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月「妹が変なノートを拾って僕に見せてきた」

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Part3
91 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 15:40:13.98 ID:9GP33T0uO
月(よしっ!)スッ
キャアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!
月(……!?)
月(い……今の悲鳴は!?……僕はまだドアを開けていない……ドアノブにさえ手を触れてない……粧裕の身に何かが……)
月「粧裕っ!!!」ガチャ
粧裕「………….」ガタガタガタ
リューク「……ん?」
月「……うわぁっ!!」ガタン!!

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/05(月) 15:56:35.58 ID:Mh0a5tb4O
天才の妹は天才ではないかもしれないが、天才の影響を受けた親族が凡才であるはずが無い
って兄ちゃんがいってた!
まぁ兄妹で神になるってのも展開としてはwktkよな。正直、デスノートがなかったら、月は良いお兄ちゃんで終わってたかもしれなかったし。

93 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 16:16:27.25 ID:9GP33T0uO
月(な……なんだあいつは……なんであんな化け物が粧裕の部屋に……)
粧裕「……!お兄ちゃん!!」ギュッ
月「粧裕!無事か!!」
月(!?……あいつの腰に何か固定されている……あれはまさか……)
リューク「……」スッ
月(だ……駄目だ……腰が抜けて立てない……殺される!)
リューク「……お前も俺の姿が見えるのか?」
月「……え」

95 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 16:44:55.70 ID:9GP33T0uO
月(こいつ……今確かに……人間の言葉を……)
リューク「ってことはお前もノートに触れたんだな?俺の姿が見えるのはノートを手にした奴だけだ。」
月「……意思疎通は出来る……と考えていいのか?」
リューク「なんだ、出来ないとでも思ったのか?俺の名はリューク、こいつが拾ったノートの落とし主だ」
月(落とし主……粧裕が拾ったノートはこいつが落とした物……)
月(こいつが……全ての元凶……!)

96 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 17:05:32.34 ID:9GP33T0uO
月「リュークとか言ったな……お前は一体何者なんだ……?」
リューク「俺か?俺は死神界からこっちに降りてきた死神だ」
粧裕「……!!」フルフル
月「死神……だと……!!」
月(クソッ!なんだそれは……ふざけている!!そんなものの存在を認めろとでも……いや名前を書くだけで人を殺せるノートが存在するんだ。死神がいても全く不思議じゃない……)
月「お前の正体は分かった……一体お前はここに何しにきたんだ……?」
リューク「その質問に答える前にノートが何処にあるのか教えてもらおうか、おいお前、何処に隠したんだ?」
粧裕「………」ビクビク


97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/05(月) 17:08:34.36 ID:gXECPA+5O
信じてもらえないかもしれないが父親に話すのが一番の方法だったんジャマイカ?

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/05(月) 17:47:06.01 ID:yRDzE0sOO
親父に話したところでどうなるモンでもなくね

99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/05(月) 17:59:41.46 ID:L9aO01mmo
むしろ父親だとそんなもの迷信だとか言って自分の名前書きかねない
母親に言えば良かったんじゃないかね

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/05(月) 18:20:55.27 ID:wqXyoD1KO
リュークが見えてる今の状況で父親に話せば大丈夫じゃね?

101 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 18:48:26.06 ID:ZAUOhou1O
リューク「おい、お前に聞いてんだぞ?」
粧裕「ひっ……」ビクッ!
月「さ……粧裕大丈夫か……震えてるぞ……」
粧裕「お…お兄ちゃん……わたし……しんじゃうの……?」ガタガタ
粧裕「死神に……殺されちゃうの……?わたっ……わたしが……ひっ……人を……ころした……から……」ポロポロ
月「……ッ!!落ち着け粧裕!!こいつはすぐに殺したりは……」
粧裕「いや……嫌だ……しにたくない……しにたくないよぉ……!!」ポロポロ
月「……粧裕」

102 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 18:54:45.52 ID:ZAUOhou1O
リューク「ありゃ……こりゃ会話が成立しそうにないな」
月(誰のせいだと思ってる……!黙ってろ死神??)
月(マズい……最早今の粧裕にまともな思考能力はない……)
月(腹立たしいがこのままではこの死神の言う通り、まともに会話することは難しい……)
月(とにかく……粧裕とこいつを引き離さなくては……)

103 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 18:59:14.54 ID:ZAUOhou1O
すまぬまた訂正
リューク「ありゃ……こりゃ会話が成立しそうにないな」
月(誰のせいだと思ってる……!黙ってろ死神!!)
月(マズい……最早今の粧裕にまともな思考能力はない……)
月(腹立たしいがこのままではこの死神の言う通り、まともに会話することは難しい……)
月(とにかく……粧裕とこいつを引き離さなくては……)

104 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 19:13:15.75 ID:ZAUOhou1O
月「……粧裕」ギュッ
粧裕「グス......ヒグッ......おにいちゃ……」
月「大丈夫だ……お前を死なせたりなんかしない。勿論殺させたりもしない。誰にも手は出させない……どんな事があったって、お兄ちゃんが必ずお前を守ってやる……!」
粧裕「おにい……ちゃん……」
リューク(なんだこれくっさ……)

105 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 20:55:08.01 ID:ZAUOhou1O
月「……粧裕、今から言う事をよく聞いてくれ」
粧裕「……」コクッ
月「よしいい子だ……僕は今から粧裕の代わりにこいつと話をつける。その間お前はこいつの目の届かない所……僕の部屋に行って内鍵を掛けて待機しててくれ。僕がいいと言うまで絶対に外に出るな。わかったな」
リューク「おいおいそれは困るぞ……ノートの所有者にはずっと近くに憑いてなきゃいけないって死神界の掟が……」
月「……」ギロッ
リューク(……顔怖っ!)
リューク「……まぁすぐそこの部屋にいるってんなら俺から見えなくても問題はない……と思う」
リューク(ホントはよくわかんないけど)

106 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 21:08:10.18 ID:7vgv//yKO
粧裕「でも……お兄ちゃん……ひとりになったら……死神に殺され……」
月「大丈夫だ。さっきも言っただろ?こいつは僕達を殺しにきたわけじゃない。殺す気なら僕達はとっくに殺されてる……そうだよな?死神」
リューク「……最初から俺は殺すなんて一言も言ってないからな、こいつが勝手に騒いだだけだ」
月「……だそうだ。ここは僕を信じて部屋で待機してくれ」
粧裕「……うん……」タッタッタッ ガチャ
月「鍵を掛けるのを忘れるなよ!」

107 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 21:18:26.28 ID:7vgv//yKO
リューク「あーあ行っちまった……用があるのはあいつの方なのに……ライト、お前粧裕がノートを何処に隠してるのかわかってるのか?」
月「気安く妹の名前を口に出すな……そのベットの下を探ってみろ……多分そこだ」
リューク「ん~……?」ガサゴソ
リューク「ウホッ!本当にあった!よく気付いてたな!」
月「粧裕が何かを隠すときは大抵ベットの隙間の中だ……小さい頃からそうだった」
リューク「クククッさすが兄妹!」

108 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 21:25:01.73 ID:7vgv//yKO
月「……なぜ僕の名前がライトだとわかった?粧裕は僕の事はお兄ちゃんとしか呼んでなかった筈だ」
リューク「お前はノートの正式な所有者じゃないからな。それは粧裕にしか教えららない事だ」
月「そうか……じゃあさっきの質問をもう一度するぞ。お前は何が目的で人間の世界にやってきたんだ……?」
リューク「……」
リューク「まぁ……それぐらいなら教えてもいいか……」

110 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 21:33:10.53 ID:7vgv//yKO
リューク「俺が人間に拾われたノートを取り返しにこの人間界に降りてきた……って言ったらどうする?」
月「願ってもない事だ。お前が粧裕の部屋に現れる少し前、僕は妹のノートを奪い取ろうと部屋の前で身構えていた……妹を死なせないためにな。ノートを取り返しにきたのならどうぞ勝手に持って行ってくれ。そして2度と僕達の前に現れるな」
月「……と言いたいところだが、実はそうじゃない」
リューク「……ほぅ」

111 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 21:42:41.27 ID:7vgv//yKO
月「リューク……お前はこのノートをうっかり落としたんじゃない。わざと落としたんだ。それも人間に使わせるために……違うか?」
リューク「ククッ確かにその通りだがなぜわかった?」
月「ノートのルールが詳細に書いてあったからだ。明らかに人に使わせようという魂胆が見え見え……英語で書いてあるのは人間の世界で最も多く使われてる言語だから……」
月「このルールを書いたのは……お前なんだろ……?」
リューク「クククッ……そこまでお見通しか……」

113 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 21:50:51.43 ID:7vgv//yKO
月「粧裕がノートを拾ったのは……ただの偶然か……?」
リューク「あぁ、別に俺は落とす場所なんて何処でもよかった。たまたまあいつの近くに落ちてたまたまあいつが拾った。それだけだ」
月(……恐怖というのはこうも容易く克服できるものか……始めてこいつに出くわした時に抱いていた恐怖はもう欠片も感じていない……)
月(……むしろ僕が今こいつに抱いている感情は……)


114 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 22:27:59.89 ID:uSet2diSO
リューク「そういやあいつ、どんだけ殺ったんだ?俺はそれが気になってよ」ペラッ
月「……」
リューク「……なんだたったこれっぽっちか……5日も待ったのに期待外れもいいとこだ」
月「その『たったこれっぽっち』の人間を死なせたせいで……粧裕は5日間……耐え難い苦しみと恐怖を味わってきたんだ」
リューク「普通の人間がノートを使うとそいつは想像を超える苦悩と恐怖に襲われたというが……なるほどな、今のあいつがまさにそれか」
月(こ……こいつ……いけしゃあしゃあと……!!)

115 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 22:37:57.89 ID:uSet2diSO
月(す……すぐにでも掴みかかってやりたいが抑えろ……人間が死神に勝てる道理はない……下手に挑めば殺される……)
月(ここは……堪えるんだ)
月「……次の質問だ」
リューク「なんだ?まだあるのか?」
月「……なぜノートを人間界に落とした?」
リューク「……それはな」
リューク「退屈だったから」

117 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 23:42:18.97 ID:uSet2diSO
月(………こいつ今何て言った?)
月(退屈……退屈だと……?)
リューク「今の死神界ってのは暇でな。博打を打つか昼寝するかのどっちかだ。俺達死神は寿命を延ばすために人間を殺しはするが……そんなの俺にとっては面白くもなんともない」
リューク「それで俺は人間界に目をつけた。こっちにいる方が面白そうだってな」
月(つまりこいつの退屈しのぎの為に……3人の尊い命が……失われたというのか……)
月(そして粧裕は……あいつは……!!)

119 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/05(月) 23:54:20.37 ID:uSet2diSO
月「……アアアアッ!!」ブンッ
リューク「おっと、」スカッ
月「……ぐっ……!」ズザザァァァ
リューク「無駄だ……人間に死神は殺せない……デスノートに名前を書いたとしてもな……」
月「ふざけるな……ふざけるなァ!!」

120 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 00:03:11.37 ID:B/wBbPiBO
月「お前のその下らない目的の為に……粧裕は……粧裕はぁ!!……殺す!……殺してやる!!!」
粧裕「お……お兄ちゃん!?今の声は……!?」ガラッ タッタッタ
月「粧裕……!?馬鹿ッ!!出るなと言ったはずだ!!」
リューク「……」クルッ
粧裕「あっ……あぁ……」ガクガク

121 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 00:12:46.90 ID:B/wBbPiBO
リューク(こりゃぁもう……これ以上は面白い事は起きそうにないな)
リューク「夜神月」
月「……何だっ!」
リューク「妹を助けたいか?」
月「……決まってるだろ……助けたいに決まってる!!妹が救われるなら僕はなんでも……!!」
リューク「妹が救われる方法が……一つだけある」
月「!?」

128 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 07:03:32.07 ID:UzwGh3YzO
月「……デタラメを言ってるんじゃないだろうな?」
リューク「デタラメじゃない。本当だ。もっともその方法を実行するには夜神粧裕を俺の目の前に連れてくる必要があるが……」
粧裕「………」
月「粧裕……入れ」
粧裕「………」スタスタ

129 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 07:27:55.89 ID:UzwGh3YzO
月「大丈夫か粧裕……怖かったら目を瞑ってもいいんだぞ」
粧裕「うん……もう平気……ありがとう」
月(良かった……平静さは取り戻しているようだ)
月「で……どうするつもりなんだ?死んだ人間を生き返らせるとでもいうのか?」
リューク「そいつは無理だ。死んだ人間はどんな方法をもってしても生き返らない。絶対にだ」
粧裕「……うぅ」
月「粧裕、気をしっかり持て……」

130 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 07:39:25.95 ID:3Z5XXXKPO
月「ならその方法というのは一体なんだ……勿体ぶってないで早く教えろ」
リューク「ククッ、簡単なことだ」
リューク「今粧裕が所有しているノート……それをお前の物にすればいい」
月(……!僕の……物に……)
月「そうすればどうなる?」
リューク「こいつのノートに関する記憶は全て消える。名前を書いて殺したことも含めて全部だ。そうすりゃもうこいつは苦悩と恐怖に苛まれる事はもう無い。綺麗さっぱり忘れられる」

133 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 10:08:30.78 ID:3Z5XXXKPO
月(ノートが僕の物になれば粧裕が……粧裕が救われる)
月(だ……だがどうする……?粧裕がノートを見せてきたあの日……確かに僕はノートを手に入れたらどう使おうかと四六時中考えていた……)
月(悪人を裁き、善人が暮らしやすい世界を創れるのではと、子供染みた考えも抱いたことがあった)
月(だがノートが本物だとわかった今では……正直自分の手にするのは恐ろしい……)
月(……)チラッ
粧裕「……」グスッ
月(……馬鹿な、何を迷う必要がある)
月(僕の答えなど……最初から決まっている!)

134 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 10:11:59.06 ID:3Z5XXXKPO
月「リューク……お前が今持っている粧裕のノート……」
月「それを僕に渡せ」
粧裕「……!?」
リューク「それでいいんだな……?」

135 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 12:28:26.93 ID:3Z5XXXKPO
月「……二言はない」
月(人を殺めたという事実……決して覆す事の出来ない過ち……興味本位とは言え、その罪が消える事は永遠に無い……)
月(無かった事には出来なくても……忘却させる事はできる。本来なら正しい事では無いかもしれないが……粧裕がその罪を背負ったまま生きるのは……あまりにも残酷すぎる)
月 (あの絶望に怯える顔をもう見なくて済むなら……僕は)
リューク「だがそれを決めるのはお前じゃない。ノートを他の人間に渡すかどうかを決められるのは……所有者の夜神粧裕だけだ」

136 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 12:36:11.69 ID:3Z5XXXKPO
粧裕「わ……わたしが……」
月「話は聞いたな粧裕?僕にノートを譲り渡してくれ。そうすれば粧裕は苦しみから解放される」
粧裕「だ……だめだよ……こんな危ないもの、とてもお兄ちゃんにはわたせない……お兄ちゃんに何かあったら……そうだ、こんなノート燃やしちゃえば……」
月「……あいつの腰に着けているもの……多分あれもデスノートだ。そんな事をすれば、あれに名前を書かれて殺される」
粧裕「そんな……」
リューク「クククッ……気付いてたのか……」

137 : ◆jLRtqdurHM :2017/06/06(火) 12:49:06.27 ID:3Z5XXXKPO
粧裕「……でも……でも」
月「約束する……僕は受け取ったノートを使って粧裕を悲しませるような真似は決してしない。それにこれは贖罪のようなものだ……僕はお前が辛い目にあっていた事に気付いてやれなかった。人を殺せと煽ったのも僕だ……だから」
粧裕「……!」
月「すまなかった……こんな情けない兄を……どうか許して欲しい」
粧裕「……お兄ちゃんは……お兄ちゃんは悪くないよ?わたしが……わたしが勝手にやった事なんだから……私も……顔も見たくないなんて……ひどい事いっちゃった……お兄ちゃんは……わたしのことを心配してくれたのに……」ポロポロ
粧裕「ごめんなさい……ごめんなさい……」ポロポロ
月「……ノートを渡してくれるな?粧裕」
粧裕「うん……!」

138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/06(火) 14:42:27.36 ID:VLh5Gpy5O
新世界のシスコンになるしかない

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