しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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848 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:12:53.58 ID:CVZsSMq50
ハプウ「お主たちの技はしっかりバンバドロに通っておるぞ。じゃが、わしのバンバドロは鍛え抜かれた鉄の意志と鋼の肉体の持ち主じゃ。ちょっとやそっとの技を真正面から受けたところで、びくともせん」
みさえ「ねぇ、あなた。どうしたら倒せるの?」
ひろし「どうしたらって言われてもな……」
ジュナイパー『くそっ、どうしたら……!』
しんのすけ「カザマくんっ、あっちあっち!」
ジュナイパー『えっ……?』
しんのすけが指し示したのは、このバトルの序盤で、ディグダが掘りまくっていた穴の地帯だった。
そして次にしんのすけは、マサオの入ったモンスターボールを見せる。
ハプウ「ん……?」
ジュナイパー『……そうか! 分かった! しんのすけがやりたいことが分かったよ!』
カザマは羽ばたくと、しんのすけが指示した場所へと降り立った。そして、矢羽根をつがえてバンバドロへ放つ。
ジュナイパー『さあ、Zワザでもなんでもかかってこいっ!』
ハウ「あんなところに移動して、どうするつもりなんだろー?」
849 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:13:59.99 ID:CVZsSMq50
ハプウ(あれはダグトリオの掘った穴ーー大方、バンバドロを落として身動きが取れないところで攻めると言ったところかの)
ひろし「バンバドロを落とそうっていうのか?」
ロトム図鑑「バカ、そんなバレバレな作戦してどうするんだっつーの!」
ハプウ「……良いじゃろう、しんのすけ! おぬしの挑発に乗ってやろう!」
ハプウ「文字通り、穴に入ってやろうではないか。地の底の底まで潜ってやろうぞ!」
しんのすけ「!」
バッ バッ グルンッ ズンッ
ハプウ「ほにゃあ!」バァーン!
ピカッ! ゴウッ!!
バンバドロは Zパワーを 身体に まとった!
ククイ博士「Zワザだ! 来るぞ!」
バンバドロが 解き放つ
全力の Zワザ!
ラ イ ジ ン グ ラ ン ド オ ー バ ー !
850 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:15:37.68 ID:CVZsSMq50
バンバドロ「ムヒイウンッッ!」ズンッッ!!
ジュナイパー『うわっ!』
バンバドロが前足を踏みしめ地ならしをすると、地割れが起きてカザマがその中へ落下していった!
そしてカザマが落下してる最中に、Zパワーをまとったバンバドロが、全速力でカザマに突進! そのまま押し切りながら、地盤も貫きどんどん地の底へ向かってゆく!
バンバドロ「……ッ!」
ジュナイパー『うわぁぁっ! うっ! ぐぅっ!』
やがてマントルまで到達すると爆発を起こし、バンバドロとカザマが地割れの中から戻ってきた。
ジュナイパー『う、ううっ……』ピクピクッ
バンバドロ「ムヒィィーウン!」ブルルッ
851 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:16:46.32 ID:CVZsSMq50
静寂が訪れる。わずかに聞こえるのは、トリトドンとマサオが戦闘で放った水が、Zワザの余波で出来た大穴やダグトリオの掘った穴に流れる音だけだ。
しんのすけ「カザマくん……」
ハプウ「惜しかったの。しんのすけ」
ハプウ「ここまでわしとバンバドロが追い詰められたのは久方ぶりじゃ。あともう一息、と言ったところかの」
しんのすけ「……」
ひろし「しんのすけ……」
みさえ「そんな、しんちゃん負けちゃったの?」
リーリエ「しんちゃん……」
ハプウ「だが、この敗北は決して無意味なものではないはずじゃ。もっと精進して、再びわしに挑んでこい。いつでもわしとバンバドロはお前の挑戦を待っておるぞ」
852 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:18:21.09 ID:CVZsSMq50
しんのすけ「ハプウちゃん、なんかかっこいいコト言ってるけどーー」
ハプウ「?」
しんのすけ「オラ、まだ1匹残ってるよ?」スッ
しんのすけが手に持っているのは、マサオの入ったモンスターボールだ。
ヨワシ(ボール)『えっ? 僕なの?』
ククイ博士「あれはさっきのヨワシ……マサオか?」
ハウ「でも、もう群れは散っちゃったんでしょー?」
ロトム図鑑「たたきにされるぞ」
ハプウ「……しんのすけ、降参するのもひとつの勇気じゃ。お前さんのポケモンはよく鍛え上げられておる。また挑戦すればよいじゃろ」
ハプウ「それとも、群れを纏う力も無いそやつを出して、無駄に傷つけることが望みかの?」
853 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:19:06.56 ID:CVZsSMq50
しんのすけ「オラ、諦めないもん。絶対に島巡りチャンピオンになって、おねいさんにモテモテになるもん!」
ハプウ(……自暴自棄になったわけじゃない。動機は不純だが、活路を見出しておる面持ちじゃ)
ハプウ「なら、そやつでわしとバンバドロを乗り越えてみせろ。お前の最後のゼンリョクを見せてみよ。野原しんのすけ!!」
しんのすけ「おっしゃー! レッツラゴー! マサオくん!!」ヒョイッ
ヨワシ(単)『え、ええっ? 僕が勝てるの? もう群れは纏えないよ?』ポンッ!
ジュナイパー(ボール)『大丈夫、いいかい? これから僕の言う作戦と、しんのすけの言うことを聞くんだ! そうすればあいつに勝てる!』
ヨワシ(単)『……でも』
ジュナイパー(ボール)『これは今の君じゃないとできないことなんだ!』
キテルグマ(ボール)『もうあんたしか残ってないの! 自信持ちなさい!』
ミミッキュ(ボール)『グッドラック!』b
しんのすけ「マサオくんかっこよかったってあの白いポケモンに伝えてやるゾ」
ヨワシ(単)『…………』
ヨワシ(単)『……わかった! 僕、みんなを信じる!』
854 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:20:38.13 ID:CVZsSMq50
ハプウ「ではーーゆくぞ、しんのすけ!」
しんのすけ「こぉぉいっ!」バンバンッ!
ハプウ「バンバドロ! ヘビーボンバーじゃ!」
バンバドロ「……!」ダッ!
バンバドロはマサオに一直線に駆け出し、ジャンプ! そして回転するとマサオに向かって落下していく!
ドドドドドド!!!
しんのすけ「マサオくんっ!」
ヨワシ(単)「!」
ズ ズ ン ッ !
バンバドロのヘビーボンバーが地面に激突し、砂煙が巻き起こる。地面にヒビが入り、泥水が染み出した。
ひろし「ど、どうなったんだ?」
リーリエ「マサオさんは……?」
855 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:22:28.46 ID:CVZsSMq50
砂煙が晴れると、体勢を立て直すバンバドロの姿があった。
そしてヘビーボンバーを食らって戦闘不能になっているはずのマサオの姿はーーなかった。
ハプウ「なに?!」
バンバドロ「……!」
ハウ「あれー?! マサオはー?」
驚く一同。ハプウもバンバドロも例外ではなく動揺していた。一体どこへマサオが消えてしまったのか、あたりを見渡す。
ハプウはそこで、ダグトリオが掘った、水で満たされた穴に目が行った。そこで、ハプウはしんのすけの企み全てを察した。
ハプウ「まさかーー! そこから離れよ! バンバ……」
しんのすけ「マサオくんっ! ファイヤーーーッ!!」
ヨワシ『フ ァ イ ヤ ー ー ー ー ッ ! ! 』
しんのすけとマサオの掛け声と同時に、バンバドロの真下の地面がさらにひび割れて、地面を突き破りながら勢いよくハイドロポンプが噴射された!
激流はバンバドロの腹に直撃し、そのまま勢いよく空中へと放り出された。
バンバドロ「ヒヒウ……!?」
ハプウ「……!」
856 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:23:14.55 ID:CVZsSMq50
しんのすけとマサオを除く一同が唖然とするなか、バンバドロは大きな音を立てて、マサオのハイドロポンプやトリトドンのだくりゅうで出来た水たまりへ落下した。
バシャッ!!
バンバドロ「ムッ……! ムヒィ……」
水たまりの中で、バンバドロは横たわりながらもがいて脱出しようとするが、その体力は残っていなかった。ハイドロポンプを食らった際、急所である腹を直撃したからだ。
そのままバンバドロは負けを認めたように足を動かすのをやめて、悔しそうにハプウを見た。
ハプウ「バンバドロ……」
みさえ「……勝った」
ひろし「勝ったんだ……! しんのすけが、勝ったんだ!」
ハウ「やったーー!」
リーリエ「バンバドロさんをあんなふうに倒すなんて……!」
ひまわり「たいやー!」
ククイ博士「すごいぜしんのすけ! バンバドロの真下からハイドロポンプを打つなんて!」
しんのすけ「いやぁ照れますなぁ」
857 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:24:29.07 ID:CVZsSMq50
ジュナイパー(ボール)『マサオくんもお疲れ様! よくやったよ!』
ヨワシ『え、えへへっ……僕はただ、しんちゃんとカザマくんの言う事しか聞いてなかったから』
キテルグマ(ボール)『あんたもっと誇りなさいよ。群れがなくったって強いんだから!』
ミミッキュ(ボール)『ガッツが、ある』
しんのすけ「安心しなさい、会ったらちゃんと伝えたげるから」
ヨワシ『う、うん、ありがとう、しんちゃん』
ロトム図鑑「ふっ、私の綿密な作戦が功を喫したな」
ひろし&みさえ「お前なんもやってないだろっ!」
ハプウ「……しんのすけ」
しんのすけ「お?」
ハプウ「わしらの負けじゃ」
858 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:26:00.30 ID:CVZsSMq50
ハプウ「いやぁ、たまげたぞ! ダグトリオの掘った穴がトリトドンやマサオの技で水いっぱいになったところに、単独の姿になったマサオを潜り込ませ、ハイドロポンプで奇襲をかけるとは……」
しんのすけ「ま、こんなくらいどうってことありませんから」
ジュナイパー(ボール)『ほとんど即興だったんだろ?』
ミミッキュ(ボール)『でも、よく思いついた。しんちゃんすごい』
ハプウ「お前のゼンリョク……大胆な発想、最後まで諦めない意志、友を信じる心、この目でしかと見届けたぞ」
しんのすけ「いやぁ」テレテレ
ハプウ「本当に面白いヤツじゃ。ゼンリョクを尽くしても勝てないすごさ……いろいろ学べて感謝じゃ、しんのすけ!」ニィッ
ひろし「みさえ……俺たちが知らないあいだに、しんのすけはこんなに成長してたんだな」
みさえ「ええ、とっても誇らしいわ」
ひまわり「た!」
ハプウ「では、じめんタイプのZクリスタル……ジメンZを授けるぞ!」
しんのすけは ジメンZを 手に入れた!
しんのすけ「正義は勝つ! ワッハッハッハッ!」
大 試 練 達 成 !
859 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:27:29.52 ID:CVZsSMq50
ハプウ「ポーズも授けるから、しかとみておれ!」
しんのすけ「ほいっ」
ハプウ「うぅ……!」ギンッ!
バッ バッ グルンッ ズンッ
ハプウ「ほにゃあ!」バァーン!
しんのす「おお、なかなかいいターンですな。オラも!」
バッ バッ プリッ グルンッ ズンッ
しんのすけ「ぷるるん!」バァーン!
ハプウ「いや、尻は出さんでよい……」
みさえ「対抗して掛け声出さなくてもいいの」
リーリエ「しんちゃん! これで4つの島全ての大試練、達成ですね!」
しんのすけ「そーいえば、そうだね」
ククイ博士「後はウラウラのラナキラマウンテンに登って、大大試練を乗り越えれば、しんのすけの島巡りは達成だ!」
ハウ「わー! おれも早くしんのすけに追いつかなくっちゃ! ハプウさん! おれと戦ってー!」
ハプウ「これこれ、そう慌てんでもわしは逃げんぞ。まずはリーリエじゃ」
860 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:30:42.89 ID:CVZsSMq50
ハプウ「リーリエ、ここを通り抜け、祭壇に向かうのだ! 大峡谷は祭壇につながる道、修行するトレーナーもおって、道のりは厳しいぞ」
リーリエ「はい!」
ハプウ「リーリエもここが踏ん張りどころじゃ。なにかあれば、わしもバンバドロと駆けつけるでな!」
リーリエ「ハプウさん! わたし、やります!!」
ーーカプゥーレ!
全員「!」
みさえ「今の声は……ポケモン?」
ハプウ「おお! 珍しいのう。カプ・レヒレが我らの前でさえずりを上げるなど……」
しんのすけ「なんで?」
ククイ博士「カプ・レヒレは、ある理由で人間の前に姿をめったに見せないんだ。こうして声を上げることだって、そうそうないことなんだよ」
しんのすけ「ほうほう」
ハプウ「カプに選ばれたしんのすけが、4つの島の大試練を終えたことに対して祝福しとるのかもしれんな」
861 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:32:18.46 ID:CVZsSMq50
ーーカプゥーレ!
ハプウ「……!」ピクッ
ひろし「あ、また聞こえた!」
しんのすけ「どしたの?」
ハプウ「どういうことじゃ? ……『逃げろ』とは」
ハプウが言葉を言い終えた瞬間だった。
ズズンッ!
しんのすけたちの目の前ーーポニの大峡谷の入口に、突然白い光が現れた。
みさえ「な、なにっ?!」
ハプウ「これは……!?」
白い光は空間にヒビを入れるように侵食していくと、巨大な穴へ変貌した。穴の奥は光に包まれ、そこから虹色の波動が外に解き放たれていく。
ハウ「ウルトラホールだよー!」
862 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:35:18.15 ID:CVZsSMq50
ククイ博士「これがバーネットの言ってたウルトラホール……!」
しんのすけ「誰かいる!」
全員がウルトラホールの出現に仰天していると、ホールの奥から、人影が現れた。コツコツというヒールの足音を響かせて、ホールの外へと出てくる。
???「フフフ……」
ひろし「あ、あんたはっ!」
リーリエ「かあさまっ!」
リーリエにかあさまと呼ばれた人物ーールザミーネは、不気味な微笑みを浮かべながら、ウルトラホールから現れた。
ルザミーネ「ウツロイドに導かれて出てきたと思ったら、まさかアナタたちがいるなんて……。奇妙な偶然もあるものね」
みさえ「この人って、あなたの会社の……」
ひろし「あぁ、エーテル財団の代表……そしてリーリエちゃんの母のルザミーネだ」
しんのすけ「40越えてるけどかーちゃんより美人だゾ」
みさえ「うるさいわねっ! 知ってるわよ!」
863 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:38:33.31 ID:CVZsSMq50
ククイ博士「まさかこんな形で、あなたと出会うとは思いませんでした。代表」
ルザミーネ「あら? あなたは確か……ククイ博士だったかしら? ポケモンの技に興味がおありで、研究を進めているとか」
リーリエ「かあさまっ! グズマさんはどうなさったのですか?!」
ルザミーネ「グズマ? あぁ、別にあんな人、もうどうだっていいのですよ。元の世界に連れて帰ろうとしてわたくしを困らせるのですよ? 愚かにも程があります!」
リーリエ「……そうやって、ここでもエーテルパラダイスでも、自分のことばかりっ!」
ルザミーネ「何を今更……だってそうでしょう! わたくしは! わたくしの好きなものだけがあふれる世界で生きるの!」
ルザミーネ「たとえ自分の子供でも!」
ルザミーネ「どれだけわたくしを慕っていても!」
ルザミーネ「珍しいとされるポケモンだとしても!」
ルザミーネ「わたくしが愛を注げる美しいものでなければ、ジャマでしかないのです!」ギロッ
みさえ「なんなの……この人。本当にあなたが言ったとおり……!」
ひろし「……だろ?」
864 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:40:14.71 ID:CVZsSMq50
ハプウ「……ご婦人、お取り込み中のところ失礼する。わらわは、ポニ島のしまクィーン、ハプウじゃ」
ルザミーネ「しまクィーン……それがどうかしまして?」
ハプウ「此度のビーストの事件は、そなたが元凶としんのすけとリーリエから聞かされていた。なにゆえ、このような事態を引き起こしたのじゃ? その目的は?」
ルザミーネ「そんなくだらないこと、聞くのですね。決まっているでしょう? ウルトラホールの向こう側にある世界から、ビーストちゃんたちをアローラに呼び寄せて、世界中をビーストちゃんで満たしていくのです」
ルザミーネ「異世界のポケモンであるビーストと、愛しいポケモンが混じり合う究極の愛に満ち溢れた世界。その理想郷を作り上げることがわたくしの夢なのですから」
ハプウ「馬鹿げたことを……このアローラがそのビーストとやらで溢れかえれば、間違いなくアローラーーいや、世界中が混乱に陥る。そなたの言う愛とは程遠い世界じゃ。それが望みなのか!」
ルザミーネ「えぇ、わたくしは愛しい子供たちを束縛したりしませんから。ここにいる人間の命など、どうでもいいことです」
ルザミーネ「ですが!」ギロッ!
ルザミーネ「そこにいる野原しんのすけくん……! その子だけは、絶対に許しません! 生かしておくわけにはいきませんの!」
しんのすけ「オラが? いやあ照れますなぁ」
ハウ「褒めてるわけじゃないよー!!」
865 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:41:24.10 ID:CVZsSMq50
みさえ「どうしてうちのしんのすけが! アンタに何したっていうのよっ!」
ルザミーネ「うちのしんのすけ? そう、あなたがしんのすけ君の母なのね。ならば、同じ母親同士、少しはわたくしの気持ちも分かるのではなくって?」
ルザミーネ「その子は、エーテルパラダイスでわたくしの計画を邪魔したからです。あんな穢らわしい異臭物をよくもわたくしの鼻に……!」
ひろし「……」
ルザミーネ「それに、しんのすけ君と出会ったから、リーリエは醜く変わってしまったからです! 幼い頃は、わたくしの言うことをなんでも聞いてかわいかったのに、親に逆らうだなんて……それもこれも全て、しんのすけ君の所為ですっ!!」
リーリエ「わたしが変わったのはわたし自身の意志です! しんちゃんは関係ありません!」
ルザミーネ「黙りなさい! ですからしんのすけ君! あなたを始末します!」
しんのすけ「ポケモンの散歩したらちゃんとフンは片付けなきゃね」
ひろし「それは後始末! しかもそういう意味じゃねぇよ!」
ハウ「ちょっとは空気読もうよー」
ハプウ「お主たちの技はしっかりバンバドロに通っておるぞ。じゃが、わしのバンバドロは鍛え抜かれた鉄の意志と鋼の肉体の持ち主じゃ。ちょっとやそっとの技を真正面から受けたところで、びくともせん」
みさえ「ねぇ、あなた。どうしたら倒せるの?」
ひろし「どうしたらって言われてもな……」
ジュナイパー『くそっ、どうしたら……!』
しんのすけ「カザマくんっ、あっちあっち!」
ジュナイパー『えっ……?』
しんのすけが指し示したのは、このバトルの序盤で、ディグダが掘りまくっていた穴の地帯だった。
そして次にしんのすけは、マサオの入ったモンスターボールを見せる。
ハプウ「ん……?」
ジュナイパー『……そうか! 分かった! しんのすけがやりたいことが分かったよ!』
カザマは羽ばたくと、しんのすけが指示した場所へと降り立った。そして、矢羽根をつがえてバンバドロへ放つ。
ジュナイパー『さあ、Zワザでもなんでもかかってこいっ!』
ハウ「あんなところに移動して、どうするつもりなんだろー?」
849 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:13:59.99 ID:CVZsSMq50
ハプウ(あれはダグトリオの掘った穴ーー大方、バンバドロを落として身動きが取れないところで攻めると言ったところかの)
ひろし「バンバドロを落とそうっていうのか?」
ロトム図鑑「バカ、そんなバレバレな作戦してどうするんだっつーの!」
ハプウ「……良いじゃろう、しんのすけ! おぬしの挑発に乗ってやろう!」
ハプウ「文字通り、穴に入ってやろうではないか。地の底の底まで潜ってやろうぞ!」
しんのすけ「!」
バッ バッ グルンッ ズンッ
ハプウ「ほにゃあ!」バァーン!
ピカッ! ゴウッ!!
バンバドロは Zパワーを 身体に まとった!
ククイ博士「Zワザだ! 来るぞ!」
バンバドロが 解き放つ
全力の Zワザ!
ラ イ ジ ン グ ラ ン ド オ ー バ ー !
850 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:15:37.68 ID:CVZsSMq50
バンバドロ「ムヒイウンッッ!」ズンッッ!!
ジュナイパー『うわっ!』
バンバドロが前足を踏みしめ地ならしをすると、地割れが起きてカザマがその中へ落下していった!
そしてカザマが落下してる最中に、Zパワーをまとったバンバドロが、全速力でカザマに突進! そのまま押し切りながら、地盤も貫きどんどん地の底へ向かってゆく!
バンバドロ「……ッ!」
ジュナイパー『うわぁぁっ! うっ! ぐぅっ!』
やがてマントルまで到達すると爆発を起こし、バンバドロとカザマが地割れの中から戻ってきた。
ジュナイパー『う、ううっ……』ピクピクッ
バンバドロ「ムヒィィーウン!」ブルルッ
851 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:16:46.32 ID:CVZsSMq50
静寂が訪れる。わずかに聞こえるのは、トリトドンとマサオが戦闘で放った水が、Zワザの余波で出来た大穴やダグトリオの掘った穴に流れる音だけだ。
しんのすけ「カザマくん……」
ハプウ「惜しかったの。しんのすけ」
ハプウ「ここまでわしとバンバドロが追い詰められたのは久方ぶりじゃ。あともう一息、と言ったところかの」
しんのすけ「……」
ひろし「しんのすけ……」
みさえ「そんな、しんちゃん負けちゃったの?」
リーリエ「しんちゃん……」
ハプウ「だが、この敗北は決して無意味なものではないはずじゃ。もっと精進して、再びわしに挑んでこい。いつでもわしとバンバドロはお前の挑戦を待っておるぞ」
852 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:18:21.09 ID:CVZsSMq50
しんのすけ「ハプウちゃん、なんかかっこいいコト言ってるけどーー」
ハプウ「?」
しんのすけ「オラ、まだ1匹残ってるよ?」スッ
しんのすけが手に持っているのは、マサオの入ったモンスターボールだ。
ヨワシ(ボール)『えっ? 僕なの?』
ククイ博士「あれはさっきのヨワシ……マサオか?」
ハウ「でも、もう群れは散っちゃったんでしょー?」
ロトム図鑑「たたきにされるぞ」
ハプウ「……しんのすけ、降参するのもひとつの勇気じゃ。お前さんのポケモンはよく鍛え上げられておる。また挑戦すればよいじゃろ」
ハプウ「それとも、群れを纏う力も無いそやつを出して、無駄に傷つけることが望みかの?」
しんのすけ「オラ、諦めないもん。絶対に島巡りチャンピオンになって、おねいさんにモテモテになるもん!」
ハプウ(……自暴自棄になったわけじゃない。動機は不純だが、活路を見出しておる面持ちじゃ)
ハプウ「なら、そやつでわしとバンバドロを乗り越えてみせろ。お前の最後のゼンリョクを見せてみよ。野原しんのすけ!!」
しんのすけ「おっしゃー! レッツラゴー! マサオくん!!」ヒョイッ
ヨワシ(単)『え、ええっ? 僕が勝てるの? もう群れは纏えないよ?』ポンッ!
ジュナイパー(ボール)『大丈夫、いいかい? これから僕の言う作戦と、しんのすけの言うことを聞くんだ! そうすればあいつに勝てる!』
ヨワシ(単)『……でも』
ジュナイパー(ボール)『これは今の君じゃないとできないことなんだ!』
キテルグマ(ボール)『もうあんたしか残ってないの! 自信持ちなさい!』
ミミッキュ(ボール)『グッドラック!』b
しんのすけ「マサオくんかっこよかったってあの白いポケモンに伝えてやるゾ」
ヨワシ(単)『…………』
ヨワシ(単)『……わかった! 僕、みんなを信じる!』
854 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:20:38.13 ID:CVZsSMq50
ハプウ「ではーーゆくぞ、しんのすけ!」
しんのすけ「こぉぉいっ!」バンバンッ!
ハプウ「バンバドロ! ヘビーボンバーじゃ!」
バンバドロ「……!」ダッ!
バンバドロはマサオに一直線に駆け出し、ジャンプ! そして回転するとマサオに向かって落下していく!
ドドドドドド!!!
しんのすけ「マサオくんっ!」
ヨワシ(単)「!」
ズ ズ ン ッ !
バンバドロのヘビーボンバーが地面に激突し、砂煙が巻き起こる。地面にヒビが入り、泥水が染み出した。
ひろし「ど、どうなったんだ?」
リーリエ「マサオさんは……?」
855 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:22:28.46 ID:CVZsSMq50
砂煙が晴れると、体勢を立て直すバンバドロの姿があった。
そしてヘビーボンバーを食らって戦闘不能になっているはずのマサオの姿はーーなかった。
ハプウ「なに?!」
バンバドロ「……!」
ハウ「あれー?! マサオはー?」
驚く一同。ハプウもバンバドロも例外ではなく動揺していた。一体どこへマサオが消えてしまったのか、あたりを見渡す。
ハプウはそこで、ダグトリオが掘った、水で満たされた穴に目が行った。そこで、ハプウはしんのすけの企み全てを察した。
ハプウ「まさかーー! そこから離れよ! バンバ……」
しんのすけ「マサオくんっ! ファイヤーーーッ!!」
ヨワシ『フ ァ イ ヤ ー ー ー ー ッ ! ! 』
しんのすけとマサオの掛け声と同時に、バンバドロの真下の地面がさらにひび割れて、地面を突き破りながら勢いよくハイドロポンプが噴射された!
激流はバンバドロの腹に直撃し、そのまま勢いよく空中へと放り出された。
バンバドロ「ヒヒウ……!?」
ハプウ「……!」
856 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:23:14.55 ID:CVZsSMq50
しんのすけとマサオを除く一同が唖然とするなか、バンバドロは大きな音を立てて、マサオのハイドロポンプやトリトドンのだくりゅうで出来た水たまりへ落下した。
バシャッ!!
バンバドロ「ムッ……! ムヒィ……」
水たまりの中で、バンバドロは横たわりながらもがいて脱出しようとするが、その体力は残っていなかった。ハイドロポンプを食らった際、急所である腹を直撃したからだ。
そのままバンバドロは負けを認めたように足を動かすのをやめて、悔しそうにハプウを見た。
ハプウ「バンバドロ……」
みさえ「……勝った」
ひろし「勝ったんだ……! しんのすけが、勝ったんだ!」
ハウ「やったーー!」
リーリエ「バンバドロさんをあんなふうに倒すなんて……!」
ひまわり「たいやー!」
ククイ博士「すごいぜしんのすけ! バンバドロの真下からハイドロポンプを打つなんて!」
しんのすけ「いやぁ照れますなぁ」
857 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:24:29.07 ID:CVZsSMq50
ジュナイパー(ボール)『マサオくんもお疲れ様! よくやったよ!』
ヨワシ『え、えへへっ……僕はただ、しんちゃんとカザマくんの言う事しか聞いてなかったから』
キテルグマ(ボール)『あんたもっと誇りなさいよ。群れがなくったって強いんだから!』
ミミッキュ(ボール)『ガッツが、ある』
しんのすけ「安心しなさい、会ったらちゃんと伝えたげるから」
ヨワシ『う、うん、ありがとう、しんちゃん』
ロトム図鑑「ふっ、私の綿密な作戦が功を喫したな」
ひろし&みさえ「お前なんもやってないだろっ!」
ハプウ「……しんのすけ」
しんのすけ「お?」
ハプウ「わしらの負けじゃ」
858 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:26:00.30 ID:CVZsSMq50
ハプウ「いやぁ、たまげたぞ! ダグトリオの掘った穴がトリトドンやマサオの技で水いっぱいになったところに、単独の姿になったマサオを潜り込ませ、ハイドロポンプで奇襲をかけるとは……」
しんのすけ「ま、こんなくらいどうってことありませんから」
ジュナイパー(ボール)『ほとんど即興だったんだろ?』
ミミッキュ(ボール)『でも、よく思いついた。しんちゃんすごい』
ハプウ「お前のゼンリョク……大胆な発想、最後まで諦めない意志、友を信じる心、この目でしかと見届けたぞ」
しんのすけ「いやぁ」テレテレ
ハプウ「本当に面白いヤツじゃ。ゼンリョクを尽くしても勝てないすごさ……いろいろ学べて感謝じゃ、しんのすけ!」ニィッ
ひろし「みさえ……俺たちが知らないあいだに、しんのすけはこんなに成長してたんだな」
みさえ「ええ、とっても誇らしいわ」
ひまわり「た!」
ハプウ「では、じめんタイプのZクリスタル……ジメンZを授けるぞ!」
しんのすけは ジメンZを 手に入れた!
しんのすけ「正義は勝つ! ワッハッハッハッ!」
大 試 練 達 成 !
859 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:27:29.52 ID:CVZsSMq50
ハプウ「ポーズも授けるから、しかとみておれ!」
しんのすけ「ほいっ」
ハプウ「うぅ……!」ギンッ!
バッ バッ グルンッ ズンッ
ハプウ「ほにゃあ!」バァーン!
しんのす「おお、なかなかいいターンですな。オラも!」
バッ バッ プリッ グルンッ ズンッ
しんのすけ「ぷるるん!」バァーン!
ハプウ「いや、尻は出さんでよい……」
みさえ「対抗して掛け声出さなくてもいいの」
リーリエ「しんちゃん! これで4つの島全ての大試練、達成ですね!」
しんのすけ「そーいえば、そうだね」
ククイ博士「後はウラウラのラナキラマウンテンに登って、大大試練を乗り越えれば、しんのすけの島巡りは達成だ!」
ハウ「わー! おれも早くしんのすけに追いつかなくっちゃ! ハプウさん! おれと戦ってー!」
ハプウ「これこれ、そう慌てんでもわしは逃げんぞ。まずはリーリエじゃ」
860 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:30:42.89 ID:CVZsSMq50
ハプウ「リーリエ、ここを通り抜け、祭壇に向かうのだ! 大峡谷は祭壇につながる道、修行するトレーナーもおって、道のりは厳しいぞ」
リーリエ「はい!」
ハプウ「リーリエもここが踏ん張りどころじゃ。なにかあれば、わしもバンバドロと駆けつけるでな!」
リーリエ「ハプウさん! わたし、やります!!」
ーーカプゥーレ!
全員「!」
みさえ「今の声は……ポケモン?」
ハプウ「おお! 珍しいのう。カプ・レヒレが我らの前でさえずりを上げるなど……」
しんのすけ「なんで?」
ククイ博士「カプ・レヒレは、ある理由で人間の前に姿をめったに見せないんだ。こうして声を上げることだって、そうそうないことなんだよ」
しんのすけ「ほうほう」
ハプウ「カプに選ばれたしんのすけが、4つの島の大試練を終えたことに対して祝福しとるのかもしれんな」
861 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:32:18.46 ID:CVZsSMq50
ーーカプゥーレ!
ハプウ「……!」ピクッ
ひろし「あ、また聞こえた!」
しんのすけ「どしたの?」
ハプウ「どういうことじゃ? ……『逃げろ』とは」
ハプウが言葉を言い終えた瞬間だった。
ズズンッ!
しんのすけたちの目の前ーーポニの大峡谷の入口に、突然白い光が現れた。
みさえ「な、なにっ?!」
ハプウ「これは……!?」
白い光は空間にヒビを入れるように侵食していくと、巨大な穴へ変貌した。穴の奥は光に包まれ、そこから虹色の波動が外に解き放たれていく。
ハウ「ウルトラホールだよー!」
862 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:35:18.15 ID:CVZsSMq50
ククイ博士「これがバーネットの言ってたウルトラホール……!」
しんのすけ「誰かいる!」
全員がウルトラホールの出現に仰天していると、ホールの奥から、人影が現れた。コツコツというヒールの足音を響かせて、ホールの外へと出てくる。
???「フフフ……」
ひろし「あ、あんたはっ!」
リーリエ「かあさまっ!」
リーリエにかあさまと呼ばれた人物ーールザミーネは、不気味な微笑みを浮かべながら、ウルトラホールから現れた。
ルザミーネ「ウツロイドに導かれて出てきたと思ったら、まさかアナタたちがいるなんて……。奇妙な偶然もあるものね」
みさえ「この人って、あなたの会社の……」
ひろし「あぁ、エーテル財団の代表……そしてリーリエちゃんの母のルザミーネだ」
しんのすけ「40越えてるけどかーちゃんより美人だゾ」
みさえ「うるさいわねっ! 知ってるわよ!」
863 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:38:33.31 ID:CVZsSMq50
ククイ博士「まさかこんな形で、あなたと出会うとは思いませんでした。代表」
ルザミーネ「あら? あなたは確か……ククイ博士だったかしら? ポケモンの技に興味がおありで、研究を進めているとか」
リーリエ「かあさまっ! グズマさんはどうなさったのですか?!」
ルザミーネ「グズマ? あぁ、別にあんな人、もうどうだっていいのですよ。元の世界に連れて帰ろうとしてわたくしを困らせるのですよ? 愚かにも程があります!」
リーリエ「……そうやって、ここでもエーテルパラダイスでも、自分のことばかりっ!」
ルザミーネ「何を今更……だってそうでしょう! わたくしは! わたくしの好きなものだけがあふれる世界で生きるの!」
ルザミーネ「たとえ自分の子供でも!」
ルザミーネ「どれだけわたくしを慕っていても!」
ルザミーネ「珍しいとされるポケモンだとしても!」
ルザミーネ「わたくしが愛を注げる美しいものでなければ、ジャマでしかないのです!」ギロッ
みさえ「なんなの……この人。本当にあなたが言ったとおり……!」
ひろし「……だろ?」
864 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:40:14.71 ID:CVZsSMq50
ハプウ「……ご婦人、お取り込み中のところ失礼する。わらわは、ポニ島のしまクィーン、ハプウじゃ」
ルザミーネ「しまクィーン……それがどうかしまして?」
ハプウ「此度のビーストの事件は、そなたが元凶としんのすけとリーリエから聞かされていた。なにゆえ、このような事態を引き起こしたのじゃ? その目的は?」
ルザミーネ「そんなくだらないこと、聞くのですね。決まっているでしょう? ウルトラホールの向こう側にある世界から、ビーストちゃんたちをアローラに呼び寄せて、世界中をビーストちゃんで満たしていくのです」
ルザミーネ「異世界のポケモンであるビーストと、愛しいポケモンが混じり合う究極の愛に満ち溢れた世界。その理想郷を作り上げることがわたくしの夢なのですから」
ハプウ「馬鹿げたことを……このアローラがそのビーストとやらで溢れかえれば、間違いなくアローラーーいや、世界中が混乱に陥る。そなたの言う愛とは程遠い世界じゃ。それが望みなのか!」
ルザミーネ「えぇ、わたくしは愛しい子供たちを束縛したりしませんから。ここにいる人間の命など、どうでもいいことです」
ルザミーネ「ですが!」ギロッ!
ルザミーネ「そこにいる野原しんのすけくん……! その子だけは、絶対に許しません! 生かしておくわけにはいきませんの!」
しんのすけ「オラが? いやあ照れますなぁ」
ハウ「褒めてるわけじゃないよー!!」
865 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 20:41:24.10 ID:CVZsSMq50
みさえ「どうしてうちのしんのすけが! アンタに何したっていうのよっ!」
ルザミーネ「うちのしんのすけ? そう、あなたがしんのすけ君の母なのね。ならば、同じ母親同士、少しはわたくしの気持ちも分かるのではなくって?」
ルザミーネ「その子は、エーテルパラダイスでわたくしの計画を邪魔したからです。あんな穢らわしい異臭物をよくもわたくしの鼻に……!」
ひろし「……」
ルザミーネ「それに、しんのすけ君と出会ったから、リーリエは醜く変わってしまったからです! 幼い頃は、わたくしの言うことをなんでも聞いてかわいかったのに、親に逆らうだなんて……それもこれも全て、しんのすけ君の所為ですっ!!」
リーリエ「わたしが変わったのはわたし自身の意志です! しんちゃんは関係ありません!」
ルザミーネ「黙りなさい! ですからしんのすけ君! あなたを始末します!」
しんのすけ「ポケモンの散歩したらちゃんとフンは片付けなきゃね」
ひろし「それは後始末! しかもそういう意味じゃねぇよ!」
ハウ「ちょっとは空気読もうよー」
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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