ネネ「最近、しんちゃん家、様子がおかしいのよねぇ」
Part2
21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:18:10.698 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「ひま、出てきちゃったけどどうしよっか」
ひまわり「うーーうーー、」
しんのすけ「幼稚園やってるかな。風間くんの家は遠いし、、爺ちゃんの家は遠いし」
しんのすけ「おら、どうしよう」
ひまわり「たたたーい!!あー!うー!」
しんのすけ「ひま……ありがとうだゾ!おら、おらがんばる!!」
???「しんのすけくんだね?」
スラリとした体型の太眉の男がしんのすけの前に現れる。
しんのすけ「お兄さん、誰だゾ?」
???「俺は篠原のんすけ」
のんすけ「二十年後の未来から来た、時間警察さ」
しんのすけ「時間警察?時間警察なのに、普通の服だぞ?」
のんすけ「ちょっと、事情があってね。しんのすけくんに手伝って欲しいことがあるんだ」
24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:19:45.289 ID:coUSlzEP0
風間宅
みさえ『風間さんのお宅にうちの息子が伺ってたりしてないでしょうか』
風間母「いえ、見てないですけど……トオルちゃーん!しんちゃん、来てないわよねー」
風間「うん、来てないよ。ママ」
みさえ『そうですか……ありがとうございます』
風間母「どうかなされたんですか?」
みさえ『それが、家出しちゃって……見つからなくて、もしかしたらって』
風間母「まぁ!それは大変、こちらの方でも探してみますね」
みさえ『ありがとうございます!本当にありがとうございます!!』
風間母「はい、大丈夫ですよ。それでは」
風間「ママ、しんのすけがどうかしたの?」
風間母「家出しちゃったみたいだから、行ってくるからお留守番しててねトオルちゃん」
風間母が外に出ていく。
風間「ボクのせいだ……ボクが見て見ぬふりをしたから……」
風間「しんのすけ、しんのすけなら!!」
風間くんも外に出ていく。
25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:21:35.964 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「なんで、こんな所にきて、オラに話しかけてるの?」
のんすけ「君が世界を救うからだよしんのすけくん。だから、君のところに来た」
のんすけ「そうだね、君だけじゃあ難しいだろうし……」
風間くんがしんのすけの手を取ろうとするのんすけの腰にしがみついた。
風間「しんのすけを連れてかせるものか!!!」
のんすけ「風間くん、、」
風間「逃げろ!しんのすけ!!」
しんのすけ「でも、その人悪い人じゃ」
風間「逃げろって!!しんのすけ!!!」
しんのすけ「分かった!風間くん」
しんのすけが逃げ出し、のんすけは逃げるしんのすけを見て朗らかに笑った。
のんすけ「友達想いだね。風間くんは、よし、風間くんから話しちゃおうか。風間くんは頭いいから分かってくれるよね」
29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:25:59.478 ID:coUSlzEP0
みさえ「しんちゃん!!」
ひろし「しんのすけ!!」
しんのすけを見つけた二人が、しんのすけの方へ駆け寄るとしんのすけは木を登った。
ひろし「ひとりぼっちにしてごめんな。もうしないから許してくれよ。しんのすけ」
みさえ「私も出来るだけ仕事を減らして、家に居るようにするから、だから、降りてきて。ね!」
しんのすけは首を振る。
しんのすけ「嫌だぞ!だって!」
しんのすけ「とーちゃんとかあちゃんは、とーちゃんとかあちゃんじゃないんだぞ!!!!!!」
ひろし「でも!俺達はしんのすけの事を本当に愛してる!」
しんのすけ「嘘だぞ!とーちゃんにはとーちゃんの世界があって!そこには本当のオラとかあちゃんとひまが居るんだぞ!」
しんのすけ「それを置いてきてまで!おらと楽しく生きていくとーちゃんなんてとーちゃんじゃないぞ!!」
しんのすけ「かあちゃんもかあちゃんだぞ!!かあちゃんもかあちゃんの世界には家族が居るはずなんだぞ!!」
しんのすけ「それに、オラのとーちゃんは足が臭くて筋肉はなくて、だらしないんだぞ!」
しんのすけ「かあちゃんは、尻デカだしケチだし!ガサツなんだぞ!!」
みさえ「そんなのよりも私たちの方が!!」
しんのすけ「そんなのじゃないぞ!!どんなにダメでも!!オラの家族なんだぞ!!」
ひろし「……わかった。」
ひろし「……しんのすけ、とーちゃん隠してたことがあるんだ。もう、家族ごっこは終わりにしよう」
みさえ「でも、あなた」
ひろし「全部、話して本当の家族になろう」
しんのすけ「とーちゃん……あ」
ひまわりをおぶり、木にぶら下がっていたしんのすけが手を離してしまい落ちていく。
ひろし「しんのすけ!!」
ひろしはそう叫ぶと共に、とてつもない速さで踏み出すとしんのすけをキャッチした。
ひろし「あぶねえ……大丈夫か?しんのすけ……」
しんのすけ「とーちゃん……」
ひろし「しんのすけ、家に帰ろうか」
30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:26:33.820 ID:coUSlzEP0
のんすけ「よし、よぉし、解決したようだな」
風間「でも、あの話が本当なら。しんのすけ、傷つくんじゃ」
のんすけ「大丈夫さ。俺ならわかる、しんのすけは耐えられる。強い男だ」
のんすけ「そうだ風間くん」
風間「……?」
のんすけ「さっき話した事の中で、しんのすけに話さないことがある。だから、黙っててくれるかい?」
風間「はい、分かりました」
のんすけ「やっぱり、風間くんは物分りがいいね」
風間くんが頷くのを見ると、のんすけは慣れた足取りで野原家へと向かった。
31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:28:58.249 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「とーちゃん、かあちゃん、話して欲しいぞ」
ひろし「あぁ、」
みさえ「………」
ひろし「………」
ひろし「俺から話すよ」
ひろし「俺が居た世界はとても嫌な世界だったんだ。沢山怪獣は出るし、悪人も多い。だけど、とーちゃんはそんな世界で悪人と戦ってた。しんのすけとみさえとひまのために」
ひろし「でもな、ある日に俺が仕事から帰ったら家が燃えてて。みんなが死んだんだ。だから、この世界に来た時、俺の生きるべき世界はここだって」
ひろし「生きるべき場所じゃ無かったみたいだけどな」
しんのすけ「とーちゃん……」
みさえ「私は、みんなに愛想を尽かされたの。元の世界では女社長をしててね」
みさえ「仕事をしすぎて、みんなと関わる時間が無くて。だから、愛想つかされて逃げられちゃった。この世界に来てからやり直せるって思ったのに、私……また同じことしちゃったみたいだね」
しんのすけ「かあちゃん……!!」
しんのすけ「おら、おら、どうしたらいいかわかんないぞ」
ひろし「なぁ、しんのすけ」
ひろし「本当のとーちゃんとかあちゃんの事なんて忘れて……最低だな俺」
窓をコンコンと叩く音が鳴る。みさえがカーテンを開けるとそこにはのんすけの姿が見えた。
みさえ「ヒィッ」
ひろし「誰だ!!」
しんのすけ「のんすけ?」
のんすけ「開けてくださいよ!!」
風間「この人、怪しい人じゃないです!!だから」
ひろし「風間くん?」
風間の言葉を聞いてひろしは一先ず納得すると窓を開いた。
のんすけ「ありがとうございます。ひろしさん」
ひろし「……なんで、俺の名前を!」
のんすけ「はははは、今から話しますよ。順を追って」
34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:32:39.203 ID:coUSlzEP0
のんすけ「私は篠原のんすけ。20年後の未来からきた時間警察です」
のんすけ「私が本当に未来から来たかどうかなんてのは悪魔の証明。半信半疑で聞いてください。今の状況を簡潔に述べるのならば」
のんすけ「世界の危機、いや全マルチバースの危機です」
ひろし「………!部屋に入れ」
のんすけは風間くんと共に部屋に入ると、窓の鍵を閉めた。
のんすけ「貴方たちがマルチバースから来たって言うのは知っています。」
のんすけ「えぇ、時間警察ですからね。全部知っていますよ。故に全てを知ってる私から見て、この役に満たされる人間は貴方達三人しか居ないんです」
ひろし「何が起きてるんだ」
のんすけ「そうですね。先に目的だけを言わせていただきます」
のんすけ「全マルチバースが出川珍蔵により消滅させられます」
ひろし「出川珍蔵!!」
しんのすけ「でかちんだぞう?」
みさえ「出川珍蔵って誰なの?」
のんすけ「私よりもひろしさんの方が詳しいと思われるので、説明お願いできますか?」
ひろし「あぁ、出川珍蔵は俺の世界に居た悪人だ。とても強欲で様々な物を自分のものにしようと罪を働いては金で揉み消していた、最低なクズ野郎だ」
ひろし「だが、最低なクズ野郎だったが、そんな大それたことをする様なやつじゃなかったわ。なのに、なんでそんな大それたことを!」
のんすけ「何故、発想が飛躍したのかは知りませんが、恐らく世界の掌握でしょうね。」
のんすけ「彼の掲げる理念は『マルチバースの統一』。全マルチバースをぶつけ、合成させる事により一つの世界に纏めあげる」
ひろし「なるほど、あいつの物欲が世界に向いたというわけか」
のんすけ「おそらく」
ひろし「それで、出川珍蔵は何処にいる!」
のんすけ「このバースにはいません。奈良尾尺八が作り出した擬似バース『EXS』に居ます」
みさえ「マルチバース関係は一通り履修した筈なのに……よく分からないわ………」
みさえ「その、擬似バースってのにはどうやって行くの?」
のんすけ「私が未来のガジェット云々でバース上に穴を開けるのでそこは心配なく」
ひろし「統合ってのはどうやるんだ」
のんすけ「もう、質問ばっかりですね……順を追って話せないじゃないですか」
のんすけ「全てのマルチバースには特殊な電波が帯びています。それを引き寄せる強力な磁石を起動することにより、強度の硬い第25バースにぶつけることで全てのバースが対消滅します」
のんすけ「すると第25バースも最終的には崩落し、擬似バース『EXS』にバースの残滓が集まりEXSを核とし新たなバースを作り出すんです」
35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:35:40.632 ID:coUSlzEP0
のんすけ「すると第25バースも最終的には崩落し、擬似バース『EXS』にバースの残滓が集まりEXSを核とし新たなバースを作り出すんです」
ひろし「なるほどな。にしても奈良尾もか、他には誰が」
のんすけ「あとは経希古テキコ。そして、」
パリン!!
ガラスが割れると共にわらわらと黒い服を着た男が入ってくる。その後ろには190を超える全身真っ黒な大男が立っていた。
のんすけ「そこに居る、放戸アコシですね」
のんすけ「皆さん!逃げてください!!」
のんすけが率先して逃げ出すと、それに続いて皆が逃げ出す。二階の部屋に入ると、ヒロシが戸を抑えた。
のんすけ「今すぐ、バースの穴をこじ開けます!!」
壁に手をかざすと、空間がぐにゃりと歪み暗黒の渦ができ上がる
のんすけ「早く入ってください!!」
みんなを押し入れると、穴の中からのんすけを見つめる皆に手を振った。
ひろし「お前は行かないのか!!」
のんすけ「ははは、彼らも何かしらの穴を開ける装置を持ってます。誰も残らなかったら追いつかれちゃうでしょ?だから、私が足止めしますよ」
ひろし「でも!おんな大男にお前が!!」
のんすけ「大丈夫ですって、私華奢ですけど強いんですよ。追いつきますから、先にいっててください!」
渦の中から手を伸ばすひろしを強引に押し込むと、渦を塞いだ。何も無くなった壁を見つめてニコリと微笑む。
のんすけ「よし、もう見繕う必要はなくなった」
扉を開けるとアコシを睨みつけた。
のんすけ「誰がオラと戦うんだ?」
ファイティングポーズを止めると、襲いかかる有象無象にパンチを食らわせた。
36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:37:31.378 ID:coUSlzEP0
ひろし「のんすけ!!」
ひろしの叫びと共に、暗黒空間が光を取り戻した。そこは白ベースの研究所のようなところである。
しんのすけ「おぉー、すっごい広いぞ」
風間「おい、しんのすけ。あまり見て回るなよ」
ひろし「なぁ」
ひろし「磁石を止めろったって、どうやって止めるんだよ」
風間「あの……」
風間「これ、渡せって」
風間がひろしに紙を渡した。
ひろし「なるほど、メインコンピューターをハッキングすれば」
ひろし「でも、ハッキングなんて」
みさえ「私、」
みさえが手をあげる。
みさえ「私、ハッキングは履修済だから出来るわよ」
ひろし「でかした、みさえ!!」
ひろしが部屋に入っていくと困惑する職員を、なぎ倒した。その部屋にあったパソコンを指さす。
ひろし「これでも出来るか?」
みさえ「多分、出来ると思う」
みさえはそのパソコンに向かい合うとキーボードをカタカタと打ち始めた。
37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:39:29.492 ID:coUSlzEP0
珍蔵「なにやら侵入者が入ったようだな尺八」
奈良尾「なぜ、俺の完璧かつ遂行な計画が……ようやく……フヒヒ、やっと、やっと」ブツブツ
珍蔵「尺八!!!」
奈良尾「はいい!!」
珍蔵「何やら侵入者が紛れ込んだようだぞ!誰だ」
奈良尾「このバースにはネズミ一匹紛れ込まれないんですよ。まさかぁ」
奈良尾「………」
目をぱちくりさせる。
奈良尾「野原一家と一人、よく分からない坊主が紛れ込んでいます!!何故だぁ」
珍蔵「侵入して大丈夫なのか?」
奈良尾「大丈夫じゃないです……が、大丈夫です。セキュリティが万全、だれも」
職員「メインコンピューターがハッキングされています!占拠率が50%を切りました!!」
珍蔵「奈良尾……私を失望させるなよ」
奈良尾「ひ、ヒィ!!私は完璧なんだ、なのに……なのにィ!!」
珍蔵「テキコ!テキコはいるか!!」
テキコ「はい、珍蔵様ぁ。」
テキコ「話は聞きました。やって良いんですよね」
珍蔵「あぁ、生け捕りにする必要は無い」
テキコ「はーい!!了解でーす!」
テキコがみさえ達の方に向かう。
38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:40:51.750 ID:zliGHTR+0
これは面白い
39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:41:51.776 ID:coUSlzEP0
みさえ「メインコンピューター………ハッキング………完了!!」
みさえ「ゲートを開けるわ!!」
しんのすけ「かあちゃんがとっても凄いことしてるぞ」
みさえ「へへへ、私、勉強と仕事しか取り柄ないから」
ひろし「そんなことは無い、お前はいまお母さんをやってるよ」
みさえ「そうかなぁ」
???「ケッ、汚い家族ごっこね」
ひろし「誰だ!!」
声の先には着物の女。着物と女はコツコツと足音を鳴らし歩いている。
???「ふふふ、私はテキコ。」
テキコ「経希古テキコ、わかる?」
しんのすけ「綺麗だけど、汚いお姉さんだゾ」
テキコ「あら、デリカシーのないガキね。凄いイライラしちゃう」
着物の中から二丁拳銃を取り出し、ひろしとしんのすけに向けた。トリガーに手をかけると同時に、みさえが銃の先に飛び出し、両腕に一発ずつ銃弾をくらった。
みさえ「行って!!」
しんのすけ「でも、かあちゃん。痛そうだぞ!かあちゃんのこと置いてけないぞ!!」
ひろし「そうだ、お前のことを置いていけるはずが!!」
みさえ「行ってよ!もう、ゲートは開いたし、それにね」
みさえ「最後くらい、私の言うこと聞いてよ」
ひろし「………わかった」
ひろしがしんのすけとおぶられるひま、そして風間くんを抱えると走り出した。
40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:43:05.558 ID:coUSlzEP0
テキコ「あら、面白いことするのね。面白いけど、それ興が醒めるわ」
二丁拳銃のトリガーを引いた。みさえは間一髪よけ物陰にかくれる。
テキコは物陰に隠れるみさえの方にあゆみより、銃口を向けた。
バシャン
近くにあったゴミ箱の中身を顔にかけられ、怯んだテキコの頭にゴミ箱を被せた。視界のないテキコの背後を取る。
無駄打ちするテキコの隙を見計らい、銃を奪うと、両腕の膂力を持って押し倒した。
みさえ「終わりよ!」
テキコの足めがけ二発ずつ弾丸を打ち込むと、再びパソコンに向き合った。
しんのすけ「ひま、出てきちゃったけどどうしよっか」
ひまわり「うーーうーー、」
しんのすけ「幼稚園やってるかな。風間くんの家は遠いし、、爺ちゃんの家は遠いし」
しんのすけ「おら、どうしよう」
ひまわり「たたたーい!!あー!うー!」
しんのすけ「ひま……ありがとうだゾ!おら、おらがんばる!!」
???「しんのすけくんだね?」
スラリとした体型の太眉の男がしんのすけの前に現れる。
しんのすけ「お兄さん、誰だゾ?」
???「俺は篠原のんすけ」
のんすけ「二十年後の未来から来た、時間警察さ」
しんのすけ「時間警察?時間警察なのに、普通の服だぞ?」
のんすけ「ちょっと、事情があってね。しんのすけくんに手伝って欲しいことがあるんだ」
24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:19:45.289 ID:coUSlzEP0
風間宅
みさえ『風間さんのお宅にうちの息子が伺ってたりしてないでしょうか』
風間母「いえ、見てないですけど……トオルちゃーん!しんちゃん、来てないわよねー」
風間「うん、来てないよ。ママ」
みさえ『そうですか……ありがとうございます』
風間母「どうかなされたんですか?」
みさえ『それが、家出しちゃって……見つからなくて、もしかしたらって』
風間母「まぁ!それは大変、こちらの方でも探してみますね」
みさえ『ありがとうございます!本当にありがとうございます!!』
風間母「はい、大丈夫ですよ。それでは」
風間「ママ、しんのすけがどうかしたの?」
風間母「家出しちゃったみたいだから、行ってくるからお留守番しててねトオルちゃん」
風間母が外に出ていく。
風間「ボクのせいだ……ボクが見て見ぬふりをしたから……」
風間「しんのすけ、しんのすけなら!!」
風間くんも外に出ていく。
25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:21:35.964 ID:coUSlzEP0
しんのすけ「なんで、こんな所にきて、オラに話しかけてるの?」
のんすけ「君が世界を救うからだよしんのすけくん。だから、君のところに来た」
のんすけ「そうだね、君だけじゃあ難しいだろうし……」
風間くんがしんのすけの手を取ろうとするのんすけの腰にしがみついた。
風間「しんのすけを連れてかせるものか!!!」
のんすけ「風間くん、、」
風間「逃げろ!しんのすけ!!」
しんのすけ「でも、その人悪い人じゃ」
風間「逃げろって!!しんのすけ!!!」
しんのすけ「分かった!風間くん」
しんのすけが逃げ出し、のんすけは逃げるしんのすけを見て朗らかに笑った。
のんすけ「友達想いだね。風間くんは、よし、風間くんから話しちゃおうか。風間くんは頭いいから分かってくれるよね」
29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:25:59.478 ID:coUSlzEP0
みさえ「しんちゃん!!」
ひろし「しんのすけ!!」
しんのすけを見つけた二人が、しんのすけの方へ駆け寄るとしんのすけは木を登った。
ひろし「ひとりぼっちにしてごめんな。もうしないから許してくれよ。しんのすけ」
みさえ「私も出来るだけ仕事を減らして、家に居るようにするから、だから、降りてきて。ね!」
しんのすけは首を振る。
しんのすけ「嫌だぞ!だって!」
しんのすけ「とーちゃんとかあちゃんは、とーちゃんとかあちゃんじゃないんだぞ!!!!!!」
ひろし「でも!俺達はしんのすけの事を本当に愛してる!」
しんのすけ「嘘だぞ!とーちゃんにはとーちゃんの世界があって!そこには本当のオラとかあちゃんとひまが居るんだぞ!」
しんのすけ「それを置いてきてまで!おらと楽しく生きていくとーちゃんなんてとーちゃんじゃないぞ!!」
しんのすけ「かあちゃんもかあちゃんだぞ!!かあちゃんもかあちゃんの世界には家族が居るはずなんだぞ!!」
しんのすけ「それに、オラのとーちゃんは足が臭くて筋肉はなくて、だらしないんだぞ!」
しんのすけ「かあちゃんは、尻デカだしケチだし!ガサツなんだぞ!!」
みさえ「そんなのよりも私たちの方が!!」
しんのすけ「そんなのじゃないぞ!!どんなにダメでも!!オラの家族なんだぞ!!」
ひろし「……わかった。」
ひろし「……しんのすけ、とーちゃん隠してたことがあるんだ。もう、家族ごっこは終わりにしよう」
みさえ「でも、あなた」
ひろし「全部、話して本当の家族になろう」
しんのすけ「とーちゃん……あ」
ひまわりをおぶり、木にぶら下がっていたしんのすけが手を離してしまい落ちていく。
ひろし「しんのすけ!!」
ひろしはそう叫ぶと共に、とてつもない速さで踏み出すとしんのすけをキャッチした。
ひろし「あぶねえ……大丈夫か?しんのすけ……」
しんのすけ「とーちゃん……」
ひろし「しんのすけ、家に帰ろうか」
30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:26:33.820 ID:coUSlzEP0
のんすけ「よし、よぉし、解決したようだな」
風間「でも、あの話が本当なら。しんのすけ、傷つくんじゃ」
のんすけ「大丈夫さ。俺ならわかる、しんのすけは耐えられる。強い男だ」
のんすけ「そうだ風間くん」
風間「……?」
のんすけ「さっき話した事の中で、しんのすけに話さないことがある。だから、黙っててくれるかい?」
風間「はい、分かりました」
のんすけ「やっぱり、風間くんは物分りがいいね」
風間くんが頷くのを見ると、のんすけは慣れた足取りで野原家へと向かった。
しんのすけ「とーちゃん、かあちゃん、話して欲しいぞ」
ひろし「あぁ、」
みさえ「………」
ひろし「………」
ひろし「俺から話すよ」
ひろし「俺が居た世界はとても嫌な世界だったんだ。沢山怪獣は出るし、悪人も多い。だけど、とーちゃんはそんな世界で悪人と戦ってた。しんのすけとみさえとひまのために」
ひろし「でもな、ある日に俺が仕事から帰ったら家が燃えてて。みんなが死んだんだ。だから、この世界に来た時、俺の生きるべき世界はここだって」
ひろし「生きるべき場所じゃ無かったみたいだけどな」
しんのすけ「とーちゃん……」
みさえ「私は、みんなに愛想を尽かされたの。元の世界では女社長をしててね」
みさえ「仕事をしすぎて、みんなと関わる時間が無くて。だから、愛想つかされて逃げられちゃった。この世界に来てからやり直せるって思ったのに、私……また同じことしちゃったみたいだね」
しんのすけ「かあちゃん……!!」
しんのすけ「おら、おら、どうしたらいいかわかんないぞ」
ひろし「なぁ、しんのすけ」
ひろし「本当のとーちゃんとかあちゃんの事なんて忘れて……最低だな俺」
窓をコンコンと叩く音が鳴る。みさえがカーテンを開けるとそこにはのんすけの姿が見えた。
みさえ「ヒィッ」
ひろし「誰だ!!」
しんのすけ「のんすけ?」
のんすけ「開けてくださいよ!!」
風間「この人、怪しい人じゃないです!!だから」
ひろし「風間くん?」
風間の言葉を聞いてひろしは一先ず納得すると窓を開いた。
のんすけ「ありがとうございます。ひろしさん」
ひろし「……なんで、俺の名前を!」
のんすけ「はははは、今から話しますよ。順を追って」
34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:32:39.203 ID:coUSlzEP0
のんすけ「私は篠原のんすけ。20年後の未来からきた時間警察です」
のんすけ「私が本当に未来から来たかどうかなんてのは悪魔の証明。半信半疑で聞いてください。今の状況を簡潔に述べるのならば」
のんすけ「世界の危機、いや全マルチバースの危機です」
ひろし「………!部屋に入れ」
のんすけは風間くんと共に部屋に入ると、窓の鍵を閉めた。
のんすけ「貴方たちがマルチバースから来たって言うのは知っています。」
のんすけ「えぇ、時間警察ですからね。全部知っていますよ。故に全てを知ってる私から見て、この役に満たされる人間は貴方達三人しか居ないんです」
ひろし「何が起きてるんだ」
のんすけ「そうですね。先に目的だけを言わせていただきます」
のんすけ「全マルチバースが出川珍蔵により消滅させられます」
ひろし「出川珍蔵!!」
しんのすけ「でかちんだぞう?」
みさえ「出川珍蔵って誰なの?」
のんすけ「私よりもひろしさんの方が詳しいと思われるので、説明お願いできますか?」
ひろし「あぁ、出川珍蔵は俺の世界に居た悪人だ。とても強欲で様々な物を自分のものにしようと罪を働いては金で揉み消していた、最低なクズ野郎だ」
ひろし「だが、最低なクズ野郎だったが、そんな大それたことをする様なやつじゃなかったわ。なのに、なんでそんな大それたことを!」
のんすけ「何故、発想が飛躍したのかは知りませんが、恐らく世界の掌握でしょうね。」
のんすけ「彼の掲げる理念は『マルチバースの統一』。全マルチバースをぶつけ、合成させる事により一つの世界に纏めあげる」
ひろし「なるほど、あいつの物欲が世界に向いたというわけか」
のんすけ「おそらく」
ひろし「それで、出川珍蔵は何処にいる!」
のんすけ「このバースにはいません。奈良尾尺八が作り出した擬似バース『EXS』に居ます」
みさえ「マルチバース関係は一通り履修した筈なのに……よく分からないわ………」
みさえ「その、擬似バースってのにはどうやって行くの?」
のんすけ「私が未来のガジェット云々でバース上に穴を開けるのでそこは心配なく」
ひろし「統合ってのはどうやるんだ」
のんすけ「もう、質問ばっかりですね……順を追って話せないじゃないですか」
のんすけ「全てのマルチバースには特殊な電波が帯びています。それを引き寄せる強力な磁石を起動することにより、強度の硬い第25バースにぶつけることで全てのバースが対消滅します」
のんすけ「すると第25バースも最終的には崩落し、擬似バース『EXS』にバースの残滓が集まりEXSを核とし新たなバースを作り出すんです」
35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:35:40.632 ID:coUSlzEP0
のんすけ「すると第25バースも最終的には崩落し、擬似バース『EXS』にバースの残滓が集まりEXSを核とし新たなバースを作り出すんです」
ひろし「なるほどな。にしても奈良尾もか、他には誰が」
のんすけ「あとは経希古テキコ。そして、」
パリン!!
ガラスが割れると共にわらわらと黒い服を着た男が入ってくる。その後ろには190を超える全身真っ黒な大男が立っていた。
のんすけ「そこに居る、放戸アコシですね」
のんすけ「皆さん!逃げてください!!」
のんすけが率先して逃げ出すと、それに続いて皆が逃げ出す。二階の部屋に入ると、ヒロシが戸を抑えた。
のんすけ「今すぐ、バースの穴をこじ開けます!!」
壁に手をかざすと、空間がぐにゃりと歪み暗黒の渦ができ上がる
のんすけ「早く入ってください!!」
みんなを押し入れると、穴の中からのんすけを見つめる皆に手を振った。
ひろし「お前は行かないのか!!」
のんすけ「ははは、彼らも何かしらの穴を開ける装置を持ってます。誰も残らなかったら追いつかれちゃうでしょ?だから、私が足止めしますよ」
ひろし「でも!おんな大男にお前が!!」
のんすけ「大丈夫ですって、私華奢ですけど強いんですよ。追いつきますから、先にいっててください!」
渦の中から手を伸ばすひろしを強引に押し込むと、渦を塞いだ。何も無くなった壁を見つめてニコリと微笑む。
のんすけ「よし、もう見繕う必要はなくなった」
扉を開けるとアコシを睨みつけた。
のんすけ「誰がオラと戦うんだ?」
ファイティングポーズを止めると、襲いかかる有象無象にパンチを食らわせた。
36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:37:31.378 ID:coUSlzEP0
ひろし「のんすけ!!」
ひろしの叫びと共に、暗黒空間が光を取り戻した。そこは白ベースの研究所のようなところである。
しんのすけ「おぉー、すっごい広いぞ」
風間「おい、しんのすけ。あまり見て回るなよ」
ひろし「なぁ」
ひろし「磁石を止めろったって、どうやって止めるんだよ」
風間「あの……」
風間「これ、渡せって」
風間がひろしに紙を渡した。
ひろし「なるほど、メインコンピューターをハッキングすれば」
ひろし「でも、ハッキングなんて」
みさえ「私、」
みさえが手をあげる。
みさえ「私、ハッキングは履修済だから出来るわよ」
ひろし「でかした、みさえ!!」
ひろしが部屋に入っていくと困惑する職員を、なぎ倒した。その部屋にあったパソコンを指さす。
ひろし「これでも出来るか?」
みさえ「多分、出来ると思う」
みさえはそのパソコンに向かい合うとキーボードをカタカタと打ち始めた。
37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:39:29.492 ID:coUSlzEP0
珍蔵「なにやら侵入者が入ったようだな尺八」
奈良尾「なぜ、俺の完璧かつ遂行な計画が……ようやく……フヒヒ、やっと、やっと」ブツブツ
珍蔵「尺八!!!」
奈良尾「はいい!!」
珍蔵「何やら侵入者が紛れ込んだようだぞ!誰だ」
奈良尾「このバースにはネズミ一匹紛れ込まれないんですよ。まさかぁ」
奈良尾「………」
目をぱちくりさせる。
奈良尾「野原一家と一人、よく分からない坊主が紛れ込んでいます!!何故だぁ」
珍蔵「侵入して大丈夫なのか?」
奈良尾「大丈夫じゃないです……が、大丈夫です。セキュリティが万全、だれも」
職員「メインコンピューターがハッキングされています!占拠率が50%を切りました!!」
珍蔵「奈良尾……私を失望させるなよ」
奈良尾「ひ、ヒィ!!私は完璧なんだ、なのに……なのにィ!!」
珍蔵「テキコ!テキコはいるか!!」
テキコ「はい、珍蔵様ぁ。」
テキコ「話は聞きました。やって良いんですよね」
珍蔵「あぁ、生け捕りにする必要は無い」
テキコ「はーい!!了解でーす!」
テキコがみさえ達の方に向かう。
38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:40:51.750 ID:zliGHTR+0
これは面白い
39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:41:51.776 ID:coUSlzEP0
みさえ「メインコンピューター………ハッキング………完了!!」
みさえ「ゲートを開けるわ!!」
しんのすけ「かあちゃんがとっても凄いことしてるぞ」
みさえ「へへへ、私、勉強と仕事しか取り柄ないから」
ひろし「そんなことは無い、お前はいまお母さんをやってるよ」
みさえ「そうかなぁ」
???「ケッ、汚い家族ごっこね」
ひろし「誰だ!!」
声の先には着物の女。着物と女はコツコツと足音を鳴らし歩いている。
???「ふふふ、私はテキコ。」
テキコ「経希古テキコ、わかる?」
しんのすけ「綺麗だけど、汚いお姉さんだゾ」
テキコ「あら、デリカシーのないガキね。凄いイライラしちゃう」
着物の中から二丁拳銃を取り出し、ひろしとしんのすけに向けた。トリガーに手をかけると同時に、みさえが銃の先に飛び出し、両腕に一発ずつ銃弾をくらった。
みさえ「行って!!」
しんのすけ「でも、かあちゃん。痛そうだぞ!かあちゃんのこと置いてけないぞ!!」
ひろし「そうだ、お前のことを置いていけるはずが!!」
みさえ「行ってよ!もう、ゲートは開いたし、それにね」
みさえ「最後くらい、私の言うこと聞いてよ」
ひろし「………わかった」
ひろしがしんのすけとおぶられるひま、そして風間くんを抱えると走り出した。
40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/06(土) 01:43:05.558 ID:coUSlzEP0
テキコ「あら、面白いことするのね。面白いけど、それ興が醒めるわ」
二丁拳銃のトリガーを引いた。みさえは間一髪よけ物陰にかくれる。
テキコは物陰に隠れるみさえの方にあゆみより、銃口を向けた。
バシャン
近くにあったゴミ箱の中身を顔にかけられ、怯んだテキコの頭にゴミ箱を被せた。視界のないテキコの背後を取る。
無駄打ちするテキコの隙を見計らい、銃を奪うと、両腕の膂力を持って押し倒した。
みさえ「終わりよ!」
テキコの足めがけ二発ずつ弾丸を打ち込むと、再びパソコンに向き合った。
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