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P「照れ隠しのノーマル発言」

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Part1
1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:07:23 ID:xzSCoXYU
【ファッション】

春香「おはようございまーす!」

P「お、春香。おはよう」

春香「おはようございますプロデューサーさん。ところで……」

P「うん?」

春香「これ、どうですか?」

P「これとは?」

春香「もうっ。分かってますよね?ほら、新しい服なんですよ、これ」

P「あー……うん、普通に可愛いな」

春香「普通にって……もうちょっとこう、『すっごく可愛いよ春香!』とか無いんですか?」

P「えー……そんなキャラじゃ無いだろ?」

2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:07:56 ID:xzSCoXYU
春香「キャラとか関係無いです!言う事が大事なんです!」

P「そんな事言われても」

春香「ほらほら?。私、曲がりなりにもアイドルですよ?」

P「だから、普通に可愛いってば」

春香「普通って付けるのやめませんか?」

P「やめません」

春香「頑固だなぁ……」

P「しつこいのは春香の方だと思うけどな」

春香「普通に可愛いんだったら頭に『普通に』って付ける意味、無くないですか?」

P「俺にはあるんだ」

春香「私にはありません」

P「じゃあ鏡に向かって自画自賛しててくれ。普通に可愛い春香さん」

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:08:28 ID:xzSCoXYU
春香「もう……素直じゃないなぁ」

P「俺は素直代表みたいな人間だぞ。さっきから普通に可愛いって言ってるじゃないか」

春香「それ、取り外しは?」

P「パージ不可です」

春香「可能にしましょう」

P「瞬間接着剤でくっついてるんだ」

春香「また難儀な物でくっついてますね」

P「だろ?まあ、ノーマルイズベストとか言うじゃないか」

春香「それ、シンプルイズですけど」

P「ノーマルもシンプルも似たようなもんだよ」

春香「はぁ……もう話しても進展しないようなので、仕事に行ってきますね」

P「ああ、行ってらっしゃい」

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:09:26 ID:xzSCoXYU
【夜、電話口・千早】

春香「それでね、プロデューサーさんったらひどいんだよ」

千早「何が?」

春香「私の事、普通普通って……」

千早「普通の後にはなんて言ってたの?」

春香「『普通に可愛い』って言ってたけど、それが?」

千早「はぁ……」

春香「千早ちゃん?溜息吐いてどうしたの?」

千早「いや、二人とも面倒臭いなぁって」

春香「ひどい!私がこんなに悩んでるのに」

千早(酷いのは毎回こんな電話掛けてくる春香の方だと思うけど)

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:10:01 ID:xzSCoXYU
千早「春香。それは悩んでいる気がしてるだけよ」

春香「そんなことないよー。こんなに悩む事なんて他にないよ」

千早(歌の事とかあるでしょうに)

千早「とにかく、あんまり気にしなくていいと思うわよ」

春香「そうかなぁ……」

千早「そうなの。じゃ、そろそろ切るわね」

春香「あ、待って!まだ話したい事が??」

千早「もう……何時間話してると思ってるの。明日に響くからもう寝なさい。続きはまた今度でもいいでしょう?」

春香「うぅ……分かりました……おやすみ、千早ちゃん」

千早「はい、おやすみなさい」


6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:10:31 ID:xzSCoXYU
【お菓子】

春香「プロデューサーさん」

P「春香か。どうした?」

春香「ドーナツ焼いてきたんです。お一つどうですか?」

P「お、ドーナツか。じゃあ一つ……」

春香「……どうですか?」

P「うん。ちょっと甘いけど、普通に美味しいな」

春香「また普通ですか?」

P「うん、普通」

春香「やっぱり取り外しは?」

P「不可です」

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:11:16 ID:xzSCoXYU
春香「じゃあ質問を変えましょう」

P「ふむ?」

春香「ドーナツ屋さんのと私のと、どっちが美味しいですか?」

P「それは普通に春香のドーナツの方が美味い」

春香「そこ、普通って付ける意味あります?」

P「あります」

春香「じゃあ、なんで私のドーナツの方がいいんですか?」

P「難しい質問だな……なんて言うか、こう??」

春香「こう?」

P「普通に美味しいから、かな」

春香「ループしてるじゃないですか!」

P「そんな事言われても」

春香「普通を禁止にしませんか?」

P「それは春香が禁止になるということか?」

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:11:59 ID:xzSCoXYU
春香「そうじゃありません!全くもう……」

P「普通を取る事は無理だ。諦めろ」

春香「大体、『春香のドーナツの方が美味い』だけでいいじゃないですか」

P「俺には譲れない部分なんだ」

春香「そこは普通に譲りません?」

P「普通に譲れません」

春香「はぁ……じゃあいいです。美味しかったのは本当なんですよね?」

P「それは心配しなくていい」

春香「なら……いいのかな?」

P「ああ、いいんじゃないか?」

春香「釈然としませんけど……お仕事行ってきます」

P「行ってらっしゃい」

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:12:45 ID:xzSCoXYU
【電話口・千早】

春香「でね、プロデューサーさんってば??」

千早(またなの……?)

春香「聞いてる?千早ちゃん」

千早「聞いてるわよ」

春香「ひどいと思わない?折角私がドーナツ作っていったのに……」

千早(むしろ、それに気付いてるからだと思うけど)

千早「でも、美味しいって言ってくれたんでしょう?」

春香「それはそうだけど……」

千早「なら、それでいいじゃない」

春香「でもこう、一言で『美味い!』みたいに言って欲しいというか」

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:13:35 ID:xzSCoXYU
千早「美味しいのだからいいじゃない」

春香「よくないよ!千早ちゃんは何か作ってきた時『普通に美味しい』って言われたら悲しくない?」

千早「作った事が無いから分からないわ」

春香「そこは想像で」

千早「うーん……やっぱり分からないわね」

春香「そう……」

千早「役に立てなくてごめんなさい」

春香「いいよ。気にしないで」

千早(役に立つ隙間も無いって意味なんだけれどね)

千早「じゃあ、今日はこれぐらいにして、続きはまた今度ね」

春香「はーい。おやすみ、千早ちゃん」

千早「おやすみなさい」

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:14:14 ID:xzSCoXYU
【お茶】

春香「プロデューサーさん、お茶どうぞ」

P「ありがとう春香」

P「……うん、今日も普通に美味しいな」

春香「そう来るなって予想できましたけど、そこまで『普通』に拘ります?」

P「ああ。この拘りが無かったら恥ず??ではなく、褒めた気がしないからな」

春香「私、普通が褒め言葉とは思えませんけど……」

P「俺が褒め言葉だと思ってるからそれでいいんだよ」

春香「そういうものですか?」

P「そういうものです」

春香「私が褒め言葉じゃないと思ってるから褒め言葉にはならないという理論は……」

P「適用されません」

春香「ですよねー……」

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:14:45 ID:xzSCoXYU
P「いいじゃないか。春香のお茶、普通に美味しくて好きだぞ」

春香「そこから普通を抜くだけで嬉しさ100倍なんですけどね」

P「それをすると俺もよろしくないものが100倍になるから駄目だ」

春香「よろしくないものって?」

P「よろしくないものは言葉の通りよろしくないものだ」

春香「説明になってません」

P「説明する気が無いからな」

春香「減るもんじゃないですし、説明しちゃいましょう!」

P「俺の心が削れるから無理」

春香「すごいところが削れるんですね」

P「ああ。ミルフィーユみたいにポロポロ落ちるぞ」

春香「脆いですね」

P「……我ながら脆すぎるな」

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:15:31 ID:xzSCoXYU
P「それはさておき、そろそろ仕事の時間だぞ」

春香「はーい……」

P「やる気なさげだな」

春香「プロデューサーさんが悪いんです」

P「俺が悪いのか?」

春香「はい。普通に悪いです」

P「そうか、それは悪かった。じゃ、行ってらっしゃい」

春香「あっさりしすぎですよ」

P「どうすればいいんだ」

春香「一言『美味しいよ』って言ってくれれば」

P「普通に美味しいよ」

春香「もう諦めます……」

P「そうしてくれると俺も助かる」

春香「じゃあ、お仕事行ってきまーす……」

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:16:15 ID:xzSCoXYU
【夜、電話口・千早】

春香「やっぱりプロデューサーさんが??」

千早(二人とも不器用にも程があるんじゃないかしら)

春香「聞いてる?」

千早「はいはい。聞いてるわよ」

春香「なんだか投げやりだなぁ……」

千早「投げやりな対応以外、どうしていいか分からないわ」

春香「『それは私も同感ね』みたいに共感するとか」

千早「無理な相談だわ」

春香「どうして?」

千早「だって、言いたい事が全部分かってしまうもの」

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/03/03(日) 04:16:51 ID:xzSCoXYU
春香「え!?千早ちゃん凄いね!」

千早「私が凄いんじゃなくて、春香が駄目なのよ」

春香「ええっ!?へこむなぁ……」

千早「へこむ前に本音に気付きなさい」

春香「そんな事言ったって……」

千早「至極単純なのだけど……まあ、岡目八目と言うから仕方ないかもしれないわね」

春香「どういう事?」

千早「傍で見てるとよく分かるのよ。じゃ、頑張ってね春香」

春香「そんな事言ってないで手伝ってよ?!」

千早「私が手伝える事なんてないし、変に手を出して仲が拗れると嫌だからやめておくわ。おやすみなさい」

春香「待って千早ちゃ??」

春香「切れた……」

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