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少女「あなた誰?」 宇宙人「えっ宇宙人ですけど」

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Part1
1 :スレ立て代行:2012/02/27(月) 15:39:45.49 ID:MIIgBpkC0
少女「ウチュージン?」
宇宙人「そうですよ」
少女「……」
少女「……」ツン
宇宙人「あっ何するんですかやめてください」
少女「……うりうり」ツンツン
宇宙人「あっそこは目ですから!痛い!痛いです!」
少女「えっなにそれこわい。何でそんなとこに目がついてるの?」
宇宙人「えっおかしいですか? えっ? えっ……」

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 15:42:23.07 ID:uejvk9PhP
少女「なんか表面もヌルヌルしてるし」
宇宙人「す、すいません……緊張して汗が」
少女「えっそれ汗なの?」
宇宙人「えっなに? なんですか? おかしいですかわたし」
少女「……」
宇宙人「あ……あの……。急に黙られると不安になります」
少女「これ耳?」
宇宙人「あっあっダメですそこはひっぱらないで! 気持ちよくなっちゃいますから! あッ!」
少女「えっごめん」ビクッ
宇宙人「ふー……ふー……。び、びっくりしました」
宇宙人「……もう、気をつけてくださいね。同族同士だったら攻撃と見なされて裁判モノですよ」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 15:48:18.58 ID:uejvk9PhP
少女「……なんだか表現に困るというか、説明するのが難しい姿ね、あなた」
少女「このぷらんぷらんしてる変なのは……一応、手足なのかしら。だとしても本数がおかしなことになってるし」
少女「ほんとに宇宙人ってこと?」
宇宙人「いえ、自分のことを宇宙人だとは特に思ってないんですが……あなたからすればそうでしょう」
少女「宇宙から来たの?」
宇宙人「そうですよ」
少女「……」
少女「宇宙人は宇宙人語をしゃべるんじゃないの?」
宇宙人「あーそれは私たちの言語とあなたたちの言語を同時に相互翻訳する機械を使ってるからですよ」
少女「?」
宇宙人「えっと……と、とにかくお互いの言葉が通じるようになる特殊な技術を使ってるんです」
少女「ふーん」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 15:55:30.02 ID:uejvk9PhP
少女「よく分からないけどすごいんだね」
宇宙人「それはもちろん! あなた方の現在の科学技術レベルは、我々が4万年ほど前に通り過ぎた地点ですね」
少女「……」
少女「えい」ツン
宇宙人「あっ! 痛いです! ツンツンしないで!」
少女「いばらないでよ」ツンツン
宇宙人「ごめんなさい! もういばらないですから! いばらないって約束します!」
少女「……そう」
少女「でもツンツンする」ツンツン
宇宙人「あっ! ダメです! そこはダメ!」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:02:03.12 ID:uejvk9PhP
宇宙人「うぅ……いじめっ子ですねあなた」
少女「……」
宇宙人「まぁ、多少不安はありますが……選り好みできる立場でもありませんし、あなたで我慢します」
宇宙人「すみませんが、しばらくここに置いてもらえませんか?」
少女「どうして?」
宇宙人「先程も簡単に説明しましたが、私の生体維持と宇宙船稼働のための動力源を確保する必要があるんです」
宇宙人「当面は母船と短時間の通信を可能とするだけのエネルギー採取で何とかなりますから、そんなに大量でなくてもよいのですが」
少女「動力源……石油とか?」
宇宙人「いえ、私たちが動力源とするのは生物の『感情』です」
少女「……意味がわからないわ」
宇宙人「えっ」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:09:07.71 ID:uejvk9PhP
宇宙人「あ、あぁ……すみません」
宇宙人「我々にとってはもはや当たり前のことなのですが、あなたの星の科学レベルでは意味不明なのも無理はないです」
少女「えい」ツン
宇宙人「えっ! いや、今のは別にいばったわけじゃ! すみません!」
少女「……続けて」
宇宙人「と……とにかくですね、我々は生物の『感情』を動力源に変換する技術をもってるんです」
宇宙人「それも知性の高い生命体の感情ほど純質で、エネルギー変換効率も高いのです」
少女「よく分からないけど、わたしが怒ったり笑ったり泣いたりすればいいの?」
宇宙人「そうです! 理解してくださって嬉しいです!」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:16:29.06 ID:uejvk9PhP
少女「でもそれだとわたし、感情がなくならない?」
宇宙人「大丈夫です。そんな心配はいりません」
宇宙人「感情を生み出す能力を奪うわけではなく、生み出された結果としての感情を利用するだけですから」
少女「じゃあいいけど」
宇宙人「ありがとうございます。それでは感情採取装置を身体にとりつけさせて下さいね」
少女「……いいけど」
宇宙人「しからば……よいしょっと」ペタペタ
少女「あっ! エッチ!」
宇宙人「えっ」
少女「……エッチぃ」
宇宙人「い、いえわざとじゃありません。というかそもそも種が違うのでやましい気持ちとかないですから」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:23:27.92 ID:uejvk9PhP
宇宙人「これで準備は終わりました」
少女「ふーん」
宇宙人「とりあえず笑ってみて下さい」
少女「……」
少女「う……うふふ?」
宇宙人「ダメですね。全然ダメダメです。気持ちがこもってません」
少女「……」
少女「えい」ツン
宇宙人「あっ! 痛い! なんでですか!? すみません!」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:31:16.15 ID:uejvk9PhP
少女「文句があるなら自分に装置をつければいいと思うわ」
宇宙人「そうしたいのは山々なのですが、我々は半分生物じゃないので、感情の変換効率が悪すぎるのです」
少女「えっ」
宇宙人「えっ何ですか? 驚くところですか?」
少女「驚くところだと思う。半分は生き物じゃないの?」
宇宙人「そうですよ。宇宙では半生命体は珍しくもありません」
少女「生命以外のもう半分はなんなの?」
宇宙人「色々な場合がありますが違いますが、我々の種族の場合には『情報体』ですね」
少女「じょうほうたい?」
宇宙人「情報体というのは一種の物理的存在です。しかしあなた方の知性では正確には理解できないでしょう」
宇宙人「……そうですね、お化けみたいなものだと考えて下さい」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:37:21.29 ID:uejvk9PhP
少女「なにそれ」
宇宙人「粗雑な説明にならざるを得ませんが……我々も大昔の祖先は、宇宙の何処にでもいるようなごく普通の生物だったのです」
宇宙人「しかし、生命力や身体能力、情報伝達や情報蓄積などの様々な点で純粋な生命体は効率が悪いということになりまして」
宇宙人「遠い過去に身体の機械化が始まり、やがては機械化から情報体化へとトレンドが移行しました」
宇宙人「その結果『肉体の檻』は突破しましたが、生命体は生命体の限界を超え出られないため、完全な情報体にもなれなかったのです」
宇宙人「そのような経緯で、現在の半情報体・半生命体に落ち着いたわけですね」
少女「??」
宇宙人「いえ、分からないなら無理に理解しなくていいです」
宇宙人「ともかくこの情報体という身は色々と便利ではあるのですが……」
宇宙人「生体維持に生物の感情が必要となり、にもかかわらず自分たち自身の感情のエネルギー変換効率は純粋な生命体よりも劣化してしまった、と」
宇宙人「結果論ではありますが、何事も完璧にうまくいくということはないという良い教訓ですね」
少女「ふーん……。やっぱりよく分からないや」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:43:59.98 ID:uejvk9PhP
少女「あなたがほしいのはどんな感情なの?」
宇宙人「基本的には生物の感情なら何でもよいのですが、高出力のものほどありがたいです」
少女「たとえば?」
宇宙人「たとえば……オルガスムスなどはその代表例でしょうか」
少女「おるがす……??」
宇宙人「性的絶頂時の感情、つまり極限的な快感の情動です。たいていの生物にとってこの類の感情は爆発的エネルギーを内在させていますから」
宇宙人「あなた方の種の交配方法は確か……最もノーマルな二者間交配でしたよね」
宇宙人「私としては、あなたがガツンガツン交配に励んでくれれば嬉しい限りです」
少女「……」
少女「…………」
少女「………………」ツンツンツンツンツンツンツンツン!!!!
宇宙人「痛い! っていうか強い! 何ですか! 何でそんな急に!! あッ! すみませんすみません!!」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:51:21.95 ID:uejvk9PhP
少女「そういうこと言わないで」
宇宙人「いてて……『そういうこと』って何ですか?」
少女「……」スッ
宇宙人「あっすみません! よく分かりませんが分わかりました!」
宇宙人「……って、あ!」
少女「?」
宇宙人「今しがた、強い感情が生じたようですね。この色と形は……羞恥心?」
少女「……」
宇宙人「あぁ……なるほど! そういえば交配事情に羞恥を感じる文化が稀にあると聞いたことがあります。特に未開文明に散見されるとか」
宇宙人「へぇ~実際に遭遇したのは初めてです。へぇ~」
少女「……」
少女「…………」ツンツンツンツン!!!
宇宙人「痛ッ! すみません! あっこれはどうやら怒りの感情ですね! ありがたいです! あっでも痛い!」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 16:58:40.57 ID:uejvk9PhP
少女「それじゃあ私は学校に行ってくるから、部屋で大人しくしててね」
宇宙人「学校ですか。何を学ぶので?」
少女「いろいろよ。文字とか数とか……地理とか歴史とか、生き物のこととか」
宇宙人「なるほど。どのような仕方で学ぶのですか?」
少女「どのようにって……。先生が前に立って説明して、みんながそれを聞いて学ぶの。当たり前でしょ?」
宇宙人「……」
少女「なに?」
宇宙人「いえ……やはり随分と非効率的だなと思っただけです」
少女「?」
少女「……わたしはもう行くから、いい子でお留守番しててよね」
宇宙人「はい。いってらっしゃい」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:05:31.09 ID:uejvk9PhP
***
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……ただいま」
宇宙人「学校はそんなにイヤな所なのですか?」
少女「……えっ」
宇宙人「この部屋であなたの感情をモニタリングしていましたが、継続的に強い感情が生起していました」
少女「……」
宇宙人「『恐怖』という感情です。それほどまでにあなたを怯えさせる要因が学校にはあるんですか?」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:07:04.32 ID:4Jtkmjv20
えっ・・・・・

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:11:48.94 ID:OuVJwvb80
なんやて

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:12:54.36 ID:uejvk9PhP
少女「……」
少女「別にいいでしょ。あなたは私の『怖い』って感情を手に入れられて満足じゃないの?」
宇宙人「ええまぁそうなんですが……恐怖という感情は生命力を鈍らせる働きがあります」
宇宙人「私としては感情採取が順調で喜ばしい反面、寄生先のあなたに死なれても困るので、やや複雑な気持ちです」
少女「……」
少女「……ふん。相手の気持ちを汲んで、言葉を選ぶことすらできないのね」
少女「そんな気持ちわるい容姿でも『私たちと同じように感情豊かなんだ』って驚いたけれど、やっぱり別の生き物ってことかしら」
少女「満足がいくまでいくらでも感情を提供してあげるわ。だから……もう黙ってて」
宇宙人「……」
宇宙人「……意外に饒舌な方だったんですね。少し驚きました」
少女「……もう寝る」
宇宙人「……」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:18:50.95 ID:BmG9ATbz0
いじめかあ

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:20:08.01 ID:uejvk9PhP
少女「……あッ!?」
宇宙人「どうしました急に?」
少女「!! ……パパが呼んでるッ!」ガバッ
少女「ッ!」ダッ
宇宙人「??」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「また……『恐怖』の色と形。それに『悲しみ』の色と形も」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:21:11.48 ID:4Jtkmjv20
虐待もか・・・・


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:26:32.66 ID:uejvk9PhP
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……」
宇宙人「また何か辛いことがあったようですね」
少女「……」
少女「……私たちの種族は、あなたたち宇宙人とは違って何でもないことに恐怖を感じるようにできてるだけよ」
少女「みんなそうなの。私だけじゃなくて」
宇宙人「……」
宇宙人「こめかみの所……アザになってますよ」
少女「……」
少女「……おやすみ」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:29:58.02 ID:BmG9ATbz0
そのまま宇宙に連れてってやれよ

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:34:01.11 ID:uejvk9PhP
***
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……ただいま」
宇宙人「今日も学校は辛かったのですか?」
少女「……」
宇宙人「いじめですね?」
少女「……」
宇宙人「いじめは生物にとってある程度普遍的です。知能の低い生物種にすらいじめはあります」
宇宙人「ましてあなた方のようにある程度発達した知性をもつ種族にいじめがあるのは自然なことです。想像に難くありません」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:38:17.39 ID:uejvk9PhP
少女「……」
宇宙人「学校の級友たちばかりではない。お父様やお母様にもいじめられているのでは?」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「………………殺してあげましょうか?」
少女「……えっ?」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:38:42.85 ID:BmG9ATbz0
え?

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:40:01.32 ID:OuVJwvb80
マジでぇ?

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:40:04.44 ID:4Jtkmjv20
えっ??

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:44:48.91 ID:uejvk9PhP
宇宙人「あなたをいじめる者達を、皆殺しにしてあげましょうか?」
少女「……なにそれ」
宇宙人「あなたには一宿一飯どころではない恩義がありますから」
宇宙人「一切の痕跡を残さず消滅させることも可能ですし……」
宇宙人「お望みならば、苦しませながら相手の生命を断つこともできますよ?」
少女「……」
少女「……ダメだよ、そんなの」
宇宙人「どうしてですか?」
少女「だって……」
少女「だって、悪いのは私だもの」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:45:37.86 ID:4Jtkmjv20
そうだよな
安心した

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:51:54.44 ID:uejvk9PhP
宇宙人「どういうことですか?」
少女「……わたしはもらわれっ子で、パパとママは嫌々わたしを養ってくれてるの」
少女「ママは『親戚の子だからって貧乏クジ引かされてこっちは散々よ』って言って、怒ったり、叩いたりするの……」
少女「パパはわたしのこと、その…………身体を撫でてきたりとか……」
少女「でも、わたしはパパとママのおかげで生きていられるんだから、多少のことは我慢しないといけないの」
宇宙人「……」
宇宙人「学校のことは?」
少女「……」
少女「……お風呂にはたまにしか入れないし、お洋服もほとんど持ってないから、みんなに『臭い』とか『汚い』って言われてるの」
少女「仕方ないよ……自分でも汚いって思うもん」
宇宙人「……」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 17:59:22.95 ID:uejvk9PhP
少女「パパとママはわたしを養ってくれてるから……仕方ないし」
少女「学校のみんなも……私が汚いから仕方ないんだよ」
宇宙人「……」
宇宙人「あなたはとても賢いのですね」
少女「えっ?」
宇宙人「あなたの種族の同年代の個体と比較すると、随分と聡明のようです」
宇宙人「自分を取りまく環境を正確に理解しており、その上で自分の感情を抑制する術を心得ています」
少女「……」
少女「なにそれ……変なの」
宇宙人「……ただ、これは私があなた方の種族の『責任』の概念をきちんと理解していないだけなのかもしれませんが……」
宇宙人「私には、あなたが『責任』と『原因』とを混同しているように見えます」
少女「??」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 18:08:40.94 ID:uejvk9PhP
宇宙人「今となっては『責任』も『原因』も我々の頻用語彙ではないので、私には説明が難しいのですが……」
宇宙人「いじめの原因は、確かにあなた自身にもあるのでしょう」
宇宙人「もらわれっ子であるという事実や清潔感がないという印象はあなた自身に付与される属性であって、確かにこれらはいじめの一因となっていると推察されます」
少女「……」
宇宙人「しかし、そういった事実や印象によって、あなたのお父様やお母様に対して、またあなたの学校の級友に対して、あなたをいじめることの免罪符が与えられるわけではありません」
宇宙人「他方でまた、彼ら彼女らのいじめという行為の『責任』は、本来的にその行為遂行者である彼ら彼女ら自身が引き受けるものでしょう」
宇宙人「にもかかわらず、そのいじめという行為の責任があなたにまで分与されると考えてしまうのは、あなたが『原因』の帰属先と『責任』の帰属先とを混同しているからです」
少女「……」
少女「……ごめんなさい。難しくてよく分からないわ」
宇宙人「……つまり簡単に言うとですね、仮にいじめの原因があなたにあったとしても、いじめの責任はあなたにはないということです」
宇宙人「あなたは、悪くないのですよ」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 18:16:39.44 ID:uejvk9PhP
少女「……」
宇宙人「あなたにも色々な事情があって、それ故にいじめられているのでしょう」
宇宙人「しかしだからといって、それは『あなたが悪い』わけではないですし、まして『仕方のない』ことでもありません」
宇宙人「あなたが望むならば、あなたをいじめる存在を皆殺しにしてみせましょう。それで問題解決です」
少女「……」
少女「ありがとう。少し驚いたけど……あなた、慰めてくれてたのね」
宇宙人「いえ、というよりも『いじめっ子排除プラン』の採用を説得していたつもりだったのですが……」
少女「でも、ダメよやっぱり」
少女「学校のみんなが死んだら、その子たちのパパやママはとても悲しいだろうし」
少女「今のパパやママを死なせちゃったら、天国にいる本当のパパとママはきっとわたしを叱るもの……」
宇宙人「……」
少女「でもありがとね。何だか少しスッキリしちゃった」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 18:23:33.25 ID:uejvk9PhP
少女「それと……」
少女「昨夜のこと……悪かったわ」
宇宙人「え?」
少女「ほら、あなたのこと『気持ちわるい』って言ったでしょ」
少女「言ってからずっと……後悔してたの」
宇宙人「ああそんなことですか。気にする必要ないですよ。私から見ればあなたの姿形もそうとう変ですし」
少女「そ、そう……。まぁいいわ。だったらお互い様ね」
少女「でも、あなたは……そうね、鼻はぷっくりとしてて可愛いと思わないでもないわよ」
宇宙人「そうですか? あなたの鼻は、私にはあまり可愛いとは思えないのですが……」
少女「ちょーしにのるなッ!」ツンツン
宇宙人「あっ! 痛い! やめてください! えへへ!」
少女「……もうッ! なんでちょっと嬉しそうなのよ……バカ」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/27(月) 18:24:52.95 ID:+dFvCvUH0
なんかいいね

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