しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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623 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:14:36.96 ID:gKH7a9Ln0
ヌイコグマ「…………」ハァハァ
ネネの豪腕は、ペルシアンをすれすれで外しており、地面にめり込んでいた。
ペルシアン「……ニャッ!」
しんのすけ「ネネちゃん……」
クチナシ「……危なかったね。ペルシアン、辻斬り」
ペルシアン「フシャッ!」
ザクッ!
ヌイコグマ『……!』フラッ
ドサッ
しんのすけ「ネネちゃん!」
ヌイコグマ『しんちゃん……ごめん』
グラジオ「後は……」
クチナシ「あのジュナイパーだろ? ポータウンの時に見かけたからね。それがお前さんの相棒かい?」
624 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:15:22.13 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「……カザマくん」
ジュナイパー(ボール)『……しんのすけ。僕は進化してゴーストタイプになった。この意味、わかるよな』
グラジオ(ジュナイパーはくさ・ゴースト。アローラのペルシアンとは相性が悪い。更にクチナシさんはZワザも残してる……どうするつもりだ?)
クチナシ「坊主、お前さんは今、ずいぶん悔しい思いをしてるだろうよ。だけど、これが現実なんだよ」
しんのすけ「現実?」
クチナシ「現実はねテレビのヒーローのように正義が必ず勝つとは限らないのよ。悪には、悪なりの信念ってものがあるんだよ。最後に勝つのは意志の強いほうだぜ。坊主、お前はどうだ?」
しんのすけ「……オラ」
625 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:16:31.70 ID:gKH7a9Ln0
ーーまだまだ正義のことがよく分からないゾ。アクション仮面、正義って何?
ーーしんのすけ君。その答えは、自分で出すものだ。大丈夫、キミなら出来るさ
ーーしんのすけ君、キミの守りたいものってなに?
ーー最後に勝つのは意志の強いほうだ。坊主、お前はどうだ?
しんのすけ「……オラ、まだ正義のこととか、よくわかんないけど!」
ーーえっ? はい……リーリエと申します
ーー常 識 で す っ ! !
ーーその……迷ってたときに……つい、ふらふらとブティックに入ってしまい……最後の一着と言われ、つい服を買ってしまいました……気合を入れないと、着れそうもない服ですが……
ーーまた、助けられました……ありがとうございます
ーーしんちゃん
グラジオ「…………」
しんのすけ「でもオラ、リーリエちゃんをお助けしたい! それが今のオラの正義で、シンネンなんだゾ! だからオラ、こんなとこで負けたくないもん!」
626 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:21:15.34 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「ーーなら、その信念を、ゼンリョクでおじさんとペルシアンにぶつけて来な。おじさんも、おじさんの信念をゼンリョクで坊主にぶつけるつもりだよ」
しんのすけ「ほいっ!」スッ
しんのすけ「カザマくん! レッツラゴー!」ヒュッ
ジュナイパー『しんのすけ。お前がリーリエさんのために負けたくないっていう思いが本気なら、僕もそれにゼンリョクで応えるよ! 絶対に勝とう!』ポンッ
しんのすけ「おうっ!」
クチナシ「じゃ、ぼちぼち行くかね」
バッ バッ ブゥゥン バァーン!
グラジオ(……クチナシさんのZワザ)アンナポーズスルノカ……
しんのすけ「カザマくん……来るゾ! 「アレ」できる?」
ジュナイパー『ああ、ばっちりさ!』コクン
627 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:23:07.59 ID:gKH7a9Ln0
ペルシアンは Zパワーを 身体に まとった!
ペルシアンが 解き放つ
全力の Zワザ!
ブ ラ ッ ク ホ ー ル イ ク リ プ ス !
ペルシアンを覆っているZパワーから禍々しい黒い球体が形成されると、それが頭上に向けて放たれた。
それは急激に膨張すると、赤黒い光を発しながら、次々と周囲のものを吸い込んでいく!
ジュナイパー『うっ……!』バサッ
カザマはなんとか黒い球体から逃れようと飛翔するが、海すら飲み込みかねない吸引力に、なすすべはなかった。
ジュナイパー『うわぁぁぁぁっ!』
しんのすけ「カザマくーーーんっ!!」
カザマはいとも簡単に吸い込まれてしまった。そして、カザマが吸い込まれたのを皮切りに、黒い球体が収束し、大爆発を起こした!
ジュナイパー「…………」
……後に残ったのは、爆発に巻き込まれ、傷だらけになったカザマだけだった。
ドサッ
ジュナイパー「」
628 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:23:57.88 ID:gKH7a9Ln0
グラジオ「……しんのすけ」
クチナシ「…………」
しんのすけ「……カザマくん」
クチナシ「……坊主」
629 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:26:03.87 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「今だっ!」
バサッ!
一陣の風のように翼がはためく音が聞こえたかと思うと、ペルシアンの背後から緑の閃光が飛来してきた!
ジュナイパー『行くぞっ!』
グラジオ「なっ!?」
クチナシ「……!」
ガシッ!
ジュナイパー『おおおおおっ!!』
ペルシアン「ニャッ!?」
カザマはカギ爪でペルシアンを掴むと、そのまま空へ投げ飛ばすと同時に6つの矢羽根をつがえて、一斉に発射した!
ジュナイパー『はあああっ!』ドドドド!!!
ペルシアン「ニ゛ヤッ!? ニ゛ャ゛ニャァッッ!!?」ドスドスドスッ!
ドサッ!
ペルシアン「ニャアアアッ……!」
ジュナイパー『……決まった!』
630 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:28:39.02 ID:gKH7a9Ln0
グラジオ「馬鹿な、さっき間違いなくZワザで倒されたはずーー」
グラジオは、Zワザで倒れたはずのジュナイパーへ目を向けると、そこには草で編まれた人形が転がっていた。
グラジオ「あれは……!」
ジュナイパー『しんのすけ! Zワザ、行くぞっ!』
しんのすけ「ブ・ラジャー!」
バッ バッ ブリブリブリブリ!
カザマは Zパワーを 身体に まとった!
カザマが 解き放つ
全力の Zワザ!
シ ャ ド ー ア ロ ー ズ ス ト ラ イ ク !
631 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:29:47.80 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「カザマくん! ファイヤーッ!」
ジュナイパー『これで決めるっ!』バサッ
カザマは真上に飛翔すると、周囲に無数の矢羽根を扇形に並べた。そして矢羽根と供にペルシアンへ急降下する!
そしてペルシアンに直接攻撃したと同時に無数の矢羽根がペルシアンや周囲に突き刺さり、黒紫の爆発を引き起こした!
ドカァァァン!!
ペルシアン「フニャアアアァァッ!!」
ドサッ
ゴロゴロ
しんのすけ「……!」
ジュナイパー『……』スタッ
グラジオ「しんのすけが……勝ったのか?」
ペルシアン「」グッタリ
クチナシ「…………」ニヤッ
632 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:31:39.44 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「一本取られたね。Zワザを読んで、みがわりを出すとはよ」
しんのすけ「それほどでも」
ジュナイパー『しんのすけのおじさんからもらったわざマシンのおかげで、勝てた……!』
クチナシ「……まいったなあ。あいつらの屋敷に乗りこむ度胸と強さの持ち主とわかっていたが、これほどとはね」
しんのすけ「まったく、ちくびらないで欲しいですな」エッヘン
クチナシ「見くびる、だろ。カザマ、だったか? ポケモンもおつかれさん! ほら元気にしてやっからよ」
633 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:33:20.53 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「そら、持っていきな」
しんのすけは アクZを 手に入れた!
しんのすけ「正義は勝つ! ワッハッハッハッ!」
大 試 練 達 成 !
クチナシ「あくタイプのZパワーは、こうしてこうすればいいからよ」
バッ バッ ブゥゥン バァーン!
グラジオ「……」アゼン
しんのすけ「こうしてこうしてこうですな?」
バッ バッ ブリリィ バァーン!
クチナシ「……いや、尻は出さなくていいけどよ」
クチナシ「ま、おめでとよってやつだな。ウラウラ島での島巡り、達成だよ」
スタスタ
ピタッ
クチナシ「なんかあるんだろ? まあ、ほどほどにしときなよ」
しんのすけ「ほいっ、ほどほどにヘンタイなことしてきます!」
634 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:36:43.20 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「……ところで、坊主」
しんのすけ「お?」
クチナシ「そいつ……ロトム図鑑だっけか? 面白い奴を連れているな」
しんのすけ「面白い奴というか、変な奴というか。ぶりぶりざえもんって言うんだ」
ロトム図鑑「お前は私を知っているのか? ずいぶん馴れ馴れしいな」
クチナシ「ぶりぶり……ね。あんまりしょうもないことして、余計な騒ぎを起こさせるなよ。そんだけだ」
クチナシ「それと……グラジオのあんちゃん、強くなりたいのならスカル団を頼ってどうするよ?」
グラジオ「………」
スタスタ
しんのすけ「行っちゃったー……やっぱり地味ィ」
ロトム図鑑「あいつ、私を知っていたな。いよいよ私も有名人になってきたな」
ジュナイパー(ボール)『そういう意味じゃない気がする……』
グラジオ「……クチナシさんはああいう人でな。面倒見がいいというか、ドライというかな」
635 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:39:25.75 ID:gKH7a9Ln0
ハウ「しんのすけー!」
しんのすけ「お、ハウくーん! オラ、ウラウラ島の島巡り、達成したよー!」
ハウ「ホントー? すごいー!」
グラジオ「……楽しいとか、言ってられないんだぜ?」
ハウ「おれが強ければーリーリエは……。だから、みんなを笑顔にするため、腹くくったのー!」
しんのすけ「えっ? ハウくんのお腹ってなんか結べちゃうの?!」
グラジオ「そういう意味じゃないだろう……」
ハウ「それにーおれもアローラ防衛隊だしねー」
しんのすけ「うんうん、防衛隊メンバーならしっかりしてもらわないと困るよ」
ハウ「で、リーリエはどこに連れていかれたの? ポータウンは違うでしょ。そのころ、しんのすけがいたんだし」
グラジオ「フッ……甘いワリには、案外するどいじゃないか」
グラジオ「エーテルパラダイスだ」
ハウ「エーテルパラダイスー!?」
しんのすけ「わーい! またビッケおねいさんとルザミーネおねいさんに会えるー!」
【ウラウラ島編 おしまい】
636 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:11:14.99 ID:gKH7a9Ln0
…… …… ……
【エーテルパラダイス編】
…… …… ……
海上 グラジオの小型船
グラジオ「スカル団とエーテル財団は、表向きでは敵対しているが、その裏では繋がっているんだ」
しんのすけ「どしてー?」
ハウ「スカル団は他人のポケモンを奪ってるけどー、エーテル財団の人たちはポケモンの保護してるから、方針が食い違うと思うけどー」
グラジオ「ボスのグズマはなにか理由があって、財団のある目的の為に手を貸しているようだ」
しんのすけ「なになに? 世界征服?」
グラジオ「フッ……それと同じくらい厄介なことではあるな」
グラジオ「コスモッグの力を使って、ウルトラホールを開き、そこから現れる異次元の生命体ーーウルトラビーストを呼び寄せることだ」
637 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:12:46.06 ID:gKH7a9Ln0
ハウ「ウルトラビーストって、しんのすけがエーテルパラダイスで戦ったあのー?」
グラジオ「ほう、奴らを知っているのか? なら話は早い」
グラジオ「コスモッグはそれ自体弱いポケモンだというのは話したな? だが、コスモッグはストレスを与えたり、身の危険が迫ると、ウルトラホールを開く能力を持っている」
ハウ「ウルトラホールを開くー? じゃあコスモッグって、ウルトラビーストなのかなー?」
グラジオ「……そう、やつもまた、ウルトラビーストだ。リーリエが連れ出したのも、きっとストレスを与え続けられたコスモッグの身を案じての行動だろう」
ハウ「じゃあさーじゃあさー、このままウルトラホールが開かれたら、どうなっちゃうのー?」
グラジオ「言われなくともわかるだろ? アローラ……いや、世界がビーストで溢れかえる。そうなれば、人とポケモンの生態系のバランスが崩壊し、やがて世界はビーストが支配してしまう」
ハウ「なんでそんなことするのー! アローラになにか恨みでもあるのー?」
グラジオ「……オレにもわからん。理解できれば、説得できたかもな」
ハウ「それじゃー早くリーリエとコスモッグを見つけて取り返さなきゃ! ねぇ、しんのすけー……」
しんのすけ「ZZZ」
ロトム図鑑「」スリープモード
638 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:13:45.00 ID:gKH7a9Ln0
ハウ「うわわー! 大事な話なのに寝ちゃってるよー!」
グラジオ「フッ、寝かせてやれ。スカル団のアジトへ一人で乗り込み、更にクチナシさんの大試練までこなしたんだ。疲れないというのが、無理があるさ」
ハウ「でも、よく寝られるよねー。おれ、マイペースってよく言われるけど、しんのすけはそれ以上だよー」
グラジオ「だが、まんざらではなさそうに見えるぞ」
ハウ「まあねーしんのすけと一緒にいると、楽しいもんー。それにーリーリエとかアセロラとかってしんのすけのこと心配してるけどー、おれはしんのすけってなんでもできそうな気がするのー」
グラジオ「そうだな、そいつは変わってはいるが……子供とは思えない、凄まじいパワーを発揮する。しまキングとのポケモン勝負でそれを見せつけられた」
ハウ「見てみたかったなー、しんのすけの大試練ー」
グラジオ「オレも冷静さを欠いていたとはいえ、負けてしまったからな。次に戦う時はーー!」
ハウ「どしたのー?」
グラジオ「チッ、財団のボートだ……!」
639 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:14:45.21 ID:gKH7a9Ln0
ハウが前方に目をやると、エーテルパラダイスの周囲に、エーテル財団のボートらしきものがいくつも警戒に当たっていた。
グラジオ「おそらく、誰にも邪魔されないように警護に当たっているんだろうな。憎い奴らだ……!」
ハウ「どうするのー?」
グラジオ「正面突破する! 向こうはポケモンを使って迎撃してくるだろうが、こちらもポケモンを出してボートを蹴散らして進むしかない。まずはしんのすけを起こせ!」
ハウ「しんのすけー! 起きてー!」ユサユサ
しんのすけ「ZZZ」
ハウ「世界の危機だよー! 早く起きてー!」ユサユサ
しんのすけ「ZZZ」
グラジオ「なにしてる! 早く起こせ!」
ハウ「起きないんだよー! 揺さぶってもなかなか起きないー! ……あ、そうだ!」
ハウ「……ライチさんとビッケさんが来たよ」
しんのすけ「えっ?! どこどこどこっ?」ガバッ
ハウ&グラジオ「…………」ハァ
640 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:15:58.82 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「あれ、ライチおねいさんとビッケおねいさんは?」
グラジオ「しんのすけ! 説明は後だ! エーテルパラダイスに入るために、お前とポケモンの力借りたい! いいな?」
しんのすけ「え? あ、そうだ! オラたちエーテルパラダイスに行くんだっけ」
ハウ「だからそのためにあいつらを追い払わなきゃー! じゃないとビッケさんにもルザミーネさんにも、リーリエにも会えないよー!」
しんのすけ「よーし、オラに任せなさいっ!」
グラジオ(ハウ……手馴れているな)
しんのすけ「カザマくん! マサオくん! レッツラゴー!」ヒョイッ
ジュナイパー『オーケー! 任せてくれ!』ポンッ
ヨワシ(群)『全部ぶっ飛ばしてやるぜィ! イェイ!』ポンッ
ハウ「ライチュウ! はりきってこー!」ヒョイッ
ライチュウ「ライラーイ!」ポンッ
グラジオ「……飛ばすぞ!!」
ブォォォォン!!
財団職員A「ん? 誰か来るぞ」
ヌイコグマ「…………」ハァハァ
ネネの豪腕は、ペルシアンをすれすれで外しており、地面にめり込んでいた。
ペルシアン「……ニャッ!」
しんのすけ「ネネちゃん……」
クチナシ「……危なかったね。ペルシアン、辻斬り」
ペルシアン「フシャッ!」
ザクッ!
ヌイコグマ『……!』フラッ
ドサッ
しんのすけ「ネネちゃん!」
ヌイコグマ『しんちゃん……ごめん』
グラジオ「後は……」
クチナシ「あのジュナイパーだろ? ポータウンの時に見かけたからね。それがお前さんの相棒かい?」
624 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:15:22.13 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「……カザマくん」
ジュナイパー(ボール)『……しんのすけ。僕は進化してゴーストタイプになった。この意味、わかるよな』
グラジオ(ジュナイパーはくさ・ゴースト。アローラのペルシアンとは相性が悪い。更にクチナシさんはZワザも残してる……どうするつもりだ?)
クチナシ「坊主、お前さんは今、ずいぶん悔しい思いをしてるだろうよ。だけど、これが現実なんだよ」
しんのすけ「現実?」
クチナシ「現実はねテレビのヒーローのように正義が必ず勝つとは限らないのよ。悪には、悪なりの信念ってものがあるんだよ。最後に勝つのは意志の強いほうだぜ。坊主、お前はどうだ?」
しんのすけ「……オラ」
625 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:16:31.70 ID:gKH7a9Ln0
ーーまだまだ正義のことがよく分からないゾ。アクション仮面、正義って何?
ーーしんのすけ君。その答えは、自分で出すものだ。大丈夫、キミなら出来るさ
ーーしんのすけ君、キミの守りたいものってなに?
ーー最後に勝つのは意志の強いほうだ。坊主、お前はどうだ?
しんのすけ「……オラ、まだ正義のこととか、よくわかんないけど!」
ーーえっ? はい……リーリエと申します
ーー常 識 で す っ ! !
ーーその……迷ってたときに……つい、ふらふらとブティックに入ってしまい……最後の一着と言われ、つい服を買ってしまいました……気合を入れないと、着れそうもない服ですが……
ーーまた、助けられました……ありがとうございます
ーーしんちゃん
グラジオ「…………」
しんのすけ「でもオラ、リーリエちゃんをお助けしたい! それが今のオラの正義で、シンネンなんだゾ! だからオラ、こんなとこで負けたくないもん!」
626 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:21:15.34 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「ーーなら、その信念を、ゼンリョクでおじさんとペルシアンにぶつけて来な。おじさんも、おじさんの信念をゼンリョクで坊主にぶつけるつもりだよ」
しんのすけ「ほいっ!」スッ
しんのすけ「カザマくん! レッツラゴー!」ヒュッ
ジュナイパー『しんのすけ。お前がリーリエさんのために負けたくないっていう思いが本気なら、僕もそれにゼンリョクで応えるよ! 絶対に勝とう!』ポンッ
しんのすけ「おうっ!」
クチナシ「じゃ、ぼちぼち行くかね」
バッ バッ ブゥゥン バァーン!
グラジオ(……クチナシさんのZワザ)アンナポーズスルノカ……
しんのすけ「カザマくん……来るゾ! 「アレ」できる?」
ジュナイパー『ああ、ばっちりさ!』コクン
627 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:23:07.59 ID:gKH7a9Ln0
ペルシアンは Zパワーを 身体に まとった!
ペルシアンが 解き放つ
全力の Zワザ!
ブ ラ ッ ク ホ ー ル イ ク リ プ ス !
ペルシアンを覆っているZパワーから禍々しい黒い球体が形成されると、それが頭上に向けて放たれた。
それは急激に膨張すると、赤黒い光を発しながら、次々と周囲のものを吸い込んでいく!
ジュナイパー『うっ……!』バサッ
カザマはなんとか黒い球体から逃れようと飛翔するが、海すら飲み込みかねない吸引力に、なすすべはなかった。
ジュナイパー『うわぁぁぁぁっ!』
しんのすけ「カザマくーーーんっ!!」
カザマはいとも簡単に吸い込まれてしまった。そして、カザマが吸い込まれたのを皮切りに、黒い球体が収束し、大爆発を起こした!
ジュナイパー「…………」
……後に残ったのは、爆発に巻き込まれ、傷だらけになったカザマだけだった。
ドサッ
ジュナイパー「」
グラジオ「……しんのすけ」
クチナシ「…………」
しんのすけ「……カザマくん」
クチナシ「……坊主」
629 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:26:03.87 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「今だっ!」
バサッ!
一陣の風のように翼がはためく音が聞こえたかと思うと、ペルシアンの背後から緑の閃光が飛来してきた!
ジュナイパー『行くぞっ!』
グラジオ「なっ!?」
クチナシ「……!」
ガシッ!
ジュナイパー『おおおおおっ!!』
ペルシアン「ニャッ!?」
カザマはカギ爪でペルシアンを掴むと、そのまま空へ投げ飛ばすと同時に6つの矢羽根をつがえて、一斉に発射した!
ジュナイパー『はあああっ!』ドドドド!!!
ペルシアン「ニ゛ヤッ!? ニ゛ャ゛ニャァッッ!!?」ドスドスドスッ!
ドサッ!
ペルシアン「ニャアアアッ……!」
ジュナイパー『……決まった!』
630 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:28:39.02 ID:gKH7a9Ln0
グラジオ「馬鹿な、さっき間違いなくZワザで倒されたはずーー」
グラジオは、Zワザで倒れたはずのジュナイパーへ目を向けると、そこには草で編まれた人形が転がっていた。
グラジオ「あれは……!」
ジュナイパー『しんのすけ! Zワザ、行くぞっ!』
しんのすけ「ブ・ラジャー!」
バッ バッ ブリブリブリブリ!
カザマは Zパワーを 身体に まとった!
カザマが 解き放つ
全力の Zワザ!
シ ャ ド ー ア ロ ー ズ ス ト ラ イ ク !
631 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:29:47.80 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「カザマくん! ファイヤーッ!」
ジュナイパー『これで決めるっ!』バサッ
カザマは真上に飛翔すると、周囲に無数の矢羽根を扇形に並べた。そして矢羽根と供にペルシアンへ急降下する!
そしてペルシアンに直接攻撃したと同時に無数の矢羽根がペルシアンや周囲に突き刺さり、黒紫の爆発を引き起こした!
ドカァァァン!!
ペルシアン「フニャアアアァァッ!!」
ドサッ
ゴロゴロ
しんのすけ「……!」
ジュナイパー『……』スタッ
グラジオ「しんのすけが……勝ったのか?」
ペルシアン「」グッタリ
クチナシ「…………」ニヤッ
632 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:31:39.44 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「一本取られたね。Zワザを読んで、みがわりを出すとはよ」
しんのすけ「それほどでも」
ジュナイパー『しんのすけのおじさんからもらったわざマシンのおかげで、勝てた……!』
クチナシ「……まいったなあ。あいつらの屋敷に乗りこむ度胸と強さの持ち主とわかっていたが、これほどとはね」
しんのすけ「まったく、ちくびらないで欲しいですな」エッヘン
クチナシ「見くびる、だろ。カザマ、だったか? ポケモンもおつかれさん! ほら元気にしてやっからよ」
633 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:33:20.53 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「そら、持っていきな」
しんのすけは アクZを 手に入れた!
しんのすけ「正義は勝つ! ワッハッハッハッ!」
大 試 練 達 成 !
クチナシ「あくタイプのZパワーは、こうしてこうすればいいからよ」
バッ バッ ブゥゥン バァーン!
グラジオ「……」アゼン
しんのすけ「こうしてこうしてこうですな?」
バッ バッ ブリリィ バァーン!
クチナシ「……いや、尻は出さなくていいけどよ」
クチナシ「ま、おめでとよってやつだな。ウラウラ島での島巡り、達成だよ」
スタスタ
ピタッ
クチナシ「なんかあるんだろ? まあ、ほどほどにしときなよ」
しんのすけ「ほいっ、ほどほどにヘンタイなことしてきます!」
634 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:36:43.20 ID:gKH7a9Ln0
クチナシ「……ところで、坊主」
しんのすけ「お?」
クチナシ「そいつ……ロトム図鑑だっけか? 面白い奴を連れているな」
しんのすけ「面白い奴というか、変な奴というか。ぶりぶりざえもんって言うんだ」
ロトム図鑑「お前は私を知っているのか? ずいぶん馴れ馴れしいな」
クチナシ「ぶりぶり……ね。あんまりしょうもないことして、余計な騒ぎを起こさせるなよ。そんだけだ」
クチナシ「それと……グラジオのあんちゃん、強くなりたいのならスカル団を頼ってどうするよ?」
グラジオ「………」
スタスタ
しんのすけ「行っちゃったー……やっぱり地味ィ」
ロトム図鑑「あいつ、私を知っていたな。いよいよ私も有名人になってきたな」
ジュナイパー(ボール)『そういう意味じゃない気がする……』
グラジオ「……クチナシさんはああいう人でな。面倒見がいいというか、ドライというかな」
635 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 20:39:25.75 ID:gKH7a9Ln0
ハウ「しんのすけー!」
しんのすけ「お、ハウくーん! オラ、ウラウラ島の島巡り、達成したよー!」
ハウ「ホントー? すごいー!」
グラジオ「……楽しいとか、言ってられないんだぜ?」
ハウ「おれが強ければーリーリエは……。だから、みんなを笑顔にするため、腹くくったのー!」
しんのすけ「えっ? ハウくんのお腹ってなんか結べちゃうの?!」
グラジオ「そういう意味じゃないだろう……」
ハウ「それにーおれもアローラ防衛隊だしねー」
しんのすけ「うんうん、防衛隊メンバーならしっかりしてもらわないと困るよ」
ハウ「で、リーリエはどこに連れていかれたの? ポータウンは違うでしょ。そのころ、しんのすけがいたんだし」
グラジオ「フッ……甘いワリには、案外するどいじゃないか」
グラジオ「エーテルパラダイスだ」
ハウ「エーテルパラダイスー!?」
しんのすけ「わーい! またビッケおねいさんとルザミーネおねいさんに会えるー!」
【ウラウラ島編 おしまい】
636 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:11:14.99 ID:gKH7a9Ln0
…… …… ……
【エーテルパラダイス編】
…… …… ……
海上 グラジオの小型船
グラジオ「スカル団とエーテル財団は、表向きでは敵対しているが、その裏では繋がっているんだ」
しんのすけ「どしてー?」
ハウ「スカル団は他人のポケモンを奪ってるけどー、エーテル財団の人たちはポケモンの保護してるから、方針が食い違うと思うけどー」
グラジオ「ボスのグズマはなにか理由があって、財団のある目的の為に手を貸しているようだ」
しんのすけ「なになに? 世界征服?」
グラジオ「フッ……それと同じくらい厄介なことではあるな」
グラジオ「コスモッグの力を使って、ウルトラホールを開き、そこから現れる異次元の生命体ーーウルトラビーストを呼び寄せることだ」
637 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:12:46.06 ID:gKH7a9Ln0
ハウ「ウルトラビーストって、しんのすけがエーテルパラダイスで戦ったあのー?」
グラジオ「ほう、奴らを知っているのか? なら話は早い」
グラジオ「コスモッグはそれ自体弱いポケモンだというのは話したな? だが、コスモッグはストレスを与えたり、身の危険が迫ると、ウルトラホールを開く能力を持っている」
ハウ「ウルトラホールを開くー? じゃあコスモッグって、ウルトラビーストなのかなー?」
グラジオ「……そう、やつもまた、ウルトラビーストだ。リーリエが連れ出したのも、きっとストレスを与え続けられたコスモッグの身を案じての行動だろう」
ハウ「じゃあさーじゃあさー、このままウルトラホールが開かれたら、どうなっちゃうのー?」
グラジオ「言われなくともわかるだろ? アローラ……いや、世界がビーストで溢れかえる。そうなれば、人とポケモンの生態系のバランスが崩壊し、やがて世界はビーストが支配してしまう」
ハウ「なんでそんなことするのー! アローラになにか恨みでもあるのー?」
グラジオ「……オレにもわからん。理解できれば、説得できたかもな」
ハウ「それじゃー早くリーリエとコスモッグを見つけて取り返さなきゃ! ねぇ、しんのすけー……」
しんのすけ「ZZZ」
ロトム図鑑「」スリープモード
638 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:13:45.00 ID:gKH7a9Ln0
ハウ「うわわー! 大事な話なのに寝ちゃってるよー!」
グラジオ「フッ、寝かせてやれ。スカル団のアジトへ一人で乗り込み、更にクチナシさんの大試練までこなしたんだ。疲れないというのが、無理があるさ」
ハウ「でも、よく寝られるよねー。おれ、マイペースってよく言われるけど、しんのすけはそれ以上だよー」
グラジオ「だが、まんざらではなさそうに見えるぞ」
ハウ「まあねーしんのすけと一緒にいると、楽しいもんー。それにーリーリエとかアセロラとかってしんのすけのこと心配してるけどー、おれはしんのすけってなんでもできそうな気がするのー」
グラジオ「そうだな、そいつは変わってはいるが……子供とは思えない、凄まじいパワーを発揮する。しまキングとのポケモン勝負でそれを見せつけられた」
ハウ「見てみたかったなー、しんのすけの大試練ー」
グラジオ「オレも冷静さを欠いていたとはいえ、負けてしまったからな。次に戦う時はーー!」
ハウ「どしたのー?」
グラジオ「チッ、財団のボートだ……!」
639 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:14:45.21 ID:gKH7a9Ln0
ハウが前方に目をやると、エーテルパラダイスの周囲に、エーテル財団のボートらしきものがいくつも警戒に当たっていた。
グラジオ「おそらく、誰にも邪魔されないように警護に当たっているんだろうな。憎い奴らだ……!」
ハウ「どうするのー?」
グラジオ「正面突破する! 向こうはポケモンを使って迎撃してくるだろうが、こちらもポケモンを出してボートを蹴散らして進むしかない。まずはしんのすけを起こせ!」
ハウ「しんのすけー! 起きてー!」ユサユサ
しんのすけ「ZZZ」
ハウ「世界の危機だよー! 早く起きてー!」ユサユサ
しんのすけ「ZZZ」
グラジオ「なにしてる! 早く起こせ!」
ハウ「起きないんだよー! 揺さぶってもなかなか起きないー! ……あ、そうだ!」
ハウ「……ライチさんとビッケさんが来たよ」
しんのすけ「えっ?! どこどこどこっ?」ガバッ
ハウ&グラジオ「…………」ハァ
640 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/08(木) 21:15:58.82 ID:gKH7a9Ln0
しんのすけ「あれ、ライチおねいさんとビッケおねいさんは?」
グラジオ「しんのすけ! 説明は後だ! エーテルパラダイスに入るために、お前とポケモンの力借りたい! いいな?」
しんのすけ「え? あ、そうだ! オラたちエーテルパラダイスに行くんだっけ」
ハウ「だからそのためにあいつらを追い払わなきゃー! じゃないとビッケさんにもルザミーネさんにも、リーリエにも会えないよー!」
しんのすけ「よーし、オラに任せなさいっ!」
グラジオ(ハウ……手馴れているな)
しんのすけ「カザマくん! マサオくん! レッツラゴー!」ヒョイッ
ジュナイパー『オーケー! 任せてくれ!』ポンッ
ヨワシ(群)『全部ぶっ飛ばしてやるぜィ! イェイ!』ポンッ
ハウ「ライチュウ! はりきってこー!」ヒョイッ
ライチュウ「ライラーイ!」ポンッ
グラジオ「……飛ばすぞ!!」
ブォォォォン!!
財団職員A「ん? 誰か来るぞ」
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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