2chまとめサイトモバイル

サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク
Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:44:45 ID:LAy1mCRg
・前作『サシャ「キスの味、私に教えてください」』の続編です
・キャラ崩壊というか展開に注意
・ネタバレほんわかとあり

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:45:17 ID:LAy1mCRg
ライナー(あれから何度か、サシャがキスをねだってくるようになった)
ライナー(誰もいない場所と時間帯を、よくもまああんなに狙い打てるもんだと感心する)
ライナー(ただ、十七センチという身長差は、キスをするには少し遠い距離だ)
ライナー(だから、最近は俺が何かに腰掛けて、膝の上にサシャが乗るという体勢に自然になっていた)
ライナー(ぎくしゃくした動きで「……失礼します」と顔を耳まで真っ赤にして座るくせに)
ライナー(いざキスをするとなると、貪りつくように舌を絡めてくる)
ライナー(そんな態度に振り回されていた、ある日のことだった)

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:46:18 ID:LAy1mCRg
ーー夜、とある物陰
ライナー「……おい、そろそろ離れろ。人が来るぞ」
サシャ「まだ大丈夫ですよ」
ライナー「お前なあ……あーもういい。好きにしろ」
サシャ「やったー……」
サシャ(あ、鎖骨に汗が……)
サシャ(そっか、まだお風呂入ってないですもんね)
サシャ(サラサラした汗ですね……お肉の脂とは違った滴り方です)
サシャ(……お肉…………骨付き肉……?)
サシャ(おいしそうーー)
ぱくっ

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:46:57 ID:LAy1mCRg
ライナー「ーー!?」 ドンッ!
サシャ「いたっ!」ドサッ
ライナー「! ーーわっ、悪い、突き飛ばしちまったが大丈夫か? 手は捻ってないか?」
サシャ「いえ、私こそすみません……変なことしてしまいました」
ライナー「いや、俺のほうが悪い。突然で手加減できなかった。本当に大丈夫か?」
サシャ「大丈夫ですから。本当に。大丈夫です。すみません」
ライナー「サシャ、」
サシャ「今日はここまでにしましょう。ね?」ニコッ
ライナー「……ああ」

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:47:44 ID:LAy1mCRg
ーー夜、女子寮
サシャ「……」
クリスタ「んにゃ……さしゃー? あかりけしてからねてねー……zzz」
サシャ「あっ、はい……わかりました」フッ
サシャ「……」モゾモゾ
サシャ「……」
サシャ(突き飛ばされたところが、痛い……)ズキッ
サシャ(あれ、全力でしたよね……)
サシャ(やっぱり、嫌だったんでしょうか)
サシャ(……当然ですよね。今まで付き合ってもらえたことのほうが奇跡です)
サシャ(そもそも、最初の私の動機からして不純でしたし)
サシャ(……そうでした、最初は誰でもよかったんです。そうでした)
サシャ(それで、ライナーは、いい人ですから……それに甘えさせてもらっていただけです)


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:48:41 ID:LAy1mCRg
サシャ(いつも、自分の怪我より他人の怪我の心配をして)
サシャ(……そうですそうです、ライナーは優しい人なんです)
サシャ(女の子扱いされて、ちょっと浮かれていただけです。それだけです)
サシャ(そうですよ、なんともありませんよこんなの)
サシャ(ライナーなんて……)ズキッ
サシャ(…………違いますよ、これは)ズキズキ
サシャ(胸が痛いんじゃありません、おなかが痛いんですよ)ズキズキ
サシャ(明日ご飯を食べたら治るに決まってるんです。きっとそうです)ズキズキ
サシャ(だから全然痛くないんです。大丈夫です。大丈夫……)ズキズキ

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:49:29 ID:LAy1mCRg
サシャ(その夜は、泣かないようにと強く噛んでいた下唇がずっと痛くて)
サシャ(寝返りを打つ度に、全力で拒否されたことを思い出して)
サシャ(突き飛ばされた胸が、まだ痛いような気がして)
サシャ(これは空腹の痛みだと、自分を誤魔化すことに必死で)
サシャ(そういうことを繰り返しているうちに、いつの間にか夜が明けていてーー)

8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:50:11 ID:LAy1mCRg
ーー朝、女子寮
サシャ(……)
サシャ(……ああ、最悪です)
サシャ(結局、眠れませんでした……)ギュッ
クリスタ「さしゃー? ごはんだよー?」ウツラウツラ
サシャ「……起きたくありません」
ユミル「寝かせておけよ、芋女なんてさー」アクビ
クリスタ「さしゃってばー? ごはんはー?」ウツラウツラ
サシャ「……いりません」
クリスタ「そっかー、じゃあさきにいってるねぇー?」ウツラウツラ
ユミル「だよなー、今日休みだしなー」アクビ
サシャ(……)ズキズキ
サシャ(……なんで、まだ痛いんでしょう……)ズキズキ

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:50:58 ID:znMhuJkY
サシャがジッパー使って食料をあれこれするのかと思いきやあの人か
期待ィッ!

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:51:30 ID:LAy1mCRg
ーー朝、食堂
エレン「おはようクリスタ、ユミル。結構遅かったなー」
クリスタ「うん、おはようえれん……」ウツラウツラ
ユミル「ミカサとアルミンは?」アクビ
エレン「それが、朝から二人とも見ないんだよな。ところでサシャはまだ寝てるのか?」
クリスタ「うん、ごはんたべたくないんだってー」ウツラウツラ
ユミル「ああ、まあ今日休みだしなー」アクビ
エレン「へー、サシャがメシ抜きでいいなんて珍しいな」
クリスタ「……?」
ユミル「……?」
クリスタ・ユミル「……!?」ガタッ

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:52:04 ID:LAy1mCRg
クリスタ「そうだよ……サシャがご飯抜きでいいだなんて……! どうしよう病気かも! 伝染病かも! 死んだらどうしよう!!」ガタガタガタガタ
ユミル「おおおおおお落ち着けクリスタ、まずは深呼吸三回だ、それで世界は平和になる!」アタフタアタフタ
エレン「……お前らちょっと落ち着けよ」
クリスタ「エレンはサシャのことなんかどうでもいいって言うの!?」クワッ!
ユミル「お前最低だな!」クワッ!
エレン「あーあーわかった。わかったから目を覚ませ」

12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:52:47 ID:LAy1mCRg
ーー 十分後
ユミル「よく考えたらメシ持って行ってやればいいんだよなー」モグモグ
クリスタ「だよねー」モグモグ
エレン(なんだこいつらのテンション……)
エレン「あ、そうだ。俺ライナーに頼まれてたんだった」
クリスタ「お使い?」
エレン「ああ。サシャを見かけたら教えてくれって言われてたんだよ」
ユミル「……へーえ?」ニヤリ
エレン「というわけでちょっと行ってくる」ガタッ
ユミル「……待ちなエレン。ついでに私からの伝言も言付かってくれよ」
エレン「俺はメッセンジャーじゃないんだが……まあいいや。なんて伝えればいいんだ?」
ユミル「『面会したいなら十二時まで』、だ。ライナーならそれでわかるだろ」
エレン「? わかったよ」スタスタ

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:53:30 ID:LAy1mCRg
クリスタ「……どういうこと?」キョトン
ユミル「今日は午後から出かけるんだろ? 午後は女子寮に入る手引きしてやれないからな」モグモグ
ユミル「さーて、ライナーはどんな顔で頼みに来るかな」ククク...
クリスタ「ねえユミル。一生懸命悪い顔しようとしてるのはわかるけど」
クリスタ「なんだか楽しそうだよ?」
ユミル「そりゃあこんなに楽しいイベントはそうそうないからねぇ」ニヤニヤ
クリスタ(……なんだかんだ言って、ユミルもサシャのこと考えてるんだよね)クスッ
ユミル「ん? 今笑わなかったか? クリスタ」
クリスタ「んーん。全然」フルフル

14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:54:32 ID:LAy1mCRg
ーー昼、女子寮
ユミル「無事に入れてよかったねえ王子様。女の花園へようこそ」ニヤニヤ
ライナー「手引きには感謝しているが……このトレイはなんだ?」
ユミル「芋女の朝メシと昼メシだよ。それを持ってきたって言えば体裁つくだろ?」ニヤニヤ
ユミル「トレイはその辺の机の上に置いておけばいい。因みに一番散らかってる机が芋女のだからな?」ニヤニヤ
ユミル「まっ、私はクリスタと食堂にいるからさ。終わったら声かけてくれ」ニヤニヤ
ユミル「それと、誰もいないからっておっぱじめたりすんなよ?」ニヤニヤ
ライナー「それはない。あいつは味にしか興味がないらしいからな」
ユミル「…………はぁ? 味ぃ? あんた干物だったのか?」
ライナー「どうやら肉らしいぞ。サシャによれば」

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:55:16 ID:LAy1mCRg
ユミル「……あんたも大変だなライナー」
ライナー「いや、これくらいの関係でいいんだ。あまり深入りしすぎても、な」
ユミル(……ディープキスは深くねーのか? ってツッコミはしないほうがいいんだろうな)
ユミル「あっそ。……じゃ、ごゆっくり」ヒラヒラ
クリスタ「どうしたのユミル? 変な顔して」
ユミル「……あいつらの行動原理が、私にはわからん」
クリスタ「?」

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:55:56 ID:LAy1mCRg
サシャ(今、何時でしょう……)グー
サシャ(おなか空きました……)クスン
サシャ(外の光も眩しくなってきましたし……)ゴロン
サシャ(でも……)モゾモゾ
     ...バタンッ  コツコツコツ...
サシャ(……? ユミルでしょうか)
サシャ(それにしては、歩幅が広いような……というか、ちょっと重いような……?)
サシャ(あれ……この足音、どこかで聞いた覚えがーー)
                   ギシッ...

17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:57:25 ID:LAy1mCRg
サシャ(!?)
サシャ(ベッドの上に、誰か座ってる……?)
サシャ(え? え?? 誰ですか??)
「ーーサシャ、起きてるか?」
サシャ(~~~!!)
サシャ(み、耳の上……!? く、くすぐったい……)
サシャ(というか、この声って……)
「ーー午後は立体機動の訓練場にいる」
「ーーじゃあな」
       ...ギシッ   コツコツコツ...
     ...バタンッ

18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:58:05 ID:LAy1mCRg
サシャ「……」
サシャ「……」
サシャ「……」

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:58:41 ID:LAy1mCRg
サシャ「……」ムクリ
サシャ「……」
サシャ「…………いま…………」
     ...ガチャッ
サシャ「!!」ビクッ!!

20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 19:59:19 ID:LAy1mCRg
クリスタ「あー! サシャ起きたの? おはよう!」
ユミル「やーっと起きたか。もう昼だぞ?」
サシャ「あ……あの、おはようございます」
サシャ「えっと……いま……」
サシャ「今、誰か……来ませんでしたか……?」
クリスタ「? ライナーとお話ししたんじゃないの?」キョトン
サシャ「……!!」
サシャ「ライナーがいたんですか? なんで?」
クリスタ「ご飯持ってきてくれたんだよ、ほら」ユビサシ
サシャ「…………じゃあ、さっきのは」
サシャ(夢じゃなかったんですね……)


21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:00:02 ID:LAy1mCRg
ユミル「どうしたー? 変な顔してるな?」ニヤニヤ
サシャ「あ、いえ……そんなことは……」
サシャ「……」
ユミル「ーーていうかいつの話してんだよ? あいつが来たのもう一時間も前だぞ?」
サシャ「……え?」
サシャ(ということは、あの後私寝ちゃったんですか……?)
サシャ(……)
クリスタ「サシャ? どうしたの?」
サシャ「ちょっと出かけてきます!」バサッ
ユミル「着替えくらいしてけよー。あと顔も洗えー」
サシャ「わかってますよぅ!」ヌギヌギ

22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:00:48 ID:LAy1mCRg
サシャ「えーっと……えーっと! そうだ髪、髪直さなきゃ……!」バタバタ テキパキ
サシャ「服着て……髪結って……顔は行きがけに洗うとして……よしっ!」
サシャ「じゃあ行ってきます!」バッ!!
ユミル「敬礼してないで早く行けよ」ニヤニヤ
サシャ「あっ……そ、そうですね……」カアアアアア
サシャ(……そうだ)
サシャ「えっと……これをこうして……」シュッシュッ
サシャ「よしっ、じゃあ行ってきます!」
クリスタ「いってらっしゃーい」フリフリ
ユミル「狼に気をつけろよー」ニヤニヤ

23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:01:24 ID:LAy1mCRg
ユミル「あー面白かった。飽きないなーああいうの見てると」マンゾク
クリスタ「……ふふっ、ユミルも意外と優しいところあるよね」ニコニコ
ユミル「はあ? 私が? なんで?」
クリスタ「だって、サシャが起きるまで待とうって提案したのはユミルだよ?」
ユミル「いやいや、そりゃ買いかぶりだよクリスタ。私はあいつが慌てふためく様を見たかっただけだって」
クリスタ「……じゃあ、そういうことにしといてあげる」クスッ

24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:02:10 ID:LAy1mCRg
ユミル「ったく……ところで芋女、香水なんて持ってたのか? 確かかなりの高級品だろ?」ヒョイッ
クリスタ「はじめて一緒に町に行ったとき、一番最初に買ってたよ。ご飯抜きの時に匂い嗅ぐんだって」
ユミル「……理由が芋女らしいな。色気が全くねえ」キュッ クンカクンカ
ユミル「ってか甘ったるっ! なんだぁこの匂い?」
クリスタ「ハチミツの匂いなんだって」
ユミル「……あいつは熊でも狩りに行く気なのか?」
クリスタ「? どうして熊なの? ユミル」
ユミル「いや、童話であっただろ? くまの……くまのナンタラさん」
クリスタ「ナンタラー?」キョトン
ユミル「……まあいいや。遅くなったけど私たちも出るぞ」
クリスタ「はーい。じゃあ準備するねー」トテトテ

25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:02:51 ID:LAy1mCRg
ーー昼、教官室
サシャ「すみません! 立体機動の練習したいので許可ください! 許可!!」バンッ
モブ教官「おっ、ブラウス熱心だなー、上位者たちは休日返上で偉いな。うんうん」
サシャ「た、たち? たちってことは、私以外にもいるんですよね!?」
モブ教官「ああ。ライナー・ブラウンが結構前に来たな。他にもーー」
サシャ「ありがとうございます! それじゃっ!」ダダダダダ
モブ教官「お、おお……? やる気満々だな……」
モブ教官「それにしても、今期の訓練生は自主練習する奴が多くていいなぁ。感心感心」ハッハッハ

26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:03:27 ID:LAy1mCRg
ーー昼、立体機動訓練場
サシャ(勢いでここまで来てしまいましたが……)キョロキョロ
サシャ(私、何しにここまで来たんでしょう)
サシャ(まずは謝って……それで、許してもらえなかったら……)
サシャ(……)
サシャ(……いえ、悩んでるのは性に合いません)グッ
サシャ(取り敢えずライナーを探しましょう)タタタタタ....

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/06/28(金) 20:04:21 ID:LAy1mCRg
サシャ「つ、疲れた……」フラフラ
サシャ「そういえば、お昼も朝も抜きでしたぁ……」フラフラ
サシャ(でも、これ以上ライナーを待たせるわけには……あっ)ガッ
サシャ「あいたぁっ!」 ベチャッ
サシャ「うう……転んじゃいました……泥だらけぇ……」ウツブセ
サシャ(……)
サシャ(……帰りましょう、か……)
サシャ(そもそも、合わせる顔がないですよね……)グスッ
サシャ(でも、起き上がるのが億劫です……)
「ーーサシャ?」
サシャ「……」

ショートストーリーの人気記事

神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!

女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」

キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」

魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」

男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」

同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」

妹「マニュアルで恋します!」

きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」

月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」

彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」