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サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」

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Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 18:55:48 ID:9Vyo3aQg
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』
 2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』
 3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』の続きです
・ほんのりとしたネタバレあり

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 18:56:54 ID:9Vyo3aQg
ーー真夜中、男子寮
エレン「……zzz」グーグー
アルミン「……zzz」スヤスヤ
ベルトルト「……zzz」スースー
ライナー「……」
ライナー(……)
ライナー(……眠れん)ゴロン
ライナー(明日は座学の試験があるんだが)
ライナー(こうしているぐらいなら机に向かったほうが……いやしかし、横になっているだけである程度は疲れは取れると聞くしな……)
ライナー(どうしたものか……)ゴロン
ライナー(……)
ミカサ「……」
ライナー「……」

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 18:57:46 ID:9Vyo3aQg
ライナー(やっぱり、無理矢理にでも寝たほうがいいな)フッ
ライナー(天井にミカサが張りついているように見えるなんて、どう考えても疲れてる)
ミカサ「やっほーらいにゃー」フリフリ
ライナー「」
ミカサ「ミカサだにゃんっ☆彡」POSE
ライナー「」PAUSE

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 18:58:57 ID:9Vyo3aQg
ミカサ「……深夜のテンションについて来られない男は最低」チッ
ライナー「………………悪い」
ミカサ「許そう」キリッ
ミカサ「……ところでライナー、この前はサシャと食事に行ってくれてありがとう」
ミカサ「あなたたちのおかげで、私はあの後チーハンではしゃぐエレンと、未知の氷菓子に目を輝かせるアルミンを見られた。これも、あなたとサシャのおかげ」
ミカサ「だから、私からの贈り物を受け取ってほしい」ドサッ
ライナー「」ビクッ
ライナー「で、でかいな……なんだこれは? 毛布を紐で縛ってきたのか?」マジマジ
ミカサ「紐じゃなくてリボン。因みにそのラッピングの仕方はジャパニーズ・トラディショナル・スマキという。これも古来から伝わるニンジャの技」エッヘン
ライナー「また適当なことを……それで、これは一体なんなんだ」
ミカサ「ほどけばわかる。それと、ナマモノだから早めに処理した方がいい」
ライナー「こんなにでかいナマモノって……獣でも狩ってきたの…………か……?」パラッ
サシャ「……zzz」スヤスヤ
ライナー「」

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 18:59:33 ID:9Vyo3aQg
ライナー「ミカサ。……お前が今、俺のベッドの上に下ろした物体はなんだ?」
ミカサ「おねんねしているサシャです! 女子寮にちょうどいい頃合いの物があったので、つい!」テヘペロ
ライナー「ミカサ……連れてきたのか……? 何故だ……何故サシャを連れてきた……?」
ミカサ「……目が覚めてしまっては元も子もないので……今連れてくるべきだと判断しました」キリッ
ライナー「……。……イヤ……わからんな。何故お前はサシャを連れてきた?」
ミカサ「……? ……それは……なにゆえ人は愛を求めるのかという話でしょうか?」キョトン
ライナー「俺は真面目に聞いているんだがな」
ミカサ「深夜のテンションに」
ライナー「それはもういい」


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:00:12 ID:9Vyo3aQg
ミカサ「じゃあ、真面目に答えよう。ーー最近、サシャを芋女と呼ぶ人が減ってきている」
ライナー「そうは思えないが……ジャンやユミルはまだそのあだ名で呼んでいるだろう?」
ミカサ「でも、ごく一部。現在は『食べる仕草がとってもかわいい』と陰で密かに人気が出ている」
ミカサ「邪な下心ありきで、サシャに自分のご飯を分け与える人間もいるくらい。ーー何故かわかる? ライナー」
ライナー「さあな。俺には検討もつかん」
ミカサ「サシャを芋女から女の子に変えたのはあなた。それを途中で放り出すのは、私は感心しない」
ライナー「……つまり、責任を取れと?」
ミカサ「いいえ。私は無理強いはしない。でも、状況は適宜作る。それをどうするのかはあなたが決めること」
ライナー「……そもそも、お前がサシャのことに一生懸命になる理由がないだろう? ミカサ」

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:00:51 ID:9Vyo3aQg
ミカサ「ある。ーー大切なものは、大事にしているだけでは意味がない」
ミカサ「もちろん、壊れないように大切にしまっておくのも悪くはない。でも、それ『だけ』にこだわるのもよくない」
ミカサ「大事にしておくだけでは……後で、きっと後悔する。その大切なものは、いつ手からこぼれ落ちていってしまうかわからないから」
ミカサ「そして、その後悔は……心が凍えそうなほど、苦しい」
ミカサ「その苦しみや痛みを、友だちには味あわせたくない。ーーそう思うのは、別におかしいことじゃないでしょう?」

8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:01:37 ID:9Vyo3aQg
ライナー「……意外だな。お前がそこまで考えているとは」
ライナー「ミカサはエレンやアルミンのことしか眼中にないのか思っていたが……謝る。すまん」
ミカサ「別にその認識は間違ってはいない。ので、謝罪は特にいらない」
ミカサ「さて……そろそろ私は任務、もとい忍務に移る」ニンニン
ミカサ「これからエレンとの妄想、もとい瞑想に入らなくてはならないので、私はとても忙しい」
ミカサ「今日のシチュエーションは、悪漢に襲われた私を華麗に助け出したエレンが黒幕にボコボコにされて、それを私が助けるというもの」
ライナー「前半はいらないんじゃないか?」
ミカサ「エレンが私を助けに来てくれたという事実が大事」キリッ
ミカサ「この妄想を生み出すにあたって、この前の二人の話が非常に役に立った。感謝している」
ミカサ「というわけで毛布は回収する。あとリボンも」シュッ

9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:02:13 ID:9Vyo3aQg
ライナー「……………………おい、ミカサ」
ミカサ「何? そんな風に手で両目を隠しながら睨まれても、この毛布は渡せない。これは悪漢兼黒幕役。とても重要な役割」
ライナー「違う。……サシャのこの姿はお前がやったのか?」
ミカサ「そんな過激な贈り物はしない。たぶんそんな格好をしている理由は、最近暑くなってきたから」
ライナー「……サシャはいつも下着姿で寝ているのか?」
ミカサ「ノンノン。それはシャツとぱんつ。ブラジャーはナッシング。なので、厳密には下着姿ではない」チッチッチッ
ライナー「…………朝までこうしておくつもりか…………?」
ミカサ「後で回収しに来る」
ライナー「後でっていつだ」
ミカサ「今日中であることは保証する。心配いらない」

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:02:55 ID:9Vyo3aQg
ライナー「待て……待ってくれミカサ、せめて俺の毛布をサシャにかけていってくれないか、頼む」
ミカサ「お母さんが言っていた……据え膳食わぬは男の恥と」
ライナー「ミカサ、頼むから俺の話を聞いてくれ。頼むから」
ミカサ「邪魔をするなんて無粋な真似はしない。ので、ごゆっくりどうぞ」
ライナー「いや、全然邪魔じゃない。だから毛布をサシャに」
ミカサ「天の道を往き、総てを司る女。それが私、ミカサ・アッカーマン」ウインク バチコーン!!☆
ライナー「ミカサ、なあ、俺たちは仲間だろ? 頼む……!」
ミカサ「違う。仲間ではない」チッチッチッ
ミカサ「私たちは……ズッ友///」サムズアップ
                                 \シュッ/
ライナー「」

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:03:32 ID:9Vyo3aQg
ライナー(ど、どうする……!? どうすりゃいいんだこの状況……!!)
ライナー(据え膳食わねば男の恥だと……? 簡単に言ってくれるな、あいつは……!)
ライナー(ミカサの場合は、見つかったとしても寮に逃げこめば済む話だ……だが、俺の場合は逃げ場がない!)
ライナー(俺がここから抜け出して、他の場所に行ったとしても……サシャをこのままここに置いていって、もし誰かに見つかったら……俺が一番先に怪しまれる……!)
ライナー(ミカサと同じように、女子寮に侵入するか……? いや、あいつは規格外だ、真似なんかできん!)
ライナー(もうどうしようも……いや、思考を止めるな! 考えろ考えろ考えろ!!)
ライナー(こんなところが見つかったら……営倉行きはどうやったって免れんぞ……!)
サシャ「……へくちっ」プルッ
ライナー「」ビクッ

12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:04:26 ID:9Vyo3aQg
ライナー(いや、俺のことはどうでもいい……後でどうとでもなる……!)
ライナー(今は目の前のサシャをどうにかすることが最優先だ……!)
ライナー(取り敢えず……俺の毛布をかけておこう)
ライナー(くそ……っ! 目を閉じたままだと位置がわかりづらいが……)
ライナー(この辺、か……?)パサッ
サシャ「……」ムニャムニャ
ライナー(よし……よっし! やったぞ! 俺はやったぞ!)グッ
ライナー(足の先が少し出ているが、顔はちゃんと隠れている! それでいい……その位置がものすごくいいッ!)
ライナー(そして、見えないということは……いないことと同じだ……!)
ライナー(更に俺が壁の方を見てしまえば……よしっ、完璧だ!)ゴロン
ライナー(さっさと寝てしまおう……これは、悪い夢だったと思ったほうがいい)
ライナー(そもそも、寝ている女に手を出すなんてことできないしな……)

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:05:26 ID:9Vyo3aQg
ーー サシャの夢
    \カシパンガアラワレタゾー!/   \キャー!/   \タスケテー!!/
サシャ「待ちなさぁーい!!」
    \......アッ、アレハ!/    \モシカシテ!/   \マチガイナイ...サシャ!/
サシャ「ーー 一つ! 人々の健康を脅かす!」
サシャ「ーー 二つ! 不埒なパァンを成敗!」
サシャ「ーー 三つ! 未知なる味を求めて!」
サシャ「ーー 四つ! 世の果てまで突き進む!」
サシャ「ーー 五つ! いつでも受けて立ちましょう!!」ビシッ
サシャ「さあ、ランチタイムです! ーー訓練兵団随一の私の食欲……とくと味あわせてあげましょう! というわけでいただきます!」クワッ

14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:06:30 ID:9Vyo3aQg
サシャ「……」ギュッ
ライナー「」ビクッ
ライナー(何故……何故俺のシャツを引っ張っている……! お前には毛布をやっただろう! やっただろう!!)
サシャ「……………………ん~……」グリグリ
ライナー「」
ライナー(ぐ、ぐりぐり……だと……?)
ライナー(待て待て待て待て、感情に流されるな……状況を冷静に把握しろ……!)
ライナー(これはそう……背中に頭をこすりつけられているだけだ……!)
ライナー(たかが頭だ……! 生物全てに生えてるものだ……そう、巨人にだって生えてる……!)
ライナー(つまり、何も興奮する要素はない! 断じてない! そうだ! 頭がないと困るからな!)

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:07:16 ID:9Vyo3aQg
ーー サシャの夢
サシャ「……ふっ。たかがパァン風情が、この私に勝てると思ったんですか?」フーッ
   \アリガトー!/   \アリガトー/   \アリガトーサシャー!/
                              \...ズズーン!/
サシャ「この地鳴りは……!?」
サシャ「あれは……あの壁の向こうに見えるのは、超大型パァン……!?」ゴクッ...
サシャ「ふふふふふ……相手にとって不足なしです! 負けませんよー!」イタダキマス!

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/07/01(月) 19:08:02 ID:9Vyo3aQg
ライナー(きっと……一人の男としては、ミカサの言ったとおりに戦うべきなんだろうな……)フッ...
ライナー(だが悪いな、ベルトルト……今だけは、俺は戦士ではなく兵士の道を選ぶ!)ギリッ
サシャ「……おっきなくりぃむパァン……むふふ……ちゅっちゅくちゅい」ムニュニュッ
ライナー「」コウチョク
ライナー(背中に当たっているのは……なんだ……?)
ライナー(この柔らかさは……二つ……? 頭から低い位置に、二つ……だと……?)
ライナー(違う違う、これはきっと毛布に違いない……いや待て毛布!? 毛布を間に挟んでこの感触だと!?)
ライナー(しかもこうやって押し当たるということは、確実に……いやいややめろやめろ!! やめろ!! 想像するな!! 静まれ俺の戦士……!!)
ライナー(どうせ脂肪の塊だ……それが胸に二つついているだけなんだ……!)
ライナー(気づいていたはずだ……これは身体の一部でしかないって……そう、手や足と同じだ。メスの馬にだってついてる……生物として当然の器官だ……!)
ライナー(静まれ……静まりたまえ……!)ギリッ!

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