しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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795 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:34:35.42 ID:CVZsSMq50
リーリエ「……ふふっ。……しんちゃん」
ナデナデ
しんのすけ「……? どしたの?」
リーリエ「ずっと、わたしを守ってくれてありがとうね。今度はわたしが、ゼンリョクであなたを守ってみせますから。しんちゃんが、わたしを守ってくれたように」
しんのすけ「うむ、がんばリーリエたまえー」
リーリエ「無理やり言わなくていいですよ」
☆彡 ☆彡
リーリエ「あっ」
しんのすけ「おっ、流れ星!」
リーリエ「なにかいいことありそう……っというか、ありますよね!」
しんのすけ(島巡りチャンピオンになって、おねいさんたちに「しんちゃん素敵~」って言われますように)
リーリエ「さ、雨も上がりましたから……探しに行きましょう!」
しんのすけ「ほーい」
★挿入歌 月灯りふんわり落ちてくる夜★
796 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:35:39.29 ID:CVZsSMq50
リーリエは洞穴から出ると、しんのすけの手を引きながらナッシー・アイランドを走り出した。
リーリエはこれから起きるワクワクとドキドキを胸に秘めて笑顔を浮かべながら、しんのすけは女子大生のおねいさんだったら最高のシチュエーションなのに……まあいいや、と、ちょっと微妙そうな表情で。
月の笛を探し求めるそんな2人を、満月とダイヤモンドを散りばめたような星空は優しく見守っていた。
リーリエ「しんちゃん!」
しんのすけ「なにー?」
リーリエのそばに古びた台座が。その台座の上に、月光を浴びて輝く青い笛が飾られていた。
リーリエ「これが月の笛みたいですよ」
しんのすけ「オラが持つ~! オラが持つ~!」ピョンピョン
リーリエ「はいはい」
797 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:36:15.79 ID:CVZsSMq50
ロトム図鑑「ふむ……オークションにかければ、20万は行くかな」
リーリエ「そんなことしたらロトム図鑑さん、わたし怒りますから」
しんのすけ「おおっ、げきおこリーリエ……」
ロトム図鑑「ざぶとん一枚やろう」
しんのすけ「イェーイ!」
リーリエ「上手くないです……。とにかく、太陽と月、二本の笛が揃いましたね! 伝説のポケモンさんが現れるかわかりませんが、少なくとも音色を捧げられます!」
しんのすけ「リーリエちゃん、笛吹けるの? オラ吹けないから教えて」
リーリエ「え……」ピタッ
しんのすけ「…………」
リーリエ「…………」
リーリエ「で、では、団長さんといっしょに戻りましょう!」テクテク
ロトム図鑑「ごまかしたな」
しんのすけ「ごまかしたね」
798 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:36:50.46 ID:CVZsSMq50
コイキング丸
団長「やったなあ! 島巡りの人!! 祭壇で笛を吹くんやろ?」
リーリエ「はい!」
しんのすけ「笛の吹き方分からずじまいですけどね! えっへん」
ロトム図鑑「まいったか!」
リーリエ「威張らないでください」
団長「祭壇があるんは、ポニの大峡谷の奥の奥。ほんま自然の試練やで……」
リーリエ「はい、今日は身体を休めて、明日にも早く出発しようと思います!」
団長「ほな、がんばり!」
799 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:59:43.94 ID:CVZsSMq50
翌日 ポニの古道
しんのすけ「Zzz」
しんのすけ「……お?」
リーリエ「あ……やっと起きたんですね」
しんのすけ「ここはどこ? オラってミクリだっけ?」
リーリエ「野原しんのすけ、です」
リーリエ「ポケモンセンターで起こしてもまったく起きないんですから、おんぶしてここまで連れてきたんです」
しんのすけ「おお、それはそれはごくろーさんでした。じゃもっかいおんぶしておんぶ」ダキッ
リーリエ「わっ、ダメですっ! ちゃんとしんちゃんも歩いてくださいっ」
しんのすけ「いいじゃん、おねえちゃんおんぶ~」ユサユサ
しんのすけ「……!」ピタッ
リーリエ「……? どうかなさったんですか?」
800 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:01:08.55 ID:CVZsSMq50
しんのすけ「あれあれ」ユビサシッ
スカル団たち「…………」
リーリエ「……スカル団のみなさん!」
しんのすけ「なんでみんな横一列に並んで野グソしようとしてんの?」
全員「」ズルッ
したっぱA「そういう意味でしゃがんでるわけじゃねーよ!」
ドラコ「会いたかったぜ、じゃがいも小僧」
しんのすけ「よ! 師匠!」
リーリエ「師匠?」
しんのすけ「そう、スケスケおパンツ団のこの人、オラのお笑いの師匠なの」
ドラコ「笑わせまっせー見せまっせー! えんやこらしょー!」ペケペケペン♪
ドラコ「って、師匠じゃねぇよ! あたいらはーー」
801 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:05:04.34 ID:CVZsSMq50
ドラコ「いじっぱりのドラコ!」カーン!
おキン「れいせいのおキン!」カーン!
マミ「ひかえめのマミ!」カーン!
3人「三人合わせて、『スカル団黒ガバイト隊』!」バァーーーン!!!
リーリエ「」ポカン
したっぱB「ヨヨヨー、そんなことするためにここにいるんスカ?」
ドラコ「あ、そうだな」
おキン「おい、あんたら、エーテルで聞いたけどよ、グズマさんを助ける方法、知ってるんだってな」
しんのすけ「くさやのおじさんのこと?」
マミ「てゆうか、必ず聞き出してやるから!」
ドラコ「お前ら手ェ出すんじゃねぇ。ここはあたいが行く!」スッ
リーリエ「しんちゃん……」
しんのすけ「仕方ないなぁ」スッ
スカル団のしたっぱの ドラコが
勝負を しかけてきた!
802 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:08:37.70 ID:CVZsSMq50
ドラコ「行きな! フカマルッ!」ヒョイッ
フカマル「ガァーッ」ポンッ!
しんのすけ「カザマくん、レッツラゴー!」ヒョイッ
ジュナイパー『こっちは早く大試練をこなしたいんだ。さっさと決着をつけよう!』ポンッ
ドラコ「フカマル! ドラゴンクローだ!」
フカマル「ガウッ!」ダッ
ジュナイパー『かげぬい!』ググッ……ドシュッ!
フカマル「ガウッ!」サッ!
フカマル「ガウーッ!」ブンッ!
ジュナイパー『うわっと!』ザクッ!
803 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:09:43.33 ID:CVZsSMq50
おキン「おおっ! さすがリーダー!」
マミ「攻撃を避けて、あのじゃがいも小僧のポケモンにダメージを与えたぞ!」
しんのすけ「カザマくん、しっかりして」
ジュナイパー『わかってる!』ダッ
ジュナイパー『お返しだ! リーフブレード!』ブンッ!
フカマル「ガウッ!?」ザクッ!
ジュナイパー『そしてもう一度、かげぬいっ!』ドシュッ!
フカマル「ギャウウーッ!!」ドゴォォッ!
フカマル「ギャ、ウウ……」
ドラコ「フカマルッ! くそーっ!」
しんのすけ「師匠たち、やっぱスケスケおパンツ団より、お笑いの方が向いてるって」
ドラコ「だから師匠ってゆーな!」
おキン「こうなったらアタシら全員で……!」
ザッ
プルメリ「よしな! 負け犬がみっともない!」
804 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:10:33.20 ID:CVZsSMq50
ドラコ「あ、姉御!」
リーリエ「プルメリさん……」
プルメリ「だから言っただろ。お前らじゃこの子には勝てないって。あんたたちは下がってな。あたいはこの二人と話があるから」
ドラコ「へ、へい……」ズコズコ
しんのすけ「師匠ーまたあおーねー!」フリフリ
ドラコ「師匠って言うなっつってんだろーが!!」
プルメリ「ん、リーリエ、あんた……覚悟決めたのかい」
リーリエ「はい!」
プルメリ「つーかさ、あんたには悪いことしたよね。代表に頼まれた仕事とはいえ、あんなことを……今更謝っても、許されることじゃないけど」
ロトム図鑑「まったく……深く反省して欲しいものだ」
プルメリ「ああ……って、お前に上から目線で言われたかないよ!」
805 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:11:46.60 ID:CVZsSMq50
プルメリ「……グズマはさ」クルッ
プルメリ「代表が好きなのさ。あいつの強さを認めてくれる、唯一の大人だからさ。あいつ、今まで代表以外の誰にも、力を認めてくれなかったんだよ。自分の師匠にもね」
しんのすけ「なにやら複雑な恋愛模様ですな」
ロトム図鑑「子供もいるというのに」
リーリエ「話がややこしくなるので黙っててください」
プルメリ「……スカル団にいる奴らみんなそうなんだ。グズマのように、誰にも認められず、島巡りを脱落していった子たちばっかなんだよ。」
しんのすけ「プルメリのおねいさんもそうなの?」
プルメリ「そうだよ。だからスカル団のみんなは、人々に認められない辛さっていうものを分かっているのさ。特にグズマは痛いほどにね。だからみんな慕っているのさ。グズマが代表を慕っているように」
806 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:12:44.81 ID:CVZsSMq50
リーリエ「あの人は……かあさまはわがままです。自分が好きなものだけを自分勝手に愛でて……。でも、助けます! 言いたいこと、言うために!」
リーリエ「そうしたらグズマさんも、いっしょに助けられますよね!」
プルメリ「あんた……芯の部分は、代表に似ているかもね。種類は違うけれど、気持ちの強さを感じるよ」
しんのすけ「てゆうか、オラたちと一緒にくさやのおじさんをお助けに行こうよ」
プルメリ「そうしたいのは山々だけどね。今のあたいたちじゃ、はっきり言って力不足だよ。アンタの足を引っ張りかねない」
しんのすけ「みんなでお助けに行けばだいじょーぶだって!」
プルメリ「……優しいんだね、あんたは。だけど……あたいらも戦ったのさ、ビーストと」
リーリエ「えっ……?」
プルメリ「とてつもなく大きなビーストだったけどね、みんな一斉に挑んだけど、あっという間に消し炭さ。自分たちの無力さを思い知らされたよ」
プルメリ「だというのにあいつら、グズマを助け出すって聞く耳持たなくってね」
プルメリ「だからグズマのこと……頼めた義理じゃないけれど。どこかに消えたままでは償わせることもできやしない」
807 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:17:01.25 ID:CVZsSMq50
リーリエ「はい、グズマさんも、かあさまも、必ず取り戻します!」
しんのすけ「負けちゃったら、強くなればいいのに。おねいさんたちにとって、大事な人なんでしょ?」
プルメリ「……現実はそう簡単に行かないんだよ、しんのすけ。負けて強くなるで済めばあたいらはスカル団なんてやってないよ。アンタもいつかそれが分かる時がくる」
プルメリ「でも、しんのすけ。あんた、全然ふつーのコじゃなかったね。スカル団だけでなく、エーテル財団の闇にも物怖じせず立ち向かってさ。まだ5歳なのに、大したもんだよ」
しんのすけ「照れますな」
プルメリ「ほら、お姫様を守ってやんな。迷惑かけたお詫びとして、どくタイプのZクリスタルをやるからさ」つドクZ
しんのすけ「ありがとござますぅ」
リーリエ「プルメリさん、今度はわたしがしんちゃんを守るのです!」
プルメリ「……そうだね。ふつーのコじゃないって言ったってしんのすけはまだ小さいからね。でも無茶しちゃいけないよ」
プルメリ「そういやしんのすけ、カプ・コケコから直々に石をもらったんだって? 大事にしなよ、そのZリング。ポケモンがいて、はじめてポケモントレーナーなんだ」
プルメリ「それを忘れたらカプの罰を……あんたなら安心だけどさ」
リーリエ「……プルメリさん」
808 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:17:42.65 ID:CVZsSMq50
プルメリ「……帰るよ」
テクテク
しんのすけ「お土産買って来ねー」フリフリ
リーリエ「カザマさん、元気にしますね」
ジュナイパー『あっ、どうも……』
リーリエ「……スカル団にも、いろいろあるのですね」
ロトム図鑑「火サス一本作れそうな関係だったな」
リーリエ「あなたはそれしか思いつかないんですか……」
しんのすけ「さ、ハプウちゃんのところにいこいこー!」
809 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:18:59.36 ID:CVZsSMq50
ポニの原野
プルメリ「…………」
ーーオラたちと一緒にくさやのおじさんをお助けに行こうよ
ーーみんなでお助けに行けばだいじょーぶだって!
ーー負けちゃったら、強くなればいいのに。おねいさんたちにとって、大事な人なんでしょ?
プルメリ「……ふん」
810 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:30:33.84 ID:CVZsSMq50
大峡谷入り口
ハプウ「む……来たか」
しんのすけ「よ!」
リーリエ「ハプウさん!」フリフリ
ハプウ「首尾よく行ったか」
リーリエ「はい、笛はしんちゃんが……」
しんのすけ「ほい!」プリプリ
リーリエ「笛をお尻で挟まないでください!」
ハプウ「相変わらずじゃのう……」ハァ
811 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:31:18.20 ID:CVZsSMq50
ハプウ「しんのすけ、お前の戦いは一度アーカラで見せてもらったな」
しんのすけ「そうだっけ?」
ハプウ「ロイヤルアベニューの近くでスカル団からポケモンを助けてもらった時じゃ。あの時からどれほど成長したのか、見せてもらうかの」
ハプウ「そう、ハプウの大試練じゃ!」
バンバドロ「ムヒイウン!」ブルルッ
しんのすけ「んー、そんなに育ってる気はしないけど」チラッ
ハプウ「そこの話ではないわ!」
???「しんのすけー!」
3人「!」
ひろし「やっと見つけたぜ!」
みさえ「しんちゃん!」
ひまわり「たいっ!」
シロ「アンッ!」
しんのすけ「とーちゃんかーちゃん! ひまにシロ!」
812 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:32:13.33 ID:CVZsSMq50
ロトム図鑑「お前ら何しに来たのだ?」
ハウ「そっこーでウラウラの大試練終えて来たよー!」
ククイ博士「2人の最後の大試練を見届けようと思ってね」
リーリエ「ハウさんに博士……!」
ククイ博士「お、リーリエ! フォルムチェンジしたのかい?」
リーリエ「はいっ、ゼンリョクの姿ですっ!」
ハプウ「ほへえ……にぎやかになったのう」
ククイ博士「おや? 君は確かしまキングの……」
ハプウ「む、久しぶりじゃな、博士。カプから認められ、亡くなった祖父を継いでしまクィーンになったのじゃ」
ハウ「君がしまクィーンなんだー。よろしくー」
ハプウ「そういうお前は、ハラの孫か。しまクィーンのハプウじゃ」
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/11(日) 18:33:31.68 ID:9uMo7msa0
マツリカちゃんはしんのすけの守備範囲かな?
814 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:44:02.59 ID:CVZsSMq50
ハプウ「ところでしんのすけ、そちらの方はお前の家族か」
しんのすけ「うだつの上がらないとーちゃんと、最近5キロぐらい太ったとみられるかーちゃんです」
ひろし「うだつが上がらなくて悪かったな!」
みさえ「5キロも太ってないわよ!」ギュウウウ
しんのすけ「いぢぢぢぢ! てゆーかなんで来たの?」
ひろし「そりゃ、もちろんお前が最後の島に行くって言うからな。みんなで応援に来たんだ」
ひろし(本当はエーテルパラダイスの一件でみさえが不安になって押し切られたんだけどな……)
みさえ「しんちゃん、どこにも怪我とかない? 大丈夫?」
しんのすけ「みさえこそ、そろそろ体脂肪率が30パーセント越えしてない? 大丈夫?」
げ ん
こ つ
みさえ「心配してくれてありがとよ」
しんのすけ「今のオラ……無事じゃない」
リーリエ「……ふふっ。……しんちゃん」
ナデナデ
しんのすけ「……? どしたの?」
リーリエ「ずっと、わたしを守ってくれてありがとうね。今度はわたしが、ゼンリョクであなたを守ってみせますから。しんちゃんが、わたしを守ってくれたように」
しんのすけ「うむ、がんばリーリエたまえー」
リーリエ「無理やり言わなくていいですよ」
☆彡 ☆彡
リーリエ「あっ」
しんのすけ「おっ、流れ星!」
リーリエ「なにかいいことありそう……っというか、ありますよね!」
しんのすけ(島巡りチャンピオンになって、おねいさんたちに「しんちゃん素敵~」って言われますように)
リーリエ「さ、雨も上がりましたから……探しに行きましょう!」
しんのすけ「ほーい」
★挿入歌 月灯りふんわり落ちてくる夜★
796 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:35:39.29 ID:CVZsSMq50
リーリエは洞穴から出ると、しんのすけの手を引きながらナッシー・アイランドを走り出した。
リーリエはこれから起きるワクワクとドキドキを胸に秘めて笑顔を浮かべながら、しんのすけは女子大生のおねいさんだったら最高のシチュエーションなのに……まあいいや、と、ちょっと微妙そうな表情で。
月の笛を探し求めるそんな2人を、満月とダイヤモンドを散りばめたような星空は優しく見守っていた。
リーリエ「しんちゃん!」
しんのすけ「なにー?」
リーリエのそばに古びた台座が。その台座の上に、月光を浴びて輝く青い笛が飾られていた。
リーリエ「これが月の笛みたいですよ」
しんのすけ「オラが持つ~! オラが持つ~!」ピョンピョン
リーリエ「はいはい」
797 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:36:15.79 ID:CVZsSMq50
ロトム図鑑「ふむ……オークションにかければ、20万は行くかな」
リーリエ「そんなことしたらロトム図鑑さん、わたし怒りますから」
しんのすけ「おおっ、げきおこリーリエ……」
ロトム図鑑「ざぶとん一枚やろう」
しんのすけ「イェーイ!」
リーリエ「上手くないです……。とにかく、太陽と月、二本の笛が揃いましたね! 伝説のポケモンさんが現れるかわかりませんが、少なくとも音色を捧げられます!」
しんのすけ「リーリエちゃん、笛吹けるの? オラ吹けないから教えて」
リーリエ「え……」ピタッ
しんのすけ「…………」
リーリエ「…………」
リーリエ「で、では、団長さんといっしょに戻りましょう!」テクテク
ロトム図鑑「ごまかしたな」
しんのすけ「ごまかしたね」
798 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:36:50.46 ID:CVZsSMq50
コイキング丸
団長「やったなあ! 島巡りの人!! 祭壇で笛を吹くんやろ?」
リーリエ「はい!」
しんのすけ「笛の吹き方分からずじまいですけどね! えっへん」
ロトム図鑑「まいったか!」
リーリエ「威張らないでください」
団長「祭壇があるんは、ポニの大峡谷の奥の奥。ほんま自然の試練やで……」
リーリエ「はい、今日は身体を休めて、明日にも早く出発しようと思います!」
団長「ほな、がんばり!」
799 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 16:59:43.94 ID:CVZsSMq50
翌日 ポニの古道
しんのすけ「Zzz」
しんのすけ「……お?」
リーリエ「あ……やっと起きたんですね」
しんのすけ「ここはどこ? オラってミクリだっけ?」
リーリエ「野原しんのすけ、です」
リーリエ「ポケモンセンターで起こしてもまったく起きないんですから、おんぶしてここまで連れてきたんです」
しんのすけ「おお、それはそれはごくろーさんでした。じゃもっかいおんぶしておんぶ」ダキッ
リーリエ「わっ、ダメですっ! ちゃんとしんちゃんも歩いてくださいっ」
しんのすけ「いいじゃん、おねえちゃんおんぶ~」ユサユサ
しんのすけ「……!」ピタッ
リーリエ「……? どうかなさったんですか?」
しんのすけ「あれあれ」ユビサシッ
スカル団たち「…………」
リーリエ「……スカル団のみなさん!」
しんのすけ「なんでみんな横一列に並んで野グソしようとしてんの?」
全員「」ズルッ
したっぱA「そういう意味でしゃがんでるわけじゃねーよ!」
ドラコ「会いたかったぜ、じゃがいも小僧」
しんのすけ「よ! 師匠!」
リーリエ「師匠?」
しんのすけ「そう、スケスケおパンツ団のこの人、オラのお笑いの師匠なの」
ドラコ「笑わせまっせー見せまっせー! えんやこらしょー!」ペケペケペン♪
ドラコ「って、師匠じゃねぇよ! あたいらはーー」
801 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:05:04.34 ID:CVZsSMq50
ドラコ「いじっぱりのドラコ!」カーン!
おキン「れいせいのおキン!」カーン!
マミ「ひかえめのマミ!」カーン!
3人「三人合わせて、『スカル団黒ガバイト隊』!」バァーーーン!!!
リーリエ「」ポカン
したっぱB「ヨヨヨー、そんなことするためにここにいるんスカ?」
ドラコ「あ、そうだな」
おキン「おい、あんたら、エーテルで聞いたけどよ、グズマさんを助ける方法、知ってるんだってな」
しんのすけ「くさやのおじさんのこと?」
マミ「てゆうか、必ず聞き出してやるから!」
ドラコ「お前ら手ェ出すんじゃねぇ。ここはあたいが行く!」スッ
リーリエ「しんちゃん……」
しんのすけ「仕方ないなぁ」スッ
スカル団のしたっぱの ドラコが
勝負を しかけてきた!
802 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:08:37.70 ID:CVZsSMq50
ドラコ「行きな! フカマルッ!」ヒョイッ
フカマル「ガァーッ」ポンッ!
しんのすけ「カザマくん、レッツラゴー!」ヒョイッ
ジュナイパー『こっちは早く大試練をこなしたいんだ。さっさと決着をつけよう!』ポンッ
ドラコ「フカマル! ドラゴンクローだ!」
フカマル「ガウッ!」ダッ
ジュナイパー『かげぬい!』ググッ……ドシュッ!
フカマル「ガウッ!」サッ!
フカマル「ガウーッ!」ブンッ!
ジュナイパー『うわっと!』ザクッ!
803 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:09:43.33 ID:CVZsSMq50
おキン「おおっ! さすがリーダー!」
マミ「攻撃を避けて、あのじゃがいも小僧のポケモンにダメージを与えたぞ!」
しんのすけ「カザマくん、しっかりして」
ジュナイパー『わかってる!』ダッ
ジュナイパー『お返しだ! リーフブレード!』ブンッ!
フカマル「ガウッ!?」ザクッ!
ジュナイパー『そしてもう一度、かげぬいっ!』ドシュッ!
フカマル「ギャウウーッ!!」ドゴォォッ!
フカマル「ギャ、ウウ……」
ドラコ「フカマルッ! くそーっ!」
しんのすけ「師匠たち、やっぱスケスケおパンツ団より、お笑いの方が向いてるって」
ドラコ「だから師匠ってゆーな!」
おキン「こうなったらアタシら全員で……!」
ザッ
プルメリ「よしな! 負け犬がみっともない!」
804 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:10:33.20 ID:CVZsSMq50
ドラコ「あ、姉御!」
リーリエ「プルメリさん……」
プルメリ「だから言っただろ。お前らじゃこの子には勝てないって。あんたたちは下がってな。あたいはこの二人と話があるから」
ドラコ「へ、へい……」ズコズコ
しんのすけ「師匠ーまたあおーねー!」フリフリ
ドラコ「師匠って言うなっつってんだろーが!!」
プルメリ「ん、リーリエ、あんた……覚悟決めたのかい」
リーリエ「はい!」
プルメリ「つーかさ、あんたには悪いことしたよね。代表に頼まれた仕事とはいえ、あんなことを……今更謝っても、許されることじゃないけど」
ロトム図鑑「まったく……深く反省して欲しいものだ」
プルメリ「ああ……って、お前に上から目線で言われたかないよ!」
805 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:11:46.60 ID:CVZsSMq50
プルメリ「……グズマはさ」クルッ
プルメリ「代表が好きなのさ。あいつの強さを認めてくれる、唯一の大人だからさ。あいつ、今まで代表以外の誰にも、力を認めてくれなかったんだよ。自分の師匠にもね」
しんのすけ「なにやら複雑な恋愛模様ですな」
ロトム図鑑「子供もいるというのに」
リーリエ「話がややこしくなるので黙っててください」
プルメリ「……スカル団にいる奴らみんなそうなんだ。グズマのように、誰にも認められず、島巡りを脱落していった子たちばっかなんだよ。」
しんのすけ「プルメリのおねいさんもそうなの?」
プルメリ「そうだよ。だからスカル団のみんなは、人々に認められない辛さっていうものを分かっているのさ。特にグズマは痛いほどにね。だからみんな慕っているのさ。グズマが代表を慕っているように」
806 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:12:44.81 ID:CVZsSMq50
リーリエ「あの人は……かあさまはわがままです。自分が好きなものだけを自分勝手に愛でて……。でも、助けます! 言いたいこと、言うために!」
リーリエ「そうしたらグズマさんも、いっしょに助けられますよね!」
プルメリ「あんた……芯の部分は、代表に似ているかもね。種類は違うけれど、気持ちの強さを感じるよ」
しんのすけ「てゆうか、オラたちと一緒にくさやのおじさんをお助けに行こうよ」
プルメリ「そうしたいのは山々だけどね。今のあたいたちじゃ、はっきり言って力不足だよ。アンタの足を引っ張りかねない」
しんのすけ「みんなでお助けに行けばだいじょーぶだって!」
プルメリ「……優しいんだね、あんたは。だけど……あたいらも戦ったのさ、ビーストと」
リーリエ「えっ……?」
プルメリ「とてつもなく大きなビーストだったけどね、みんな一斉に挑んだけど、あっという間に消し炭さ。自分たちの無力さを思い知らされたよ」
プルメリ「だというのにあいつら、グズマを助け出すって聞く耳持たなくってね」
プルメリ「だからグズマのこと……頼めた義理じゃないけれど。どこかに消えたままでは償わせることもできやしない」
807 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:17:01.25 ID:CVZsSMq50
リーリエ「はい、グズマさんも、かあさまも、必ず取り戻します!」
しんのすけ「負けちゃったら、強くなればいいのに。おねいさんたちにとって、大事な人なんでしょ?」
プルメリ「……現実はそう簡単に行かないんだよ、しんのすけ。負けて強くなるで済めばあたいらはスカル団なんてやってないよ。アンタもいつかそれが分かる時がくる」
プルメリ「でも、しんのすけ。あんた、全然ふつーのコじゃなかったね。スカル団だけでなく、エーテル財団の闇にも物怖じせず立ち向かってさ。まだ5歳なのに、大したもんだよ」
しんのすけ「照れますな」
プルメリ「ほら、お姫様を守ってやんな。迷惑かけたお詫びとして、どくタイプのZクリスタルをやるからさ」つドクZ
しんのすけ「ありがとござますぅ」
リーリエ「プルメリさん、今度はわたしがしんちゃんを守るのです!」
プルメリ「……そうだね。ふつーのコじゃないって言ったってしんのすけはまだ小さいからね。でも無茶しちゃいけないよ」
プルメリ「そういやしんのすけ、カプ・コケコから直々に石をもらったんだって? 大事にしなよ、そのZリング。ポケモンがいて、はじめてポケモントレーナーなんだ」
プルメリ「それを忘れたらカプの罰を……あんたなら安心だけどさ」
リーリエ「……プルメリさん」
808 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:17:42.65 ID:CVZsSMq50
プルメリ「……帰るよ」
テクテク
しんのすけ「お土産買って来ねー」フリフリ
リーリエ「カザマさん、元気にしますね」
ジュナイパー『あっ、どうも……』
リーリエ「……スカル団にも、いろいろあるのですね」
ロトム図鑑「火サス一本作れそうな関係だったな」
リーリエ「あなたはそれしか思いつかないんですか……」
しんのすけ「さ、ハプウちゃんのところにいこいこー!」
809 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 17:18:59.36 ID:CVZsSMq50
ポニの原野
プルメリ「…………」
ーーオラたちと一緒にくさやのおじさんをお助けに行こうよ
ーーみんなでお助けに行けばだいじょーぶだって!
ーー負けちゃったら、強くなればいいのに。おねいさんたちにとって、大事な人なんでしょ?
プルメリ「……ふん」
810 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:30:33.84 ID:CVZsSMq50
大峡谷入り口
ハプウ「む……来たか」
しんのすけ「よ!」
リーリエ「ハプウさん!」フリフリ
ハプウ「首尾よく行ったか」
リーリエ「はい、笛はしんちゃんが……」
しんのすけ「ほい!」プリプリ
リーリエ「笛をお尻で挟まないでください!」
ハプウ「相変わらずじゃのう……」ハァ
811 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:31:18.20 ID:CVZsSMq50
ハプウ「しんのすけ、お前の戦いは一度アーカラで見せてもらったな」
しんのすけ「そうだっけ?」
ハプウ「ロイヤルアベニューの近くでスカル団からポケモンを助けてもらった時じゃ。あの時からどれほど成長したのか、見せてもらうかの」
ハプウ「そう、ハプウの大試練じゃ!」
バンバドロ「ムヒイウン!」ブルルッ
しんのすけ「んー、そんなに育ってる気はしないけど」チラッ
ハプウ「そこの話ではないわ!」
???「しんのすけー!」
3人「!」
ひろし「やっと見つけたぜ!」
みさえ「しんちゃん!」
ひまわり「たいっ!」
シロ「アンッ!」
しんのすけ「とーちゃんかーちゃん! ひまにシロ!」
812 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:32:13.33 ID:CVZsSMq50
ロトム図鑑「お前ら何しに来たのだ?」
ハウ「そっこーでウラウラの大試練終えて来たよー!」
ククイ博士「2人の最後の大試練を見届けようと思ってね」
リーリエ「ハウさんに博士……!」
ククイ博士「お、リーリエ! フォルムチェンジしたのかい?」
リーリエ「はいっ、ゼンリョクの姿ですっ!」
ハプウ「ほへえ……にぎやかになったのう」
ククイ博士「おや? 君は確かしまキングの……」
ハプウ「む、久しぶりじゃな、博士。カプから認められ、亡くなった祖父を継いでしまクィーンになったのじゃ」
ハウ「君がしまクィーンなんだー。よろしくー」
ハプウ「そういうお前は、ハラの孫か。しまクィーンのハプウじゃ」
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/11(日) 18:33:31.68 ID:9uMo7msa0
マツリカちゃんはしんのすけの守備範囲かな?
814 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/11(日) 18:44:02.59 ID:CVZsSMq50
ハプウ「ところでしんのすけ、そちらの方はお前の家族か」
しんのすけ「うだつの上がらないとーちゃんと、最近5キロぐらい太ったとみられるかーちゃんです」
ひろし「うだつが上がらなくて悪かったな!」
みさえ「5キロも太ってないわよ!」ギュウウウ
しんのすけ「いぢぢぢぢ! てゆーかなんで来たの?」
ひろし「そりゃ、もちろんお前が最後の島に行くって言うからな。みんなで応援に来たんだ」
ひろし(本当はエーテルパラダイスの一件でみさえが不安になって押し切られたんだけどな……)
みさえ「しんちゃん、どこにも怪我とかない? 大丈夫?」
しんのすけ「みさえこそ、そろそろ体脂肪率が30パーセント越えしてない? 大丈夫?」
げ ん
こ つ
みさえ「心配してくれてありがとよ」
しんのすけ「今のオラ……無事じゃない」
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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