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サシャ「キスの味、私に教えてください」

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Part2
17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:32:17 ID:xZ0u7r/Y
ライナー「サシャ……ちょっとこっち来て頭下げろ」
サシャ「ひっく……はい、なんでしょう……?」
ライナー「よし」 ナデナデ
サシャ「……? あの、ライナー……何をしてるんですか?」
ライナー「頭を撫でてる」
サシャ「私、子どもじゃありませんよ?」
ライナー「わかってるよ。……落ち着いたか?」
サシャ「あ……はい。落ち着きました」
ライナー「そうか。ならいい」
サシャ「……ライナーったら、なんだかお父さんみたいですね。安心します」クスッ
ライナー「……それはちょっと傷つくな」
サシャ「えっ? ……ああいや、そうじゃなくて、手が大きいので、その……頼もしいというか」
ライナー「だったら兄貴くらいにしておいてくれ。俺は繊細なんでな」
サシャ「あはは、すみません。……じゃあ、ライナーお兄ちゃん?」
ライナー「…………そうやって改めて言われるとむず痒いな」

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:32:49 ID:xZ0u7r/Y
サシャ「ええ? じゃあどうしろって言うんですか……」むうっ
ライナー「そうだな……何か悩みとかないか? サシャ」
サシャ「悩みですか?」
ライナー「ああ。朝からエレンやクリスタが心配してたぞ? 今日のサシャは様子がおかしいってな」
ライナー「何か悩みがあるなら言ってみろ」
サシャ「……いいんですか?」
ライナー「兄貴みたいなんだろ? 遠慮なく言え」
サシャ「えっと、それじゃーー」
サシャ「ーーキスの味、私に教えてください」

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:32:59 ID:9c3P/njs
サシャも女の子なんだな

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:33:32 ID:xZ0u7r/Y
ライナー「…………ん?」
ライナー「悪い、まだ調子が悪いみたいだ。もう一回言ってくれるか?」
サシャ「いいですよ。ええと、『キスの味、私に教えてください』」
ライナー「………………………………」
サシャ「ライナー? 顔色が悪いですけど大丈夫ですか? 汗もすごいですよ? やっぱり誰か呼んできます?」
ライナー「……………………………………いくつか、確認したい」
サシャ「? はい、どうぞ」キョトン

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:34:08 ID:xZ0u7r/Y
ライナー「どうして俺なんだ? 例えば……お前、コニーと仲いいだろう?」
サシャ「え? 仲がいいと味が変わるんですか?」
ライナー「あ、味? ……味ぃ?」
サシャ「ええ。コニーはちょっと鶏肉っぽいから今回はパスしたんですよ」
ライナー「……は?」
サシャ「だから、同期の中で一番おいしそうだったのがライナーだったんですってば」
ライナー「おいしそうって何がだ」
サシャ「キスの味です」
ライナー「…………キスをしたい理由は、それだけか?」
サシャ「そうですけど?」クビカシゲ


22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:34:41 ID:xZ0u7r/Y
ライナー「……」
サシャ「どうしましたライナー? 頭が痛いんですか? 医務室行きますか?」
ライナー「いや、別の意味で痛いというか……なあサシャ、お前俺のこと好きか?」
サシャ「ええ、まあ一応」
ライナー「じゃあ、パンを持ったベルトルトと持っていない俺ならどっちが好きだ?」
サシャ「ベルトルトですかね」
ライナー「だよな……」ハァ...

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:35:12 ID:xZ0u7r/Y
ライナー「あのなサシャ。キスっていうのは好きあってる者同士がやるもんだ、だからな……」
サシャ「え? ライナーは私のこと嫌いなんですか?」ジワァ...
ライナー「あ、いや、そういうわけじゃないが……」
サシャ「じゃあ問題ありませんね!」ニコッ
ライナー「ちょっ……いやあるっ! 大いにあるっ! 俺には好きな奴がいるんだ!」
サシャ「私もいますよ? おあいこです」
ライナー「は!? は!??」
サシャ「クリスタもユミルもアニもライナーもベルトルトもエレンもミカサもアルミンもコニーも……みんな大好きです!」
ライナー「ああー……うん。知ってた」

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:36:26 ID:xZ0u7r/Y
ライナー「でもなサシャ、俺みたいな男が最初だなんて、将来絶対後悔するぞ?」
サシャ「そんなのわかりませんよ? 私はどうせ同期も蔑む芋女ですからね。これが最後の機会かもしれませんし」
ライナー「いや、そんなことないだろう。お前、顔は綺麗なほうじゃないか」
サシャ「あはは、気を遣ってくれてありがとうございます。お世辞でも嬉しいですよ」
ライナー「……」
サシャ「……あはは」
サシャ(……あれ? なんかライナー、怒っているような……?)
サシャ「あの、ライナー……?」
ライナー「……」ムクリ

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:37:09 ID:xZ0u7r/Y
サシャ「ちょっ、もう大丈夫なんですか? もう少し休んでいたほうが、」
ライナー「あまり自分を卑下するな、サシャ」 ナデナデ
ライナー「お前は……食欲に関してだけだが、目的を果たそうとする意識はとても高いじゃないか」
ライナー「そういうところ、俺は尊敬している」 ポンポン
サシャ(頭撫でられてぽんぽん叩かれました……///)
サシャ「…………えっと、その……ありがとうございます」
ライナー「だから俺は……今回だけ、お前の気持ちに答えてやろうと思う」
ライナー「志半ばで諦めるのは、辛いことだからな」
ライナー「おっと、後から教官に言いつけたりするなよ? 誘ってきたのはあくまでお前のほうなんだから」
サシャ「で、でもまだ顔色悪いですよ? 寝てたままのほうが楽なんじゃーー」
ライナー「あのな、サシャ」
ライナー「ーーこういう時に男が寝っ転がったままだと、格好がつかないだろう?」

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:37:55 ID:xZ0u7r/Y
ミカサ「そして二人は唇を重ねた。正確ではないけれど、だいたい一分二十五秒ほどだったと思う。あれは確実に舌を入れていた。俗に言うディープキスに違いない」
エレン「ふーん」
アルミン「あの……ミカサ、質問していいかな」
ミカサ「もちろん構わない」
エレン「お前そんなところで何してたんだ」
アルミン「いやそうじゃなくて、まあそっちもなんだけど」
ミカサ「エレンを縛るための麻縄を補充しに行っていた」
アルミン「そんなことだろうと思ったよ。……ってそうじゃなくてさミカサ、なんでそんな話を急にしたの?」
ミカサ「私とエレンとアルミンは家族。だから隠し事はしたくない」
アルミン「うんありがとう。その心がけはとっても嬉しいよ」
アルミン「僕が言いたいのはさ、どうして食堂にみんなが集まってるときにこんな話したのっていう意味なんだけど」
食堂    シーン ・ ・ ・

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:38:55 ID:xZ0u7r/Y
ミカサ「私は、私が知り得た情報のすべてを一刻も早く伝えなければならないと思った」
ミカサ「ので、今話した。今日の昼食と夕食は、三人揃わないから」
アルミン「ああそう……」
アルミン(まずいよ……ライナーがすごい顔でこっち見てるよ……)
アルミン(サシャがいないことが救いといえば救いだけど……いや救いじゃないよね? これ違うよね? 大ピンチだよね??)
アルミン(こんなところにサシャが入ってきたら、誰に何を言われるかわかったもんじゃーー)
サシャ「おっはよーございまーす♪」
食堂    ビクッ!!

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:39:08 ID:SVc22aqI
やっちまったなぁ!

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:39:36 ID:xZ0u7r/Y
サシャ「あれ? みなさん静かですね? 何かあったんですか?」
ライナー「……」ガタッ
ベルトルト「ライナー……」
サシャ「今日はお芋さんのスープでしたよね? 楽しみだな~♪」
ライナー「サシャ、ちょっと来い」グイッ
サシャ「えっ、でも今日の朝ご飯……」
ライナー「いいから」
サシャ「そんなぁ……ご飯抜きですかぁ?」
ライナー「……パンだけもらってこい。外に行こう」
サシャ「もう、わかりましたよう。腕放してください、痛いです」
ライナー「あ、ああ、すまん」パッ
サシャ「? ……じゃあ取ってきますねー」トテトテ

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:40:15 ID:9c3P/njs
サシャとホモ兄貴はミカサに気がつかなかったのが不思議だ

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:40:23 ID:xZ0u7r/Y
モブ兵「やっぱり芋女だよな……あいつ」ボソッ
ライナー「……」ギロッ
モブ兵「ひっ」ビクッ
サシャ「取ってきましたよライナー」
ライナー「……ああ、先に行っててくれ。すぐに追いつく」
サシャ「もう、忙しいですねぇ……ではお先に失礼しますね」トコトコ バタンッ
モブ兵「な、なぁライナー……」
ライナー「……昨日のことについて、これ以上追求する奴は俺が容赦しない。サシャにも聞こうとするな」
ライナー「……わかったな」 バタンッ
食堂    シーン ・ ・ ・

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:40:55 ID:xZ0u7r/Y
アルミン「……ミカサ、後でライナーとサシャに謝りに行こうね。僕もついて行ってあげるから」
ミカサ「よくわからないけど、アルミンが言うならそうする」
アルミン(わかってよ……)ハァ
ミカサ「でも、二人は好きあっているんじゃないの? だったら隠す必要もないと、私は思う」
アルミン(そこからか……)ガックシ

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:41:32 ID:xZ0u7r/Y
サシャ「ライナー、どうしたんですか? 顔色悪いですよ? まだ具合が悪いんですか?」モグモグ
ライナー「まずいことになった」
サシャ「おいしくないのはよくないことですね」モグモグ
ライナー「真面目に聞け。……昨日の夜、ミカサが一部始終見ていたらしい」
サシャ「はあ」モグモグ
ライナー「それを今朝、みんなにバラしてしまった。一応釘は刺しておいたが……訓練生全員に広まるのは時間の問題だろう」
サシャ「はあ。それで?」モグモグ
ライナー「それでって……いろいろマズいだろうが」
サシャ「おいしくないのはよくないことですねぇ」モグモグ
ライナー「それはもういい」

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:42:26 ID:xZ0u7r/Y
サシャ「ところでライナー、お芋さんのスープは飲みました?」
ライナー「ん? ……ああ、珍しくうまかったが」
サシャ「ーーじゃあ、今キスしたらベーコンポテト味がするかもしれませんよね?」
ライナー「」
ライナー「……お、おい、嘘だろサシャ」
サシャ「ライナーっ♪」ダキッ
ライナー「ちょっ……くっつくな、人が来たらどうする!」
サシャ「今の時間帯、ここに人は来ませんよ?」
サシャ「だからーー」
サシャ「ーーキスの味、私に教えてくださいっ♪」
おわり

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:43:45 ID:Coj07Wyw
サシャぶれないなあ

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:44:31 ID:9c3P/njs
何かエレン達にもしたら面白いと思う、ので続き書くべき


37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 18:45:23 ID:xZ0u7r/Y
終わりです。読んでくださった方、レスしてくださった方ありがとうございました。
書きためて推敲もしたわりに辻褄あわなかったりしてますが許してください……
かわいいサシャとかっこいいライナーがいっぱい増えたらいいなー

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 19:04:02 ID:Coj07Wyw
面白かった。
次もお願いします。

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 19:20:19 ID:VyU1PjOE
良かったよ。乙

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 19:23:12 ID:upofSNkc
短いけどいい終わり方だった


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