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サシャ「隠し味なんてどうでしょう?」

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Part2
26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:04:20 ID:VJymVjfI
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「ベルトルト」
ベルトルト「何?」
ライナー「俺はどうも目が悪くなったらしい」
ベルトルト「疲れ目じゃないかな。もしくは寝ぼけてるとか」
ライナー「今、コニーとサシャが通ったような気がするんだが」
ベルトルト「気のせいだって。考えすぎだ」
ライナー「だよな。こんな寒いのに半袖半ズボンなわけがないよな」
ベルトルト「お互い疲れてるんだよ。昨日は身体も頭も動かしっぱなしだったし」アハハ
ライナー「そうだな。お前も慣れないことしたもんなぁ」ハハハ

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:05:19 ID:VJymVjfI
ジャン「おーいライナー、ベルトルト!」タタタッ
クリスタ「サシャとコニーを見なかった!?」タタタッ
ユミル「だからクリスタ!! 寝癖は直してから行けよ! あと顔はせめてタオルで拭いてくれ!!」ゴッシゴッシ
クリスタ「んんー……っ! ……ぷはっ」ブンブン
ベルトルト「あ、ジャンとクリスタとユミルだ。おはよう」
ライナー「廊下を走るなよ、危ないぞ」
ジャン「そんなことはどうでもいいんだよ! サシャとコニーは見てねえか!?」
ベルトルト「見てないよ。全然見てない」
ライナー「ああ。全く見てないな」
ジャン「あれー? ……っかしいな、絶対こっちだと思ったんだが」ブツブツ
クリスタ「営庭にはいなかったから別のところにいるのかな……でも、他に心当たりないし……」ウーン...
ユミル「クリスタ、髪がはねてるぞ。スプレーかけるから動くなよ」シュッシュッ

28 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:06:28 ID:VJymVjfI
ベルトルト「ところで、なんでジャンとクリスタは毛布とタオルを持ってるの?」
ジャン「これか? 馬鹿二人を捕まえるためだよ」
クリスタ「毎年だったのにすっかり忘れてたんだよね」
ジャン「ある意味この季節の風物詩なんだけどな。油断してたぜ」
ベルトルト「毎年?」
ライナー「風物詩?」
ユミル「そっか、お前らは知らないのか。……ま、部屋も違うから当然っちゃあ当然だけどよ」

29 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:07:23 ID:VJymVjfI
マルコ「ジャン! 兵舎裏にコニーがいたよ! サシャも一緒だ!」
ジャン「よっしゃ確保ぉっ!」ダッ
クリスタ「今年こそ自力で捕まえてみせるんだから!」ダッ
ユミル「だああああクリスタ! まだ寝癖直ってないって!」ダッ
ライナー「……行っちまったな」
ベルトルト「そうだね」
ライナー「見に行ってみるか?」
ベルトルト「朝ごはんまでまだ時間あるし、そうしようか」

30 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:08:28 ID:VJymVjfI
ーー 兵舎裏手
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「……マルコ」
マルコ「何?」
ベルトルト「あれは……あそこにいる二人組は、誰……?」
マルコ「コニーとサシャだよ」
ライナー「半袖半ズボンに見えるんだが」
マルコ「うん。間違ってないよ」
ベルトルト「あの二人、何してるの……?」
マルコ「雪原ダイブ」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
マルコ「第104期訓練兵団・冬の風物詩だよ。はじめて雪が降った次の日の朝、できるだけ薄着で雪の中に飛び込んで、冬の到来を祝うんだ。まあコニーとサシャしかやってないんだけどね」


31 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:09:12 ID:VJymVjfI
ジャン「くっそ、足の速さじゃ敵わねえ……!」ゼエハア
クリスタ「去年はお菓子準備してたから楽だったけど、今年はすっかり忘れてたよ……ユミル、何か食べるものない?」ゼエハア
ユミル「年代不明のこんぺい糖一粒ならベッド下から見つけたんだけどな。ばっちいから捨てたぞ。……クリスタ、アホ毛が飛び出してる。直すぞ」サササッ
クリスタ「そっか、年代不明じゃ仕方ないね……」
ジャン「くそったれ、なんで俺は野郎とこんな朝早くから追いかけっこしてるんだ……? しかも三年連続なんて、せめて相手がミカサならよかったのに……!!」ブツブツ
ユミル「いや、いくらなんでもミカサは無理だろ……おっ、ライナーにベルトルさん、冷やかしに来たのか?」
ライナー「いいや。ーー交替しにきた」バサッ
ベルトルト「三人とも、お疲れさま。後は僕たちが引き受けるよ」ポン

32 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:10:12 ID:VJymVjfI
ジャン「……おー、四人とも走ってる走ってる」
クリスタ「ねえねえユミル! あれって、川辺でよく見かける『私を捕まえてごらんなさーい』だよねっ?」キラキラキラキラ
ユミル「いいや違うな。あれは『お風呂から上がった後は身体を拭きなさい! 冷えるでしょ!』だ」
マルコ「……なんで寒いのに脱ぐのかな。あの二人」
ジャン「さあなー、狩猟で食ってきた奴の理屈はわからん」
マルコ「狩猟、関係ある?」
クリスタ「そういえば、去年聞いた時は『こうすることで自然と一体になるんですよ』ってサシャが言ってたよ。雪の上に大の字になって」
マルコ「自然と一体っていうか……犬っぽいよね」
クリスタ「うん。犬だね」
ジャン「犬だな」
ユミル「ああ、そうだ、そうだった……私はアレを見て、あいつが犬だと確信したんだった…………おい見ろ、ベルトルさんたちが捕まえたみたいだぞ」

33 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:11:21 ID:VJymVjfI
コニー「今年はライナーとベルトルトかぁ……」
サシャ「掴まっちゃいましたねー……」
ベルトルト「全く、手こずらせてくれたね……」ハァ
ライナー「何か言いたいことはあるか? 二人とも」
コニー「今年の雪は」
サシャ「しっとりしてます」
ベルトルト「誰も感想は聞いてないよ」
コニー「楽しいのになー」
サシャ「ですよねー」
ライナー「こんな朝っぱらから二人揃って大騒ぎとはな。狩猟民族にはそういう風習でもあるのか?」
サシャ「えっ、コニーの村にはそんなものがあるんですか?」
コニー「俺の村にはねえなぁ。サシャの村にはあるんじゃねえの?」
サシャ「いいえ、初耳ですね……ライナーはいつの間に調べたんです?」
ライナー「……」
ベルトルト「ライナー、気をしっかり持って! 頑張って!」ユサユサ

34 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:12:13 ID:VJymVjfI
ベルトルト「ねえコニー。課題は? 終わったの?」
コニー「雪が俺に遊べと囁いている」キリッ
ベルトルト「囁いてないよ。何言ってるの君」
サシャ「お天道様は言いました。ーー自然に還り、存分に遊びなさいと」ドヤァ
ライナー「それはただの幻聴だ。大体コニーはともかくだ、お前は女なんだから少し慎みを持て!」ガミガミ
サシャ「慎み……」ハッ
ライナー「年頃の女がそんな冷える格好するもんじゃないぞ? 寝る時もそんな格好してるのか? 風邪を引いたらどうするんだ?」ブツブツ クドクド

35 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:13:02 ID:VJymVjfI
マルコ「始まったね。ベルトルトママとライナーパパのお説教だ」
ユミル「悪い遊びを覚えた娘と息子を、お父さんとお母さんが叱っているようにしか見えないな」
ジャン「でかい家族だなー」
クリスタ「なんだか見てて微笑ましいねえ」
マルコ「とことん緊張感がないよね、あそこ」
ジャン「色気もないな」
ユミル「サシャは元々、色気より食い気だしなー」
マルコ「……あれ? 何か様子がおかしいよ?」
ジャン「サシャが苦しみだしたぞ。なんか悪いモンでも食ったのか?」
クリスタ「むしろ何も食べてないから苦しいのかも……大変!」
ユミル(あの悶え方は……さては、私が昨日言ったことを思いだしたか)

36 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:13:59 ID:VJymVjfI
サシャ「ぐあああ……っ!!」ジタバタジタバタ
コニー「お、おいどうしたサシャ。腹でも痛いのか?」オロオロ
サシャ「私は……なんてことを……!」ガクッ
ライナー「すまん、そこまで強く責めるつもりはなかったんだ。反省してるならいいんだぞ?」オロオロ
ベルトルト「大丈夫? 背中さする?」オロオロ
サシャ(初雪で浮かれていたとはいえ、昨日の晩に言われたことすら忘れていたなんて……!)
サシャ「……みなさん、折り入ってお伝えしたいことがあります」
サシャ「私は……馬鹿です……」ギリッ...
ライナー・ベルトルト・コニー「知ってる」

37 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:15:04 ID:VJymVjfI
コニー「まあ、サシャのことだからメシでも食ったら気が晴れるだろ」
ライナー「そうだな。……サシャ、今日の朝はパンを分けてやってもいいぞ」
サシャ「えっ、本当ですか?」パァッ!
ライナー「ああ。昨日頑張ったからな」
サシャ「やったーありがとうございます!」ワーイ
ベルトルト(サシャ、切り替え早いなぁ……さっきの苦しみ方はなんだったんだろう……?)
サシャ「今日はたっぷり運動しましたし、朝ごはんはおいしく食べられそうですね!」
コニー「そうだな、早く食堂に戻って温かいスープでも頂こうぜ!」
ミーナ「ーーおーい、ライナー!」タタタッ

38 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:15:56 ID:VJymVjfI
ミーナ「ふぅ、探したよ。こんなところにいるんだから」
ライナー「ミーナか。どうした?」
ミーナ「あのね、これから第二会議室で室長会議だって。マルコとユミルとミカサはもう行ったよ」
ライナー「会議? こんな朝っぱらからか?」
ミーナ「うん、私が知らせて回ってるの。昨日の大雪でトロスト区中の流通がストップしちゃってね。今日の午前中は駐屯兵団と協力して除雪作業をするんだって」
ライナー「わかった、第二会議室だな? 行ってくる」ダッ
サシャ「いってらっしゃいませー」
ベルトルト「がんばってねー」
コニー「いってらー」
ミーナ「行ってらっしゃーい。ーーあとね、室長以外の訓練兵は食堂で待機だから。サシャたちもこのまま向かってくれる?」

39 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:17:19 ID:VJymVjfI
ベルトルト「食堂で……待機?」
ミーナ「そう。訓練兵は朝食抜きだよ」
サシャ「ないんですか!?」ズイッ
コニー「マジかよ!?」ズイッ
ミーナ「わっ! ーーう、うん。大きな道路がいくつか塞がっちゃったみたいだから、今日届くはずの物資がまだ来てないの。あらかじめ備蓄してある食料は一般の人に分配するって話だし」
サシャ「そ、そんなぁ……ごはん……」ガクッ
ミーナ「サシャ、お腹が空いてるの?」
サシャ「昨日晩ごはん抜きだったんです……ミーナ、何か食べるもの持ってませんか?」ガジガジ
ミーナ「私は持ってないけど、アニならハチミツ持ってるんじゃないかな。昨日二人で食べたから」
サシャ「おおっ、なるほど! じゃあ後でアニに聞いてみます!」

40 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:18:03 ID:VJymVjfI
ーー 午前 営庭端
クリスタ「おおーっ……」ツンツン
クリスタ(雪って、ふわふわしててわたあめみたい……)ジーッ...
ユミル「サシャ、いい加減その辛気くさい顔をやめろ。こっちまで気が滅入る」ザクザク
サシャ「食べ物」
ユミル「ない」ザクザク
サシャ「……朝食抜きだなんてあんまりです」ザクザク
ユミル「へいへい、みんな抜きだっつの。我慢しろ」ザクザク
サシャ「私は晩ごはんも抜きだったんですよぅ……? うふふふ……」グーググー

41 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:18:59 ID:VJymVjfI
ユミル「お前さぁ、昨日の晩に私が言ったこともう忘れたのか?」
サシャ「うぐっ……ちゃんと覚えてますよ」
ユミル「今は、な。……寝て起きたら忘れてるってどんな幸せな思考回路してやがるんだ」
サシャ「ううっ、言わないでくださいよ……自分の情けなさは自覚してるんですから……」
ユミル「そう思うなら今からでも心がけとけ。女らしくしろ」
サシャ「わかりました。ーー私、今日はもうお腹の音は鳴らしません!」グー
サシャ「……」グーキュルルルル...
ユミル「腹の音がなんだって?」
クリスタ「今のサシャにはハードルが高いから、『ライナーの前で』っていう一言を付け足したほうがいいと思うなぁ」
サシャ「……そうですね」キュー...
サシャ(お昼ごはん食べるまでは、あまり近づかないようにしましょう……)

42 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:19:59 ID:VJymVjfI
ユミル「腹が減ったからって雪は食うなよ。サシャ」
サシャ「土臭いですし食べませんよ。雪なんて口に入れたらただの氷の塊ですからね。かえって喉が渇くので食べても得がないです」キリッ
ユミル「なんでそういうところだけしっかりしてんだ……おいクリスタ、お前も食うなよ?」
クリスタ「!? ーーたっ、食べないよ! 食べないもん!」ブンブン
ユミル「必死になって否定するところが怪しい」
サシャ「やめといたほうがいいですよ、お腹壊しますからね」
クリスタ「……砂糖かけてもダメ?」
サシャ「ダメです」
クリスタ「そっかぁ……」ショボーン...

43 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:20:59 ID:VJymVjfI
クリスタ「ところで、ユミルは会議には行かなくてよかったの? 室長会議の後に班長会議もあったんでしょう?」
ユミル「マルコがまとめて聞いてきてくれるって言ったから任せてきたんだよ。まあ、班割りは夏の大掃除と同じだから何も考えなくていいのは気楽だよな」
ユミル「しっかし、こんなちゃちいスコップで営庭の雪かきなんてなー。上官方ももうちょっと色々考えてほしいもんだよ」ザクザク
クリスタ「スコップ? シャベルじゃないの?」
ユミル「どっちでもいいだろ。しかも全然整備されてねえしよ。サシャの持ってるスコップなんかキノコが生えてきそうじゃねえか」
サシャ「……木って食べられますかね」
ユミル「やめろ。人間は捨てるな」ガシッ
サシャ「味とかしませんかね」
クリスタ「身体によくない薬品が塗ってあるかもしれないからダメだよ」
サシャ「拭いたらどうでしょう」
ユミル「とっくの昔に中に染み込んじまってるだろうから、今更拭いても取れねえよ。……ん?」ザクザク

44 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:21:56 ID:VJymVjfI
ユミル(スコップの柄と、手袋に雪がついちまったな……まあいいか)ザクザク
ユミル「……」ザクザク
ユミル(あーダメだ。コブになって邪魔だな。手袋についた雪だけでも取るか)
ユミル「……」ブンッ
ユミル(……取れん)
ユミル「……」ブンブン
ユミル「……」
ユミル「……」ブンブンブンブンブンブンブンブン ...ポロッ
ユミル「と、取れた」ゼエハア
サシャ「木製のスコップと毛糸の手袋だとどうしても雪のコブができるんですよねー」ザクザク
クリスタ「だからサシャは素手でやってるの? 寒くない?」
サシャ「これくらいの寒さならへっちゃらです。お腹は空きましたけど」ザクザク グー

45 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:22:59 ID:VJymVjfI
サシャ「……お昼ごはんも抜きだったらどうしたらいいんでしょう」
ユミル「馬鹿よせ、余計なこと考えるんじゃねえよ」
サシャ「今日の晩ごはんも抜きだったら……私……私……」ガタガタガタガタ
ユミル「おいサシャ目を覚ませ。どうせメシって言ったってしょぼいスープと固いパンだぞ?」
サシャ「例えかみ砕けないほど固く引き締まったパンや! 野菜クズしか浮いていないうっすい冷めたスープであろうとも! 今日の私にとってはご馳走だったんですよぉっ!!」ダンッ!!
サシャ「今朝は遊ばなきゃよかったです……失敗しました……」
クリスタ「サシャ、目が虚ろだよ? 大丈夫?」
ユミル「お前、そのテンションの落差なんとかしろよ……見てるこっちが疲れるぞ」
サシャ「私だってなんとかしたいと思ってますけど、お腹が空いて歯止めが効かないんですよ……ああっ、おしとやかが遠ざかる……」
ユミル「そんなに腹減ったんなら他の奴らに何か持ってないか聞いて来いよ。水汲みと引き替えならなんかもらえるだろ」
サシャ「! そういえば、アニがハチミツ持ってるってミーナが言ってたんですよね……ちょっと行ってきます!」ダッ
クリスタ「行ってらっしゃい。転ばないでねー」フリフリ
ユミル「アニがハチミツぅ? ……ふーん」ニヤリ


46 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:24:10 ID:VJymVjfI
ーー ユミル・クリスタ地点から少し離れたところ 営庭中央部
ミーナ「よーいしょっと!」ブンッ
アニ「……ミーナ、声出しながら雪を飛ばすのって年寄り臭いよ」
ミーナ「だ、だってこっちのほうがよく飛ぶ気がするんだもん!! アルミンもそう思うよね?」
アルミン「えっ? ……うーん、そうだね。立体機動で模型のうなじを削ぐ時も、大きな声を出してる人って結構いるし、あながち間違ってはないかも」
ミーナ「でしょでしょ? ほらアニ、アルミンがこうやって言うんだから声を出した方が飛ぶんだよ! ーーというわけでほいっ!」ブンッ
アニ「……」ブンッ
アルミン「……」ブンッ
アルミン(……僕がこの三人の中で一番飛んでないや)ショボン...

47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:24:54 ID:VJymVjfI
ミーナ「でも、楽なところを割り振られてよかったよね」ザクザク
アルミン「……楽?」ピクッ
アニ「そうだね。ほとんどの班はトロスト区の街中に割り振られてるんだっけ」ザクザク
ミーナ「そうそう。雪かきした後に邪魔な雪をここまで運んでこなくちゃいけないんだよ? その点、私たちは訓練所の外から営庭までの道を作るだけだからすっごい楽ーー」
アルミン「いや、大変になるのはこれからだよ。何せトロスト区中の雪がここに運ばれてくるんだからね。道を作るのもそうだけど、考えて積んでいかなきゃ後で困るよ」

48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/07(木) 22:25:44 ID:VJymVjfI
ミーナ「そうなの? ……じゃあ、適当に雪を飛ばしててもダメかぁ」ウーン...
アニ「そもそもなんでここに運んでくるわけ? 川に捨てればいい話じゃない?」
アルミン「ここの営庭に運んでくるのは、雪を捨てる土地が他にないからだよ。元々トロスト区にはそんなに雪が降らないし、雪を捨てるためだけの土地なんて無駄すぎるからね」ペラペラ
ミーナ「う、うん。そうなんだ」
アルミン「川に捨てないのは、捨てた雪のせいで川がせき止められて氾濫する可能性があるからだよ。今の時期は雪を溶かせるほど水温が高いわけじゃないし」ペラペラ
アニ「……アルミン、もういいよ。わかった。ありがとう」
アルミン「土地はそれでいいとして、今度は輸送の問題になるんだよね。長期輸送の手段としては馬車は有効だけど、短距離で少ない量を運ぶ方法としてはやはり人力のほうが効率的にーー」ペラペラペラペラ
ミーナ「あ、アルミン? 聞いてる? もういいよ?」
アニ(……ダメだこりゃ)
ライナー「……始まったな」
ジャン「ああ。この前も引っかかってたよな、ミーナ」
エレン「今回はアニもか。……俺、止めてくるわ」スタスタ...

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