サシャ「隠し味なんてどうでしょう?」
Part3
49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:26:28 ID:VJymVjfI
ミーナ「……エレンがアルミン連れて行っちゃった」
アニ「もう一人連れてってくれたらよかったのに」チラッ
ミカサ「……」ホカホカ
アニ「ねえミカサ。いい加減私の背中にぴったりつくのはやめてくれない? フード被りたいんだけど」
ミカサ「ふむ。なるほど……ならば、私が頭の上に登ればいい?」
アニ「なんでそういう発想になるの。邪魔だからどこか行ってよ」
ミカサ「嫌」
アニ「……今、エレンがアルミンを連れてったんだから一緒に行けばよかったのに」
ミカサ「エレンは仕事中。邪魔をしてはダメ」
アニ「私も仕事中だよ。ついでに言えばあんたも仕事中だ」
ミカサ「私は仕事をしている」
アニ「そうは見えないけど」
ミカサ「アニを暖めている」
アニ「……」イライラ
50 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:27:15 ID:VJymVjfI
ミーナ「ちょっとミカサ、アニを暖めるのは私の仕事だよ?」
ミカサ「アニのマフラーは私で充分。ミーナの入る余地は……ない!!」
アニ「あんたそれでマフラーのつもりだったんだ」
ミーナ「じゃあ私はアニの手袋になる!」ガシッ
アニ「……」
ミカサ「ああっ、寒空の下のフードがこんなにあたたかいなんて……」ホクホク
ミーナ「アニ、雪かきしてた割に手が温かいねー」ムギューッ
アニ「……雪かきできない」
ミカサ「それは大変」
ミーナ「そうだねぇ。困った困った」
アニ「……ねえミーナ。今度のお休みの日、二人で町に行こうか」
ミーナ「わぁっ、アニから誘ってくるなんて珍しいね? 嬉しいけどさ!」
アニ「早いうちにマフラーと手袋を買わないとね」
ミカサ「アニのマフラーは私。だから必要ない」
アニ「私は私の言うことを聞く防寒具が欲しいんだよ。あんたは失格」
51 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:28:02 ID:VJymVjfI
サシャ「アニ! ちょっとお願いしたいことがーーって、三人で何してるんですか?」タタタッ
アニ「……雪かき」ムスッ
ミーナ「サシャもやる? 今なら耳当ての位置が空いてるよ!」
サシャ「いえ、今の私だとアニの耳を食べちゃいそうなのでやめときます。ーーというわけでアニ、何か食べ物持ってませんか? 具体的に言うとハチミツとかハチミツとかハチミツとか」
アニ「ハチミツなら昨日ミーナと二人でお茶に入れて飲んじゃったからもうないよ。ごめん」
サシャ「そうですか……」ショボーン...
ミーナ「あれ? 昨日ので最後だったの? 瓶にちょこっとだけ残ってたよね?」
アニ「ティーセットを洗った時に、ついでだから一緒に洗ったんだよ。残ってたのはヘラで掬って食べた」
ミカサ「後ろにいたので私ももらった」
サシャ「そんな……ずるいですよ! 私にはないんですか!?」
アニ「ないよ」
サシャ「もう瓶の中には残ってないんですか!?」
ミカサ「ない」
サシャ「うううっ、そうですか……」ショボーン...
52 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:29:31 ID:VJymVjfI
ライナー(サシャの奴、腹が減ったからって手当たり次第に声をかけてるんじゃないだろうな……?)
ライナー「……」チラチラ
ベルトルト「見過ぎだよ、ライナー」ハァ
ライナー「なっ、何のことだ? 心当たりがないな」ギクシャク
ベルトルト「僕じゃなくたってわかるくらいだよ」
ライナー「……ならお前だってそうだろ」
ベルトルト「えっ? さっ、さあ、何のことやら」ギクッ
ライナー「なあベルトルト。……女子って密着度が高いよな」
ベルトルト「そうだね。男子が同じことしたらすぐ気持ち悪いとか言われるのにね」
ライナー「理不尽だよな。男のほうが脂肪の量が少ないんだから、ずっと寒いはずなのによ」
ベルトルト「えっ、ライナーは男同士でくっつきたいの……?」ササッ
ライナー「本気に取るな」
53 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:30:45 ID:VJymVjfI
ベルトルト「……」ゼエハア
ライナー「……」ゼエハア
ベルトルト「あのさ。こんな遠くから見てないで、近くに行ってきたら?」
ライナー「……そうだな、そうする」スタスタ...
ベルトルト「はいはい、行ってらっしゃい」フリフリ
ベルトルト(……全く、身体は大きいのに妙なところで奥手なんだから)
アルミン「やあベルトルト、進んでる? ーーあれ? ライナーは?」キョロキョロ
ベルトルト「ちょっとね。……アルミンこそ、エレンはどうしたの? さっき連行されていったよね?」
アルミン「エレンはあっちで作業してるよ。……軽くお説教されちゃった」ショボン...
ベルトルト「……雪かきしながらでよかったら、僕がさっきの話の続き聞いてあげるよ」
アルミン「本当にっ?」
54 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:31:26 ID:VJymVjfI
アルミン「ーーでね、シャベルみたいに雪を崩すことができて、それでいて人の力だけで大量の雪を一気に運べる器具があったらいいなって思うんだよね」ブンッ
ベルトルト「うんうん、それでそれで?」ブォンッ
アルミン「雪を運ぶだけならソリがあればいいんだろうけどね。それにどうやってシャベルみたいな刃先を付けて、なおかつ柄を取り付けるのかってのがーー」ブンッ
ベルトルト「……」ブォンッ
アルミン「……」
ベルトルト「……? アルミン、どうかした?」
アルミン「ベルトルトはかなり雪を遠くに飛ばしてるよね。やっぱり腕の長さと力の差なのかな」
55 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:32:05 ID:VJymVjfI
ベルトルト「腕? ……ああ、それだけじゃなくてさ、放り投げる時に捻りを加えたらいいよ。さっきよりも飛ぶはずだ」
アルミン「捻り……??」
ベルトルト「えっとね……まず、柄の部分を広めに持つ」グッ
アルミン「うんうん」ガシッ
ベルトルト「それで雪を掬って……腰に捻りを加えて、遠心力を利用して飛ばすんだ」ブォンッ
アルミン「よーし……えいやぁっ!」ブォンッ
アルミン「!! ーー飛んだ! 飛んだよベルトルト!! 見た? 見た!?」パアッ!!
ベルトルト「見てたよ。よかったね、アルミン」
アルミン「うん、ありがとうベルトルト!! ーーよし、この調子でもっとやるぞー!」エイエイオー
56 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:32:42 ID:VJymVjfI
アルミン「えいやっ!」ブォンッ
ベルトルト「……」
アルミン「とうっ!」ブォンッ
ベルトルト「……アルミン、声は出さなくても大丈夫だよ」
アルミン「えっ? ……声出てた?」
ベルトルト「思いっきり出てたよ」
アルミン「ごめん、声を出したほうが遠くに飛ぶ気がして……」テレッ
ベルトルト「アルミンがやりやすいようにやればいいよ」
アルミン「……声出してても、気にしないでね」ボソッ
ベルトルト「うん。気にしない気にしない」
アルミン「………………っしょっ」ブォンッ
ベルトルト(あ、なるべく声出さないようにしてる……気にしないって言ったのにな。やっぱり恥ずかしいのかな)
57 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:33:30 ID:VJymVjfI
ユミル「よお、アーニちゃんっ」ニヤニヤ
アニ「……ユミルか。あんたは何の用?」
ユミル「なあ、クリスタに聞いたんだけどよ。お前がハチミツ持ってたって本当か?」
ミーナ「本当だよー」
ミカサ「本当。私も昨日分けてもらった。おいしかった」
アニ「何? なんか文句ある?」
ユミル「……アニちゃんはヘラをぺろりんちょと舐めてこう言いました」
アニ「……」
ユミル「『わぁい、このはちみつおいちい』ーーおっと危ねえ」ヒョイッ
アニ「ユミル、知ってるかい? 美容雑誌によるとさ、とあるツボを一定の強さで刺激すると、そばかすが消えてなくなるらしいよ」
ユミル「へえ、そいつはすげえや。ぜひそのツボとやらを教えてくれよ」
アニ「私が直接身体に教えてあげるよ」ジリジリ...
ユミル「ひゅーっ、アニちゃんやっさしーい」ジリジリ...
58 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:34:07 ID:VJymVjfI
ミーナ「ちょっと二人とも、喧嘩はやめようよ……ミカサ、二人を止めて!」
ミカサ「アニ、喧嘩はよくない。私とミーナが振り解かれてしまう」
アニ「そんなの知らないよ」ゴゴゴゴ...
ミカサ「ごめんミーナ。無理だった」
ミーナ「諦めるの早いよ!?」
ミカサ「寒いので、これ以上は無理」
ミーナ「ええーっ……? ーーあっ、ベルトルト! アルミン! こっち来てこっち!」チョイチョイ
ベルトルト「何? どうしたの?」スタスタ...
アルミン「何の騒ぎ?」スタスタ...
ミーナ「アニとユミルが大変なの!」
59 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:34:46 ID:VJymVjfI
アニ「あんたは手を出すんじゃないよ、ベルトルト……」ジリジリ...
ユミル「そうそう、これは女の戦いだからな」ジリジリ...
ベルトルト(……何この修羅場)
アルミン(アニとユミルが喧嘩なんて珍しいなぁ。あまり一緒にいる印象もないのに)
ミーナ「全くもう、ユミルもアニと仲良くなりたいなら素直にそう言えばいいのに……」ボソッ
ユミル「なんか言ったかミーナ」ギロッ
ミーナ「なんでもありません。……それで、なんとかできそう? ベルトルト、アルミン」
ベルトルト「えっ、僕たちがなんとかするの?」
ミーナ「うん、お願い!」
ベルトルト(お願いって言われても、流石にあの二人を相手にするのは骨が折れるな。かといってアルミンをアテにはーー)
アルミン「わかった。僕に任せて」スタスタ...
ベルトルト「!? ちょっ、アルミン!?」
60 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:35:33 ID:VJymVjfI
アルミン「ねえ二人とも、殴り合いはやめなよ」
アニ「悪いけど聞けないね。先に売ってきたのはユミルのほうだよ。ここで退いたら女が廃る」
ユミル「そうそう。軽い冗談も受け流せないのはアニのほうだしな。平和主義者の優等生はさがってな、怪我するぞ」
アルミン「勘違いしないでくれるかな。ーー僕は、殴り合いはやめてって言ったんだ。喧嘩をすることは止めないよ」
ユミル「……何?」
アニ「どういうこと?」
アルミン「見ててよ、二人とも。ーーやぁっ!」ブォンッ
ユミル(……雪が飛んだ)
アニ(あ、さっきよりも遠くに飛んでる)
アルミン「どう? アニ、ユミル。ーー僕よりも、それにお互いよりも遠く雪を飛ばせる?」フフンッ
アニ「……」チラッ
ユミル「……」チラッ
61 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:36:07 ID:VJymVjfI
ーー 営庭端 兵舎付近
エレン「飛んでるなー。雪」
サシャ「飛んでますねー。雪」
エレン「一番はりきってるのは……アニとユミルか。あいつらこういうこと面倒くさがりそうなのに珍しいな」
サシャ「何か心境の変化でもあったんじゃないですか?」
サシャ(中心にいるのは……ベルトルトとアルミンですかね)
サシャ(……あれ? ライナーはベルトルトと一緒じゃないんでしょうか)キョロキョロ
サシャ「……」
サシャ(ぐああああ……朝のこと思い出しちゃいましたよ!! はしゃいでたとはいえ、なんで朝からあんな姿見せちゃったんでしょうかね私は……!)ガクッ
エレン「? ……おいどうしたサシャ、ついに燃料切れか?」
サシャ「……少し自己嫌悪中です。気にしないでください」
エレン「そうか。じゃあ気にしねえわ」ザクザク
62 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:36:44 ID:VJymVjfI
サシャ(そうですよ、『隣にいたい』とかのんきに言ってる場合じゃないですよ……! せめてさっき立てた目標ぐらいは達成しないと!)グッ
サシャ(腹の虫も今のところ治まってますし、あまり食べ物のことを考えないようにーー)
サシャ「……この雪全てが砂糖だったらいいのに、神様は気が利きませんよね」ボーッ...
エレン「食糧難も一気に解決……は、無理かぁ」ザクザク
サシャ「満杯の雪……満杯の砂糖……たくさんの飴玉……降り注ぐ飴玉……雨……」ブツブツブツブツ
サシャ(空から、食べ物降ってきませんかねー……)ボンヤリ
サシャ(ああ、空が青い……)グラッ ーーポスッ
サシャ(……ん? 後ろに壁?)
ライナー「おい、大丈夫か?」
サシャ「……」
63 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:37:22 ID:VJymVjfI
サシャ「まっ、前から、突然……た、大変……失礼、しました……」ボソボソ
ライナー「おう。気にするな」
サシャ「あ……あの、ライナー……いつの間に……?」
エレン「『この雪全てが砂糖だったらいいのに』ぐらいからいたぞ」
サシャ「教えてくださいよぉっ!!」クワッ!!
エレン「えっ? わ、悪い……」ビクッ
サシャ(ああもう、近くに行くどころかこっちに来てるじゃないですか!! ーーとにかく、お腹の音は聞かれないようにしないと……)ドキドキ
64 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:38:02 ID:VJymVjfI
ライナー「……? サシャ、お前顔赤いんじゃないか? やっぱり朝のアレで風邪引いたんだろ」
サシャ「へっ? ーーいえっ、引いてません、全然引いてませんからっ」ブンブン
ライナー「……本当かぁ?」ジーッ...
サシャ「あ、あの、なんですか? 顔が近いですよ?」ススッ
ライナー「……」ピトッ
サシャ「ひゃっ……」
サシャ(て、て、手……っ!! 手が額に……っ!!)
ライナー「……作業で手が冷えちまったからな、わかりにくいな」ウーン...
エレン「なら、額と額をくっつけてみたらどうだ? 俺もたまにミカサにやってるし」
ライナー「そうだな。ーーどれ」ゴツンッ
サシャ「」
65 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:38:58 ID:VJymVjfI
サシャ「……あ、あの」カチンコチン
ライナー「少し熱いな。やっぱり風邪ひいたんじゃないのか?」
サシャ「ちがっ、違うんです、これは、あううう」オロオロ
ジャン「……口から砂糖が出そうだ」ギリッ...
コニー「えっ、マジかよジャン……!? 売れば儲かりそうだな! 塩とか胡椒は出ないのか?」
ジャン「そうだな……そろそろ目から塩水が出るかもな」
コニー「塩だって!? 塩って確か黄金と同じ価値があるんだろ? 高く売れるな……!!」
ジャン「ちきしょう、なんで俺は朝も昼もこんな小坊主とセットで作業しなきゃなんねえんだ……! なんでお前はミカサじゃねえんだよコニー!!」
コニー「モノマネでもやるか?」
ジャン「やめてくれ」
66 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:39:31 ID:VJymVjfI
エレン「ライナー、脈を測ってみろよ」
ライナー「脈?」
エレン「ああ。昔親父から聞いたことがあるんだけどさ、運動した後じゃなくても熱があれば心拍数があがるらしいんだ。心拍数ならちょうどこの前の訓練で測ったばかりだろ? あれより高かったら熱があるって証拠だ」
ライナー「なるほどな……よしサシャ、腕を出せ」スッ
サシャ「……いっ、嫌です」ブンブン
ライナー「出せ」
サシャ「やっ、やだ……嫌ですってば……」
ライナー「風邪を引いてたら午後の訓練もできなくなるだろ」
エレン「そうだぞサシャ。風邪は初期対応が肝心なんだからな」
サシャ「だ、だって……」
サシャ(今測ったら、絶対に風邪にされちゃいますし……)
67 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:40:15 ID:VJymVjfI
エレン「よく見たら、足元もふらついてるし顔も真っ赤だ」
ライナー「……重症だな」
サシャ「足がふらついてるのはごはんが二回抜きだったせいですよ、食べれば治りますから!」
エレン「……」
ライナー「……」
サシャ「………………すいませんでしたぁっ!!」ダッ
ライナー「あっ! ーーこら逃げるな!」ダッ
エレン「風邪引いてるのに走るなよ!」ダッ
サシャ「引いてませんってばぁっ! なんで二人で追ってくるんですかお腹空いてるのにぃっ!!」ダダダッ
68 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:40:56 ID:VJymVjfI
サシャ(エレンもライナーもどうして私を風邪に仕立てあげようとするんですかもう!! お腹空いてるだけなのに!! ーーあっ、あそこにいるのは……!)ゼエハア
サシャ「マルコー!! 助けてください!」
マルコ「サシャ? 何かあったの?」
サシャ「何か食べるものください!」
マルコ「ないよ?」
サシャ「じゃあ私をここ以外の場所に連れてってください! 今すぐ!!」
マルコ「なら、屋根の上にあがってくれる? 男子寮の雪下ろしを頼まれてるんだ」
サシャ「だっ、男子寮!? 女子でも大丈夫なんですか!?」
マルコ「中に入るんじゃなくて屋根の上に登るからね、女子でも問題ないよ」
サシャ「じゃあ行きます!! 先に行きますね!」ダッ
マルコ「後で他の人も行かせるから、はしごで登るのはちょっと待っててねー」
69 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:41:43 ID:VJymVjfI
ライナー「おいマルコ、今ここにサシャが来なかったか!?」ゼエハア
マルコ「サシャなら男子寮の屋根の雪下ろしに行ったよ」
エレン「ゆ、雪下ろし……? なんだその楽しそうな響きは!」ワクワク
マルコ「エレンも行く?」
エレン「行きたい!」キラキラキラキラ
マルコ「はい、了解。ーー先に行ってるサシャと合流して」
エレン「わかった!」ダッ
ライナー「あっ、おいエレン! ーーマルコ、俺も行くぞ!」
マルコ「いや、ライナーとベルトルトとミカサはダメだよ。僕もだけどね。ーーおーいみんなー、屋根の雪下ろしやりたい人いるー?」スタスタ...
70 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:42:28 ID:VJymVjfI
コニー「雪下ろし!? 俺! 俺行く!」ハイッ
アルミン「僕はパスかな……流石に体力が保たないや」
ベルトルト「僕もやめとくよ。他に行きたい人がいるみたいだし」チラッ
ミカサ「さっきエレンが雪下ろしに向かうのを見た。ので、私は行く。もちろん本体であるアニも一緒」スッ
アニ「本体じゃないし行かないよ。あんた一人で行きな」
ジャン「(ミカサが行くなら)俺も行く!」ハイッ
マルコ「えーっと……アニは行きたくないんだよね?」
アニ「うん。面倒くさい」
ミカサ「アニはツンデレだから大丈夫。私と一緒ならアニだって満足する」
アニ「しないよ」
アルミン「無理強いさせちゃダメだよ、ミカサ」
ミーナ「……エレンがアルミン連れて行っちゃった」
アニ「もう一人連れてってくれたらよかったのに」チラッ
ミカサ「……」ホカホカ
アニ「ねえミカサ。いい加減私の背中にぴったりつくのはやめてくれない? フード被りたいんだけど」
ミカサ「ふむ。なるほど……ならば、私が頭の上に登ればいい?」
アニ「なんでそういう発想になるの。邪魔だからどこか行ってよ」
ミカサ「嫌」
アニ「……今、エレンがアルミンを連れてったんだから一緒に行けばよかったのに」
ミカサ「エレンは仕事中。邪魔をしてはダメ」
アニ「私も仕事中だよ。ついでに言えばあんたも仕事中だ」
ミカサ「私は仕事をしている」
アニ「そうは見えないけど」
ミカサ「アニを暖めている」
アニ「……」イライラ
50 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:27:15 ID:VJymVjfI
ミーナ「ちょっとミカサ、アニを暖めるのは私の仕事だよ?」
ミカサ「アニのマフラーは私で充分。ミーナの入る余地は……ない!!」
アニ「あんたそれでマフラーのつもりだったんだ」
ミーナ「じゃあ私はアニの手袋になる!」ガシッ
アニ「……」
ミカサ「ああっ、寒空の下のフードがこんなにあたたかいなんて……」ホクホク
ミーナ「アニ、雪かきしてた割に手が温かいねー」ムギューッ
アニ「……雪かきできない」
ミカサ「それは大変」
ミーナ「そうだねぇ。困った困った」
アニ「……ねえミーナ。今度のお休みの日、二人で町に行こうか」
ミーナ「わぁっ、アニから誘ってくるなんて珍しいね? 嬉しいけどさ!」
アニ「早いうちにマフラーと手袋を買わないとね」
ミカサ「アニのマフラーは私。だから必要ない」
アニ「私は私の言うことを聞く防寒具が欲しいんだよ。あんたは失格」
51 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:28:02 ID:VJymVjfI
サシャ「アニ! ちょっとお願いしたいことがーーって、三人で何してるんですか?」タタタッ
アニ「……雪かき」ムスッ
ミーナ「サシャもやる? 今なら耳当ての位置が空いてるよ!」
サシャ「いえ、今の私だとアニの耳を食べちゃいそうなのでやめときます。ーーというわけでアニ、何か食べ物持ってませんか? 具体的に言うとハチミツとかハチミツとかハチミツとか」
アニ「ハチミツなら昨日ミーナと二人でお茶に入れて飲んじゃったからもうないよ。ごめん」
サシャ「そうですか……」ショボーン...
ミーナ「あれ? 昨日ので最後だったの? 瓶にちょこっとだけ残ってたよね?」
アニ「ティーセットを洗った時に、ついでだから一緒に洗ったんだよ。残ってたのはヘラで掬って食べた」
ミカサ「後ろにいたので私ももらった」
サシャ「そんな……ずるいですよ! 私にはないんですか!?」
アニ「ないよ」
サシャ「もう瓶の中には残ってないんですか!?」
ミカサ「ない」
サシャ「うううっ、そうですか……」ショボーン...
52 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:29:31 ID:VJymVjfI
ライナー(サシャの奴、腹が減ったからって手当たり次第に声をかけてるんじゃないだろうな……?)
ライナー「……」チラチラ
ベルトルト「見過ぎだよ、ライナー」ハァ
ライナー「なっ、何のことだ? 心当たりがないな」ギクシャク
ベルトルト「僕じゃなくたってわかるくらいだよ」
ライナー「……ならお前だってそうだろ」
ベルトルト「えっ? さっ、さあ、何のことやら」ギクッ
ライナー「なあベルトルト。……女子って密着度が高いよな」
ベルトルト「そうだね。男子が同じことしたらすぐ気持ち悪いとか言われるのにね」
ライナー「理不尽だよな。男のほうが脂肪の量が少ないんだから、ずっと寒いはずなのによ」
ベルトルト「えっ、ライナーは男同士でくっつきたいの……?」ササッ
ライナー「本気に取るな」
53 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:30:45 ID:VJymVjfI
ベルトルト「……」ゼエハア
ライナー「……」ゼエハア
ベルトルト「あのさ。こんな遠くから見てないで、近くに行ってきたら?」
ライナー「……そうだな、そうする」スタスタ...
ベルトルト「はいはい、行ってらっしゃい」フリフリ
ベルトルト(……全く、身体は大きいのに妙なところで奥手なんだから)
アルミン「やあベルトルト、進んでる? ーーあれ? ライナーは?」キョロキョロ
ベルトルト「ちょっとね。……アルミンこそ、エレンはどうしたの? さっき連行されていったよね?」
アルミン「エレンはあっちで作業してるよ。……軽くお説教されちゃった」ショボン...
ベルトルト「……雪かきしながらでよかったら、僕がさっきの話の続き聞いてあげるよ」
アルミン「本当にっ?」
アルミン「ーーでね、シャベルみたいに雪を崩すことができて、それでいて人の力だけで大量の雪を一気に運べる器具があったらいいなって思うんだよね」ブンッ
ベルトルト「うんうん、それでそれで?」ブォンッ
アルミン「雪を運ぶだけならソリがあればいいんだろうけどね。それにどうやってシャベルみたいな刃先を付けて、なおかつ柄を取り付けるのかってのがーー」ブンッ
ベルトルト「……」ブォンッ
アルミン「……」
ベルトルト「……? アルミン、どうかした?」
アルミン「ベルトルトはかなり雪を遠くに飛ばしてるよね。やっぱり腕の長さと力の差なのかな」
55 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:32:05 ID:VJymVjfI
ベルトルト「腕? ……ああ、それだけじゃなくてさ、放り投げる時に捻りを加えたらいいよ。さっきよりも飛ぶはずだ」
アルミン「捻り……??」
ベルトルト「えっとね……まず、柄の部分を広めに持つ」グッ
アルミン「うんうん」ガシッ
ベルトルト「それで雪を掬って……腰に捻りを加えて、遠心力を利用して飛ばすんだ」ブォンッ
アルミン「よーし……えいやぁっ!」ブォンッ
アルミン「!! ーー飛んだ! 飛んだよベルトルト!! 見た? 見た!?」パアッ!!
ベルトルト「見てたよ。よかったね、アルミン」
アルミン「うん、ありがとうベルトルト!! ーーよし、この調子でもっとやるぞー!」エイエイオー
56 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:32:42 ID:VJymVjfI
アルミン「えいやっ!」ブォンッ
ベルトルト「……」
アルミン「とうっ!」ブォンッ
ベルトルト「……アルミン、声は出さなくても大丈夫だよ」
アルミン「えっ? ……声出てた?」
ベルトルト「思いっきり出てたよ」
アルミン「ごめん、声を出したほうが遠くに飛ぶ気がして……」テレッ
ベルトルト「アルミンがやりやすいようにやればいいよ」
アルミン「……声出してても、気にしないでね」ボソッ
ベルトルト「うん。気にしない気にしない」
アルミン「………………っしょっ」ブォンッ
ベルトルト(あ、なるべく声出さないようにしてる……気にしないって言ったのにな。やっぱり恥ずかしいのかな)
57 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:33:30 ID:VJymVjfI
ユミル「よお、アーニちゃんっ」ニヤニヤ
アニ「……ユミルか。あんたは何の用?」
ユミル「なあ、クリスタに聞いたんだけどよ。お前がハチミツ持ってたって本当か?」
ミーナ「本当だよー」
ミカサ「本当。私も昨日分けてもらった。おいしかった」
アニ「何? なんか文句ある?」
ユミル「……アニちゃんはヘラをぺろりんちょと舐めてこう言いました」
アニ「……」
ユミル「『わぁい、このはちみつおいちい』ーーおっと危ねえ」ヒョイッ
アニ「ユミル、知ってるかい? 美容雑誌によるとさ、とあるツボを一定の強さで刺激すると、そばかすが消えてなくなるらしいよ」
ユミル「へえ、そいつはすげえや。ぜひそのツボとやらを教えてくれよ」
アニ「私が直接身体に教えてあげるよ」ジリジリ...
ユミル「ひゅーっ、アニちゃんやっさしーい」ジリジリ...
58 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:34:07 ID:VJymVjfI
ミーナ「ちょっと二人とも、喧嘩はやめようよ……ミカサ、二人を止めて!」
ミカサ「アニ、喧嘩はよくない。私とミーナが振り解かれてしまう」
アニ「そんなの知らないよ」ゴゴゴゴ...
ミカサ「ごめんミーナ。無理だった」
ミーナ「諦めるの早いよ!?」
ミカサ「寒いので、これ以上は無理」
ミーナ「ええーっ……? ーーあっ、ベルトルト! アルミン! こっち来てこっち!」チョイチョイ
ベルトルト「何? どうしたの?」スタスタ...
アルミン「何の騒ぎ?」スタスタ...
ミーナ「アニとユミルが大変なの!」
59 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:34:46 ID:VJymVjfI
アニ「あんたは手を出すんじゃないよ、ベルトルト……」ジリジリ...
ユミル「そうそう、これは女の戦いだからな」ジリジリ...
ベルトルト(……何この修羅場)
アルミン(アニとユミルが喧嘩なんて珍しいなぁ。あまり一緒にいる印象もないのに)
ミーナ「全くもう、ユミルもアニと仲良くなりたいなら素直にそう言えばいいのに……」ボソッ
ユミル「なんか言ったかミーナ」ギロッ
ミーナ「なんでもありません。……それで、なんとかできそう? ベルトルト、アルミン」
ベルトルト「えっ、僕たちがなんとかするの?」
ミーナ「うん、お願い!」
ベルトルト(お願いって言われても、流石にあの二人を相手にするのは骨が折れるな。かといってアルミンをアテにはーー)
アルミン「わかった。僕に任せて」スタスタ...
ベルトルト「!? ちょっ、アルミン!?」
60 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:35:33 ID:VJymVjfI
アルミン「ねえ二人とも、殴り合いはやめなよ」
アニ「悪いけど聞けないね。先に売ってきたのはユミルのほうだよ。ここで退いたら女が廃る」
ユミル「そうそう。軽い冗談も受け流せないのはアニのほうだしな。平和主義者の優等生はさがってな、怪我するぞ」
アルミン「勘違いしないでくれるかな。ーー僕は、殴り合いはやめてって言ったんだ。喧嘩をすることは止めないよ」
ユミル「……何?」
アニ「どういうこと?」
アルミン「見ててよ、二人とも。ーーやぁっ!」ブォンッ
ユミル(……雪が飛んだ)
アニ(あ、さっきよりも遠くに飛んでる)
アルミン「どう? アニ、ユミル。ーー僕よりも、それにお互いよりも遠く雪を飛ばせる?」フフンッ
アニ「……」チラッ
ユミル「……」チラッ
61 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:36:07 ID:VJymVjfI
ーー 営庭端 兵舎付近
エレン「飛んでるなー。雪」
サシャ「飛んでますねー。雪」
エレン「一番はりきってるのは……アニとユミルか。あいつらこういうこと面倒くさがりそうなのに珍しいな」
サシャ「何か心境の変化でもあったんじゃないですか?」
サシャ(中心にいるのは……ベルトルトとアルミンですかね)
サシャ(……あれ? ライナーはベルトルトと一緒じゃないんでしょうか)キョロキョロ
サシャ「……」
サシャ(ぐああああ……朝のこと思い出しちゃいましたよ!! はしゃいでたとはいえ、なんで朝からあんな姿見せちゃったんでしょうかね私は……!)ガクッ
エレン「? ……おいどうしたサシャ、ついに燃料切れか?」
サシャ「……少し自己嫌悪中です。気にしないでください」
エレン「そうか。じゃあ気にしねえわ」ザクザク
62 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:36:44 ID:VJymVjfI
サシャ(そうですよ、『隣にいたい』とかのんきに言ってる場合じゃないですよ……! せめてさっき立てた目標ぐらいは達成しないと!)グッ
サシャ(腹の虫も今のところ治まってますし、あまり食べ物のことを考えないようにーー)
サシャ「……この雪全てが砂糖だったらいいのに、神様は気が利きませんよね」ボーッ...
エレン「食糧難も一気に解決……は、無理かぁ」ザクザク
サシャ「満杯の雪……満杯の砂糖……たくさんの飴玉……降り注ぐ飴玉……雨……」ブツブツブツブツ
サシャ(空から、食べ物降ってきませんかねー……)ボンヤリ
サシャ(ああ、空が青い……)グラッ ーーポスッ
サシャ(……ん? 後ろに壁?)
ライナー「おい、大丈夫か?」
サシャ「……」
63 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:37:22 ID:VJymVjfI
サシャ「まっ、前から、突然……た、大変……失礼、しました……」ボソボソ
ライナー「おう。気にするな」
サシャ「あ……あの、ライナー……いつの間に……?」
エレン「『この雪全てが砂糖だったらいいのに』ぐらいからいたぞ」
サシャ「教えてくださいよぉっ!!」クワッ!!
エレン「えっ? わ、悪い……」ビクッ
サシャ(ああもう、近くに行くどころかこっちに来てるじゃないですか!! ーーとにかく、お腹の音は聞かれないようにしないと……)ドキドキ
64 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:38:02 ID:VJymVjfI
ライナー「……? サシャ、お前顔赤いんじゃないか? やっぱり朝のアレで風邪引いたんだろ」
サシャ「へっ? ーーいえっ、引いてません、全然引いてませんからっ」ブンブン
ライナー「……本当かぁ?」ジーッ...
サシャ「あ、あの、なんですか? 顔が近いですよ?」ススッ
ライナー「……」ピトッ
サシャ「ひゃっ……」
サシャ(て、て、手……っ!! 手が額に……っ!!)
ライナー「……作業で手が冷えちまったからな、わかりにくいな」ウーン...
エレン「なら、額と額をくっつけてみたらどうだ? 俺もたまにミカサにやってるし」
ライナー「そうだな。ーーどれ」ゴツンッ
サシャ「」
65 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:38:58 ID:VJymVjfI
サシャ「……あ、あの」カチンコチン
ライナー「少し熱いな。やっぱり風邪ひいたんじゃないのか?」
サシャ「ちがっ、違うんです、これは、あううう」オロオロ
ジャン「……口から砂糖が出そうだ」ギリッ...
コニー「えっ、マジかよジャン……!? 売れば儲かりそうだな! 塩とか胡椒は出ないのか?」
ジャン「そうだな……そろそろ目から塩水が出るかもな」
コニー「塩だって!? 塩って確か黄金と同じ価値があるんだろ? 高く売れるな……!!」
ジャン「ちきしょう、なんで俺は朝も昼もこんな小坊主とセットで作業しなきゃなんねえんだ……! なんでお前はミカサじゃねえんだよコニー!!」
コニー「モノマネでもやるか?」
ジャン「やめてくれ」
66 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:39:31 ID:VJymVjfI
エレン「ライナー、脈を測ってみろよ」
ライナー「脈?」
エレン「ああ。昔親父から聞いたことがあるんだけどさ、運動した後じゃなくても熱があれば心拍数があがるらしいんだ。心拍数ならちょうどこの前の訓練で測ったばかりだろ? あれより高かったら熱があるって証拠だ」
ライナー「なるほどな……よしサシャ、腕を出せ」スッ
サシャ「……いっ、嫌です」ブンブン
ライナー「出せ」
サシャ「やっ、やだ……嫌ですってば……」
ライナー「風邪を引いてたら午後の訓練もできなくなるだろ」
エレン「そうだぞサシャ。風邪は初期対応が肝心なんだからな」
サシャ「だ、だって……」
サシャ(今測ったら、絶対に風邪にされちゃいますし……)
67 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:40:15 ID:VJymVjfI
エレン「よく見たら、足元もふらついてるし顔も真っ赤だ」
ライナー「……重症だな」
サシャ「足がふらついてるのはごはんが二回抜きだったせいですよ、食べれば治りますから!」
エレン「……」
ライナー「……」
サシャ「………………すいませんでしたぁっ!!」ダッ
ライナー「あっ! ーーこら逃げるな!」ダッ
エレン「風邪引いてるのに走るなよ!」ダッ
サシャ「引いてませんってばぁっ! なんで二人で追ってくるんですかお腹空いてるのにぃっ!!」ダダダッ
68 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:40:56 ID:VJymVjfI
サシャ(エレンもライナーもどうして私を風邪に仕立てあげようとするんですかもう!! お腹空いてるだけなのに!! ーーあっ、あそこにいるのは……!)ゼエハア
サシャ「マルコー!! 助けてください!」
マルコ「サシャ? 何かあったの?」
サシャ「何か食べるものください!」
マルコ「ないよ?」
サシャ「じゃあ私をここ以外の場所に連れてってください! 今すぐ!!」
マルコ「なら、屋根の上にあがってくれる? 男子寮の雪下ろしを頼まれてるんだ」
サシャ「だっ、男子寮!? 女子でも大丈夫なんですか!?」
マルコ「中に入るんじゃなくて屋根の上に登るからね、女子でも問題ないよ」
サシャ「じゃあ行きます!! 先に行きますね!」ダッ
マルコ「後で他の人も行かせるから、はしごで登るのはちょっと待っててねー」
ライナー「おいマルコ、今ここにサシャが来なかったか!?」ゼエハア
マルコ「サシャなら男子寮の屋根の雪下ろしに行ったよ」
エレン「ゆ、雪下ろし……? なんだその楽しそうな響きは!」ワクワク
マルコ「エレンも行く?」
エレン「行きたい!」キラキラキラキラ
マルコ「はい、了解。ーー先に行ってるサシャと合流して」
エレン「わかった!」ダッ
ライナー「あっ、おいエレン! ーーマルコ、俺も行くぞ!」
マルコ「いや、ライナーとベルトルトとミカサはダメだよ。僕もだけどね。ーーおーいみんなー、屋根の雪下ろしやりたい人いるー?」スタスタ...
70 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:42:28 ID:VJymVjfI
コニー「雪下ろし!? 俺! 俺行く!」ハイッ
アルミン「僕はパスかな……流石に体力が保たないや」
ベルトルト「僕もやめとくよ。他に行きたい人がいるみたいだし」チラッ
ミカサ「さっきエレンが雪下ろしに向かうのを見た。ので、私は行く。もちろん本体であるアニも一緒」スッ
アニ「本体じゃないし行かないよ。あんた一人で行きな」
ジャン「(ミカサが行くなら)俺も行く!」ハイッ
マルコ「えーっと……アニは行きたくないんだよね?」
アニ「うん。面倒くさい」
ミカサ「アニはツンデレだから大丈夫。私と一緒ならアニだって満足する」
アニ「しないよ」
アルミン「無理強いさせちゃダメだよ、ミカサ」
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