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サシャ「ひと味違いますよ?」

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Part2
18 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:03:17 ID:BnISPj..
コニー「んなこと言われたってよ……お前みたいにみんな脳天気になれやしねえよ、サシャ」
サシャ「脳天気とはなんですか! 腹が減っては巨人には勝てませんよ! 食事は私たちが戦うための活力になるんですからね、どんなものでもおいしくいただくべきだと私は説きます!」ダンッ!!
ミーナ「! そうだよね、腹が減っては戦はできぬって言うもんね。……よーし! 食べるぞー!」モグモグ
マルコ「あはは、サシャに教えられちゃったね」
ジャン「俺は単純じゃねえからな、そう簡単に割り切れねえよ」ケッ
ミーナ「……ねえジャン。このスープの具はね、ミカサがジャンのことを思って切ったんだよ?」
ジャン「!? な、なあミカサ! ミーナの話は本当か!?」ガタッ
ミカサ「? ……うん」
ジャン「そっか、その……ありがとな」テレテレ
ミカサ「?? ……どういたしまして」
マルコ(ちょろいなー、ジャン)
コニー(ちょろい奴)
サシャ(ちょろいですね)

19 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:04:55 ID:BnISPj..
ーー 数分後
サシャ(えーっと……あ、いた)キョロキョロ
サシャ「……ライナー、ちょっといいですか」クイクイ
ライナー「どうした?」
サシャ「ええっと……三日後のお昼、空いてます?」
ライナー「……出かけるか?」
サシャ「いえ、そうじゃなくてですね……」モジモジ
ライナー「そういえば座学のレポートがあったな。あれか? 一緒にやるか?」
サシャ「そっちはもう終わらせましたよ。もう、そうじゃなくて……」
ライナー「そうか、よくやったな。偉いぞ」ナデナデ
サシャ「……///」カァッ...
ライナー「それで? 当番を代わってほしいとかか?」
サシャ「違いますってば……あ、あの、その日のお昼ごはん、一緒に食べません?」
ライナー「それくらい構わないが……約束するほどのことか?」
サシャ「……私が、作るんです。昼ごはん。調理場借りて」

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/26(月) 19:06:18 ID:HhQMIZLc
期待している

21 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:06:35 ID:BnISPj..
ライナー「……」
サシャ「嫌ですか?」
ライナー「……」ブンブン
サシャ「本当ですか?」パァッ...
ライナー「……いや待てよ、そういやその日の朝は当番があったような」
サシャ「あ……そうですか……じゃあこの話はなかったことに……」ショボーン...
ライナー「ーーいいや、その日は何があっても必ず行く」
サシャ「え、でも当番は……」
ライナー「そんなもんなんとかする。先に準備して待っててくれ」
サシャ「……それじゃあ、待ってますね」ニコッ

22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:07:55 ID:BnISPj..
アニ「……ねえ、あれ付き合ってないんだよね?」
クリスタ「そうだよ?」モグモグ
アニ「……求愛行動見せつけられるこっちの気分になってほしいもんだよ。ねえベルトルト」
ベルトルト「」ドゴッ バシャーン!!
アニ「!? えっ、ちょっ、何? 何?」オロオロ
エレン「おいベルトルトお前何皿に顔突っ込んでんだぁっ!? しっかりしろ!!」ユサユサユサユサ
ベルトルト「ま、待ってエレッ……エレン、揺すらないでっ……!」プルプルプルプル


23 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:09:26 ID:BnISPj..
ーー その日の晩 男子寮 エレンたちの部屋
ライナー「ただいま。……お、珍しい客だな」
ジャン「よっ、邪魔してるぜ」パラパラ...
ベルトルト「ジャンはアルレルト書院、秋の新作を見に来たんだよ」パラパラ...
ライナー「……お前もだろベルトルト」
アルミン「ライナーも選ぶ? 今なら新作全部揃ってるよ? ライナー好みのお尻がステキな女子もいるけど」
ライナー「いや、遠慮しておく。……それで、暇なエレンは一人寂しく隅で歌ってるのか」
エレン「くちくーくちくー♪」ゴロゴロ

24 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:10:46 ID:BnISPj..
ジャン「黒髪貧乳姉と、金髪巨乳妹か……悩むまでもねえな」スッ
ベルトルト「……ちょっと待ってよジャン。君、妹同盟はどうしたの?」ジロッ
ジャン「悪いなベルトルト。……今の流行は姉属性なんだよ。妹はもう過去の遺物だ」
ベルトルト「……君とは話し合う必要がありそうだ」スクッ
ジャン「面白ぇ、受けて立つぜ」スクッ
アルミン「ジャンは黒髪なら誰でもいいからね」キッパリ
ジャン「いやいや、誰でもいいわけじゃねぇよ!?」
アルミン「そしてベルトルトは金髪なら選り好みしないよね」
ベルトルト「ちょっ!?」
ジャン「んだよお前も誰だっていいんじゃねえか!!」ユサユサユサユサ
ベルトルト「誤解だよ! 誰だっていいわけじゃない!!」ユサユサユサユサ

25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:11:32 ID:BnISPj..
ライナー「……ところでエレン、三日後の昼、暇か? もしよかったら当番代わってほしいんだが」
エレン「あー……その日はミカサとアルミンで散歩する予定なんだ。悪い」
ライナー「散歩?」
エレン「ああ、ミカサの頼みでな」
アルミン「ライナー、何か用事でもあるの?」
ライナー「ちょっと野暮用があってな」
アルミン「内容次第ではジャンが協力してくれるってよ?」
ジャン「おい勝手に人を巻きこんでんじゃねえよ!」
アルミン「延滞料金五割引」ボソッ
ジャン「乗った」

26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:13:00 ID:BnISPj..
ライナー「あー……今度、サシャとメシを食べる約束をしてだな……」
アルミン「へえ、二人で出かけるの?」
アルミン『おおーっとライナー照れております』コソコソ シュッシュッ
ジャン『アルミン、お前ライナーの死角で手信号しながら会話するって器用すぎるだろ』コソコソ クルッ
ライナー「いや、どうやら……作ってくれるらしい。サシャが自分で」
アルミン「……手料理ってこと?」
ライナー「そうなるな」
アルミン「……」
アルミン『浮かれライナー』クルクルッ ミョーンミョーン
ベルトルト「」ガツンッ
ライナー「!? どうしたベルトルト、いきなり床に倒れ込んで!!」
ベルトルト「や、やめてアルミン……っくく」プルプルプルプル

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:15:27 ID:BnISPj..
アルミン「まあベルトルトのことは置いといて。……ご飯を食べるのが好きな人は、作るのも上手だって言うよね。期待していいんじゃないかな」
ライナー「だよな。……だよな!」ソワソワ
エレン「でもサシャの料理だろー? ……どうなんだ?」
ライナー「出来がどうであれ、女の手料理で喜ばない奴がいたら俺はそいつをぶん殴りたい」キリッ
ジャン「そればっかりは俺も同意見だ」キリッ
ライナー「……わかってくれるか、ジャン」
ジャン「ああ、わかるぜ……仕方ねえな、途中からでいいなら俺が引き受けてやるよ。当番」
ライナー「おお……助かる」
ジャン「いいってことよ。ただし、ちゃんと借りは後で返せよ」フッ
エレン「そういや、この前食ったミカサの料理はうまかったなー」
ジャン「」ピクッ

28 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:16:21 ID:BnISPj..
ジャン「おい、エレン……今、聞き捨てならねえことを口走ったよな……?」
エレン「なんだよ、ちなみに食ったの俺だけじゃねえからな」
アルミン「ちょっ、エレン!」
ジャン「アルミン、お前も……食ったのか……?」
アルミン「う、うん……食べたよ……?」
ジャン「……」プルプルプルプル
ベルトルト「……ジャン? 大丈夫?」
ジャン「おっ、俺、今日ミカサの手料理食ったしぃっ!? 全ッ然悔しくねえしぃっ!?」
エレン「でも味つけアニじゃなかったっけか。厳密にはミカサの料理じゃねえよな」
ジャン「言うなよそれを!!」
ベルトルト(アニの手料理……)モンモン

29 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:17:38 ID:BnISPj..
アニ『……ベルトルトのために、弱火でじっくりコトコト煮込んだんだよ。このスープ』
ベルトルト「……いい」ホッコリ
ジャン「だろ? わかってくれるかベルトルト、女の手料理の素晴らしさを!!」
ベルトルト「うん。すごく……いい」ホンワカ
ジャン「あーあ、俺も女の手料理食ってみてえ……いや待てよ。そういえば今日、アニに頼まれて味見したな」
ベルトルト「」ピクッ
ジャン「あーでもあれは厳密には手料理じゃねえし、ノーカンだよなー……どうしたんだよベルトルト、怖い顔して」
ベルトルト「今夜は寝かせないよ、ジャン」ガシッ
ジャン「……は?」
                                   \ギャー!!/

30 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:21:18 ID:BnISPj..
ーー 数日後 昼前 調理場
ライナー「ーー悪い、引き継ぎに手間取った!」ガチャッ バタンッ
サシャ「おかえりなさい。そんなに慌てなくても、まだ何もできてませんよ?」クスッ
ライナー「そ、そうか」ホッ
サシャ「そんなに楽しみだったんですか?」
ライナー「……まあな」
サシャ「取り敢えず座って待っててください。 腕によりをかけて作りますからねー」ガサゴソガサゴソ
ライナー「一人で大丈夫か?」
サシャ「こう見えて、料理は得意なんですよ? 任せてください!」グッ
サシャ(よーっし、いいところ見せるチャンスです!)ザクッ
サシャ「……ザクッ?」
サシャ「……ライナー」
ライナー「どうした」
サシャ「指……切っちゃいました……」ポタポタ...

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/26(月) 19:22:17 ID:rDETzpcY
またあなたか
このシリーズ大好き
期待

32 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:25:01 ID:BnISPj..
ーー 数分後
サシャ(まだ何もしてないのに……しかも失敗ですらないって……)ズーン...
ライナー「止まったか? 血」
サシャ「はい……お騒がせしました……」
ライナー「で、この材料をどうするか、だが……」
サシャ「どうしましょうね……この手じゃ、生肉は触れませんし」ショボーン...
ライナー「……よかったら、一緒に作らないか?」
サシャ「え? 一緒に……ですか?」

33 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:27:00 ID:BnISPj..
ライナー「切ったり混ぜたりするくらいなら手伝えると思うんだが……どうだ?」
サシャ「は、はいっ! それでいいですお願いします!」
ライナー「じゃあやってみるか。……ところで、今日は何を作る気だったんだ?」
サシャ「ハンバーグですよ。……二人だけの、秘密の味です」
ライナー「作ったことあるのか? ハンバーグ」
サシャ「いいえ、はじめてです。でも、作り方はちゃんと本読んで覚えてきましたし、食堂の店員さんにコツも教えてもらったんですよ?」
ライナー「……勉強してきたんだな」ジーン...
サシャ「おいしいごはん、食べてもらいたいですからね」エヘヘ

34 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:29:40 ID:BnISPj..
サシャ「……さて、はじめましょうか。まずはこの玉ねぎをみじん切りにしてください」コトッ
ライナー「……目に染みるんじゃなかったか、玉ねぎって」ピタッ
サシャ「あはは、そんなに怯えなくても大丈夫ですよ。皮は剥いて水につけておきましたし、さっさと切っちゃえば平気です。時間との勝負ですよ」
ライナー「よ、よし」スッ ザクザクザクザク
サシャ「おおー……手際いいですね。やったことあるんですか?」
ライナー「刃物はそれなりに使ってるからな。料理そのものははじめてだ」ザクザクザクザク
サシャ「!! じゃあっ、今日は私がちゃーんと教えてあげますよ! ねっ?」
ライナー「そうだな、よろしく頼む。……ところでみじん切りってどれくらいだ?」
サシャ「んー……もうちょっと細かいほうがいいですかね」
ライナー「まだ細かくするのか。……そもそも大きさが揃わないな」
サシャ「最初からうまくできる人なんていませんよ。ほらほら、頑張ってください!」

35 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:31:32 ID:BnISPj..
サシャ「……はい、いいですよ。お疲れさまでした!」
ライナー「結構神経使うな、これ」カタマワシ
サシャ「料理なんて慣れですよ、慣れ。じゃあ、混ぜちゃいますね。混ぜるのはスプーンでもできますから」ザラザラ
ライナー「玉ねぎはそのまま入れるのか?」
サシャ「お店だと炒めたものを使ってるらしいんですが……今はあら熱取ってる時間もないですし、このまま入れます。本当は甘味が出るから炒めたいんですけどね」
サシャ「えーっと、挽肉とー、溶き卵……っと」コンコン パカッ
ライナー「そっちに置いてあるパンは? 食うのか?」
サシャ「違いますよー、粉々にして一緒に混ぜるんです。そのまま焼くと肉汁が逃げちゃいますからね。卵は繋ぎです」マゼマゼ
ライナー「……待てよ、今朝はパンが出なかったよな? わざわざ買ってきたのか?」

36 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:33:01 ID:BnISPj..
サシャ「いいえ。これ、昨日のパンですよ。このために残しておいたんです」ジャーン!!
ライナー「取っておいたのか? このためだけに?」
サシャ「材料費も馬鹿になりませんし、おいしい料理のためですから!」エッヘン
ライナー「まあ、肉があるから高いのはわかるが……これ、全部でいくらかかった?」
サシャ「…………えーっと」
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「サシャ。言え」
サシャ「かなりオマケしてもらって、給金二ヶ月分……でしたかね」
ライナー「……」
サシャ「あっ! あの、今回はお金はいりませんからね!?」アタフタアタフタ

37 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/26(月) 19:33:57 ID:BnISPj..
サシャ「こうやって手伝ってもらっちゃってますけど、本当は私がご馳走したかったんです。……せめて材料だけでも、そういうことにしておいてください」
ライナー「……こりゃ何を返したらいいかわからんな」
サシャ「わ、私が返してるんですよ! ライナーは黙って受け取っておけばいいんです!」
ライナー「これで何もしなかったらバチが当たるぞ?」
サシャ「だったら先に私に当たってますよ。私が無事なんですからライナーだって大丈夫です」
ライナー「……まあいい。続けるか」
サシャ「はい、頑張りましょう! ……というわけで、このパン粉砕してください。できるだけ細かく」ニッコリ
ライナー「……この固いパンをか?」
サシャ「そうですけど?」
ライナー「…………手で?」
サシャ「はい」

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