コナン「灰原とのクリスマス!」
Part1
1 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:25:12.74 ID:eNdEq7XN0
某化学工場
ジン「・・・・・」スパー
シェリー「ねえどういうこと!どうしてお姉ちゃんを殺したのっ!!何か答えなさいよ!!」
ジン「・・・・・」フゥー
シェリー「………ああそう。答える気がないのね。分かったわ。」
シェリー「もうこんな組織出ていってやるんだからっ!!」
ウォッカ「あぁっ!?何言ってんだこのアマぁ!ぶち殺すぞっ!!
シェリー「いいわよ私を殺しても。困るのはあなたたちよ。」
シェリー「私がいなければあの薬は完成しないけどいいのかしら。」
ウォッカ「チッ!」
ジン「・・・・・」スパー
シェリー「さあどうするのジン……私を殺す?」
シェリー「それとも私が出て行くのを指を咥えて見てる?」
2 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:25:57.80 ID:eNdEq7XN0
ウォッカ「兄貴っ!」
ジン「・・・クックッ・・」
シェリー「何がおかしいの」
ジン「…残念だがシェリー、お前は組織を出て行くことはできない。」
シェリー「……つまり私を殺すってことなのね。」
ジン「この世にもうお前の居場所はここしかねぇ。」
シェリー「!」
ジン「お前は生まれた時から組織の一員だ。血は争えねぇ。」
ジン「お前はどこに行こうと結局我々の元に帰ってくることになる。」
シェリー「・・・・・」
ジン「組織を出て行くのはお前の勝手だが、ただ・・・
シェリー「ただ何よ」
ジン「お前と知り合った者は全員殺す。一人残らずな。」
シェリー「・・・・・」
ジン「そしてお前は思い知ることになる。」
ジン「両親もいない。姉もいない。唯一の居場所である組織も裏切った。」
ジン「誰もお前の存在を求める奴はいねえってな!」
3 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:26:41.37 ID:eNdEq7XN0
バッ!!!
灰原「ハァ………ハァ……… 」
チクタク チクタク
灰原「ハァ………ハァ………」
博士(zzz)スピー
灰原「……まただわ…」
灰原(最近こんな夢ばかり……)
チクタク チクタク
灰原(…最悪のクリスマスになりそうね……)
4 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:27:17.24 ID:eNdEq7XN0
コナン「灰原とのクリスマス!」
5 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:28:10.15 ID:eNdEq7XN0
12月23日 夜
蘭『ねぇ新一、クリスマスの日は帰って来られるの?」
コナン(新一)『んー…事件の調査で忙しいからな…厳しいかな……。』
コナン(新一)『で、でもプレゼントは用意してあるからよ!楽しみにしててくれよな!』
蘭『そぅ………』
コナン(新一)『………』
蘭『……分かったわ。でもムリはしないでよ。じゃあまた連絡するね。』
コナン(新一)『お、おぅ……』
プツっ
6 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:28:51.34 ID:eNdEq7XN0
蘭「はぁ……」
蘭(きっとあの様子じゃムリだろうなぁ…)
prrrr prrrr
蘭(あ、電話……園子から)
ピッ
蘭『どうしたの園子?』
園子『もしもし蘭!?、あのさ…蘭はクリスマスは…新一くんと遊ぶの?』
蘭『ちょうどさっき新一と電話してたんだけど、アイツきっと来られないと思う…』
園子『ほ、本当に!?』
蘭『え、うん多分…………でもどうして園子ちょっと嬉しそうなのよ!?』
園子『え!?あ、いや…その…』
蘭『どうかしたの?』
園子『……実はさ、蘭にお願いがあるんだけど…』
蘭『?』
7 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:32:20.10 ID:eNdEq7XN0
コナン(蘭の奴、悲しそうだったな………)
コナン(オレだって、クリスマスの時くらいはアイツと………………)
コナン(!)
コナン(そうだ!灰原に解毒剤の試作品をもらえばいいじゃねえか!)
コナン(この前ロンドンに行く時だってくれたし)
コナン(クリスマスの一日くらいならアイツも許してくれるだろ)
コナン(明日早速博士ん家に行かねえとな!)
コナン(蘭のやつ、驚くだろうな……)ニシシ
コナン(たまにはサプライズもいいもんな)
コナン(ってアイツと会う時はいつもサプライズみたいなもんだけどな…ハハ)
8 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:32:58.32 ID:eNdEq7XN0
12月24日 朝
灰原(……どうして最近嫌な夢ばかり見るのかしら)
《ジン「お前の存在を求める奴はいねえ」》
灰原(……そんなこと…………)
灰原(今の私には博士やあの子たち……)
灰原(そして何より……)
ピンポーン
灰原「!」
コナン「おーい、博士ー!」
灰原(工藤くん…)
灰原(朝早くから何の用かしら…)
灰原(でも…用なんて何でもいい………)
灰原(彼が来てくれるだけで心が落ち着く…)
9 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:33:51.68 ID:eNdEq7XN0
ガチャ
コナン「あれ、灰原だけか?博士は?」
灰原「博士なら朝から出掛けて行ったわ。夕方には戻ると言っていたけど。」
コナン「そうか…(ちぇっ、博士にも一緒にお願いしてもらおうと思っていたのに)」
灰原「で、何の用かしら」
コナン「え、あ…うん、あのさ」
灰原(!)
灰原(…………)
灰原(なるほどね…)
灰原(…まぁ今日はクリスマスイブ……)
灰原(いつかはお願いしてくるんじゃないかと思ってたわ…)
灰原(まぁその予想を…裏切って欲しかってけど………)
コナン「解毒剤の試作品をくれねえか?一錠でいいんだ。」
灰原(やっぱり)
コナン「なあいいだろ?」
灰原(………………)
10 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:34:44.09 ID:eNdEq7XN0
灰原(私だって…工藤くんの喜ぶ顔が見たい……)
灰原(でもこの人の体には……)
灰原(確実に抗体が成長している……!)
灰原(このままこんな事を続けていると、いつか本当に元の姿に戻れなくなってしまう日が来る)
灰原(その日が来る事だけは避けなければならない……)
灰原(………彼女のためにも…)
コナン「なあ…灰原!」
灰原「……あなた、最近…」
灰原「色々と短絡的すぎるんじゃないかしら」
コナン「え?」
」
11 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:35:30.20 ID:eNdEq7XN0
灰原「クリスマスに彼女と過ごしたい気持ちはわかるわ。」
灰原「でもそんなの挙げたらキリがないじゃない。」
灰原「次はお正月やバレンタインデーの日にでも元の姿に姿に戻るって言い出すんじゃないの?」
灰原「第一あなた自身が言っていたことじゃない。」
灰原「会えば会うほど気持ちが抑えきれなくなって、」
灰原「ここで会ってしまうことが結果的に自分だけでなく、彼女までも苦しめることになるのよ。」
コナン「………んなこと分かってるよ…」
コナン「でもさ、明日はクリスマスだぜ。正月とは違うだろ。クリスマスの時くらい」
12 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:36:13.80 ID:eNdEq7XN0
灰原「何が“分かってる”よ!ちっとも分かってないわ!」
灰原「前はもっと自分の立場を理解していたじゃない!」
灰原「あなた最近二度も、本来必要のないところで工藤新一に戻って、彼女と会ってあるのよ!」
灰原「これは異常事態なのよ。」
灰原「本来あなたは、完璧に元の姿に戻るまで、一度も彼女と会ってはいけなかった」
灰原「でも、あなたの正体がバレるのを防ぐために、」
灰原「彼女を危険な目にあわせないために、」
灰原「私が仕方なく協力してあげてただけなのよ!」
コナン「……でも最近の二件は」イラ
灰原「自分がどういう存在だかもう一度改めて考え直したほうがいいんじゃない?」
13 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:36:46.27 ID:eNdEq7XN0
灰原「いつでも好きな時に体が伸び縮みする宇宙人にでもなったつもりかしら」
コナン「だからその二件についてはオレのせいじゃねえだろっ!」
コナン「一つは風邪薬と間違えた博士や、」
コナン「そもそも紛らわしく保管しといたオメーのせいだろっ!」
コナン「もう一つだって、オメーがオレに提案してくれたんじゃねえか!」
コナン「 こうすれば海外にいけるってよぉ!」イライラ
灰原「その二件とも、彼女に正体がばれなかったのは誰のおかげだと思ってるのよ!」
灰原「言いつけを破るあなたを、海外で野放しにすることもできたのよ!」
コナン「……」イライライラ
14 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:37:31.90 ID:eNdEq7XN0
灰原「口うるさいかもしれないけど、私はあなたのこと心配して
コナン「」プツン
コナン「何が心配だよ!!オマエはオレの何を分かってんだよ!!」
灰原「ッ!」ビクッ
コナン「オレの気持ちが分かるかよ!!」
コナン「オメーは黙ってオレに試作品を渡してくれりゃいいんだよ!!」
灰原「!!」ドクン
コナン「そもそもオレがこんな状態になったのは、オメーのせいなんだからよ!!」
灰原「…………」
コナン「だいたいオメーも………あ………(ヤベッ……)」
灰原「…………」
コナン(ついムキになって、思ってもねえことを)
コナン「あ、いや、灰原!今のは」
コナン「ってアレ!? おい、どこに」
灰原「…………」テクテク
バタンッ!
コナン(地下室に閉じこもっちまいやがった……)
15 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:38:31.92 ID:eNdEq7XN0
コナン(とにかく謝らねえと!今の言葉は酷すぎた……)
カチャ
コナン「え?」
灰原「はい解毒剤の試作品100錠。ほしかったんでしょ」
コナン「え…あ、いや、あのさ灰原」
灰原「全部あげるからもう帰って」
ドンッ!
コナン「いてっ!」ドテッ
バタン! ガチャ
コナン「お、おい灰原!開けてくれ!」ドンドン
コナン「さっきのは違う!本当はあんなこと思ってなんかねえから!」
コナン「だから開けてくれ!」ドンドン
コナン「本当に謝る!」
16 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:39:01.13 ID:eNdEq7XN0
シーン
コナン(ダメだ……到底話をきいてくれそうにない……)
コナン(また時間をあけてから謝りにくるしかないか……)
コナン(この薬は………もらう気にはなれねえ)
コナン「じゃ、じゃあ灰原、また来るから……薬はここにおいとくぞ……)
タッタッ
シーン
灰原「………ぅ…」
灰原「……うぅ…………うぅ……」ポロポロ
17 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:39:39.02 ID:eNdEq7XN0
コナン(灰原には…本当にひどいこと言っちまった……)トボトボ
コナン(あんなこと一度も思ったことなかったのに)
コナン(どうして………)
コナン(オレはただ…最初蘭を喜ばせようと思って……それで…)
コナン(灰原なら分かってくれると………………)
コナン(……いや、ちがうな)
コナン(オレはただアイツに頼ってるだけだった……)
コナン(結局灰原がいねえと、何にも出来ねえんだ………)
コナン(気づいたら……アイツはオレにとって…)
prrr prrr
コナン(電話……! 蘭だ)
18 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:40:27.76 ID:eNdEq7XN0
蘭『もしもし新一?』
コナン(新一)『お、おう…どうした?』
蘭『クリスマスのことなんだけどさ…』
コナン(新一)『あっ!、蘭そのことなんだけど、悪いけど、やっぱりムリだ…』
蘭『うん実は私もね、急に園子と海外にいくことになったから』
コナン(新一)『へ?』
蘭『園子がね、京極さんの試合の応援に行くんだって。でね、私も一緒について行くことにしたの。』
蘭『だからもし急にこっちに帰って来られるようになっても、お父さんとコナンくんしかいないよって言おうと思って。』
コナン(新一)『ず、ずいぶんと急な話だな』
19 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:41:12.76 ID:eNdEq7XN0
蘭『京極さんは、試合がある日をちっとも園子に知らせてくれないのよ。で、園子がずっと京極さんが出る試合を探してて、やっと今回突き止めたら、何とそれがクリスマスの日だったのよ!』
蘭『だからもう大急ぎで準備しなくちゃってとこなの。』
コナン(新一)『あ…そう……』
蘭『私たち京極さんには内緒で、サプライズで会いに行くって訳!』
蘭『そういうことだから新一、お土産楽しみにしててね!』
コナン(新一)『ハ、ハハ……(オレより園子優先かよ)』
蘭『じゃあ、またね。』
ピッ
某化学工場
ジン「・・・・・」スパー
シェリー「ねえどういうこと!どうしてお姉ちゃんを殺したのっ!!何か答えなさいよ!!」
ジン「・・・・・」フゥー
シェリー「………ああそう。答える気がないのね。分かったわ。」
シェリー「もうこんな組織出ていってやるんだからっ!!」
ウォッカ「あぁっ!?何言ってんだこのアマぁ!ぶち殺すぞっ!!
シェリー「いいわよ私を殺しても。困るのはあなたたちよ。」
シェリー「私がいなければあの薬は完成しないけどいいのかしら。」
ウォッカ「チッ!」
ジン「・・・・・」スパー
シェリー「さあどうするのジン……私を殺す?」
シェリー「それとも私が出て行くのを指を咥えて見てる?」
2 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:25:57.80 ID:eNdEq7XN0
ウォッカ「兄貴っ!」
ジン「・・・クックッ・・」
シェリー「何がおかしいの」
ジン「…残念だがシェリー、お前は組織を出て行くことはできない。」
シェリー「……つまり私を殺すってことなのね。」
ジン「この世にもうお前の居場所はここしかねぇ。」
シェリー「!」
ジン「お前は生まれた時から組織の一員だ。血は争えねぇ。」
ジン「お前はどこに行こうと結局我々の元に帰ってくることになる。」
シェリー「・・・・・」
ジン「組織を出て行くのはお前の勝手だが、ただ・・・
シェリー「ただ何よ」
ジン「お前と知り合った者は全員殺す。一人残らずな。」
シェリー「・・・・・」
ジン「そしてお前は思い知ることになる。」
ジン「両親もいない。姉もいない。唯一の居場所である組織も裏切った。」
ジン「誰もお前の存在を求める奴はいねえってな!」
3 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:26:41.37 ID:eNdEq7XN0
バッ!!!
灰原「ハァ………ハァ……… 」
チクタク チクタク
灰原「ハァ………ハァ………」
博士(zzz)スピー
灰原「……まただわ…」
灰原(最近こんな夢ばかり……)
チクタク チクタク
灰原(…最悪のクリスマスになりそうね……)
4 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:27:17.24 ID:eNdEq7XN0
コナン「灰原とのクリスマス!」
5 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:28:10.15 ID:eNdEq7XN0
12月23日 夜
蘭『ねぇ新一、クリスマスの日は帰って来られるの?」
コナン(新一)『んー…事件の調査で忙しいからな…厳しいかな……。』
コナン(新一)『で、でもプレゼントは用意してあるからよ!楽しみにしててくれよな!』
蘭『そぅ………』
コナン(新一)『………』
蘭『……分かったわ。でもムリはしないでよ。じゃあまた連絡するね。』
コナン(新一)『お、おぅ……』
プツっ
蘭「はぁ……」
蘭(きっとあの様子じゃムリだろうなぁ…)
prrrr prrrr
蘭(あ、電話……園子から)
ピッ
蘭『どうしたの園子?』
園子『もしもし蘭!?、あのさ…蘭はクリスマスは…新一くんと遊ぶの?』
蘭『ちょうどさっき新一と電話してたんだけど、アイツきっと来られないと思う…』
園子『ほ、本当に!?』
蘭『え、うん多分…………でもどうして園子ちょっと嬉しそうなのよ!?』
園子『え!?あ、いや…その…』
蘭『どうかしたの?』
園子『……実はさ、蘭にお願いがあるんだけど…』
蘭『?』
7 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:32:20.10 ID:eNdEq7XN0
コナン(蘭の奴、悲しそうだったな………)
コナン(オレだって、クリスマスの時くらいはアイツと………………)
コナン(!)
コナン(そうだ!灰原に解毒剤の試作品をもらえばいいじゃねえか!)
コナン(この前ロンドンに行く時だってくれたし)
コナン(クリスマスの一日くらいならアイツも許してくれるだろ)
コナン(明日早速博士ん家に行かねえとな!)
コナン(蘭のやつ、驚くだろうな……)ニシシ
コナン(たまにはサプライズもいいもんな)
コナン(ってアイツと会う時はいつもサプライズみたいなもんだけどな…ハハ)
8 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:32:58.32 ID:eNdEq7XN0
12月24日 朝
灰原(……どうして最近嫌な夢ばかり見るのかしら)
《ジン「お前の存在を求める奴はいねえ」》
灰原(……そんなこと…………)
灰原(今の私には博士やあの子たち……)
灰原(そして何より……)
ピンポーン
灰原「!」
コナン「おーい、博士ー!」
灰原(工藤くん…)
灰原(朝早くから何の用かしら…)
灰原(でも…用なんて何でもいい………)
灰原(彼が来てくれるだけで心が落ち着く…)
9 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:33:51.68 ID:eNdEq7XN0
ガチャ
コナン「あれ、灰原だけか?博士は?」
灰原「博士なら朝から出掛けて行ったわ。夕方には戻ると言っていたけど。」
コナン「そうか…(ちぇっ、博士にも一緒にお願いしてもらおうと思っていたのに)」
灰原「で、何の用かしら」
コナン「え、あ…うん、あのさ」
灰原(!)
灰原(…………)
灰原(なるほどね…)
灰原(…まぁ今日はクリスマスイブ……)
灰原(いつかはお願いしてくるんじゃないかと思ってたわ…)
灰原(まぁその予想を…裏切って欲しかってけど………)
コナン「解毒剤の試作品をくれねえか?一錠でいいんだ。」
灰原(やっぱり)
コナン「なあいいだろ?」
灰原(………………)
10 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:34:44.09 ID:eNdEq7XN0
灰原(私だって…工藤くんの喜ぶ顔が見たい……)
灰原(でもこの人の体には……)
灰原(確実に抗体が成長している……!)
灰原(このままこんな事を続けていると、いつか本当に元の姿に戻れなくなってしまう日が来る)
灰原(その日が来る事だけは避けなければならない……)
灰原(………彼女のためにも…)
コナン「なあ…灰原!」
灰原「……あなた、最近…」
灰原「色々と短絡的すぎるんじゃないかしら」
コナン「え?」
」
11 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:35:30.20 ID:eNdEq7XN0
灰原「クリスマスに彼女と過ごしたい気持ちはわかるわ。」
灰原「でもそんなの挙げたらキリがないじゃない。」
灰原「次はお正月やバレンタインデーの日にでも元の姿に姿に戻るって言い出すんじゃないの?」
灰原「第一あなた自身が言っていたことじゃない。」
灰原「会えば会うほど気持ちが抑えきれなくなって、」
灰原「ここで会ってしまうことが結果的に自分だけでなく、彼女までも苦しめることになるのよ。」
コナン「………んなこと分かってるよ…」
コナン「でもさ、明日はクリスマスだぜ。正月とは違うだろ。クリスマスの時くらい」
12 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:36:13.80 ID:eNdEq7XN0
灰原「何が“分かってる”よ!ちっとも分かってないわ!」
灰原「前はもっと自分の立場を理解していたじゃない!」
灰原「あなた最近二度も、本来必要のないところで工藤新一に戻って、彼女と会ってあるのよ!」
灰原「これは異常事態なのよ。」
灰原「本来あなたは、完璧に元の姿に戻るまで、一度も彼女と会ってはいけなかった」
灰原「でも、あなたの正体がバレるのを防ぐために、」
灰原「彼女を危険な目にあわせないために、」
灰原「私が仕方なく協力してあげてただけなのよ!」
コナン「……でも最近の二件は」イラ
灰原「自分がどういう存在だかもう一度改めて考え直したほうがいいんじゃない?」
13 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:36:46.27 ID:eNdEq7XN0
灰原「いつでも好きな時に体が伸び縮みする宇宙人にでもなったつもりかしら」
コナン「だからその二件についてはオレのせいじゃねえだろっ!」
コナン「一つは風邪薬と間違えた博士や、」
コナン「そもそも紛らわしく保管しといたオメーのせいだろっ!」
コナン「もう一つだって、オメーがオレに提案してくれたんじゃねえか!」
コナン「 こうすれば海外にいけるってよぉ!」イライラ
灰原「その二件とも、彼女に正体がばれなかったのは誰のおかげだと思ってるのよ!」
灰原「言いつけを破るあなたを、海外で野放しにすることもできたのよ!」
コナン「……」イライライラ
14 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:37:31.90 ID:eNdEq7XN0
灰原「口うるさいかもしれないけど、私はあなたのこと心配して
コナン「」プツン
コナン「何が心配だよ!!オマエはオレの何を分かってんだよ!!」
灰原「ッ!」ビクッ
コナン「オレの気持ちが分かるかよ!!」
コナン「オメーは黙ってオレに試作品を渡してくれりゃいいんだよ!!」
灰原「!!」ドクン
コナン「そもそもオレがこんな状態になったのは、オメーのせいなんだからよ!!」
灰原「…………」
コナン「だいたいオメーも………あ………(ヤベッ……)」
灰原「…………」
コナン(ついムキになって、思ってもねえことを)
コナン「あ、いや、灰原!今のは」
コナン「ってアレ!? おい、どこに」
灰原「…………」テクテク
バタンッ!
コナン(地下室に閉じこもっちまいやがった……)
15 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:38:31.92 ID:eNdEq7XN0
コナン(とにかく謝らねえと!今の言葉は酷すぎた……)
カチャ
コナン「え?」
灰原「はい解毒剤の試作品100錠。ほしかったんでしょ」
コナン「え…あ、いや、あのさ灰原」
灰原「全部あげるからもう帰って」
ドンッ!
コナン「いてっ!」ドテッ
バタン! ガチャ
コナン「お、おい灰原!開けてくれ!」ドンドン
コナン「さっきのは違う!本当はあんなこと思ってなんかねえから!」
コナン「だから開けてくれ!」ドンドン
コナン「本当に謝る!」
16 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:39:01.13 ID:eNdEq7XN0
シーン
コナン(ダメだ……到底話をきいてくれそうにない……)
コナン(また時間をあけてから謝りにくるしかないか……)
コナン(この薬は………もらう気にはなれねえ)
コナン「じゃ、じゃあ灰原、また来るから……薬はここにおいとくぞ……)
タッタッ
シーン
灰原「………ぅ…」
灰原「……うぅ…………うぅ……」ポロポロ
17 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:39:39.02 ID:eNdEq7XN0
コナン(灰原には…本当にひどいこと言っちまった……)トボトボ
コナン(あんなこと一度も思ったことなかったのに)
コナン(どうして………)
コナン(オレはただ…最初蘭を喜ばせようと思って……それで…)
コナン(灰原なら分かってくれると………………)
コナン(……いや、ちがうな)
コナン(オレはただアイツに頼ってるだけだった……)
コナン(結局灰原がいねえと、何にも出来ねえんだ………)
コナン(気づいたら……アイツはオレにとって…)
prrr prrr
コナン(電話……! 蘭だ)
18 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:40:27.76 ID:eNdEq7XN0
蘭『もしもし新一?』
コナン(新一)『お、おう…どうした?』
蘭『クリスマスのことなんだけどさ…』
コナン(新一)『あっ!、蘭そのことなんだけど、悪いけど、やっぱりムリだ…』
蘭『うん実は私もね、急に園子と海外にいくことになったから』
コナン(新一)『へ?』
蘭『園子がね、京極さんの試合の応援に行くんだって。でね、私も一緒について行くことにしたの。』
蘭『だからもし急にこっちに帰って来られるようになっても、お父さんとコナンくんしかいないよって言おうと思って。』
コナン(新一)『ず、ずいぶんと急な話だな』
19 : ◆WGIakejVQA :2013/12/14(土) 15:41:12.76 ID:eNdEq7XN0
蘭『京極さんは、試合がある日をちっとも園子に知らせてくれないのよ。で、園子がずっと京極さんが出る試合を探してて、やっと今回突き止めたら、何とそれがクリスマスの日だったのよ!』
蘭『だからもう大急ぎで準備しなくちゃってとこなの。』
コナン(新一)『あ…そう……』
蘭『私たち京極さんには内緒で、サプライズで会いに行くって訳!』
蘭『そういうことだから新一、お土産楽しみにしててね!』
コナン(新一)『ハ、ハハ……(オレより園子優先かよ)』
蘭『じゃあ、またね。』
ピッ
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む