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サシャ「味を占めちゃいましたかね?」

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Part4
68 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:41:08 ID:D6Fg1C/A
ミカサ「エレ……」
アルミン「……ぴょん?」
エレン「」ピタッ
エレン「……」クルッ
ライナー「エレン、お前……子どもの面倒、見られたんだな」
コニー「手袋うさぎかー。俺もやったなぁ」
クリスタ「えっと……あの、エレンは面倒見がいいんだね!」アセアセ
ユミル「ふーんエレぴょんねー」プーックスクス
エレン「あ…………い、いや、これはな、その、な? わかるだろ? な? おい」
サシャ(小)「あぁーお耳とっちゃだめー」グイグイ

69 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:41:59 ID:D6Fg1C/A
ジャン「……死に急ぎエレぴょん」ボソッ
ベルトルト「」ブフォッ!!
アニ「……っ! っくぅ……っ!」プルプルプルプル...
コニー「おいウォール・ベルトルトとウォール・アニが突破されたぞ!」
ユミル「だっははははははエレぴょんすげえ!」ゲラゲラ
エレン「~~~~っ!! 笑うなぁっ!! ーーなあ、ミカサ、アルミン! お前らならわかってくれるよな? なあ!?」
ミカサ「エレン、大丈夫。……私はわかっている」
エレン「ミカサ……!」ホッ
ミカサ「いえ……誤解していた、と言ったほうが正しいかもしれない」
エレン「……誤解?」
ミカサ「エレンには、猫耳が似合うと密かに思っていたのに……っ! 手袋うさぎの合わせ技で来るとは私も予想外……っ!」ギリッ...
ミカサ「エレンの可能性を、将来性を自ら狭めていたなんて……! とても悔しい……っ!」
エレン「……」

70 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:43:03 ID:D6Fg1C/A
アルミン「……エレン」ポン
エレン「アルミン……俺、もう誰も信じられない……」グスッ
アルミン「……」ナデナデ
アニ「……そういえばミーナがいないね」キョロキョロ
クリスタ「ミーナならマルコを呼びに行ったはずだよ? まだ帰って来てないのかな?」
ジャン「おいおい、今のマルコに話しかけるのは自殺行為だぞ? ミーナの奴もう戻ってこねえだろうな」
ライナー「そんなにひどいのか? マルコの奴」
ジャン「ああ。駆逐モードのエレぴょんみてえな顔してたぜ」
アニ「……っ」プルプルプルプル...
ユミル「あーもうダメだな。ツボに入っちまった。顔が真っ赤だぞぉアニ」ニヤニヤ
アニ「……」ブンッ
ユミル「おっと危ない」サッ

71 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:43:53 ID:D6Fg1C/A
アルミン「それで……本当にこの子がサシャなの?」
エレン「俺も最初は疑ってたんだけど、本人がそう言ってるしなぁ。上着もマフラーもサシャのものだし」
ジャン「上着はサシャの奴が貸したんじゃねえのか? そのヒラヒラした服じゃ今日は寒いだろ」
クリスタ「ううん、それだけじゃないんだよ! ちょっと見ててね? ーーねえサシャ、好きな食べ物は何かな?」
サシャ(小)「おいもさん!」
クリスタ「ほら、サシャでしょう?」ドヤァ
ジャン「クリスタ……お前どうやってサシャを認識してんだよ……?」
アルミン「うーん、それだけじゃあちょっと根拠として弱いかなぁ」
ジャン「なーんだか嘘くせえよなぁ……」チラッ
サシャ(小)「……」ジーッ...
ジャン「……なんだよ」ギロッ
サシャ(小)「ひっ……」ササッ

72 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:44:51 ID:D6Fg1C/A
エレン「ジャン、子ども相手に凄むなよ。怖がってるじゃねえか」ナデナデ
サシャ(小)「……」ギューッ...
ジャン「凄んでねえよ。見ただけだろ」
コニー「ジャンは上背あるからなぁ。頭の上から見下ろされたから、単純に怖がってるだけだろ。こうやって屈んで目線合わせてーー」
サシャ(小)「……」ビクッ
コニー「さっきはびっくりしただけだよなー? あの兄ちゃんも、顔は怖いけど優しい奴だからさ。怖がらなくても大丈夫だぞ?」ポンポン
サシャ(小)「……うん」
コニー「ジャンもほら、言うことあるなら早いうちに言っとけ。ちゃんと目線合わせろよ」
ジャン「ったく、わかったよ。……驚かせてごめんな」
サシャ(小)「ううん、わたしもごめんなさい……」
ユミル「よかったなジャン。お礼におばちゃんにモテるコツでもコニーに伝授してやりな」ケケケ


73 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:45:55 ID:D6Fg1C/A
サシャ(小)「……」ジーッ...
ユミル「……? なんだよ、私の顔に何かついてるか?」
サシャ(小)「おねえちゃん……きれい……」ウットリ
ユミル「…………」
サシャ「おとなのひとみたいで、かっこいい……」
ユミル「ーーよし、出店でなんでも買ってやろう」スタスタ...
サシャ(小)「わーい」テクテク...
アニ「ちょっと待った。勝手に連れてくんじゃないよ、ユミル」
ユミル「でもお腹空いたよなー? もう芋食っちゃったし」
サシャ(小)「空いたー……」
アニ「!! ……じゃっ、じゃあさ」ガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソ

74 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:47:01 ID:D6Fg1C/A
アニ「……このクッキー、あげようか?」スッ
サシャ(小)「いいの!?」
アニ「あんたが欲しいならあげるよ。……どうぞ」
サシャ(小)「おねえちゃん、ありがとう!」
アニ「……」
ユミル「よかったなぁアニ、お菓子受け取ってもらえて」ニヤニヤ
アニ「……」
ユミル「……? アニ? どうした?」
アニ「…………ほ」
ユミル「ほ?」
アニ「欲しいもの何でも買ってあげる」キリッ
ユミル「ちょろいなお前」

75 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:48:05 ID:D6Fg1C/A
ミカサ「……たぶん、あれはサシャじゃない」
アルミン「だよね。ミカサもそう思う?」
ミカサ「飲み込みがよすぎる」
アルミン「あーそうきたかー。ーー取り敢えずもうちょっと話を聞いてみようか」スッ
アルミン「ねえ、君が着ているその上着はどうしたのかな? 誰かにもらったの?」
サシャ(小)「うん。おねえちゃんがかしてくれた」
アルミン「そのお姉ちゃんの名前は?」
サシャ(小)「んっとね……み、み、みさかさか?」
アルミン「……? もしかして、ミカサ? ミカサ・アッカーマン?」
サシャ(小)「そう! そのひと!」
アルミン「おかしいな……ミカサはずっと僕やベルトルトと一緒にいたんだから、この子と会ってるはずないのに……」ブツブツ
ミカサ「ーーアルミン」
アルミン「何? どうしたの? 何か思い当たることでもあった?」
ミカサ「あった。ーーついに私は分身の術を身につけた」ニンニン
アルミン「ミカサ。人は二つに分裂しないよ」

76 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:49:23 ID:D6Fg1C/A
ミカサ「いつの間にか、分身の術を使えるようになっていたなんて……自分の才能が怖い……」カタカタカタカタ...
アルミン「あのねミカサ。人間は突然小さくなることや二人に分かれることはないんだよ。そんなことが可能なら、人間は巨人にだってなれちゃうでしょ?」アハハ
ライナー「……」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ユミル「……」
アルミン「ねえ、君をここに連れてきたそのお姉さんは、この人と同じ顔だった?」
サシャ(小)「わかんない……でも、おんなじ服着てた」
アルミン「髪の色はどうかな。僕とこっちのお姉さん、どっちの色に近い?
サシャ(小)「そっちのおねえちゃん」
ミカサ「……やはり分身」
アルミン「違うよ。……やっぱりただの勘違いだね。この子はサシャじゃなくて、よく似てる違う子だよ」

77 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:50:23 ID:D6Fg1C/A
アルミン「それで、この子を連れてきた人がどうしてミカサの名前を名乗ったのかってことなんだけどーー」
ミカサ「分身だから」ニンニン
アルミン「違うよ。たぶん名乗れない事情があったんだ。その事情っていうのは、その人とこの子の名前が同じだったからだって考えたらどう?」
ミカサ「あんなにハマっていたのにこんなにあっさり手のひらを返すなんて……アルミン、恐ろしい子……!」
アルミン「話を聞いてねミカサ。この子はサシャがここに連れてきたんだよ。きっと名乗ったら混乱すると思ったから、ミカサの名前を使ったんだろうね。ーーだから、この子はサシャ・ブラウスが小さくなった姿なんかじゃなくて、同姓同名の別人だよ」
アルミン「それに、ミカサのフルネームを知ってるのは教官か訓練兵くらいでしょ? ついでに言えば、とっさに名乗るってことはある程度親しくないとできないよね。だから、やっぱりこの子はサシャが連れてきた可能性が高いよ」
ミカサ「うん…………うん! 私たちは友だち! とても! 友だち!!」コクコクコクコク
アルミン「興奮しなくてもわかったから。どうどう」

78 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:51:21 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「みんな、ごめんなさい……私とミーナが早とちりしたせいで、大騒ぎになっちゃって……」ションボリ
アルミン「誰だって勘違いはあるさ。思ったより大変なことにならなくてよかったよ」
ミカサ「やはりアルミンには正解を導く力があった。さっきは疑ってごめんなさい」
アルミン「いいっていいって。僕も謎が解けてスッキリしたからね」
ベルトルト「万が一ってことも考えたけど……まあ、冷静に考えたら人が小さくなるわけないか。ねえライナー?」ヒソヒソ
ライナー「羨ましい……」ギリッ...
ベルトルト「……ちょっと、なんで妬いてるの? あれはサシャじゃないんだよ? 大丈夫?」ユサユサユサユサ
ライナー「よく考えてみろよベルトルト。ーー今、目の前にちっちゃいアニのそっくりさんが現れたらかわいがりたいだろ?」
ベルトルト「小さいアニ……?」モンモン

80 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:52:19 ID:D6Fg1C/A
アニ(小)『ねーねーべるとるとー、抱っこしてー』ピョンピョン
ベルトルト「……あっ、いいかも」ホッコリ
ライナー「だろ?」
ベルトルト「……ん? じゃあなんでここでブツブツ言ってるのさ。思う存分かわいがってきたらいいだろ」
ライナー「ああ、そうしようかと思ってたんだけどな……さっきのジャンを見ただろ?」
ベルトルト「もしかして、あの避けられ方を見て尻込みしてるの?」
ライナー「……まあ、そんなところだ」
ベルトルト「変なところで奥手なんだから……思春期の女の子じゃあるまいし、でかい図体でモジモジしてても不気味なだけだよ? いつもの兄貴面して混ざってきたら?」
ライナー「お前結構言うなぁ……ちょっと傷ついたぞ」ショボン...
ベルトルト「そうこうしてる間にジャンが楽しげに高い高いしはじめたよ」
ライナー「行ってくる」ダッ

81 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:53:15 ID:D6Fg1C/A
ジャン「あっはっはーたかいたかーい」ニコニコ
エレン「おいジャン! 次は俺の番だぞ俺の番!」
コニー「お前ら、遊んでやるのはいいけどもう少し丁寧に扱ってやれよー?」
ライナー「……やっ、やってるか?」ギクシャク
クリスタ「うん。みんな楽しそうだよ! ライナーもサシャと遊びに来たの?」
ライナー「まあ、そんなところだ」チラッ
サシャ(小)「……おっきい」ジーッ...
ライナー「……」ドキドキ
サシャ(小)「……きょじん?」
ライナー「」
クリスタ「ちっ、違うよ!? ごめんねライナー、悪気はないと思うの……」アタフタアタフタ

83 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:54:05 ID:D6Fg1C/A
コニー「こらこら、初対面の人にいきなりそんなこと言っちゃダメだろ? ーーほら、あのお兄ちゃん、さっき高い高いしてくれたお兄ちゃんよりずっと背が高いだろ? 遊んでもらったらきっともっと楽しいぞー?」
サシャ(小)「……たのしいの?」
コニー「ああ。肩車でもしてもらったら、すっげえワクワクするだろうなぁ。いろんな人を上から見下ろしたり、ずーっと遠くまで町の景色が見通せたり、いいことずくめだ!」
サシャ(小)「……やりたい!」キラキラキラキラ
コニー「じゃあお願いしねえとな。それと、今言っちゃったこともちゃんと謝らないとな。……できるか?」
サシャ(小)「……うん」
コニー「よっしゃ。じゃあ俺が横についててやるから、一緒にお願いしような」
コニー『ライナー、少し屈んでくれ』チョイチョイ
ライナー(……目線を同じ高さにするんだったな)スッ

84 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:55:30 ID:D6Fg1C/A
サシャ(小)「あの……さっきは、ごめんなさい」ペコッ
ライナー「気にしてないぞ、大丈夫だ」
コニー「よーし、いい子だ。偉いぞー。じゃあ、お願いもしような?」ナデナデ
サシャ(小)「うん……」
ライナー「……」
サシャ(小)「……あのね、あのね」モジモジ
サシャ(小)「……………………肩車、して?」

85 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:56:48 ID:D6Fg1C/A
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト「……見てよ、アニ」
アニ「見てるよ」
ベルトルト「今までに見たことがないくらい頬が緩んでるね。ライナー」
アニ「どっかネジ外れたんじゃないの」
ベルトルト「ねえ、アニも肩車したい?」
アニ「何? 私のことチビだって言いたいわけ?」イラッ
ベルトルト「……ごめん、やっぱりなんでもない」
ユミル「コニーの奴、末恐ろしいな……あいつ兵士じゃなくて保育士にでもなったほうがいいんじゃねえの?」
ミカサ「……肩車、ライナーも小さいサシャも楽しそう」
アルミン「うん、そうだね。ーーでも、みんなそろそろ持ち場に戻らないといけないから、お開きにしないと」
クリスタ「アルミンの言うとおりだよ。このままだとライナーが父性に目覚めちゃうもんね」

86 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:57:28 ID:D6Fg1C/A
コニー「お疲れさん、ライナー。ーーどうだった? 肩車楽しかったろ? サシャ」ポンポン
サシャ(小)「うん! たのしかったー!」
ジャン「隊長、ブラウン訓練兵が興奮のあまり息をしておりません! 顔も真っ赤です!」バッ!!
エレン「大丈夫かよライナー、顔扇いでやるか?」パタパタ
ライナー「……すまんなエレン」
アルミン「はいはい、遊びはそこまでにしようね。……ねえサシャ、さっきのおねえちゃんと別れた時、何か言われたことはある?」
サシャ(小)「……? えっと、おかあさんはおねえちゃんが探してくるから、ここで待っててって……」
アルミン「そっか。じゃあ君のお母さんからは何か言われてないかな? 迷った時はどうしたらいいとか聞いてない?」
サシャ(小)「…………」
アルミン「ゆっくりでいいよ。思い出したら教えてくれるかな」
サシャ(小)「……まよったら、おっきいカンバンがあるところに来なさいって」
クリスタ「ーーあっ! そういえば、中央広場に看板があったよ!」
アルミン「確かそこで楽団が演奏してるんだよね。なるほど、目印としてはわかりやすいか」

87 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:58:13 ID:D6Fg1C/A
アルミン「ということは、サシャがこの子のお母さんを連れて来るまで、このままここで待ったほうがいいのかな……それとも看板のところまで行ってみたほうが……」ウーン...
ミカサ「でも、私たちはもう行かないと。休憩時間も残り少ない」
サシャ(小)「えっ……? みんな、行っちゃうの?」
ユミル「私らは仕事投げ出してここに来ちまったようなもんだしなー。面倒くせえけど、何事もないならもう帰らねえと」
サシャ(小)「……うん、わかった」
ジャン『……おい、これ泣き出すんじゃねえか』クルッ クイクイ
アニ『大丈夫だよ、私たちには子どもの味方、コニー・スプリンガーがついてる』トントン
コニー『いやいや、いくら俺でも万能じゃねえんだけど』ブンブン
ライナー「……」

88 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:59:02 ID:D6Fg1C/A
ライナー「なあ。……その上着を貸してくれた人は、『自分に任せておけ』って言わなかったか?」
サシャ(小)「……? そういえば、言ってた……」
ライナー「なら大丈夫だ。その人は、できないことをできるとは言わない奴だからな。『必ず連れてくる』って言ったんなら、ちゃんとやり遂げるさ」
サシャ(小)「……おにいちゃん、あのおねえちゃんと知りあいなの?」
ライナー「ああ。同期の仲間だ」
サシャ(小)「どーき……?」
ライナー「まあ……友だちみたいなもんだな」
ミカサ「かーのじょっ」ヘーイ
ユミル「こいーびとっ」ヘーイ
ライナー「ちょっと静かにしような、そこの二人」イラッ

89 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:59:47 ID:D6Fg1C/A
ライナー「ただ、信用できる奴ではあるんだが、少し抜けてるところがあるからな……お母さんに早く会いたいか?」
サシャ(小)「……うん、会いたい」
ライナー「よし、じゃあ行くか」
アルミン「……? 行くってどこへ?」
ライナー「このままだといつサシャが戻ってくるかわからないし、早く母親のところに連れて行ってやりたいからな。ダメ元で看板のところまで行ってくる」
ユミル「とんだお節介野郎だな……班長さんよ、上官方への言い訳はどうすんだ?」
ライナー「担当は違うが、これも誘導係の仕事のうちだ。問題ない」
クリスタ「だったら私が引き受けるよ! 元々西班に割り振られた仕事だしーー」
ライナー「いや、クリスタはこのままここにいてくれ。もしサシャが来たら、看板のところに来るように伝えておいてくれると助かる。そうだな……三十分くらいあれば充分だろう」
ジャン「……おいおいライナー、それだと午後は休憩時間なくなっちまうぞ? いいのか?」
ライナー「この子を泣き顔にさせるよりずっといいだろ。……じゃあ、後はよろしく頼むな」スタスタ...


90 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 19:00:31 ID:D6Fg1C/A
エレン「……やっぱりすげえな、ライナーの奴」
コニー「ああ。あんなのサラッと言い切れることじゃねえよな」
ベルトルト「……うん、そうだね」
アニ「……そういうところは昔から変わらない、か」ボソッ
ミカサ「……でもやはりあの身長差は父と娘にしか」
アルミン「しーっ!! ダメだよライナーは気にしてるんだから! 自分の体臭を真剣に悩んでいた時期だってあったんだからね!?」

91 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 19:01:16 ID:D6Fg1C/A
ーー 中央広場付近
ライナー「……混んでるな」キョロキョロ
ライナー(思った以上だ……これじゃあ、サシャもこの子の母親も見つけるのは難しいな。さて、どうするか……)ウーン...
サシャ(小)「みえないー」ピョンピョン
ライナー「そうだな……よし、よく見えるようにしてやる」ヒョイッ
サシャ(小)「わーい、肩車!」
ライナー「これなら遠くまで見えるだろ? お母さんの姿が見えたらすぐ知らせるんだぞ?」
サシャ(小)「……」ブチッ
ライナー「いてっ……こらこら、髪の毛むしるんじゃない」
サシャ(小)「……ねえ、おにいちゃんのお名前は?」
ライナー「ライナーだ。ライナー・ブラウン」
サシャ(小)「らいなー……おにいちゃん……」
ライナー「長くて呼びにくいだろ? ライナーでいいぞ」
サシャ(小)「……らいなー」

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