しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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661 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:03:04.59 ID:gw+EmeqQ0
ウィーン
ひろし「しんのすけ! ハウくん! 無事か!?」
ビッケ「ぼっちゃま……」
グラジオ「ビッケ……!?」
しんのすけ「ビッケおねいさーん!」
ひろし「俺は無視かよっ!」
ハウ「おじさん、助けに来てくれたのー?」
ひろし「ああ、お前たちが地下のラボに閉じ込められたって聞いて、ビッケさんと一緒に降りてきたんだ」
ビッケ「みなさんのポケモンです。職員の方から取り戻しました」
しんのすけ「おおっ、ありがとー!」
ハウ「おじさんー。なんで職員の人たち、あんなに変わってしまったのー? 前来た時は、みんな親切にしてくれたのに」
ひろし「俺にもわからないんだ。ただ、代表と支部長から『誰ひとりとしてここを通させるな』って放送が入ったら、みんな目の色を変えて警備に乗り出したんだ」
ひろし「それで俺も保護区の警備に当たっていたら、お前らが捕まったことが伝わってな。事情を知っているビッケさんと一緒にここに来たんだ」
662 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:04:16.85 ID:gw+EmeqQ0
ビッケ「……ひろしさんは、もともとフタバカンパニーから転勤してきたばかりですので、こちらの内情についてまだご理解されていないからでしょうね」
ひろし「内情って?」
ビッケ「我々エーテル財団は、代表の意志に逆らわないように、金銭や人質、脅迫など、強行的な手段を取ってでも命令に従わせるときもあります。これらをしてでも命令するケースは今回くらいで滅多にありませんが……」
ハウ「そうだったのかー……」
しんのすけ「ま、とーちゃんがまたおかしくなったら、靴の臭いを嗅がせますから」
ひろし「はは、分かったことを言うなよ」
ハウ「においー?」
ひろし「そういうお前たちだって、なんでこんなところに来たんだ? 今ここが危ないところだって、外から見てもわかるはずだろ?」
ハウ「実はこういう事情があってー……」
~ハウ説明中~
ひろし「コスモッグ……ウルトラビーストに、リーリエ」
ひろし「つまり、しんのすけたちの友達のリーリエって子が連れていたコスモッグを、財団が取り返して、その能力でウルトラビーストを呼び出すのを、しんのすけ達は止めに来た……ってことか?」
グラジオ「……そういうことだ」
しんのすけ「オラたち、リーリエちゃんもほしぐもちゃんもお助けしに来たんだ!」
663 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:05:52.60 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「……本当なら、親として大人として、お前たちを止めるべきなんだろうな」
ビッケ「ひろしさん。しんのすけさんもハウさんも、顔を見られている以上遅かれ早かれ、いずれエーテル財団とスカル団に狙われます。なので、まずは今回の命令を下している代表を止めることが最善と思われます……」
ひろし「……わかった! とーちゃんも手伝ってやる! 世界の危機なんてどうでもいいけど、息子を危ない目に遭わせるわけにはいかないしな」
しんのすけ「おおっ、とーちゃんも加われば、フンバリキだね!」
ひろし「それを言うなら、百人力、だろ?」
ハウ「おじさん、ポケモン持ってないのに戦えるのー?」
ひろし「大丈夫だ、おじさんはポケモンを持ってないけど、代わりに武器になるものはある。それでお前たちをサポートするさ」
グラジオ「リーリエのこと、なにか知っているか?」
ビッケ「恐らく……代表のところかと」
グラジオ「なら、会いにいく。それだけの話だ」
ハウ「代表ってルザミーネさんだよねー。いい人だから、話をきいてくれるよー」
しんのすけ「そーそー、オラなんて素直でいい子だから、きっと止めてくれるって」
グラジオ「興味のない相手になら、優しくふるまえるだろうさ……」
664 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:08:14.53 ID:gw+EmeqQ0
ビッケ「ただ、代表の御自宅へ向かうための扉はカギがかかっていますから……」
グラジオ「関係ないね」
ひろし「あの扉のカギか……。おそらくだが、支部長ならなにか知ってるかもしれないな」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんも一緒かなー?」
ビッケ「支部長なら、1階におられます。どうかお気をつけて……」
しんのすけ「よーし! じゃあ3人はリーリエちゃんを追って! オラはビッケおねいさんとコーヒーでも!」
ひろし「お前も来るの!」
ハウ「こんな時でもしんのすけってブレないねー」
グラジオ「頭痛くなってきた……」
ウィーン
ドタドタドタッ!
ビッケ(みなさん……グラジオさまの事、よろしくお願いします……。思いつめると、後先考えずポケモンを連れだすところとか、おふたり、似ておられますから……)
665 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:08:58.56 ID:gw+EmeqQ0
エーテルパラダイス地下一階 エレベーター前
ひろし「くそー……さっきのおかげで、警備が厳重になっているな」
グラジオ「このまま通り抜けるのは、不可能か……」
しんのすけ「オラにいい考えがあるゾ!」
ハウ「なにー?」
しんのすけ「とーちゃん以外、みんなこれ着ればいいんだよ!」バサッ
ひろし「そうか、その手があったか!」
ハウ「エー! それ着るのー?」
グラジオ「俺はそんなもの着ないぞ……!」
しんのすけ「じゃあオラととーちゃんとハウくんで、リーリエちゃんに会いにいくもん。クジラくんはここでじっとしていればー?」
グラジオ「クッ……!」ピクピク
ハウ「グラジオー仕方ないってー。他に方法がないんだもん」
グラジオ「ハァ……憎いヤツだ」
しんのすけ「それほどでも~」
ひろし「褒めてないって……」
666 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:09:54.53 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「すいませ~ん、エレベーター使ってもいいですか?」
職員L「ん? そのポケモンは?」
ひろし「あ、あぁ、これから保護区に連れて行くポケモンたちですよ。ほら、さっきも侵入者がいたでしょ? 戦闘に巻き込まれないために保護区に避難させようと……」
ルガルガン(夜)?「…………」
ピカチュウ?「ぴっかぁ!(裏声)」
カプ・コケコ?「コイケェーエイコー!」
職員L「この……ポケモンたちが?」
ひろし「は、はい」
667 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:12:17.53 ID:gw+EmeqQ0
職員L「この……ポケモンたちが?」
ひろし「は、はい」
職員L「なんかピカチュウが普通のサイズより頭身が高く見えるけど……」
ひろし「えっと、突然変異です。色違いと似たようなものですよ」
職員L「……ちょっと待て、じゃあなんでカプ・コケコがこんなところにいるの?! コイツメレメレ島の守り神だろ!?」
ひろし「えーっと、それが……」
カプ・コケコ?「オラたちーバカンス中ーでしてー!」
ひろし「そうそう、旅行中らしいんですよ」
職員L「オマエラあやしい! オマエのようなしゃべるカプ・コケコと頭身が高いピカチュウがいるか!」
ルガルガン?「……!」
ピカチュウ?「ピカァ!?(裏声)」
ダッ
カプ・コケコ?「カプ・カンチョー!」
ズ ボ ッ !
職員L「あおおおおーっ!!」ビクビク
668 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:13:22.25 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「よし、今のうちだ!」
カプ・コケコ?「よっしゃー!」
ルガルガン?「なにしてやがる、オレ……」
ピカチュウ?「でもちょっと面白かったー」
ルガルガン?「……だいたい、カプ・コケコに変装なんて無理がある」
カプ・コケコ?「オラのコスプレに不可能はない!」
ルガルガン?「そうじゃない! 不自然すぎると言っている!」
ピカチュウ?「まぁ今更だけどねー」
669 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:14:30.85 ID:gw+EmeqQ0
エーテルパラダイス 1階 扉前
グラジオ「ザオボー……!」
ザオボー「おやおや……下でおねんねしていればいいものを」
しんのすけ「よ! 副課長!」
ザオボー「支部長です! なんでさっきよりランクが下がっているんですか!」
ザオボー「ひろしさん……あなたは確か、保護区の警備を任せていたはずですが。なぜお子様たちを連れているのですか? まさか、我々に逆らうなんて言うんじゃありませんよね」
ひろし「俺の子供のポケモンを取り上げて、ラボに閉じ込めるやつらを信用できるかよ」
ザオボー「侵入してきたのはそちらのお子様たちでしょうに。いいのですか? フタバカンパニーから異動してきたあなたが、財団の方針に口出しできる立場ではないのですよ?」
ザオボー「そうですねぇ、そこのお子様たちを説得して、さっきのラボに戻して頂ければ今回のことは代表に報告しないでおきましょう。いかがですか? 慈悲深い支部長の取引ですよ?」
ひろし「支部長、俺が家族をお前たちに売る男に見えると思ったら大間違いだ」
グラジオ「……」
ザオボー「……」ヤレヤレ
しんのすけ「ま、とーちゃんの甲斐性じゃヒラか係長止まりだもんね」
ひろし「うるせーよ! せっかくかっこよく言ったのに……」
670 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:15:35.15 ID:gw+EmeqQ0
ハウ「ザオボーさん、奥の扉のカギ持ってるのー?」
ザオボー「ええ! もちろんですとも。カギというより、パスワードですが」
ハウ「だったらー隠れていたら、先に進まれることもないのにー」
ザオボー「!?」
しんのすけ「そうだよねー。子供でも分かることなのに、おバカさんだなぁ」
ザオボー「ええい! こうなったら、人呼んでエーテルパラダイス最後の砦! 支部長ザオボー! その力をとくとお見せしましょう! ええ! マルチバトルでお相手しましょう!」
グラジオ「時間がない、しんのすけ! オレを助けろ! ハウは誰かが乱入してこないように周囲を見張れ!」
ハウ「おーし!」
しんのすけ「めんどくさいけど、行きますか」スッ
エーテル支部長の ザオボーが
勝負を しかけてきた!
671 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:16:21.91 ID:gw+EmeqQ0
ザオボー「行きなさい! スリープ! スリーパー!」ヒョイッ
スリープ「スリィィプ!」ポンッ
スリーパー「スリィィィパァー!」ポンッ
しんのすけ「カザマくん、レッツラゴー!」ヒョイ
グラジオ「深緑の射手と並び立ち、供に愚鈍なる力をねじ伏せろーーヌル!」ヒョイ
ジュナイパー『早くケリを付けよう! しんのすけ!』ポンッ
ヌル「オオォォッ!」ポンッ
グラジオ「ヌル! スリープにシザークロス!」
ヌル「オオォォッ!」ダッ!
しんのすけ「それじゃ早速Zワザ行っちゃいま~す」
バッ バッ ブリブリブリブリ!
カザマは Zパワーを 身体に まとった!
カザマが 解き放つ
全力の Zワザ!
シ ャ ド ー ア ロ ー ズ ス ト ラ イ ク !
672 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:17:02.21 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「カザマくん! ファイヤーッ!」
ジュナイパー『行くぞッ!』バサッ
カザマは真上に飛翔すると、周囲に無数の矢羽根を扇形に並べた。そして矢羽根と供にスリーパーへ急降下する!
そしてスリーパーに直接攻撃したと同時に無数の矢羽根がスリーパーや周囲に突き刺さり、黒紫の爆発を引き起こした!
スリーパー「スリィィパァァ!!」ドサッ ゴロゴロ……
ヌル「オオオォッ!!」
ザンザンッ!
スリープ「スリィィィプ!?」
フラッ ドサッ
ひろし「すげぇ……秒殺だ!」
ハウ「よーし! ナイスバトルだよー二人ともー!」ピョンピョン
ザオボー「あ、あああ、ありえないでしょう? お子さまに追い詰められるなんて!? しかも何もできずにっ」
グラジオ「助けあう、か……悪くないな」
しんのすけ「オラとクジラくんのハートとハートが重なり合った結果なのねぇん」クネクネ
グラジオ「その気色悪い言い方、やめろ」
673 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:17:46.90 ID:gw+EmeqQ0
ハウ「おれたちーリーリエ助けたいから、もう行ってもいいよねー!」ニコニコ
グラジオ「ザオボーともあろうお人なら、用件、わかっていますよね」
ザオボー「クッ……皮肉が言えるほど、世間にもまれましたか」
ザオボー「ですが、パスワードを教える気はありませんよ。なにせ私は、エーテル財団最後の砦! 支部長ザオボーですから!」
ハウ「あー! 勝負に勝ったのにきったなーい!」
ひろし「じゃあ、その最後の砦とやらの強さ、試してみるか」ズイッ
ひろし「しんのすけ、ハウくん、グラジオくん、そいつの手足を抑えてくれ」
しんのすけ「もうしてるよー」ガシッ
ハウ「オッケー!」ガシッ
グラジオ「…………」ガシッ
ザオボー「な、なにをする気ですか? ぼぼぼ暴力ですか? そんなことで私が屈すると思っているのですか?」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/10(土) 20:18:22.34 ID:C0eBpjmUO
あっ…
675 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:18:33.88 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「そんなものを子供に見せるわけにいかないだろ。その代わり、ある意味暴力よりきついことをするけどな」ズルッ
ザオボー「なぜ靴を脱ぐんですか? ちょっとそんなもの近づけないでください臭いますからやめてくださいホントに!」ガタガタ
ツーーーーン
ザオボー「ウグッ!!」
グラジオ「……!?」ビクッ
ハウ「なんかくさいー!」ウルッ
しんのすけ「出た! とーちゃんの靴下攻撃!」
ザオボー「オオオオッ! オッ!! オオオオォォォ!!!」ジタバタジタバタ
ひろし「どうだ? 話してくれるか? 支部長」ツーン
ザオボー「話します! 話しますからもうやめて……ウェップ」
グラジオ(なんて臭いだ……そこらの毒タイプの放つ臭いとは比べ物にならない。ザオボーはこれを間近で受けているのか)
ザオボー(だからお子様と親バカは好きになれないんです……)ピクピク
676 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:25:46.92 ID:gw+EmeqQ0
エーテルパラダイス1階 ルザミーネの屋敷前広場
グラジオ「一気に行くぞ、ヌル……!」ダッ
ヌル「オォォォッ!!」ダッ
スカル団したっぱI「こいつらを止めろ!」
したっぱJ「グズマさんのお手を煩わせるな!」
ハウ「わー! スカル団のみなさん、いっぱいいるよー! 本当にスカル団にお仕事頼んでたんだー! すごいショックー!」
しんのすけ「エーテル財団も下着ドロボーだったのか!」
ひろし「なんでだよっ!」
ハウ「考えるのはあとだよねー! しんのすけ! スカル団、やっつけるよー!!」
しんのすけ「おっしゃー!」
ひろし「オレも靴の臭いでサポートするぜ!」バッ
677 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:26:18.16 ID:gw+EmeqQ0
したっぱI「行け、ラッタ!」
したっぱJ「あいつらを倒せ、ゴルバット!」
したっぱK「ヤドラン! ゴーッ!」
ラッタ「シャーッ!」ポンッ
ゴルバット「ゴルーッ!」ポンッ
ヤドラン「ヤン……」ポンッ
ハウ「いくよーガオガエン!」ヒョイッ
ガオガエン「ガルルルッ!」
しんのすけ「ネネちゃん! レッツラゴー!」
ヌイコグマ『どこからでもかかってきなさいよ!』
678 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:27:03.92 ID:gw+EmeqQ0
グラジオ「グズマ……!」
グズマ「グラジオ、ここまで来たってことはよ、生みの親に逆らうつもりってことだな?」ニヤッ
グラジオ「ああ、親が間違っていることをしてたら、逆らってでも止める!」
グズマ「ハッ、反抗期ってやつか。おまえのことは、ずいぶん気に入ってたんだがよ。この親不孝者が!」
グズマ「お前のその性根、ブッ壊してやらあ!」
グラジオ「孤独と戦ってきた日々で鍛えた力、ぶつける!」
グズマ「破壊という言葉が人の形をしているのが、このオレさまグズマだぜえ!」
ウィーン
ひろし「しんのすけ! ハウくん! 無事か!?」
ビッケ「ぼっちゃま……」
グラジオ「ビッケ……!?」
しんのすけ「ビッケおねいさーん!」
ひろし「俺は無視かよっ!」
ハウ「おじさん、助けに来てくれたのー?」
ひろし「ああ、お前たちが地下のラボに閉じ込められたって聞いて、ビッケさんと一緒に降りてきたんだ」
ビッケ「みなさんのポケモンです。職員の方から取り戻しました」
しんのすけ「おおっ、ありがとー!」
ハウ「おじさんー。なんで職員の人たち、あんなに変わってしまったのー? 前来た時は、みんな親切にしてくれたのに」
ひろし「俺にもわからないんだ。ただ、代表と支部長から『誰ひとりとしてここを通させるな』って放送が入ったら、みんな目の色を変えて警備に乗り出したんだ」
ひろし「それで俺も保護区の警備に当たっていたら、お前らが捕まったことが伝わってな。事情を知っているビッケさんと一緒にここに来たんだ」
662 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:04:16.85 ID:gw+EmeqQ0
ビッケ「……ひろしさんは、もともとフタバカンパニーから転勤してきたばかりですので、こちらの内情についてまだご理解されていないからでしょうね」
ひろし「内情って?」
ビッケ「我々エーテル財団は、代表の意志に逆らわないように、金銭や人質、脅迫など、強行的な手段を取ってでも命令に従わせるときもあります。これらをしてでも命令するケースは今回くらいで滅多にありませんが……」
ハウ「そうだったのかー……」
しんのすけ「ま、とーちゃんがまたおかしくなったら、靴の臭いを嗅がせますから」
ひろし「はは、分かったことを言うなよ」
ハウ「においー?」
ひろし「そういうお前たちだって、なんでこんなところに来たんだ? 今ここが危ないところだって、外から見てもわかるはずだろ?」
ハウ「実はこういう事情があってー……」
~ハウ説明中~
ひろし「コスモッグ……ウルトラビーストに、リーリエ」
ひろし「つまり、しんのすけたちの友達のリーリエって子が連れていたコスモッグを、財団が取り返して、その能力でウルトラビーストを呼び出すのを、しんのすけ達は止めに来た……ってことか?」
グラジオ「……そういうことだ」
しんのすけ「オラたち、リーリエちゃんもほしぐもちゃんもお助けしに来たんだ!」
663 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:05:52.60 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「……本当なら、親として大人として、お前たちを止めるべきなんだろうな」
ビッケ「ひろしさん。しんのすけさんもハウさんも、顔を見られている以上遅かれ早かれ、いずれエーテル財団とスカル団に狙われます。なので、まずは今回の命令を下している代表を止めることが最善と思われます……」
ひろし「……わかった! とーちゃんも手伝ってやる! 世界の危機なんてどうでもいいけど、息子を危ない目に遭わせるわけにはいかないしな」
しんのすけ「おおっ、とーちゃんも加われば、フンバリキだね!」
ひろし「それを言うなら、百人力、だろ?」
ハウ「おじさん、ポケモン持ってないのに戦えるのー?」
ひろし「大丈夫だ、おじさんはポケモンを持ってないけど、代わりに武器になるものはある。それでお前たちをサポートするさ」
グラジオ「リーリエのこと、なにか知っているか?」
ビッケ「恐らく……代表のところかと」
グラジオ「なら、会いにいく。それだけの話だ」
ハウ「代表ってルザミーネさんだよねー。いい人だから、話をきいてくれるよー」
しんのすけ「そーそー、オラなんて素直でいい子だから、きっと止めてくれるって」
グラジオ「興味のない相手になら、優しくふるまえるだろうさ……」
664 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:08:14.53 ID:gw+EmeqQ0
ビッケ「ただ、代表の御自宅へ向かうための扉はカギがかかっていますから……」
グラジオ「関係ないね」
ひろし「あの扉のカギか……。おそらくだが、支部長ならなにか知ってるかもしれないな」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんも一緒かなー?」
ビッケ「支部長なら、1階におられます。どうかお気をつけて……」
しんのすけ「よーし! じゃあ3人はリーリエちゃんを追って! オラはビッケおねいさんとコーヒーでも!」
ひろし「お前も来るの!」
ハウ「こんな時でもしんのすけってブレないねー」
グラジオ「頭痛くなってきた……」
ウィーン
ドタドタドタッ!
ビッケ(みなさん……グラジオさまの事、よろしくお願いします……。思いつめると、後先考えずポケモンを連れだすところとか、おふたり、似ておられますから……)
665 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:08:58.56 ID:gw+EmeqQ0
エーテルパラダイス地下一階 エレベーター前
ひろし「くそー……さっきのおかげで、警備が厳重になっているな」
グラジオ「このまま通り抜けるのは、不可能か……」
しんのすけ「オラにいい考えがあるゾ!」
ハウ「なにー?」
しんのすけ「とーちゃん以外、みんなこれ着ればいいんだよ!」バサッ
ひろし「そうか、その手があったか!」
ハウ「エー! それ着るのー?」
グラジオ「俺はそんなもの着ないぞ……!」
しんのすけ「じゃあオラととーちゃんとハウくんで、リーリエちゃんに会いにいくもん。クジラくんはここでじっとしていればー?」
グラジオ「クッ……!」ピクピク
ハウ「グラジオー仕方ないってー。他に方法がないんだもん」
グラジオ「ハァ……憎いヤツだ」
しんのすけ「それほどでも~」
ひろし「褒めてないって……」
ひろし「すいませ~ん、エレベーター使ってもいいですか?」
職員L「ん? そのポケモンは?」
ひろし「あ、あぁ、これから保護区に連れて行くポケモンたちですよ。ほら、さっきも侵入者がいたでしょ? 戦闘に巻き込まれないために保護区に避難させようと……」
ルガルガン(夜)?「…………」
ピカチュウ?「ぴっかぁ!(裏声)」
カプ・コケコ?「コイケェーエイコー!」
職員L「この……ポケモンたちが?」
ひろし「は、はい」
667 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:12:17.53 ID:gw+EmeqQ0
職員L「この……ポケモンたちが?」
ひろし「は、はい」
職員L「なんかピカチュウが普通のサイズより頭身が高く見えるけど……」
ひろし「えっと、突然変異です。色違いと似たようなものですよ」
職員L「……ちょっと待て、じゃあなんでカプ・コケコがこんなところにいるの?! コイツメレメレ島の守り神だろ!?」
ひろし「えーっと、それが……」
カプ・コケコ?「オラたちーバカンス中ーでしてー!」
ひろし「そうそう、旅行中らしいんですよ」
職員L「オマエラあやしい! オマエのようなしゃべるカプ・コケコと頭身が高いピカチュウがいるか!」
ルガルガン?「……!」
ピカチュウ?「ピカァ!?(裏声)」
ダッ
カプ・コケコ?「カプ・カンチョー!」
ズ ボ ッ !
職員L「あおおおおーっ!!」ビクビク
668 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:13:22.25 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「よし、今のうちだ!」
カプ・コケコ?「よっしゃー!」
ルガルガン?「なにしてやがる、オレ……」
ピカチュウ?「でもちょっと面白かったー」
ルガルガン?「……だいたい、カプ・コケコに変装なんて無理がある」
カプ・コケコ?「オラのコスプレに不可能はない!」
ルガルガン?「そうじゃない! 不自然すぎると言っている!」
ピカチュウ?「まぁ今更だけどねー」
669 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:14:30.85 ID:gw+EmeqQ0
エーテルパラダイス 1階 扉前
グラジオ「ザオボー……!」
ザオボー「おやおや……下でおねんねしていればいいものを」
しんのすけ「よ! 副課長!」
ザオボー「支部長です! なんでさっきよりランクが下がっているんですか!」
ザオボー「ひろしさん……あなたは確か、保護区の警備を任せていたはずですが。なぜお子様たちを連れているのですか? まさか、我々に逆らうなんて言うんじゃありませんよね」
ひろし「俺の子供のポケモンを取り上げて、ラボに閉じ込めるやつらを信用できるかよ」
ザオボー「侵入してきたのはそちらのお子様たちでしょうに。いいのですか? フタバカンパニーから異動してきたあなたが、財団の方針に口出しできる立場ではないのですよ?」
ザオボー「そうですねぇ、そこのお子様たちを説得して、さっきのラボに戻して頂ければ今回のことは代表に報告しないでおきましょう。いかがですか? 慈悲深い支部長の取引ですよ?」
ひろし「支部長、俺が家族をお前たちに売る男に見えると思ったら大間違いだ」
グラジオ「……」
ザオボー「……」ヤレヤレ
しんのすけ「ま、とーちゃんの甲斐性じゃヒラか係長止まりだもんね」
ひろし「うるせーよ! せっかくかっこよく言ったのに……」
670 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:15:35.15 ID:gw+EmeqQ0
ハウ「ザオボーさん、奥の扉のカギ持ってるのー?」
ザオボー「ええ! もちろんですとも。カギというより、パスワードですが」
ハウ「だったらー隠れていたら、先に進まれることもないのにー」
ザオボー「!?」
しんのすけ「そうだよねー。子供でも分かることなのに、おバカさんだなぁ」
ザオボー「ええい! こうなったら、人呼んでエーテルパラダイス最後の砦! 支部長ザオボー! その力をとくとお見せしましょう! ええ! マルチバトルでお相手しましょう!」
グラジオ「時間がない、しんのすけ! オレを助けろ! ハウは誰かが乱入してこないように周囲を見張れ!」
ハウ「おーし!」
しんのすけ「めんどくさいけど、行きますか」スッ
エーテル支部長の ザオボーが
勝負を しかけてきた!
671 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:16:21.91 ID:gw+EmeqQ0
ザオボー「行きなさい! スリープ! スリーパー!」ヒョイッ
スリープ「スリィィプ!」ポンッ
スリーパー「スリィィィパァー!」ポンッ
しんのすけ「カザマくん、レッツラゴー!」ヒョイ
グラジオ「深緑の射手と並び立ち、供に愚鈍なる力をねじ伏せろーーヌル!」ヒョイ
ジュナイパー『早くケリを付けよう! しんのすけ!』ポンッ
ヌル「オオォォッ!」ポンッ
グラジオ「ヌル! スリープにシザークロス!」
ヌル「オオォォッ!」ダッ!
しんのすけ「それじゃ早速Zワザ行っちゃいま~す」
バッ バッ ブリブリブリブリ!
カザマは Zパワーを 身体に まとった!
カザマが 解き放つ
全力の Zワザ!
シ ャ ド ー ア ロ ー ズ ス ト ラ イ ク !
672 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:17:02.21 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「カザマくん! ファイヤーッ!」
ジュナイパー『行くぞッ!』バサッ
カザマは真上に飛翔すると、周囲に無数の矢羽根を扇形に並べた。そして矢羽根と供にスリーパーへ急降下する!
そしてスリーパーに直接攻撃したと同時に無数の矢羽根がスリーパーや周囲に突き刺さり、黒紫の爆発を引き起こした!
スリーパー「スリィィパァァ!!」ドサッ ゴロゴロ……
ヌル「オオオォッ!!」
ザンザンッ!
スリープ「スリィィィプ!?」
フラッ ドサッ
ひろし「すげぇ……秒殺だ!」
ハウ「よーし! ナイスバトルだよー二人ともー!」ピョンピョン
ザオボー「あ、あああ、ありえないでしょう? お子さまに追い詰められるなんて!? しかも何もできずにっ」
グラジオ「助けあう、か……悪くないな」
しんのすけ「オラとクジラくんのハートとハートが重なり合った結果なのねぇん」クネクネ
グラジオ「その気色悪い言い方、やめろ」
673 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:17:46.90 ID:gw+EmeqQ0
ハウ「おれたちーリーリエ助けたいから、もう行ってもいいよねー!」ニコニコ
グラジオ「ザオボーともあろうお人なら、用件、わかっていますよね」
ザオボー「クッ……皮肉が言えるほど、世間にもまれましたか」
ザオボー「ですが、パスワードを教える気はありませんよ。なにせ私は、エーテル財団最後の砦! 支部長ザオボーですから!」
ハウ「あー! 勝負に勝ったのにきったなーい!」
ひろし「じゃあ、その最後の砦とやらの強さ、試してみるか」ズイッ
ひろし「しんのすけ、ハウくん、グラジオくん、そいつの手足を抑えてくれ」
しんのすけ「もうしてるよー」ガシッ
ハウ「オッケー!」ガシッ
グラジオ「…………」ガシッ
ザオボー「な、なにをする気ですか? ぼぼぼ暴力ですか? そんなことで私が屈すると思っているのですか?」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/10(土) 20:18:22.34 ID:C0eBpjmUO
あっ…
675 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:18:33.88 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「そんなものを子供に見せるわけにいかないだろ。その代わり、ある意味暴力よりきついことをするけどな」ズルッ
ザオボー「なぜ靴を脱ぐんですか? ちょっとそんなもの近づけないでください臭いますからやめてくださいホントに!」ガタガタ
ツーーーーン
ザオボー「ウグッ!!」
グラジオ「……!?」ビクッ
ハウ「なんかくさいー!」ウルッ
しんのすけ「出た! とーちゃんの靴下攻撃!」
ザオボー「オオオオッ! オッ!! オオオオォォォ!!!」ジタバタジタバタ
ひろし「どうだ? 話してくれるか? 支部長」ツーン
ザオボー「話します! 話しますからもうやめて……ウェップ」
グラジオ(なんて臭いだ……そこらの毒タイプの放つ臭いとは比べ物にならない。ザオボーはこれを間近で受けているのか)
ザオボー(だからお子様と親バカは好きになれないんです……)ピクピク
676 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:25:46.92 ID:gw+EmeqQ0
エーテルパラダイス1階 ルザミーネの屋敷前広場
グラジオ「一気に行くぞ、ヌル……!」ダッ
ヌル「オォォォッ!!」ダッ
スカル団したっぱI「こいつらを止めろ!」
したっぱJ「グズマさんのお手を煩わせるな!」
ハウ「わー! スカル団のみなさん、いっぱいいるよー! 本当にスカル団にお仕事頼んでたんだー! すごいショックー!」
しんのすけ「エーテル財団も下着ドロボーだったのか!」
ひろし「なんでだよっ!」
ハウ「考えるのはあとだよねー! しんのすけ! スカル団、やっつけるよー!!」
しんのすけ「おっしゃー!」
ひろし「オレも靴の臭いでサポートするぜ!」バッ
677 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:26:18.16 ID:gw+EmeqQ0
したっぱI「行け、ラッタ!」
したっぱJ「あいつらを倒せ、ゴルバット!」
したっぱK「ヤドラン! ゴーッ!」
ラッタ「シャーッ!」ポンッ
ゴルバット「ゴルーッ!」ポンッ
ヤドラン「ヤン……」ポンッ
ハウ「いくよーガオガエン!」ヒョイッ
ガオガエン「ガルルルッ!」
しんのすけ「ネネちゃん! レッツラゴー!」
ヌイコグマ『どこからでもかかってきなさいよ!』
678 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 20:27:03.92 ID:gw+EmeqQ0
グラジオ「グズマ……!」
グズマ「グラジオ、ここまで来たってことはよ、生みの親に逆らうつもりってことだな?」ニヤッ
グラジオ「ああ、親が間違っていることをしてたら、逆らってでも止める!」
グズマ「ハッ、反抗期ってやつか。おまえのことは、ずいぶん気に入ってたんだがよ。この親不孝者が!」
グズマ「お前のその性根、ブッ壊してやらあ!」
グラジオ「孤独と戦ってきた日々で鍛えた力、ぶつける!」
グズマ「破壊という言葉が人の形をしているのが、このオレさまグズマだぜえ!」
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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