しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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158 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:03:36.67 ID:aMmubLhw0
ポニの大峡谷
ひろしたちはポニの大峡谷に突入し、勘で洞窟内を駆け巡り、橋を渡り、飛び出した野生のポケモンを無視して突き進んでいく!
全員「うおおおおおおおああああああああ!!!」ドドドドドド!!
試 練 開 始 !
ジャラランガ「ジャラジャランジャン!」バァーン!!
ポニの大峡谷 ぬしポケモン
ジャラランガ 出現!
みさえ「邪魔!」バキッ!
ジャラランガ「ジャランガーーッ!?」ドサッ
試 練 達 成 !
ドタドタドタッ!
ジャラランガ「ジ……ジャラ」ヤッパリ
ジャランゴ「ジャラ?」ダイジョウブ?
159 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:04:42.51 ID:aMmubLhw0
月輪の祭壇
ハウ「あらよっと! ついたー!」
グラジオ「ここが月輪の祭壇……」
みさえ「なんか神秘的な場所ね……」
リーリエ「太陽と月……ここで2本の笛を吹けば……!」
ひろし「ここまで勢いで来ちまったけど、どこで笛を吹けばいいんだ?」
プルメリ「あの階段の上じゃないかい? 登ってみようよ」
満月が見下ろす中、リーリエたちは長い階段を登って祭壇の上部へとやってくる。
リーリエ「月の力、いっぱい感じます……。ほしぐもちゃん……あなたを元の世界に戻すまえに、しんちゃんを取り戻して、かあさまの目を覚まさせます……!」
グラジオ「あの水たまりに囲まれたところに、床に太陽と月の笛と同じ文様があるな……。ここに立って、それぞれ笛を吹くのだろう」
リーリエ「では、にいさまは太陽の笛を。わたしは月の笛を吹きます」
グラジオ「わかった」
160 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:10:22.80 ID:aMmubLhw0
プルメリ「あたいらは儀式の邪魔にならないよう、下がっていようか」
ひろし「ああ」
ひろしたちは階段のそばへ下がり、リーリエは月の文様が描かれた床へ、グラジオは太陽の文様が描かれた床へ立つと、それぞれ笛を取り出した。
リーリエ「月の笛……手になじみます。ひとりでに吹けそう……」
グラジオ「準備はいいか? 始めるぞ」
リーリエ「はい……!」
リーリエとグラジオは太陽と月の笛を口元に持っていくと、そっと息を吹きかけた。
しんのすけはリーリエが笛を吹けないことを不安がっていたが、その心配はなかった。笛そのものが、音色を出しているからだ。
笛から飛び出した鮮やかな音は、祭壇を覆っていき空間そのものに優しく囁いていく。
みさえ「……きれいな音」
そして、笛が歌い終えた瞬間ーー。
ゴゴゴゴ!!
リーリエ&グラジオ「!」
ハウ「なになにー?!」
161 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:12:28.74 ID:aMmubLhw0
地面が揺れたかと思うと、リーリエとグラジオの周囲の水たまりが光を帯びた。光は床の模様を伝って、正面にある巨大なモニュメントへと駆け抜けていく!
そして、てっぺんにある円形のレリーフにたどり着くと、レリーフがひとりでに開いていった。
開いた箇所からマグマのような朱色の光が溢れ出し、虹色に変色すると、祭壇に向かって光線を照射した! 照射した部分が、小さな光のドームとなる!
ゴソゴソッ!
リーリエ「ほしぐもちゃん……?」
プルメリ「リーリエのリュックが!」
リーリエのリュックに入っているコスモッグが、飛び出した。コスモッグはリーリエから離れて、光のドームの中へと入っていく。
ほしぐもちゃん「……!」
グラジオ「コスモッグが……!」
リーリエ「ほしぐもちゃん!」
光のドームの中で、コスモッグも呼応するように輝きだし、光のドームがコスモッグに力を与えるように縮んでいく!
そして、超新星爆発の如く、青く眩い光を放ち、その場にいた全員が目を逸らした。
「マ ヒ ナ ぺ ー ア ! ! !」バサッ!
162 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:13:42.79 ID:aMmubLhw0
進化したコスモッグは、三日月のような巨大な翼を広げながら光のドームのあった場所へと舞い降り、産声を上げるように咆吼を上げた。
リーリエ「……!」
ハウ「コスモッグが進化したー!」
ルナアーラ「……」
みさえ「すごーい……!」
ひまわり「たやーい!」
プルメリ「アローラの伝説のポケモンは……コスモッグの進化系だったのか!」
コスモッグから進化したルナアーラは、真紅の瞳でリーリエたちを見下ろしている。
ひろし「あれが……ルナアーラ!」
ーーあなた達は『星の繭』と一緒にいるから、必ずルナアーラが現れてくれるはずよ
ひろし(星の繭……こういうことだったのか!)
163 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:14:45.37 ID:aMmubLhw0
リーリエ「ほしぐもちゃん……よかったです……無事で……いきなり飛びだすから……わたし、驚いちゃって……!」
グラジオ「それにしても……笛の音で力を与えるとはな……」
リーリエ「伝説ポケモンに進化させる……すごい儀式だったなんて!」
ルナアーラ「マヒナぺ!」
ハウ「すごいすごいー! コスモッグが進化すると伝説のポケモンになるなんてー! おれ、来てよかったー!」
リーリエ「伝説のポケモンに進化する話なんて、そんなの、本でも読んだことないのに……」
リーリエ「ルナアーラさん……ううん、ほしぐもちゃん! わたし、しんちゃんとかあさまに会いたい!」
ルナアーラ「マヒナぺーアッ!!!」バサッ!
ルナアーラは翼をはためかせると、急上昇した。翼を満月のように広げると、夜空のような青い身体が白くなっていき、額にもうひとつの目が浮き出てきた。
164 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:15:51.63 ID:aMmubLhw0
すると、祭壇のモニュメントに光が出現し、空間が歪んでいく。ルナアーラは第三の目から光を放ち、空間の歪みに当てると、ウルトラホールへと変化した。
グラジオ「ウルトラホール……!」
みさえ「これでしんのすけを助けに行ける!」
その時だった。
銀色の光が祭壇を襲い地面を穿った! 全員が攻撃を受けた方向を見ると、空にはテッカグヤが、祭壇と洞窟の出入り口にアクジキングが立ってた。
テッカグヤ「フー……!」ゴゴゴゴ!!
アクジキング「ズモォォォォッ!!」
ひろし「あいつら! こんなところにまで!」
グラジオ「行け……! ここはオレが食い止める!」スッ
ハウ「おれも手伝うー!」スッ
リーリエ「にいさま! ハウさん!」
プルメリ「リーリエ! グズグズしてる暇はないよ! 早くルナアーラと一緒にウルトラホールの中に飛び込むんだ!」
リーリエ「……はい! お願いします! ほしぐもちゃん!」
ルナアーラ「マヒナぺーア!」グワッ
165 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:18:00.80 ID:aMmubLhw0
ハウ「アローラ防衛隊、ファイヤーだよー!」グッ!
リーリエ「ファイヤー! です!」グッ!
ルナアーラは急降下し、リーリエたち4人をかかえると、ウルトラホールの中へと飛び込んでいった!
バサッ!
グワァァァァッ キィーーーン!
グラジオ「頼んだぞ! ヌル!」ヒョイッ
ハウ「行くよー! ライチュウ!」ヒョイッ
ヌル「オオオッ!」ポンッ
ライチュウ「ライラーイッ!」ポンッ
グラジオ「ハウ……オマエがいてくれてよかった。礼を言う」
ハウ「褒められちゃったー照れるなー」
グラジオ「『BLASTER』は任せた。オレは『GLUTTONY』をやる!」
ハウ「へへー任せられたー! ライチュウ、10まんボルーー」
その時、空から1匹のポケモンが回転しながらテッカグヤへと激突し、地面へと落下させる。同時に、ポケモンも地面に着地する。
バンバドロ「ムヒイウンッ!」ズザザザッ!
166 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:18:37.24 ID:aMmubLhw0
グラジオ「バンバドローー!」
???「まったく……わらわを差し置いてこのポニ島の中で暴れるとはいい度胸じゃ」テクテク
ハウ「ハプウさん!」
ハプウ「お主らが全力疾走する姿が見えてな。ライドギアを渡そうと思ったが、今の状況を見る限り、必要なさそうじゃな」
ハウ「手伝ってくれるのー?」
ハプウ「もちろんじゃ。伝説のポケモンを見れて、気分も良いしな! このハプウとバンバドロ、最初からゼンリョクでビーストを迎え撃とうぞ」
グラジオ「よし……ホールを守りきるぞ!」
ハウ「うんー!」
ハプウ「うむ!」ギンッ!
167 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:19:54.53 ID:aMmubLhw0
ウルトラスペース
ブゥゥゥンッ!
リーリエ「きゃっ!」ドサッ!
ひろし「うわっ……と!」ドサッ!
みさえ「イタタ……」
プルメリ「……ここがビーストの世界」
リーリエたちは周囲を見渡すと、自分たちは別の世界に来たことをまざまざと思い知らされた。
まるで深海にいるような暗さ、奇妙な植物や岩、そして浮遊しているウツロイドたち。見ているだけで不安になる。
リーリエ「思っていたよりきれいな場所で……驚いています。でも……空気がどんよりと、なんだか苦しい……」
みさえ「ここに、しんのすけがいるのよね……」
プルメリ「グズマもね……」
168 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:20:45.45 ID:aMmubLhw0
リーリエはふと、空に浮かんでいるウツロイドをみやった。
リーリエ「博士は……ウルトラビーストもポケモンかもしれないと言ってました。だとすると、ウルトラビーストさんと呼ぶべきでしょうか」
ひろし「ああ、そうかもしれないな」
リーリエ「……行きましょう!」
ルナアーラ「……マヒナぺーア!」
待って、と言いたげに、ルナアーラがリーリエを呼び止めた。
リーリエ「どうした……の?」
ルナアーラが、息を切らしたように身体を震わせてリーリエを見据える。
みさえ「なんだか、弱っている気がするわ」
リーリエ「初めてウルトラホールを開いたから……疲れているのでしょうか?」
ルナアーラ「マヒナぺーア」コクン
プルメリ「さすがに伝説のポケモンといえど、別の世界に行くには相応の体力が必要ってことだね。よく頑張ったよ」
リーリエ「ありがとうね、ほしぐもちゃん。ビーストさんの世界に連れてきてくれて……!次はわたしの番ですね! 必ず、しんちゃんとかあさまをここへ連れてきますから! ここでゆっくり休んでください」
ルナアーラ「マヒナぺィーア」
169 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:21:50.66 ID:aMmubLhw0
みさえ「でも、どうやって探せばいいのかしら?」
すると、ひろしのそばで控えていたシロがリーリエたちの前に立った。
シロ「……」クンクン
ひろし「シロ、どうしたんだ?」
シロ「キャンキャン!」
みさえ「しんのすけの場所が分かるの?」
シロ「アンッ!」
みさえ「シロ……きっと、しんのすけのニオイを嗅いだのよ!」
ひろし「追いかけようぜ! まずは1人でもいいから誰かを見つけるんだ!」
プルメリ「そうだね……代表と一緒にいたグズマなら、なにか知ってるかもしれないね」
リーリエ「しんちゃん、待っててくださいね! 今、助けに行きますから!」
170 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:23:45.75 ID:aMmubLhw0
リーリエたちは、ニオイを辿って歩くシロを先頭にしつつ、ウルトラスペース内を歩き回った。
途中、アローラでうんざりするほど見かけたウルトラビーストたちがウルトラスペース内を闊歩しているのを目撃し、なるべく戦闘を避けるために身を潜めながら進んでいった。迷わないように、あらかじめひろしが持ち込んできた頑丈なロープを地面に垂らして帰り道を作る。
リーリエ「本当に、ビーストさんばかりの世界なんですね……」
プルメリ「多分だけど、この世界は他の世界に繋がる中間地点だと思うよ。だから、ここから様々な世界からビーストが行き交っているんだ」
ひろし「宅配で言うなら、流通した荷物の集まるベースか。ルザミーネはここから、ウルトラビーストをアローラへ『出荷』させてるってところだな」
みさえ「ここに人間が迷い込むこともあるのかしら?」
プルメリ「別の世界からやってきた人間が、アローラに流れ着く。逆もまた然り。可能性はあるかもね」
リーリエ「元の世界へ帰れなくなるなんて……そんなの、悲しいです。かあさまも、グズマさんも、しんちゃんも、そんなことさせません!」
ひろし「ああーー」
シロ「……キャンキャンッ!」
ひろし「シロ? なにか見つけたのか?!」
???「ポケモンの声……?」
プルメリ「……その声、まさかっ!」
171 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:24:58.67 ID:aMmubLhw0
プルメリは人の声がした方へ走り出した。ひろしたちも後に続いていく。
緩やかな岩のカーブを曲がっていくと、果たしてそこには、岩場に座り込んでいるグズマの姿があった。
グズマはプルメリたちの姿を見たとたん、まるで怪物でも見たかのように心底驚いた表情で迎え入れた。
プルメリ「グズマ! グズマなんだね!」
グズマ「……本当に、来やがっただと?」
リーリエ「ご無事だったんですね!」
ひろし「お前、確かエーテルパラダイスでルザミーネと一緒にいた……!」
みさえ「ねえ、しんのすけはどこにいるの?」
グズマ「うるせぇっ! てめーら一斉に喋るな!」
全員「……!」
グズマ「プルメリ、それに代表の娘、後のやつらは知らねえが……」
みさえ「私たちはしんのすけの親よ!」
ひろし「しんのすけはどこに行ったんだ? お前は確かルザミーネと一緒にいたよな?」
グズマ「しんのすけ……あのじゃがいも小僧のことか。そうか、お前らが親かよ」
172 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:26:04.31 ID:aMmubLhw0
リーリエ「お願いします。しんちゃんとかあさまを探しているんです」
グズマ「知らねえよ。ただ、あのじゃがいも小僧とは一度そこら辺で会ったが、帰れる帰るとピーピー喚いて、どこか行っちまったぜ」
ひろし「ということは、少なくともあの後、ルザミーネから逃げられたってことだな!」
みさえ「よかった……!」
グズマ「お前らは代表に連れてこられたってクチじゃねぇな。一体全体どんな手段でこっちに来たのか……。ホントにバカだな」
プルメリ「アンタを連れ戻せるのなら、いくらでもバカになってやるよ」
プルメリ「……なあ、ちょっとグズマとふたりっきりで話、させてくれないかい? アンタらも急いでるんだろ? あたいもグズマを説得したら、すぐに助けに行くからさ。頼む」
ひろし「ああ、ロープはそのまま垂らしておくから、それを伝って来てくれ」
プルメリ「すまないね」
プルメリ「……リーリエ」
リーリエ「はい!」
プルメリ「しんのすけと代表、絶対取り戻すんだよ。お姫様が王子様を救うって物語も、悪くないだろ?」
リーリエ「必ず助け出します! しんちゃんも、かあさまも!」
リーリエたちは再びシロが嗅いでいるしんのすけのニオイを頼りに、ウルトラスペースの奥へと進んでいった。
173 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:28:08.82 ID:aMmubLhw0
残ったプルメリとグズマの間に、沈黙が漂う。最初に口火を切ったのは、グズマだった。
グズマ「お前……本当にオレを連れ戻しに来たってのかよ」
プルメリ「そうだよ。わざわざそのために、伝説のポケモンの力を借りて、ここまで来たんだ」
プルメリ「さ、帰ろう。グズマ」
グズマ「今更なんだってんだ。わかってるんだろ? 今のアローラは、ビーストに破壊され尽くされちまっている。ここにいようがアローラに帰ろうが、変わんねえよ」
プルメリ「ああ、確かに代表のせいで、アローラはひどい有様さ。だけどね、アローラの人たちだって、ただ黙って自分たちの住んでる街を壊されるのを眺めているわけじゃないんだよ」
プルメリ「知ってるかい? しまキングやキャプテン、カプたちだけじゃない。スカル団のみんなも、必死でアローラを守ってるんだよ。アンタが帰ってくるのを待ちながらさ」
グズマ「あいつらが……?」
プルメリ「ああ、あたいもクチナシとマーレインに言いくるめながらも、ビーストと戦ってきたんだ。あいつらも、ビーストとの戦いでたくましく成長してるはずだよ」
グズマ「……だとしてもよ、オレはお前らより代表を選んじまった。あいつらに見せる顔がねぇ」
プルメリ「なんだか、ずいぶん落ち着いたね。こっちでよっぽどエライ目にあったんだね」
プルメリ「しっかりしな! あんたはもうボスじゃないけど、たくさんの人に慕われてるんだからさ! 本当に見限られてるなら、あたいがこんなとこまで迎えに来ないって!」ポンッ
プルメリ「いいかいグズマ、アンタもあたいも元々は誰にも理解されなかった、いわゆるはずれ者だよ。だけどね、その時にはなかったけど、今はあるものがあるんだよ。わかるかい?」
グズマ「は……?」
174 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:29:46.95 ID:aMmubLhw0
プルメリ「『仲間』だよ。みんながアンタの事を理解してる。そしてアンタも、あいつらの事を理解してるんだよ。あたいらには互いに自分たちの痛みを知ってる人達がいる。もう一人ぼっちじゃないんだ」
グズマ「……」
プルメリ「失敗したんならさ、また立ち直りゃいいんじゃないの。そうやって人もポケモンも、強くなっていくんだからさ。今のアローラはボロボロだけど、みんながひとつになって、きっと立ち直っていくよ。今よりとっても良くなってね。そこにグズマもあたいも、居たいだろ?」
プルメリ「そのためにもさ、アローラへ償いをしようよ。グズマの罪も、あたいらみんなが一緒に背負ってあげるからさ」
グズマ「……」
ーー嘘つけ、スケスケおパンツ団の人たちがいるクセに
ーーおじさんも、スケスケおパンツ団の人とか、プルメリのおねいさんが迎えに来るもん!
グズマ「ーーッ!」
グズマ「グズマァ!! なにやってるんだああ!!」ガクガクッ
175 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:30:21.36 ID:aMmubLhw0
グズマ「……ハァハァ」
プルメリ「吹っ切れたかい? さ、あのヒモを伝って戻りなよ。伝説のポケモンがいるから、一緒にいればきっと帰れるよ」
グズマ「……その前に、代表のところへ行く」
プルメリ「え?」
グズマ「代表には、いろいろ世話になっちまったからな。だから、筋通しに行くんだよ」
プルメリ「……そうかい。ま、あたいもしんのすけの両親と約束しちまったからね。さっさと追いかけようか」
グズマ「……ああ!」
ポニの大峡谷
ひろしたちはポニの大峡谷に突入し、勘で洞窟内を駆け巡り、橋を渡り、飛び出した野生のポケモンを無視して突き進んでいく!
全員「うおおおおおおおああああああああ!!!」ドドドドドド!!
試 練 開 始 !
ジャラランガ「ジャラジャランジャン!」バァーン!!
ポニの大峡谷 ぬしポケモン
ジャラランガ 出現!
みさえ「邪魔!」バキッ!
ジャラランガ「ジャランガーーッ!?」ドサッ
試 練 達 成 !
ドタドタドタッ!
ジャラランガ「ジ……ジャラ」ヤッパリ
ジャランゴ「ジャラ?」ダイジョウブ?
159 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:04:42.51 ID:aMmubLhw0
月輪の祭壇
ハウ「あらよっと! ついたー!」
グラジオ「ここが月輪の祭壇……」
みさえ「なんか神秘的な場所ね……」
リーリエ「太陽と月……ここで2本の笛を吹けば……!」
ひろし「ここまで勢いで来ちまったけど、どこで笛を吹けばいいんだ?」
プルメリ「あの階段の上じゃないかい? 登ってみようよ」
満月が見下ろす中、リーリエたちは長い階段を登って祭壇の上部へとやってくる。
リーリエ「月の力、いっぱい感じます……。ほしぐもちゃん……あなたを元の世界に戻すまえに、しんちゃんを取り戻して、かあさまの目を覚まさせます……!」
グラジオ「あの水たまりに囲まれたところに、床に太陽と月の笛と同じ文様があるな……。ここに立って、それぞれ笛を吹くのだろう」
リーリエ「では、にいさまは太陽の笛を。わたしは月の笛を吹きます」
グラジオ「わかった」
160 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:10:22.80 ID:aMmubLhw0
プルメリ「あたいらは儀式の邪魔にならないよう、下がっていようか」
ひろし「ああ」
ひろしたちは階段のそばへ下がり、リーリエは月の文様が描かれた床へ、グラジオは太陽の文様が描かれた床へ立つと、それぞれ笛を取り出した。
リーリエ「月の笛……手になじみます。ひとりでに吹けそう……」
グラジオ「準備はいいか? 始めるぞ」
リーリエ「はい……!」
リーリエとグラジオは太陽と月の笛を口元に持っていくと、そっと息を吹きかけた。
しんのすけはリーリエが笛を吹けないことを不安がっていたが、その心配はなかった。笛そのものが、音色を出しているからだ。
笛から飛び出した鮮やかな音は、祭壇を覆っていき空間そのものに優しく囁いていく。
みさえ「……きれいな音」
そして、笛が歌い終えた瞬間ーー。
ゴゴゴゴ!!
リーリエ&グラジオ「!」
ハウ「なになにー?!」
161 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:12:28.74 ID:aMmubLhw0
地面が揺れたかと思うと、リーリエとグラジオの周囲の水たまりが光を帯びた。光は床の模様を伝って、正面にある巨大なモニュメントへと駆け抜けていく!
そして、てっぺんにある円形のレリーフにたどり着くと、レリーフがひとりでに開いていった。
開いた箇所からマグマのような朱色の光が溢れ出し、虹色に変色すると、祭壇に向かって光線を照射した! 照射した部分が、小さな光のドームとなる!
ゴソゴソッ!
リーリエ「ほしぐもちゃん……?」
プルメリ「リーリエのリュックが!」
リーリエのリュックに入っているコスモッグが、飛び出した。コスモッグはリーリエから離れて、光のドームの中へと入っていく。
ほしぐもちゃん「……!」
グラジオ「コスモッグが……!」
リーリエ「ほしぐもちゃん!」
光のドームの中で、コスモッグも呼応するように輝きだし、光のドームがコスモッグに力を与えるように縮んでいく!
そして、超新星爆発の如く、青く眩い光を放ち、その場にいた全員が目を逸らした。
「マ ヒ ナ ぺ ー ア ! ! !」バサッ!
162 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:13:42.79 ID:aMmubLhw0
進化したコスモッグは、三日月のような巨大な翼を広げながら光のドームのあった場所へと舞い降り、産声を上げるように咆吼を上げた。
リーリエ「……!」
ハウ「コスモッグが進化したー!」
ルナアーラ「……」
みさえ「すごーい……!」
ひまわり「たやーい!」
プルメリ「アローラの伝説のポケモンは……コスモッグの進化系だったのか!」
コスモッグから進化したルナアーラは、真紅の瞳でリーリエたちを見下ろしている。
ひろし「あれが……ルナアーラ!」
ーーあなた達は『星の繭』と一緒にいるから、必ずルナアーラが現れてくれるはずよ
ひろし(星の繭……こういうことだったのか!)
リーリエ「ほしぐもちゃん……よかったです……無事で……いきなり飛びだすから……わたし、驚いちゃって……!」
グラジオ「それにしても……笛の音で力を与えるとはな……」
リーリエ「伝説ポケモンに進化させる……すごい儀式だったなんて!」
ルナアーラ「マヒナぺ!」
ハウ「すごいすごいー! コスモッグが進化すると伝説のポケモンになるなんてー! おれ、来てよかったー!」
リーリエ「伝説のポケモンに進化する話なんて、そんなの、本でも読んだことないのに……」
リーリエ「ルナアーラさん……ううん、ほしぐもちゃん! わたし、しんちゃんとかあさまに会いたい!」
ルナアーラ「マヒナぺーアッ!!!」バサッ!
ルナアーラは翼をはためかせると、急上昇した。翼を満月のように広げると、夜空のような青い身体が白くなっていき、額にもうひとつの目が浮き出てきた。
164 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:15:51.63 ID:aMmubLhw0
すると、祭壇のモニュメントに光が出現し、空間が歪んでいく。ルナアーラは第三の目から光を放ち、空間の歪みに当てると、ウルトラホールへと変化した。
グラジオ「ウルトラホール……!」
みさえ「これでしんのすけを助けに行ける!」
その時だった。
銀色の光が祭壇を襲い地面を穿った! 全員が攻撃を受けた方向を見ると、空にはテッカグヤが、祭壇と洞窟の出入り口にアクジキングが立ってた。
テッカグヤ「フー……!」ゴゴゴゴ!!
アクジキング「ズモォォォォッ!!」
ひろし「あいつら! こんなところにまで!」
グラジオ「行け……! ここはオレが食い止める!」スッ
ハウ「おれも手伝うー!」スッ
リーリエ「にいさま! ハウさん!」
プルメリ「リーリエ! グズグズしてる暇はないよ! 早くルナアーラと一緒にウルトラホールの中に飛び込むんだ!」
リーリエ「……はい! お願いします! ほしぐもちゃん!」
ルナアーラ「マヒナぺーア!」グワッ
165 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:18:00.80 ID:aMmubLhw0
ハウ「アローラ防衛隊、ファイヤーだよー!」グッ!
リーリエ「ファイヤー! です!」グッ!
ルナアーラは急降下し、リーリエたち4人をかかえると、ウルトラホールの中へと飛び込んでいった!
バサッ!
グワァァァァッ キィーーーン!
グラジオ「頼んだぞ! ヌル!」ヒョイッ
ハウ「行くよー! ライチュウ!」ヒョイッ
ヌル「オオオッ!」ポンッ
ライチュウ「ライラーイッ!」ポンッ
グラジオ「ハウ……オマエがいてくれてよかった。礼を言う」
ハウ「褒められちゃったー照れるなー」
グラジオ「『BLASTER』は任せた。オレは『GLUTTONY』をやる!」
ハウ「へへー任せられたー! ライチュウ、10まんボルーー」
その時、空から1匹のポケモンが回転しながらテッカグヤへと激突し、地面へと落下させる。同時に、ポケモンも地面に着地する。
バンバドロ「ムヒイウンッ!」ズザザザッ!
166 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:18:37.24 ID:aMmubLhw0
グラジオ「バンバドローー!」
???「まったく……わらわを差し置いてこのポニ島の中で暴れるとはいい度胸じゃ」テクテク
ハウ「ハプウさん!」
ハプウ「お主らが全力疾走する姿が見えてな。ライドギアを渡そうと思ったが、今の状況を見る限り、必要なさそうじゃな」
ハウ「手伝ってくれるのー?」
ハプウ「もちろんじゃ。伝説のポケモンを見れて、気分も良いしな! このハプウとバンバドロ、最初からゼンリョクでビーストを迎え撃とうぞ」
グラジオ「よし……ホールを守りきるぞ!」
ハウ「うんー!」
ハプウ「うむ!」ギンッ!
167 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:19:54.53 ID:aMmubLhw0
ウルトラスペース
ブゥゥゥンッ!
リーリエ「きゃっ!」ドサッ!
ひろし「うわっ……と!」ドサッ!
みさえ「イタタ……」
プルメリ「……ここがビーストの世界」
リーリエたちは周囲を見渡すと、自分たちは別の世界に来たことをまざまざと思い知らされた。
まるで深海にいるような暗さ、奇妙な植物や岩、そして浮遊しているウツロイドたち。見ているだけで不安になる。
リーリエ「思っていたよりきれいな場所で……驚いています。でも……空気がどんよりと、なんだか苦しい……」
みさえ「ここに、しんのすけがいるのよね……」
プルメリ「グズマもね……」
168 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:20:45.45 ID:aMmubLhw0
リーリエはふと、空に浮かんでいるウツロイドをみやった。
リーリエ「博士は……ウルトラビーストもポケモンかもしれないと言ってました。だとすると、ウルトラビーストさんと呼ぶべきでしょうか」
ひろし「ああ、そうかもしれないな」
リーリエ「……行きましょう!」
ルナアーラ「……マヒナぺーア!」
待って、と言いたげに、ルナアーラがリーリエを呼び止めた。
リーリエ「どうした……の?」
ルナアーラが、息を切らしたように身体を震わせてリーリエを見据える。
みさえ「なんだか、弱っている気がするわ」
リーリエ「初めてウルトラホールを開いたから……疲れているのでしょうか?」
ルナアーラ「マヒナぺーア」コクン
プルメリ「さすがに伝説のポケモンといえど、別の世界に行くには相応の体力が必要ってことだね。よく頑張ったよ」
リーリエ「ありがとうね、ほしぐもちゃん。ビーストさんの世界に連れてきてくれて……!次はわたしの番ですね! 必ず、しんちゃんとかあさまをここへ連れてきますから! ここでゆっくり休んでください」
ルナアーラ「マヒナぺィーア」
169 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:21:50.66 ID:aMmubLhw0
みさえ「でも、どうやって探せばいいのかしら?」
すると、ひろしのそばで控えていたシロがリーリエたちの前に立った。
シロ「……」クンクン
ひろし「シロ、どうしたんだ?」
シロ「キャンキャン!」
みさえ「しんのすけの場所が分かるの?」
シロ「アンッ!」
みさえ「シロ……きっと、しんのすけのニオイを嗅いだのよ!」
ひろし「追いかけようぜ! まずは1人でもいいから誰かを見つけるんだ!」
プルメリ「そうだね……代表と一緒にいたグズマなら、なにか知ってるかもしれないね」
リーリエ「しんちゃん、待っててくださいね! 今、助けに行きますから!」
170 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:23:45.75 ID:aMmubLhw0
リーリエたちは、ニオイを辿って歩くシロを先頭にしつつ、ウルトラスペース内を歩き回った。
途中、アローラでうんざりするほど見かけたウルトラビーストたちがウルトラスペース内を闊歩しているのを目撃し、なるべく戦闘を避けるために身を潜めながら進んでいった。迷わないように、あらかじめひろしが持ち込んできた頑丈なロープを地面に垂らして帰り道を作る。
リーリエ「本当に、ビーストさんばかりの世界なんですね……」
プルメリ「多分だけど、この世界は他の世界に繋がる中間地点だと思うよ。だから、ここから様々な世界からビーストが行き交っているんだ」
ひろし「宅配で言うなら、流通した荷物の集まるベースか。ルザミーネはここから、ウルトラビーストをアローラへ『出荷』させてるってところだな」
みさえ「ここに人間が迷い込むこともあるのかしら?」
プルメリ「別の世界からやってきた人間が、アローラに流れ着く。逆もまた然り。可能性はあるかもね」
リーリエ「元の世界へ帰れなくなるなんて……そんなの、悲しいです。かあさまも、グズマさんも、しんちゃんも、そんなことさせません!」
ひろし「ああーー」
シロ「……キャンキャンッ!」
ひろし「シロ? なにか見つけたのか?!」
???「ポケモンの声……?」
プルメリ「……その声、まさかっ!」
171 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:24:58.67 ID:aMmubLhw0
プルメリは人の声がした方へ走り出した。ひろしたちも後に続いていく。
緩やかな岩のカーブを曲がっていくと、果たしてそこには、岩場に座り込んでいるグズマの姿があった。
グズマはプルメリたちの姿を見たとたん、まるで怪物でも見たかのように心底驚いた表情で迎え入れた。
プルメリ「グズマ! グズマなんだね!」
グズマ「……本当に、来やがっただと?」
リーリエ「ご無事だったんですね!」
ひろし「お前、確かエーテルパラダイスでルザミーネと一緒にいた……!」
みさえ「ねえ、しんのすけはどこにいるの?」
グズマ「うるせぇっ! てめーら一斉に喋るな!」
全員「……!」
グズマ「プルメリ、それに代表の娘、後のやつらは知らねえが……」
みさえ「私たちはしんのすけの親よ!」
ひろし「しんのすけはどこに行ったんだ? お前は確かルザミーネと一緒にいたよな?」
グズマ「しんのすけ……あのじゃがいも小僧のことか。そうか、お前らが親かよ」
172 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:26:04.31 ID:aMmubLhw0
リーリエ「お願いします。しんちゃんとかあさまを探しているんです」
グズマ「知らねえよ。ただ、あのじゃがいも小僧とは一度そこら辺で会ったが、帰れる帰るとピーピー喚いて、どこか行っちまったぜ」
ひろし「ということは、少なくともあの後、ルザミーネから逃げられたってことだな!」
みさえ「よかった……!」
グズマ「お前らは代表に連れてこられたってクチじゃねぇな。一体全体どんな手段でこっちに来たのか……。ホントにバカだな」
プルメリ「アンタを連れ戻せるのなら、いくらでもバカになってやるよ」
プルメリ「……なあ、ちょっとグズマとふたりっきりで話、させてくれないかい? アンタらも急いでるんだろ? あたいもグズマを説得したら、すぐに助けに行くからさ。頼む」
ひろし「ああ、ロープはそのまま垂らしておくから、それを伝って来てくれ」
プルメリ「すまないね」
プルメリ「……リーリエ」
リーリエ「はい!」
プルメリ「しんのすけと代表、絶対取り戻すんだよ。お姫様が王子様を救うって物語も、悪くないだろ?」
リーリエ「必ず助け出します! しんちゃんも、かあさまも!」
リーリエたちは再びシロが嗅いでいるしんのすけのニオイを頼りに、ウルトラスペースの奥へと進んでいった。
173 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:28:08.82 ID:aMmubLhw0
残ったプルメリとグズマの間に、沈黙が漂う。最初に口火を切ったのは、グズマだった。
グズマ「お前……本当にオレを連れ戻しに来たってのかよ」
プルメリ「そうだよ。わざわざそのために、伝説のポケモンの力を借りて、ここまで来たんだ」
プルメリ「さ、帰ろう。グズマ」
グズマ「今更なんだってんだ。わかってるんだろ? 今のアローラは、ビーストに破壊され尽くされちまっている。ここにいようがアローラに帰ろうが、変わんねえよ」
プルメリ「ああ、確かに代表のせいで、アローラはひどい有様さ。だけどね、アローラの人たちだって、ただ黙って自分たちの住んでる街を壊されるのを眺めているわけじゃないんだよ」
プルメリ「知ってるかい? しまキングやキャプテン、カプたちだけじゃない。スカル団のみんなも、必死でアローラを守ってるんだよ。アンタが帰ってくるのを待ちながらさ」
グズマ「あいつらが……?」
プルメリ「ああ、あたいもクチナシとマーレインに言いくるめながらも、ビーストと戦ってきたんだ。あいつらも、ビーストとの戦いでたくましく成長してるはずだよ」
グズマ「……だとしてもよ、オレはお前らより代表を選んじまった。あいつらに見せる顔がねぇ」
プルメリ「なんだか、ずいぶん落ち着いたね。こっちでよっぽどエライ目にあったんだね」
プルメリ「しっかりしな! あんたはもうボスじゃないけど、たくさんの人に慕われてるんだからさ! 本当に見限られてるなら、あたいがこんなとこまで迎えに来ないって!」ポンッ
プルメリ「いいかいグズマ、アンタもあたいも元々は誰にも理解されなかった、いわゆるはずれ者だよ。だけどね、その時にはなかったけど、今はあるものがあるんだよ。わかるかい?」
グズマ「は……?」
174 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:29:46.95 ID:aMmubLhw0
プルメリ「『仲間』だよ。みんながアンタの事を理解してる。そしてアンタも、あいつらの事を理解してるんだよ。あたいらには互いに自分たちの痛みを知ってる人達がいる。もう一人ぼっちじゃないんだ」
グズマ「……」
プルメリ「失敗したんならさ、また立ち直りゃいいんじゃないの。そうやって人もポケモンも、強くなっていくんだからさ。今のアローラはボロボロだけど、みんながひとつになって、きっと立ち直っていくよ。今よりとっても良くなってね。そこにグズマもあたいも、居たいだろ?」
プルメリ「そのためにもさ、アローラへ償いをしようよ。グズマの罪も、あたいらみんなが一緒に背負ってあげるからさ」
グズマ「……」
ーー嘘つけ、スケスケおパンツ団の人たちがいるクセに
ーーおじさんも、スケスケおパンツ団の人とか、プルメリのおねいさんが迎えに来るもん!
グズマ「ーーッ!」
グズマ「グズマァ!! なにやってるんだああ!!」ガクガクッ
175 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/15(木) 20:30:21.36 ID:aMmubLhw0
グズマ「……ハァハァ」
プルメリ「吹っ切れたかい? さ、あのヒモを伝って戻りなよ。伝説のポケモンがいるから、一緒にいればきっと帰れるよ」
グズマ「……その前に、代表のところへ行く」
プルメリ「え?」
グズマ「代表には、いろいろ世話になっちまったからな。だから、筋通しに行くんだよ」
プルメリ「……そうかい。ま、あたいもしんのすけの両親と約束しちまったからね。さっさと追いかけようか」
グズマ「……ああ!」
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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