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サシャ「安心する味なんですもん……」

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Part3
39 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:11:18 ID:mz3Z7JZw
ユミル『どう見てもアニが怪しいな。さっき一緒だったし』
アニ『黙秘』
ジャン『……なあアニ、協調性って知ってるか?』
アニ『あんたに言われたくないね。……そもそもあんたたちがくだらないことで悩んでるからなんとかしてきたのに、なんでこうなってるの』
ジャン『さあな。主にユミルのせいじゃねえか?』
ユミル『人のせいにするのってよくないと思いまーす。鈍感さんが一番悪いと思いまーす』
ジャン『ていうかよ……なんつーか、ライナーとクリスタの絵面って……娘に勉強教える親父だよな、あれ』
ユミル『ああ、ライナーが父性に満ち溢れてるな』
アルミン『父性ネタ禁止でーす、ベルトルトが机から滑り落ちましたー』
ジャン『弱いなーベルトルト。ていうか手信号わかってるなら会話に混ざれよ』
ベルトルト『大敗』プルプルプルプル
アニ『試験の時は今みたいに笑いながら信号送ってこないでよね。こっちの集中が切れるから』

40 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:12:38 ID:mz3Z7JZw
クリスタ(……あ)
クリスタ(サシャ、寂しそうな顔してる……)
ライナー「ーークリスタ、聞いてるか?」
クリスタ「うん、聞いてるよ。……ライナーは教えるのもうまいんだね、尊敬しちゃうなぁ」
ライナー「褒めてもレポートは終わらないぞ。ーーそれで、こっちの段落だが」
クリスタ「こっちの文を引っ張ってきて、もう少し補足を入れればいいんだよね?」
ライナー「おお……やればできるじゃないか」
クリスタ「ここまできたら、もう一人でも大丈夫だよ。それに、あまり手を加えられたらライナーのレポートになっちゃうし」
ライナー「……それもそうか」
クリスタ「私はもう大丈夫だから、戻っていいよ。ーーほら、女の子にあんな顔させちゃダメだよ?」ヒソヒソ ユビサシ
ライナー「……」チラッ
サシャ「……」ショボーン...

41 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:13:51 ID:mz3Z7JZw
ジャン「くっそもうダメだ見てらんねえ! じれったいんだよお前らぁっ!!」バンッ!!
ユミル「こっちが黙って見てればイチャイチャしやがって!! 元々そこは私の位置だぞライナー!! どけろ!!」バンッ!!
ジャン「俺がクリスタ引き取るからお前はあっち行け!! 選手交代だ!」グイッ
ライナー「は!? 引き取るも何も、今切り上げるところでーー」
ユミル「うるっせえ変態ピュアゴリラ!! 森に帰れ!!」クワッ!!
ベルトルト「」ゴンッ!!
アニ「……ベルトルト、突っ伏してこらえてないで、笑いたいなら笑えば?」
ベルトルト「だっ、だって、みんなの邪魔になるし……っく」プルプルプルプル

42 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:14:59 ID:mz3Z7JZw
アニ「……ねえサシャ、お茶のおかわりほしいから持ってきてくれる?」
サシャ「えっ? ……いいですけど、アニは行かないんですか?」
アニ「このままだとクリスタがあの二人に挟まれて大変だからね、フォロー入れないと。……そうだ、どうせだからヤカンごと持ってきてよ。重いならそっちの暇そうなゴ……ライナーを連れて行けばいい」
サシャ「……」チラッ
ライナー「……」チラッ
アニ「じゃあ、よろしく」ガタッ
サシャ「あっ、アニ……」
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「給湯室でいいのか?」
サシャ「……はい、お願いします」

43 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:16:03 ID:mz3Z7JZw
ーー 給湯室
ライナー「……アニは何杯飲む気だったんだ」
サシャ「最初からみんなに振る舞う気だったみたいですよ、この量からするに」
ライナー「にしても、ヤカン四つは多すぎるだろ……よっと」ゴトッ
サシャ「あの、ライナー……戻る前に、私のお話聞いてもらえますか?」
ライナー「……何の話だ?」
サシャ「私が、ライナーを避けてた理由です……」
ライナー「……やっぱり避けてたのか」
サシャ「やっ、あのですねっ、ちゃんと理由があるんですよ!」
ライナー「……無理に話さなくてもいいんだぞ。俺は気にしてないから」
サシャ「もうっ、最後まで聞いてくださいよー!」グイグイ


44 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:17:11 ID:mz3Z7JZw
サシャ「前に、話しましたよね。……私、ライナーに追いつきたいって」
サシャ「その時に、決めてたんです。頑張る時に、ライナーの力は借りないって。……これは、私なりのけじめっていうか、意地なんですけど」
ライナー「……理由は?」
サシャ「だって……私の力で追いつきたいのに、ライナーの手を借りちゃったらダメじゃないですか」
サシャ「本当は、私だって……ライナーに、いっぱいいろんなこと教えてもらいたいんですよ?」モジモジ
サシャ「……けど、ここで頼ったら、私が……私自身が頑張ったことにはならないかなぁって、思って」チラッ
ライナー「……」
サシャ「……聞いてます?」
ライナー「……一回しか言わないからよく聞けよ」
サシャ「! は、はいっ! ちゃんと聞きます! ほらっ、こうして髪も耳にかけてちゃんと出してますから大丈夫ですよ!」イソイソ
ライナー「……あのな」

45 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:18:33 ID:mz3Z7JZw
ライナー「お前が俺に追いついてくれようとする気持ちは……正直、嬉しい」
ライナー「それで、俺がお前の頑張りを手伝えるなら……もっと、嬉しいんだがな」
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「……あの、それって」
ライナー「……柄じゃないんだ、こういうのは。ーーもう言わないからな」
サシャ「……私、このまま頑張っててもいいんですよね?」
ライナー「二回は言わん」

46 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:19:35 ID:mz3Z7JZw
サシャ「じゃ、じゃあ……今度からは、お願いしてもいいですか? いえ……させて、もらえますか?」
サシャ「今回は……今回までは、自分一人で頑張ります。だから、今回だけは……そばで、私のこと見ててください。お願いします」ギュッ
ライナー「……自分一人っていうか、ジャンに頼ってたよな」
サシャ「うっ……それは、そうなんですけど……」
ライナー「技巧はアルミンに聞いていたし、格闘術はアニに習ってるんだろ?」
サシャ「……ライナー、もしかして拗ねてました?」
ライナー「……」
サシャ「……えへへ。ライナーってヤキモチ屋さんなんですね」
ライナー「……生意気だな」グニュッ
サシャ「ひゃあっ!? ほっへはいはいへふー!」ジタバタ

47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:20:39 ID:mz3Z7JZw
ーー 一時間後 とある空き教室
コニー「っしゃあっ! 終わったー!!」
エレン「ちくしょー、負けたー……俺が最後か?」
アルミン「そうみたいだね。エレンもコニーもお疲れさま」トントン
ミーナ「あれっ? そういえばサシャは?」キョロキョロ
ミカサ「あそこ」
サシャ「……zzz」スピー...
アニ「……寝てる」
ジャン「うっわ、殴りてえ……」
マルコ「まあまあ。ーーそれよりレポートは?」
ベルトルト「終わってるみたいだね。……誤字脱字が目立つけど」
ユミル「どうせだから添削してやれよ、ライナー」
クリスタ「うん、そうしてあげて! きっとサシャも喜ぶよ!」
ライナー「……そうだな、見てやるか」ピラッ

48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:22:12 ID:mz3Z7JZw
マルコ「じゃあ、僕たちは資料を戻しに行こうか」
コニー「えーっと……今の時間なら、資料戻して教官に提出して、風呂入れば夕食にちょうど間に合うな」
エレン「戻しに行くのはいいけどよ、サシャはどうするんだ? このまま残していくのか?」
アルミン「起きるまでライナーが面倒見てあげればいいと思う人ー」
クリスタ「はーい!」
ミーナ「はーい!」
ライナー「おい」
アニ「いいでしょこれくらい。減るもんじゃないし」
ジャン「昼からずっと大変だった俺たちの身にもなれよ」
ベルトルト「僕なんてかなり腹筋が鍛えられたよ」
ライナー「す、すまん……迷惑かけて悪かった」
ユミル「正直楽しかったです!」ニヤニヤ
ミカサ「またやってほしい」ホンワカ
ライナー「お前ら二人は例外だ」

49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:23:34 ID:mz3Z7JZw
ーー 数十分後 とある空き教室
ライナー(……綴りが間違ってるな)カキカキ...
サシャ「……へくちっ」プルッ
ライナー(おっと、冷え込んできたな……上着、かけてやるか)パサッ
ライナー(……ベルトルトの分析、当たってるな)
ライナー(文章がかなりぎこちないし……一文が長すぎる。今度直してやるか)
ライナー(それでも……一生懸命書いたのは伝わってくるな)カキカキ...

50 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:24:52 ID:mz3Z7JZw
サシャ「……んぅー……?」パチッ
サシャ(あれ? おいもが目の前にー……?)ボーッ...
ライナー「……サシャ? 起きたのか?」
サシャ「……」グイッ
ライナー「おいサシャ、どうした?」
サシャ「……んんー……」ハムハム
ライナー「」ピタッ

51 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:26:06 ID:mz3Z7JZw
ライナー(これは……俺の左手を、食ってるんだよな……?)
ライナー(…………どうしたら……)
サシャ「………………ふふっ、おいしいぃー……」ペロペロ
ライナー「……おいサシャ、起きろ」ユサユサ
サシャ「んんー………………あれ?」パチクリ
ライナー「……起きたか?」
サシャ「……」ボーッ...
ライナー「……」
サシャ「……これは…………私が持ってるコレは、芋ですか?」ヒョイッ
ライナー「いいや、それは俺の左手だ」
サシャ「………………!? ひゃああああああごめんなさいごめんなさい!!」ガバッ
サシャ(あああああああああああ、ライナーの左手が、私の涎まみれにぃ……)
ライナー「手、洗ってきていいか?」
サシャ「い、行ってくださいぃ……ぜひぃ……」
サシャ(何やってるんでしょう、私……)ズーン...

52 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:27:06 ID:mz3Z7JZw
ライナー「……ただいま」ガチャッ バタンッ
サシャ「……ハンカチです」スッ
ライナー「いや、持ってるからいいぞ」
サシャ「……使ってください、使ってもらえないと私がキツイです」
ライナー「じゃあ、使わせてもらうな。洗って返す」フキフキ
サシャ「いいですよ、そこまでしなくて……私が悪いんですから……」ズーン...
ライナー「それにしても、人の握り拳を芋と間違えるなんてな……途中でおかしいと思わなかったのか?
サシャ「そんなこと言われても……ライナーの味って、なんだか安心するんですもん……」
ライナー「……お前の食い意地は底なしだな」
サシャ「もう否定しませんよーだ……」ブーブー
ライナー「こらこら、いじけるな。……お前が笑ってないとこっちも調子が出ないんだよ」
サシャ「……」ニヘラ
ライナー「そうそう、そんな感じだ」ナデナデ

53 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:28:12 ID:mz3Z7JZw
ーー 消灯時間前 女子寮 ユミルたちの部屋
サシャ「……」ピラッ ジーッ...
クリスタ「あれっ? サシャ、レポート提出してこなかったの?」
サシャ「ちょっとトラブルがありまして、教官が帰るまでに間に合わなかったんです」
ユミル「……へえ、トラブルねえ」ニヤニヤ
クリスタ「じゃあ、今読んでるのはサシャのレポート? ……終わったら読みたいなー」
サシャ「いえ、今はライナーの読んでるんですよ。明日一緒に提出してくれって頼まれたので。……私のはそっちにありますから、読んでいいですよ」
クリスタ「ありがとう、サシャ。じゃあ読ませてもらうね!」ピラッ

54 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:29:37 ID:mz3Z7JZw
サシャ(ライナーの字、綺麗ですねぇ……私のヘロヘロの字とは段違いです)ムムム...
サシャ(今度、字をうまく書けるコツでも教えてもらいましょうか)
サシャ(……でも、私ばっかり、ライナーから色々もらってる気がしますね)
サシャ(何か、返してあげられたらいいんですが……うーん……)
サシャ(私にできること……ライナーの好きな味……安心する味、かぁ……)
サシャ「……よーし」ギュッ
おわり

55 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/19(月) 20:31:20 ID:mz3Z7JZw
終わりです。終わりってか続く!みたいな感じですけど終わりです。読んでくださった方ありがとうございましたー
というわけで次回手料理編です。でも普通に書いたらつまらないので、ちょこっと違うアプローチをする予定です
ちなみにレポート終わる順番はガイドブックに書いてある「頭脳」の数値を参考にしました

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/19(月) 20:33:02 ID:h91lE5Sg
乙でした!いつもながら甘酸っぱいw

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/19(月) 21:02:20 ID:XIDNsZZU
乙です!なるほど…やっぱり夜の立体機動は未遂だったか…

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/19(月) 22:57:01 ID:Ufxl4YwA
次回も期待!
乙です


59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/20(火) 00:25:11 ID:y45ni3RA
これでまだ恋人未満なんだよな……

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/20(火) 03:08:56 ID:Kcng/IPI
夜の立体起動ww
いつもながら萌えた!ありがとう!

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