しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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371 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:05:15.95 ID:FDGs4cRn0
リラ「困りましたね……ビーストのことも機密情報なのですが」
ククイ博士「大丈夫、しんのすけも今回のビースト事件の中心人物なんだ。リーリエと供にルザミーネをウツロイドから開放し、ビーストの世界から連れ帰ってきたんだ。それに、この子はウルトラビーストの捕獲に成功している」
リラ「なるほど、この子がルザミーネに連れ去られた例の子……ですね」
しんのすけ「どう? オラとデートしたくなった?」
ハンサム「ボス、さすがにこんな小さな子をチームに入れるのはいかがなものかと思うぞ」
リラ「そうですね……腕の立つトレーナーという点では評価はできますけれども」
しんのすけ「うーん、おじさんの声ってなんかとーちゃんと似てるから頭が混乱するゾ」
ハンサム「そういう君も、以前カロスで出会った男と同じ語尾で話すものだからややこしいな」
ロトム図鑑「フッ……久しぶりだな。ハンサム、リラ」
ハンサム「キミは!」
リラ「BRX2……ですか?」
ロトム図鑑「そのコードネームで呼ぶな! 今の私はレオナルド・ロトブリオだ!」
372 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:06:27.40 ID:FDGs4cRn0
ククイ博士「し、知り合いなのかい?」
ロトム図鑑「当たり前だ。何度も言っただろ。私は国際警察元ハッカー兼サイバーテロ部隊所属だと」
グラジオ「そんなこと、誰が信じるか……」
ハンサム「そうか……アローラにいるという話は聞いていたが、この子のロトム図鑑になっていたとはな」
しんのすけ「図鑑らしいことはひとつもしてないけどもね」
ロトム図鑑「お前がポケモンを登録しないからだろうが!」
リラ「話が脱線しかかっているので元に戻しますね。……リーリエさん、どうか我々のチームに加わって欲しいのです」
リーリエ「……ごめんなさい。考える時間を頂けませんか?」
ハンサム「考える時間と言うと?」
リーリエ「……リラさん、ハンサムさん、あなた方がビーストさんを元の世界に戻したいという気持ちは伝わってきました。わたしも、出来ることなら力になりたいです」
リーリエ「ですがルナアーラさんは、わたしにとって最初に心を通わせたポケモンさんで……家族でもあるんです。トレーナーさん同士のポケモン勝負はともかく、ビーストさんと命がけで戦って、危ない目に遭わせたくないという気持ちもあります」
リーリエ「それに、かあさまのこともあります。今はまだ眠ったままですが……心配ですので、そばにいてあげたいのです」
リラ「家族ーーですか」
ハンサム「なるほどな……」
373 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:07:27.11 ID:FDGs4cRn0
リラ「……わかりました。ではリーリエさん、1ヶ月の時間を与えます。そのあいだに、我々のチームに加わるか否か、じっくりと考えてください」
グラジオ「1ヶ月……。ずいぶん長い時間を与えるんだな」
ハンサム「1ヶ月ではどのみちアローラにいるすべてのビーストを保護するのは不可能だ。それに、リーリエくんがポケモンを家族と思う気持ちは、私もボスも分からんではないのだ。だからこそ、ルナアーラや母親と向き合って真剣に考えてもらいたいのだ」
リラ「そのあいだ、グラジオさん。あなたがその間我々のチームに加わってサポートしていただけませんか?」
グラジオ「ああ、オレもシルヴァディも、ビーストとは戦い慣れている。出来ることなら、ウルトラボールの量産化も検討してみるつもりだ」
リラ「ありがとうございます」ペコリ
リーリエ「ごめんなさい、ワガママを言ってしまって……」
ハンサム「いや、気にしなくていいさ。こういう事態も想定済みだ」
しんのすけ「ねぇオラは? オラ、リラおねいさんといた~い」
ククイ博士「しんのすけ、君にはまだ大大試練が残っているじゃないか。そのためにも、今は安静にしてなきゃダメだろ?」
374 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:08:41.42 ID:FDGs4cRn0
リラ「そうですね。しんのすけさんが島巡りを終えて、我々の件もひと段落ついたら、改めて会いに行こうと思います」
ハンサム「UBの世界で、キミが体験したことやBRX2の活躍も聞いておきたいしな」
しんのすけ「ハッサムのおじさんは別に来なくていいけど」
ハンサム「むむっ、これは手痛いな……。それとハッサムではなくて、ハンサムだよ」
リラ「私たちは各地のモーテルを中心に行動するつもりです。連絡先を渡しておきますね。何かあれば、こちらから連絡します」
グラジオ「ああ」
しんのすけ「いいなぁ……」
リーリエ「さ、しんちゃん。戻りましょう」
ハンサム「しかしアローラでキミと出会うとは夢にも思わなかったよ。これもひとつの運命というべきか……」
ロトム図鑑「国際警察に戻るつもりはないぞ。あっちではいちいちネットするたびに口うるさく言われるからな」
ロトム図鑑「それに、国際警察のやり方は私のセンスに合わん。正直言ってダサいぜ」
ハンサム「ああ、私たちも戻って来いとは言わない。お前は国際警察とは無関係のポケモンになったんだ。好きに生きるといい」
ロトム図鑑「当たり前田のクラッカー」
375 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:10:19.70 ID:FDGs4cRn0
ルザミーネの屋敷
リラとハンサムの話を聞いたリーリエは、屋敷の一室で機械に繋がれてベッドに眠るルザミーネのそばにいた。
お見舞いに飾られていた花を取り替えながら、目を閉じて穏やかに眠っているルザミーネを見つめた。
リーリエ「かあさま……わたし、国際警察にチームに入らないかって誘われたんです」
リーリエ「でも、ほしぐもちゃんにビーストを戦わせるのが、わたし、どうしても不安で……迷ってしまって」
リーリエ「かあさまだったら、なんて言いますか?」
「ルザミン的にはー、まずはリラちゃんの携帯番号とメルアドの調査が大事かなーって」
リーリエ「え?」
「せっかく今世紀最強のトレーナーの野原しんのすけくんがいるのに、無視するなんて、ルザミン悲しいもん」
リーリエ「……そこでなにしているんですか? しんちゃん」
しんのすけ「あ、バレた」
リーリエ「はぁ、またついてきたんですね」
しんのすけ「ずっとこっちにいるから暇なもんで」
リーリエ「しんちゃん、ちょっと外で話しませんか?」
しんのすけ「オラ、これからカザマくんたちのトイレニングしなきゃいけないのに」
リーリエ「さっき暇って言ってましたよね?」
376 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:11:13.90 ID:FDGs4cRn0
しんのすけとリーリエは、屋敷前の広場へ出るとエーテルパラダイスの周りに広がる海の光景を眺めた。
最初に口を開いたのはリーリエだった。
リーリエ「……しんちゃんは、どう思いますか?」
しんのすけ「なにが? ハンサムっていう名前なのに大してハンサムじゃないおじさんのこと?」
リーリエ「そっちじゃないです! 失礼ですよ、もうっ」
リーリエ「国際警察の方と一緒に、アローラにいるビーストさんを元の世界に返すっていう作戦のことですよ」
しんのすけ「ほーほー」
リーリエ「リラさんのお話を聞いて、わたしもほしぐもちゃんも、力を合わせてアローラの人たちを助けることができるかもって思うと、なんだか嬉しかったんです」
リーリエ「……でも、一方でほしぐもちゃんがコスモッグだった頃のことを思い出して、そう思うと危ないことをさせたくないと言うか……複雑な気持ちなんです」
リーリエ「トレーナーとして、ほしぐもちゃんと戦えばいいのか、それとも守るべきか分からないです」
リーリエ「先輩のしんちゃんだったら、もしカザマさんたちとビーストさんを元の世界に帰すために手伝って欲しいとリラさんから頼まれたら、どうなさいますか?」
しんのすけ「オラだったら、まずはリラちゃんとおデートかなぁ、えへへー」
リーリエ「あ、あのですね……そういうことを聞いてるわけじゃないんです」
377 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:12:02.15 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「ま、ほしぐもちゃんに聞いてみたら?」
リーリエ「ほしぐもちゃんに……ですか?」
しんのすけ「そ、オラもカザマくんたちと遊ぶとき、なにして遊ぶかいつも相談してるし。ま、大体ネネちゃんが強制的にリアルおままごとにするけどね」
リーリエ「クスッ、しんちゃんのようにポケモンさんと話せるわけじゃないんです」
リーリエ「でも、話せなくても、ポケモンさんと心を通わせられるのなら……ほしぐもちゃんの気持ちも、きっとわかりますよね!」
しんのすけ(オラもリラおねいさんと心を通わせたい)
リーリエ「しんちゃん、わたしほしぐもちゃんの気持ちも聞いてみたいと思います。相談に乗ってくれて、ありがとう!」
しんのすけ「困ったらいつでもオラに聞きに来なさい。恋の悩みもナンパ術も不良に絡まれた時の対処法も受け付けますぞ」
リーリエ「はい、頑張ります!」グッ
378 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:12:53.18 ID:FDGs4cRn0
それから数週間後……。
エーテルパラダイスの職員用病室で野原一家とリーリエが他愛のない世間話をして過ごしていると、ビッケとザオボーが病室に入ってきた。
ビッケ「野原さん、朗報ですよ。ウツロイドの毒に対する血清が出来上がりました」
ひろし「本当か?!」ガタッ
ザオボー「ええ、ヒトデマンやサニーゴを中心に試したのですが、目論見通り抗体が採取できましたので思ったより早く出来上がりました。これを注射すれば、しんのすけさんとみさえさんの毒は綺麗さっぱり中和されるはずです」
しんのすけ「ちゅ、注射?」ビクッ
リーリエ「かあさまも、それで毒が治るのでしょうか?」
ビッケ「……一回での完治は難しいでしょうね。なにせ、ウツロイドの神経毒は、代表のカラダの隅々まで行き渡っていますから。……ですが、これは大きな一歩だと思いますよ」
リーリエ「そうですね……! この調子でいけば、いつかかあさまも元通りになります!」
ザオボー「では、最初に誰が注射を受けますか?」
しんのすけ「オ、オラ遠慮しときます」
みさえ「なに言ってるの。ちゃんと注射受けなさい!」
しんのすけ「かーちゃん先受けなよ。早くいつもの優しいママに戻って欲しいし」
みさえ「あら、嬉しいわ。でもね、ママは先にしんちゃんから治って欲しいなって思うの」
しんのすけ「ホントはかーちゃんが注射受けたくないだけのクセに」
みさえ「いいからさっさと受けんかい!」
379 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:14:13.04 ID:FDGs4cRn0
リーリエ「しんちゃん、注射が怖い気持ちはわたしもよーく分かります。でも、毒を治さなきゃこの先、大変なことになるかもしれないんですよ? ほら、そばにいてあげますから」ギュッ
しんのすけ「やだやだーっ! どうせ注射されるなら20代前半のナースにされたいのー!」ジタバタ
ザオボー「やれやれ、後がつかえているというのに。これだからお子様は面倒なのですよ」
リーリエ「はあ……どうしたらよいのでしょう?」
ひろし「ま、しゃあねえな。こうするっきゃないかーー」
ひろし「あの、ビッケさん」ゴショゴショ
ビッケ「はい? ……ふふ、分かりました」
ビッケ「しんのすけさん」
しんのすけ「な、なに?」
ビッケ「もし注射受けてくださったら、高い高いしてあげますよ♪」ニコニコ
しんのすけ「まじ~? いいの~?」デレデレ
ビッケ「ザオボーさん、今です」ボソッ
ぷっす
ーーい や あ あ あ あ あ あ あ あ あ ん ! ! !
380 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:17:11.57 ID:FDGs4cRn0
そして時間は現在に戻って……。
しんのすけ「あー、あんときはホントに痛い目みたなー」
ハウ「注射ならしょうがないでしょー。ビッケさんに見とれて注射打たれるなんてしんのすけらしいけどー」
みさえ「でも、エーテル財団って本当にすごいわね。ウツロイドの毒の血清をすぐ作れちゃうなんて」
ハラ「アローラのポケモンと人間の力が成せる技……というところですかな」
テクテク
???「よう! しんのすけ! ハウ!」
しんのすけ&ハウ「その声、はかせー?」
ククイ博士「まずは、退院おめでとうだね! 調子はどうだい?」
しんのすけ「たまにおねいさんを見ると胸がキュンとなって、恋の病になっちゃったり」
ククイ博士「調子はばっちりって捉えておくよ。ハウもお疲れ様!」
381 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:20:13.30 ID:FDGs4cRn0
ハウ「あれからどこに行ってたのー? 研究所の立て直しとかどうするのー?」
ククイ博士「エーテルパラダイスでマーレインやバーネット博士と一緒にウルトラビーストについて話し合っていたのさ。研究所については、リリィタウンに簡易研究所を建てているよ」
ハラ「おお、ククイが帰ってきたということは、いよいよ始めるということですな!」
みさえ「なにをですか?」
しんのすけ「ナマコブシ投げ?」
ククイ博士「大大試練さ!」
しんのすけ&ハウ&グズマ&みさえ「大大試練!?」
ククイ博士「そう、しんのすけもハウも、4つの島の大試練を達成したからね。後はいよいよ、ラナキラマウンテンで総仕上げだ!」
しんのすけ「てゆうか、ハウくんポニ島の大試練たっせーしたの?」
ハウ「うんー! しんのすけが入院してる間に、ポニ島に行ってハプウさんと戦ったのー」
グズマ「オイオイ、こんな状況だっていうのに、大大試練なんてやるつもりかよ」
ククイ博士「こんな状況だからさ、グズマ君!」
ハラ「確かにアローラはウルトラビーストの襲撃で、甚大な被害を出してしまいました。アローラだけではない。そこにいる人々やポケモンの心に、大きな傷をいまだ負っています」
ククイ博士「だからこそ、君たち2人が大大試練を受けて、島巡りチャンピオンになる姿を見せることで、みんなに元気を与えてあげたいんだ!」
ククイ博士「それに、他の地方にもアローラ地方は元気であることをアピールしたい! だから、今回の大大試練は全国ネットでライブ中継も行うつもりだよ!」
382 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:21:11.46 ID:FDGs4cRn0
みさえ「ら、ライブ中継ですか!?」
ククイ博士「ええ、奥さん。しんのすけくんもハウくんも、全国に映るんですよ!」
しんのすけ「らいぶちゅーけーって? 新手のキス?」
ロトム図鑑「ライブ中継とは、簡単に言えば生放送だな。お前たち2人が、全国に映し出されるのだ」
しんのすけ「おおっ、オラたちテレビに出られるの?! 美人のアナウンサーとか来る?」
ハウ「わー、タレントになったみたいー!」
ククイ博士「テレビというより、ポケチューブによるライブ配信がメインになるかな。でも、インターネットだから世界中のトレーナーが君たちの活躍を見るってことなんだぜ!」
みさえ「すごいじゃない、2人とも!」
ハラ「このハラ、孫がネットに映ってハラハラしますぞ!」
グズマ「はっ、馬鹿らしい……」
みさえ「それで、いつ大大試練は行われるんですか?」
ククイ博士「明日の夕方! 後は君たち次第だよ!」
みさえ「えっ?!」
ハウ「明日ー! はやいー!」
383 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:22:48.53 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「やれやれ、気の早い人たちですな」
ハウ「うわー今からワクワクしてきたー! ねーガオガエンー!」ウキウキ
ガオガエン「ガオーッ!」ムキムキッ!
ジュナイパー(ボール)『大大試練……思えば長い道のりだったなぁ』
しんのすけ「どんな試練なの?」
ククイ博士「それは秘密さ。君自身の目で確かめて欲しい」
しんのすけ「おケチ!」
グズマ「秘密にするようなもんじゃねぇだろ。各島のしまキングとクィーンに勝ち抜く儀式じゃねぇか」
みさえ「他の地方のポケモンリーグみたいなシステムね」
ククイ博士「それはこれまでの話しさ。なにせ、ハラさんも他のしまキングたちも各々の島を復興するための指揮を取らなきゃいけないからね」
ククイ博士「そのためにこの1ヶ月間、しまキングたちと話し合いをして、今回だけ特別に、新たな試練を用意したんだ」
384 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:24:00.77 ID:FDGs4cRn0
ハラ「その試練こそ、受けてみてのお楽しみ、ということですな」
ハウ「そっかー。でも、たくさんの試練こなしてーたくさんのポケモンたちと戦ってきたもんねー! どんな試練でもしんのすけとおれの2人ならこなせるよー!」
しんのすけ「おうー頑張れよー」
ハウ「しんのすけもやるのー!」
ククイ博士「ハハハ、それじゃあ2人とも明日に備えて入念に準備を怠らず、ゆっくり休めよ」
しんのすけ「ほーい!」
ハウ「うんー!」
385 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:26:47.96 ID:FDGs4cRn0
その夜……
リリィタウン仮設住宅にて
ひろし(電話)『いよいよしんのすけとハウくんは大大試練を受けるんだな!』
みさえ「ええ、しかも明日なの」
ひろし『明日か……しんのすけとハウくんの活躍を見に行きてえなあ』
みさえ「それがね、ラナキラマウンテンは4つの島の大試練を受けた子としまキングたちに認められた人以外は入っちゃいけないんですって。普通の人が入るには危険って言うらしいから……」
ひろし『あー、そりゃ仕方ないか。だけど、みさえもスマホを使えば見れるだろ?』
みさえ「ええ、でもメレメレ島の人たちと一緒に、ハラさんの家に集まって2人を応援するらしいから、私そこに行こうと思うの」
ひろし『いいねぇ、俺もそうするかな。それで、しんのすけは今何してるんだ?』
386 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:28:08.11 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「ワッハッハッハッ! アクションキーック!」ドカッ
ロトム図鑑「ブキッ!」
みさえ「……ぶりぶりざえもん使って、アクション仮面の動画見てるみたい」
ひろし『……そ、そうか。まぁいつも通りで安心したというか、不安というか……』
みさえ「ここまで来たのならきっと大丈夫よ。しんのすけもあの子も、強くなったんだから」
ひろし『そうだな、しんのすけを信じよう』
みさえ「大大試練を達成したら、しんのすけアローラの有名人よ! 私も鼻が高くなるわぁ」
ひろし「……そうだな」
みさえ「どうしたの? なんだか急に声に張りが無くなったみたいだけど」
ひろし『いや、なんでもないんだ……それじゃ、もうすぐうちに着くから』
みさえ「うん、それじゃあね」ガチャッ
387 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:29:01.16 ID:FDGs4cRn0
ジュナイパー『みんな、明日はいよいよ大大試練だね。今まで島巡りで培ってきたことを、ゼンリョクで出し切ろう!』
ヨワシ『でも、大大試練ってなにをするのかな?』
キテルグマ『名前からして、普通の試練や大試練とは一味違うってことよね』
フェローチェ『みなさんからお聞きになった話をまとめると、誰かと戦うのではないでしょうか?』
ミミッキュ『でも、しまキングたちは来ないって博士は言ってたよね』
ヨワシ『戦うとは限らないんじゃないかな。カキさんやマオさんの試練のように、ものを探したり、間違いを見つけたりするのかも』
キテルグマ『マサオくん、もう少し頭を働かせなさいよ。そんな子供だましな試練を二回もすると思う? それに、全国に放送されるのよ?』
ヨワシ『ご、ごめん……』
しんのすけ「わかった! お笑いの審査!」
ロトム図鑑「あるいはババ抜き」
キテルグマ『あたしの話聞いてなかったのかよ、あんたらは!』
しんのすけ「お笑いならテレビ映えすると思って」
フェローチェ『さすがしん様! ちゃんと自分たちが映されることも考えて予想するなんて!』
キテルグマ『どこがじゃ!』
ジュナイパー『絶対違うと思う』
リラ「困りましたね……ビーストのことも機密情報なのですが」
ククイ博士「大丈夫、しんのすけも今回のビースト事件の中心人物なんだ。リーリエと供にルザミーネをウツロイドから開放し、ビーストの世界から連れ帰ってきたんだ。それに、この子はウルトラビーストの捕獲に成功している」
リラ「なるほど、この子がルザミーネに連れ去られた例の子……ですね」
しんのすけ「どう? オラとデートしたくなった?」
ハンサム「ボス、さすがにこんな小さな子をチームに入れるのはいかがなものかと思うぞ」
リラ「そうですね……腕の立つトレーナーという点では評価はできますけれども」
しんのすけ「うーん、おじさんの声ってなんかとーちゃんと似てるから頭が混乱するゾ」
ハンサム「そういう君も、以前カロスで出会った男と同じ語尾で話すものだからややこしいな」
ロトム図鑑「フッ……久しぶりだな。ハンサム、リラ」
ハンサム「キミは!」
リラ「BRX2……ですか?」
ロトム図鑑「そのコードネームで呼ぶな! 今の私はレオナルド・ロトブリオだ!」
372 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:06:27.40 ID:FDGs4cRn0
ククイ博士「し、知り合いなのかい?」
ロトム図鑑「当たり前だ。何度も言っただろ。私は国際警察元ハッカー兼サイバーテロ部隊所属だと」
グラジオ「そんなこと、誰が信じるか……」
ハンサム「そうか……アローラにいるという話は聞いていたが、この子のロトム図鑑になっていたとはな」
しんのすけ「図鑑らしいことはひとつもしてないけどもね」
ロトム図鑑「お前がポケモンを登録しないからだろうが!」
リラ「話が脱線しかかっているので元に戻しますね。……リーリエさん、どうか我々のチームに加わって欲しいのです」
リーリエ「……ごめんなさい。考える時間を頂けませんか?」
ハンサム「考える時間と言うと?」
リーリエ「……リラさん、ハンサムさん、あなた方がビーストさんを元の世界に戻したいという気持ちは伝わってきました。わたしも、出来ることなら力になりたいです」
リーリエ「ですがルナアーラさんは、わたしにとって最初に心を通わせたポケモンさんで……家族でもあるんです。トレーナーさん同士のポケモン勝負はともかく、ビーストさんと命がけで戦って、危ない目に遭わせたくないという気持ちもあります」
リーリエ「それに、かあさまのこともあります。今はまだ眠ったままですが……心配ですので、そばにいてあげたいのです」
リラ「家族ーーですか」
ハンサム「なるほどな……」
373 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:07:27.11 ID:FDGs4cRn0
リラ「……わかりました。ではリーリエさん、1ヶ月の時間を与えます。そのあいだに、我々のチームに加わるか否か、じっくりと考えてください」
グラジオ「1ヶ月……。ずいぶん長い時間を与えるんだな」
ハンサム「1ヶ月ではどのみちアローラにいるすべてのビーストを保護するのは不可能だ。それに、リーリエくんがポケモンを家族と思う気持ちは、私もボスも分からんではないのだ。だからこそ、ルナアーラや母親と向き合って真剣に考えてもらいたいのだ」
リラ「そのあいだ、グラジオさん。あなたがその間我々のチームに加わってサポートしていただけませんか?」
グラジオ「ああ、オレもシルヴァディも、ビーストとは戦い慣れている。出来ることなら、ウルトラボールの量産化も検討してみるつもりだ」
リラ「ありがとうございます」ペコリ
リーリエ「ごめんなさい、ワガママを言ってしまって……」
ハンサム「いや、気にしなくていいさ。こういう事態も想定済みだ」
しんのすけ「ねぇオラは? オラ、リラおねいさんといた~い」
ククイ博士「しんのすけ、君にはまだ大大試練が残っているじゃないか。そのためにも、今は安静にしてなきゃダメだろ?」
374 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:08:41.42 ID:FDGs4cRn0
リラ「そうですね。しんのすけさんが島巡りを終えて、我々の件もひと段落ついたら、改めて会いに行こうと思います」
ハンサム「UBの世界で、キミが体験したことやBRX2の活躍も聞いておきたいしな」
しんのすけ「ハッサムのおじさんは別に来なくていいけど」
ハンサム「むむっ、これは手痛いな……。それとハッサムではなくて、ハンサムだよ」
リラ「私たちは各地のモーテルを中心に行動するつもりです。連絡先を渡しておきますね。何かあれば、こちらから連絡します」
グラジオ「ああ」
しんのすけ「いいなぁ……」
リーリエ「さ、しんちゃん。戻りましょう」
ハンサム「しかしアローラでキミと出会うとは夢にも思わなかったよ。これもひとつの運命というべきか……」
ロトム図鑑「国際警察に戻るつもりはないぞ。あっちではいちいちネットするたびに口うるさく言われるからな」
ロトム図鑑「それに、国際警察のやり方は私のセンスに合わん。正直言ってダサいぜ」
ハンサム「ああ、私たちも戻って来いとは言わない。お前は国際警察とは無関係のポケモンになったんだ。好きに生きるといい」
ロトム図鑑「当たり前田のクラッカー」
375 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:10:19.70 ID:FDGs4cRn0
ルザミーネの屋敷
リラとハンサムの話を聞いたリーリエは、屋敷の一室で機械に繋がれてベッドに眠るルザミーネのそばにいた。
お見舞いに飾られていた花を取り替えながら、目を閉じて穏やかに眠っているルザミーネを見つめた。
リーリエ「かあさま……わたし、国際警察にチームに入らないかって誘われたんです」
リーリエ「でも、ほしぐもちゃんにビーストを戦わせるのが、わたし、どうしても不安で……迷ってしまって」
リーリエ「かあさまだったら、なんて言いますか?」
「ルザミン的にはー、まずはリラちゃんの携帯番号とメルアドの調査が大事かなーって」
リーリエ「え?」
「せっかく今世紀最強のトレーナーの野原しんのすけくんがいるのに、無視するなんて、ルザミン悲しいもん」
リーリエ「……そこでなにしているんですか? しんちゃん」
しんのすけ「あ、バレた」
リーリエ「はぁ、またついてきたんですね」
しんのすけ「ずっとこっちにいるから暇なもんで」
リーリエ「しんちゃん、ちょっと外で話しませんか?」
しんのすけ「オラ、これからカザマくんたちのトイレニングしなきゃいけないのに」
リーリエ「さっき暇って言ってましたよね?」
しんのすけとリーリエは、屋敷前の広場へ出るとエーテルパラダイスの周りに広がる海の光景を眺めた。
最初に口を開いたのはリーリエだった。
リーリエ「……しんちゃんは、どう思いますか?」
しんのすけ「なにが? ハンサムっていう名前なのに大してハンサムじゃないおじさんのこと?」
リーリエ「そっちじゃないです! 失礼ですよ、もうっ」
リーリエ「国際警察の方と一緒に、アローラにいるビーストさんを元の世界に返すっていう作戦のことですよ」
しんのすけ「ほーほー」
リーリエ「リラさんのお話を聞いて、わたしもほしぐもちゃんも、力を合わせてアローラの人たちを助けることができるかもって思うと、なんだか嬉しかったんです」
リーリエ「……でも、一方でほしぐもちゃんがコスモッグだった頃のことを思い出して、そう思うと危ないことをさせたくないと言うか……複雑な気持ちなんです」
リーリエ「トレーナーとして、ほしぐもちゃんと戦えばいいのか、それとも守るべきか分からないです」
リーリエ「先輩のしんちゃんだったら、もしカザマさんたちとビーストさんを元の世界に帰すために手伝って欲しいとリラさんから頼まれたら、どうなさいますか?」
しんのすけ「オラだったら、まずはリラちゃんとおデートかなぁ、えへへー」
リーリエ「あ、あのですね……そういうことを聞いてるわけじゃないんです」
377 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:12:02.15 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「ま、ほしぐもちゃんに聞いてみたら?」
リーリエ「ほしぐもちゃんに……ですか?」
しんのすけ「そ、オラもカザマくんたちと遊ぶとき、なにして遊ぶかいつも相談してるし。ま、大体ネネちゃんが強制的にリアルおままごとにするけどね」
リーリエ「クスッ、しんちゃんのようにポケモンさんと話せるわけじゃないんです」
リーリエ「でも、話せなくても、ポケモンさんと心を通わせられるのなら……ほしぐもちゃんの気持ちも、きっとわかりますよね!」
しんのすけ(オラもリラおねいさんと心を通わせたい)
リーリエ「しんちゃん、わたしほしぐもちゃんの気持ちも聞いてみたいと思います。相談に乗ってくれて、ありがとう!」
しんのすけ「困ったらいつでもオラに聞きに来なさい。恋の悩みもナンパ術も不良に絡まれた時の対処法も受け付けますぞ」
リーリエ「はい、頑張ります!」グッ
378 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:12:53.18 ID:FDGs4cRn0
それから数週間後……。
エーテルパラダイスの職員用病室で野原一家とリーリエが他愛のない世間話をして過ごしていると、ビッケとザオボーが病室に入ってきた。
ビッケ「野原さん、朗報ですよ。ウツロイドの毒に対する血清が出来上がりました」
ひろし「本当か?!」ガタッ
ザオボー「ええ、ヒトデマンやサニーゴを中心に試したのですが、目論見通り抗体が採取できましたので思ったより早く出来上がりました。これを注射すれば、しんのすけさんとみさえさんの毒は綺麗さっぱり中和されるはずです」
しんのすけ「ちゅ、注射?」ビクッ
リーリエ「かあさまも、それで毒が治るのでしょうか?」
ビッケ「……一回での完治は難しいでしょうね。なにせ、ウツロイドの神経毒は、代表のカラダの隅々まで行き渡っていますから。……ですが、これは大きな一歩だと思いますよ」
リーリエ「そうですね……! この調子でいけば、いつかかあさまも元通りになります!」
ザオボー「では、最初に誰が注射を受けますか?」
しんのすけ「オ、オラ遠慮しときます」
みさえ「なに言ってるの。ちゃんと注射受けなさい!」
しんのすけ「かーちゃん先受けなよ。早くいつもの優しいママに戻って欲しいし」
みさえ「あら、嬉しいわ。でもね、ママは先にしんちゃんから治って欲しいなって思うの」
しんのすけ「ホントはかーちゃんが注射受けたくないだけのクセに」
みさえ「いいからさっさと受けんかい!」
379 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:14:13.04 ID:FDGs4cRn0
リーリエ「しんちゃん、注射が怖い気持ちはわたしもよーく分かります。でも、毒を治さなきゃこの先、大変なことになるかもしれないんですよ? ほら、そばにいてあげますから」ギュッ
しんのすけ「やだやだーっ! どうせ注射されるなら20代前半のナースにされたいのー!」ジタバタ
ザオボー「やれやれ、後がつかえているというのに。これだからお子様は面倒なのですよ」
リーリエ「はあ……どうしたらよいのでしょう?」
ひろし「ま、しゃあねえな。こうするっきゃないかーー」
ひろし「あの、ビッケさん」ゴショゴショ
ビッケ「はい? ……ふふ、分かりました」
ビッケ「しんのすけさん」
しんのすけ「な、なに?」
ビッケ「もし注射受けてくださったら、高い高いしてあげますよ♪」ニコニコ
しんのすけ「まじ~? いいの~?」デレデレ
ビッケ「ザオボーさん、今です」ボソッ
ぷっす
ーーい や あ あ あ あ あ あ あ あ あ ん ! ! !
380 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:17:11.57 ID:FDGs4cRn0
そして時間は現在に戻って……。
しんのすけ「あー、あんときはホントに痛い目みたなー」
ハウ「注射ならしょうがないでしょー。ビッケさんに見とれて注射打たれるなんてしんのすけらしいけどー」
みさえ「でも、エーテル財団って本当にすごいわね。ウツロイドの毒の血清をすぐ作れちゃうなんて」
ハラ「アローラのポケモンと人間の力が成せる技……というところですかな」
テクテク
???「よう! しんのすけ! ハウ!」
しんのすけ&ハウ「その声、はかせー?」
ククイ博士「まずは、退院おめでとうだね! 調子はどうだい?」
しんのすけ「たまにおねいさんを見ると胸がキュンとなって、恋の病になっちゃったり」
ククイ博士「調子はばっちりって捉えておくよ。ハウもお疲れ様!」
381 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:20:13.30 ID:FDGs4cRn0
ハウ「あれからどこに行ってたのー? 研究所の立て直しとかどうするのー?」
ククイ博士「エーテルパラダイスでマーレインやバーネット博士と一緒にウルトラビーストについて話し合っていたのさ。研究所については、リリィタウンに簡易研究所を建てているよ」
ハラ「おお、ククイが帰ってきたということは、いよいよ始めるということですな!」
みさえ「なにをですか?」
しんのすけ「ナマコブシ投げ?」
ククイ博士「大大試練さ!」
しんのすけ&ハウ&グズマ&みさえ「大大試練!?」
ククイ博士「そう、しんのすけもハウも、4つの島の大試練を達成したからね。後はいよいよ、ラナキラマウンテンで総仕上げだ!」
しんのすけ「てゆうか、ハウくんポニ島の大試練たっせーしたの?」
ハウ「うんー! しんのすけが入院してる間に、ポニ島に行ってハプウさんと戦ったのー」
グズマ「オイオイ、こんな状況だっていうのに、大大試練なんてやるつもりかよ」
ククイ博士「こんな状況だからさ、グズマ君!」
ハラ「確かにアローラはウルトラビーストの襲撃で、甚大な被害を出してしまいました。アローラだけではない。そこにいる人々やポケモンの心に、大きな傷をいまだ負っています」
ククイ博士「だからこそ、君たち2人が大大試練を受けて、島巡りチャンピオンになる姿を見せることで、みんなに元気を与えてあげたいんだ!」
ククイ博士「それに、他の地方にもアローラ地方は元気であることをアピールしたい! だから、今回の大大試練は全国ネットでライブ中継も行うつもりだよ!」
382 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:21:11.46 ID:FDGs4cRn0
みさえ「ら、ライブ中継ですか!?」
ククイ博士「ええ、奥さん。しんのすけくんもハウくんも、全国に映るんですよ!」
しんのすけ「らいぶちゅーけーって? 新手のキス?」
ロトム図鑑「ライブ中継とは、簡単に言えば生放送だな。お前たち2人が、全国に映し出されるのだ」
しんのすけ「おおっ、オラたちテレビに出られるの?! 美人のアナウンサーとか来る?」
ハウ「わー、タレントになったみたいー!」
ククイ博士「テレビというより、ポケチューブによるライブ配信がメインになるかな。でも、インターネットだから世界中のトレーナーが君たちの活躍を見るってことなんだぜ!」
みさえ「すごいじゃない、2人とも!」
ハラ「このハラ、孫がネットに映ってハラハラしますぞ!」
グズマ「はっ、馬鹿らしい……」
みさえ「それで、いつ大大試練は行われるんですか?」
ククイ博士「明日の夕方! 後は君たち次第だよ!」
みさえ「えっ?!」
ハウ「明日ー! はやいー!」
383 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:22:48.53 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「やれやれ、気の早い人たちですな」
ハウ「うわー今からワクワクしてきたー! ねーガオガエンー!」ウキウキ
ガオガエン「ガオーッ!」ムキムキッ!
ジュナイパー(ボール)『大大試練……思えば長い道のりだったなぁ』
しんのすけ「どんな試練なの?」
ククイ博士「それは秘密さ。君自身の目で確かめて欲しい」
しんのすけ「おケチ!」
グズマ「秘密にするようなもんじゃねぇだろ。各島のしまキングとクィーンに勝ち抜く儀式じゃねぇか」
みさえ「他の地方のポケモンリーグみたいなシステムね」
ククイ博士「それはこれまでの話しさ。なにせ、ハラさんも他のしまキングたちも各々の島を復興するための指揮を取らなきゃいけないからね」
ククイ博士「そのためにこの1ヶ月間、しまキングたちと話し合いをして、今回だけ特別に、新たな試練を用意したんだ」
384 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:24:00.77 ID:FDGs4cRn0
ハラ「その試練こそ、受けてみてのお楽しみ、ということですな」
ハウ「そっかー。でも、たくさんの試練こなしてーたくさんのポケモンたちと戦ってきたもんねー! どんな試練でもしんのすけとおれの2人ならこなせるよー!」
しんのすけ「おうー頑張れよー」
ハウ「しんのすけもやるのー!」
ククイ博士「ハハハ、それじゃあ2人とも明日に備えて入念に準備を怠らず、ゆっくり休めよ」
しんのすけ「ほーい!」
ハウ「うんー!」
385 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:26:47.96 ID:FDGs4cRn0
その夜……
リリィタウン仮設住宅にて
ひろし(電話)『いよいよしんのすけとハウくんは大大試練を受けるんだな!』
みさえ「ええ、しかも明日なの」
ひろし『明日か……しんのすけとハウくんの活躍を見に行きてえなあ』
みさえ「それがね、ラナキラマウンテンは4つの島の大試練を受けた子としまキングたちに認められた人以外は入っちゃいけないんですって。普通の人が入るには危険って言うらしいから……」
ひろし『あー、そりゃ仕方ないか。だけど、みさえもスマホを使えば見れるだろ?』
みさえ「ええ、でもメレメレ島の人たちと一緒に、ハラさんの家に集まって2人を応援するらしいから、私そこに行こうと思うの」
ひろし『いいねぇ、俺もそうするかな。それで、しんのすけは今何してるんだ?』
386 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:28:08.11 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「ワッハッハッハッ! アクションキーック!」ドカッ
ロトム図鑑「ブキッ!」
みさえ「……ぶりぶりざえもん使って、アクション仮面の動画見てるみたい」
ひろし『……そ、そうか。まぁいつも通りで安心したというか、不安というか……』
みさえ「ここまで来たのならきっと大丈夫よ。しんのすけもあの子も、強くなったんだから」
ひろし『そうだな、しんのすけを信じよう』
みさえ「大大試練を達成したら、しんのすけアローラの有名人よ! 私も鼻が高くなるわぁ」
ひろし「……そうだな」
みさえ「どうしたの? なんだか急に声に張りが無くなったみたいだけど」
ひろし『いや、なんでもないんだ……それじゃ、もうすぐうちに着くから』
みさえ「うん、それじゃあね」ガチャッ
387 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/19(月) 21:29:01.16 ID:FDGs4cRn0
ジュナイパー『みんな、明日はいよいよ大大試練だね。今まで島巡りで培ってきたことを、ゼンリョクで出し切ろう!』
ヨワシ『でも、大大試練ってなにをするのかな?』
キテルグマ『名前からして、普通の試練や大試練とは一味違うってことよね』
フェローチェ『みなさんからお聞きになった話をまとめると、誰かと戦うのではないでしょうか?』
ミミッキュ『でも、しまキングたちは来ないって博士は言ってたよね』
ヨワシ『戦うとは限らないんじゃないかな。カキさんやマオさんの試練のように、ものを探したり、間違いを見つけたりするのかも』
キテルグマ『マサオくん、もう少し頭を働かせなさいよ。そんな子供だましな試練を二回もすると思う? それに、全国に放送されるのよ?』
ヨワシ『ご、ごめん……』
しんのすけ「わかった! お笑いの審査!」
ロトム図鑑「あるいはババ抜き」
キテルグマ『あたしの話聞いてなかったのかよ、あんたらは!』
しんのすけ「お笑いならテレビ映えすると思って」
フェローチェ『さすがしん様! ちゃんと自分たちが映されることも考えて予想するなんて!』
キテルグマ『どこがじゃ!』
ジュナイパー『絶対違うと思う』
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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