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P「照れ隠しのノーマル発言」

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Part2
16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:17:52 ID:xzSCoXYU
【レッスン】

P「春香も普通に上手くなってきたなぁ……」

春香「だから、そこは率直に『上手くなった』でよくないですか?」

P「よくないんだ」

春香「千早ちゃんには『やっぱり千早は上手いな』とか言うくせに……」

P「いいだろ、上手いんだから」

春香「それはそうですけど……なんで千早ちゃんにはそう言うんですか?」

P「千早はいいんだよ」

春香「だからどうしてです?」

P「それは……まあ、置いといて」

春香「置きませんよ?」

P「残念ながら既に置いた後だ」

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:18:36 ID:xzSCoXYU
春香「話が進みそうにないのでもう気にしないですけど……置いといて、何ですか?」

P「いや、春香の歌も普通に音程が合うようになってきたなぁ……と思ってな」

P「最初の頃からは考えられない上達だよ」

春香「それはありがとうございます……けど、普通にってやめません?」

P「これに関しては、本当に普通の歌に近づいただけだからやめるも何も??」

春香「ひどい!私も頑張ってるのに!」

P「ああ、頑張ってるな。だが悲しい事にそれが結果に直結しない事もあるんだ……今は結果が出てるけどな」

春香「プロデューサーさんって一言多いですよね」

P「仕方ないんだ」

春香「千早ちゃんとかにも一言多いんですか?」

P「そんな事はない」

春香「えぇ……なんでですか?」

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:19:12 ID:xzSCoXYU
P「それは言えないな」

春香「言っちゃいましょう?」

P「言っちゃいません」

春香「どうしても?」

P「どうしてもだ」

春香「何か困る事があるんですか?」

P「困るな。非常に困る。何がどうとは言えないが困る」

春香「そうですか……」

P「ああ。理解があって助かるぞ」

春香「理解はしてないんですけどねー……まあいいです。追々聞く事にします」

P「何度聞かれようと貝の如く口を開かないがな」

春香「サザエですか?」

P「ハマグリ」

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:19:55 ID:xzSCoXYU
春香「じゃあ塩水につけてあげますね」

P「食べる気じゃないか。やめてくれ」

春香「いつか口を割って貰いますよ」

P「アイスピックでも使う気か?」

春香「お望みとあれば」

P「お願いですからやめて下さい」

春香「じゃあ喋りましょう」

P「それは無理」

春香「頑固ですねぇ……」

P「拘りなんだ」

春香「面倒臭い拘りですね……」

P「これが無いと俺のクルトンハートは壊れてしまうんだ」

春香「ずいぶんサクサクした心ですね」

P「……いいからレッスンに集中しろ」

春香「はーい」

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:20:29 ID:xzSCoXYU
【夜、電話口・千早】

春香「でね??」

千早(この話題の振り方も何度目かしら)

春香「千早ちゃん?」

千早「聞いてるわよ。で、プロデューサーが私の事を特別扱いしてるって話だったかしら?」

春香「そうだよー。いいなぁ千早ちゃんは……私なんて何をしても『普通に』が付くんだよ?もっと直球で褒められたいよ……」

千早(特別なのは春香の方なのだけど……)

千早「まあ、その『普通に』も意味が分かれば嬉しいものよ」

春香「嬉しくないよー……なんで『普通に』が付くのかなぁ……どこが悪いのかな……」

千早(どこがと言われると『プロデューサーが』としか言いようが無いわね)

千早「そんなに気にしなくても大丈夫よ」

春香「本当に?」


21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:21:03 ID:xzSCoXYU
千早「ええ。そこは信じてもいいわ」

春香「そっか……じゃあ、原因は何だろ?」

千早(プロデューサーよ)

千早「それもいずれ分かる事よ」

春香「うーん……全然分かんない……」

千早「じゃあ今は分からなくていいんじゃない?」

春香「そういうものなのかな?」

千早「そういうものよ。後で分かる事を今考えても仕方ないわ」

春香「なんか駄目人間みたいな言葉だね……」

千早「そう言われればそうね……まあ、そんなに悩まなくてもいいわ」

春香「そっか。ありがと、千早ちゃん」

千早「どういたしまして。じゃあ、今日はこれで」

春香「うん。おやすみ、千早ちゃん」

千早「おやすみなさい、春香」

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:21:40 ID:xzSCoXYU
【リボン】

P「春香」

春香「はい?」

P「このリボンをあげよう」

春香「プレゼントですか!?」

P「ああ、普通のプレゼントだ」

春香「……プレゼントに普通も何もないんじゃないですか?」

P「俺にはあるんだ」

春香「ふーん……また拘りですか?」

P「そうなるな」

春香「まあいいですけど……嬉しいですし」

P「それはよかった」

春香「付けてみました……どうですか?」

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:22:13 ID:xzSCoXYU
P「思った通り、普通に可愛いな」

春香「やっぱりそうなりますよねー……」

P「何か?」

春香「いえ何でも」

P「そうか。とにかく、普通に似合ってていい感じだぞ」

春香「それは分かりました。じゃあ、千早ちゃんがリボンを付けたらどうですか?」

P「可愛いだろうな」

春香「私が付けたら?」

P「普通に可愛い」

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:22:52 ID:xzSCoXYU
春香「……プロデューサーさんにとって『普通』って何なんですか?」

P「拘り??」

春香「拘り以外で」

P「また難しい事を……そうだな、強いて言うなら??」

春香「言うなら?」

P「いや、やっぱりやめておこう」

春香「喉まで出かかってましたよね?」

P「出かかっていただけだ。あれだ、出そうで出ないゲップみたいな」

春香「ややこしい例えですね……」

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:23:34 ID:xzSCoXYU
P「と言う訳で、出そうで出ないんだ」

春香「出さないだけでは?」

P「春香にしては鋭いじゃないか」

春香「アイスピックで??」

P「そういう鋭さじゃないよ?」

春香「冗談はさておき、話して下さい」

P「嫌だ」

春香「どうして?」

P「顔から脂汗が出そうなんだ」

春香「火じゃないんですか?どんなやましい事があるんですか?」

P「まあ、プロデューサーという立場を考えるとかなりやましいかもな……」

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:24:12 ID:xzSCoXYU
春香「……アイドルにお手付きでもしちゃいましたか?」

P「まさか」

春香「ならいいです」

P「……どうして春香が安心するんだ?」

春香「さぁ?なんででしょうか」

P「聞き返されても……分からんな」

春香「私もプロデューサーさんの拘りが分かりませんよ」

P「一種の防衛線なんだ」

春香「何を守ってるんです?」

P「……プロデューサーの心構え?」

春香「疑問形ですね」

P「明言は出来ないからな」

P「まあ、俺の事はどうでもいいじゃないか。仕事の時間だぞ」

春香「うーむ……結局何も分からないままだよ……でも時間だし仕方ない、行ってきます」

P「はい、行ってらっしゃい」

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:24:58 ID:xzSCoXYU
【夜、電話口・千早】

春香「ねえ、千早ちゃん」

千早「またプロデューサーの話かしら?」

春香「よく分かったね」

千早「ここ最近、その話しかしてないもの」

春香「そうだっけ?」

千早「そうよ。で、今日は何?」

春香「それがね、リボンのプレゼントを貰ったんだけど……」

千早「例によって『普通』って付いてたのね?」

春香「そうなんだよ?……なんでかな?」

千早「もうプレゼントの時点で察して欲しいのだけど」

春香「何を?」

千早「私からは何とも言えないわ」

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:25:30 ID:xzSCoXYU
春香「えー、意地悪」

千早「意地悪で結構です。でも、いい加減に気付いてもいいと思うのだけど……」

春香「なになに?何に気付くの?」

千早「本人がこの調子じゃ……」

春香「千早ちゃ?ん?はっきり言ってよー」

千早「春香は鈍感ね」

春香「はっきりグッサリ言われた!」

千早「今日はこれでおしまい。おやすみなさい、鈍感な春香」

春香「さりげなく貶されながら別れの挨拶されたよ……」

千早「冗談よ。まあ、本当にそろそろ気付くべきだと思うけれど」

春香「分かんないなぁ……」

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:26:10 ID:xzSCoXYU
千早「もういっその事、直接聞いてみた方が早いかもしれないわね」

春香「直接って?」

千早「それは春香に任せるわ。私の言葉で言っても意味無いでしょう?」

春香「それはそうかもしれないけど??」

千早「何て聞けばいいのか分からない?」

春香「恥ずかしながら……」

千早「思った通りでいいのよ。聞きたいように聞けばそれで答えも出る筈だわ」

春香「説明になってないよ……」

千早「あんまり詳しく説明してもね……冷たいようだけど、あなた達二人の問題だから」

春香「分かったよ……やってみる」

千早「頑張って。じゃ、今度こそおやすみなさい」

春香「うん。おやすみ、千早ちゃん」

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