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サシャ「いい趣味してますね」

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Part2
25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:21:00 ID:yWmzlFWU
アルミン「……」ジーッ
エレン「どこ見てるんだよアルミン。集合場所もう少し奥なんだろ? 早く行こうぜ」
アルミン「ああ、いや……ミカサが女の子と一緒に笑ってるの見て、いいなって思ってさ」
エレン「……そうだな。シガンシナ区には、同い年の女子いなかったもんな」
アルミン「お兄ちゃんとしては安心?」
エレン「アルミンだってそうだろ? 結構気にかけてんの知ってんだぞ?」
アルミン「あはは、バレてたか。……いい友だちができたよね」
エレン「ああ。俺たち三人とも、な」

26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:22:00 ID:yWmzlFWU
ジャン「なあ……妙な訓練だよな、これ」
ライナー「ああ。……そもそも忍耐って何を耐えるんだ?」
マルコ「単純に考えれば……夜の林での怖さとかを耐えるのかな?」
ジャン「けどよ、ここは訓練場だろ? 野犬がいるわけじゃねえし、何も怖がる要素なんかねえだろ」
コニー「夜の山は確かに怖いし危ねえけど、訓練場じゃなー……緊張感ねえよな」
ライナー「そもそも、怖いものがあったら兵士なんてやってられないだろ」
マルコ「それもそうだよね。……ねえベルトルト、君は何か知ってる?」
ベルトルト「……さあ? わからないなぁ」
ライナー(……あれは確実に知ってる顔だな)

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:23:15 ID:yWmzlFWU
ーー 数分後 とある立体機動訓練場内
ハンジ「はいはーい、みんな揃ったかな? 私はこの夜間忍耐訓練を担当する『臨時教官』のハンジ・ゾエ! 隣にいるのは私の部下のモブリット! みんな、今日はよろしくね!」フリフリ
ベルトルト「臨時教官って……そういうことになったの?」ボソボソ
アルミン「うん。上司の人にバレたらまずいんだって」ボソボソ
ミーナ「あの、ハンジ教官。……始める前に、少しいいですか?」
ハンジ「はいはい? えーっと君は……ミーナだっけ?」
ミーナ「はい。……あの、私はどうして呼ばれたんでしょうか? 自分で言うのもなんですが、私、みんなと比べてそこまで成績よくありませんし……自分が選ばれた理由がわからないんですけど」
ハンジ「んーっとね、数合わせ!」キッパリ
ミーナ「ひどくないですか!?」ガーン!!
ハンジ「っていうのは冗談だよ。同じ部屋の子が二人いなくなっちゃったら寂しいと思ってさ! まあ、特権だよ特権。ありがたく受け取っておきなさい」ヒラヒラ
ミーナ「ハンジ教官……!」ジーン...
ハンジ「さてと、他に質問はないね? ーーじゃあさっさと進めたいから、みんな組み分けのクジ引いてくれる?」

28 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:24:19 ID:yWmzlFWU
ーー 数分後
サシャ「えーっと、私とペアの人は……」キョロキョロ
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「……何番ですか?」
ライナー「6番だ」
サシャ「……なんかここ最近ずっと一緒じゃないですか?」
ライナー「きっと誰かの意思が働いてるんだろうな」チラッ
ミカサ「……♪」ニンニン
エレン「ミカサ、何番だ?」
ミカサ「当然エレンと同じ番号」キリッ

29 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:26:58 ID:yWmzlFWU
ハンジ「さて、組み分けも終わったところで……この訓練を受ける君たちに、ちょっとお話ししておかないといけないことがある。ーー即ち、今回の訓練の目的だ」
エレン「目的……ですか?」
ハンジ「うん。世の中には意味のないことなんてないんだよ。この訓練にもちゃんと意味がある」
ハンジ「今回、君たちに立ち向かってもらうものはーー『恐怖』だ」
ハンジ「人類は、恐怖と共に進化・成長してきた。人類にとって原初の恐怖は炎だった。今なら巨人になるのかな?」
ハンジ「では、この恐怖に立ち向かうにはどうしたらいいか? ーー第一には、相手を知ることだ」


30 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:27:51 ID:yWmzlFWU
ハンジ「私たち人類は『うなじ』という巨人の弱点と、『立体機動装置』という対抗策を知った。これで、私たちは巨人に対抗できるようになった。ーー成長した、とも言えるね」
ハンジ「大切なのは恐怖とどう向き合うかだ。……一番ダメなのは、恐怖に慣れてしまうことかな。そんなのはただの思考停止だからね」
ハンジ「今回は恐怖を『乗り越えろ』とか『打ち勝て』なんて、偉そうなことは言わないよ。そうだなぁ……『知って』『受け入れる』ってのが、今の君たちに求めるラインかな」
マルコ「では、『忍耐訓練』というのは……」
ハンジ「そう、『恐怖に耐え忍ぶ』訓練だね! 怖がってる自分がいることを受け入れて、正しく知って……少しでもいいから、成長してくれたらいいな!」

31 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:28:34 ID:yWmzlFWU
ハンジ「……説教臭くてごめんね? でもこれ一応訓練って扱いになってるからさ、建前上こういうこと言わないといけないんだよね」
ハンジ「まあでもぶっちゃけコレお遊びだから、今聞いたのは全部忘れていいよ!」
モブリット「……分隊長、ぶっちゃけないでくださいよ」ボソボソ
ハンジ「まあまあいいじゃないモブリット。ーーでも、『肝試しなんてイマドキやってられっかよ!』なーんて内心思っちゃってる君たちには、もう少し真剣に打ち込んでもらうためにスペシャルなおしおき……もとい、お話をご用意しましたー!!」
クリスタ「……お話?」キョトン
ハンジ「というわけでアルミン、ベルトルト。よろしくね」
アルミン「任せてください!」バッ!!
ベルトルト「十分で形にして見せます!」バッ!!

32 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:29:55 ID:yWmzlFWU
ーー 同刻 とある立体機動訓練場 樹上の会話
ヘニング「……で、これは一体何の冗談だ?」
リーネ「優秀な後進を育成するための訓練だってさ。私たちはその見回り」
ゲルガー「育成……? 嘘だな。絶対嘘だ。分隊長の趣味だろ。もしくは遊び」
ヘニング「優秀な奴らは全員憲兵団に行くに決まってるのにな。調査兵団希望なんてあの中に一人いればいいほうだろ」
ゲルガー「あーあ、ちくしょう、巻き込まれる前にさっさと帰ればよかった……」
ヘニング「まだいいだろ、非番なのに呼び出されたんだぞ俺は」
ナナバ「……そういえば、ペトラとオルオがいないね。あの二人も本部で見かけたのに」
ゲルガー「お漏らし組はお留守番だとよ。空中で撒き散らされたらたまんねえからな」
ナナバ「……なるほど」

33 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:31:05 ID:yWmzlFWU
ーー 十分後 とある立体機動訓練場内
ハンジ「どれどれー、仕上がりはどうなってるかな?」
エレン「俺もう夜中にトイレ行けない……」シクシクシクシク
コニー「まんじゅうこわいまんじゅうこわいまんじゅうこわい」ボソボソボソボソ
ジャン「くそっ……最悪だよ、ちくしょう……ちくしょう……」ブルブルブルブル
マルコ「もうダメだ……おしまいだ……ああ……」ブツブツブツブツ
ライナー「ベルトルト、お前……恨むからな……」ガタガタガタガタ
ベルトルト「……人を呪わば?」ニッコリ
エレン・コニー・ジャン・マルコ・ライナー「その話はやめろ!!」ガタガタガタガタ

34 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:32:05 ID:yWmzlFWU
ミカサ「……」カタカタカタカタ
アニ「……」
サシャ「もったいないおばけが……もったいない……」プルプルプルプル
クリスタ「うぅ……っ」グスッ
ユミル「なななな泣くくらいいいならささ最初から参加かかかかするるるなってんだよよよよよよ」ガタガタガタガタ
ミーナ「豚小屋出身……家畜以下……家畜小屋……血まみれ……」ブツブツブツブツ
アルミン「ご覧の通り、全員仕上がりました! 通常時より恐怖に対する耐性が格段に落ちています!」バッ!!
ハンジ「はいはーいご苦労様! ……じゃあ私からももう一つ、ここの訓練場の逸話について話しておこうかな?」
ミーナ「!? まだ話すんですか!?」ビクッ!!
ハンジ「あはは、そんな怖くない話だから大丈夫大丈夫。気楽に聞いてよ」

35 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:33:49 ID:yWmzlFWU
……実はここね、もう使われてない、放棄された訓練場なんだよ。何故かわかる?
数年前の、夏期の期末試験だったかな。うん、ちょうど今の時期だね。訓練兵の死亡事故があったんだよ、ここで。……まあ、そのこと自体は珍しくない話ではあるんだけど。
その死んじゃった訓練兵ってのは、君たちと同じくらいの年の女の子だった。人当たりがよくて、明るくて、仲間にも好かれてたらしいよ。
……ただ、成績はそこまでよくなかったんだよね。特に立体機動は下から数えたほうが早いくらい。
どうしても憲兵団に行きたかった彼女は、かなり焦ってた。この期末試験だけはどうしても落とすわけにはいかないって、思いつめて……無茶したんだ。
少しでもタイムを伸ばすために、枝葉が密集しているところを、彼女は無理矢理突っ切っていった。
立体機動が得意な子ならわかると思うんだけど、そういうところは普通避けるよね? どう考えても、そこを迂回したほうがずっと速くゴールに辿り着けるもの。
移動ルートの選定は、立体機動には欠かせない要素の一つだ。彼女はそれすらできてなかった。……って言っちゃえば、それまでなんだけど。
……話が逸れたね。そして、彼女はミスをした。射出したアンカーが幹に刺さらないで、密集していた枝葉に絡みついちゃったんだ。ワイヤーも変に枝を噛んじゃって、回収できなくなっちゃったみたいだね。
そこまで立体機動が得意じゃなかった彼女は、瞬く間にパニックに陥った。
自分が今どういう状態なのかわからないまま、彼女は宙づりになってもがくだけもがいた。
ーー お願い誰か助けて、死にたくない、って悲鳴を何人も聞いたらしいよ。

36 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:35:00 ID:yWmzlFWU
……彼女が見つかったのは、期末試験の一週間後だった。
体に絡まった枝と葉のせいで、運悪く体が隠れちゃったんだよね。その子が見つけてもらえたのも、カラスが集ってたかららしいし。
この時期に逆さ吊りのまま放置されてたわけだから、遺体の損傷と腐乱がすごくてね。ワイヤーと枝と葉が体に食いこんで、そりゃもう大変な有様だったって話だ。下に落ちたほうがまだマシだったかもね。
当時の教官は責任を問われて開拓地送り。訓練場も、使える状態になるまで半年くらいかかったって話だよ。
……その訓練場で訓練が再開された後から、妙な噂が聞こえてくるようになった。
そこの訓練場で訓練していると、自分のアンカーの射出音に混じって、何かを切断する音が聞こえてくるんだって。
実際、訓練が終わった後の訓練場には、秋でもないのに枝や葉がたくさん落ちてたんだ。異常なくらいに。
自然に折れたんじゃなくて、何かに……いや、ここまできてぼかすのはやめておこうか。その跡は、超硬質スチールの刃に切られた跡によく似ていた。
……そうそう、言い忘れてたんだけどね。亡くなった彼女の立体機動装置には、おかしなことに刃が一本も残ってなかったんだ。
これってどういうことなんだろうね? 彼女がどこかで落としたのかな? 誰かが持ち去ったのかな? それとも、何か他の要因があるんだと思う?

37 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:36:54 ID:yWmzlFWU
……まあ、刃の行方はともかくとして。その当時の訓練兵のみんなは、亡くなった彼女が未だに訓練場を飛び回ってるんじゃないかって考えた。
「これ以上、私のような子を出さないように」って。……彼女は優しい子だったからね、そう考えるのが自然だよね。
……ん? どうして訓練兵の『みんな』がそう思ったかって? ーーいい質問だね。実はね、ここで訓練していると、時折聞こえるんだよ。彼女の声が。
ーー どうして、私を助けてくれなかったの?
ーー どうして、私を見つけてくれなかったの?
ーー どうして、どうしてどうしてどうして首が痛いの痛いの痛いの取れない取れない助けて死にたくない!!

38 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:38:16 ID:yWmzlFWU
……そのうち、ここの訓練場は使用禁止になった。
木の幹がアンカーの穴だらけになっちゃって使い物にならないとか、生えてる木が古いものばかりになっちゃったとか色々理由はあるらしいけど、実際のところはどうなんだろうね?
……とにかく、アンカーの射出音が聞こえてきたら、気をつけて。
音が近づいてきたら、決して後ろを振り返ってはいけないよ? 全速力で駆け抜けるんだ。
え? なぜかって? ……言ったじゃない、その子は立体機動が下手くそだったんだよ。
ーー もしかしたら、今度は君の首が間違って刎ねられちゃうかもしれないよ?

39 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:39:55 ID:yWmzlFWU
      シーン ・ ・ ・
ハンジ「……というわけで、前フリ長くて本当に悪いね! じゃあ始めよっか、肝試し!」パンッ!
モブリット「……分隊長、やりすぎですよ」ボソボソ
ハンジ「そう? ーーえっとね、因みにそういう時はしりとりが有効だよ! 幽霊は終わりがないものを避ける傾向にあるんだ!」
アルミン「!! ーーその話、もっと詳しく聞かせてください!」キラキラキラキラ
ハンジ「あっははは、アルミンはいい子だね! よしっ、後でいっぱい話そうじゃないか!」
アルミン「やったー!」ワーイ
モブリット「分隊長、その辺で」クイクイ
ハンジ「ああそうだ! 暗くて誰も見てないからってズッコンバッコン始めないでねー?」ニコニコ
モブリット「分隊長おおおおおおおおお!?」クワッ!!
ハンジ「あっははは、冗談だってーモブリット。ーーちなみにそういう行為を見かけたら、同意あるなしに関わらずまとめて開拓地送りだからね? 越えちゃいけないラインくらい、君たちにもわかるでしょ?」ニッコリ
ハンジ「というわけで、順次スタートしてもらおっかな。灯りは見回り用のランタン一つだけね。ーーそれじゃあ、いってらっしゃい!」

40 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:41:36 ID:yWmzlFWU
ーー マルコ・ミーナ組
マルコ「……」
ミーナ「……」プルプルプルプル
マルコ「ジャンと一緒がよかった? ミーナ」
ミーナ「えっ? ……私、そういう顔してた?」
マルコ「ううん。昼間の君とジャンのやりとり見てたから、気になっただけだよ」
ミーナ「私は……純粋に、ジャンを応援したいだけだよ」
マルコ「……応援?」
ミーナ「うん。……私は別に、誰かの特別になりたいわけじゃないんだ」

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/12(月) 19:42:09 ID:jYhYIvEc
ズッコンバッ婚開拓地送りwwww

42 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:42:39 ID:yWmzlFWU
ミーナ「ここの生活はたった三年だけだけど……ううん、たった三年だけだから、できればみんなが仲良くできたらなって思うからさ」
ミーナ「ジャンがミカサのこと好きなの知ってるから……そのために、色々手助けしてあげたいだけなの。だから、昼間のも変な意味はないよ。『頑張れ』っていう、私なりのエールのつもり」
ミーナ「あはは……もしかしたら、嫌なことしてるのかな。私」
マルコ「……頑張るのも、応援してあげるのも、その人の勝手じゃないかな。だから、ミーナがやりたいようにやればいいと僕は思うよ」
                                   \パシュッ/

43 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:43:57 ID:yWmzlFWU
ミーナ「うん……うん、ありがとう、マルコ。頭がいい人は慰めるのもうまいんだね? りんご」ダッ
マルコ「はは、そんなことないよ。ゴマ」ダッ
ミーナ「だって私、とっても勇気づけられたもん。自信を持っていいと思う! マルコ」タッタッタッ
マルコ「……褒めすぎじゃないかな。コニー」タッタッタッ
ミーナ「マルコも……ううん、マルコはとっても頼もしいよ! 一緒にいて安心するもん! ……ねえそれって『い』? それとも『に』?」タッタッタッ
マルコ「……ありがとう、ミーナ。どっちでもいいと思うよ」タッタッタッ
リーネ「……なんであの二人、しりとりしながら走ってるんだろうね」
ヘニング「流行ってんだろ」パシュッ

44 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:45:21 ID:yWmzlFWU
ーー ジャン・アニ組
アニ「あんたさ、本当はミカサと組みたかったんでしょ」
ジャン「おう」キッパリ
アニ「……懲りないね」
ジャン「なんだよ、そういうお前は組みたい相手とかいないのか?」
アニ「私? ……別に、いないよ」
ジャン「だってよ、例えば……そうだ、対人格闘とかエレンと組んでるだろ」
アニ「格闘術教えろってしつこいから、仕方なく組んでるだけ」
ジャン「へえ……でも、男以外ならいるだろ。組みたい奴」
アニ「……?」
ジャン「ミーナと仲いいだろ、お前。一緒にいて楽しいんじゃねえの?」
アニ「……そっか、そう、見えるんだ」
ジャン「?」


45 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:46:38 ID:yWmzlFWU
                                \パシュッ/
アニ「」ビクッ
ジャン「!? お、おい……今のって……」ビクビク
アニ「」ダッ
ジャン「!? おい待てよ、ランタン持って先に行くな!」ダッ
アニ「聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない」ブツブツブツブツ
ジャン「おい、置いていくなよ! 待てってば!」タッタッタッ
ゲルガー「なんだあいつら、競争でもしてんのか?」
ナナバ「あれは男の子の声が幽霊の声に聞こえちゃってるパターンかな。……まあいいや、次に行こうか」パシュッ

46 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:48:51 ID:yWmzlFWU
ーー ベルトルト・ユミル組
ベルトルト「……」
ユミル「……不満そうだな」
ベルトルト「うん」
ユミル「普通はそう思ってても顔には出さないもんだぜ、ベルトルさんよ。それに今の言葉、私以外の女ならビンタ喰らっても文句は言えねえぞ?」
ベルトルト「わからないかな。君にだから言ったんだよ」
ユミル「ああ、特別扱いしてくれたのか。嬉しいねえ。……ところで、春に話したこと覚えてるか?」
ベルトルト「……もちろん」
ユミル「今のところ私が一歩リードってところかな」
ベルトルト「……負けないよ」
ユミル「そっちの敗色濃厚って感じだけどな」ケケケ

47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:51:24 ID:yWmzlFWU
ユミル「ところで今回のこれ、ベルトルさんも一緒に企画したんだって?」
ベルトルト「うん。アルミンと二人でね」
ユミル「へー……意外だな、ベルトルさんがそういうの好きだなんて」
ベルトルト「そうだよね。意外だよね。君みたいな人が怖い話苦手なんて」
ユミル「…………ベルトルさん?」ピタッ
ベルトルト「まさか、君への復讐の機会がこんなにも早く巡ってくるなんてね……」ニコッ
ユミル「ひっ……ちょっ、ちょっと、よしてくれよ、なあ?」
ベルトルト「……これはね、とある訓練兵の話なんだけど」
ユミル「」ダッ
ベルトルト「逃がさないよ、昼間の仕返しだ!」ダッ
ナナバ「……こっちの組も男が女を追いかけ回してるよ」
ゲルガー「何やってんだあいつら」

48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:52:36 ID:yWmzlFWU
ーー アルミン・コニー・クリスタ組
クリスタ「……」カタカタカタカタ
コニー「……」カタカタカタカタ
クリスタ「さ、三人の班で、私、よかったかも……」カタカタカタカタ
コニー「ああ、それに、アルミンと一緒の班で、よかったよな……」カタカタカタカタ
アルミン「二人とも、大袈裟だよ」アハハ
コニー「でもよ、やっぱりそういうのが平気な奴がいると、なんていうか……安心感が違うよな!」
クリスタ「うん、頼りにしてるからねえええええええアルミンアルミン後ろ後ろ後ろ!!」
アルミン・コニー「後ろ?」クルッ
ハンジ(生首)「やっほー」ニタァッ...

49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/12(月) 19:53:55 ID:yWmzlFWU
クリスタ「いっ、いやああああああああああああでたああああああああああああ!!!」
コニー「おっ、落ち着けよクリスタ!! アルミンなら……アルミンならきっとなんとかしてくれるはずだ! アルミンを信じろ!!」
アルミン「わぁい、生首だぁっ……!」キラキラキラキラ
クリスタ「!? アルミンアルミン、そっちの趣味にいっちゃだめ! だめだよ!!」ユサユサユサユサ
コニー「おいおいおいお前が行っちまったら俺たちどうすりゃいいんだよ、迷子だぞ迷子!!」ユサユサユサユサ
アルミン「ハンジさんハンジさん、それどうやってやってるんですか?」
コニー「聞けよ!!」
ハンジ「こらこらアルミン、生首に話しかけるのはルール違反だよー?」
アルミン「あっ……すみません、興奮してて」エヘヘ
ハンジ「これはね、黒い外套を羽織ってるんだ。ランタンの灯り程度なら簡単に引っかかるよ」バッサバッサ
アルミン「へえ……! すごいや……!」キラキラキラキラ
クリスタ「ダメだよ……アルミン完全にあっちの世界に行っちゃった……どうしよう……」ジワッ...

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