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サシャ「どうぞ、ご賞味ください」

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Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:00:53 ID:s04t853I
・サシャ「美味しいものは、分けあいましょう」の続きです
・今回も長いので分割して投下します

2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:01:29 ID:s04t853I
ーー 夜 女子寮 ユミルたちの部屋
ユミル「……」
サシャ「……」カリカリ
ユミル「……ふむ」
サシャ「どうです?」
ユミル「答えが違う。出だしはよかったが途中で間違えたな」
サシャ「え? どこからですか?」
ユミル「それを見つけるのが勉強だろ。……ほら、最初から見直せ」
サシャ「うーん……」ポリポリ
ユミル「人がせっかく時間割いてやってるんだから早くしろよ。ほらほらほらほら早く早く早く早く」
サシャ「ううっ……急かさないでくださいよ、今探してますから……」ジーッ...
クリスタ「ユミル、サシャをあんまりいじめちゃダメだよー」アミアミ
ユミル「愛のムチと言え、愛のムチと」

3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:02:24 ID:s04t853I
サシャ「……ところで、ユミルが首に巻いてるのってクリスタが編んだマフラーですか?」
ユミル「羨ましいだろ」モフモフ
サシャ「えっと」
ユミル「羨ましいだろ?」モフモフモフモフ
サシャ「……はい、羨ましいです」
ユミル「だろ? だろ??」モフモフモフモフモフモフモフモフ
クリスタ「さっきサシャが来るまでね、布団の上で笑いながらゴロゴロしてたんだよ。ユミル」アミアミ
サシャ「へー……ユミルが」
クリスタ「うん。ふへへって笑ってた」
サシャ「ふへへ、ですか」
クリスタ「うん。ふへへ」
サシャ「それで、今クリスタが編んでるのはなんですか? セーターとか?」
クリスタ「これ? サシャにあげるマフラーだよ」アミアミ

4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:02:57 ID:s04t853I
サシャ「えっ? 私にもくれるんですか?」
クリスタ「うん。ちょっと長めに作るから時間かかるけど、今月中にはできるよ」
サシャ「わあ、ありがとうございます! ……ん? 長めに??」
クリスタ「んっとね、……これ」ガサガサ
サシャ「どれどれ……? “今年の冬はこれで決まり! 気になる彼とカップル巻き♪”、ですか」
クリスタ「もちろんやるかどうかはサシャ次第なんだけど、できれば見たいなぁって……」
サシャ「……」
サシャ(これは……ちょっと正直、恥ずかしいですが)チラッ

5 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:03:29 ID:s04t853I
クリスタ「だめ?」ジーッ...
サシャ(……まあ、さっと巻いてパッと見せればいいですよね)
サシャ「わかりました、お任せください! 必ずやクリスタの期待に応えて見せましょう!」
クリスタ「やったぁ! ありがとうサシャ、はりきって作るね!」アミアミ
ユミル「その後私の手袋な、クリスタ」
クリスタ「はいはい、わかったよーユミル」アミアミ
ユミル「……ふへへ」
サシャ「あ、笑った」


6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:04:18 ID:s04t853I
クリスタ「そうだ、サシャも息抜きに編み物やってみる?」
サシャ「うーん……指編みならできるんですけどね、棒編みはやったことないので遠慮しときます」
クリスタ「指編み? できるの?」
サシャ「お父さんが縄の切れっ端で遊んでたのを真似してたので。……ちょっと失礼しますね」アミアミ
サシャ「……はいっ! こんな感じです」ドヤァ
クリスタ「わあ! すごーい、サシャ上手いね!」パチパチパチパチ
サシャ「まあ、大きいものは編めないですし、糸の処理の仕方も知らないんですけどね。実用性がないので完全に暇つぶしの一つですよ」エヘヘ
ユミル「……」チラッ チラッ
サシャ「ユミルが会話に入りたそうにこちらを見ていますね。仲間に入れますか?」
クリスタ「ユミル、こっちおいでよ。一緒に話そう?」

7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:04:54 ID:s04t853I
ユミル「……私、編み物できないし」ボソッ
クリスタ「もう、だから教えてあげるって言ってるのにー」プクーッ
サシャ「私ができるんですから、ユミルならすぐできますよ。クリスタにマフラー作ってあげましょうよ」
ユミル「……そんなに言われちゃ仕方ないな。ちょっとだけな、ちょっとだけ」イソイソ
クリスタ「うんうん、私たちしつこいからね」
サシャ「はいはい、しょうがないですよね」
ユミル「……ああもう、お前ら生意気なんだよ!!」グリグリグリグリ
クリスタ「ひゃあっ!? ユミル、そこは痛いってばぁ!!」ジタバタジタバタ
サシャ「あははっ、くすぐったいですよーユミルってば!」ジタバタジタバタ
ユミル「うるさいこの馬鹿二人めぇっ! こうしてやるこうしてやるこうしてやる!!」グリグリグリグリ!!

8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:05:44 ID:s04t853I
                              \コンコンッ/
ユミル「ああ? こんな時間に誰だ?」ピタッ
クリスタ「お客さんかな……来る予定あった?」
サシャ「いえ、心当たりありませんけど……どうぞ、入っていいですよー」
ミカサ「おまたせーしまーしたーわーたしーはみかさー♪」ガチャッ
ミカサ「あーいあーむにーんじゃー♪」バタンッ

9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:06:25 ID:s04t853I
ユミル「……」
クリスタ「……」
サシャ「……」
ミカサ「……こんばんは。前に言われたとおり、大騒ぎしながら来た」
ユミル「まあ確かに大騒ぎはしてたな」
サシャ「廊下でも歌いながら来たんですか?」
ミカサ「流石にそこまで非常識じゃない。……はず」
ユミル「そこは自信持てよ」
クリスタ「何はともあれいらっしゃいミカサ。今日はどうしたの?」
ミカサ「最近サシャと一緒にいられなくて寂しい。……ので、遊びに来た」
サシャ「なるほど、わかりました……ミカサ、いらっしゃいませ!」バッ!
ミカサ「おじゃまします!!」ダキッ

10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:07:26 ID:s04t853I
ミカサ「……///」ムギューッ...
サシャ「よしよし、甘えんぼさんのミカサもかわいいですねえ」ナデナデ
クリスタ「……」ウズウズ チラッチラッ
ミカサ「……サシャ、好き」スリスリ
サシャ「はーい、私も好きですよー」ナデナデ
クリスタ「……私も混ざるぅ!」ダキッ
ミカサ「だめ。サシャは私の。クリスタは……私とサシャが仲良くする様を、指をくわえて見ていればいい……くわえて見てろ!」ムギューッ!!
クリスタ「うわーんユミル、ミカサがいじめるー!」ギューッ!!
ユミル「はいはい大丈夫だクリスタ、私がついてるぞー」ナデナデ

11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:08:05 ID:s04t853I
ーー 三十分後
ミカサ「……ふう、堪能した」ホッコリ
サシャ「はい、お疲れさまでした」
ミカサ「ところで、窓際に飾ってあるあのドライフラワーは何?」ユビサシ
ユミル「……それに触るなよ?」
ミカサ「ユミルの? ……見るだけならいい?」
ユミル「ダメだ」
ミカサ「……」シュン
ユミル「それで? ミカサ、本気で遊びに来た“だけ”じゃねえだろ? 何しに来た?」
ミカサ「うん。芋の目処が立ったので、日程を連絡しに来た」
サシャ「芋……?」キョトン
クリスタ「日程……?」キョトン

12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:09:21 ID:s04t853I
ユミル「夏にみんなでスイカ食ったろ。あれを今度は芋でやるんだとよ」
ミカサ「食堂のお姉さんに都合してもらった。もちろん、参加者からお金はもらうけど」
サシャ「えっ……」ギクッ
クリスタ「? サシャ、どうしたの? 青い顔して」
サシャ「あの、私、今手持ちがちょっと……」モジモジ
ユミル「クリスタの分とお前の分は私が払っといた」
クリスタ「えっ? 私の分も?」
ユミル「クリスタも今財布の中身スッカラカンだろ。知ってんだぞ私は」
サシャ「ううっ……クリスタだけではなく、ユミルも神様だったんですね! 神様ぁーっ!!」ダキッ!!
ユミル「はっはっは。トイチな、サシャ。もしくは来月の水汲み代わってくれてもいいぞ」ポンポン
ミカサ「……暴利」

13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:10:01 ID:s04t853I
ユミル「まあ金の話はいいんだよ。それで、いつごろになりそうだ?」
ミカサ「再来週。訓練が半日休みの日があるから、その日にしてもらった」
ユミル「ふーん……休みの日丸々潰すのももったいねえし、妥当かな」
サシャ「みんなで遊ぶのってあの日以来でしたっけ? 楽しみですね!」
クリスタ「ねー!」
ミカサ「……あまり浮かれてもいられない。今回は訓練所の外でやるから、みんなで打ち合わせが必要」
クリスタ「? それくらいなら、別にどうってことーー」
ミカサ「そして……近いうち、基礎体力訓練がある」
クリスタ「……あ」
サシャ「……なんですか? それ」キョトン

14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:10:54 ID:s04t853I
ミカサ「夏に男子がやった、成績順に負荷をかけて営庭を走る訓練。ちなみに女子は四十周。試験ではないけれど、走った時間と終了後の心拍数は記録される。ので、気が抜けない」
サシャ「そういえば、そんな訓練ありましたね」
クリスタ「そっか、忘れてた……私、体力ないから困ったなぁ」ウーン...
ユミル「やっべ、今、私何番だっけ……?」ウーン...
ミカサ「ユミルなら、結構上位にいたと思ったけれど」
ユミル「……もっと手ぇ抜いときゃよかった」
クリスタ「ユミル、ダメだよそんなの!」プンスカ
ユミル「私はクリスタと違ってマジメちゃんじゃねえの! あーやだやだサボりたい……」ブツブツ

15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:11:39 ID:s04t853I
サシャ「……ねえミカサ。今回の訓練、二人で勝負しませんか?」
ミカサ「私と? 何故?」
サシャ「えーっと、前哨戦と言いますか……立体機動や座学じゃ敵いませんけど、体力なら今の私でもなんとか太刀打ちできるかなぁって……」
ユミル「おいおい、流石にそりゃ無謀すぎるだろ」
ミカサ「……いえ、サシャの体力は侮れない。それに、負荷は私のほうが断然多いはず」
サシャ「あ、そっか……それだとミカサが不利ですよね。すみません、やっぱりこの話はなかったことにーー」
ミカサ「大丈夫。確か全員ギリギリ四十周走れるように調整されてるはずだから、条件はほぼ同じ。……だから、受けて立とう」
クリスタ「ミカサ、いいの? そりゃあ、四十周ならほぼ条件は同じかもしれないけど……長引けば不利だよ?」
ミカサ「ーー私は、誰が相手でも負けない」
ユミル「……おー怖っ。サシャ、どうせ勝てないだろうが気合い入れていけよ?」
サシャ「もう、どうしてやる前からそういうこと言うんですか?」ムーッ...
クリスタ「二人とも、勝負するのはいいけど無理はしないでね? 倒れて参加できなくなっちゃったらダメだよ?」
ミカサ「無理するかどうかは、当日になってみないとわからない。……何にせよ、訓練の日が今から楽しみ」

16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:12:22 ID:s04t853I
ーー 数日後 基礎体力訓練当日 開始前の営庭
サシャ(えーっと……あ、いたいた)キョロキョロ
サシャ「ジャン! ーー約束した時から随分遅れましたが、ミカサと一緒に遊ぶチャンスが巡ってきましたよ! よかったですね!」
ジャン「……」ボーッ...
サシャ「……ジャン? どうしました? 嬉しくないんですか? ミカサと遊びに行けるんですよ?」
ジャン「わからねえだろうな……なんでわからねえかわかるか? それはな、お前が俺の域に達してないからだ」フッ
サシャ「えーっと……?」
マルコ「やあサシャ。基礎体力訓練、かなりキツイと思うけど頑張ってね」スタスタ...
サシャ「……あの、マルコ。ジャンはどうしたんですか?」
マルコ「ジャンはね、この前の幸せの余韻に浸ってちょっとおかしくなってるだけだよ。フラッシュバックってやつだね。日程や今日の夜の会議のことは僕から伝えておくから大丈夫だよ」
サシャ「はあ。……じゃあ、よろしくお願いしますね」スタスタ...

17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:13:04 ID:s04t853I
マルコ「ジャン、いろいろ準備があるからそろそろ行こうか」
ジャン「……俺はミカサと食べさせあいっこしたんだ、マルコ」
マルコ「うん。もう三十回くらい聞いた」
ジャン「『はしたなくてごめんね?』ってミカサが顔を赤らめてたんだ。それも手と手が触れあいそうな、そんな距離だ」
マルコ「話す度にミカサの態度が違ってるなぁ。……そういえば、その日はライナーたちもそこの喫茶店に行ってたらしいね」
ジャン「……」ピタッ
マルコ「ライナーと、ベルトルトと、サシャと……あれ? あと一人は誰だったのかな? 聞かなかったけど」
ジャン「……なあマルコ、今度の芋祭もそいつらが来るんだよな?」
マルコ「芋祭っていう名前がどこからでてきたのか知らないけどそうだよ? 主催はミカサとライナーらしいから」
ジャン「俺たちは、ライナーやミカサがイチャイチャする様を、見せつけられるってことだよな……?」
マルコ「そうなるかもね。わからないけど」
ジャン「……イライラしてきた」ギリッ...
マルコ「おかえりジャン。戻ってくるって信じてたよ」

18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:13:57 ID:s04t853I
ーー 一時間後 営庭 ゴール付近
ユミル「あーっ、疲れた……」フラフラ...
アルミン「お疲れさま、ユミル。これ、タオルと水だよ」スッ
ユミル「どうも。ーーおらよ、さっさと測れ」ズイッ
ライナー「……なあユミル。サシャが見当たらないんだが知らないか?」
ユミル「計測中に話しかけんな」
ライナー「……終わったぞ」スッ
アルミン「えーっと、ユミルユミルっと……」カキカキ
ユミル「あいつならまだ走ってるぞ。首席様と勝負してるからな」
アルミン「体力訓練なのに勝負? なんでまた?」
ユミル「知らねえよ、どっかの野郎の筋肉イジメがうつったんじゃねえの?」ジロッ
ライナー「は? 俺のせいか?」
ユミル「にぶちん」アッカンベー
ライナー「……謂われのない中傷を受けている気がする」イラッ
アルミン「まあまあ、二人ともその辺で。ーー仕事も残ってるし、次に行こう?」

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:14:35 ID:s04t853I
ーー 更に数十分後
ライナー「これで女子は全員か?」
アルミン「マルコやジャンとも手分けしてるから、突き合わせてみないとわからないけど……女子は全員測り終わったと思うよ」
ジャン「ーーいいや、ミカサとサシャがまだだ」スタスタ...
アルミン「えっ? あの二人、まだ走ってるの!?」
マルコ「うん。どっちもすごい体力だよね」
ライナー「あいつら競ってるんだよな? 今どうなってるんだ?」
ジャン「ミカサが一周半遅れでサシャを追いかけてる。数だけならサシャが一歩リードしてるな」
ライナー「ミカサが負けてるのか?」
マルコ「今の時点ではね。あと五分もあれば逆転されると思うよ。……サシャもなかなかよかったんだけどな」
ジャン「ミカサは最初からずっと自分のペースを崩してないが、サシャの奴はもう虫の息だ。そのうち倒れるだろ」

20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:15:28 ID:s04t853I
マルコ「……うん、サシャは惜しかったな。四十周時点ではミカサとほぼ同じタイムだったのに」
ジャン「周じゃなくて時間で競えばよかったのにな。ま、結局ミカサには勝てなかったってことだろ」
ライナー「……ちょっと待て、まだ勝負は決まってないぞ?」
ジャン「あのなぁライナー。お前がどんだけサシャのことを贔屓してようが、無理なもんは無理なんだって。見ろよあの走り方。今にもぶっ倒れそうじゃねえか」ユビサシ
アルミン「ーーううん、ライナーの言う通りだ。まだ勝負は決まってないよ」
マルコ「僕には、このままジリ貧でサシャが負けるようにしか見えないけど……アルミンが言うからには、何か根拠があるんだろ?」
アルミン「うん。……このままなら、ジャンやマルコの言うとおりサシャが負けるだろうけどーー時間切れならどう? サシャが逃げて勝つ可能性もあるんじゃないかな?」
ジャン「……あ」
マルコ「そうか、このまま延長はないはずだから、そろそろーー」
教官「アッカーマン! ブラウス! そろそろ終わりだ、切り上げろ!」
アルミン「……ほらね?」


21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:16:03 ID:s04t853I
マルコ「ということは……」
ジャン「マジかよ……あいつ、ミカサに勝ちやがった」
マルコ「……サシャはこの展開を予想してたのかな?」
アルミン「いや、それはないんじゃないかな? 言っちゃ悪いけど、サシャはそこまで考えてない気がする。むしろ、ミカサの計算が狂ったと考えるほうが自然かな」
ジャン「……つまり、まぐれ勝ちだろ?」
ライナー「まぐれでも、勝ちは勝ちだ」
ジャン「取り敢えずそこでニヤけてるゴリラ殴っていいか?」
マルコ「計測が終わってからね。……サシャがこっち側に戻ってくるまで時間があるし、ひとまずゴールしたミカサのところに行こうか」

22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:16:53 ID:s04t853I
アルミン「ミカサ、お疲れさま」
ミカサ「……ふう、疲れた。重い」ズドンッ!!
アルミン「……今ありえない音がしたんだけど」
ミカサ「気のせい」
ライナー「お前、何背負って走ってたんだ?」
ミカサ「立体機動装置を着けたエレン」
アルミン「エレンが聞いたら『俺はお前の荷物じゃねえぞ!』って怒るだろうね」
ミカサ「目標はエレンとアルミン、両方を抱えて走れるようになること」
マルコ「うわっ、そりゃ大変だ」
ジャン「……」シュン
ライナー「おいジャン、お前は抱えられる側でいいのか?」
ジャン「そういうわけじゃねえんだけどさ……でもさ……」ショボーン...

23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/18(水) 18:17:56 ID:s04t853I
アルミン「ねえミカサ。……正直、あと何周いけた?」ヒソヒソ
ミカサ「何周かはわからないけど、あのペースならもう三十分ほど保ったと思う」
アルミン「……わざと負けてあげたわけじゃないんだよね?」ヒソヒソ
ミカサ「それはサシャに失礼。そして、まぐれでも勝ちは勝ち」
アルミン「まあ、サシャは元から五時間以上ぶっ通しで走る体力はあったからね。ーーでもさ、時間切れの可能性はミカサだって気づいてたろ?」
ミカサ「……正直に言うと、途中から本気でエレンと走ってる気になっていた」
アルミン「ああ……つまり忘れちゃったんだね」
ミカサ「てへぺろ」コツンッ☆
アルミン「ところで、全然疲れてるように見えないんだけど……本当に疲れたの?」
ミカサ「うん、疲れた。へとへと」
アルミン「でも普通に受け答えしてるね?」
ミカサ「私は身体を支配できる。ので、当然」
アルミン「……心肺能力と筋肉は別物だと思うんだけど」
ミカサ「そういうものなの?」キョトン

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