サシャ「美味しいものは、分けあいましょう」
Part1
1 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:08:54 ID:6fQnSrzM
・サシャ「無意味じゃありません!」の続きです
・いつもよりかなり長め
2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:10:04 ID:6fQnSrzM
ーー 消灯時間前 男子寮 エレンたちの部屋
ライナー「ただいま。……ん? お前一人か? ベルトルト」キョロキョロ
ベルトルト「おかえり、班長会議お疲れさま。ーーアルミンとエレンにはお願いして、少し外してもらったんだ」
ライナー「……」
ベルトルト「何の話かわかるよね、ライナー」
ライナー「……ああ、わかってるさ」
ベルトルト「サシャのこと、どうするつもりなの?」
ライナー「そうだな、ベルトルト。……お前にだけは、本当のところを話しておくか」
ベルトルト「ライナー……」
ライナー「あいつはいい嫁さんになるぞ」キリッ
ベルトルト「誰が君に惚気話しろって言ったんだよ」
3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:10:44 ID:6fQnSrzM
ベルトルト「ちょっと待ってよ、なんでいきなりそんな話になってるのさ。なんか色々すっ飛ばしてない?」
ライナー「結婚したい」キリッ
ベルトルト「だから早いって」
ライナー「早いわけあるか。ーーいいか? よーく考えてみろベルトルト……この前なんかな、あの食い意地の張ったサシャが俺のために料理を振る舞ってくれたんだぞ!? 俺のためだけに!! この重大さがわかるか!?」ダンッ!!
ベルトルト「二回も言わなくていいから。あと興奮した馬じゃあるまいし足鳴らさないで」
ライナー「しかも、はじめて作った料理のはずなのにうまかった……火加減も完璧だった……」ジーン...
ベルトルト「しっかり胃袋掴まれてるね。君のほうが餌付けされちゃってるじゃないか」
ライナー「メシを食うのが好きな奴は、作るのも上手だってのは本当だったんだな……アルミンの言った通りだ……」シミジミ
ベルトルト「あーはいはい」
ライナー「聞けよ!!」
4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:11:28 ID:6fQnSrzM
ベルトルト「……わかったよ。立ち話もなんだし、ひとまず座ろうか」
ライナー「ん? なんだ? 腰を据えてじっくり聞きたいってか?」ニヤニヤ
ベルトルト「もうそういうことでいいから取り敢えず座ってよ……なんだか長くなりそうだし」
ライナー「そうだな、サシャの魅力は一日じゃ語り尽くせないからな」
ベルトルト「はいはい。エレンとアルミンが戻ってくるから三十分で済ませてね」
ライナー「……難しいな」
ベルトルト「難しいんだ」
ライナー「……ちょっと待ってろ、紙に書き出してくるから」ガタッ
ベルトルト「いいよいいよそこまでしなくてもわかったから」グイグイ
ライナー「お前にサシャの何がわかる!!」ダンッ!!
ベルトルト「めんどくさいな君」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 19:11:36 ID:jkMf23Hg
待ってました!
6 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:12:40 ID:6fQnSrzM
ライナー「第一な、見た目“だけは”かわいいって言う奴はまるでわかってない。ーーあいつは見た目“も”かわいいんだ!」
ベルトルト(うわぁ……なんか始まった……)ドンビキ
ライナー「いいかーー女の体型の良し悪しはケツで決まる」キリッ
ベルトルト「見た目の話してるのに、一番最初にお尻の話題を持ってくる辺りもうズレてると思うんだけど」
ライナー「美しい尻は調和の取れた体型に通ずるからな。あいつの魅力を語るには避けては通れない要素だと思うんだがどうだろうか」
ベルトルト「どうだろうかじゃないよ。第一、サシャとは関係なくなっちゃってるし。君、本当は女の子のお尻ならなんでもいいんじゃないの?」
ライナー「そりゃ三流の発想だな」フフン
ベルトルト「三流も何も、僕はお尻フェチになった覚えはないよ」
ライナー「ケツは上半身を支える土台だから、ある程度でかくて肉つきがよくないとな。太腿も同じだ。太い方が絶対にいい。誰でもいいわけじゃないさ」
ベルトルト「……ああ、サシャも結構肉つきいいよね。太腿とか特に」
ライナー「正直一日中撫で回したい」
ベルトルト「どこを?」
ライナー「言わせるなよ恥ずかしい///」ニヤニヤ
ベルトルト「ちょっと鏡見てきたら? 面白いものが見られるよ?」
7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:13:23 ID:6fQnSrzM
ライナー「俺にはわかる。サシャの尻は、近年稀に見るいい形をしていた……」シミジミ
ベルトルト「いつかサシャにお尻蹴られても僕は知らないからね。そもそも、サシャのお尻なんてどこで見たんだよ」
ライナー「この前の嵐の時だな」
ベルトルト「……え、ついにやっちゃったの?」スススッ
ライナー「距離を取るなよ。……手は出してないぞ。明日のメシ全部賭けてもいい」
ベルトルト「手を出さないのは当たり前だろ。万が一開拓地送りになったらどうするんだよ」
ライナー「だから俺はちゃんと我慢したぞ、偉いだろ!」ドヤァ
ベルトルト「偉いとかじゃなくて普通のことだってば。君ここに何しに来たの? 遊びに来たわけ?」
ライナー「……違います」シュン
ベルトルト「ねえライナー……君は戦士なの? 兵士なの?」
ライナー「紳士だな」キリッ
ベルトルト「こんな時までふざけないでくれる?」イラッ
ライナー「……すまん」ショボン...
8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:14:28 ID:6fQnSrzM
ベルトルト「まあいいや……じゃあ、どうしてサシャのお尻なんか見ることになったんだよ」
ライナー「ああ。ーー俺が納屋に入った時に、ちょうどサシャが洗濯籠を漁っててな、こう……扉のほうに背中を向けて、ケツを突きだして屈んでいたわけだ」グイッ
ベルトルト「実演はしないでいいよ。続けて」
ライナー「どうも着替え中だったみたいでな、あいつは下着姿だった」
ベルトルト「……へえ」
ライナー「多少は拭いたんだろうが、全部は拭き取れなかったらしいな。雨と汗で濡れた下着が、肌に貼りついて……」
ベルトルト「……」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「…………………………終わり」プイッ
ベルトルト「ちょっと、そこまで話したんだから全部話しなよ!!」ガシッ
ライナー「話せるかもったいない! あの光景は墓まで持っていく!!」ジタバタジタバタ
ベルトルト「君にだけいい思いさせてたまるか! 少しくらい僕に分けなよ!」ユサユサユサユサ
ライナー「誰が分けるか!! おいこら放せ暑苦しい!!」ジタバタジタバタジタバタジタバタ
9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:15:24 ID:6fQnSrzM
ーー 二十分後
ベルトルト「……口が堅いね、ライナー」ゼエハア
ライナー「……そう簡単に話してたまるか」ゼエハア
ベルトルト「全く……君のせいでもう時間が残り少ないじゃないか」チラッ
ライナー「お前がサシャのケツにこだわってるからだろ?」
ベルトルト「はいはい、わかったよ。……さっきからそうやって熱く語ってるけどさ、サシャが君のことなんとも思ってなかったら普通に変態だよね」
ライナー「何を言う。男はみんな変態だ」
ベルトルト「僕は違うよ。一緒にしないで。ーー君、そこまであの子のこと考えてるのに何も言ってないの?」
ライナー「……言えるわけねえだろ」
ベルトルト「ちょっと、一気に深刻にならないでよ」
10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:16:34 ID:6fQnSrzM
ライナー「俺たちは……なんとしてでも故郷に帰るんだ。色恋沙汰にかまけてる暇なんか一切ない」
ベルトルト「……正直、君は何も考えてないんだと思ってたよ」
ライナー「馬鹿言え、考えてるさ。俺はそこまで無責任じゃないぞ」
ベルトルト「ごめん、知ってるよ。……君にその気がないなら、サシャは今のうちに突き放しちゃった方が楽だと思うよ」
ライナー「……そうだな」
ベルトルト「……」
ライナー「でもほっとけないんだよなぁ……」ウーン...
ベルトルト「世話焼きもいい加減にしなよ」
ライナー「いや、実際にあいつの近くで見てないとわからないぞこれは」
ベルトルト「そりゃあ、君は最近サシャの側にいるからよくわかるだろうね」
11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:17:13 ID:6fQnSrzM
ライナー「なら、今度の休みの日に出かけてみるか? サシャも連れて」
ベルトルト「……はい? なんでそうなるの?」
ライナー「一度あいつの行動を見ればお前も納得するんじゃないかと思ってな。だが、男二人に女一人じゃつまらんだろうし……そうだな、たまにはアニを誘って出かけてみるのはどうだ?」
ベルトルト「!? 何考えてるんだ、もし僕たちが同郷だってバレたらーー」
ライナー「そんな堅苦しく考えるな。同期の仲間と少し街に出かけるだけだ、問題ないだろ?」
ベルトルト「僕たち三人が一緒に出かけるだけでも充分まずいよ。その情報は、いずれ僕たちの首を絞める」
ライナー「だからサシャがいるんだろう? 兵舎裏でコソコソ三人で密会するよりは、四人で街中に遊びに出かけるほうがよっぽど健全だと思うんだがな」
ベルトルト「……わかったよ。その代わり、今回だけだからね」
ライナー「ああ。ーー何かでかけるためのいい口実があればいいんだがな。さて、どうするか」
12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:18:04 ID:6fQnSrzM
ーー 同刻 女子寮 ミカサたちの部屋
ミーナ「……」カリカリカリカリ...
アニ「……」ペラッ...
ミカサ「……」ガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソ
アニ「……ミカサ、うるさい。何してるの?」
ミカサ「出かける準備」
アニ「今から?」
ミカサ「ううん。来週」
アニ「……早すぎでしょ」
ミカサ「備えあれば憂いなし」ガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソ
13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:18:49 ID:6fQnSrzM
アニ「そんなに準備してるってことは、山に山菜でも採りに行くの?」
ミカサ「違う。喫茶店にお菓子を食べに行く」
アニ「……どこに行く気? その喫茶店、崖の上にでもあるの?」
ミカサ「このチラシの場所。エレンとアルミンと三人で行く」スッ
アニ「どれどれ……ふうん、“カップル限定・秋の味覚祭”ね……」ペラッ
アニ(サツマイモのムース……カボチャのタルト……アップルパイ……モンブラン……)
アニ(……ん? モンブラン?)ピクッ
アニ(……モンブランって何のお菓子だろ)
アニ「……」
アニ「……」ソワソワ
14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:21:27 ID:6fQnSrzM
アニ「……」チラッチラッ
ミーナ「アニ、行きたいところがあるなら遠回しなアピールしないでちゃんと誘ってって前に言ったよね。横でチラシ持ったままウロウロしないで」カリカリカリカリ
アニ「……ミーナ、ミーナ。これ行こうよ」クイクイ
ミーナ「今お菓子控えてるからパス」カリカリカリカリ
アニ「……」
ミーナ「しかもそれ、カップル限定だから私と行っても意味ないよ?」
アニ「……男子と二人で行って、変な噂立てられたくないんだよ」
ミーナ「どっちみち、私その日は再試験入ってるから行けないよ」カリカリカリカリ
アニ「じゃあ仕方ないね。再試験の担当教官は誰?」スクッ
ミーナ「闇討ちはダメだよ、アニ。……それに無理に私と行かなくたって、そういうのを二つ返事で引き受けてくれそうな子が他にいるでしょ?」
アニ「……そういえば」
15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:22:27 ID:6fQnSrzM
ーー 翌日 夕方 営庭隅
サシャ「それで私に白羽の矢が立ったわけですか」
アニ「あんた好きでしょ、こういうの」ピラッ
サシャ「まあ好きですけど……これ、カップル限定なんですね」ジーッ
アニ「普段はちっとも喫茶店に寄りつこうとしない男を抱き合わせでいただこうなんてコスい商売だよね」チッ
サシャ「アニ? もしもし?」
アニ「なんでもないよ」
サシャ「それにしても、ミカサはどうする気なんですかね? これ、カップル限定なのに……四人目にアテはあるんでしょうか?」
アニ「さあね。三人で一つのカップルとでも言い出すんじゃないの?」
サシャ「サンドイッチですか……贅沢ですね」
16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:23:20 ID:6fQnSrzM
アニ「それでどう? 行ける?」
サシャ「うーん、行きたいのはやまやまなんですけど……私、来月まで金欠なんですよね」
アニ「来月までって……買い食いでもしたの? 前借りまでして?」
サシャ「まあ、そんなところです。だから今回は遠慮しときますね」
アニ「いいよ。誘ってるのはこっちなんだから私が出すよ」
サシャ「誘う……」ピクッ
アニ「それで、相手なんだけどーー」
サシャ「誘うって他の意味があるんですかね?」
アニ「突然何の話?」
17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:24:19 ID:6fQnSrzM
サシャ「この前、えーっと……とある人に言われたんですよ。『誘ってるようにしか聞こえない』って」
アニ「どこか行くの?」
サシャ「さあ……? そういう話はしてなかったはずなんですけどね」
アニ「……まあいいや、相手の話に戻すよ」
アニ(ミーナ、あんたは何も知らないで答えたんだろうけど、素晴らしいアイディアだよ……)ニヤッ...
アニ(サシャを誘えばライナーがついてきて、ついでにベルトルトも抱き込める。……つまり、私から誰かに声をかける手間が省ける)
アニ(……私、完璧)キリッ
アニ「私はベルトルトに頼もうと思ってるんだ。だからサシャはーー」
サシャ「コニーに頼みますね!」
アニ「待った」
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:25:09 ID:6fQnSrzM
アニ「なんでそこでコニーが出てくるの?」
サシャ「いやぁ……頼みやすいかなーって……」
アニ「他にいるでしょ他に」
サシャ「じゃあ……エレンとか?」
アニ「ミカサが黙ってないんじゃない?」
サシャ「ジャンなら!」
アニ「甘いの好きじゃなさそうだよね、あの男」
サシャ「マルコは、優しいですし」
アニ「断らないのをいいことにお願いするの?」
サシャ「ベ、ベルトルト!」
アニ「ベルトルトは私と行くんだよ。二人もいないから」
サシャ「アルミンと……」
アニ「ねえ、なんでライナーじゃないの?」
サシャ「……今、気まずくて。そういうこと頼みづらいな、って」
19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:25:57 ID:6fQnSrzM
アニ「頼みづらいって……喧嘩でもした?」
サシャ「喧嘩ではないと思うんですが……私が怒らせたことには間違いなくて、その……」モジモジ
アニ「煮え切らないね」
サシャ「すみません、私も実はよくわかってないんです……」ショボーン...
アニ「あいつが怒ったなら、何かちゃんとした理由があるはずだよ。さっさと謝ってくれば?」
サシャ「私もそうしようかと思ったんですが、ユミルに『謝るな』って言われてるんですよ」
アニ「……変な話だね」
サシャ「ですよね」
アニ「深く考えすぎなんじゃないの? あんたと同じで結構単純だよ、あの男」
サシャ「同じですか、照れますね……///」テレテレ
アニ「褒めてないよ」
20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:28:28 ID:6fQnSrzM
サシャ「……ええっと、座りましょっか」ペタンッ
アニ「そうだね。長くなりそうだし」ポスッ
アニ(……そういえば、ミーナ以外とこういう話、あまりしたことないかも)
アニ(しかも、恋愛の話題……もしかして、これが“恋バナ”っていうものなのかな……)ハッ
アニ(なんか、いかにも乙女っぽい……!)
アニ「……」
アニ「……」ソワソワ
サシャ「……? アニ、どうしました?」キョトン
アニ「なんでもないよ」キリッ
アニ(……あれ、恋バナって何を話せばいいんだろ)
アニ(まあいいか、いつも通りで)
21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:29:19 ID:6fQnSrzM
サシャ「……喧嘩って慣れないですね。好きじゃないです」
アニ「前もしたことあるの?」
サシャ「いえ、それに近いことが何度かありまして……どれも、私が考えすぎて勝手に気まずくなってただけですけどね」
アニ「……まあ、喧嘩が好きな奴も珍しいよね」
サシャ「エレンとジャンはしょっちゅう喧嘩してますけどね」
アニ「あれは遠回しな愛情表現だから」
サシャ「へー……そうだったんですか……」
アニ「むしろ求愛ダンス?」
サシャ「……カップル成立ですね」
アニ「喫茶店にはジャンを連れて行けばいいんだよ、ミカサはさ」
サシャ「ああ、それだとダブルデートになりますもんね」クスクス
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:30:25 ID:6fQnSrzM
アニ「あんたさ、あいつの……ライナーのこと、本気で好きなの?」
サシャ「はい!」
アニ「即答だね」
サシャ「これだけは譲れませんから!」
アニ「……あのさ、好きってどんな気持ち?」
サシャ「私もちゃんとはわかってませんよ。……でも、最近一緒にいるとですね、自然とほっぺたが緩んじゃうんですよね」ニヘラ
アニ「……今も緩んでるよ」
サシャ「おっと、危ない危ない」キリッ
アニ「……」
サシャ「……」
アニ「……」
サシャ「……」ニヘラ
アニ(……見てて面白いな)ホンワカ
23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:31:16 ID:6fQnSrzM
アニ「でもあんたたちって、まだ付き合ってないんだよね」
サシャ「……そうですね」
アニ「キスもした」
サシャ「はい」
アニ「手も繋いだ」
サシャ「はい」
アニ「でも、あんたから好きとは伝えてない」
サシャ「……はい」
アニ「なんで?」
サシャ「……恥ずかしくて」モジモジ
アニ(……変なの)
24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:32:06 ID:6fQnSrzM
アニ「さっさと言っちゃえばすっきりするんじゃない?」
サシャ「それは、そうだと思うんですけど……すっきりしたいわけじゃないですし、一応私なりの目標もあるので」
アニ「目標?」
サシャ「……ライナーには内緒ですよ?」
アニ「言わないよ。……言う相手なんかミーナくらいしかいないしね」
サシャ「そのミーナにも内緒にできます?」
アニ「……努力するよ。それで、目標って何?」
サシャ「大したことではないんですけどね。……今の私って、結局はライナーにとって手間のかかる子どもくらいにしか思われてないんですよ」
アニ「……そんなことないと思うけど」
サシャ「いえ、自分のことですからちゃんとわかってますよ。ーーそんな子どもでも、隣でただニコニコ笑ってるだけならできると思うんです。それこそ今の私だって今すぐできます」
・サシャ「無意味じゃありません!」の続きです
・いつもよりかなり長め
2 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:10:04 ID:6fQnSrzM
ーー 消灯時間前 男子寮 エレンたちの部屋
ライナー「ただいま。……ん? お前一人か? ベルトルト」キョロキョロ
ベルトルト「おかえり、班長会議お疲れさま。ーーアルミンとエレンにはお願いして、少し外してもらったんだ」
ライナー「……」
ベルトルト「何の話かわかるよね、ライナー」
ライナー「……ああ、わかってるさ」
ベルトルト「サシャのこと、どうするつもりなの?」
ライナー「そうだな、ベルトルト。……お前にだけは、本当のところを話しておくか」
ベルトルト「ライナー……」
ライナー「あいつはいい嫁さんになるぞ」キリッ
ベルトルト「誰が君に惚気話しろって言ったんだよ」
3 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:10:44 ID:6fQnSrzM
ベルトルト「ちょっと待ってよ、なんでいきなりそんな話になってるのさ。なんか色々すっ飛ばしてない?」
ライナー「結婚したい」キリッ
ベルトルト「だから早いって」
ライナー「早いわけあるか。ーーいいか? よーく考えてみろベルトルト……この前なんかな、あの食い意地の張ったサシャが俺のために料理を振る舞ってくれたんだぞ!? 俺のためだけに!! この重大さがわかるか!?」ダンッ!!
ベルトルト「二回も言わなくていいから。あと興奮した馬じゃあるまいし足鳴らさないで」
ライナー「しかも、はじめて作った料理のはずなのにうまかった……火加減も完璧だった……」ジーン...
ベルトルト「しっかり胃袋掴まれてるね。君のほうが餌付けされちゃってるじゃないか」
ライナー「メシを食うのが好きな奴は、作るのも上手だってのは本当だったんだな……アルミンの言った通りだ……」シミジミ
ベルトルト「あーはいはい」
ライナー「聞けよ!!」
4 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:11:28 ID:6fQnSrzM
ベルトルト「……わかったよ。立ち話もなんだし、ひとまず座ろうか」
ライナー「ん? なんだ? 腰を据えてじっくり聞きたいってか?」ニヤニヤ
ベルトルト「もうそういうことでいいから取り敢えず座ってよ……なんだか長くなりそうだし」
ライナー「そうだな、サシャの魅力は一日じゃ語り尽くせないからな」
ベルトルト「はいはい。エレンとアルミンが戻ってくるから三十分で済ませてね」
ライナー「……難しいな」
ベルトルト「難しいんだ」
ライナー「……ちょっと待ってろ、紙に書き出してくるから」ガタッ
ベルトルト「いいよいいよそこまでしなくてもわかったから」グイグイ
ライナー「お前にサシャの何がわかる!!」ダンッ!!
ベルトルト「めんどくさいな君」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/10(火) 19:11:36 ID:jkMf23Hg
待ってました!
ライナー「第一な、見た目“だけは”かわいいって言う奴はまるでわかってない。ーーあいつは見た目“も”かわいいんだ!」
ベルトルト(うわぁ……なんか始まった……)ドンビキ
ライナー「いいかーー女の体型の良し悪しはケツで決まる」キリッ
ベルトルト「見た目の話してるのに、一番最初にお尻の話題を持ってくる辺りもうズレてると思うんだけど」
ライナー「美しい尻は調和の取れた体型に通ずるからな。あいつの魅力を語るには避けては通れない要素だと思うんだがどうだろうか」
ベルトルト「どうだろうかじゃないよ。第一、サシャとは関係なくなっちゃってるし。君、本当は女の子のお尻ならなんでもいいんじゃないの?」
ライナー「そりゃ三流の発想だな」フフン
ベルトルト「三流も何も、僕はお尻フェチになった覚えはないよ」
ライナー「ケツは上半身を支える土台だから、ある程度でかくて肉つきがよくないとな。太腿も同じだ。太い方が絶対にいい。誰でもいいわけじゃないさ」
ベルトルト「……ああ、サシャも結構肉つきいいよね。太腿とか特に」
ライナー「正直一日中撫で回したい」
ベルトルト「どこを?」
ライナー「言わせるなよ恥ずかしい///」ニヤニヤ
ベルトルト「ちょっと鏡見てきたら? 面白いものが見られるよ?」
7 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:13:23 ID:6fQnSrzM
ライナー「俺にはわかる。サシャの尻は、近年稀に見るいい形をしていた……」シミジミ
ベルトルト「いつかサシャにお尻蹴られても僕は知らないからね。そもそも、サシャのお尻なんてどこで見たんだよ」
ライナー「この前の嵐の時だな」
ベルトルト「……え、ついにやっちゃったの?」スススッ
ライナー「距離を取るなよ。……手は出してないぞ。明日のメシ全部賭けてもいい」
ベルトルト「手を出さないのは当たり前だろ。万が一開拓地送りになったらどうするんだよ」
ライナー「だから俺はちゃんと我慢したぞ、偉いだろ!」ドヤァ
ベルトルト「偉いとかじゃなくて普通のことだってば。君ここに何しに来たの? 遊びに来たわけ?」
ライナー「……違います」シュン
ベルトルト「ねえライナー……君は戦士なの? 兵士なの?」
ライナー「紳士だな」キリッ
ベルトルト「こんな時までふざけないでくれる?」イラッ
ライナー「……すまん」ショボン...
8 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:14:28 ID:6fQnSrzM
ベルトルト「まあいいや……じゃあ、どうしてサシャのお尻なんか見ることになったんだよ」
ライナー「ああ。ーー俺が納屋に入った時に、ちょうどサシャが洗濯籠を漁っててな、こう……扉のほうに背中を向けて、ケツを突きだして屈んでいたわけだ」グイッ
ベルトルト「実演はしないでいいよ。続けて」
ライナー「どうも着替え中だったみたいでな、あいつは下着姿だった」
ベルトルト「……へえ」
ライナー「多少は拭いたんだろうが、全部は拭き取れなかったらしいな。雨と汗で濡れた下着が、肌に貼りついて……」
ベルトルト「……」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「…………………………終わり」プイッ
ベルトルト「ちょっと、そこまで話したんだから全部話しなよ!!」ガシッ
ライナー「話せるかもったいない! あの光景は墓まで持っていく!!」ジタバタジタバタ
ベルトルト「君にだけいい思いさせてたまるか! 少しくらい僕に分けなよ!」ユサユサユサユサ
ライナー「誰が分けるか!! おいこら放せ暑苦しい!!」ジタバタジタバタジタバタジタバタ
9 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:15:24 ID:6fQnSrzM
ーー 二十分後
ベルトルト「……口が堅いね、ライナー」ゼエハア
ライナー「……そう簡単に話してたまるか」ゼエハア
ベルトルト「全く……君のせいでもう時間が残り少ないじゃないか」チラッ
ライナー「お前がサシャのケツにこだわってるからだろ?」
ベルトルト「はいはい、わかったよ。……さっきからそうやって熱く語ってるけどさ、サシャが君のことなんとも思ってなかったら普通に変態だよね」
ライナー「何を言う。男はみんな変態だ」
ベルトルト「僕は違うよ。一緒にしないで。ーー君、そこまであの子のこと考えてるのに何も言ってないの?」
ライナー「……言えるわけねえだろ」
ベルトルト「ちょっと、一気に深刻にならないでよ」
10 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:16:34 ID:6fQnSrzM
ライナー「俺たちは……なんとしてでも故郷に帰るんだ。色恋沙汰にかまけてる暇なんか一切ない」
ベルトルト「……正直、君は何も考えてないんだと思ってたよ」
ライナー「馬鹿言え、考えてるさ。俺はそこまで無責任じゃないぞ」
ベルトルト「ごめん、知ってるよ。……君にその気がないなら、サシャは今のうちに突き放しちゃった方が楽だと思うよ」
ライナー「……そうだな」
ベルトルト「……」
ライナー「でもほっとけないんだよなぁ……」ウーン...
ベルトルト「世話焼きもいい加減にしなよ」
ライナー「いや、実際にあいつの近くで見てないとわからないぞこれは」
ベルトルト「そりゃあ、君は最近サシャの側にいるからよくわかるだろうね」
11 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:17:13 ID:6fQnSrzM
ライナー「なら、今度の休みの日に出かけてみるか? サシャも連れて」
ベルトルト「……はい? なんでそうなるの?」
ライナー「一度あいつの行動を見ればお前も納得するんじゃないかと思ってな。だが、男二人に女一人じゃつまらんだろうし……そうだな、たまにはアニを誘って出かけてみるのはどうだ?」
ベルトルト「!? 何考えてるんだ、もし僕たちが同郷だってバレたらーー」
ライナー「そんな堅苦しく考えるな。同期の仲間と少し街に出かけるだけだ、問題ないだろ?」
ベルトルト「僕たち三人が一緒に出かけるだけでも充分まずいよ。その情報は、いずれ僕たちの首を絞める」
ライナー「だからサシャがいるんだろう? 兵舎裏でコソコソ三人で密会するよりは、四人で街中に遊びに出かけるほうがよっぽど健全だと思うんだがな」
ベルトルト「……わかったよ。その代わり、今回だけだからね」
ライナー「ああ。ーー何かでかけるためのいい口実があればいいんだがな。さて、どうするか」
12 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:18:04 ID:6fQnSrzM
ーー 同刻 女子寮 ミカサたちの部屋
ミーナ「……」カリカリカリカリ...
アニ「……」ペラッ...
ミカサ「……」ガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソ
アニ「……ミカサ、うるさい。何してるの?」
ミカサ「出かける準備」
アニ「今から?」
ミカサ「ううん。来週」
アニ「……早すぎでしょ」
ミカサ「備えあれば憂いなし」ガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソ
13 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:18:49 ID:6fQnSrzM
アニ「そんなに準備してるってことは、山に山菜でも採りに行くの?」
ミカサ「違う。喫茶店にお菓子を食べに行く」
アニ「……どこに行く気? その喫茶店、崖の上にでもあるの?」
ミカサ「このチラシの場所。エレンとアルミンと三人で行く」スッ
アニ「どれどれ……ふうん、“カップル限定・秋の味覚祭”ね……」ペラッ
アニ(サツマイモのムース……カボチャのタルト……アップルパイ……モンブラン……)
アニ(……ん? モンブラン?)ピクッ
アニ(……モンブランって何のお菓子だろ)
アニ「……」
アニ「……」ソワソワ
14 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:21:27 ID:6fQnSrzM
アニ「……」チラッチラッ
ミーナ「アニ、行きたいところがあるなら遠回しなアピールしないでちゃんと誘ってって前に言ったよね。横でチラシ持ったままウロウロしないで」カリカリカリカリ
アニ「……ミーナ、ミーナ。これ行こうよ」クイクイ
ミーナ「今お菓子控えてるからパス」カリカリカリカリ
アニ「……」
ミーナ「しかもそれ、カップル限定だから私と行っても意味ないよ?」
アニ「……男子と二人で行って、変な噂立てられたくないんだよ」
ミーナ「どっちみち、私その日は再試験入ってるから行けないよ」カリカリカリカリ
アニ「じゃあ仕方ないね。再試験の担当教官は誰?」スクッ
ミーナ「闇討ちはダメだよ、アニ。……それに無理に私と行かなくたって、そういうのを二つ返事で引き受けてくれそうな子が他にいるでしょ?」
アニ「……そういえば」
15 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:22:27 ID:6fQnSrzM
ーー 翌日 夕方 営庭隅
サシャ「それで私に白羽の矢が立ったわけですか」
アニ「あんた好きでしょ、こういうの」ピラッ
サシャ「まあ好きですけど……これ、カップル限定なんですね」ジーッ
アニ「普段はちっとも喫茶店に寄りつこうとしない男を抱き合わせでいただこうなんてコスい商売だよね」チッ
サシャ「アニ? もしもし?」
アニ「なんでもないよ」
サシャ「それにしても、ミカサはどうする気なんですかね? これ、カップル限定なのに……四人目にアテはあるんでしょうか?」
アニ「さあね。三人で一つのカップルとでも言い出すんじゃないの?」
サシャ「サンドイッチですか……贅沢ですね」
16 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:23:20 ID:6fQnSrzM
アニ「それでどう? 行ける?」
サシャ「うーん、行きたいのはやまやまなんですけど……私、来月まで金欠なんですよね」
アニ「来月までって……買い食いでもしたの? 前借りまでして?」
サシャ「まあ、そんなところです。だから今回は遠慮しときますね」
アニ「いいよ。誘ってるのはこっちなんだから私が出すよ」
サシャ「誘う……」ピクッ
アニ「それで、相手なんだけどーー」
サシャ「誘うって他の意味があるんですかね?」
アニ「突然何の話?」
17 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:24:19 ID:6fQnSrzM
サシャ「この前、えーっと……とある人に言われたんですよ。『誘ってるようにしか聞こえない』って」
アニ「どこか行くの?」
サシャ「さあ……? そういう話はしてなかったはずなんですけどね」
アニ「……まあいいや、相手の話に戻すよ」
アニ(ミーナ、あんたは何も知らないで答えたんだろうけど、素晴らしいアイディアだよ……)ニヤッ...
アニ(サシャを誘えばライナーがついてきて、ついでにベルトルトも抱き込める。……つまり、私から誰かに声をかける手間が省ける)
アニ(……私、完璧)キリッ
アニ「私はベルトルトに頼もうと思ってるんだ。だからサシャはーー」
サシャ「コニーに頼みますね!」
アニ「待った」
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:25:09 ID:6fQnSrzM
アニ「なんでそこでコニーが出てくるの?」
サシャ「いやぁ……頼みやすいかなーって……」
アニ「他にいるでしょ他に」
サシャ「じゃあ……エレンとか?」
アニ「ミカサが黙ってないんじゃない?」
サシャ「ジャンなら!」
アニ「甘いの好きじゃなさそうだよね、あの男」
サシャ「マルコは、優しいですし」
アニ「断らないのをいいことにお願いするの?」
サシャ「ベ、ベルトルト!」
アニ「ベルトルトは私と行くんだよ。二人もいないから」
サシャ「アルミンと……」
アニ「ねえ、なんでライナーじゃないの?」
サシャ「……今、気まずくて。そういうこと頼みづらいな、って」
19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:25:57 ID:6fQnSrzM
アニ「頼みづらいって……喧嘩でもした?」
サシャ「喧嘩ではないと思うんですが……私が怒らせたことには間違いなくて、その……」モジモジ
アニ「煮え切らないね」
サシャ「すみません、私も実はよくわかってないんです……」ショボーン...
アニ「あいつが怒ったなら、何かちゃんとした理由があるはずだよ。さっさと謝ってくれば?」
サシャ「私もそうしようかと思ったんですが、ユミルに『謝るな』って言われてるんですよ」
アニ「……変な話だね」
サシャ「ですよね」
アニ「深く考えすぎなんじゃないの? あんたと同じで結構単純だよ、あの男」
サシャ「同じですか、照れますね……///」テレテレ
アニ「褒めてないよ」
20 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:28:28 ID:6fQnSrzM
サシャ「……ええっと、座りましょっか」ペタンッ
アニ「そうだね。長くなりそうだし」ポスッ
アニ(……そういえば、ミーナ以外とこういう話、あまりしたことないかも)
アニ(しかも、恋愛の話題……もしかして、これが“恋バナ”っていうものなのかな……)ハッ
アニ(なんか、いかにも乙女っぽい……!)
アニ「……」
アニ「……」ソワソワ
サシャ「……? アニ、どうしました?」キョトン
アニ「なんでもないよ」キリッ
アニ(……あれ、恋バナって何を話せばいいんだろ)
アニ(まあいいか、いつも通りで)
サシャ「……喧嘩って慣れないですね。好きじゃないです」
アニ「前もしたことあるの?」
サシャ「いえ、それに近いことが何度かありまして……どれも、私が考えすぎて勝手に気まずくなってただけですけどね」
アニ「……まあ、喧嘩が好きな奴も珍しいよね」
サシャ「エレンとジャンはしょっちゅう喧嘩してますけどね」
アニ「あれは遠回しな愛情表現だから」
サシャ「へー……そうだったんですか……」
アニ「むしろ求愛ダンス?」
サシャ「……カップル成立ですね」
アニ「喫茶店にはジャンを連れて行けばいいんだよ、ミカサはさ」
サシャ「ああ、それだとダブルデートになりますもんね」クスクス
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:30:25 ID:6fQnSrzM
アニ「あんたさ、あいつの……ライナーのこと、本気で好きなの?」
サシャ「はい!」
アニ「即答だね」
サシャ「これだけは譲れませんから!」
アニ「……あのさ、好きってどんな気持ち?」
サシャ「私もちゃんとはわかってませんよ。……でも、最近一緒にいるとですね、自然とほっぺたが緩んじゃうんですよね」ニヘラ
アニ「……今も緩んでるよ」
サシャ「おっと、危ない危ない」キリッ
アニ「……」
サシャ「……」
アニ「……」
サシャ「……」ニヘラ
アニ(……見てて面白いな)ホンワカ
23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:31:16 ID:6fQnSrzM
アニ「でもあんたたちって、まだ付き合ってないんだよね」
サシャ「……そうですね」
アニ「キスもした」
サシャ「はい」
アニ「手も繋いだ」
サシャ「はい」
アニ「でも、あんたから好きとは伝えてない」
サシャ「……はい」
アニ「なんで?」
サシャ「……恥ずかしくて」モジモジ
アニ(……変なの)
24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/09/10(火) 19:32:06 ID:6fQnSrzM
アニ「さっさと言っちゃえばすっきりするんじゃない?」
サシャ「それは、そうだと思うんですけど……すっきりしたいわけじゃないですし、一応私なりの目標もあるので」
アニ「目標?」
サシャ「……ライナーには内緒ですよ?」
アニ「言わないよ。……言う相手なんかミーナくらいしかいないしね」
サシャ「そのミーナにも内緒にできます?」
アニ「……努力するよ。それで、目標って何?」
サシャ「大したことではないんですけどね。……今の私って、結局はライナーにとって手間のかかる子どもくらいにしか思われてないんですよ」
アニ「……そんなことないと思うけど」
サシャ「いえ、自分のことですからちゃんとわかってますよ。ーーそんな子どもでも、隣でただニコニコ笑ってるだけならできると思うんです。それこそ今の私だって今すぐできます」
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