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サシャ「この味だけは、譲れません」

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Part2
22 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:04:23 ID:6INNEWhI
アルミン「そういえばさ、ライナーって最近笑うようになったよね」
ライナー「そうか? そんなことないだろ」
アルミン「ううん、僕たちとふざけて笑うことはあっても、女の子と話す時はいつもしかめっ面してたよ?」
ライナー「そうか? ……気づかなかったな」キュッキュッ
アルミン「なら、自然とそういう顔になってるってことだよね。いい傾向だと思うなぁ」
ライナー「……」キュッキュッ
アルミン「それって、誰のおかげなのかな?」
ライナー「……」
アルミン「……」
ライナー「……座学一位様は、からかい方もひと味違うんだな」
アルミン「あははっ、何のことかわからないなぁ」キュッキュッ

25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:05:20 ID:6INNEWhI
ミカサ「……うん、進みは順調」カキカキ
マルコ「この調子なら早い時間に切り上げられそうだな、よかったよ」
ミカサ「そろそろゴミ捨てに行かなければ」ヒョイッ
マルコ「ちょっと待った。……ミカサはここにいてよ。サシャのことが心配なんだろ?」
ミカサ「……どうしてわかったの?」キョトン
マルコ「親友を心配する気持ちは、僕もわかるからさ」
ミカサ「……なら、お願いする」
マルコ「うん、任せておいて。……もう何事もないだろうけど、後はよろしく」

26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:06:25 ID:6INNEWhI
エレン「すすむーいしをーわらうーぶたよー♪」フキフキ
コニー「かーちくのあんねい♪」フキフキ
クリスタ「きょぎのはんえい♪」フキフキ
エレン・コニー・クリスタ「「「しーせるがろーのじゆうーをー!!」」」クワッ!!
ジャン「うるっせえな掃除ぐらい静かにできねえのかお前らはぁっ!!」
エレン「おいおいジャン、あまり神経質になるとハゲるぞ」
ジャン「ふざけんなコニーと一緒にすんじゃねえよ!!」
コニー「!? ちょっと待て、俺のはハゲじゃなくて坊主だっての!!」
クリスタ「あははっ、みんな仲いいね?」フキフキ
エレン・コニー・ジャン「「「よくねえよ!!」」」

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:07:35 ID:6INNEWhI
クリスタ「……」チラッ
サシャ「……」フキフキ
クリスタ(さっきから同じところ拭いてる……)
クリスタ(周りで騒いでたら、気晴らしにはなるかなって思ってたけど、これでもダメかぁ……他に何か……)キョロキョロ
クリスタ「ねえサシャーーきゃっ!?」コケッ
クリスタ(足元に水桶!? 転ぶっーー!!)
サシャ「!? ーークリスタ!!」グイッ
         ばっしゃーん!!

29 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:08:58 ID:6INNEWhI
コニー「おい大丈夫か!? すげー音したけど……」
エレン「クリスタ、何があった!?」
クリスタ「わ、私が転んだんだけど、サシャが庇ってくれて、でもそのせいで頭から水浸しに……」オロオロ
サシャ「……」ポタポタ...
クリスタ「ごめんねサシャ、私がちゃんと足元見なかったせいで……」オロオロ
サシャ「大丈夫ですよ、クリスタ。それより、怪我はしませんでした?」ポタポタ...
クリスタ「私は平気だけど、サシャが水浸しになっちゃってるよ!」オロオロ
サシャ「これくらい着替えれば大丈夫ですから、問題ないですよ」
コニー「着替えれば大丈夫って……一応医務室行っといたほうがいいんじゃねえか? どっか打ってるかもしれねえぞ? かなりでけえ音だったし」
サシャ「いえ、……平気です、すぐ着替えてきます」ヨロッ
エレン「おい、そこの床まだ濡れてーー」


30 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:10:26 ID:6INNEWhI
サシャ「!? ーーあいたぁっ!?」ズルッ ベシャッ!!
クリスタ「サシャ、大丈夫!?」
サシャ「あはは、だから平気ですってーー」
ライナー「おいサシャ! ーー立てるか?」
サシャ「」ビクッ
クリスタ「あっ、ライナー……」
サシャ「……平気です」
ライナー「今、顔から転けただろ。見せてみろ」
サシャ「平気ですってば、一人で立てます」ヨロッ...
ライナー「それのどこが大丈夫だ、やはりどこか打ったんじゃーー」
サシャ「いいから、私のことなんかほっといてくださいよ!!」

31 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:11:41 ID:6INNEWhI
      シーン ・ ・ ・
サシャ「あ……」
サシャ(私、今……)
サシャ「あ、あの……私……」
サシャ「……」
サシャ「……ごめんなさい!」ダッ
ミカサ「!! ーージャン、ここはお願い!」グイッ
ジャン「はぁっ!? お願いって何すりゃ……」
ミカサ「あなただけが頼り! 後はよろしく!!」ダッ
ジャン「」

32 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:13:16 ID:6INNEWhI
マルコ「ただいま……ってうわっ!? なんで床が水浸しになってるんだ!?」
ジャン「俺だけが……頼り……俺だけが……俺だけ……!!」ブツブツ
マルコ「ジャン? 一体何があったんだ?」
ジャン「マルコ、決めたぞ……」
マルコ「? 何を……?」
ジャン「俺は……俺は今から、掃除の鬼になる……! そう、俺は今からお掃除委員長だ……っ!!」
マルコ「……はぁ?」

33 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:14:56 ID:6INNEWhI
クリスタ「……私もやっぱりサシャのところ行ってくる!」ダッ
ジャン「ダメだ、行くんじゃねえクリスタ」グイッ
クリスタ「ジャン、どいてよ!」
ジャン「いいや、どかないね。お前が今やるべきことなのは床の掃除だ。あいつを追いかけることじゃない」
クリスタ「でもっ、私のせいでサシャがーー」
ジャン「そう思うんなら尚更だ。自分のせいで掃除が中断になったって知ったら、あいつ更に落ち込むぞ」
クリスタ「……」ジロッ...
ジャン「俺を睨んだって何も出ねえよ、クリスタ」
クリスタ「……わかった、ちゃんとやる」
ジャン「ああ。ーーあとはミカサに任せとけ」

34 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:16:01 ID:6INNEWhI
アニ「ほら、あんたも」ゲシッ
ライナー「ぐっ!? ……おい、蹴る奴があるか」ヒリヒリ
アニ「でかい奴なんて立ってるだけで邪魔なんだから、ちゃんと仕事しなよ」
ベルトルト「……アニ、それって僕にも当てはまるんだけど」
アニ「そう思われたくないなら掃除すれば?」ギロッ
ベルトルト「……はい、ごめんなさい」ショボン...
アニ「あっちはミカサに任せて、さっさとここを片付けようよ」
アニ「それで……全部終わった後に、どこでも好きなところに行けばいいでしょ」
ライナー「……」
アニ「何? 私何か間違ったこと言ってる?」
ライナー「いや、お前の言うとおりだな。ーーわかった、やるよ」

35 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:17:11 ID:6INNEWhI
ーー 兵舎裏手
サシャ「……」グスッ
サシャ(ああ、やっちゃいました……みんな、怒ってるだろうな……)ズズッ
ミカサ「! ……サシャ! やっと見つけた」タタタッ
サシャ「み、ミカサ……!? ……ごめんなさい、さっきはびっくりしちゃって」ゴシゴシ
サシャ「みんな待ってますよね、着替えたらすぐ行きますから!」スタスタ...
ミカサ「待って」ギュッ
サシャ「……放してください」
ミカサ「サシャ。あなたは今、何か悩んでることがあるはず」
サシャ「……ありませんよ」
ミカサ「サシャ」
サシャ「何もありませんってばっ!!」ガリッ!!

36 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:18:24 ID:6INNEWhI
ミカサ「……っ」ポタッ...
サシャ「あ……」ビクッ
サシャ(爪が引っかかったところから、血が……)
ミカサ「……大丈夫。痛くない」ニコッ
サシャ「ミカサ……わっ、私……あの……」
ミカサ「私たちは、友だち。なんでも話してほしい」
サシャ「……話したって、私の気持ちなんかミカサにはわかりませんよ」
ミカサ「話してもないうちから、そうやって決めつけないでほしい」

37 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:19:23 ID:6INNEWhI
サシャ「……笑いませんか?」
ミカサ「うん。笑わない」
サシャ「……軽蔑したり、しませんか?」
ミカサ「しない。大丈夫」
サシャ「……嫌いになっちゃったり、しませんか?」
ミカサ「嫌いなら、こんなところまで追ってこない」
サシャ「……」
ミカサ「サシャのこと、サシャの気持ち……私に聞かせて?」

38 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:20:49 ID:6INNEWhI
サシャ「……最初は、誰でもよかったんです。本当に」
サシャ「でも、一緒にいるうちに……すごい人なんだなって、事ある事に思い知らされて」
サシャ「見てるとわかるんです。この人は私とは違って、みんなに必要とされてるんだなって」
サシャ「困った時にはみんなから頼られていて、私とは正反対で。本当、かっこいいですよね」
サシャ「……でも、あの人は、自分が困った時には誰に寄りかかるのかなって、ふと思ったんです」
サシャ「ミカサには、エレンがいるでしょう? でも、あの人には誰もいないような気がしたんです」
サシャ「背中を合わせる仲間はいっぱいいるけれど、背中を預ける誰かはいないように思えて」

39 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:22:05 ID:6INNEWhI
サシャ「ーーだったら、そこに私が入ってもいいのかなって、高望みして」
サシャ「同じ景色を見てみたら、少しはわかるのかなって単純に考えて」
サシャ「自分らしくない努力とかしちゃって、追いつきたいなって考えちゃって」
サシャ「あはは、身の程知らずにも程がありますよね、本当」
サシャ「それでも最近は、ちょっとは近づけたのかなって思ったりしてました」
サシャ「……でも、あの人の隣にいるべきなのは、私じゃないんです」

40 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:24:07 ID:6INNEWhI
ミカサ「……? どうしてそう思うの?」
サシャ「好きな人がいるって、言ってたんです、一番最初に。最近まで忘れてたんですけどね」
サシャ「他に……私の他に、そこにいるべき誰かが、いるはずなのに」
サシャ「私は、優しい気持ちを利用して、場違いな努力して、無理矢理隣に居座ろうとしててっ……」
サシャ「私だけ、一生懸命で、空回りして……本当、馬鹿みたいですよね。……実際私は馬鹿なんですけど」
サシャ「それに、それだけじゃないんです。さっき、クリスタが一生懸命励ましてくれたのに……私、自分と比べてたんです」
サシャ「一生懸命、クリスタに勝てるところを探してたんです。……そんなところ、一つもないのに」ポロッ
サシャ「誰かと比べて、満足しようとしてっ、……わたしはっ、ずるくて、ばかでっ、嫌な子なんですっ」グスッ
ミカサ「……サシャ」
サシャ「だからっ、そんな汗だくで、息を切らして来てもらえるほどっ……立派な、人間じゃないんですよっ、私は!」

41 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:25:24 ID:6INNEWhI
ミカサ「……」
サシャ「……すみません、変なこと言って……せっかくっ、来てくれた、のにっ」グスッ
ミカサ「……これは、例えばの話だけれど」
サシャ「? ミカサ……?」
ミカサ「もし、この先サシャのことを好きになってくれる男の人がいたとして」
ミカサ「その人が、『サシャは女の子らしいから好き』って答えたら、私はそいつを削ぐ」
サシャ「そ、削ぐって、そんな物騒な……」
ミカサ「サシャはサシャらしいのが一番いい。その良さがわからない男は削がれて当然」
サシャ「私らしさ……? って、なんですか?」
ミカサ「脳天気で馬鹿で食い意地の張ってる芋女」
サシャ「ひどいです!?」ガーン!!
ミカサ「それでも、サシャらしいサシャが、私は好き」

42 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:26:42 ID:6INNEWhI
ミカサ「それと、もう一つ」
ミカサ「もし、エレンが他の誰かを好きになったとして。……いやそんなことは絶対にありえないのだけれどこれは仮定の話なのであって」
サシャ「ミカサミカサ、落ち着いてください」
ミカサ「ごめん、取り乱した。……それで、もしそうなったら、私はその誰かと、全力で戦うと思う」
サシャ「……ミカサなら、そうするでしょうね」
ミカサ「うん。一歩だって退いてやるつもりはない」
サシャ「……エレンが嫌だって言ってもですか? その人を傷つけないでほしいと言ってもですか?」
ミカサ「もちろん、エレンの幸せが一番大事だけれど……それは、私の気持ちを殺す理由にはならない」
サシャ「ミカサの気持ち?」
ミカサ「そう。その人じゃなくて、私が、私自身がエレンを幸せにしてあげたい、っていう気持ち」
ミカサ「……なので、精一杯戦うと思う。戦わなければ、負け犬にすらなれないから」

43 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:28:00 ID:6INNEWhI
ミカサ「……サシャはどう?」
サシャ「私、ですか……?」
ミカサ「好きな人がいるから何? それで諦めてしまうの? サシャは、その誰かに譲ってしまうの?」
サシャ「私は……」
サシャ(……ああ、そっか)
サシャ(最初から、わかってたはずなのに)
サシャ(誰が好きとか、私がどうだとか)
サシャ(難しく考える必要、なかったんですね……)

44 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:29:45 ID:6INNEWhI
サシャ「やだっ……渡したく、ないですっ……そばに、隣にいたいです……っ!」ポロポロ
サシャ「やっぱり、わたしはっ、ライナーの、一番に……っ、なりたい……っ!」グスッ
サシャ「私のこと、選んでほしいです……っ!」ギュッ
ミカサ「……じゃあ、やることはもう決まってる」
サシャ「でもっ! ……怖いんです、いやって言われるのが、怖いんです……」
サシャ「もし、やだって言われたら……そう思うと、こわくってぇ……っ」グスッ
ミカサ「……みんな、怖い。怖くても、踏み出さないと、先には進めない」
ミカサ「ーー恋するのって、そういうこと」


45 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:30:57 ID:6INNEWhI
サシャ「……恋?」
ミカサ「うん。愛とはちょっと違う。恋」
サシャ「……私は、恋してるんですか?」
ミカサ「そう。サシャは今、恋をしている。人生初めてなら、これが初恋」
サシャ「……私も、恋していいんですか?」
ミカサ「もちろん。サシャだって女の子なんだから」
サシャ「だって、私は……」
ミカサ「サシャ。あまり自分のことを悪く言うのはやめて。私の大切な友だちのこと、悪く言わないでほしい」
サシャ「ご、ごめんなさい」

46 : ◆H4iwFNXQsw:2013/08/06(火) 22:32:02 ID:6INNEWhI
サシャ「そっかぁ、これが、恋なんですね……」
ミカサ「うん。だから、その感情はおかしくない。みんなにあるもの。私にもある。エレンやアルミンにも……きっとライナーにもある」
サシャ「ライナーは、そんなこと思ったりしませんよ……」
ミカサ「男の人は、気持ちを表に出すのが女の人より少しだけ下手。だからサシャが気づいていないだけ」
ミカサ「今、サシャがライナーの一番になれているかどうかは置いといて。……サシャが思っているよりもずっと、ライナーはあなたのことを大切にしてくれてる」
ミカサ「他の誰かの代わりだなんて思っていない。絶対に」
サシャ「ミカサ……」
ミカサ「私はちゃんと知っている。サシャはいい子。とっても」ナデナデ

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