」
ミサト「そうよ。とは言っても今回の証人は警察だし、嘘をついたりするとも思えないわ」
シンジ「じゃあ、特にムジュンしたところはない……?」
ミサト「それはどうかしら。意図しないムジュンもあるのよ。とにかく、鈴原君が犯人じゃないとすれば必ずどこかにおかしなところがあるはず」
シンジ「なるほど」
ミサト「まずは揺さぶりをかけて情報を引き出しましょう!」
シンジ「分かりました」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:50:50.53 ID:nEjRNPMK0
ー尋問開始ー
エバ『事件は白昼に行われましたから』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
シンジ「待った!」
シンジ「フクザツな傷口、というとグタイ的にはどんな?」
エバ「はあ、なんと言いますか……複数回、同じ所を刺されたような」
シンジ「複数回同じ所を?」
エバ「はい。グサッとやった後に引き抜いて……もう一度、こう!」
裁判長「そ、それはそれは」
シンジ(えげつないな)
ミサト「……シンジ君。今の発言、証言に加えてもらったらどうかしら」
シンジ「え?じ、じゃあ……」
シンジ「絵馬刑事、今の内容を証言に入れてください」
エバ「はっ!了解しました!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:54:26.83 ID:nEjRNPMK0
エバ『事件は白昼に行われました』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
エバ『グタイ的には、同じ所を二度刺されたようなものでした』
エバ『また事件当日は洞木さんの家の窓ガラスが割られていましたが』
エバ『どうやらアパートの裏の公園で野球をしていた少年達のボールが当たったようです』
エバ『割れた窓から人が出入り出来るほど大きな穴は開かなかったようです』
シンジ(……この中にムジュンがあるのか)
ミサト「真実と食い違うなら、必ず証拠品と異なる証言が出てくるはずよ」
シンジ「事件ファイルを確認してみよう」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:58:00.62 ID:nEjRNPMK0
エバ『事件は白昼に行われました』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少し複雑な傷口がありました』
エバ『具体的には、同じ所を二度刺されたようなものでした』
シンジ「異議あり!!」
裁判長「…………!」
サキエル「…………!」
ミサト「…………!」
エバ「…………!」
シンジ「…………」
シンジ「……………………」
シンジ「…………………………………………」
シンジ(……なんだ、このチンモクは?)
逆裁×エヴァです
???「……はあ、はあ」
???「な、なんだよ」
???「なんだよこれ……」
???「俺が……俺がやったのか?」
???「……俺が殺したのか!?」
5月26日 9:22 地方裁判所 被告人控え室
シンジ「……うう~、もうすぐか。キンチョーするなぁ」
ミサト「シンジ君、グッモーニン!」
シンジ「あ、み、ミサトさん。ぐ、ぐっもーにん……」
ミサト「あらーなによ、ずいぶん具合悪そうな顔ね。だいじょぶ?」
シンジ「あまり大丈夫ではないような……」
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:07:44.73 ID:nEjRNPMK0
ミサト「ま、無理もないか。何せはじめての法廷が殺人事件の弁護だなんてねぇ」
シンジ「は、はあ……」
シンジ(……)
シンジ(僕は碇シンジ。今日、初めての裁判を迎える新米弁護士だ)
シンジ(そして目の前に立っているのが葛城ミサトさん。僕の先輩で腕利きの弁護士)
シンジ(今日の事件は、ミサトさんのお世話になることになりそう……)
ミサト「ま、あんまりキンチョーしすぎないことね。肩の力をほぐして、おいっちに、おいっちに」
ミサト「それで、今回の依頼人君はどんな調子なの?」
シンジ「そ、それが……」チラ
トウジ「うう、センセェ……」オロオロ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:10:27.42 ID:nEjRNPMK0
ミサト「確か、シンジ君のお友達だったかしら?」
シンジ「はい。この事件を引き受けたのもそれが理由なんですけど……」
トウジ「センセ、ワシ、ワシ、やってしもた……」
シンジ「や、やった?」
トウジ「ワシの人生、もう終わってしもたああああああああ!!」
シンジ「え、ええ!?いやいや!!」
シンジ「殺したのはトウジじゃないでしょ!だから僕が弁護するんじゃないか!」
トウジ「でも、でもワシぃ……。もうどうしたらええんか……」
トウジ「ワシ、あいつがいない人生なら死んだ方がマシやから!」
トウジ「よし、こうなったらもう有罪になってやる!!」
トウジ「有罪になって死刑を食らってやるんや!!」
シンジ(うう、アタマが痛くなってきたぞ……)
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:10:33.23 ID:cC6B95o4O
凄く期待
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:12:42.23 ID:KO5UjNvXO
見てるよ
ミサト「あらあら、随分ナイーブな依頼人さんね」
トウジ「……!」
ミサト「はじめまして、あたしは葛城ミサト。シンジ君の先輩の弁護士よ。よろしく」
トウジ「ふ、ふぁい!」
シンジ「ふぁい?」
トウジ「わ、ワシ、トウジ、鈴原トウジっていいます!」
ミサト「ふふ、そう。じゃあ鈴原君、心配になる気持ちは分かるけど、最後まで諦めちゃダメよ?」
ミサト「そうだ、この法廷が終わったら鈴原君の好きなもの、お祝いに食べに行こうかしら」
シンジ「トウジの好きなもの……すき焼きか!いいですね!」
トウジ「ふぁい!!」
シンジ「と、トウジ……?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:15:03.78 ID:nEjRNPMK0
トウジ「あ、あの、ミサトさん!」
ミサト「?」
トウジ「わ、ワシ、頑張りますんで!」バシ
シンジ(いや、頑張るのは僕だろ!!)
ミサト「ふふ、頑張りなさい。二人ともね」
ミサト「さて、そろそろ時間ね。シンジ君、行きましょうか」
シンジ「は、はい!じゃあ、トウジまた……」
トウジ「ふにゃら」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:18:24.65 ID:nEjRNPMK0
同日10:00 地方裁判所 法廷
裁判長「ではこれより鈴原トウジの法廷を開廷します」
サキエル「検察側、準備完了しております」
人物ファイル
『咲江 リュウ(サキエ リュウ)(42):ベテラン検察官。姿勢が悪いためかいつも肩パッドを入れているらしい』
シンジ「……」
裁判長「……」
シンジ「…………」
裁判長「…………」
シンジ「…………?」
裁判長「いや、『…………?』ではないでしょう!弁護側はどうなのですか」
シンジ「は、はぁ。どうなのかと言われると……」
シンジ「どうなんでしょう?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:19:31.77 ID:po0TMo0DO
サキエルwwww肩パット確かにしてるwwww
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:21:46.90 ID:nEjRNPMK0
裁判長「質問しているのは私ですぞ!」
シンジ「あ、いや、あの!じ、準備、その」
ミサト「ちょっと、シンジ君!焦りすぎよ!」
ミサト「不安があるなら一度、事件ファイルで事件をおさらいしておきましょう」
シンジ(……!そ、そうだ、事件ファイルだ)
事件ファイル
『事件内容:被害者は洞木ヒカリ。死因は失血死。凶器は現場に落ちていた包丁。一刺しで絶命』
シンジ(殺人事件か……改めて見ると体がスクむなぁ)
裁判長「弁護人!一人で落ち着かないように!」
シンジ「あ、は、はい!弁護側、準備完了しております!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:24:28.86 ID:nEjRNPMK0
サキエル「くっくっく。全く、法廷の準備もろくに終わらせられないような新人相手とは、張合いがありませんな」
裁判長「次からは開廷前に終わらせておきなさい」
シンジ(うぅ……言われたい放題だぞ……)
ミサト「シンジ君、気落ちしてる暇はないわよ」
裁判長「では検察側、冒頭弁論をお願いします」
サキエル「はい」
サキエル「今回取り扱うのは、市内に住んでいた若き女性、洞木ヒカリさんが殺害されたインザンなる事件です。凶器は現場に落ちていた包丁と思われます」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:28:07.14 ID:nEjRNPMK0
サキエル「ちなみに犯人は凶器を処分しようとしたらしく、この包丁は被害者宅のゴミ箱の中にありました」
裁判長「ふむぅ、なるほど。重要な証拠品のようですね、受理します」
事件ファイル
『包丁:現場のゴミ箱にあった包丁。被害者の血の痕がベットリと残っている』
シンジ(証拠品……か。あとあと大事になってきそうだな)
裁判長「そしてその事件を犯したと思われるのが……」
サキエル「左様、被告人の鈴原トウジというわけですな」
サキエル「そこで検察側は証人として事件の捜査を担当した絵馬刑事に事件概要を証言して頂こうと思います」
裁判長「なるほど、分かりました。では、絵馬刑事をここに」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:31:44.80 ID:nEjRNPMK0
…………
絵馬「…………」
サキエル「証人、名前と職業を」
絵馬「は!自分は絵馬 ゲリオ!刑事をやっていますから!」
人物ファイル
『絵馬 ゲリオ(エバ ゲリオ)(29):現職の刑事さん。やけに背が高い』
シンジ(なんだかお腹がユルそうな名前だな)
エバ「あ、あの、本官の仕事は!本官の仕事は、犯人を捕まえることでありますから!」ジャキン
エバ「今すぐに犯人を逮捕いたしますから!」ジャキン
シンジ「うわっ!」
裁判長「ひぃ!なんですかなそれは!」
サキエル「し、証人!法廷でパレットガンを構えないように!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:34:54.80 ID:nEjRNPMK0
エバ「し、しかし本官の仕事は!」
サキエル「あ、あなたの今の仕事は事件の証言をすることですぞ!」
エバ「む、それは……!」
エバ「……失礼しましたから。つい熱が入りすぎてしまい」ガチャリ
裁判長「ふむぅ、仕事熱心なのですね」
シンジ(そういうモンダイじゃないぞ!!)
ミサト「あのエバー刑事さん、熱くなると止まらないみたいね」
シンジ「絵馬ですよミサトさん?」
ミサト「……エバー」
シンジ「ミサトさん?」
ミサト「…………」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:37:25.55 ID:nEjRNPMK0
サキエル「ではまず証人、事件の概要について詳しく証言して貰いましょう」
エバ「分かりました!ではまず事件当時の状況についてお話しますから!」
ー証言開始ー
エバ『事件は白昼に行われましたから』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
エバ『また事件当日は洞木さんの家の窓ガラスが割られていましたが』
エバ『どうやらアパートの裏の公園で野球をしていた少年達のボールが当たったようです』
エバ『割れた窓から人が出入り出来るほど大きな穴は開かなかったようですから』
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:42:01.85 ID:nEjRNPMK0
裁判長「なるほど」
サキエル「これが事件当時の状況ですな」
エバ「ちなみに室内の割れた窓ガラスの破片というのがこちらです」
裁判長「ほほう、これは危ないですな」
サキエル「街中で野球をするなど言語道断。最近の若者はポリシーが欠けています」
裁判長「全くです。若い人たちには気をつけて欲しいものですね」
シンジ(……二人とも僕の方を見て言っているぞ)
裁判長「とにかく、こちらは証拠品として受理しましょう」
事件ファイル
『割れたガラス:事件当日、被害者宅に散乱していた』
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:47:52.48 ID:nEjRNPMK0
ミサト「さあ、シンジ君。ここからが本番よ」
シンジ「本番?」
ミサト「ええ。これから証人にあなたが質問する尋問に入るわ」
シンジ「尋問……」
ミサト「そう。この裁判は被告人……つまりあそこの彼が事件の犯人ではないかと言う事を審議しているの。当然証人もそのことを証言するわ」
ミサト「でももしそれが間違っていたら」
シンジ「証言に事実との違い……ムジュンが生まれる、ですよね」
ミサト「そうよ。とは言っても今回の証人は警察だし、嘘をついたりするとも思えないわ」
シンジ「じゃあ、特にムジュンしたところはない……?」
ミサト「それはどうかしら。意図しないムジュンもあるのよ。とにかく、鈴原君が犯人じゃないとすれば必ずどこかにおかしなところがあるはず」
シンジ「なるほど」
ミサト「まずは揺さぶりをかけて情報を引き出しましょう!」
シンジ「分かりました」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:50:50.53 ID:nEjRNPMK0
ー尋問開始ー
エバ『事件は白昼に行われましたから』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
シンジ「待った!」
シンジ「フクザツな傷口、というとグタイ的にはどんな?」
エバ「はあ、なんと言いますか……複数回、同じ所を刺されたような」
シンジ「複数回同じ所を?」
エバ「はい。グサッとやった後に引き抜いて……もう一度、こう!」
裁判長「そ、それはそれは」
シンジ(えげつないな)
ミサト「……シンジ君。今の発言、証言に加えてもらったらどうかしら」
シンジ「え?じ、じゃあ……」
シンジ「絵馬刑事、今の内容を証言に入れてください」
エバ「はっ!了解しました!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:54:26.83 ID:nEjRNPMK0
エバ『事件は白昼に行われました』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
エバ『グタイ的には、同じ所を二度刺されたようなものでした』
エバ『また事件当日は洞木さんの家の窓ガラスが割られていましたが』
エバ『どうやらアパートの裏の公園で野球をしていた少年達のボールが当たったようです』
エバ『割れた窓から人が出入り出来るほど大きな穴は開かなかったようです』
シンジ(……この中にムジュンがあるのか)
ミサト「真実と食い違うなら、必ず証拠品と異なる証言が出てくるはずよ」
シンジ「事件ファイルを確認してみよう」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/30(土) 23:58:00.62 ID:nEjRNPMK0
エバ『事件は白昼に行われました』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少し複雑な傷口がありました』
エバ『具体的には、同じ所を二度刺されたようなものでした』
シンジ「異議あり!!」
裁判長「…………!」
サキエル「…………!」
ミサト「…………!」
エバ「…………!」
シンジ「…………」
シンジ「……………………」
シンジ「…………………………………………」
シンジ(……なんだ、このチンモクは?)
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