ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」
Part5
121 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:00:25 G6MtnuCU
ーー東口 靖国通りを東へ
ダダダ
ユミル「早く走れよのろま!あの店長まだ追ってきてるぞ。金は払ったろクソ」
ベルトルト「急かさないでよ!僕なんか殴られたんだよ!?」
ユミル「まあカラオケは歌う所だからな」
ベルトルト「君がジンジャエールなんて頼むから!」
ユミル「頼まないと人こないだろ」
ベルトルト「君が僕を誘うから!」
ユミル「襲われてないと追い出されないだろ」
ユミル「手足縛って首絞めて写真とって……とんだ変態野郎だな」ダハハ
122 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:01:03 G6MtnuCU
ベルトルト「人のさみしさにつけこむ君は鬼畜だよ!血も涙もない鬼畜だよ!」
ベルトルト「思春期の男の子のナイーブなハートをそそのかすなんて!このあばずれ!」
ユミル「こっちは危うく殺されるところだったんだぞ」
ベルトルト「おとなしく殺されててよ!もうあんな所、もう一生行かない!」
ユミル「ダハハ!同感だ!そこのジンジャを抜けてくぞ」
ダダダ……
123 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:06:53 G6MtnuCU
1550ーー東口 新宿柳通り
ベルユミ ハァハァ
ユミル「巻いたな……はぁ、疲れた」ハァ
ベルトルト「……ケイサツよばれてないといいけど……」
ユミル「大丈夫だろ……」
ベルトルト「……」
ユミル「……」
ユミル「……指生えたの見て確信したよ、お前の正体」
ベルトルト「え?確信なく指を噛みちぎっていたの?」
ユミル「ああ」
ベルトルト(やっぱり頭おかしいなこいつ)
124 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:07:58 G6MtnuCU
ベルトルト「……ユミル。どうにか、死ぬか消えるかしてくれないかな。不安要素は排除したい」
ユミル「無理な相談だな」
ベルトルト「そこをなんとか」
ベルトルト「この世界に残るだけでいいんだよ」
ユミル「クリスタに会えなくなるだろ」
ユミル「まああいつがここで一緒に生きていきたいと誘ってくれたんなら少しは考えたがな」ハハ
ベルトルト「君は本当にクリスタが好きだね」
ユミル「ああ」
ユミル「でも……あいつは私を選ばなかった……」
ベルトルト(ライナーと行ってしまったこと、まだ執着しているのか……?)
ユミル「私の体調は回復した。外は人目もあるし、もう簡単には殺せない」
ベルトルト「……」
125 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:09:59 G6MtnuCU
ユミル「お前の正体はばらさない。さっきも言ったが、私の大義は調査兵団にはないからな」
ユミル「だからその代わり鍵、もとい“コニー”を渡してくれ。それで終わりにしよう」
ベルトルト「えっ」
ユミル「えっ、とはなんだ、性格ねじまがってるぞ。ほらほら出せよ」
ベルトルト「ごめん。僕はもう“コニー”を持っていない」
ユミル「は……」
ベルトルト「……」
ユミル「どこにやった」
ベルトルト「捨てた。もう僕でも回収不可能だよ。あれは」
ベルトルト(回収不可能かどうかはわからないけど、さっき捨てた)
ベルトルト(走ってる間にちょうどいいくずかごがあったからね、これで安心)
126 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:10:32 G6MtnuCU
ユミル「……」
ベルトルト「……本当だよ」
ユミル「……」
ベルトルト「……」
ユミル「……負けたよ」ハァ
ベルトルト「……」
ユミル「仕方ない。敗者は勝者に何かやらなきゃな」
ベルトルト「え?死んでくれるの?」
ユミル「いや。助言してやるよ」
ベルトルト「助言?」
ユミル「もう私をどうこうしようとするのはやめろ。お前ひとりぼっちになるぞ」
127 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:11:53 G6MtnuCU
ベルトルト「?」
ベルトルト「……さっきの話の続き?あれは僕をそそのかすための文句でし」
ユミル「悪いことは言わない。おとなしくライナーと合流することを勧める」
ベルトルト「……?」
ユミル「……」
ベルトルト「君……ライナーに何かしたのか?」
ユミル「何も」
ベルトルト「嘘はいけないよ」
ユミル「常に嘘つきのお前に言われたくないな。本当だ。むしろ心配してやってんだ」
ベルトルト「心配……?」
ユミル「……でさ」
ベルトルト「うん」
128 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:15:26 G6MtnuCU
ユミル「交差点の向こう、見えるよな」
ベルトルト「うん」
ユミル「なんであのふたり」
ユミル「道端で大泣きしてんだよ……」
ベルトルト「ね」
ユミル「行くぞ。面倒だ」
ベルトルト「またそんなこと言うから。サシャがこっち見た」
ユミル「うわあ」ゾッ
こうして僕らはサシャ、ジャンと合流し、後にサシャと2人で西口を目指した。
途中でサシャが『においます!』とか訳分からないこと言って街に消えていった。
彼女もダンジョンに迷いそうだな。
まあ行方不明になったらなったで、いいか。今後手を下さずに済むんだから。
130 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:18:00 G6MtnuCU
1645ーー西口 ヨドバシカメラ
一応最初に来たヨドバシカメラに戻ってはきたけど、現像はする気ないから暇だなぁ。
……トイレに行っておこう。
バタン
あ、また忘れ物がある。今日思っていたことだけど、トイレに忘れ物していく人って多いんだな。
フィルムカメラはここに置いていってしまおう。コト
さようなら。中々楽しかったよ。
ジャー バタン
ふう。これで一件落着。
そろそろ5時だ。西口改札、世界時計前だったよね。
この西口の巨大なロータリーを向こう側にまわって、地下に降りればちょうどあるはずだ。
ライナー……ちゃんといる、よね?
ユミルの言っていたことが気になるけど……。
131 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:19:16 G6MtnuCU
「うおおおおおォォォ!!」
ベルトルト(!?)
ベルトルト(ライナーの声!?)キョロキョロ
ベルトルト(え!?)
ベルトルト(駅前ロータリーを走ってるクルマに……ライナーが機動装置ではり付いている!?)
ベルトルト(こんな街中で機動装置さらすなんて!!)
132 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:20:39 G6MtnuCU
ベルトルト「ライナー!!」
ライナー「!!」
ベルトルト「何をやっているんだ!」
ライナー「人さらいだ!クリスタとアルミンがこの中にいる!」
ベルトルト「!?」
ライナー「中の様子がわからないから、うかつにブレードを使えない!」
ベルトルト「乗り物を壊せ!」
ライナー「やっている!全く傷がつかない!」
ベルトルト(なぜだ!?アンカーはささってるじゃないか!)
ライナー「定期的に煙弾を撃って場所を示す!」
ライナー「もう5時だ!あいつらと合流次第に応援に来てくれ!!」
ブオオォォォ……
ベルトルト(行ってしまった……!)
ベルトルト(なにをやっているんだライナーは!)
ダッ
133 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:23:28 G6MtnuCU
ーー1700 西口 世界時計前
5時……
もう……
なんで誰もいないんだよ!そんな気してたけど!
……まずいな、ただでさえ建物が大きくて空が見えないのに
こんな地下ロータリーに居続けることはできない……
ひとりで行くか?いや……。運頼みだけど……少し近くを一周して行こう!
タタタ
!!
エレンミカサ トボトボ
エレン「……アルミンに会いてえ」グズッ
ミカサ「エレン、歩いて。ちゃんと歩いて……生きるの!」シクシク
ベルトルト「」
134 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:26:35 G6MtnuCU
ーー
エレン「ベルトルト!助かった!もう迷子で死を覚悟してた!」ウルウル
ミカサ「私はあなたを侮っていた!許してほしい!あなたは有能!」ウルウル
ベルトルト(この生意気どもめ!)
ベルトルト「世界時計はすぐ近くじゃないか!なんで迷子になっているんだ!」
エレン「そうだったのか!?」
エレン「俺ら……地図、あんま読めなくて……な」テレ
ミカサ「うん///」テレ
ベルトルト(こいつら)
135 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:28:52 G6MtnuCU
ベルトルト(ミカサがいるからこの3人でも大丈夫か)
ベルトルト「そんなこと言ってる場合じゃないよ!とにかく走って!地上へ出る!」
エレン「せ、世界時計前でもう皆待ってるのか?」アセ
ベルトルト「誰も集まってないよ!もう!皆役立たずなんだから!」
エレン「待てよベルトルト!俺たち荷物いっぱいあって……!」ヨイショヨイショ
ベルトルト(この脳天気!)
ベルトルト「置いて行け!」
エレン「はあ?」
ベルトルト「アルミンとクリスタがさらわれたんだ!!」
ベルトルト(あと君たちに物資は持ち帰らせない!)
エレンミカサ「!?」
136 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:44:32 DIStO8ZY
この不安定で緊張感漂う有能なスパイのベルトルさん珍しいな。
カラオケでのやり取りは理想的な二人過ぎて死にそうになった!
頭いいもの同士のやり取りってこわい!素敵!
137 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 00:35:08 01sdK9u6
ベルユミの緊張感のあるやり取りがたまらなくいい
>>1さんの作風かなり好きです
139 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 09:31:13 Q0ZlkRg2
ベルトルト「街を走っているクルマってやつでだ。さらったクルマにはライナーがはりついている」
ベルトルト「位置はライナーが定期的に煙弾を撃つと言っていたけど……」
ベルトルト「高い建物が多すぎて……もう撃っているかもしれない。地上から西を目指す!」
エレン「飛ぶよな!?」
ベルトルト「ライナー1人が使っただけで街中が大騒ぎだった。立体機動はだめだよ!」
エレン「でも!」
ベルトルト「西口ではだめなんだ!建物と道路一つ一つが巨大すぎて、効率が悪い!」
ベルトルト「とりあえず走る!信号弾を探す!いいね!」
エレン「たっく!西ってどっちだ!建物も道もぐちゃぐちゃすぎなんだよ……!」
ミカサ(アルミン……!)
タタタタ
140 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 09:32:19 Q0ZlkRg2
パーン!
ベルエレミカ「!」
エレン「煙弾だ!もう遠くに行っちまったと思ったが、やったな!近い!」タタタ
ベルトルト(……え?あのクルマの速さでこの距離とは……やけに近すぎないか?)
141 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 13:14:19 Q0ZlkRg2
ーー
ダダダ
ベルトルト「ここらへんのはずなんだけど……」ハァハァ
エレン「おい、あれ見ろ!」ハァハァ
ベルミカサ「!?」
エレン「あれ!地面に落ちてんの、信号弾用の銃だよな!?」タタタ
ミカサ「撃ったすぐ後みたい……しかしなぜ、ライナーが……いないの?」
ベルトルト(どういうことだ……ライナーはもしかして)
ベルトルト「別の何かに追われて……いる?」
エレンミカサ「!?」
ベルトルト(さっきのユミルの警告はこれのことか……!?)
ベルトルト(……ライナーが、壊れて、さよなら……?僕は、ひとりぼっちに……?)
ベルトルト「……エレンとミカサはクルマを探してくれ。……僕はライナーを探す」
エレンミカサ「!?」
142 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 13:15:26 Q0ZlkRg2
エレン「は……?今はアルミンとクリスタが先だろ!」
ミカサ「クルマに乗っている以上、時間との勝負!3人で捜索すべき!」
ベルトルト「分かってるよ!でも僕はライナーが心配だ!」
ミカサ「ライナーが何かに追われているという確証はない!」
ベルトルト「どう見てもおかしいだろう!」
ミカサ「情報が少なすぎる!」
ベルトルト「でも!」
エレン「ベルトルト!!」
ベルトルト「!」
エレン「お前はライナーが信じられないのか!?」
ベルトルト「……!」
エレンミカサ「……」
ベルトルト「……ごめん。取り乱した」
エレン「……ライナーならなんとかする。お前も知ってるだろ」
ベルトルト「うん……」
145 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:13:30 TzyT/6UU
ミカサ「……3人でまずはクルマを追おう」
ミカサ「ねえベルトルト。アルミンとクリスタも立体機動と信号弾を所持しているはずではないの?」
ベルトルト「……ライナーがブレードでクルマに傷1つつかないと言っていた。中からどうにかできるとは思えない」
ミカサ「でもアンカーがさせたんでしょう?」
ベルトルト「理由はわからない……」
ミカサ(アンカーがさせてブレードで傷かつかない物質なんて、あるものなの……?)
ミカサ「……ライナーが追尾できなくなった以上、自力で探すしかない」
エレン「こんなダンジョンを自力でか!?」
ベルトルト「クルマは確か……大きくて黒くて、とにかく真っ黒だった!」
エレン「手がかり少ねえよ!」
ベルトルト「アンカーが一度ささったんだ、クルマの後方に跡が残っているはずだよ」
ミカサ「……やはり立体機動を使おう」
ベルエレ「!」
146 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:14:24 TzyT/6UU
ミカサ「高所からの捜索の方が移動も速く、アンカーの跡も見つけ安い」
ベルトルト「……」
ミカサ「日が傾いて街明かりがつきはじめた……おそらくこの街は夜も明るく、道路は見えるかもしれない」
ミカサ「しかしそれは灯のある場所だけ。暗い場所、狭い路地の捜索は完全に不可能になる」
ミカサ「もう……時間がない」
ミカサ「ので、この時間帯に賭ける。一気に飛ぼう。この夕暮時が最後のチャンス!」
エレン「……ああ!」
ベルトルト「……わかった」
バシュ!
ガシャーン!
ミカサ「エレン!その建物は全面ガラス!アンカーをさしてはいけない!」
エレン「す……すまん!」
ベルトルト(エレンださ)
ーー東口 靖国通りを東へ
ダダダ
ユミル「早く走れよのろま!あの店長まだ追ってきてるぞ。金は払ったろクソ」
ベルトルト「急かさないでよ!僕なんか殴られたんだよ!?」
ユミル「まあカラオケは歌う所だからな」
ベルトルト「君がジンジャエールなんて頼むから!」
ユミル「頼まないと人こないだろ」
ベルトルト「君が僕を誘うから!」
ユミル「襲われてないと追い出されないだろ」
ユミル「手足縛って首絞めて写真とって……とんだ変態野郎だな」ダハハ
122 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:01:03 G6MtnuCU
ベルトルト「人のさみしさにつけこむ君は鬼畜だよ!血も涙もない鬼畜だよ!」
ベルトルト「思春期の男の子のナイーブなハートをそそのかすなんて!このあばずれ!」
ユミル「こっちは危うく殺されるところだったんだぞ」
ベルトルト「おとなしく殺されててよ!もうあんな所、もう一生行かない!」
ユミル「ダハハ!同感だ!そこのジンジャを抜けてくぞ」
ダダダ……
123 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:06:53 G6MtnuCU
1550ーー東口 新宿柳通り
ベルユミ ハァハァ
ユミル「巻いたな……はぁ、疲れた」ハァ
ベルトルト「……ケイサツよばれてないといいけど……」
ユミル「大丈夫だろ……」
ベルトルト「……」
ユミル「……」
ユミル「……指生えたの見て確信したよ、お前の正体」
ベルトルト「え?確信なく指を噛みちぎっていたの?」
ユミル「ああ」
ベルトルト(やっぱり頭おかしいなこいつ)
124 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:07:58 G6MtnuCU
ベルトルト「……ユミル。どうにか、死ぬか消えるかしてくれないかな。不安要素は排除したい」
ユミル「無理な相談だな」
ベルトルト「そこをなんとか」
ベルトルト「この世界に残るだけでいいんだよ」
ユミル「クリスタに会えなくなるだろ」
ユミル「まああいつがここで一緒に生きていきたいと誘ってくれたんなら少しは考えたがな」ハハ
ベルトルト「君は本当にクリスタが好きだね」
ユミル「ああ」
ユミル「でも……あいつは私を選ばなかった……」
ベルトルト(ライナーと行ってしまったこと、まだ執着しているのか……?)
ユミル「私の体調は回復した。外は人目もあるし、もう簡単には殺せない」
ベルトルト「……」
125 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:09:59 G6MtnuCU
ユミル「お前の正体はばらさない。さっきも言ったが、私の大義は調査兵団にはないからな」
ユミル「だからその代わり鍵、もとい“コニー”を渡してくれ。それで終わりにしよう」
ベルトルト「えっ」
ユミル「えっ、とはなんだ、性格ねじまがってるぞ。ほらほら出せよ」
ベルトルト「ごめん。僕はもう“コニー”を持っていない」
ユミル「は……」
ベルトルト「……」
ユミル「どこにやった」
ベルトルト「捨てた。もう僕でも回収不可能だよ。あれは」
ベルトルト(回収不可能かどうかはわからないけど、さっき捨てた)
ベルトルト(走ってる間にちょうどいいくずかごがあったからね、これで安心)
ユミル「……」
ベルトルト「……本当だよ」
ユミル「……」
ベルトルト「……」
ユミル「……負けたよ」ハァ
ベルトルト「……」
ユミル「仕方ない。敗者は勝者に何かやらなきゃな」
ベルトルト「え?死んでくれるの?」
ユミル「いや。助言してやるよ」
ベルトルト「助言?」
ユミル「もう私をどうこうしようとするのはやめろ。お前ひとりぼっちになるぞ」
127 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:11:53 G6MtnuCU
ベルトルト「?」
ベルトルト「……さっきの話の続き?あれは僕をそそのかすための文句でし」
ユミル「悪いことは言わない。おとなしくライナーと合流することを勧める」
ベルトルト「……?」
ユミル「……」
ベルトルト「君……ライナーに何かしたのか?」
ユミル「何も」
ベルトルト「嘘はいけないよ」
ユミル「常に嘘つきのお前に言われたくないな。本当だ。むしろ心配してやってんだ」
ベルトルト「心配……?」
ユミル「……でさ」
ベルトルト「うん」
128 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:15:26 G6MtnuCU
ユミル「交差点の向こう、見えるよな」
ベルトルト「うん」
ユミル「なんであのふたり」
ユミル「道端で大泣きしてんだよ……」
ベルトルト「ね」
ユミル「行くぞ。面倒だ」
ベルトルト「またそんなこと言うから。サシャがこっち見た」
ユミル「うわあ」ゾッ
こうして僕らはサシャ、ジャンと合流し、後にサシャと2人で西口を目指した。
途中でサシャが『においます!』とか訳分からないこと言って街に消えていった。
彼女もダンジョンに迷いそうだな。
まあ行方不明になったらなったで、いいか。今後手を下さずに済むんだから。
130 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:18:00 G6MtnuCU
1645ーー西口 ヨドバシカメラ
一応最初に来たヨドバシカメラに戻ってはきたけど、現像はする気ないから暇だなぁ。
……トイレに行っておこう。
バタン
あ、また忘れ物がある。今日思っていたことだけど、トイレに忘れ物していく人って多いんだな。
フィルムカメラはここに置いていってしまおう。コト
さようなら。中々楽しかったよ。
ジャー バタン
ふう。これで一件落着。
そろそろ5時だ。西口改札、世界時計前だったよね。
この西口の巨大なロータリーを向こう側にまわって、地下に降りればちょうどあるはずだ。
ライナー……ちゃんといる、よね?
ユミルの言っていたことが気になるけど……。
131 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:19:16 G6MtnuCU
「うおおおおおォォォ!!」
ベルトルト(!?)
ベルトルト(ライナーの声!?)キョロキョロ
ベルトルト(え!?)
ベルトルト(駅前ロータリーを走ってるクルマに……ライナーが機動装置ではり付いている!?)
ベルトルト(こんな街中で機動装置さらすなんて!!)
132 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:20:39 G6MtnuCU
ベルトルト「ライナー!!」
ライナー「!!」
ベルトルト「何をやっているんだ!」
ライナー「人さらいだ!クリスタとアルミンがこの中にいる!」
ベルトルト「!?」
ライナー「中の様子がわからないから、うかつにブレードを使えない!」
ベルトルト「乗り物を壊せ!」
ライナー「やっている!全く傷がつかない!」
ベルトルト(なぜだ!?アンカーはささってるじゃないか!)
ライナー「定期的に煙弾を撃って場所を示す!」
ライナー「もう5時だ!あいつらと合流次第に応援に来てくれ!!」
ブオオォォォ……
ベルトルト(行ってしまった……!)
ベルトルト(なにをやっているんだライナーは!)
ダッ
133 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:23:28 G6MtnuCU
ーー1700 西口 世界時計前
5時……
もう……
なんで誰もいないんだよ!そんな気してたけど!
……まずいな、ただでさえ建物が大きくて空が見えないのに
こんな地下ロータリーに居続けることはできない……
ひとりで行くか?いや……。運頼みだけど……少し近くを一周して行こう!
タタタ
!!
エレンミカサ トボトボ
エレン「……アルミンに会いてえ」グズッ
ミカサ「エレン、歩いて。ちゃんと歩いて……生きるの!」シクシク
ベルトルト「」
134 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:26:35 G6MtnuCU
ーー
エレン「ベルトルト!助かった!もう迷子で死を覚悟してた!」ウルウル
ミカサ「私はあなたを侮っていた!許してほしい!あなたは有能!」ウルウル
ベルトルト(この生意気どもめ!)
ベルトルト「世界時計はすぐ近くじゃないか!なんで迷子になっているんだ!」
エレン「そうだったのか!?」
エレン「俺ら……地図、あんま読めなくて……な」テレ
ミカサ「うん///」テレ
ベルトルト(こいつら)
135 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:28:52 G6MtnuCU
ベルトルト(ミカサがいるからこの3人でも大丈夫か)
ベルトルト「そんなこと言ってる場合じゃないよ!とにかく走って!地上へ出る!」
エレン「せ、世界時計前でもう皆待ってるのか?」アセ
ベルトルト「誰も集まってないよ!もう!皆役立たずなんだから!」
エレン「待てよベルトルト!俺たち荷物いっぱいあって……!」ヨイショヨイショ
ベルトルト(この脳天気!)
ベルトルト「置いて行け!」
エレン「はあ?」
ベルトルト「アルミンとクリスタがさらわれたんだ!!」
ベルトルト(あと君たちに物資は持ち帰らせない!)
エレンミカサ「!?」
136 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/26(金) 23:44:32 DIStO8ZY
この不安定で緊張感漂う有能なスパイのベルトルさん珍しいな。
カラオケでのやり取りは理想的な二人過ぎて死にそうになった!
頭いいもの同士のやり取りってこわい!素敵!
137 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 00:35:08 01sdK9u6
ベルユミの緊張感のあるやり取りがたまらなくいい
>>1さんの作風かなり好きです
139 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 09:31:13 Q0ZlkRg2
ベルトルト「街を走っているクルマってやつでだ。さらったクルマにはライナーがはりついている」
ベルトルト「位置はライナーが定期的に煙弾を撃つと言っていたけど……」
ベルトルト「高い建物が多すぎて……もう撃っているかもしれない。地上から西を目指す!」
エレン「飛ぶよな!?」
ベルトルト「ライナー1人が使っただけで街中が大騒ぎだった。立体機動はだめだよ!」
エレン「でも!」
ベルトルト「西口ではだめなんだ!建物と道路一つ一つが巨大すぎて、効率が悪い!」
ベルトルト「とりあえず走る!信号弾を探す!いいね!」
エレン「たっく!西ってどっちだ!建物も道もぐちゃぐちゃすぎなんだよ……!」
ミカサ(アルミン……!)
タタタタ
140 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 09:32:19 Q0ZlkRg2
パーン!
ベルエレミカ「!」
エレン「煙弾だ!もう遠くに行っちまったと思ったが、やったな!近い!」タタタ
ベルトルト(……え?あのクルマの速さでこの距離とは……やけに近すぎないか?)
141 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 13:14:19 Q0ZlkRg2
ーー
ダダダ
ベルトルト「ここらへんのはずなんだけど……」ハァハァ
エレン「おい、あれ見ろ!」ハァハァ
ベルミカサ「!?」
エレン「あれ!地面に落ちてんの、信号弾用の銃だよな!?」タタタ
ミカサ「撃ったすぐ後みたい……しかしなぜ、ライナーが……いないの?」
ベルトルト(どういうことだ……ライナーはもしかして)
ベルトルト「別の何かに追われて……いる?」
エレンミカサ「!?」
ベルトルト(さっきのユミルの警告はこれのことか……!?)
ベルトルト(……ライナーが、壊れて、さよなら……?僕は、ひとりぼっちに……?)
ベルトルト「……エレンとミカサはクルマを探してくれ。……僕はライナーを探す」
エレンミカサ「!?」
142 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 13:15:26 Q0ZlkRg2
エレン「は……?今はアルミンとクリスタが先だろ!」
ミカサ「クルマに乗っている以上、時間との勝負!3人で捜索すべき!」
ベルトルト「分かってるよ!でも僕はライナーが心配だ!」
ミカサ「ライナーが何かに追われているという確証はない!」
ベルトルト「どう見てもおかしいだろう!」
ミカサ「情報が少なすぎる!」
ベルトルト「でも!」
エレン「ベルトルト!!」
ベルトルト「!」
エレン「お前はライナーが信じられないのか!?」
ベルトルト「……!」
エレンミカサ「……」
ベルトルト「……ごめん。取り乱した」
エレン「……ライナーならなんとかする。お前も知ってるだろ」
ベルトルト「うん……」
ミカサ「……3人でまずはクルマを追おう」
ミカサ「ねえベルトルト。アルミンとクリスタも立体機動と信号弾を所持しているはずではないの?」
ベルトルト「……ライナーがブレードでクルマに傷1つつかないと言っていた。中からどうにかできるとは思えない」
ミカサ「でもアンカーがさせたんでしょう?」
ベルトルト「理由はわからない……」
ミカサ(アンカーがさせてブレードで傷かつかない物質なんて、あるものなの……?)
ミカサ「……ライナーが追尾できなくなった以上、自力で探すしかない」
エレン「こんなダンジョンを自力でか!?」
ベルトルト「クルマは確か……大きくて黒くて、とにかく真っ黒だった!」
エレン「手がかり少ねえよ!」
ベルトルト「アンカーが一度ささったんだ、クルマの後方に跡が残っているはずだよ」
ミカサ「……やはり立体機動を使おう」
ベルエレ「!」
146 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:14:24 TzyT/6UU
ミカサ「高所からの捜索の方が移動も速く、アンカーの跡も見つけ安い」
ベルトルト「……」
ミカサ「日が傾いて街明かりがつきはじめた……おそらくこの街は夜も明るく、道路は見えるかもしれない」
ミカサ「しかしそれは灯のある場所だけ。暗い場所、狭い路地の捜索は完全に不可能になる」
ミカサ「もう……時間がない」
ミカサ「ので、この時間帯に賭ける。一気に飛ぼう。この夕暮時が最後のチャンス!」
エレン「……ああ!」
ベルトルト「……わかった」
バシュ!
ガシャーン!
ミカサ「エレン!その建物は全面ガラス!アンカーをさしてはいけない!」
エレン「す……すまん!」
ベルトルト(エレンださ)
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