しんのすけ「いい所に、おでかけだゾ！」

340 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 21:50:28.51 ID:LD/FRaQDO
ガチャ…バーン！
しんのすけ「父ちゃん！母ちゃん！ひま！」
みさえ「し、しんのすけ！」ﾀﾀｯ
ひろし「しんのすけ！」ﾀﾀｯ
みさえ「大丈夫？痛い事、されてない？」
ひろし「すまない。俺の所為で、怖い目に遭わせてしまって」
しんのすけ「ご心配なく！オラ、大丈夫だぞ」

341 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 21:54:24.03 ID:LD/FRaQDO
ネネ「早かったわね」
みさえ「あ、あの時の彼女さん…」
ひろし「あの見えない聞こえないって人？とてもそうには見えないけど…」
みさえ「多分、嘘だったのよ」
ひろし「しかし、何でそんな雑な嘘をつく必要があるんだよ」

342 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 21:55:37.11 ID:LD/FRaQDO
ひろし「いや、それより…此処って？」
しんのすけ「旅館だぞ」
みさえ「！」

343 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 21:58:25.82 ID:LD/FRaQDO
みさえ「旅館って…どうして？」
ひろし「港の倉庫と間違えたんじゃ…」
ボーちゃん「間違えじゃありませんよ」
しんのすけ「お兄さん達は、オラ達を借金取りから逃がしてくれたんだぞ」
みさえ･ひろし「！」

344 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:01:36.10 ID:LD/FRaQDO
～前日～
しんのすけ「夜逃げ…て、なに？」
ボーちゃん「こっそり誰にも知られない様に、いなくなる事」
しんのすけ「朝にするんだよね？」
ボーちゃん「そう」
しんのすけ「それって、朝逃げじゃない？」
ボーちゃん「…確かに」

345 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:04:52.13 ID:LD/FRaQDO
ネネ「ちょっと、ややこしいけどね」
ボーちゃん「ただ、普通に夜逃げに協力するって言っても、多分拒否されると思う」
風間「親戚の家に、迷惑をかけたくないから、だっけ？」
ボーちゃん「遺書には、そう書いてあった」

346 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:08:51.20 ID:LD/FRaQDO
ボーちゃん「だから、夜逃げは促すんじゃなくて…あくまで強制的に」
マサオ「でも、借金取りに化けて、しんちゃんを人質にするんでしょ？」
ボーちゃん「うん」
マサオ「それで、しんちゃんの両親がいう事を聞かなかったら？」
ネネ「この、オニギリ野郎！何て事言うの！此処にはしんちゃんもいるのに！」

347 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:12:37.42 ID:LD/FRaQDO
しんのすけ「…大丈夫だぞ、マサオ君」
しんのすけ「父ちゃんも母ちゃんも、ちゃんと言う事を聞く」
ボーちゃん「そう。これは『賭け』じゃない」
マサオ「…ごめん」
ネネ「あ、メール来た！」

348 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:14:58.70 ID:LD/FRaQDO
訂正
しんのすけ「…大丈夫だぞ、マサオ君」
しんのすけ「父ちゃんも母ちゃんも、ちゃんと言う事を聞く」
ボーちゃん「そう。これは『賭け』じゃない」
マサオ「…ごめん」
♪～♪～
ネネ「あ、メール来た！」

349 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:17:40.39 ID:LD/FRaQDO
ネネ「うん…よっしゃあー！」
ボーちゃん「大丈夫そう？」
ネネ「ばっちりよ。まさか、こんないい所に泊まれるなんて…」
しんのすけ「いい所？」
ボーちゃん「夜逃げ先の旅館」

350 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:19:47.70 ID:LD/FRaQDO
風間「何処？」
ネネ「此処よ！」
風間「…嘘だろ？」
ネネ「本当よ」
マサオ「…わあ…流石だなあ」
しんのすけ「ねぇ、一体どんな場所？」

351 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:22:24.98 ID:LD/FRaQDO
ボーちゃん「一年先も予約埋まってる、老舗の旅館」
しんのすけ「いつ予約したの？」
ボーちゃん「昨日、ネネちゃんが」
ネネ「ただ聞いただけよ？」
ネネ「土曜から泊まれる、ちょっと良い旅館はないかって。愛に」

352 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:23:56.41 ID:LD/FRaQDO
しんのすけ「あ、愛って…あの、愛ちゃん？」
ボーちゃん「その、愛ちゃん」
しんのすけ「今のオラの事…知ってるの？」
ボーちゃん「それは言ってない」

353 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:30:50.11 ID:LD/FRaQDO
ボーちゃん「愛ちゃんは、しんちゃんの家が大変になる前に、外国へ行ってしまったからね」
ボーちゃん「しんちゃんは『事故』で死んだって、聞いてるらしいよ」
しんのすけ「…なら、良かった」
風間「でも分からないものだよね？あんなに仲が悪かったネネちゃんと愛ちゃんが、ペンフレンドになるなんて」
マサオ「愛ちゃんの引っ越しが決まった時、ネネちゃんこっそり手紙渡してたもんね…僕も、手紙渡したんだけどな…」ﾎﾞｿｯ
しんのすけ「おう、そうなのか？」

354 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:33:46.42 ID:LD/FRaQDO
ネネ「今回の事も、詳しくは言ってないけど…愛は理由を聞かずに、旅館を融通してくれたわ」
ボーちゃん「大きな旅館なら、借金取りも入り難いイメージだし、丁度良かった」
しんのすけ「みんな、オラ達の為に…」
ボーちゃん「…みんなで助かろう」
しんのすけ「うん！」
～～～～～～～～～～

355 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:39:34.50 ID:LD/FRaQDO
ひろし「え…夜逃げって事かよ？」
みさえ「朝だけど…ああ、もう夜ね。しかし夜逃げ先が旅館って」
ボーちゃん「逆に此処なら、ガラの悪い人達も入って来れないから、安心」
みさえ「…夜逃げなら、夜逃げって、どうして最初に言ってくれないんですか？」
ボーちゃん「言って、素直に着いてきてくれましたか？」
みさえ「それは…」

356 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:42:09.23 ID:LD/FRaQDO
ボーちゃん「ずっと、此処にいても迷惑になります。中へ入りましょうか」
しんのすけ「父ちゃん！母ちゃん！早く！」ﾀﾀｯ
みさえ「あ、しんのすけ！」ﾀﾀｯ
ひろし「先行くなよ！」ﾀﾀｯ

357 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:45:11.67 ID:LD/FRaQDO
続きは明日の夜辺りにする。

358 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:49:07.90 ID:X4kPHjVEo
>>293
乙！楽しみ

359 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/20(金) 22:55:00.73 ID:hLTlNjADo
乙
めちゃくちゃ楽しみ

364 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:08:24.26 ID:puuIFOPDO
【旅館の部屋】
仲居「では、失礼いたします…」ﾊﾟﾀﾝ
ひろし「…これは」
みさえ「…嘘でしょ」
しんのすけ「おお！ご馳走ご馳走！」
ひまわり「たあ！」

365 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:11:39.15 ID:puuIFOPDO
みさえ「こんな大きな伊勢海老、見た事ない…」
ひろし「こっちの酒は…超希少酒じゃねえか！」
みさえ「…これって、後で請求されないわよね？」ｺｿｯ
ひろし「借金が、また増えるのか…」ｺｿｯ
ボーちゃん「心配しなくても、お代は頂きません」

366 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:14:36.91 ID:puuIFOPDO
みさえ「え…でも、流石にそれは…」
ボーちゃん「ある人の好意で、今回はタダで寝食提供して貰える事になりました」
ひろし「ある人？」
ボーちゃん「…」
しんのすけ「いただきます！」
みさえ「しんちゃん！」

367 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:16:41.37 ID:puuIFOPDO
しんのすけ「もぐもぐ、ぱくぱく…うー…美味い！！」
みさえ「！」
しんのすけ「美味しいぞ！二人とも、食べなくちゃ勿体ないぞ！」
ひろし「…でも」
みさえ「い、いただきます！」ﾊﾟｸｯ

368 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:20:02.38 ID:puuIFOPDO
みさえ「おっいしい！」
ひろし「え…じゃあ、俺もいただきます…」ﾊﾟｸｯ
ひろし「…うめえ！こんな美味い物、初めて食った！」
ボーちゃん「お酒はどれにしますか？」
ひろし「えっと、じゃあ…取り敢えずビールで」
みさえ「取り敢えずって…良いお酒もあるのに？」
ひろし「良いんだ。サラリーマンは、取り敢えず最初はビールなの！」

369 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:21:42.71 ID:puuIFOPDO
・
・
・
ひろし「はあ…食った食った…」
みさえ「ふう…」
ひまわり「げふっ」
しんのすけ「…うまかった」
ボーちゃん「そう、良かった」

370 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:23:26.44 ID:puuIFOPDO
ひろし「世の中には、こんなに美味い物が沢山あるんだな…」
みさえ「そうね…」
ひろし「何か、生きてて良かったって感じだな」
みさえ「ええ」
ボーちゃん「…」

371 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:26:48.40 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「それから…この部屋ですが、露天風呂付きになってますから、そっちに入って下さい」
みさえ「え？大きいお風呂は駄目なの？」
ボーちゃん「駄目です」
みさえ「あ…そう？」
ひろし「いいだろ、別に風呂くらい。しかしプライベート露天風呂なんて、贅沢だなあ」
みさえ「別に、嫌って言った訳じゃないんだけど…」

372 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:30:24.42 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「お風呂に入るなら、僕らは退出しますが」
ひろし「ああ、半日以上も荷台にいたし…入るか？」
みさえ「えー！入るかって…みんなで？」
ひろし「良いじゃないか。家族水入らずで」
しんのすけ「どうせ一緒に入るなら、綺麗なお姉さんの方がいいけどね」
ひろし「まあ、それが出来ればな」
しんのすけ「あはは」
ひろし「あははは」
みさえ「…」

373 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:34:20.98 ID:puuIFOPDO
ゴン！ゴン！
みさえ「このっ、碌でなしどもが…」
ひまわり「たあ！たあ！」
ひろし「…すんません」ｼﾞﾝｼﾞﾝ…
しんのすけ「いつもの母ちゃんだ…」ｼﾞﾝｼﾞﾝ…

374 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:36:26.35 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「じゃあ、僕らは隣の部屋に居ますから。部屋から出たい時は、内線で呼んで下さい」
みさえ「あ…はい…」
ひろし「あの…ありがとうございます」ﾍﾟｺﾘ
みさえ「ありがとうございます」ﾍﾟｺﾘ
ボーちゃん「…どういたしまして」

375 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:39:27.49 ID:puuIFOPDO
【廊下】
マサオ「しんちゃん達の様子って、どうだった？」
ボーちゃん「喜んでる」
ネネ「じゃあ、楽しそうなの？」
ボーちゃん「少なくとも、借金の心配をしている様には、見えない」
風間「…でも、完全に安心って訳でもないよな？」

376 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:41:23.73 ID:puuIFOPDO
マサオ「…ちょっと聞きたいんだけど」
風間「なに？」
マサオ「いや、明日の日曜日、何事もなく過ぎたらどうなるの？」
風間「どうって…」
ネネ「あ…」
ボーちゃん「…」

377 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:44:58.26 ID:puuIFOPDO
マサオ「心中しなければ、それでその…成仏って言うのかな？そういうの、するの？」
ボーちゃん「…しないと、思う」
風間「やっぱりおばさん達にも、今の状況を分かって貰わなくちゃ駄目か…」
ネネ「でも、漸く生きる気力が湧いてきたんでしょ？貴方達は死んでますなんて、言うのは…」
風間「それは…」
ボーちゃん「仕方ない」

378 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:47:37.19 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「事実は、変えられない」
マサオ「どうやって伝える気？」
ボーちゃん「…」

379 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:51:03.10 ID:puuIFOPDO
【露天風呂】
しんのすけ「ふう、極楽極楽…」
ひろし「お、見事な満月だ…山も見えるな…今度は紅葉の季節に来てみたいぜ」
みさえ「何言ってんだか。此処、いくらすると思ってるの？」
ひろし「良いだろ。夢くらい見させろよ」
ひまわり「よお」

380 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:53:43.30 ID:puuIFOPDO
みさえ「しんちゃん？」
しんのすけ「ん？」
みさえ「さっきのお兄さんとどういう関係なの？」
ひろし「あ、そうだ…トラックで拉致…夜逃げをさせて、タダでこんな旅館を用意してくれたし。一体、何者なんだよ？」
しんのすけ「お友達だぞ」

381 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 19:57:13.02 ID:puuIFOPDO
ひろし「友達って…相手は大人だろ？何処で知り合ったんだ？」
しんのすけ「幼稚園」
ひろし「幼稚園って…実習生とか？」
しんのすけ「違う。先生じゃなくって、友達だぞ。父ちゃんも会った事あるんだぞ？」
ひろし「へ？」
みさえ「そうなの？」

382 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 20:01:57.00 ID:puuIFOPDO
しんのすけ「母ちゃんもだぞ。あのお兄さんだけじゃなくて、お姉さんや舎弟の人も、家に遊びに来た事だってあるんだぞ？」
ひろし「…覚えてないな。みさえ、庭で見た事あるって言ったよな？」
みさえ「え？ええ…」
ひろし「知ってたか？」
みさえ「知ってる訳ないじゃない…」
ひろし「だよなぁ…」
しんのすけ「オラ、嘘ついてないからな！」
ひろし「分かった。ごめん、俺達、思い出せないよ」
みさえ「…」

383 ：以下、新鯖からお送りいたします ：2013/09/21(土) 20:02:36.90 ID:C6p2Uj840
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