しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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408 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:50:26.52 ID:Pr7L8+H70
♪~戦闘! チャンピオン~
ポケモントレーナーの ハウが
勝負を しかけてきた!
ハウ「行くよーライチュウ!」ヒョイッ
しんのすけ「ボーちゃん、レッツラゴ!ー」ヒョイッ
ライチュウ「ライラーイッ!」ポンッ!
ミミッキュ『ボーッ!』ポンッ!
同時刻
~メレメレ島 リリィタウン~
イクヨーライチュウ!
ボーチャン、レッツラゴー!
ハラ「むおっ、始まりましたな」
ひろし「まさかしんのすけとハウくんの一騎打ちなんてな……」
みさえ「ハラさんもこの大大試練の内容を考えたんですよね。どういう理由で決めたんですか?」
ハラ「うむ……ハラを断つ思いで決断しましたな」
ハラ「本音を言えば、しんのすけもハウも、心身ともに島巡りを経て強くなりました。このようなことをせずとも、彼らは島巡りチャンピオンになれる資質があります。このハラも、そうさせてあげたかったですな」
409 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:51:15.11 ID:Pr7L8+H70
ハラ「ですが……2人とも島巡りチャンピオンになれば、いずれ自分の力に溺れ、驕ってしまう。自分たちが勝つこと、負けることの意味を知らずに育っていくでしょうな」
ハラ「この大大試練で敗者はもとより、勝者は親しい者を乗り越えなければいけない覚悟を背負わなければなりません」
ハラ「そしてなにより、勝つことと負けること……それを越えたものを彼らに知ってもらうために、2人に戦ってもうことになりましたな」
ひろし「言うことは正しいが、これはどっちを応援すりゃいいのか分かんねぇな……」
みさえ「私も、複雑な気持ちね……」
ひまわり「たい……」
グズマ「……」
410 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:52:23.64 ID:Pr7L8+H70
~エーテルパラダイス~
グラジオ「互いの手を知っている仲間同士のポケモン勝負、か。しまキングたちも考えたもんだな」
リーリエ「わたし……しんちゃんとハウさん、どっちを応援すればいいのかわからないです」
グラジオ「……だろうな。その気持ち、わからんでもないが、オレはどちらに肩入れするつもりはない」
グラジオ「オレにはこの大大試練の本質が、ポケモン勝負の勝ち負けとは別のところにあると思う」
リーリエ「勝ち負けとは別、ですか?」
グラジオ「そうだ。2人が勝ち負けを越えたものに早く気付けるか、そこが勝負の分かれ目になるだろう」
グラジオ「……リーリエ。オマエも1人のトレーナーとしてこの戦い、微塵も見逃すなよ。そして、しんのすけとハウが得たものを理解するんだ」
リーリエ「はい! わたしも、しんちゃんとハウさんの戦い、最後まで見届けるつもりですから! 2人とも、勝ち負けを越えたものを見つけられるよう応援します!」
グラジオ(この大大試練は甘さを見せたほうが脱落する。だが、この2人なら……あるいは)
グラジオ(勝ち続けることの意味……それをしんのすけとハウは知ることができるか? オマエたちの行く末、オレが見届ける!)
411 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:53:41.46 ID:Pr7L8+H70
ハウ(やっぱり来たねーボーちゃん)
しんのすけ「ピカチュウとライチュウ対決、ですな」
ハウ「そりゃー見た目だけだよー」
ハウ「ライチュウ、10まんボルト!」
ライチュウ「ラーイッ! チュウウウッ!!」バチチチッ!!
ミミッキュ『ボーッ!』シューン!!
ライチュウは全身から電撃をボーちゃんに向けて放ち、すぐさまボーちゃんも光の壁を出現させる。
しかし、光の壁を貼り終えるよりも早く、ボーちゃんに10まんボルトが直撃する!
ミミッキュ『ボッ……!』カクンッ
ジュナイパー(ボール)『あのライチュウ、早い!』
しんのすけ「でんじはは使えないの?」
ジュナイパー(ボール)『無理だよ。相手はでんきタイプだから、まひさせる事はできないんだ』
ミミッキュ『でんじはでまひして身動きを封じる作戦は取れない。なら……』
ハウ(たぶんボーちゃんはおにびか、のろいをかけてくるかなー? だけど、させる前に倒させてもらうからねー!)
412 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:55:01.39 ID:Pr7L8+H70
ハウ「ライチュウ、スパークー!」
ライチュウ『ライラーイッ!』ゴウッ!
ミミッキュ『えいっ!』ボウッ!
ライチュウが電気をまといながら、サーフテールに乗ってボーちゃんに急接近してくると同時に、ボーちゃんも頭上に火の玉を3つ出現させてライチュウに向けて放つ!
ライチュウ『ライライチュウ!』サッサッサッ!!
ミミッキュ『は、はやい!』
襲い来る火の玉に身体を傾けながら避けていくと、ライチュウはボーちゃんに電気をまといながら突進した!
ドンッ!
ミミッキュ『ボ……!』ザザザッ!
ハウ「まだまだー! ほっぺすりすりだよー!」
しんのすけ「ほっぺすりすり……?」
ライチュウ『ラーイッ!』ギュンッ!
サーフテールから飛び降りたライチュウは頬に電気を溜めながらボーちゃんに接近すると、そのまま顔を近づけて擦り寄った。
413 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:57:24.10 ID:Pr7L8+H70
ライチュウ「ライライチュウ///」スリスリバチバチッ!
ミミッキュ『ボボボボボボ!』ビリビリビリ!!
しんのすけ「頬ずりされてるのにボーちゃんビリビリしてる!」
ミミッキュ『ボ……身体が痺れる……!』バチッ、バチッ
ジュナイパー(ボール)『ボーちゃんがまひになっちゃうなんて……!』
ハウ『そのままもう一度スパークだよー!』
ライチュウ『ラーイッ!』バチチチッ!
再びライチュウはサーフボードに飛び乗ると、電撃をまとって再びボーちゃんへ突撃する!
ミミッキュ『ボ!』ジャキンッ!
すれ違いざま、痺れる身体をこらえて、ボーちゃんは影の鼻水を爪に変形させてライチュウに向けて振り下ろした!
ライチュウ「ライッ……!?」ザクッ!!
ミミッキュ『ボッ……』バチチッ
しんのすけ「ボーちゃん、だいじょぶ?」
ミミッキュ『ボ……あのライチュウ、とても早くて隙が無い。たぶん、僕におにびとかのろいを打たせないために速攻をかけてきてる。光の壁が張れて攻撃出来ただけでも幸い』
414 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:58:23.22 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「んーどうしよっか」
ミミッキュ『……とっておきの奥の手が、ある』
ジュナイパー(ボール)『奥の手?』
ミミッキュ『うん。でも……その奥の手使ったら、僕も力尽きちゃう。しんちゃん、どうする?』
しんのすけ「……やれやれ、このままボーちゃんが猫死にするのやだし、仕方ないか」
ミミッキュ『わかった。あと、猫死にじゃなくて、犬死にだよ』
しんのすけ「じゃあ奥の手ってバレないようにおにびとかやっちゃおうよ」
ミミッキュ『ボー!』
再び彼の周囲に青白い火の玉が出現する。
ハウ(せめてライチュウをやけどにさせてから退場ってところかなー? ここからが勝負どころだねー。どこまでボーちゃんのサポートを抑えられるか……)
ハウ「一気に決めるよー! ライチュウ! ボルテッカー!」
ライチュウ「ラーイッ……」バチチチチッ!!
415 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:01:10.46 ID:Pr7L8+H70
唸り声を上げると、激しい電撃が発生してライチュウを覆っていく。やがて、青い球体をまとい周囲の石が浮遊する。
ククイ博士「ボルテッカー……! ライチュウ系統だけが扱える、でんきタイプ最強のワザ! そこまで覚えていたとは!」
ハウ「行けー! ライチュウー!」ビシッ
ライチュウ「ヂュウウウゥッ!!」ゴウッ!!
ライチュウ自身が電気玉と化しながら、地面をえぐりおにびもかき消しながら、ボーちゃんへと突っ込んでいく!
しんのすけ「ボーちゃん!」
ミミッキュ『ボ!』ギンッ
ククイ博士「!」
バチッ!バチッ!バチッ!
時折バチバチと電気を大きく弾けさせ、ライチュウはボーちゃんへと突進し、壁に叩きつけるほどのスピードで跳ね飛ばした!
ドンッ!
ミミッキュ『うっ……』ドサッ
しんのすけ「ボーちゃん! 奥の手使うんじゃなかったの?」
ミミッキュ『……あとは……しんちゃんたちに……任せた』ガクッ
しんのすけ「そんなぁ」
416 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:02:11.95 ID:Pr7L8+H70
ハウ「やったー! ボーちゃんを倒せたー!」
ライチュウ「ライラーイ!」
しんのすけのパーティーの中で一番の厄介者であるボーちゃんを倒せて喜ぶハウ。しかし、ククイ博士は厳しい目でハウ、そしてミミッキュを見据えていた。
ククイ博士「……果たしてそうかな?」
その言葉が異変の皮切りになった。
突然、ボーちゃんの姿が被っているピカチュウの形をしたボロ布だけになった。
そして、ボーちゃんの本体らしき黒い塊が超光速でライチュウに接近すると、巨大化して覆い尽してしまった!
しんのすけ&ハウ「!?」
ライチュウ「ラ、ライッ!?」
ゴポッゴポポッ!
ライチュウ「ライッ! ライイイッ!」
ハウ「どうしたのー!? ライチュウ!!」
驚愕するしんのすけとハウ。
そして、あぶくが立つような音がひとしきり収まると、黒い塊が動き出して、ボロ袋へ戻っていく。
そして、力尽きてひんしになったライチュウが、地面に転がった。
ライチュウ「」
417 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:03:55.23 ID:Pr7L8+H70
ハウ「えー! そんなー!」
しんのすけ「ほーほー……」
ククイ博士(みちづれ……ボーちゃんが初めて見せる技だね)
ハウ「うー、ライチュウありがとー! 引き分けでも、ボーちゃんを倒せたもんねー」シュンッ
しんのすけ「ボーちゃん、ハウくんに好かれてますな。あとはみんなにお任せあれ」シュンッ
キテルグマ(ボール)『好かれているんじゃなくて、警戒されてるんでしょ』
ミミッキュ(ボール)『だね』
ジュナイパー(ボール)『ハウさん……敵にすると本当に強い相手だ!』
418 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:06:04.60 ID:Pr7L8+H70
同時刻 ポニ島
ハプウ「ふむう、相討ちか」
ハプウ「ハウはいい線行っておったな。しんのすけのミミッキュ……ボーちゃんとやらは、攻撃の起点にされるからのう。下手をすればヤツ1匹で勝敗が左右される。スピードと威力にモノを言わせて短期決戦を挑むのは正解とも言える」
ハプウ「だが、みちづれまで読みきれなかったのが失策じゃったな。もっとも、今のしんのすけの反応から見るにあやつも知らなかっただろうが……」
ハプウ「しんのすけたちのポケモンは、次にどんな出方をしてくるかわからないーーそれがあやつらの恐ろしいところであり、面白いところじゃ」
ハプウ「さぁて、次は何を見せてくれるのかのう。2人とも楽しみじゃ!」
419 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:08:06.38 ID:Pr7L8+H70
ハウ「しんのすけー! 最初は引き分けだったけれどー、次は負けないからねー!」スッ
しんのすけ「かかってきなさい!」スッ
ハウ「行くよー! ネッコアラ!」ヒョイッ
しんのすけ「ネネちゃん、レッツラゴー!」ヒョイッ
ネッコアラ「グーグー……」ポンッ!
キテルグマ『あたしの出番ね! 行くわよっ!』ポンッ!
ハウ「よーしネッコアラ、かわらわり!」
ネッコアラ「グー……!」ダッ!
ネッコアラは立ち上がると、手に持っているまくら木を抱えて走り出した! ネネも手に持ったピッピ人形を両手で握り締めて身構えた。
ネッコアラ「スピー!」ブンッ!!
420 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:08:55.20 ID:Pr7L8+H70
バリンッ!
ズンッ!
キテルグマ『ーー重ッ!』ググッ
光の壁を砕いた一撃が、そのままネネに振り下ろされる。かろうじてネネはピッピ人形で防ぐものの、互いに力の比べ合いが始まった。
ジュナイパー(ボール)『ボーちゃんが張った光の壁が壊されちゃった!』
しんのすけ「寝たまま攻撃するなんて、器用ですな」フムフム
キテルグマ『舐めるんじゃないわよっ! 起きて戦ってみなさいよ!』グググッ!!
ミミッキュ(ボール)『いや、ネッコアラは生まれてから死ぬまで寝てるから無理』
ハウ(このまま押し切るとーまた攻撃を我慢されちゃうかもしれないねー)
ハウ「ネッコアラー! そのままあくびだよー!」
ネッコアラ「ふぁ……」
キテルグマ『うっ!』モアッ!
キテルグマ『気持ちわるいわね! 離れなさいよ!』ブンッ!
421 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:09:52.98 ID:Pr7L8+H70
ネネはあくびして力を抜いたネッコアラを振りほどいたかと思うと、目の前がぼやけてくらくらしはじめた。
キテルグマ『う……なにこれっ』フラッ
しんのすけ「どした? なんか酔っぱらっちゃったみたいだけど」
ジュナイパー(ボール)『さっきのあくびだ! あくびでネネちゃんが眠りそうになってるんだよ!』
しんのすけ「あくびが移っちゃったのかーよくあるある」
ヨワシ(ボール)『感心してる場合じゃないよー。このままじゃネネちゃん眠っちゃうよ!』
キテルグマ『こんなあくびくらいで、眠ってたまるもんですか!』ギュッ
キテルグマ『おりゃあああっ!!』グワッ!
ハウ「ウッドハンマーで迎え撃とー!」
ネッコアラ「グー……!」ブンッ
ネネは眠気をこらえつつ、ピッピ人形を握ってネッコアラにアームハンマーを繰り出す! ネッコアラもまくら木を抱えて、逆袈裟に振り上げるようにピッピ人形とぶつかり合う!
バチッ!
キテルグマ『うっ!』
しんのすけ「ピッピ人形が飛ばされちゃった!」
422 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:10:55.41 ID:Pr7L8+H70
ハウ「隙アリー! 押し切っちゃえー!」
ネッコアラ「グゥー!」ブンッ!
ネッコアラのウッドハンマーがネネの頭にヒットする!
キテルグマ『うあっ!』フラッ
ドサッ
キテルグマ『ううっ……』クラッ
キテルグマ『……』zzz
しんのすけ「……倒れちゃったの?」
ククイ博士「いや、あくびの効果で眠ってるから、まだ倒れた扱いになってないよ」
ハウ「ここで一気に決めるー! 我慢を爆発させたらーこっちがやられちゃうしー」
ハウ「ネッコアラ! たたきつける!」
ネッコアラ「スピー……!」ブンッ!
キテルグマ『うあっ!』ドゴォ!
423 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:13:35.16 ID:Pr7L8+H70
ハウ「続いてこうそくスピンー!」
ネッコアラ「ムニャムニャ」ギュルルン!
まくら木を軸にコマのように回転しながら、ネッコアラはネネに体当たりを繰り返す!
ドコドコドコッ!!
キテルグマ『ううっ! うっ!』
しんのすけ「おわっ、ネネちゃん早く起きてー! ママー朝だぞー! 起きてー!」
ハウ「まだまだー!」
キテルグマ『うぅ……』
424 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:16:20.52 ID:Pr7L8+H70
ネッコアラに眠らされたネネちゃんは、赤い原野に立っていた。空を見上げると、赤い月が昇っている。
キテルグマ『んっ……ここは?』
ゾワッ!!
キテルグマ『!!』
「へへー……こんなところでなにしてるの?」
425 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:18:11.86 ID:Pr7L8+H70
突然強い気配がして振り返ると、キテルグマの目の前に、自分と同じくらいの大きさのピッピ人形が立っていた。
キテルグマ『え?』
ピッピ人形「ネネちゃん約束したよね? 必ず1匹は倒して、勝つって」
キテルグマ『え?』
ピッピ人形「へへー♪ あたしに嘘ついたの? ねぇねぇ、嘘ついたの?」
キテルグマ『そ、そんな……ネネ、嘘なんて』
ピッピ人形「さんざんわたしを武器にしてうさ晴らしに使って、挙句の果てには約束を破る。ずいぶんいい身分ね」
じりじり、とピッピ人形が赤い月をバッグに詰め寄ってくる。ネネも後ろへ下がろうとするが、恐怖のあまり足がすくんで動けない。
ピッピ人形「ネネちゃんの武器になって、うさ晴らしの道具になるのが私の存在意義なの。いっぱい私を叩いてくれないと困るの」
ピッピ人形「じゃないと、ネネちゃんのカラダ、乗っ取るから。へへー♪」
キテルグマ『ひ……ひいいっ!』
426 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:19:32.29 ID:Pr7L8+H70
キテルグマ『いやぁぁぁっ!!』ブゥンッ!
ネッコアラ「スビッ!?」ドゴォッ!!
ネネが悪夢を振り払うように思いっきり薙いだ拳が、ネッコアラにクリーンヒットした! 何度も何度も拳を振り回す。
キテルグマ『来ないで来ないで来ないで!!』ドゴッドゴッドゴッ!!
ネッコアラ「グッ……ズビッ!」
ハウ「あちゃー、眠っててもダメだったかー」
しんのすけ「おおっ、寝てても我慢するなんてネネちゃんやるー!」
ジュナイパー(ボール)『ホントにそうかな? なんか怖がってるように見えるけど』
キテルグマ『ハァハァ……夢、だったの? 今のはなに?』
ジュナイパー(ボール)『ネネちゃん、ぼーっとしてないで! しっかり!』
ハウ「だけど、向こうも相当ダメージを負ってる……。よーし、ここが勝負どころだ!」
ハウ「ネッコアラー! ウッドハンマー!」
ネッコアラ「グゥー……!」グワッ
キテルグマ『ハッ! そうだった! よくわからないけど、ネネ、こいつを倒さなきゃいけないんだっけ!』
まくら木を抱えて迫るネッコアラに対して、ネネもピッピ人形をすぐに拾って構え、攻撃の態勢を取る。
♪~戦闘! チャンピオン~
ポケモントレーナーの ハウが
勝負を しかけてきた!
ハウ「行くよーライチュウ!」ヒョイッ
しんのすけ「ボーちゃん、レッツラゴ!ー」ヒョイッ
ライチュウ「ライラーイッ!」ポンッ!
ミミッキュ『ボーッ!』ポンッ!
同時刻
~メレメレ島 リリィタウン~
イクヨーライチュウ!
ボーチャン、レッツラゴー!
ハラ「むおっ、始まりましたな」
ひろし「まさかしんのすけとハウくんの一騎打ちなんてな……」
みさえ「ハラさんもこの大大試練の内容を考えたんですよね。どういう理由で決めたんですか?」
ハラ「うむ……ハラを断つ思いで決断しましたな」
ハラ「本音を言えば、しんのすけもハウも、心身ともに島巡りを経て強くなりました。このようなことをせずとも、彼らは島巡りチャンピオンになれる資質があります。このハラも、そうさせてあげたかったですな」
409 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:51:15.11 ID:Pr7L8+H70
ハラ「ですが……2人とも島巡りチャンピオンになれば、いずれ自分の力に溺れ、驕ってしまう。自分たちが勝つこと、負けることの意味を知らずに育っていくでしょうな」
ハラ「この大大試練で敗者はもとより、勝者は親しい者を乗り越えなければいけない覚悟を背負わなければなりません」
ハラ「そしてなにより、勝つことと負けること……それを越えたものを彼らに知ってもらうために、2人に戦ってもうことになりましたな」
ひろし「言うことは正しいが、これはどっちを応援すりゃいいのか分かんねぇな……」
みさえ「私も、複雑な気持ちね……」
ひまわり「たい……」
グズマ「……」
410 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:52:23.64 ID:Pr7L8+H70
~エーテルパラダイス~
グラジオ「互いの手を知っている仲間同士のポケモン勝負、か。しまキングたちも考えたもんだな」
リーリエ「わたし……しんちゃんとハウさん、どっちを応援すればいいのかわからないです」
グラジオ「……だろうな。その気持ち、わからんでもないが、オレはどちらに肩入れするつもりはない」
グラジオ「オレにはこの大大試練の本質が、ポケモン勝負の勝ち負けとは別のところにあると思う」
リーリエ「勝ち負けとは別、ですか?」
グラジオ「そうだ。2人が勝ち負けを越えたものに早く気付けるか、そこが勝負の分かれ目になるだろう」
グラジオ「……リーリエ。オマエも1人のトレーナーとしてこの戦い、微塵も見逃すなよ。そして、しんのすけとハウが得たものを理解するんだ」
リーリエ「はい! わたしも、しんちゃんとハウさんの戦い、最後まで見届けるつもりですから! 2人とも、勝ち負けを越えたものを見つけられるよう応援します!」
グラジオ(この大大試練は甘さを見せたほうが脱落する。だが、この2人なら……あるいは)
グラジオ(勝ち続けることの意味……それをしんのすけとハウは知ることができるか? オマエたちの行く末、オレが見届ける!)
411 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:53:41.46 ID:Pr7L8+H70
ハウ(やっぱり来たねーボーちゃん)
しんのすけ「ピカチュウとライチュウ対決、ですな」
ハウ「そりゃー見た目だけだよー」
ハウ「ライチュウ、10まんボルト!」
ライチュウ「ラーイッ! チュウウウッ!!」バチチチッ!!
ミミッキュ『ボーッ!』シューン!!
ライチュウは全身から電撃をボーちゃんに向けて放ち、すぐさまボーちゃんも光の壁を出現させる。
しかし、光の壁を貼り終えるよりも早く、ボーちゃんに10まんボルトが直撃する!
ミミッキュ『ボッ……!』カクンッ
ジュナイパー(ボール)『あのライチュウ、早い!』
しんのすけ「でんじはは使えないの?」
ジュナイパー(ボール)『無理だよ。相手はでんきタイプだから、まひさせる事はできないんだ』
ミミッキュ『でんじはでまひして身動きを封じる作戦は取れない。なら……』
ハウ(たぶんボーちゃんはおにびか、のろいをかけてくるかなー? だけど、させる前に倒させてもらうからねー!)
412 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:55:01.39 ID:Pr7L8+H70
ハウ「ライチュウ、スパークー!」
ライチュウ『ライラーイッ!』ゴウッ!
ミミッキュ『えいっ!』ボウッ!
ライチュウが電気をまといながら、サーフテールに乗ってボーちゃんに急接近してくると同時に、ボーちゃんも頭上に火の玉を3つ出現させてライチュウに向けて放つ!
ライチュウ『ライライチュウ!』サッサッサッ!!
ミミッキュ『は、はやい!』
襲い来る火の玉に身体を傾けながら避けていくと、ライチュウはボーちゃんに電気をまといながら突進した!
ドンッ!
ミミッキュ『ボ……!』ザザザッ!
ハウ「まだまだー! ほっぺすりすりだよー!」
しんのすけ「ほっぺすりすり……?」
ライチュウ『ラーイッ!』ギュンッ!
サーフテールから飛び降りたライチュウは頬に電気を溜めながらボーちゃんに接近すると、そのまま顔を近づけて擦り寄った。
ライチュウ「ライライチュウ///」スリスリバチバチッ!
ミミッキュ『ボボボボボボ!』ビリビリビリ!!
しんのすけ「頬ずりされてるのにボーちゃんビリビリしてる!」
ミミッキュ『ボ……身体が痺れる……!』バチッ、バチッ
ジュナイパー(ボール)『ボーちゃんがまひになっちゃうなんて……!』
ハウ『そのままもう一度スパークだよー!』
ライチュウ『ラーイッ!』バチチチッ!
再びライチュウはサーフボードに飛び乗ると、電撃をまとって再びボーちゃんへ突撃する!
ミミッキュ『ボ!』ジャキンッ!
すれ違いざま、痺れる身体をこらえて、ボーちゃんは影の鼻水を爪に変形させてライチュウに向けて振り下ろした!
ライチュウ「ライッ……!?」ザクッ!!
ミミッキュ『ボッ……』バチチッ
しんのすけ「ボーちゃん、だいじょぶ?」
ミミッキュ『ボ……あのライチュウ、とても早くて隙が無い。たぶん、僕におにびとかのろいを打たせないために速攻をかけてきてる。光の壁が張れて攻撃出来ただけでも幸い』
414 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 19:58:23.22 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「んーどうしよっか」
ミミッキュ『……とっておきの奥の手が、ある』
ジュナイパー(ボール)『奥の手?』
ミミッキュ『うん。でも……その奥の手使ったら、僕も力尽きちゃう。しんちゃん、どうする?』
しんのすけ「……やれやれ、このままボーちゃんが猫死にするのやだし、仕方ないか」
ミミッキュ『わかった。あと、猫死にじゃなくて、犬死にだよ』
しんのすけ「じゃあ奥の手ってバレないようにおにびとかやっちゃおうよ」
ミミッキュ『ボー!』
再び彼の周囲に青白い火の玉が出現する。
ハウ(せめてライチュウをやけどにさせてから退場ってところかなー? ここからが勝負どころだねー。どこまでボーちゃんのサポートを抑えられるか……)
ハウ「一気に決めるよー! ライチュウ! ボルテッカー!」
ライチュウ「ラーイッ……」バチチチチッ!!
415 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:01:10.46 ID:Pr7L8+H70
唸り声を上げると、激しい電撃が発生してライチュウを覆っていく。やがて、青い球体をまとい周囲の石が浮遊する。
ククイ博士「ボルテッカー……! ライチュウ系統だけが扱える、でんきタイプ最強のワザ! そこまで覚えていたとは!」
ハウ「行けー! ライチュウー!」ビシッ
ライチュウ「ヂュウウウゥッ!!」ゴウッ!!
ライチュウ自身が電気玉と化しながら、地面をえぐりおにびもかき消しながら、ボーちゃんへと突っ込んでいく!
しんのすけ「ボーちゃん!」
ミミッキュ『ボ!』ギンッ
ククイ博士「!」
バチッ!バチッ!バチッ!
時折バチバチと電気を大きく弾けさせ、ライチュウはボーちゃんへと突進し、壁に叩きつけるほどのスピードで跳ね飛ばした!
ドンッ!
ミミッキュ『うっ……』ドサッ
しんのすけ「ボーちゃん! 奥の手使うんじゃなかったの?」
ミミッキュ『……あとは……しんちゃんたちに……任せた』ガクッ
しんのすけ「そんなぁ」
416 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:02:11.95 ID:Pr7L8+H70
ハウ「やったー! ボーちゃんを倒せたー!」
ライチュウ「ライラーイ!」
しんのすけのパーティーの中で一番の厄介者であるボーちゃんを倒せて喜ぶハウ。しかし、ククイ博士は厳しい目でハウ、そしてミミッキュを見据えていた。
ククイ博士「……果たしてそうかな?」
その言葉が異変の皮切りになった。
突然、ボーちゃんの姿が被っているピカチュウの形をしたボロ布だけになった。
そして、ボーちゃんの本体らしき黒い塊が超光速でライチュウに接近すると、巨大化して覆い尽してしまった!
しんのすけ&ハウ「!?」
ライチュウ「ラ、ライッ!?」
ゴポッゴポポッ!
ライチュウ「ライッ! ライイイッ!」
ハウ「どうしたのー!? ライチュウ!!」
驚愕するしんのすけとハウ。
そして、あぶくが立つような音がひとしきり収まると、黒い塊が動き出して、ボロ袋へ戻っていく。
そして、力尽きてひんしになったライチュウが、地面に転がった。
ライチュウ「」
417 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:03:55.23 ID:Pr7L8+H70
ハウ「えー! そんなー!」
しんのすけ「ほーほー……」
ククイ博士(みちづれ……ボーちゃんが初めて見せる技だね)
ハウ「うー、ライチュウありがとー! 引き分けでも、ボーちゃんを倒せたもんねー」シュンッ
しんのすけ「ボーちゃん、ハウくんに好かれてますな。あとはみんなにお任せあれ」シュンッ
キテルグマ(ボール)『好かれているんじゃなくて、警戒されてるんでしょ』
ミミッキュ(ボール)『だね』
ジュナイパー(ボール)『ハウさん……敵にすると本当に強い相手だ!』
418 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:06:04.60 ID:Pr7L8+H70
同時刻 ポニ島
ハプウ「ふむう、相討ちか」
ハプウ「ハウはいい線行っておったな。しんのすけのミミッキュ……ボーちゃんとやらは、攻撃の起点にされるからのう。下手をすればヤツ1匹で勝敗が左右される。スピードと威力にモノを言わせて短期決戦を挑むのは正解とも言える」
ハプウ「だが、みちづれまで読みきれなかったのが失策じゃったな。もっとも、今のしんのすけの反応から見るにあやつも知らなかっただろうが……」
ハプウ「しんのすけたちのポケモンは、次にどんな出方をしてくるかわからないーーそれがあやつらの恐ろしいところであり、面白いところじゃ」
ハプウ「さぁて、次は何を見せてくれるのかのう。2人とも楽しみじゃ!」
419 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:08:06.38 ID:Pr7L8+H70
ハウ「しんのすけー! 最初は引き分けだったけれどー、次は負けないからねー!」スッ
しんのすけ「かかってきなさい!」スッ
ハウ「行くよー! ネッコアラ!」ヒョイッ
しんのすけ「ネネちゃん、レッツラゴー!」ヒョイッ
ネッコアラ「グーグー……」ポンッ!
キテルグマ『あたしの出番ね! 行くわよっ!』ポンッ!
ハウ「よーしネッコアラ、かわらわり!」
ネッコアラ「グー……!」ダッ!
ネッコアラは立ち上がると、手に持っているまくら木を抱えて走り出した! ネネも手に持ったピッピ人形を両手で握り締めて身構えた。
ネッコアラ「スピー!」ブンッ!!
420 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:08:55.20 ID:Pr7L8+H70
バリンッ!
ズンッ!
キテルグマ『ーー重ッ!』ググッ
光の壁を砕いた一撃が、そのままネネに振り下ろされる。かろうじてネネはピッピ人形で防ぐものの、互いに力の比べ合いが始まった。
ジュナイパー(ボール)『ボーちゃんが張った光の壁が壊されちゃった!』
しんのすけ「寝たまま攻撃するなんて、器用ですな」フムフム
キテルグマ『舐めるんじゃないわよっ! 起きて戦ってみなさいよ!』グググッ!!
ミミッキュ(ボール)『いや、ネッコアラは生まれてから死ぬまで寝てるから無理』
ハウ(このまま押し切るとーまた攻撃を我慢されちゃうかもしれないねー)
ハウ「ネッコアラー! そのままあくびだよー!」
ネッコアラ「ふぁ……」
キテルグマ『うっ!』モアッ!
キテルグマ『気持ちわるいわね! 離れなさいよ!』ブンッ!
421 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:09:52.98 ID:Pr7L8+H70
ネネはあくびして力を抜いたネッコアラを振りほどいたかと思うと、目の前がぼやけてくらくらしはじめた。
キテルグマ『う……なにこれっ』フラッ
しんのすけ「どした? なんか酔っぱらっちゃったみたいだけど」
ジュナイパー(ボール)『さっきのあくびだ! あくびでネネちゃんが眠りそうになってるんだよ!』
しんのすけ「あくびが移っちゃったのかーよくあるある」
ヨワシ(ボール)『感心してる場合じゃないよー。このままじゃネネちゃん眠っちゃうよ!』
キテルグマ『こんなあくびくらいで、眠ってたまるもんですか!』ギュッ
キテルグマ『おりゃあああっ!!』グワッ!
ハウ「ウッドハンマーで迎え撃とー!」
ネッコアラ「グー……!」ブンッ
ネネは眠気をこらえつつ、ピッピ人形を握ってネッコアラにアームハンマーを繰り出す! ネッコアラもまくら木を抱えて、逆袈裟に振り上げるようにピッピ人形とぶつかり合う!
バチッ!
キテルグマ『うっ!』
しんのすけ「ピッピ人形が飛ばされちゃった!」
422 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:10:55.41 ID:Pr7L8+H70
ハウ「隙アリー! 押し切っちゃえー!」
ネッコアラ「グゥー!」ブンッ!
ネッコアラのウッドハンマーがネネの頭にヒットする!
キテルグマ『うあっ!』フラッ
ドサッ
キテルグマ『ううっ……』クラッ
キテルグマ『……』zzz
しんのすけ「……倒れちゃったの?」
ククイ博士「いや、あくびの効果で眠ってるから、まだ倒れた扱いになってないよ」
ハウ「ここで一気に決めるー! 我慢を爆発させたらーこっちがやられちゃうしー」
ハウ「ネッコアラ! たたきつける!」
ネッコアラ「スピー……!」ブンッ!
キテルグマ『うあっ!』ドゴォ!
423 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:13:35.16 ID:Pr7L8+H70
ハウ「続いてこうそくスピンー!」
ネッコアラ「ムニャムニャ」ギュルルン!
まくら木を軸にコマのように回転しながら、ネッコアラはネネに体当たりを繰り返す!
ドコドコドコッ!!
キテルグマ『ううっ! うっ!』
しんのすけ「おわっ、ネネちゃん早く起きてー! ママー朝だぞー! 起きてー!」
ハウ「まだまだー!」
キテルグマ『うぅ……』
424 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:16:20.52 ID:Pr7L8+H70
ネッコアラに眠らされたネネちゃんは、赤い原野に立っていた。空を見上げると、赤い月が昇っている。
キテルグマ『んっ……ここは?』
ゾワッ!!
キテルグマ『!!』
「へへー……こんなところでなにしてるの?」
425 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:18:11.86 ID:Pr7L8+H70
突然強い気配がして振り返ると、キテルグマの目の前に、自分と同じくらいの大きさのピッピ人形が立っていた。
キテルグマ『え?』
ピッピ人形「ネネちゃん約束したよね? 必ず1匹は倒して、勝つって」
キテルグマ『え?』
ピッピ人形「へへー♪ あたしに嘘ついたの? ねぇねぇ、嘘ついたの?」
キテルグマ『そ、そんな……ネネ、嘘なんて』
ピッピ人形「さんざんわたしを武器にしてうさ晴らしに使って、挙句の果てには約束を破る。ずいぶんいい身分ね」
じりじり、とピッピ人形が赤い月をバッグに詰め寄ってくる。ネネも後ろへ下がろうとするが、恐怖のあまり足がすくんで動けない。
ピッピ人形「ネネちゃんの武器になって、うさ晴らしの道具になるのが私の存在意義なの。いっぱい私を叩いてくれないと困るの」
ピッピ人形「じゃないと、ネネちゃんのカラダ、乗っ取るから。へへー♪」
キテルグマ『ひ……ひいいっ!』
426 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:19:32.29 ID:Pr7L8+H70
キテルグマ『いやぁぁぁっ!!』ブゥンッ!
ネッコアラ「スビッ!?」ドゴォッ!!
ネネが悪夢を振り払うように思いっきり薙いだ拳が、ネッコアラにクリーンヒットした! 何度も何度も拳を振り回す。
キテルグマ『来ないで来ないで来ないで!!』ドゴッドゴッドゴッ!!
ネッコアラ「グッ……ズビッ!」
ハウ「あちゃー、眠っててもダメだったかー」
しんのすけ「おおっ、寝てても我慢するなんてネネちゃんやるー!」
ジュナイパー(ボール)『ホントにそうかな? なんか怖がってるように見えるけど』
キテルグマ『ハァハァ……夢、だったの? 今のはなに?』
ジュナイパー(ボール)『ネネちゃん、ぼーっとしてないで! しっかり!』
ハウ「だけど、向こうも相当ダメージを負ってる……。よーし、ここが勝負どころだ!」
ハウ「ネッコアラー! ウッドハンマー!」
ネッコアラ「グゥー……!」グワッ
キテルグマ『ハッ! そうだった! よくわからないけど、ネネ、こいつを倒さなきゃいけないんだっけ!』
まくら木を抱えて迫るネッコアラに対して、ネネもピッピ人形をすぐに拾って構え、攻撃の態勢を取る。
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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