サシャ「……知りたくない味でしたね」
Part4
78 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:02:50 ID:oz0os7JY
サシャ「ライナー、遅れてるみたいですけど大丈夫ですか? 昨日眠れませんでした?」ノゾキコミ
ライナー「火の番が終わった後はちゃんと寝た。問題ない」
サシャ「ならいいんですけど……あの、地図が裏返しですよ」
ライナー「……」クルッ
サシャ「上下逆です」
ライナー「……」クルッ
サシャ(様子がおかしいですね。別に体調不良とかではなさそうですけど……)
サシャ「……」ジーッ
ライナー「……」サッ
サシャ(地図で顔を隠しちゃいましたね……なんで目を合わせてくれないんでしょう)ウーン...
ライナー(昨日は勢いでミカサに乗っかっちまったが、一眠りしたら罪悪感が……すまん、サシャ……)ズキズキ
サシャ(私が寝てる間に、何かあったんですかね……聞けば教えてもらえるでしょうか?)チラッ
ライナー(すみませんすみませんすみません)
79 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:04:12 ID:oz0os7JY
サシャ「昨日の晩に何かあったんですか? それとも何か変な夢でも見ました?」
ライナー「」ピクッ
サシャ(……どっちか当たったみたいですね。どっちでしょうか)ウーン...
ライナー「……昨日、何か夢を見たりしたか?」
サシャ「夢……ですか? いえ、特に何もーー」
ライナー「本当か? 正直に話せよ? 隠し事はなしだぞ?」
サシャ「そう言われても……はっきり覚えてるのは、ちょっと今すぐは思い当たらないですね」
サシャ(ライナーが変な夢を見たわけじゃなさそうですね。私の夢のことを聞くってことは、つまりーー)ハッ
80 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:05:18 ID:oz0os7JY
サシャ「もしかして私、寝言で何か変なこと言ってたんですか?」
ライナー「ああ。言ってた」
サシャ「!? ち、ちなみに何を……?」
ライナー「教えてやってもいいが……その前に、どんな夢を見てたか思い出せ」
サシャ「そ、そんなこと言われても……今すぐですか?」
ライナー「今すぐだ」キッパリ
サシャ「ええっと、ちょっと待ってくださいね……うーん……」
エレン「おーい二人とも、もう着いちまったぞー?」
サシャ「えっ、もう? ……行きましょうか、ライナー」
ライナー「……そうだな」
ライナー(気になる……何の夢を見てたんだ、サシャの奴……)ジロジロ
サシャ(本当に大丈夫なんですかねー……? 目付きが怪しいですけど……)ウーン...
81 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:06:28 ID:oz0os7JY
ーー チェックポイント・しいたけ付近
ライナー「……思ったよりも生えてるな。しいたけ」
サシャ「訓練兵全員に一本ずつ配ってもまだ余りそうです。……ここで最後ですよね?」
ミカサ「そう。これで花束が完成する。ここまで長かった」バッサバッサ
エレン「おい、振り回すなよ」
サシャ「どうせ一つしか持ち帰れないんならおいしそうなのにしましょう。もしかしたら何か料理にした後にお裾分けしてもらえるかもしれませんし」ウロウロ
ライナー「いや、一班一本だから無理だろ。……味見とか言って食うんじゃないぞ?」
サシャ「食べませんよ。小さいころに生のしいたけ食べてお腹壊したことありますからね!」エッヘン
エレン「……食ったのか」
ミカサ「サシャだもの」
ライナー「サシャだもんな」
エレン「小せえころから変わらなかったのか……驚いたな」
ミカサ「私はむしろ安心した。やはりサシャはそうでなくては」
ライナー「そうだな。いいところは伸ばしていかないとな」
82 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:07:17 ID:oz0os7JY
サシャ「……」ムー...
サシャ(なんか散々言われてるような気がしますけど……さてと、どれにしましょうかね)ウロウロ
サシャ(あまり傘が開いてなくて、軸が短いのはっと……)キョロキョロ
サシャ(……? 自然のものにしては、生え方が少しおかしいですね)ジーッ
サシャ(これ、もしかして誰かが育ててるものなんじゃ……あ、やっぱり)
サシャ(端に焼き印が押してありますね、えーっと、何なに……?)
サシャ「……あっ」
83 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:08:15 ID:oz0os7JY
サシャ「エレン、ちょっといいですか?」チョイチョイ
エレン「なんだ? しいたけの良し悪しなんて俺に聞くなよ?」
サシャ「そうじゃなくて……ここ、見てください」ユビサシ
エレン「? どれだって?」ノゾキコミ
ライナー「何か見つけたのか?」
ミカサ「……これは、焼き印?」
サシャ「はい。……これって、調査兵団のマークですよね?」
エレン「!! 本当だ、間違いねえよ!」
ライナー「調査兵団所有のものだってのか? この木が?」
サシャ「あのですね、更にその下に、名前が焼いてありまして……」ユビサシ
ミカサ「……シャーディス?」
ライナー「……しっかり書いてるな」
エレン「ん? シャーディスって誰だっけ? 聞いたことがあるような……」ウーン...
84 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:09:24 ID:oz0os7JY
ライナー「これが仕事……なわけないよな」
ミカサ「……もしかして、趣味?」
サシャ「ただの趣味で、こんなに大量にせっせと作ってるんですか?」
ミカサ「……」
サシャ「……」
ライナー「……」
ミカサ「……見なかったことにしよう」
サシャ「顔見たら思い出しそうなんですけど」
ライナー「言うな。帰還したら俺が本部で報告しないといけないんだぞ」
エレン「なー、みんなで何話してんだ? わかる話をしてくれよ」
ミカサ「……エレン。世の中には、知らないほうが幸せなこともある」
85 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:10:25 ID:oz0os7JY
ーー 同刻 コニー・アルミン・ユミル・ミーナ組
コニー「あとはナデシコ採って終わりだな! アルミンとミーナは大丈夫か?」
アルミン「うん、大丈夫だよ」
ユミル「それにしちゃ二人ともペース落ちてるぞ? 昨日ちゃんと寝たのか?」
ミーナ「……ね、寝てたよ。ずっと」
ユミル「本当かぁ?」ジロッ
コニー「ユミル、本人たちが大丈夫だっつってんだから平気だって。ーー俺ら先行して道見てくるけど、二人は自分たちのペースでいいからな」
アルミン「助かるよ……ありがとう、二人とも」
ミーナ「ごめん、せめて遅れないようにするね」
コニー「いいっていいって。こういう時ぐらい俺たちに任せろ」
ユミル「頼むから無茶してペース崩すなんてことはしてくれるなよ。……じゃあ、先に行くからな」ガサガサ
86 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:11:20 ID:oz0os7JY
アルミン「……」
ミーナ「……」
アルミン「あのさ」
ミーナ「うん」
アルミン「もしかして、ミーナ……昨日起きてた?」
ミーナ「……うん」
アルミン「……いつ?」
ミーナ「ミカサが火の番してる時」
アルミン「……」
ミーナ「……アルミンも?」
アルミン「……うん」
87 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:12:25 ID:oz0os7JY
ミーナ「えっと……元気出してね。うまく言えないんだけどさ」
アルミン「いや、ミカサがそういう子だってことは薄々わかってたんだからいいんだけどさ。……もう一人」
ミーナ「あっ……」
アルミン「……」
ミーナ「……」
アルミン「黙っててあげようね」
ミーナ「……言えなくない?」
アルミン「言えないね……」
アルミン「……知りたくなかったね」
ミーナ「……そうだね」
おわり
88 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:13:07 ID:oz0os7JY
というわけで終わりです 読んでくださった方ありがとうございましたー!
山岳訓練っていまいちよくわからなかったんですがこういうのでよかったんでしょうかね
補完のオマケはアルアニ+ベルアニのアニのお話なので苦手な人はそっ閉じしてください
補完なのでオチなしヤマなしです
89 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:14:35 ID:oz0os7JY
ーー ある日の資料室
アルミン「……」ペラッ
アルミン(これ、何度読んでも面白いなぁ……借りて帰って部屋で読もうかな。もう五回目だけど)ペラッ...
アルミン「……」ペラッ
アニ「……」
アルミン「……」ペラッ
アニ「……ねえ、正面に座ってるんだから無視しないでよ」ツンツン
アルミン「ん? ……ああ、どうしたの? アニ」パタンッ
アニ「ちょっと相談があるんだけどいい?」
アルミン「……? 僕に?」
アニ「うん。ーーあのさ、栗を使った料理が載った本を知らない?」
アルミン「料理? ……そっか、この前採ってきた栗で何か作りたいの?」
90 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:15:33 ID:oz0os7JY
アニ「察しがよくて助かるよ。それで、何か心当たりない?」
アルミン「心当たりというか……そもそも、なんで僕に聞いたの?」
アニ「あんたなら詳しいと思って」
アルミン「それは違うよ……違うよ!!」ガタッッ!!
アニ「アルミン、声が大きいよ。あと立ち上がらないで」
アルミン「僕は開拓地で野菜クズの浮いた薄いスープを飲んできてそれ以前もおじいちゃんが作った味のほとんどない柔らかい料理を食べてきた人間なんだよ!? 聞く相手を間違ってない!?」ダンッ!!
アニ「ここの資料は全部読み尽くして、トロスト区の本屋にも顔が利いて、お気に入りの古本屋が何軒かある。あんた以外にこういう訓練兵は他にいる?」
アルミン「……いないと思う」
アニ「正直だね。……まあ座りなよ。みんな見てるから」
アルミン「うん」トサッ
91 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:16:31 ID:oz0os7JY
アルミン「……あれ? でも、アニって料理できたんじゃなかった?」
アニ「“できる”と“得意”は違うでしょ? レシピがあれば私でも大抵のものはできるけど、何もない状態から作るなんてことは無理」
アルミン「そっか。じゃあ、必要なのはレシピだけなんだね?」
アニ「うん。……悪いんだけど、もしよかったら一緒に探してくれる?」
アルミン「……」
アニ「……嫌ならさっさと断ってよ」イラッ
アルミン「ううん、ごめん。そういうわけじゃないんだ」ブンブン
アルミン「そんな必死そうな顔しなくても、僕にできることなら喜んで協力するよ。アニ」ニコッ
アニ「……“必死そう”は、余計」
アルミン「あっ……ごめん」
アニ「別にいいけど。……ありがと」ボソッ
アルミン「あはは、どういたしまして」
92 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:17:25 ID:oz0os7JY
ーー 十分後
アニ「……」
アニ(アルミン、何の本を探しに行ったんだろ)
アニ(料理本なんか、ここの資料室にはないはずだけど……あ、戻ってきた)
アルミン「アニ、待たせてごめん。思ったより見つけられなかったよ。取り敢えず五冊だけ持ってきた」ドサッ
アニ「……五冊もあったの?」
アルミン「うん。歴史書だけどね」
アニ「……私は料理の作り方を書いた本を探してるんだけど」
アルミン「わかってるよ。……あのね、歴史っていうのは色々切り口があるんだ。料理もその例外じゃないんだよ」パラパラ...
アルミン「えーっと……あった、ここだ」ユビサシ
アニ「……栗ご飯の作り方?」
93 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:18:17 ID:oz0os7JY
アルミン「この歴史書を編集した人は料理が好きだったみたいでね、隙間にこういう記事がたくさんあるんだ」パラパラ...
アニ「……随分自由で自分勝手な奴だったんだね、そいつ」
アルミン「そうかな? 僕としては、こういう試みは嫌いじゃないよ。ーー例えばこの記事みたいに食べ物の話題があれば、勉強が苦手なサシャも食いついてくるでしょ?」
アルミン「歴史書なんて手に取る人は少ないからさ。全く興味がない人が取っかかりを持ってくれるなら、僕はこういうのもアリだと思うんだ」
アニ「……」ジーッ...
アルミン「あっ、ごめん……つまらなかったかな」
アニ「そんなことないよ。ーーあんた、意外とよく喋るね」
アルミン「そう……かな」ポリポリ
94 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:19:14 ID:oz0os7JY
アニ「……取り敢えず五冊、ってことは他にもあるの?」
アルミン「うん、今持ってきたのはパッと思いついた分だけなんだ。他にもその人が編集してる本があったはずだから探してくるよ」
アニ「私も手伝おうか? 名前を教えてくれたらわかるし」
アルミン「いいよいいよ、アニはどんな料理を作るかどうか考えてて。ーーそれじゃ行ってくるね!」ガタッ タタタッ
アニ(あ……行っちゃった)
アニ(おとなしくレシピ探そうかな)ペラッ
アニ「……」
アニ(全く……ミーナもアルミンも、お人よしだよね)
95 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:20:42 ID:oz0os7JY
ーー 山岳訓練 夜
ベルトルト「……」
ベルトルト(……火の番って、意外と暇だなぁ)ボンヤリ
ベルトルト(ジャンと交替するまで、あとどれくらいだっけ……)ウツラウツラ
アニ「……ベルトルト」コソッ
ベルトルト「……? アニ、寝たんじゃなかったの?」
アニ「ちょっとあんたに話があってさ」
ベルトルト「……今?」
アニ「今。ーーあのさ、これ……作り過ぎちゃったから、あげる」スッ
ベルトルト「……え? 僕に?」
アニ「他に誰がいるの?」ムッ
ベルトルト「ああ、ごめん……よく持ってきたね、これ」
アニ「本当は、兵舎で渡してもよかったんだけど……下手に見られて変な噂は立てられたくないからね」
96 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:22:02 ID:oz0os7JY
ベルトルト「……僕と噂立てられたくないなら、ライナーを経由してもよかったのに」
アニ「それは無理。今回あいつの分はないんだよ。一個余計にねだられたらミーナの分がなくなっちゃうし。それと……直接、あんたに渡したかったからっていうのもある」
ベルトルト「……直接」
アニ「うん。……これ、この前のお礼も含んでるから」
ベルトルト「お礼? ……ああ、この前出かけた時のか」
アニ「うん。ーー甘いの、そこまで好きじゃなかったでしょ? この前は無理に付き合わせて悪かったね。……まあこれも甘いんだけど、栗なら大丈夫かなって思ってさ」
ベルトルト「確かに得意ではないけど、あれくらいなら全然平気だよ?」
アニ「そう? ……じゃあ、また頼もうかな」
ベルトルト「うん。いつでも誘ってよ」
ベルトルト(そういえば……この前のお菓子の交換は間接キスになってるって、アニはわかってるのかな)
ベルトルト(いや、たぶんわかってないよね。そういう雰囲気にならなかったし……)
ベルトルト(……別に、ジャンやアルミンの言うことを鵜呑みにしてる訳じゃないけど)チラッ
97 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:23:03 ID:oz0os7JY
ベルトルト「……ねえアニ。これ、半分こしようよ」
アニ「私はもう味見したからいいよ。いらない」
ベルトルト「この前サシャが言ってただろ? 美味しいものは分けあおうって。これも分けるべきだと僕は思うんだけどな」
アニ「……じゃあ、一口だけもらおうかな」
ベルトルト(……よし、気づかれてない)
ベルトルト「はい、どうぞ」スッ
アニ「……どうも」パクッ
ベルトルト「」ピクッ
ベルトルト(い、今……アニの上唇が、僕の人差し指に……当たった……!)
アニ「……うん、やっぱりおいしい」モグモグ
ベルトルト(うわぁっ……く、暗くてよかったぁ……! 顔赤いの、バレてないよね……!?)
アニ「……どうしたの? 食べないの?」
ベルトルト「えっ!? ……あ、ああ、うん、食べるよ。食べる食べる」
アニ「……?」
98 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:24:10 ID:oz0os7JY
アニ(なんか挙動不審だけど……やっぱり甘い物はダメだったのかな)
アニ(嫌なら嫌って言えばいいのに……大体、まだ一口も食べてないのに食わず嫌いしないでよね)イライラ
アニ(……でも、本当に苦手なら半分の量でもきついか。だからまだ食べようとしないのかも)
アニ「……無理して食べなくてもいいけど。それ」
ベルトルト「いや、食べるよ食べる! 食べます!」ブンブン
アニ「量が多いならもう半分にしようか? 私が食べてあげてもいいけど」
ベルトルト「えっ……えっ?」ドギマギ
アニ(……やっぱり態度がおかしいな。何考えてんだろ、ベルトルトの奴)ジロッ...
ベルトルト(うっ……疑われてる……ジャンもアルミンもうそつきだ、全然幸せじゃないよ、蛇に睨まれてる気分だ……)ダラダラダラダラ
アニ(待てよ、私が食べた後から態度がおかしくなったから、もしかしてーー)
99 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:25:18 ID:oz0os7JY
アニ「……もしかして、私が口をつけたから食べられないの?」
ベルトルト「いやむしろその逆っていうか」
アニ「……逆?」
ベルトルト「あっ」
アニ「……」
ベルトルト「じゃあいただきます」アーン
アニ「ちょっと」ガシッ
ベルトルト「……」ダラダラダラダラ
100 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:26:33 ID:oz0os7JY
ベルトルト(ばっ、バレちゃったあああああああああああああっ!! どうしようどうしようどうしよう!! どうしたらいいのこれ!?)オロオロオロオロ
アニ「……や、やっぱりダメ。そういうことならお菓子返して」グイッ
ベルトルト「えっ、で、でも……」アタフタアタフタ
アニ「もう、返してってば……!」グイグイ
ベルトルト「うわっ! 押さないで、危ないからーーっ!?」グラッ
\グルンッ ドスンッ!!/
101 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:27:47 ID:oz0os7JY
ジャン「なんだよ、うるせえぞベルトルト……ぉおっ!?」
ジャン(べ、ベルトルトが……アニを押し倒してやがる……! 何やってんだこんな時に訓練中だぞ!?)
クリスタ「今の音、なぁにー……?」ゴシゴシ
ジャン「……」サッ
クリスタ「んぅ……? なんで目の前がくらいの……? あかりは……?」ムニャムニャ
ジャン「クリスタは見ちゃいけません」
クリスタ「ユミルみたいなこと言わないでよー、ジャン……。もしかして、ジャンはユミルなの……? それとも、ユミルがジャンなの……? そもそもジャンは何……? 馬……?」
ジャン「馬じゃねえよ。人間だっての」
クリスタ「私、馬はだいすきだよ……?」
ジャン「わかったわかった。いい子だから寝ろクリスタ」
クリスタ「そっかぁ、そうだね……いい子になりたいから寝るね、私……」ムニャムニャ
ジャン「……」
クリスタ「……zzz」スピー...
102 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:28:59 ID:oz0os7JY
ジャン「……それで、お前らなんでおっぱじめてんだよ」
ベルトルト「い、いや、違うよ、そんなつもりじゃーー」オロオロ
アニ「……じゃ、邪魔」ゲシッ
ベルトルト「痛い!」ゴロンッ
アニ「……私、少し離れたところで寝るから」スタスタ...
ジャン「お、おい! ……ダメだ、アニの奴行っちまった」
ベルトルト「……」ズーン...
ジャン「おいベルトルト、何があったんだ? 膝抱えてないで説明しろって」
ベルトルト「……」グスッ
ジャン「!? おっ、おい、泣くなって! なっ? 俺が悪かったから」ナデナデ
ベルトルト「ジャンとアルミンの馬鹿……」グスグス
おわり
103 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:30:22 ID:oz0os7JY
というわけでオマケも終わりです オチなしヤマなしですみません
次回祭り回の予定だったんですがちょっと書きたい話ができたので次々回に持ち越しになります
今週はライナーがサシャの寝顔を堪能したので来週は逆です 今回ほど変態にはならない……はず! それではまた来週!
104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/26(木) 22:32:19 ID:hNHgX6yg
乙!
ライナーが最初の頃よりサシャにデレデレで可愛いww
105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/26(木) 22:38:03 ID:eN0ZP/Fk
個人的に味シリーズと呼んでいる。大好き
106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/26(木) 22:39:42 ID:ZBEtzC86
乙!このシリーズ大好きでまとめから追っかけてきました!
111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/27(金) 06:29:05 ID:7nE7sQnk
乙です
今回も素晴らしかった
サシャ「ライナー、遅れてるみたいですけど大丈夫ですか? 昨日眠れませんでした?」ノゾキコミ
ライナー「火の番が終わった後はちゃんと寝た。問題ない」
サシャ「ならいいんですけど……あの、地図が裏返しですよ」
ライナー「……」クルッ
サシャ「上下逆です」
ライナー「……」クルッ
サシャ(様子がおかしいですね。別に体調不良とかではなさそうですけど……)
サシャ「……」ジーッ
ライナー「……」サッ
サシャ(地図で顔を隠しちゃいましたね……なんで目を合わせてくれないんでしょう)ウーン...
ライナー(昨日は勢いでミカサに乗っかっちまったが、一眠りしたら罪悪感が……すまん、サシャ……)ズキズキ
サシャ(私が寝てる間に、何かあったんですかね……聞けば教えてもらえるでしょうか?)チラッ
ライナー(すみませんすみませんすみません)
79 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:04:12 ID:oz0os7JY
サシャ「昨日の晩に何かあったんですか? それとも何か変な夢でも見ました?」
ライナー「」ピクッ
サシャ(……どっちか当たったみたいですね。どっちでしょうか)ウーン...
ライナー「……昨日、何か夢を見たりしたか?」
サシャ「夢……ですか? いえ、特に何もーー」
ライナー「本当か? 正直に話せよ? 隠し事はなしだぞ?」
サシャ「そう言われても……はっきり覚えてるのは、ちょっと今すぐは思い当たらないですね」
サシャ(ライナーが変な夢を見たわけじゃなさそうですね。私の夢のことを聞くってことは、つまりーー)ハッ
80 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:05:18 ID:oz0os7JY
サシャ「もしかして私、寝言で何か変なこと言ってたんですか?」
ライナー「ああ。言ってた」
サシャ「!? ち、ちなみに何を……?」
ライナー「教えてやってもいいが……その前に、どんな夢を見てたか思い出せ」
サシャ「そ、そんなこと言われても……今すぐですか?」
ライナー「今すぐだ」キッパリ
サシャ「ええっと、ちょっと待ってくださいね……うーん……」
エレン「おーい二人とも、もう着いちまったぞー?」
サシャ「えっ、もう? ……行きましょうか、ライナー」
ライナー「……そうだな」
ライナー(気になる……何の夢を見てたんだ、サシャの奴……)ジロジロ
サシャ(本当に大丈夫なんですかねー……? 目付きが怪しいですけど……)ウーン...
81 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:06:28 ID:oz0os7JY
ーー チェックポイント・しいたけ付近
ライナー「……思ったよりも生えてるな。しいたけ」
サシャ「訓練兵全員に一本ずつ配ってもまだ余りそうです。……ここで最後ですよね?」
ミカサ「そう。これで花束が完成する。ここまで長かった」バッサバッサ
エレン「おい、振り回すなよ」
サシャ「どうせ一つしか持ち帰れないんならおいしそうなのにしましょう。もしかしたら何か料理にした後にお裾分けしてもらえるかもしれませんし」ウロウロ
ライナー「いや、一班一本だから無理だろ。……味見とか言って食うんじゃないぞ?」
サシャ「食べませんよ。小さいころに生のしいたけ食べてお腹壊したことありますからね!」エッヘン
エレン「……食ったのか」
ミカサ「サシャだもの」
ライナー「サシャだもんな」
エレン「小せえころから変わらなかったのか……驚いたな」
ミカサ「私はむしろ安心した。やはりサシャはそうでなくては」
ライナー「そうだな。いいところは伸ばしていかないとな」
82 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:07:17 ID:oz0os7JY
サシャ「……」ムー...
サシャ(なんか散々言われてるような気がしますけど……さてと、どれにしましょうかね)ウロウロ
サシャ(あまり傘が開いてなくて、軸が短いのはっと……)キョロキョロ
サシャ(……? 自然のものにしては、生え方が少しおかしいですね)ジーッ
サシャ(これ、もしかして誰かが育ててるものなんじゃ……あ、やっぱり)
サシャ(端に焼き印が押してありますね、えーっと、何なに……?)
サシャ「……あっ」
サシャ「エレン、ちょっといいですか?」チョイチョイ
エレン「なんだ? しいたけの良し悪しなんて俺に聞くなよ?」
サシャ「そうじゃなくて……ここ、見てください」ユビサシ
エレン「? どれだって?」ノゾキコミ
ライナー「何か見つけたのか?」
ミカサ「……これは、焼き印?」
サシャ「はい。……これって、調査兵団のマークですよね?」
エレン「!! 本当だ、間違いねえよ!」
ライナー「調査兵団所有のものだってのか? この木が?」
サシャ「あのですね、更にその下に、名前が焼いてありまして……」ユビサシ
ミカサ「……シャーディス?」
ライナー「……しっかり書いてるな」
エレン「ん? シャーディスって誰だっけ? 聞いたことがあるような……」ウーン...
84 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:09:24 ID:oz0os7JY
ライナー「これが仕事……なわけないよな」
ミカサ「……もしかして、趣味?」
サシャ「ただの趣味で、こんなに大量にせっせと作ってるんですか?」
ミカサ「……」
サシャ「……」
ライナー「……」
ミカサ「……見なかったことにしよう」
サシャ「顔見たら思い出しそうなんですけど」
ライナー「言うな。帰還したら俺が本部で報告しないといけないんだぞ」
エレン「なー、みんなで何話してんだ? わかる話をしてくれよ」
ミカサ「……エレン。世の中には、知らないほうが幸せなこともある」
85 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:10:25 ID:oz0os7JY
ーー 同刻 コニー・アルミン・ユミル・ミーナ組
コニー「あとはナデシコ採って終わりだな! アルミンとミーナは大丈夫か?」
アルミン「うん、大丈夫だよ」
ユミル「それにしちゃ二人ともペース落ちてるぞ? 昨日ちゃんと寝たのか?」
ミーナ「……ね、寝てたよ。ずっと」
ユミル「本当かぁ?」ジロッ
コニー「ユミル、本人たちが大丈夫だっつってんだから平気だって。ーー俺ら先行して道見てくるけど、二人は自分たちのペースでいいからな」
アルミン「助かるよ……ありがとう、二人とも」
ミーナ「ごめん、せめて遅れないようにするね」
コニー「いいっていいって。こういう時ぐらい俺たちに任せろ」
ユミル「頼むから無茶してペース崩すなんてことはしてくれるなよ。……じゃあ、先に行くからな」ガサガサ
86 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:11:20 ID:oz0os7JY
アルミン「……」
ミーナ「……」
アルミン「あのさ」
ミーナ「うん」
アルミン「もしかして、ミーナ……昨日起きてた?」
ミーナ「……うん」
アルミン「……いつ?」
ミーナ「ミカサが火の番してる時」
アルミン「……」
ミーナ「……アルミンも?」
アルミン「……うん」
87 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:12:25 ID:oz0os7JY
ミーナ「えっと……元気出してね。うまく言えないんだけどさ」
アルミン「いや、ミカサがそういう子だってことは薄々わかってたんだからいいんだけどさ。……もう一人」
ミーナ「あっ……」
アルミン「……」
ミーナ「……」
アルミン「黙っててあげようね」
ミーナ「……言えなくない?」
アルミン「言えないね……」
アルミン「……知りたくなかったね」
ミーナ「……そうだね」
おわり
88 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:13:07 ID:oz0os7JY
というわけで終わりです 読んでくださった方ありがとうございましたー!
山岳訓練っていまいちよくわからなかったんですがこういうのでよかったんでしょうかね
補完のオマケはアルアニ+ベルアニのアニのお話なので苦手な人はそっ閉じしてください
補完なのでオチなしヤマなしです
89 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:14:35 ID:oz0os7JY
ーー ある日の資料室
アルミン「……」ペラッ
アルミン(これ、何度読んでも面白いなぁ……借りて帰って部屋で読もうかな。もう五回目だけど)ペラッ...
アルミン「……」ペラッ
アニ「……」
アルミン「……」ペラッ
アニ「……ねえ、正面に座ってるんだから無視しないでよ」ツンツン
アルミン「ん? ……ああ、どうしたの? アニ」パタンッ
アニ「ちょっと相談があるんだけどいい?」
アルミン「……? 僕に?」
アニ「うん。ーーあのさ、栗を使った料理が載った本を知らない?」
アルミン「料理? ……そっか、この前採ってきた栗で何か作りたいの?」
90 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:15:33 ID:oz0os7JY
アニ「察しがよくて助かるよ。それで、何か心当たりない?」
アルミン「心当たりというか……そもそも、なんで僕に聞いたの?」
アニ「あんたなら詳しいと思って」
アルミン「それは違うよ……違うよ!!」ガタッッ!!
アニ「アルミン、声が大きいよ。あと立ち上がらないで」
アルミン「僕は開拓地で野菜クズの浮いた薄いスープを飲んできてそれ以前もおじいちゃんが作った味のほとんどない柔らかい料理を食べてきた人間なんだよ!? 聞く相手を間違ってない!?」ダンッ!!
アニ「ここの資料は全部読み尽くして、トロスト区の本屋にも顔が利いて、お気に入りの古本屋が何軒かある。あんた以外にこういう訓練兵は他にいる?」
アルミン「……いないと思う」
アニ「正直だね。……まあ座りなよ。みんな見てるから」
アルミン「うん」トサッ
91 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:16:31 ID:oz0os7JY
アルミン「……あれ? でも、アニって料理できたんじゃなかった?」
アニ「“できる”と“得意”は違うでしょ? レシピがあれば私でも大抵のものはできるけど、何もない状態から作るなんてことは無理」
アルミン「そっか。じゃあ、必要なのはレシピだけなんだね?」
アニ「うん。……悪いんだけど、もしよかったら一緒に探してくれる?」
アルミン「……」
アニ「……嫌ならさっさと断ってよ」イラッ
アルミン「ううん、ごめん。そういうわけじゃないんだ」ブンブン
アルミン「そんな必死そうな顔しなくても、僕にできることなら喜んで協力するよ。アニ」ニコッ
アニ「……“必死そう”は、余計」
アルミン「あっ……ごめん」
アニ「別にいいけど。……ありがと」ボソッ
アルミン「あはは、どういたしまして」
92 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:17:25 ID:oz0os7JY
ーー 十分後
アニ「……」
アニ(アルミン、何の本を探しに行ったんだろ)
アニ(料理本なんか、ここの資料室にはないはずだけど……あ、戻ってきた)
アルミン「アニ、待たせてごめん。思ったより見つけられなかったよ。取り敢えず五冊だけ持ってきた」ドサッ
アニ「……五冊もあったの?」
アルミン「うん。歴史書だけどね」
アニ「……私は料理の作り方を書いた本を探してるんだけど」
アルミン「わかってるよ。……あのね、歴史っていうのは色々切り口があるんだ。料理もその例外じゃないんだよ」パラパラ...
アルミン「えーっと……あった、ここだ」ユビサシ
アニ「……栗ご飯の作り方?」
93 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:18:17 ID:oz0os7JY
アルミン「この歴史書を編集した人は料理が好きだったみたいでね、隙間にこういう記事がたくさんあるんだ」パラパラ...
アニ「……随分自由で自分勝手な奴だったんだね、そいつ」
アルミン「そうかな? 僕としては、こういう試みは嫌いじゃないよ。ーー例えばこの記事みたいに食べ物の話題があれば、勉強が苦手なサシャも食いついてくるでしょ?」
アルミン「歴史書なんて手に取る人は少ないからさ。全く興味がない人が取っかかりを持ってくれるなら、僕はこういうのもアリだと思うんだ」
アニ「……」ジーッ...
アルミン「あっ、ごめん……つまらなかったかな」
アニ「そんなことないよ。ーーあんた、意外とよく喋るね」
アルミン「そう……かな」ポリポリ
94 :オマケ・1 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:19:14 ID:oz0os7JY
アニ「……取り敢えず五冊、ってことは他にもあるの?」
アルミン「うん、今持ってきたのはパッと思いついた分だけなんだ。他にもその人が編集してる本があったはずだから探してくるよ」
アニ「私も手伝おうか? 名前を教えてくれたらわかるし」
アルミン「いいよいいよ、アニはどんな料理を作るかどうか考えてて。ーーそれじゃ行ってくるね!」ガタッ タタタッ
アニ(あ……行っちゃった)
アニ(おとなしくレシピ探そうかな)ペラッ
アニ「……」
アニ(全く……ミーナもアルミンも、お人よしだよね)
95 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:20:42 ID:oz0os7JY
ーー 山岳訓練 夜
ベルトルト「……」
ベルトルト(……火の番って、意外と暇だなぁ)ボンヤリ
ベルトルト(ジャンと交替するまで、あとどれくらいだっけ……)ウツラウツラ
アニ「……ベルトルト」コソッ
ベルトルト「……? アニ、寝たんじゃなかったの?」
アニ「ちょっとあんたに話があってさ」
ベルトルト「……今?」
アニ「今。ーーあのさ、これ……作り過ぎちゃったから、あげる」スッ
ベルトルト「……え? 僕に?」
アニ「他に誰がいるの?」ムッ
ベルトルト「ああ、ごめん……よく持ってきたね、これ」
アニ「本当は、兵舎で渡してもよかったんだけど……下手に見られて変な噂は立てられたくないからね」
96 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:22:02 ID:oz0os7JY
ベルトルト「……僕と噂立てられたくないなら、ライナーを経由してもよかったのに」
アニ「それは無理。今回あいつの分はないんだよ。一個余計にねだられたらミーナの分がなくなっちゃうし。それと……直接、あんたに渡したかったからっていうのもある」
ベルトルト「……直接」
アニ「うん。……これ、この前のお礼も含んでるから」
ベルトルト「お礼? ……ああ、この前出かけた時のか」
アニ「うん。ーー甘いの、そこまで好きじゃなかったでしょ? この前は無理に付き合わせて悪かったね。……まあこれも甘いんだけど、栗なら大丈夫かなって思ってさ」
ベルトルト「確かに得意ではないけど、あれくらいなら全然平気だよ?」
アニ「そう? ……じゃあ、また頼もうかな」
ベルトルト「うん。いつでも誘ってよ」
ベルトルト(そういえば……この前のお菓子の交換は間接キスになってるって、アニはわかってるのかな)
ベルトルト(いや、たぶんわかってないよね。そういう雰囲気にならなかったし……)
ベルトルト(……別に、ジャンやアルミンの言うことを鵜呑みにしてる訳じゃないけど)チラッ
97 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:23:03 ID:oz0os7JY
ベルトルト「……ねえアニ。これ、半分こしようよ」
アニ「私はもう味見したからいいよ。いらない」
ベルトルト「この前サシャが言ってただろ? 美味しいものは分けあおうって。これも分けるべきだと僕は思うんだけどな」
アニ「……じゃあ、一口だけもらおうかな」
ベルトルト(……よし、気づかれてない)
ベルトルト「はい、どうぞ」スッ
アニ「……どうも」パクッ
ベルトルト「」ピクッ
ベルトルト(い、今……アニの上唇が、僕の人差し指に……当たった……!)
アニ「……うん、やっぱりおいしい」モグモグ
ベルトルト(うわぁっ……く、暗くてよかったぁ……! 顔赤いの、バレてないよね……!?)
アニ「……どうしたの? 食べないの?」
ベルトルト「えっ!? ……あ、ああ、うん、食べるよ。食べる食べる」
アニ「……?」
アニ(なんか挙動不審だけど……やっぱり甘い物はダメだったのかな)
アニ(嫌なら嫌って言えばいいのに……大体、まだ一口も食べてないのに食わず嫌いしないでよね)イライラ
アニ(……でも、本当に苦手なら半分の量でもきついか。だからまだ食べようとしないのかも)
アニ「……無理して食べなくてもいいけど。それ」
ベルトルト「いや、食べるよ食べる! 食べます!」ブンブン
アニ「量が多いならもう半分にしようか? 私が食べてあげてもいいけど」
ベルトルト「えっ……えっ?」ドギマギ
アニ(……やっぱり態度がおかしいな。何考えてんだろ、ベルトルトの奴)ジロッ...
ベルトルト(うっ……疑われてる……ジャンもアルミンもうそつきだ、全然幸せじゃないよ、蛇に睨まれてる気分だ……)ダラダラダラダラ
アニ(待てよ、私が食べた後から態度がおかしくなったから、もしかしてーー)
99 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:25:18 ID:oz0os7JY
アニ「……もしかして、私が口をつけたから食べられないの?」
ベルトルト「いやむしろその逆っていうか」
アニ「……逆?」
ベルトルト「あっ」
アニ「……」
ベルトルト「じゃあいただきます」アーン
アニ「ちょっと」ガシッ
ベルトルト「……」ダラダラダラダラ
100 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:26:33 ID:oz0os7JY
ベルトルト(ばっ、バレちゃったあああああああああああああっ!! どうしようどうしようどうしよう!! どうしたらいいのこれ!?)オロオロオロオロ
アニ「……や、やっぱりダメ。そういうことならお菓子返して」グイッ
ベルトルト「えっ、で、でも……」アタフタアタフタ
アニ「もう、返してってば……!」グイグイ
ベルトルト「うわっ! 押さないで、危ないからーーっ!?」グラッ
\グルンッ ドスンッ!!/
101 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:27:47 ID:oz0os7JY
ジャン「なんだよ、うるせえぞベルトルト……ぉおっ!?」
ジャン(べ、ベルトルトが……アニを押し倒してやがる……! 何やってんだこんな時に訓練中だぞ!?)
クリスタ「今の音、なぁにー……?」ゴシゴシ
ジャン「……」サッ
クリスタ「んぅ……? なんで目の前がくらいの……? あかりは……?」ムニャムニャ
ジャン「クリスタは見ちゃいけません」
クリスタ「ユミルみたいなこと言わないでよー、ジャン……。もしかして、ジャンはユミルなの……? それとも、ユミルがジャンなの……? そもそもジャンは何……? 馬……?」
ジャン「馬じゃねえよ。人間だっての」
クリスタ「私、馬はだいすきだよ……?」
ジャン「わかったわかった。いい子だから寝ろクリスタ」
クリスタ「そっかぁ、そうだね……いい子になりたいから寝るね、私……」ムニャムニャ
ジャン「……」
クリスタ「……zzz」スピー...
102 :オマケ・2 ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:28:59 ID:oz0os7JY
ジャン「……それで、お前らなんでおっぱじめてんだよ」
ベルトルト「い、いや、違うよ、そんなつもりじゃーー」オロオロ
アニ「……じゃ、邪魔」ゲシッ
ベルトルト「痛い!」ゴロンッ
アニ「……私、少し離れたところで寝るから」スタスタ...
ジャン「お、おい! ……ダメだ、アニの奴行っちまった」
ベルトルト「……」ズーン...
ジャン「おいベルトルト、何があったんだ? 膝抱えてないで説明しろって」
ベルトルト「……」グスッ
ジャン「!? おっ、おい、泣くなって! なっ? 俺が悪かったから」ナデナデ
ベルトルト「ジャンとアルミンの馬鹿……」グスグス
おわり
103 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/26(木) 22:30:22 ID:oz0os7JY
というわけでオマケも終わりです オチなしヤマなしですみません
次回祭り回の予定だったんですがちょっと書きたい話ができたので次々回に持ち越しになります
今週はライナーがサシャの寝顔を堪能したので来週は逆です 今回ほど変態にはならない……はず! それではまた来週!
104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/26(木) 22:32:19 ID:hNHgX6yg
乙!
ライナーが最初の頃よりサシャにデレデレで可愛いww
105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/26(木) 22:38:03 ID:eN0ZP/Fk
個人的に味シリーズと呼んでいる。大好き
106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/26(木) 22:39:42 ID:ZBEtzC86
乙!このシリーズ大好きでまとめから追っかけてきました!
111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/27(金) 06:29:05 ID:7nE7sQnk
乙です
今回も素晴らしかった
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