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花山薫「・・・妹?」

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Part1
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:25:58.41 ID:O9enF0FIO
木崎「ええ・・・」
花山「・・・」
木崎「なんでもその・・・先代の・・・」
花山「・・・堅気の愛人との・・・」
木崎「まあ・・・ええ」
花山「・・・」
木崎「都内で一人暮らしをしながら中学校に通っているようですが・・・」
シュボッ 
花山「・・・フゥ」
木崎「会ってみたいですか?」

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:26:38.32 ID:O9enF0FIO
花山「・・・中学・・・母親は」
木崎「・・・先日他界したらしいです、家賃や学費などはどうしているのか・・・」
花山「・・・堅気の話だ」
木崎「・・・はい」
花山「・・・」
木崎「失礼します」
花山「・・・木崎」
木崎「はい」
花山「・・・住所は」
ガサ 
木崎「こちらに」

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:27:54.40 ID:O9enF0FIO
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
組員「行ってらっしゃい!」
花山「・・・」
木崎「本当にお一人で?」
花山「・・・」
木崎「それではっ、車を・・・」
花山「・・・いらねえ」
木崎「では・・・」
花山「木崎ィ」
木崎「はい!」
花山「・・・着替えを」
木崎「着替え?」

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:28:43.45 ID:O9enF0FIO
花山「ダブルのスーツにエナメルじゃ・・・世間さんが驚いちまう」
木崎「誰か!おい!」
奥より現れたパンチパーマの中年男、新垣はあわてて木崎のもとへ走り寄る
新垣「はいっ!」
木崎「・・・もっと・・・若えのいねえか!」
新垣「若いのでしたら、先日入った・・・おい!」
壁にもたれかかり、携帯電話をいじくっている金髪の若い男は、その画面をニヤつきながら眺めていてこちらに気づかない
ヒロシ「・・・」
新垣「バカヤロウ!ヒロシ!てめえだよ!」

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:30:07.62 ID:O9enF0FIO
ヒロシ「・・・あ?自分すか?」
新垣「口の聞き方が・・・」
木崎「・・・まあいい、おい歳は?」
ヒロシ「あっ、歳すか?一応自分18っす!」
木崎「一応18か」
ゴツ 
ヒロシ「いってえ!ハンパね」
新垣「普通にしゃべれねえのか!二代目の前だぞ!」
花山「・・・」
ヒロシ「パンチ兄ィいてえよ、もう~・・・自分これが、ガチの普通の状態なんすから」
木崎「・・・うーん」
花山「・・・おい」
新垣「は、はい!」
花山「お前じゃねえ」
ヒロシ「あっ、自分すか?」


6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:30:40.76 ID:O9enF0FIO
新垣「しっ、失礼の無いようにな」
ヒロシ「わかってますってパンチ兄ィ、敬語系超得意入ってんすから」
悠々と花山の正面に歩み寄るヒロシ
新垣「ヤバイ・・・絶対ヤバイ」
花山「・・・」 
ヒロシ「おっ、おつかるえっす!!」
新垣「ヒィ!」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:31:18.73 ID:O9enF0FIO
木崎「・・・あのな」
ヒロシ「じ、自分一応空手とボクシングやってたんでえ・・・けっ、喧嘩のことだったらあ、なんとかお力になっちゃえるカンジに・・・」
木崎「いや、あのな」
新垣「・・・見ちゃおれんっ」
ダダダダッ
ガッ
ヒロシに駆け寄り、頭を掴み床に届きそうな程押し下げる新垣
新垣「す、すいやせんでしたー!」
ヒロシ「いてて、頭離してくださいよお、今日マジヘアー決まったんすから」
新垣「お前も謝れっ!・・・コロサレルゾッ」
木崎「・・・やれやれ、まったく」
花山「・・・おい・・・」
新垣「はい!!」
花山「お前じゃねえ」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:31:46.48 ID:O9enF0FIO
木崎「おめえだよ、聞いとけ」
木崎は眉をしかめてヒロシに人差し指を向けた
ヒロシ「・・・」
花山「・・・近頃の若え衆の・・・召しモンは・・・どんなんだ」
ヒロシ「・・・飯?すか?」
木崎「着るモンだよ、まあ~・・・そこらの女の子が・・・警戒しねえような服装な・・・」
ヒロシ「女?ナンパすか?」
新垣「ビクッ」
木崎「いや・・・んー」
花山「まあ、そんな所だ」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:32:17.14 ID:O9enF0FIO
ヒロシ「まあ~・・・自分のお気に入ングはあ、一応『しまむら』っすね、ユニクロは手ぇ出せませんよ、セレブ過ぎて」
花山「しまむら・・・がいいのか」
木崎「別に安くなくていいんだぞ」
ヒロシ「マジすか?!ユニっちゃいます?」
木崎「ユニ・・・そこも安いだろ」
ヒロシ「でも、まあ二代目ガタイあるんでえ、B系がいっすかね」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:32:48.99 ID:O9enF0FIO
ヒロシ「ナンパすんだったらB系だと引かれる可能性Maxっすよ」
木崎「・・・なんだかわかんねえが、普通のやつにしてくれ」
ヒロシ「じゃあ、レッツショッピングで」
木崎「おいおい・・・二人で行くんじゃねえんだから」 
花山「・・・行くか」
木崎「エエ!?」
ヒロシは卒倒している新垣の肩を揺り起こそうと肩を掴んだ
ヒロシ「パンチ兄ィ!パンチ兄ィ!なに気絶してんすか!起きて下さいよ、電車賃貸して下さい!」
木崎「電・・・」

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:34:21.27 ID:O9enF0FIO
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
瓦作りの屋根にところどころ金色の装飾がされている、一風変わった造りのアパートの一室で仏壇の前に少女はいた
先ほど火をつけた線香の香りが部屋を包んで行く
チーン 
妹「・・・お母さん・・・グス・・・私、強くなるね」
ピロロロンピロロロン 
妹「む?電話・・・ん?カオルか・・・もしもーし」
カオル「モッシー、うっちだよー」 
妹「わかるよ、名前出るし」
カオル「あ、そっかー!ねえ今日ひま?」
妹「うーん・・・あと洗濯して、部屋の掃除・・・」
カオル「そんなの後でいーじゃんか、ねえ遊びに行こうよ」
妹「・・・んー」

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:34:49.89 ID:O9enF0FIO
カオル「ねえ、うちがこんなん言うのもなんだけどさ~、学校以外ずっとヒッキーモードだと・・・腐っちゃうよ?」
妹「・・・」
カオル「・・・気持ちは・・・わかるけど」
妹「・・・うん、そうだよね、カオルの言う通りだと思う」
カオル「ねっ!ねっ!じゃあさ、ディズニーランド行こ!」
妹「ディズニー・・・かあ、んー・・・取りあえず今日は買い物ぐらいにしとかない?」
カオル「オッケー!」

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:35:21.88 ID:O9enF0FIO
ピンポーン 
妹「あっ、誰か来た、カオルちょっと待って・・・あれ?切れてる?」
怪訝な顔を携帯電話に向けながら、玄関へ向かった
ペタペタ 
妹「はーい・・・どちら、ハッ!」
ふと、死んだ母の言葉が脳裏によぎった
母『一人のときに誰か来たら、武器を持ちなさい』
妹「お母さん・・・よっしゃ」
ガッ 
妹「このりらっくまクッションで、一撃・・・って、武器がねー!」
?「うちだよ!もー、なに一人でやってんの」
痺れを切らし、友人カオルはドアの外から声を出してしまった
妹「カオル?」
ガチャ

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:35:59.55 ID:O9enF0FIO
妹「なに?外にいたの?」
カオル「せっかく脅かそうと思ったのに、自分でバラしちゃったよ」
妹「びっくりしたよ・・・さっきまで電話してたのに」
カオル「どーせ一人で家にいるだろうと思ってね」 
ドアから外に首を出し、カオルの前で左右を確認した
妹「・・・入って」
カオル「どうしたの、怖い顔して」
バタン

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:36:25.19 ID:O9enF0FIO
神妙な面持ちで、鍵を閉めチェーンを掛けた
カオル「ゴメン、怒った?」
妹「違うの・・・アパートの周りに・・・変な人いなかった?」
カオル「変な人?・・・いなかった、と思うけど」
妹「なんかね、最近・・・うちの周りに怪しい人がいる気がするの・・・だからなるべく、学校以外では外に出ないようにと思って」
カオル「えー?考え過ぎじゃない?」

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:37:57.12 ID:O9enF0FIO
妹「・・・ううん違うと思う・・・昨日も学校の帰りに、後を着いてくる人がいて・・・怖くて、隣の部屋の男の人の部屋にかくまってもらったんだから」
カオル「隣・・・その人は大丈夫なの?」
妹「うん・・・全然いい人、日本の人じゃないみたいだけど、なんかケガしてたけど、スゴい強そうだし」
カオル「襲われないでよ?もー、怪しいなあー」
妹「それは大丈夫・・・そんな感じじゃないよ、お茶出してくれて『お嬢さんの口に合うかどうか』って、優しい表情で『物騒な世の中だから気を付けなさい』って」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:38:34.21 ID:O9enF0FIO
突然玄関の方へ顔を向け、身構えた
妹「!」
カオル「どうしたの?」
妹「ドアで、物音」
カオル「うそ・・・怖い」
ピンポーン 
妹「・・・武器」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:39:24.49 ID:O9enF0FIO
キッチンの流し台に出しっぱなしの包丁を手に、玄関へ忍足で向かう
妹「・・・コイツでいくか」
カオル「こえーよ!あんたも」
妹「とりあえず、のぞき穴で・・・あっ」
カオル「知り合い?」
ホッとした表情をカオルに向け、チェーンを外し鍵を開けた
ガチャ 
烈「昨日の忘れ物を届けに上がったのだが」
妹「あ、ありがとうございます」
カオル「・・・足」
妹「ちょっと、カオル、失礼だよ」
烈「ハハハ、ビックリしたかな?慣ればなんでも無いものだよ・・・あと、昨日の茶の葉だ、気に入っていただけたようだから」
妹「あっ、ありがとうございます」

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:40:45.07 ID:O9enF0FIO
烈「では、失礼する」
妹「あ、あの・・・隣にお住まいなんですか」
烈「・・・いや、住まいは別で世話になっている・・・ここは、何と言うか・・・建物が故郷の造りに似ていてね、私の部屋の内装も我が国の雰囲気になっていただろう・・・」
妹「え?あ!ああ・・・中国の?」
カオル「すぐ・・・気付けよ」
烈「言ってみれば、癒しの場として使わせてもらっている」
妹「だから、昨日始めて会ったんですね」
烈「たまにしか使わないからね、暫らく入院していたし昨日は幸運だったね」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:43:46.69 ID:O9enF0FIO
烈「ご両親には相談したのかい?」
妹「いえ・・・私」
烈「!」
烈は娘の表情から察するやいなや、目にも止まらないスピードで床に座り込み、頭を伏せた
バババッ 
烈「失礼した!無礼を許していただきたくッッ」
カオル「・・・なんて素早い土下座」
妹「ちょっ・・・」
烈「相手の心を踏み躙るが如き軽はずみな言動・・・純粋無垢なる例えるなれば無風の清水に立てた汚らわしき波紋ッッ!なんとお詫びしたら許されるだろうかッッ!!」
妹「チャイナさん落ち着いて!」
カオル「チャイナさん!?」


22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:46:52.55 ID:O9enF0FIO
娘は烈をなだめようと、肩に手をやった
妹「頭を上げ・・・あた・・・ものすごいふんばってる・・・」
烈「許しを・・・中国4000年をかけて許しをいただくまでは頭を上げる訳には・・・」
カオル「とんでもねえスケールの話に・・・」
妹「許します!許します!って言うかもともと怒ってないし!」
カオル「なんも言ってないしね」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 18:52:12.94 ID:O9enF0FIO
頭を上げた烈に微笑み、静かに話し始める
妹「・・・父も母も亡くなりました・・・」
烈「・・・なんと・・・私としたことが」
妹「でも・・・本当についさっきまで落ち込んでたけど・・・いつまでも落ち込んでいられないもんね、カオルもいるし」
カオル「も・・・、ね、でもいーよ、あんたが元気になったんなら」 
烈「・・・お許しいただきたい」
妹「もう許したってば・・・いいですよ」
烈「見縊っていた・・・女性の、それも見たところ・・・二人とも落ち着いて見えるが学生であろう」
カオル「中学生だよ」
烈「中学・・・なんと・・・」
烈は改めて姿勢を正した
烈「私には君達に本物の絆が見える・・・拳を交えた者以外には・・・生まれ無いと思っていた・・・絆が・・・素晴らしいことだ」
カオル「いちいち大げさだなあ、チャイナさん」
妹「あの・・・たまに、本当にたまにでいいので、顔を出していただけませんか?」
反省の面持ちから烈の頬はほころび、二人に笑ってみせた
烈「喜んで!」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 19:04:30.21 ID:O9enF0FIO
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人混みの商店街、毎日のようにカップルや親子連れの人々が行き交う
だが、一部いつもと違う部分があった
大量のビー玉に端から指を入れて行くように、人混みが避けて行く
花山と肩を並べて歩いているヒロシは、その裂け目を気分良さそうに闊歩していた
ザワザワ
ヒロシ「・・・二代目、やっぱ目立ちますねえ、完全人込みがモーゼモードっすよ」
花山「・・・」
ヒロシ「普通かぁ・・・このガタイを普通に見せるには・・・あっ!あの店入ってみましょうよ」
ヒロシが指差した店の看板には『大きいサイズの店』と書かれていた
迷わず入って行くヒロシ
ヒロシ「おう!店長いるか?!」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/22(金) 19:07:22.52 ID:O9enF0FIO
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
花山組、落ち着かない様子で部屋の中を行ったり来たりしている新垣
ウロウロ
新垣「・・・ダイジョウブカナ・・・」
木崎「おい、落ち着けよ」
新垣「は、はいっ・・・しかし」
木崎「大丈夫だよ、よっぽどのことがなきゃ二代目が若造に手上げるこたあねえよ」
パンチ「はい、しかし、二代目に失礼が・・・」
木崎「失礼の話をすりゃ、もうとっくに失礼だ・・・だがよ」
パンチ「は、はいっ」
木崎「なんだか・・・今日は機嫌がいいみてえだったぜ?」

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