しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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231 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:24:40.51 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「かあさまっ……!」
しんのすけ「」
ルザミーネ「ふふ……二度使っただけで倒れちゃうなんて、使えない子」
みさえ「許せない……! アンタは絶対に許さない!」
ルザミーネ「さぁ行きなさい! フェローチェ!」
フェローチェ「フェロローッ!!」
フェローチェは口から糸を吐き出すと、ボーちゃんの全身に巻きつけて、繭のように覆い尽くしてしまった。
ミミッキュ「ボ……!」
それを握って振り上げ、糸に巻きつけられたボーちゃんを地面に叩きつける。
ドシャアッ!
フェローチェ「ロォォォッ!」
フェローチェは出している糸を切り、ボーちゃんを空中に投げつけると、フェローチェが飛び出し、手刀で糸ごとボーちゃんを切り裂いた!
フェローチェ「フェロォォッ!!」
ザンッ!!
ひろし&みさえ「!!」
232 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:27:21.18 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「……」
ひろしとみさえがZワザの威力に衝撃を受け、ルザミーネが勝ちを確信している一方で、リーリエは冷静さを保ったまま、切り裂かれた糸を凝視していた。
ルザミーネ「これでわたくしの勝ち、ですね」
リーリエ「いいえ」
すると、影の手が伸びてきて、フェローチェの吐き出した糸を引きちぎっていく。そして、ボーちゃんが糸を突き破る形で飛び出してきた!
ミミッキュ「ボーッ!」
ルザミーネ「しまった! ばけのかわ……っ!」
リーリエ「Zワザを使ってもムダです!! ボーちゃんさん! じゃれつくです!!」
ミミッキュ「ボーーーッ!」グワッ!
Zワザを受けてばけのかわが剥がれたボーちゃんは、影の手でフェローチェを振り払い、逆に倒れ込ませると、フェローチェに向けて激しくもみあった!
ポカポカドカドカ!
フェローチェ「フェロ! フェローッ!」
傍から見れば激しいスキンシップを受けているように感じるが、フェローチェは苦痛に満ちた悲鳴を上げている。
233 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:31:26.62 ID:hGqQJJjA0
みさえ「どうして、ただじゃれつかれているだけなのに苦しそうなの?」
ひろし「じゃれつくはフェアリータイプの技だ! あのビーストはむし・かくとうだから、弱点の1つなんだ!」
ひろし「そしてフェローチェと呼ばれたあのビーストは、素早い代わりにとても打たれ弱いんだ!」
みさえ「それじゃあ……!」
ひろしの解説を聞いた瞬間、ルザミーネはリーリエに目を瞠った。そこでようやく、リーリエの狙いに気が付いた。
ルザミーネ「まさか……あなたはわたくしがフェローチェを最後に出すように誘導したというの?!」
リーリエ「……」
そしてフェローチェはだんだん体力を失っていき、ボーちゃんがフェローチェから離れたときには、ぐったりと動かなくなってしまっていた。
フェローチェ「」ピクピクッ
ミミッキュ「ボーッ……」
234 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:32:33.38 ID:hGqQJJjA0
ひろし「よっしゃあっ! ざまーみろルザミーネ!!」グッ
みさえ「言ったでしょ? 必ずリーリエちゃんが勝つって!!」
ひまわり「たいやーっ!」
リーリエ「しんちゃんっ!」シュンッ
リーリエはボーちゃんをボールに戻すと、すぐさまルザミーネのそばで横たわっているしんのすけを抱きかかえた。
リーリエ「しんちゃん! しっかりして! しんちゃんっ!」
しんのすけ「……」
ルザミーネ「……アアアウッ!」
目の前の敗北に唖然としていたルザミーネは、目を大きく見開くと、2本の触手で頭部を掴み、その場で暴れだした。
ルザミーネ「どうして! どうして! どうしてわたくしのビーストちゃんたちがあああっ!!」グニャグニャッ!!
リーリエ「……」
リーリエはしんのすけを抱きかかえたまま、口を一文字にして真摯な表情で、ルザミーネと向き合う。
235 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:34:24.41 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「……かあさま、わたしはまだまだトレーナーとして未熟です。やっぱり、しんちゃんのポケモンさんは、しんちゃんしかゼンリョクを引き出すことはできないというのをこの戦いで実感しました」
リーリエ「それでもあなたがなぜ負けたのか、分かりますか?」
ルザミーネ「!?」ギロッ
リーリエ「あなたの敗因は、最初にビーストさんを見せびらかしたことで、わたしにどんなビーストさんを使ってくるのか教えたからです!」
リーリエ「そしてーーあなたがポケモンさんを、ビーストさんを、自分を美しく見せるための道具としか見てなかったからです!」
ルザミーネ「それがなんだというのですか! 全てがわたくしの愛で満たされて、美しくなればそれでいいの!」
リーリエ「子供は親のモノではありません! ポケモンもトレーナーが好きにしていい モノではありません!」
リーリエ「わたしも生きています! コスモッグも生きています! しんちゃんも、ビーストさんもみんな生きています! モノではないのです!」
リーリエ「かあさま……もうたくさんの人に迷惑をかけること、やめましょう。一緒に帰って、みなさんに謝って……」
ーーきゃあああああっ!!!
236 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:35:32.94 ID:hGqQJJjA0
ひろし「みさえっ!」
リーリエ「!」
みさえの悲鳴が響き、リーリエは驚いて振り返ると、恐らくルザミーネがゲットしたであろうウツロイドがみさえへと襲いかかっていた! みさえはひまわりをかばうように抱えながら、その場に座り込んでいた。
ロトム図鑑とフェローチェ、シロの周りにも、助けを妨害するように、ウツロイドが3匹を取り囲んでいく。
ウツロイドたち「じぇるるっぷ……!」
ロトム図鑑「うわっ! こっちくんな!」
フェローチェ(あい)「フェローッ!」
シロ「キャンキャンッ!」
リーリエ「みさえさんっ!」
リーリエ「かあさまっ! なにをするつもりですか!」
ルザミーネ「……確かに、勝負に勝ったらしんのすけ君を返すと言いましたわ」
ルザミーネの顔に、ニヤニヤとした不気味な笑みが戻ってくる。
ルザミーネ「だけど、あなた方を無事に帰すと一言も約束してません! 言ったでしょう? 誰の許しを得てここにやってきたのですか? 招かれざる客を歓迎するほど、わたくしは寛容ではありませんの!」
237 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:36:48.42 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「かあさまっ! もうやめて!」
ひろし「ぐぅっ、きったねぇぞ……てめぇっ!」バッ
ひろしは靴を脱いでルザミーネに嗅がせて怯ませるために突っ込もうとすると、触手が伸びて、ひろしとリーリエを捕らえた!
シュルルッ!
ひろし「ぐっ!」ググッ
リーリエ「きゃあっ!」ググッ
ルザミーネ「ウフフ!」
リーリエ「ううっ……かあさまっ!」グググッ
ひろし「くっそおおっ! こんなもんっ」グググッ
ルザミーネ「リーリエ、親に逆らった挙句、わたくしのプライドを傷付けた報い……受けてもらいます! まずはその目で、あなたの味方がわたくしのウツロイドによって命を落とすさまを見届けなさい!」
更に事態は悪化するように、ウツロイドたちがみさえに近づいていく。
みさえ「いやっ……来ないで!」
238 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:37:32.03 ID:hGqQJJjA0
ウツロイドたち「じぇるるっぷ!」グワッ
せめてひまわりだけでも、とひまわりを守るようにみさえはうずくまると、一斉にウツロイドたちがみさえへと覆いかぶさってきた!
みさえ「ひいいいーーーっ!!」
リーリエ「みさえさんっ!」
ひろし「みさえーーっ!! ひまわりーーーっ!! やめろーーーっ!!!」
しんのすけ「……」
みさえ「いやあああああああっ!!」
クチュッ!
グニャグニャッ!
239 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:40:06.04 ID:hGqQJJjA0
もぞもぞとウツロイドたちが動きだした。あの内側で何が起きているのかわからない。
ひろしとリーリエの頭の中に、最悪のシナリオが掻き立てられる。
リーリエ「そん……な……」
ひろし「み……さえ……ひまわり……」ボウゼン
ルザミーネ「ウフッ、アハハハハっ!!」
その光景を勝ち誇るように嘲笑っていたのは、ルザミーネただひとりだった。ひろしもリーリエも、このおぞましい光景から無意識に目をそらしていた。
ルザミーネ「アハハハハハハハハ!!」
ゴ ス ッ ! !
ルザミーネ「アグゥッ!?」
ひろし&リーリエ「!?」
いきなり黒くて巨大な影が現れたかと思うと、大きな衝撃とともにルザミーネが後ろへ吹っ飛び、岩壁へと激突した。
その際に触手の力が緩まり、すぐにひろしとリーリエは拘束を破ってルザミーネから離れた。彼女は、驚愕に目が見開かれ、苦しそうにもんどりうっている。
ルザミーネ「う……がっ……ああ」ガクガク
ひろし「なにが起きたんだ?」
リーリエ「……!」
240 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:40:57.41 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「ひ、ひろしさん……後ろです」
ひろし「え?」
リーリエに言われ、ひろしが背後を振り返ると、そこには予想だにしない光景が広がっていた。
さっきまでみさえに襲いかかっていたウツロイドたちが地面に転がっており、ロトム図鑑とあい、シロが唖然として立ち尽くしていた。
瀕死になったウツロイドたちの上に浮かんでいたのはーー。
241 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:41:33.52 ID:hGqQJJjA0
「うちの娘に!」
8本の巨大な触手ーー。
「うちの夫に!」
触手に抱えられるひまわりーー。
「うちの息子に!」
黒く染まりきった身体ーー。
「うちの家族に!!」
ウツロイドの頭部に覆われ、憤怒の光を宿しながらルザミーネを睨みつける金色の目ーー。
みさえ(マザービースト)「手ェ出してんじゃないわよッ! 妖怪メノクラゲババアッッ!!」
ウツロイドと融合し、異形の姿となったルザミーネ同様、マザービーストとして覚醒したみさえが、ウルトラスペースに君臨していた。
ひろし「」
リーリエ「」
242 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:45:20.51 ID:hGqQJJjA0
ルザミーネ「そんな……わたくしと同じように、ウツロイドの愛を受け入れたというの……?」
ここに来て初めて、ルザミーネは心の奥底から予想外といった表情を見せた。しかしみさえはそんなルザミーネを無視して、ひろしへと近づいた。
みさえ「あなた、ひまをお願い」フワッ
ひまわり「たい……」
ひろし「み、みさえ……その姿、大丈夫なのか?」
みさえ「心配しないで。……リーリエちゃん」
リーリエ「は、はいっ」
みさえ「よく頑張ったわね。しんのすけのために、ありがとう」ナデナデ
みさえ「ちょっとあなたのママと『お話』してくるわ。その間、もう少ししんのすけのこと、お願いね」
リーリエ「え?」
243 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:46:15.36 ID:hGqQJJjA0
ルザミーネ「……許せない! ウツロイドは、わたくしだけのモノなのにっ!」ギリリッ!
ゴウッ!!
怒号を上げながら、ルザミーネは輝く岩を作り出し、極太の光線をみさえに向けて発射する!
みさえ「……」スッ
しかし、みさえは1本の触手を光線に向けてかざすと、壁に阻まれたように光線が押さえつけられ、そのまま分解するように消滅した。
ゴウッ!
シュウウウ
244 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:47:19.62 ID:hGqQJJjA0
ルザミーネ「なっ……」
ひろし「す、すげぇ……」
みさえ「ーールザミーネさん」
ルザミーネ「!」
みさえ「アンタがビーストの母だとか、自分を美しく見せるだとか、そんなの正直どうでもいいの」
みさえ「ただね、他人の息子に……家族に手を出したらどうなるか、ホンモノの母親の怒りってものを、ゼンリョクで思い知らせてあげるわ!! 覚悟しなさい!!!」
みさえ「……スゥーッ」
みさえ「はぁぁぁぁぁっ!!!」
ゴウッ
バチチチッ!!!
覚醒したみさえが雄叫びを上げた瞬間、スパークの走った真紅のオーラを全身に纏い、周囲の大地に衝撃波が走り、石の破片が宙に浮かびヒビが入る!
245 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:49:46.64 ID:hGqQJJjA0
今日はここまで。
次回の更新はいつものように明日の夜です。
ルザミーネファンのみなさん、ごめんなさい。いよいよハイパーフルボッコのお時間です。
じゃ、そゆことで~
あっ、とーちゃん退院おでめとう! 今のとーちゃんも代役お疲れ様!
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 22:53:30.96 ID:65I1bDFt0
おつです
げんこつとかグリグリは何タイプになるんだろうな(戦慄)
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 22:55:26.74 ID:Ke6TYA4A0
乙
ルザミーネは野原一家(というかみさえ)をナメすぎた、それが敗因
最初からみさえが実力行使すればよかったんじゃね?というのは置いといて
ルザミーネの母親力が1ならみさえは100万だからな
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 22:57:24.47 ID:cL00ZGYS0
BBAB↑↓
249 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 23:26:59.44 ID:hGqQJJjA0
【おまけ】
このSSを執筆する前に書いた「母VS母」のコンプセントアートですが……。
塗り絵にでもどうぞ。
[写真を見る]
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 23:29:24.78 ID:Ke6TYA4A0
これは負ける気しないな
てゆうかみさえもしんのすけも後遺症大丈夫か?
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 23:35:02.22 ID:sxyGaDSSO
乙です。
母ちゃん恐ろしや……
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 23:43:34.39 ID:UqhevTjK0
スーパーサイヤ母ちゃん3ダ・・・
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 00:18:49.88 ID:ieSViPdPO
>>250
あの家族が多少の毒で変になるとは思えん
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 00:22:07.93 ID:ZJ+twM380
毒は平気としてもしんちゃん操られたことで落ち込みそう
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 01:52:48.61 ID:U/5srOGY0
とーちゃんの靴下っていう万能薬をゼロ距離で嗅がせつづければあるいは
256 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/17(土) 18:57:24.58 ID:1bwQQCIO0
みさえの放つ殺意と巨大な力の前に、ルザミーネは一瞬たじろいだものの、すぐにみさえを睨みつける。
ルザミーネ「ーーそんなものッ!!」ゴウッ!
みさえ「!」
ゴスッ!!
ルザミーネが飛び出し、触手を丸めて拳を作りながら急接近すると、みさえの頭部に向けて強烈な右ストレートを放った。
ギャンッ! ドドドドド!
地面を擦って砂煙を上げながら一直線に吹き飛ばされるみさえ。しかしすぐさま空中で大きくターンすると、今度はみさえが触手を丸めながらルザミーネへ近づいた!
みさえ「オラオラオラオラオラッ、オラァッ!」ドゴドゴドゴドゴドゴッ!!!
ルザミーネ「がっ! ぐっ! ヴうっ!」ガガガガッ!!
みさえは10本の触手で一斉にルザミーネの全身にかけてラッシュをかける! ルザミーネもラッシュで応戦を試みるものの、みさえの攻撃速度に合わせられず、全身にかけて拳撃を浴びた!
みさえ「ーーっオラッ!」ブンッ!
更にみさえは廻し蹴りを繰り出して頭部に大打撃を与える!
ルザミーネ「あぐっ! うヴッ!」グラッ
リーリエ「かあさまっ……!」
しんのすけ「」
ルザミーネ「ふふ……二度使っただけで倒れちゃうなんて、使えない子」
みさえ「許せない……! アンタは絶対に許さない!」
ルザミーネ「さぁ行きなさい! フェローチェ!」
フェローチェ「フェロローッ!!」
フェローチェは口から糸を吐き出すと、ボーちゃんの全身に巻きつけて、繭のように覆い尽くしてしまった。
ミミッキュ「ボ……!」
それを握って振り上げ、糸に巻きつけられたボーちゃんを地面に叩きつける。
ドシャアッ!
フェローチェ「ロォォォッ!」
フェローチェは出している糸を切り、ボーちゃんを空中に投げつけると、フェローチェが飛び出し、手刀で糸ごとボーちゃんを切り裂いた!
フェローチェ「フェロォォッ!!」
ザンッ!!
ひろし&みさえ「!!」
232 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:27:21.18 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「……」
ひろしとみさえがZワザの威力に衝撃を受け、ルザミーネが勝ちを確信している一方で、リーリエは冷静さを保ったまま、切り裂かれた糸を凝視していた。
ルザミーネ「これでわたくしの勝ち、ですね」
リーリエ「いいえ」
すると、影の手が伸びてきて、フェローチェの吐き出した糸を引きちぎっていく。そして、ボーちゃんが糸を突き破る形で飛び出してきた!
ミミッキュ「ボーッ!」
ルザミーネ「しまった! ばけのかわ……っ!」
リーリエ「Zワザを使ってもムダです!! ボーちゃんさん! じゃれつくです!!」
ミミッキュ「ボーーーッ!」グワッ!
Zワザを受けてばけのかわが剥がれたボーちゃんは、影の手でフェローチェを振り払い、逆に倒れ込ませると、フェローチェに向けて激しくもみあった!
ポカポカドカドカ!
フェローチェ「フェロ! フェローッ!」
傍から見れば激しいスキンシップを受けているように感じるが、フェローチェは苦痛に満ちた悲鳴を上げている。
233 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:31:26.62 ID:hGqQJJjA0
みさえ「どうして、ただじゃれつかれているだけなのに苦しそうなの?」
ひろし「じゃれつくはフェアリータイプの技だ! あのビーストはむし・かくとうだから、弱点の1つなんだ!」
ひろし「そしてフェローチェと呼ばれたあのビーストは、素早い代わりにとても打たれ弱いんだ!」
みさえ「それじゃあ……!」
ひろしの解説を聞いた瞬間、ルザミーネはリーリエに目を瞠った。そこでようやく、リーリエの狙いに気が付いた。
ルザミーネ「まさか……あなたはわたくしがフェローチェを最後に出すように誘導したというの?!」
リーリエ「……」
そしてフェローチェはだんだん体力を失っていき、ボーちゃんがフェローチェから離れたときには、ぐったりと動かなくなってしまっていた。
フェローチェ「」ピクピクッ
ミミッキュ「ボーッ……」
234 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:32:33.38 ID:hGqQJJjA0
ひろし「よっしゃあっ! ざまーみろルザミーネ!!」グッ
みさえ「言ったでしょ? 必ずリーリエちゃんが勝つって!!」
ひまわり「たいやーっ!」
リーリエ「しんちゃんっ!」シュンッ
リーリエはボーちゃんをボールに戻すと、すぐさまルザミーネのそばで横たわっているしんのすけを抱きかかえた。
リーリエ「しんちゃん! しっかりして! しんちゃんっ!」
しんのすけ「……」
ルザミーネ「……アアアウッ!」
目の前の敗北に唖然としていたルザミーネは、目を大きく見開くと、2本の触手で頭部を掴み、その場で暴れだした。
ルザミーネ「どうして! どうして! どうしてわたくしのビーストちゃんたちがあああっ!!」グニャグニャッ!!
リーリエ「……」
リーリエはしんのすけを抱きかかえたまま、口を一文字にして真摯な表情で、ルザミーネと向き合う。
235 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:34:24.41 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「……かあさま、わたしはまだまだトレーナーとして未熟です。やっぱり、しんちゃんのポケモンさんは、しんちゃんしかゼンリョクを引き出すことはできないというのをこの戦いで実感しました」
リーリエ「それでもあなたがなぜ負けたのか、分かりますか?」
ルザミーネ「!?」ギロッ
リーリエ「あなたの敗因は、最初にビーストさんを見せびらかしたことで、わたしにどんなビーストさんを使ってくるのか教えたからです!」
リーリエ「そしてーーあなたがポケモンさんを、ビーストさんを、自分を美しく見せるための道具としか見てなかったからです!」
ルザミーネ「それがなんだというのですか! 全てがわたくしの愛で満たされて、美しくなればそれでいいの!」
リーリエ「子供は親のモノではありません! ポケモンもトレーナーが好きにしていい モノではありません!」
リーリエ「わたしも生きています! コスモッグも生きています! しんちゃんも、ビーストさんもみんな生きています! モノではないのです!」
リーリエ「かあさま……もうたくさんの人に迷惑をかけること、やめましょう。一緒に帰って、みなさんに謝って……」
ーーきゃあああああっ!!!
ひろし「みさえっ!」
リーリエ「!」
みさえの悲鳴が響き、リーリエは驚いて振り返ると、恐らくルザミーネがゲットしたであろうウツロイドがみさえへと襲いかかっていた! みさえはひまわりをかばうように抱えながら、その場に座り込んでいた。
ロトム図鑑とフェローチェ、シロの周りにも、助けを妨害するように、ウツロイドが3匹を取り囲んでいく。
ウツロイドたち「じぇるるっぷ……!」
ロトム図鑑「うわっ! こっちくんな!」
フェローチェ(あい)「フェローッ!」
シロ「キャンキャンッ!」
リーリエ「みさえさんっ!」
リーリエ「かあさまっ! なにをするつもりですか!」
ルザミーネ「……確かに、勝負に勝ったらしんのすけ君を返すと言いましたわ」
ルザミーネの顔に、ニヤニヤとした不気味な笑みが戻ってくる。
ルザミーネ「だけど、あなた方を無事に帰すと一言も約束してません! 言ったでしょう? 誰の許しを得てここにやってきたのですか? 招かれざる客を歓迎するほど、わたくしは寛容ではありませんの!」
237 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:36:48.42 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「かあさまっ! もうやめて!」
ひろし「ぐぅっ、きったねぇぞ……てめぇっ!」バッ
ひろしは靴を脱いでルザミーネに嗅がせて怯ませるために突っ込もうとすると、触手が伸びて、ひろしとリーリエを捕らえた!
シュルルッ!
ひろし「ぐっ!」ググッ
リーリエ「きゃあっ!」ググッ
ルザミーネ「ウフフ!」
リーリエ「ううっ……かあさまっ!」グググッ
ひろし「くっそおおっ! こんなもんっ」グググッ
ルザミーネ「リーリエ、親に逆らった挙句、わたくしのプライドを傷付けた報い……受けてもらいます! まずはその目で、あなたの味方がわたくしのウツロイドによって命を落とすさまを見届けなさい!」
更に事態は悪化するように、ウツロイドたちがみさえに近づいていく。
みさえ「いやっ……来ないで!」
238 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:37:32.03 ID:hGqQJJjA0
ウツロイドたち「じぇるるっぷ!」グワッ
せめてひまわりだけでも、とひまわりを守るようにみさえはうずくまると、一斉にウツロイドたちがみさえへと覆いかぶさってきた!
みさえ「ひいいいーーーっ!!」
リーリエ「みさえさんっ!」
ひろし「みさえーーっ!! ひまわりーーーっ!! やめろーーーっ!!!」
しんのすけ「……」
みさえ「いやあああああああっ!!」
クチュッ!
グニャグニャッ!
239 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:40:06.04 ID:hGqQJJjA0
もぞもぞとウツロイドたちが動きだした。あの内側で何が起きているのかわからない。
ひろしとリーリエの頭の中に、最悪のシナリオが掻き立てられる。
リーリエ「そん……な……」
ひろし「み……さえ……ひまわり……」ボウゼン
ルザミーネ「ウフッ、アハハハハっ!!」
その光景を勝ち誇るように嘲笑っていたのは、ルザミーネただひとりだった。ひろしもリーリエも、このおぞましい光景から無意識に目をそらしていた。
ルザミーネ「アハハハハハハハハ!!」
ゴ ス ッ ! !
ルザミーネ「アグゥッ!?」
ひろし&リーリエ「!?」
いきなり黒くて巨大な影が現れたかと思うと、大きな衝撃とともにルザミーネが後ろへ吹っ飛び、岩壁へと激突した。
その際に触手の力が緩まり、すぐにひろしとリーリエは拘束を破ってルザミーネから離れた。彼女は、驚愕に目が見開かれ、苦しそうにもんどりうっている。
ルザミーネ「う……がっ……ああ」ガクガク
ひろし「なにが起きたんだ?」
リーリエ「……!」
240 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:40:57.41 ID:hGqQJJjA0
リーリエ「ひ、ひろしさん……後ろです」
ひろし「え?」
リーリエに言われ、ひろしが背後を振り返ると、そこには予想だにしない光景が広がっていた。
さっきまでみさえに襲いかかっていたウツロイドたちが地面に転がっており、ロトム図鑑とあい、シロが唖然として立ち尽くしていた。
瀕死になったウツロイドたちの上に浮かんでいたのはーー。
241 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:41:33.52 ID:hGqQJJjA0
「うちの娘に!」
8本の巨大な触手ーー。
「うちの夫に!」
触手に抱えられるひまわりーー。
「うちの息子に!」
黒く染まりきった身体ーー。
「うちの家族に!!」
ウツロイドの頭部に覆われ、憤怒の光を宿しながらルザミーネを睨みつける金色の目ーー。
みさえ(マザービースト)「手ェ出してんじゃないわよッ! 妖怪メノクラゲババアッッ!!」
ウツロイドと融合し、異形の姿となったルザミーネ同様、マザービーストとして覚醒したみさえが、ウルトラスペースに君臨していた。
ひろし「」
リーリエ「」
242 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:45:20.51 ID:hGqQJJjA0
ルザミーネ「そんな……わたくしと同じように、ウツロイドの愛を受け入れたというの……?」
ここに来て初めて、ルザミーネは心の奥底から予想外といった表情を見せた。しかしみさえはそんなルザミーネを無視して、ひろしへと近づいた。
みさえ「あなた、ひまをお願い」フワッ
ひまわり「たい……」
ひろし「み、みさえ……その姿、大丈夫なのか?」
みさえ「心配しないで。……リーリエちゃん」
リーリエ「は、はいっ」
みさえ「よく頑張ったわね。しんのすけのために、ありがとう」ナデナデ
みさえ「ちょっとあなたのママと『お話』してくるわ。その間、もう少ししんのすけのこと、お願いね」
リーリエ「え?」
243 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:46:15.36 ID:hGqQJJjA0
ルザミーネ「……許せない! ウツロイドは、わたくしだけのモノなのにっ!」ギリリッ!
ゴウッ!!
怒号を上げながら、ルザミーネは輝く岩を作り出し、極太の光線をみさえに向けて発射する!
みさえ「……」スッ
しかし、みさえは1本の触手を光線に向けてかざすと、壁に阻まれたように光線が押さえつけられ、そのまま分解するように消滅した。
ゴウッ!
シュウウウ
244 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:47:19.62 ID:hGqQJJjA0
ルザミーネ「なっ……」
ひろし「す、すげぇ……」
みさえ「ーールザミーネさん」
ルザミーネ「!」
みさえ「アンタがビーストの母だとか、自分を美しく見せるだとか、そんなの正直どうでもいいの」
みさえ「ただね、他人の息子に……家族に手を出したらどうなるか、ホンモノの母親の怒りってものを、ゼンリョクで思い知らせてあげるわ!! 覚悟しなさい!!!」
みさえ「……スゥーッ」
みさえ「はぁぁぁぁぁっ!!!」
ゴウッ
バチチチッ!!!
覚醒したみさえが雄叫びを上げた瞬間、スパークの走った真紅のオーラを全身に纏い、周囲の大地に衝撃波が走り、石の破片が宙に浮かびヒビが入る!
245 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 22:49:46.64 ID:hGqQJJjA0
今日はここまで。
次回の更新はいつものように明日の夜です。
ルザミーネファンのみなさん、ごめんなさい。いよいよハイパーフルボッコのお時間です。
じゃ、そゆことで~
あっ、とーちゃん退院おでめとう! 今のとーちゃんも代役お疲れ様!
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 22:53:30.96 ID:65I1bDFt0
おつです
げんこつとかグリグリは何タイプになるんだろうな(戦慄)
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 22:55:26.74 ID:Ke6TYA4A0
乙
ルザミーネは野原一家(というかみさえ)をナメすぎた、それが敗因
最初からみさえが実力行使すればよかったんじゃね?というのは置いといて
ルザミーネの母親力が1ならみさえは100万だからな
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 22:57:24.47 ID:cL00ZGYS0
BBAB↑↓
249 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/16(金) 23:26:59.44 ID:hGqQJJjA0
【おまけ】
このSSを執筆する前に書いた「母VS母」のコンプセントアートですが……。
塗り絵にでもどうぞ。
[写真を見る]
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 23:29:24.78 ID:Ke6TYA4A0
これは負ける気しないな
てゆうかみさえもしんのすけも後遺症大丈夫か?
乙です。
母ちゃん恐ろしや……
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/16(金) 23:43:34.39 ID:UqhevTjK0
スーパーサイヤ母ちゃん3ダ・・・
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 00:18:49.88 ID:ieSViPdPO
>>250
あの家族が多少の毒で変になるとは思えん
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 00:22:07.93 ID:ZJ+twM380
毒は平気としてもしんちゃん操られたことで落ち込みそう
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 01:52:48.61 ID:U/5srOGY0
とーちゃんの靴下っていう万能薬をゼロ距離で嗅がせつづければあるいは
256 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/17(土) 18:57:24.58 ID:1bwQQCIO0
みさえの放つ殺意と巨大な力の前に、ルザミーネは一瞬たじろいだものの、すぐにみさえを睨みつける。
ルザミーネ「ーーそんなものッ!!」ゴウッ!
みさえ「!」
ゴスッ!!
ルザミーネが飛び出し、触手を丸めて拳を作りながら急接近すると、みさえの頭部に向けて強烈な右ストレートを放った。
ギャンッ! ドドドドド!
地面を擦って砂煙を上げながら一直線に吹き飛ばされるみさえ。しかしすぐさま空中で大きくターンすると、今度はみさえが触手を丸めながらルザミーネへ近づいた!
みさえ「オラオラオラオラオラッ、オラァッ!」ドゴドゴドゴドゴドゴッ!!!
ルザミーネ「がっ! ぐっ! ヴうっ!」ガガガガッ!!
みさえは10本の触手で一斉にルザミーネの全身にかけてラッシュをかける! ルザミーネもラッシュで応戦を試みるものの、みさえの攻撃速度に合わせられず、全身にかけて拳撃を浴びた!
みさえ「ーーっオラッ!」ブンッ!
更にみさえは廻し蹴りを繰り出して頭部に大打撃を与える!
ルザミーネ「あぐっ! うヴッ!」グラッ
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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