キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
Part8
Part1<<
Part4
Part5
Part6
Part7
Part8
Part9
Part10
Part11
Part12
>>Part28
評価する!(2609)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
評価する!(2609)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
318 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)00:49:59 ID:au0
かかし「出たゾ、ブリキの心無い心無い詐欺!もうそれお前の持ちネタなんじゃねぇかと思ってるからな俺ハ!」
ドロシー「あははっ、持ちネタは言い過ぎだよ〜。でもブリキにはもう絶対心あるよね」ウフフ
ライオン「だねぇ、実はそれ僕もずっと思ってた。じゃなきゃそもそも僕たちのためにあれこれしてくれたりしないもんね〜、優しい心あるよねぇ」
ブリキ「そんなわけ無いだろう。誰がなんと言おうと俺に心は無い」
かかし「まだ言うかお前!なんでそこで意地はるんだヨ!」
ブリキ「心を手に入れるのは俺の最終目標だ。オズが詐欺師だとわかった今、心を手に入れる方法のあてはない。下手に妥協しない為にも心が無いという事実はしっかり胸に留めておかないといけない」
かかし「こいツ…面倒くせぇナ…」
ライオン「何か証明する方法があるといいんだけどねぇ〜」
ドロシー「うーん…私には絶対ブリキには心あるって思うけど、そう言うってことはブリキは納得してないんだよね?」
ブリキ「当然だ、そもそも心なんて容易く手にはいるものじゃない。それを手にする方法すら知らない俺が手にしているはず等ないだろう」
ドロシー「じゃあさ、ブリキが納得するまで心を手に入れる旅…再開しようよ。前みたいに…心と知識と勇気、それを手に入れる旅にさっ」
かかし「そりゃあ構わないガ…それじゃあお前のカンザスへ帰るって願いが入ってねぇゾ?故郷へ帰るって目標はもういいのカ?」
ドロシー「うん、エムおばさんは心配してるかもだけど…カンザスへ帰るのはもうしばらく先でもいいかな…。その前に私にはやらなきゃいけないことがあるから、みんなと旅にでるのはその後になっちゃうけど…」
ブリキ「お前、前はあんなに故郷のカンザスへ帰りたがっていたのに。いいのか?」
ドロシー「うん。それにみんなともう少し一緒にいたいなっていうのは、ずっと前から思ってた…私の新しい願いなの。私、今はカンザスへ帰ることよりそっちの方を望んでるんだ」ニコッ
319 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)00:53:42 ID:au0
ワイワイガヤガヤ
裸王(ふむ、ドロシーは内気な面が目立ち、ブリキのあの様子だとせっかくの再会だというのに暗い雰囲気になってしまうのではないかと思っていたが…)
裸王(どうやら杞憂だったようだ。いざという時はこの裸王がマッスルジョークで場を沸かす事も視野に入れていたが…もう必要あるまい)スッ
裸王(さぁ、私も三日後に備えすべき事を…むっ?)
ヘンゼル「……あぁ、裸王さん。中に居たんだね」コソコソ
裸王「ヘンゼルではないか。部屋の前で何をしているのだ?」マッチョ
ヘンゼル「…別に大したことじゃないよ、ただかかしやライオンをここに連れてきたのは僕だ。最後まで見届けるのが筋かなって」スッ
裸王「気になって様子をうかがいに来たというわけだな。うむ、一時不安に思う場面もあったが…あの様子ならば問題なかろう!マッスルノープレブレム!」マッスル
ヘンゼル「そうなんだ。ドロシーは平気そうだった?なんだか彼女少し頼りないから、気になってね」
裸王「その点も心配あるまい。内気な普通の娘だと思っていたがやはりドロシーもおとぎ話の主人公。あの四人の中心となっているのは彼女なのだろう」マッスル
裸王「彼女には周囲を率い先導する手腕やリーダーシップがあるわけではないが…傍目に不揃いな集団である彼らの支柱となっているのは間違いなくドロシーだ。私の審美眼と上腕二頭筋がそう囁いているぞ!」ムキムキッ
ヘンゼル「そう、なんだか彼女…場の空気に流されそうな性格に見えてね。まぁ問題ないならいいんだけど」
裸王「ほう、随分と面倒見が良いのだなヘンゼルは。良い傾向だ、気配りの出来る男は男女問わず頼られるからなっ!」マッスル
ヘンゼル「なにそれ。僕は妹たちの面倒を見るのを優先したいから他人に頼られてもね…今回の事もあれだよ、気まぐれのようなものだよ」
裸王「うむ?そうなのか?それならば早々にグレーテルの所へ向かった方がいいのではないか?」
ヘンゼル「どうしてグレーテルの名前が出てくるの?」
裸王「君が別の世界へ飛んだ後、少しだけ妹君達と言葉を交わしたが…グレーテルは終始不機嫌そうだったぞ?あれはお主が原因なのではないか?お千代もそのようなことを口にしていたが…」
ヘンゼル「……」
裸王「今から君を誘って特訓を…と思ったが、どうするかね?」
ヘンゼル「……ごめん、先にグレーテルの所に行ってくる」スタスタ
321 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)01:01:35 ID:au0
しばらく後
裸の王様の世界 裸王の城 応接間
・・・
かかし「それで毎度毎度シンドバッドが邪魔しに来てなァ、そのたびにラプンツェルが城を抜け出して遊びに行くんダ。そんである時、シェヘラザードが遂にブチキレてなァ…」ハハハ
ライオン「ひぇぇ…シェヘラザードさんって【アラビアンナイト】で語られてるおとぎ話を作ったんだよね、たくさんのおとぎ話を作ったんだもん相当頭良いんだろうなぁ〜。僕の経験上、頭がいい人怒らせるととんでもないことになるよぉ」
ドロシー「でもちょっと遊びに行くくらいいいかなって思うけど…ラプンツェルさん、外の世界珍しいだろうし…」
ブリキ「そうは言うがラプンツェルはかかしと同様にシェヘラザードから知恵を授かろうと彼女の教えを受けていたのだろ?その途中で遊びに行くようなら叱られるのは当然だ」
かかし「おゥ、お前と同じでシェヘラザードも相当頭が堅いからナ。流石によその世界のラプンツェルに手は上げてなかったガ、シンドバッドは丸坊主にさせられてたゾ」
ブリキ「遊び人にそりゃあキツい仕置きだな。自業自得だが」
ドロシー「で、でも突然坊主頭って…物語に影響出たりしないのかな…」
かかし「平気だロ、あいつターバン巻いてるシ。本人は死にそうな顔してたけどナ」
ライオン「でもなんだか平和そうでいいなぁかかしのとこ。あっ、別にかかしが大変じゃなかったって意味じゃなくてね?」
ドロシー「ライオンは桃太郎さんと一緒に居たんだよね?」
ライオン「そうそう、桃太郎さんカッコ良くて憧れちゃうよぉ」
ブリキ「日ノ本一の侍と意気投合するとはな、お前とは何か共通点があるというわけでもないだろうに」
ライオン「ううん、共通点あったんだよ。桃太郎さんの意外n…あっ、いやなんでもない!」
かかし「途中で言うのやめるなヨ!気になるだろがイ!」
ドロシー「……(きっとあの事だけど黙っておこう、桃太郎さんの名誉のためにも)」
ドロシー「も、桃太郎さんカッコいいよね…!」アワアワ
かかし「なんか今、取って付けたように誉めたナ…」
322 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)01:10:17 ID:au0
ブリキ「しかし、俺が牢で時間を無為に過ごしている間もお前たちは研鑽を積んでいたわけか。我ながら自分が情けない」
ドロシー「二人は偉いけどブリキがそんな風に思わなくたって大丈夫だよ、それに威張る事じゃないけど…私も特に何か出来た訳じゃなかったし…」モニョモニョ
かかし「お前はかぐや姫に世話になったんだったナ。まぁ俺とライオンは自分の目標をかなえるための努力がしやすい場所にいたってだけダ。シェヘラザードのおかげで俺もいくらかは知恵を得たしナ」
ライオン「ぼ、僕も桃太郎さんと一緒にいて少しは強くなれた気がしないでもないよぉ」
ブリキ「そうは言っても…そう言えばドロシー、お前さっき言っていたな?やらないといけないことがあると」
ドロシー「あっ、うん…えーっと、そうだよ」
ブリキ「何をするつもりだ?詳しく教えてくれ、力になれることがあれば協力する」
ドロシー「あっ、えっと、その…ちょっとブリキには言いにくいんだけど…」
ブリキ「なんだもったいぶって。お前は俺を受け入れてくれたんだ、俺に何を遠慮しているか知らないがお前が決めたことに反対したりしない。言って見ろ」
ドロシー「……うん、あのね、反対されちゃうかも知れないけど決めたの」
ドロシー「…私、アリスちゃんと戦う事にした。キモオタさんやヘンゼル君と一緒に…【不思議の国のアリス】の世界へ行くの」
323 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)01:24:45 ID:au0
今日はここまで 『作者』編 次回に続きます
ちょっとここで分割、そろそろ作者に触れたいところ
324 :名無しさん@おーぷん :2016/05/09(月)01:30:59 ID:Ppn
乙です!
オズ組再会!やったね!
マッスルジョークは場を沸かす事が出来るのか、物凄い微妙な空気を産み出すのか、気になるところであります…w
326 :名無しさん@おーぷん :2016/05/09(月)22:47:10 ID:pK6
乙です!
オズ組の再会いいなぁ!
続き待ってます!!
329 :名無しさん@おーぷん :2016/05/10(火)08:43:01 ID:isZ
乙です!
やっとオズ組が再会ー!心無い無い詐欺www
チラ見っ子ライオン可愛い。
357 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)00:58:27 ID:Bjf
ブリキ「お前がアリスと戦うだと?」ギシッ
ドロシー「う、うん。正確にはアリスちゃんと戦うみんなをお手伝いする感じになるのかな…私、今は戦う為の力持ってないから…」
ブリキ「そんなものは些細な問題だ、どっちにしろ危険であることに違いはない。直接戦わなければ安全というわけでも無いだろう…相手はあのアリスだぞ?」
ドロシー「そうだけど…でもきっと平気だよっ!ヘンゼル君も一緒だしキモオタさんも居る、私一人じゃないから大丈夫だよっ。だから心配なんかしなくてもいいんだよ?」
ブリキ「一人じゃないから心配するなと言われて、それで納得しろと言うのは無理な話だ。アリスがどれほどの戦力を持っていて、それが及ぼす影響を知った上でお前はアリスと戦うなんて事を口にしているのか?」
ドロシー「あうぅ…そ、そう言われちゃうと…でもっ」
ブリキ「でも、じゃあない。よく考えてみろ、知っているはずだぞ?かつて一緒に居たからといってお前に手加減するような娘じゃあないぞあいつは」
ドロシー「うぅ…それは、そうだけどぉ…。…やっぱり、納得してくれない?」
ブリキ「そんなこと聞くまでもないだろう。お前がアリスと戦うなんて事、俺はもちろんかかしやライオンだって当然納得なんかしない、反対するに決まっている。おい、黙っていないでお前たちも何とか言ってやれ」
かかし「んッ?何か問題あるのカ?俺は別に反対するつもりねぇけド」
ブリキ「お前…何を言っている!?この臆病なドロシーがあのアリスと戦うことに賛成だっていうのか?」ガタッ
ライオン「あ、あのぉ…ブリキには悪いけど僕も賛成だなぁ。ヘンゼル君は優しいしキモオタさんたちは仲間を大切にしそうだから、ドロシーちゃんはきっと大丈夫だよぉ……なんて思ったり思わなかったり…モニョモニョ」
ブリキ「……っ!?お前たち正気か…!」ギシッ
358 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:04:24 ID:Bjf
ライオン「あの、その、それに…言うの遅くなっちゃったんだけど……えっと、その…モニョモニョ」
かかし「何をモニョモニョ言ってんダ!よく聞こえねェ、はっきり喋レ!」
ライオン「ご、ごめん…あの、あのねぇ…実は僕もアリスちゃんと戦う事に決めたんだ…。桃太郎さんと一緒にシンデレラさんを助け出すんだ、あんまし力になれないかもだけど…」ボソボソ
ブリキ「なん…だと…!」ギシッ
かかし「おいおイ、マジでかお前!そりゃまた随分と思い切ったなァ、お前!」バシバシ
ライオン「え、えへへ…内心ドキドキなんだけどね…。でもね【蛙の王子】の世界で桃太郎さんと修行したり獣退治したりしてさ、思ったんだ。僕は臆病だけど…でも戦うための力は一応あるでしょ…?」
ドロシー「一応なんて謙遜だよ〜、だってライオンは牙も爪もとても鋭いしさ。力もすっごく強いしとっても素早いし、実は力強いと私は思うよ?」
かかし「そうだよナ。まァ、臆病なせいでそれを全然生かせてねぇんだけどナ!」ハハハ
ライオン「う、うん…そうなんだよね…。で、でも臆病な気持ちをちょっと押さえ込んで…その力をアリスちゃんを止めたりシンデレラさんを助ける手助けに使えたらいいなって、僕は思ってて…」
ライオン「桃太郎さんは一緒にいるとき励ましてくれたりお世話になったし…。僕は臆病なライオンだけど…ちょっと頑張って見ようかなって…えへへ、でもこんなの僕らしくないよねぇ」
かかし「そうだそうダ!お前はもっとオドオドしてるイメージだからナ!…なんつっテ、でもいいんじゃねぇカ?よく決心したと思うゼ、頑張りナ」バシバシ
ライオン「え、えへへぇ…このあと桃太郎さんと合流して一緒に修行させて貰う事になってるんだ。確か【舌切り雀】の世界に行くって…僕、頑張るよぉ…!」フンス
ブリキ「……」
359 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:09:28 ID:Bjf
ドロシー「と言うことは、あれだねっ。私とライオンはアリスちゃんと戦うって決めた者同士かぁ…それじゃあ私達、おそろいだねっ」ニコニコ
かかし「おッ、そうだナ!ドロシーとおそろいたぁ羨ましいぞお前!コンチクショウ!プレイボーイ!」グイグイ
ライオン「そ、そうだねぇ…!なんだか嬉しいねぇ、僕達はよく臆病だー臆病だーってよく言われるけど、でも頑張るって決めたもんね。一緒に頑張ろうねドロシーちゃん!」
ドロシー「うんっ!ライオンは桃太郎さんと一緒、私は…きっと裸王さんやヘンゼル君と一緒に行動するからしばらくは別々だけど、頑張ろうねっ!」ニコニコ
かかし「くゥ〜!俺も出来ることならアリスに一泡吹かせてやりてぇ
ところだガ…!でも俺は仲間内じゃ一番戦闘に向いてないからよォ、疲労も痛みも感じねぇつっても…コレじゃあナ」ワサワサ
ライオン「そ、そっか…かかしは身体が藁で出来てるから脆いもんねぇ…勇気はあるのにもったいないねぇ…」
ドロシー「でも無理して【青ひげ】の世界の時みたいに真っ二つにされたりしたら困るよ。直すためにたくさん藁持って行かなきゃいけなくなるし…それはそれで大変だよ」アワアワ
かかし「あァ、無理して足手まといになっちまうのは避けてェ。残念だが俺は留守番だナ。アリスをとっちめるのはお前たちに任せらァ」
ライオン「かかしって知識が欲しいって言ってる割には結構的確な作戦とか考えてくれるし、一緒にいてくれたらこころつよかったんだけどなぁ…も、もちろん無理させようとか考えてないよ?大丈夫だよ?」
かかし「そう言ってくれるのは嬉しいけどナ、まぁこの後はシェヘラザードの所に戻ってまた色々教えて貰うかナ…アリスを倒す大役は俺達の主人公様に譲ってやるヨ」ハハハ
ドロシー「ちょ、ちょっとそれやめてよぉ…私は主人公とかそういう柄じゃないし…皆でまとめて主人公って事でいいよぉ〜」アワアワ
ライオン「で、でも【オズの魔法使い】の主人公は間違いなくドロシーちゃんなんだし…そこは自信持とうよぉ」
かかし「そうだゾ!前にアリスが言ってたじゃねぇカ、俺達のおとぎ話は現実世界じゃ本は勿論、舞台とかにもなってるんだロ?相当有名なおとぎ話だって話だぜェ?」
ドロシー「や、やめて…私の情けないエピソードが舞台で大勢の人に知られてるとか考えたら…う、うぅ…手先がふるえてくる…」オドオド
ライオン「ぼ、僕が言う事じゃないけどそれはさすがに気にしすぎだよぉ〜」
かかし「ハハハ、違いねェ!」ハハハ
アハハハハ
ブリキ「いや…待て!なんなんだこれは?状況を分かっているのかお前たちは!何を笑っているんだ…!」バンッ!!
360 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:12:16 ID:Bjf
ライオン「え、ええぇ…なんでって…そんな事言われても…悲しい顔しなきゃいけない理由もないし…」
かかし「別にいいじゃねぇカ!仲間同士が些細なことで笑いあってもヨぉ!むしろお前はなんでそんなにノリが悪いんだヨ!空気読めよこのKY!」
ドロシー「か、かかしは言い過ぎだよっ!ブリキもそんな風に怒鳴らないでおこうよ、久しぶりに会えたんだし…ねっ?」
ブリキ「…俺にこんなことを言う権利がないことは分かっているがあえて言わせて貰う。お前たちはアリスと戦うという事がどれほど危険なことか理解しているのか?」
ブリキ「あいつと一緒にいた俺達なら解るだろ、あいつの持つ戦力の充実ぶりを…!」
ライオン「ま、魔法具は数え切れないほど持っていたよねぇ…ドロシーちゃんの靴も奪われちゃったし…」
かかし「それもだがよォ、やっぱり仲間だナ。あの世界の連中はほぼ全てがアリスの味方。そして帽子屋にハートの女王…一筋縄じゃいかない奴も大勢いル」
ドロシー「それにアリスちゃんが狙ってる魔法のランプはどんな願いも叶えられるって聞くし…手に入れちゃったらマズいよね…」
ブリキ「そこまで分かっていてお前たちはどうしてそんなに気楽に構えていられるんだ。ライオンもドロシーも…下手すれば死ぬ。それを分かっているのか?」
ライオン「そ、そりゃ死ぬのは怖いけど…でも僕は桃太郎さんの力になりたいんだ、だって桃太郎さんが一緒にいてくれなかったら僕怖くて何もできなかったと思うし…」
ブリキ「それはそれだ…感謝はすべきだし礼は尽くすべきだ、だがそれは戦いの場に赴かなくても出来る。お前が危険に身をさらす必要はないんだ…ライオンだけじゃなくドロシー、お前もだ」
ドロシー「…でもっ」
ブリキ「アリスは危険すぎる、そんな奴の所に大切な仲間を向かわせるわけにはいかない」
ブリキ「俺は断固反対だ。キモオタ達がアリスを止めるというのなら…奴らに任せるべきだ、臆病なお前たち二人が行って出来ることなんか知れている。むしろ的を増やすようなものだ」
361 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:22:09 ID:Bjf
ドロシー・ライオン「……」ショボーン
かかし「ブリキお前!んな言い方ねぇだロ!考えても見ろヨ、臆病なこいつらが戦いを選んだんだゾ?軽い気持ちで言ってんじゃねぇのはお前にだってわかるだロ?」
ブリキ「…俺の愚かな行動のせいで二人に必要のない覚悟をさせたことは悪いと思っている。だが…だからこそ俺は止める、こいつらが戦う必要はない」
ブリキ「お前たちの代わりに俺がアリスのもとへ向かう。お前たちは傷つかず、キモオタ達へ恩を返す事も出来る…これが最上の策だ」
ライオン「えぇぇっ!?ブリキはそんなにボロボロなんだよぉ!?無理無理!無理だってぇ!」
ドロシー「そ、そうだよっ!アリスちゃんが強いって言ったのはブリキだよ!?そんな体で勝てるわけ無いよっ!」
ブリキ「それでもお前たち二人が向かうよりずっと役に立てると思うがな。そもそも場数が違う、そして何より死なないと言うのは戦いにおいて大きすぎるアドバンテージだ」
かかし「同じ不死の身体を持つ奴としテ、同意したいところだガ…今のお前は言っちゃ悪いがデカいスクラップだゼ…。満足に戦えないって事はお前自身がよく分かってるんじゃないのカ?」
ブリキ「なにもこのままの状態で戦うとは言っていない、奴等には優秀な『鋳掛け屋』が居るだろう?協力するとなれば俺の体を直してくれるだろうしな」
ドロシー「えっ?そんな人居たっけ…?あっ、魔法使いさんの事かな…?」
かかし「…いヤ、【ピーターパン】のティンカーベルの事ダ。あいつは金物修理の妖精だからな」
ライオン「えぇっ?ティンカーベルちゃんにそんな能力があったのぉ?」
ドロシー「わ、私も知らなかった…会ってお話までしたのに…」オドオド
ブリキ「俺の体を直せる奴は多くない、だから知っていた。あいつの名『ティンカーベル』は『鋳掛け屋のベル』という意味だ、金物修理の妖精なら魔力が宿った俺の身体を修繕することも容易いだろう」
かかし「確かにそうだナ…万全な状態のお前が戦えるのならそれが一番望ましいガ…」
ブリキ「そうだろう。決まりだ、奴等への協力は俺が請け負った、お前たちは留守番だ。いいな?」ギシッ
362 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:25:14 ID:Bjf
ライオン「確かに…そうかもしれないけど…けどけどぉ…」ボソボソ
かかし「ブリキの言うことは理に適ってル…だガ、うーム……」
ブリキ「もう前回のような不甲斐ない姿は見せない。次こそ俺はお前たちを守ってみせる…お前たちは心配なんかせず、ただ待っていればいい」
ドロシー「……」
ブリキ「いいな?ドロシー。お前がキモオタ達に世話になったのならその礼は俺がきちんと尽くす。お前は何も心配せずこの城d」
ドロシー「いっ…嫌っ!私が行かなきゃ…ダメだよっ!」ガタッ
ブリキ「…その話は終わった筈だ、お前よりも俺が適任。アリスの元へ向かうのがお前である必要はない」
ドロシー「ううん、ブリキがなんて言っても…絶対に私が行く…!」
ブリキ「…今の話を聞いていただろう?何故、そうなる?」
ドロシー「私…約束したんだ。かぐやさんと」
ドロシー「私はたくさん悪いことをしてきた。それは意図してやった訳じゃないけど…でも、でも償いはしなきゃならない。ううん、私が償いたいんだ。今までしてきたことを」
ブリキ「話を蒸し返すつもりか?責任の所在はお前には無い、償う必要など…」
ドロシー「ううん、私は…アリスちゃんと一緒にたくさんのおとぎ話を消しちゃったし…大勢の人を殺した…。数え切れないほど…みんなの未来を奪ったんだ」
ドロシー「確かに私がアリスちゃんの世界へ行くって決めたきっかけは頼まれたからだけど…流されて仕方なくやるんじゃないよ、これは私の意志で決めたことなの」
ブリキ「……」
ドロシー「これは償いの為の一歩なんだ。怖くないっていったら嘘になっちゃうし、足手まといになっちゃうかもしれない…」
ドロシー「でもかぐやさんは大丈夫だって言ってくれた、ティンクちゃんや赤ずきんちゃんは私の罪を責めないでくれた、ヘンゼル君は初対面の私に優しくしてくれた…。罪人の私を突き放すことなんか簡単なのに、そうしなかったよ」
ドロシー「私に優しくしてくれた人達は…私が罪を償えるって信じて接してくれたんだ、だから私は…逃げない。ブリキ達や皆…信じてくれた皆の側で笑っていられるように、頑張るって決めたんだよ」
363 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:29:47 ID:Bjf
かかし「少し離れてる間ニ…お前の内面にも変化があったみたいだナ。そういうのは好きだゼ、俺はお前の意見に賛成ダ」
ライオン「ぼ、僕も!僕もだよぉ!」
ブリキ「……ドロシー、お前は普段は流されやすい癖にこういうときは強情だな」
ドロシー「それは…うん、なんていうか…お互い様だよっ。ブリキだってそうだよ?」ウフフ
ブリキ「そうだな…で、考えを変える気は?」
ドロシー「ごめんね、これは譲りたくない」フルフル
ブリキ「……ライオン、かかし。どうにかならないか?こいつは意見を変えないらしいが…俺もそのつもりはない。このままじゃ平行線だ」
ライオン「う、うーん…どうもこうもないとおもうなぁ…」
かかし「つーかお前は解ってて聞いてるんだロ?ブリキ、お前が折れるしかねぇヨ」
ブリキ「……だが、な。こいつの気持ちは理解した、だが強い思いで何とかなるほど現実ってのは甘くないだろう。どんな覚悟をしても死ぬときは死ぬ」
かかし「……なぁお前ラ、俺とドロシーとブリキが旅をすることになってしばらくしテ…ライオンと初めてあったときの事覚えてるカ?」
ドロシー「うん、覚えてる。ライオンはトトを捕まえて食べようとしてたんだよね」
ブリキ「そうだったな。しかし結局、トトはオズの宮殿に置き去りにして来ちまったが…。それはさておき、初めてあったときのライオンは相当な迫力だったな」
ライオン「う、うわぁ…その話はやめて欲しいよぉ…。僕にとっては思い出したくない過去なんだよぉ…」
364 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:32:05 ID:Bjf
かかし「あの時、トトを食おうとしたライオンに向かっていったのは俺でもブリキでも無かっタ。他でもないドロシーだったんだゼ?」
ブリキ「そうだったな。俺のブリキ製の身体は牙なんか通さないが…それでも一瞬躊躇してしまった、初対面ではライオンの性格を知らなかったからな」
ライオン「ぼ、ぼくもあの時は必死だったんだよぉ…凶暴なライオンだっていうイメージを守らなきゃ森にいられなくなっちゃうし…」
ドロシー「わ、わたしだってあの時は必死だったよっ!私が守らなきゃトトが食べられちゃうと思ったし…」
ブリキ「だが…かかし、お前は何がいいたいんだ?思い出話に花を咲かせようってわけじゃないんだろう?」
かかし「まぁ聞けヨ。それから長い間旅をしテ…俺達がオズに騙されてると知らずに受けた魔女退治…俺達が役に立たなくなってる間に魔女を倒したのは誰だっタ?」
ブリキ「…ドロシーだ」
かかし「なァ?こいつは確かに臆病だしオドオドしてるけどよォ、いざってときはなかなかどうして強さを見せつけてくるゼ?」
かかし「なぁブリキ、守ってやらなきゃいけないほど弱い娘が猛獣に躊躇なく飛び出せるカ?一人で悪い魔女に立ち向かえるカ?」
ブリキ「…必要ないとは思わない。だがそうして考えてみれば、ドロシーは案外俺が思っているほど弱い娘でも無いのかもしれないな」
ライオン「つまり…僕たちの中で一番強いのは…ドロシーちゃん?」
ドロシー「そ、そんなことないよ!重いものもてないし、うっかりミス多いし…ライオンの時も悪い魔女の時もただただ必死でやってただけで何があったかよく覚えてないし…」オドオド
かかし「そりゃあぶっちゃけ心配だゼ、俺はこいつのこと好きだしナ。アリスの所へ送り出しても傷付いて帰ってくるかもしれねェ、最悪帰ってこないかもナ」
かかし「でもよォ、カンザスへ帰るって事だけが旅の目的だったドロシーに新しい目標が出来たんダ、叶えさせてやりたいって俺は思うんだなァ」
365 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:35:16 ID:Bjf
ブリキ「……やれやれ、かかしはドロシーの味方か」ギシッ
かかし「そりゃあゴツいおっさんより可愛い女の子の味方するに決まってらァ」ハハハ
ライオン「ブリキはこう見えておじさんだからねぇ…あっ!違うよ!?あの、いい意味でおじさんって意味でね?でもドロシーちゃんが可愛いって意見には全面的に賛成だよぉ〜」
ドロシー「な、なんで突然そんな話に…!私、別に可愛くないよ」アワアワ
ブリキ「…三対一じゃあ勝ち目は無い、今回は俺が折れよう。ドロシーがやりたいようにやればいい」
ドロシー「ブリキ…!わかってくれて嬉しい!」ギュー
ブリキ「だが、約束だドロシー」
ドロシー「…?」
ブリキ「必ず俺たちの所へ帰ってこい。俺をあの森から連れ出したのはお前だ、どこかへ行ってそのまま帰ってこないなんてのは許さないぞ、俺は」
ドロシー「うん、約束する。みんなでもう一度旅に行くって決めたし、トトも…【オズの魔法使い】の世界もいつかは取り戻したいしね」ニコッ
ブリキ「約束できるならそれでいい、言いたいことは山ほどあるが…お前が帰ってくればそれでいい」
かかし「もちろン!生きて帰ってくるんだゾ?お前が死んだりしたら今度は蘇生の魔法を探す旅が始まっちまうゼ」ハハハ
ライオン「ぶ、ブラックジョークが過ぎるよぉ!で、でも、もちろん僕も一緒だから…改めて頑張ろうね、ドロシーちゃん!」
ドロシー「うん…!必ずアリスちゃんの企みを止めてみんなの所へ帰ってくるよ。そしていつかまた…あの頃みたいにそれぞれの夢を追って旅しよう、約束っ!」ニコッ
366 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:44:42 ID:Bjf
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
俺の中ではブリキは父親感強いです
次回、ヤキモチグレーテルと小夜啼鳥
キモオタの動向が気になる?今、ティンクと現実世界のデパ地下で買い物してます。次回、お楽しみに
368 :名無しさん@おーぷん :2016/05/28(土)01:56:42 ID:ctb
1さん、待ってましたっ!
やっぱりブリキパパはドロシーが心配で心配でしょうがないんですね、、、
372 :名無しさん@おーぷん :2016/05/29(日)16:20:15 ID:V8s
乙です!
待ってました!!
ドロシーがんばれ!
続き待ってます!!
かかし「出たゾ、ブリキの心無い心無い詐欺!もうそれお前の持ちネタなんじゃねぇかと思ってるからな俺ハ!」
ドロシー「あははっ、持ちネタは言い過ぎだよ〜。でもブリキにはもう絶対心あるよね」ウフフ
ライオン「だねぇ、実はそれ僕もずっと思ってた。じゃなきゃそもそも僕たちのためにあれこれしてくれたりしないもんね〜、優しい心あるよねぇ」
ブリキ「そんなわけ無いだろう。誰がなんと言おうと俺に心は無い」
かかし「まだ言うかお前!なんでそこで意地はるんだヨ!」
ブリキ「心を手に入れるのは俺の最終目標だ。オズが詐欺師だとわかった今、心を手に入れる方法のあてはない。下手に妥協しない為にも心が無いという事実はしっかり胸に留めておかないといけない」
かかし「こいツ…面倒くせぇナ…」
ライオン「何か証明する方法があるといいんだけどねぇ〜」
ドロシー「うーん…私には絶対ブリキには心あるって思うけど、そう言うってことはブリキは納得してないんだよね?」
ブリキ「当然だ、そもそも心なんて容易く手にはいるものじゃない。それを手にする方法すら知らない俺が手にしているはず等ないだろう」
ドロシー「じゃあさ、ブリキが納得するまで心を手に入れる旅…再開しようよ。前みたいに…心と知識と勇気、それを手に入れる旅にさっ」
かかし「そりゃあ構わないガ…それじゃあお前のカンザスへ帰るって願いが入ってねぇゾ?故郷へ帰るって目標はもういいのカ?」
ドロシー「うん、エムおばさんは心配してるかもだけど…カンザスへ帰るのはもうしばらく先でもいいかな…。その前に私にはやらなきゃいけないことがあるから、みんなと旅にでるのはその後になっちゃうけど…」
ブリキ「お前、前はあんなに故郷のカンザスへ帰りたがっていたのに。いいのか?」
ドロシー「うん。それにみんなともう少し一緒にいたいなっていうのは、ずっと前から思ってた…私の新しい願いなの。私、今はカンザスへ帰ることよりそっちの方を望んでるんだ」ニコッ
319 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)00:53:42 ID:au0
ワイワイガヤガヤ
裸王(ふむ、ドロシーは内気な面が目立ち、ブリキのあの様子だとせっかくの再会だというのに暗い雰囲気になってしまうのではないかと思っていたが…)
裸王(どうやら杞憂だったようだ。いざという時はこの裸王がマッスルジョークで場を沸かす事も視野に入れていたが…もう必要あるまい)スッ
裸王(さぁ、私も三日後に備えすべき事を…むっ?)
ヘンゼル「……あぁ、裸王さん。中に居たんだね」コソコソ
裸王「ヘンゼルではないか。部屋の前で何をしているのだ?」マッチョ
ヘンゼル「…別に大したことじゃないよ、ただかかしやライオンをここに連れてきたのは僕だ。最後まで見届けるのが筋かなって」スッ
裸王「気になって様子をうかがいに来たというわけだな。うむ、一時不安に思う場面もあったが…あの様子ならば問題なかろう!マッスルノープレブレム!」マッスル
ヘンゼル「そうなんだ。ドロシーは平気そうだった?なんだか彼女少し頼りないから、気になってね」
裸王「その点も心配あるまい。内気な普通の娘だと思っていたがやはりドロシーもおとぎ話の主人公。あの四人の中心となっているのは彼女なのだろう」マッスル
裸王「彼女には周囲を率い先導する手腕やリーダーシップがあるわけではないが…傍目に不揃いな集団である彼らの支柱となっているのは間違いなくドロシーだ。私の審美眼と上腕二頭筋がそう囁いているぞ!」ムキムキッ
ヘンゼル「そう、なんだか彼女…場の空気に流されそうな性格に見えてね。まぁ問題ないならいいんだけど」
裸王「ほう、随分と面倒見が良いのだなヘンゼルは。良い傾向だ、気配りの出来る男は男女問わず頼られるからなっ!」マッスル
ヘンゼル「なにそれ。僕は妹たちの面倒を見るのを優先したいから他人に頼られてもね…今回の事もあれだよ、気まぐれのようなものだよ」
裸王「うむ?そうなのか?それならば早々にグレーテルの所へ向かった方がいいのではないか?」
ヘンゼル「どうしてグレーテルの名前が出てくるの?」
裸王「君が別の世界へ飛んだ後、少しだけ妹君達と言葉を交わしたが…グレーテルは終始不機嫌そうだったぞ?あれはお主が原因なのではないか?お千代もそのようなことを口にしていたが…」
ヘンゼル「……」
裸王「今から君を誘って特訓を…と思ったが、どうするかね?」
ヘンゼル「……ごめん、先にグレーテルの所に行ってくる」スタスタ
321 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)01:01:35 ID:au0
しばらく後
裸の王様の世界 裸王の城 応接間
・・・
かかし「それで毎度毎度シンドバッドが邪魔しに来てなァ、そのたびにラプンツェルが城を抜け出して遊びに行くんダ。そんである時、シェヘラザードが遂にブチキレてなァ…」ハハハ
ライオン「ひぇぇ…シェヘラザードさんって【アラビアンナイト】で語られてるおとぎ話を作ったんだよね、たくさんのおとぎ話を作ったんだもん相当頭良いんだろうなぁ〜。僕の経験上、頭がいい人怒らせるととんでもないことになるよぉ」
ドロシー「でもちょっと遊びに行くくらいいいかなって思うけど…ラプンツェルさん、外の世界珍しいだろうし…」
ブリキ「そうは言うがラプンツェルはかかしと同様にシェヘラザードから知恵を授かろうと彼女の教えを受けていたのだろ?その途中で遊びに行くようなら叱られるのは当然だ」
かかし「おゥ、お前と同じでシェヘラザードも相当頭が堅いからナ。流石によその世界のラプンツェルに手は上げてなかったガ、シンドバッドは丸坊主にさせられてたゾ」
ブリキ「遊び人にそりゃあキツい仕置きだな。自業自得だが」
ドロシー「で、でも突然坊主頭って…物語に影響出たりしないのかな…」
かかし「平気だロ、あいつターバン巻いてるシ。本人は死にそうな顔してたけどナ」
ライオン「でもなんだか平和そうでいいなぁかかしのとこ。あっ、別にかかしが大変じゃなかったって意味じゃなくてね?」
ドロシー「ライオンは桃太郎さんと一緒に居たんだよね?」
ライオン「そうそう、桃太郎さんカッコ良くて憧れちゃうよぉ」
ブリキ「日ノ本一の侍と意気投合するとはな、お前とは何か共通点があるというわけでもないだろうに」
ライオン「ううん、共通点あったんだよ。桃太郎さんの意外n…あっ、いやなんでもない!」
かかし「途中で言うのやめるなヨ!気になるだろがイ!」
ドロシー「……(きっとあの事だけど黙っておこう、桃太郎さんの名誉のためにも)」
ドロシー「も、桃太郎さんカッコいいよね…!」アワアワ
かかし「なんか今、取って付けたように誉めたナ…」
322 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)01:10:17 ID:au0
ブリキ「しかし、俺が牢で時間を無為に過ごしている間もお前たちは研鑽を積んでいたわけか。我ながら自分が情けない」
ドロシー「二人は偉いけどブリキがそんな風に思わなくたって大丈夫だよ、それに威張る事じゃないけど…私も特に何か出来た訳じゃなかったし…」モニョモニョ
かかし「お前はかぐや姫に世話になったんだったナ。まぁ俺とライオンは自分の目標をかなえるための努力がしやすい場所にいたってだけダ。シェヘラザードのおかげで俺もいくらかは知恵を得たしナ」
ライオン「ぼ、僕も桃太郎さんと一緒にいて少しは強くなれた気がしないでもないよぉ」
ブリキ「そうは言っても…そう言えばドロシー、お前さっき言っていたな?やらないといけないことがあると」
ドロシー「あっ、うん…えーっと、そうだよ」
ブリキ「何をするつもりだ?詳しく教えてくれ、力になれることがあれば協力する」
ドロシー「あっ、えっと、その…ちょっとブリキには言いにくいんだけど…」
ブリキ「なんだもったいぶって。お前は俺を受け入れてくれたんだ、俺に何を遠慮しているか知らないがお前が決めたことに反対したりしない。言って見ろ」
ドロシー「……うん、あのね、反対されちゃうかも知れないけど決めたの」
ドロシー「…私、アリスちゃんと戦う事にした。キモオタさんやヘンゼル君と一緒に…【不思議の国のアリス】の世界へ行くの」
323 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/09(月)01:24:45 ID:au0
今日はここまで 『作者』編 次回に続きます
ちょっとここで分割、そろそろ作者に触れたいところ
乙です!
オズ組再会!やったね!
マッスルジョークは場を沸かす事が出来るのか、物凄い微妙な空気を産み出すのか、気になるところであります…w
326 :名無しさん@おーぷん :2016/05/09(月)22:47:10 ID:pK6
乙です!
オズ組の再会いいなぁ!
続き待ってます!!
329 :名無しさん@おーぷん :2016/05/10(火)08:43:01 ID:isZ
乙です!
やっとオズ組が再会ー!心無い無い詐欺www
チラ見っ子ライオン可愛い。
357 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)00:58:27 ID:Bjf
ブリキ「お前がアリスと戦うだと?」ギシッ
ドロシー「う、うん。正確にはアリスちゃんと戦うみんなをお手伝いする感じになるのかな…私、今は戦う為の力持ってないから…」
ブリキ「そんなものは些細な問題だ、どっちにしろ危険であることに違いはない。直接戦わなければ安全というわけでも無いだろう…相手はあのアリスだぞ?」
ドロシー「そうだけど…でもきっと平気だよっ!ヘンゼル君も一緒だしキモオタさんも居る、私一人じゃないから大丈夫だよっ。だから心配なんかしなくてもいいんだよ?」
ブリキ「一人じゃないから心配するなと言われて、それで納得しろと言うのは無理な話だ。アリスがどれほどの戦力を持っていて、それが及ぼす影響を知った上でお前はアリスと戦うなんて事を口にしているのか?」
ドロシー「あうぅ…そ、そう言われちゃうと…でもっ」
ブリキ「でも、じゃあない。よく考えてみろ、知っているはずだぞ?かつて一緒に居たからといってお前に手加減するような娘じゃあないぞあいつは」
ドロシー「うぅ…それは、そうだけどぉ…。…やっぱり、納得してくれない?」
ブリキ「そんなこと聞くまでもないだろう。お前がアリスと戦うなんて事、俺はもちろんかかしやライオンだって当然納得なんかしない、反対するに決まっている。おい、黙っていないでお前たちも何とか言ってやれ」
かかし「んッ?何か問題あるのカ?俺は別に反対するつもりねぇけド」
ブリキ「お前…何を言っている!?この臆病なドロシーがあのアリスと戦うことに賛成だっていうのか?」ガタッ
ライオン「あ、あのぉ…ブリキには悪いけど僕も賛成だなぁ。ヘンゼル君は優しいしキモオタさんたちは仲間を大切にしそうだから、ドロシーちゃんはきっと大丈夫だよぉ……なんて思ったり思わなかったり…モニョモニョ」
ブリキ「……っ!?お前たち正気か…!」ギシッ
358 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:04:24 ID:Bjf
ライオン「あの、その、それに…言うの遅くなっちゃったんだけど……えっと、その…モニョモニョ」
かかし「何をモニョモニョ言ってんダ!よく聞こえねェ、はっきり喋レ!」
ライオン「ご、ごめん…あの、あのねぇ…実は僕もアリスちゃんと戦う事に決めたんだ…。桃太郎さんと一緒にシンデレラさんを助け出すんだ、あんまし力になれないかもだけど…」ボソボソ
ブリキ「なん…だと…!」ギシッ
かかし「おいおイ、マジでかお前!そりゃまた随分と思い切ったなァ、お前!」バシバシ
ライオン「え、えへへ…内心ドキドキなんだけどね…。でもね【蛙の王子】の世界で桃太郎さんと修行したり獣退治したりしてさ、思ったんだ。僕は臆病だけど…でも戦うための力は一応あるでしょ…?」
ドロシー「一応なんて謙遜だよ〜、だってライオンは牙も爪もとても鋭いしさ。力もすっごく強いしとっても素早いし、実は力強いと私は思うよ?」
かかし「そうだよナ。まァ、臆病なせいでそれを全然生かせてねぇんだけどナ!」ハハハ
ライオン「う、うん…そうなんだよね…。で、でも臆病な気持ちをちょっと押さえ込んで…その力をアリスちゃんを止めたりシンデレラさんを助ける手助けに使えたらいいなって、僕は思ってて…」
ライオン「桃太郎さんは一緒にいるとき励ましてくれたりお世話になったし…。僕は臆病なライオンだけど…ちょっと頑張って見ようかなって…えへへ、でもこんなの僕らしくないよねぇ」
かかし「そうだそうダ!お前はもっとオドオドしてるイメージだからナ!…なんつっテ、でもいいんじゃねぇカ?よく決心したと思うゼ、頑張りナ」バシバシ
ライオン「え、えへへぇ…このあと桃太郎さんと合流して一緒に修行させて貰う事になってるんだ。確か【舌切り雀】の世界に行くって…僕、頑張るよぉ…!」フンス
ブリキ「……」
359 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:09:28 ID:Bjf
ドロシー「と言うことは、あれだねっ。私とライオンはアリスちゃんと戦うって決めた者同士かぁ…それじゃあ私達、おそろいだねっ」ニコニコ
かかし「おッ、そうだナ!ドロシーとおそろいたぁ羨ましいぞお前!コンチクショウ!プレイボーイ!」グイグイ
ライオン「そ、そうだねぇ…!なんだか嬉しいねぇ、僕達はよく臆病だー臆病だーってよく言われるけど、でも頑張るって決めたもんね。一緒に頑張ろうねドロシーちゃん!」
ドロシー「うんっ!ライオンは桃太郎さんと一緒、私は…きっと裸王さんやヘンゼル君と一緒に行動するからしばらくは別々だけど、頑張ろうねっ!」ニコニコ
かかし「くゥ〜!俺も出来ることならアリスに一泡吹かせてやりてぇ
ところだガ…!でも俺は仲間内じゃ一番戦闘に向いてないからよォ、疲労も痛みも感じねぇつっても…コレじゃあナ」ワサワサ
ライオン「そ、そっか…かかしは身体が藁で出来てるから脆いもんねぇ…勇気はあるのにもったいないねぇ…」
ドロシー「でも無理して【青ひげ】の世界の時みたいに真っ二つにされたりしたら困るよ。直すためにたくさん藁持って行かなきゃいけなくなるし…それはそれで大変だよ」アワアワ
かかし「あァ、無理して足手まといになっちまうのは避けてェ。残念だが俺は留守番だナ。アリスをとっちめるのはお前たちに任せらァ」
ライオン「かかしって知識が欲しいって言ってる割には結構的確な作戦とか考えてくれるし、一緒にいてくれたらこころつよかったんだけどなぁ…も、もちろん無理させようとか考えてないよ?大丈夫だよ?」
かかし「そう言ってくれるのは嬉しいけどナ、まぁこの後はシェヘラザードの所に戻ってまた色々教えて貰うかナ…アリスを倒す大役は俺達の主人公様に譲ってやるヨ」ハハハ
ドロシー「ちょ、ちょっとそれやめてよぉ…私は主人公とかそういう柄じゃないし…皆でまとめて主人公って事でいいよぉ〜」アワアワ
ライオン「で、でも【オズの魔法使い】の主人公は間違いなくドロシーちゃんなんだし…そこは自信持とうよぉ」
かかし「そうだゾ!前にアリスが言ってたじゃねぇカ、俺達のおとぎ話は現実世界じゃ本は勿論、舞台とかにもなってるんだロ?相当有名なおとぎ話だって話だぜェ?」
ドロシー「や、やめて…私の情けないエピソードが舞台で大勢の人に知られてるとか考えたら…う、うぅ…手先がふるえてくる…」オドオド
ライオン「ぼ、僕が言う事じゃないけどそれはさすがに気にしすぎだよぉ〜」
かかし「ハハハ、違いねェ!」ハハハ
アハハハハ
ブリキ「いや…待て!なんなんだこれは?状況を分かっているのかお前たちは!何を笑っているんだ…!」バンッ!!
360 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:12:16 ID:Bjf
ライオン「え、ええぇ…なんでって…そんな事言われても…悲しい顔しなきゃいけない理由もないし…」
かかし「別にいいじゃねぇカ!仲間同士が些細なことで笑いあってもヨぉ!むしろお前はなんでそんなにノリが悪いんだヨ!空気読めよこのKY!」
ドロシー「か、かかしは言い過ぎだよっ!ブリキもそんな風に怒鳴らないでおこうよ、久しぶりに会えたんだし…ねっ?」
ブリキ「…俺にこんなことを言う権利がないことは分かっているがあえて言わせて貰う。お前たちはアリスと戦うという事がどれほど危険なことか理解しているのか?」
ブリキ「あいつと一緒にいた俺達なら解るだろ、あいつの持つ戦力の充実ぶりを…!」
ライオン「ま、魔法具は数え切れないほど持っていたよねぇ…ドロシーちゃんの靴も奪われちゃったし…」
かかし「それもだがよォ、やっぱり仲間だナ。あの世界の連中はほぼ全てがアリスの味方。そして帽子屋にハートの女王…一筋縄じゃいかない奴も大勢いル」
ドロシー「それにアリスちゃんが狙ってる魔法のランプはどんな願いも叶えられるって聞くし…手に入れちゃったらマズいよね…」
ブリキ「そこまで分かっていてお前たちはどうしてそんなに気楽に構えていられるんだ。ライオンもドロシーも…下手すれば死ぬ。それを分かっているのか?」
ライオン「そ、そりゃ死ぬのは怖いけど…でも僕は桃太郎さんの力になりたいんだ、だって桃太郎さんが一緒にいてくれなかったら僕怖くて何もできなかったと思うし…」
ブリキ「それはそれだ…感謝はすべきだし礼は尽くすべきだ、だがそれは戦いの場に赴かなくても出来る。お前が危険に身をさらす必要はないんだ…ライオンだけじゃなくドロシー、お前もだ」
ドロシー「…でもっ」
ブリキ「アリスは危険すぎる、そんな奴の所に大切な仲間を向かわせるわけにはいかない」
ブリキ「俺は断固反対だ。キモオタ達がアリスを止めるというのなら…奴らに任せるべきだ、臆病なお前たち二人が行って出来ることなんか知れている。むしろ的を増やすようなものだ」
361 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:22:09 ID:Bjf
ドロシー・ライオン「……」ショボーン
かかし「ブリキお前!んな言い方ねぇだロ!考えても見ろヨ、臆病なこいつらが戦いを選んだんだゾ?軽い気持ちで言ってんじゃねぇのはお前にだってわかるだロ?」
ブリキ「…俺の愚かな行動のせいで二人に必要のない覚悟をさせたことは悪いと思っている。だが…だからこそ俺は止める、こいつらが戦う必要はない」
ブリキ「お前たちの代わりに俺がアリスのもとへ向かう。お前たちは傷つかず、キモオタ達へ恩を返す事も出来る…これが最上の策だ」
ライオン「えぇぇっ!?ブリキはそんなにボロボロなんだよぉ!?無理無理!無理だってぇ!」
ドロシー「そ、そうだよっ!アリスちゃんが強いって言ったのはブリキだよ!?そんな体で勝てるわけ無いよっ!」
ブリキ「それでもお前たち二人が向かうよりずっと役に立てると思うがな。そもそも場数が違う、そして何より死なないと言うのは戦いにおいて大きすぎるアドバンテージだ」
かかし「同じ不死の身体を持つ奴としテ、同意したいところだガ…今のお前は言っちゃ悪いがデカいスクラップだゼ…。満足に戦えないって事はお前自身がよく分かってるんじゃないのカ?」
ブリキ「なにもこのままの状態で戦うとは言っていない、奴等には優秀な『鋳掛け屋』が居るだろう?協力するとなれば俺の体を直してくれるだろうしな」
ドロシー「えっ?そんな人居たっけ…?あっ、魔法使いさんの事かな…?」
かかし「…いヤ、【ピーターパン】のティンカーベルの事ダ。あいつは金物修理の妖精だからな」
ライオン「えぇっ?ティンカーベルちゃんにそんな能力があったのぉ?」
ドロシー「わ、私も知らなかった…会ってお話までしたのに…」オドオド
ブリキ「俺の体を直せる奴は多くない、だから知っていた。あいつの名『ティンカーベル』は『鋳掛け屋のベル』という意味だ、金物修理の妖精なら魔力が宿った俺の身体を修繕することも容易いだろう」
かかし「確かにそうだナ…万全な状態のお前が戦えるのならそれが一番望ましいガ…」
ブリキ「そうだろう。決まりだ、奴等への協力は俺が請け負った、お前たちは留守番だ。いいな?」ギシッ
362 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:25:14 ID:Bjf
ライオン「確かに…そうかもしれないけど…けどけどぉ…」ボソボソ
かかし「ブリキの言うことは理に適ってル…だガ、うーム……」
ブリキ「もう前回のような不甲斐ない姿は見せない。次こそ俺はお前たちを守ってみせる…お前たちは心配なんかせず、ただ待っていればいい」
ドロシー「……」
ブリキ「いいな?ドロシー。お前がキモオタ達に世話になったのならその礼は俺がきちんと尽くす。お前は何も心配せずこの城d」
ドロシー「いっ…嫌っ!私が行かなきゃ…ダメだよっ!」ガタッ
ブリキ「…その話は終わった筈だ、お前よりも俺が適任。アリスの元へ向かうのがお前である必要はない」
ドロシー「ううん、ブリキがなんて言っても…絶対に私が行く…!」
ブリキ「…今の話を聞いていただろう?何故、そうなる?」
ドロシー「私…約束したんだ。かぐやさんと」
ドロシー「私はたくさん悪いことをしてきた。それは意図してやった訳じゃないけど…でも、でも償いはしなきゃならない。ううん、私が償いたいんだ。今までしてきたことを」
ブリキ「話を蒸し返すつもりか?責任の所在はお前には無い、償う必要など…」
ドロシー「ううん、私は…アリスちゃんと一緒にたくさんのおとぎ話を消しちゃったし…大勢の人を殺した…。数え切れないほど…みんなの未来を奪ったんだ」
ドロシー「確かに私がアリスちゃんの世界へ行くって決めたきっかけは頼まれたからだけど…流されて仕方なくやるんじゃないよ、これは私の意志で決めたことなの」
ブリキ「……」
ドロシー「これは償いの為の一歩なんだ。怖くないっていったら嘘になっちゃうし、足手まといになっちゃうかもしれない…」
ドロシー「でもかぐやさんは大丈夫だって言ってくれた、ティンクちゃんや赤ずきんちゃんは私の罪を責めないでくれた、ヘンゼル君は初対面の私に優しくしてくれた…。罪人の私を突き放すことなんか簡単なのに、そうしなかったよ」
ドロシー「私に優しくしてくれた人達は…私が罪を償えるって信じて接してくれたんだ、だから私は…逃げない。ブリキ達や皆…信じてくれた皆の側で笑っていられるように、頑張るって決めたんだよ」
363 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:29:47 ID:Bjf
かかし「少し離れてる間ニ…お前の内面にも変化があったみたいだナ。そういうのは好きだゼ、俺はお前の意見に賛成ダ」
ライオン「ぼ、僕も!僕もだよぉ!」
ブリキ「……ドロシー、お前は普段は流されやすい癖にこういうときは強情だな」
ドロシー「それは…うん、なんていうか…お互い様だよっ。ブリキだってそうだよ?」ウフフ
ブリキ「そうだな…で、考えを変える気は?」
ドロシー「ごめんね、これは譲りたくない」フルフル
ブリキ「……ライオン、かかし。どうにかならないか?こいつは意見を変えないらしいが…俺もそのつもりはない。このままじゃ平行線だ」
ライオン「う、うーん…どうもこうもないとおもうなぁ…」
かかし「つーかお前は解ってて聞いてるんだロ?ブリキ、お前が折れるしかねぇヨ」
ブリキ「……だが、な。こいつの気持ちは理解した、だが強い思いで何とかなるほど現実ってのは甘くないだろう。どんな覚悟をしても死ぬときは死ぬ」
かかし「……なぁお前ラ、俺とドロシーとブリキが旅をすることになってしばらくしテ…ライオンと初めてあったときの事覚えてるカ?」
ドロシー「うん、覚えてる。ライオンはトトを捕まえて食べようとしてたんだよね」
ブリキ「そうだったな。しかし結局、トトはオズの宮殿に置き去りにして来ちまったが…。それはさておき、初めてあったときのライオンは相当な迫力だったな」
ライオン「う、うわぁ…その話はやめて欲しいよぉ…。僕にとっては思い出したくない過去なんだよぉ…」
364 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:32:05 ID:Bjf
かかし「あの時、トトを食おうとしたライオンに向かっていったのは俺でもブリキでも無かっタ。他でもないドロシーだったんだゼ?」
ブリキ「そうだったな。俺のブリキ製の身体は牙なんか通さないが…それでも一瞬躊躇してしまった、初対面ではライオンの性格を知らなかったからな」
ライオン「ぼ、ぼくもあの時は必死だったんだよぉ…凶暴なライオンだっていうイメージを守らなきゃ森にいられなくなっちゃうし…」
ドロシー「わ、わたしだってあの時は必死だったよっ!私が守らなきゃトトが食べられちゃうと思ったし…」
ブリキ「だが…かかし、お前は何がいいたいんだ?思い出話に花を咲かせようってわけじゃないんだろう?」
かかし「まぁ聞けヨ。それから長い間旅をしテ…俺達がオズに騙されてると知らずに受けた魔女退治…俺達が役に立たなくなってる間に魔女を倒したのは誰だっタ?」
ブリキ「…ドロシーだ」
かかし「なァ?こいつは確かに臆病だしオドオドしてるけどよォ、いざってときはなかなかどうして強さを見せつけてくるゼ?」
かかし「なぁブリキ、守ってやらなきゃいけないほど弱い娘が猛獣に躊躇なく飛び出せるカ?一人で悪い魔女に立ち向かえるカ?」
ブリキ「…必要ないとは思わない。だがそうして考えてみれば、ドロシーは案外俺が思っているほど弱い娘でも無いのかもしれないな」
ライオン「つまり…僕たちの中で一番強いのは…ドロシーちゃん?」
ドロシー「そ、そんなことないよ!重いものもてないし、うっかりミス多いし…ライオンの時も悪い魔女の時もただただ必死でやってただけで何があったかよく覚えてないし…」オドオド
かかし「そりゃあぶっちゃけ心配だゼ、俺はこいつのこと好きだしナ。アリスの所へ送り出しても傷付いて帰ってくるかもしれねェ、最悪帰ってこないかもナ」
かかし「でもよォ、カンザスへ帰るって事だけが旅の目的だったドロシーに新しい目標が出来たんダ、叶えさせてやりたいって俺は思うんだなァ」
365 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:35:16 ID:Bjf
ブリキ「……やれやれ、かかしはドロシーの味方か」ギシッ
かかし「そりゃあゴツいおっさんより可愛い女の子の味方するに決まってらァ」ハハハ
ライオン「ブリキはこう見えておじさんだからねぇ…あっ!違うよ!?あの、いい意味でおじさんって意味でね?でもドロシーちゃんが可愛いって意見には全面的に賛成だよぉ〜」
ドロシー「な、なんで突然そんな話に…!私、別に可愛くないよ」アワアワ
ブリキ「…三対一じゃあ勝ち目は無い、今回は俺が折れよう。ドロシーがやりたいようにやればいい」
ドロシー「ブリキ…!わかってくれて嬉しい!」ギュー
ブリキ「だが、約束だドロシー」
ドロシー「…?」
ブリキ「必ず俺たちの所へ帰ってこい。俺をあの森から連れ出したのはお前だ、どこかへ行ってそのまま帰ってこないなんてのは許さないぞ、俺は」
ドロシー「うん、約束する。みんなでもう一度旅に行くって決めたし、トトも…【オズの魔法使い】の世界もいつかは取り戻したいしね」ニコッ
ブリキ「約束できるならそれでいい、言いたいことは山ほどあるが…お前が帰ってくればそれでいい」
かかし「もちろン!生きて帰ってくるんだゾ?お前が死んだりしたら今度は蘇生の魔法を探す旅が始まっちまうゼ」ハハハ
ライオン「ぶ、ブラックジョークが過ぎるよぉ!で、でも、もちろん僕も一緒だから…改めて頑張ろうね、ドロシーちゃん!」
ドロシー「うん…!必ずアリスちゃんの企みを止めてみんなの所へ帰ってくるよ。そしていつかまた…あの頃みたいにそれぞれの夢を追って旅しよう、約束っ!」ニコッ
366 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/05/28(土)01:44:42 ID:Bjf
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
俺の中ではブリキは父親感強いです
次回、ヤキモチグレーテルと小夜啼鳥
キモオタの動向が気になる?今、ティンクと現実世界のデパ地下で買い物してます。次回、お楽しみに
368 :名無しさん@おーぷん :2016/05/28(土)01:56:42 ID:ctb
1さん、待ってましたっ!
やっぱりブリキパパはドロシーが心配で心配でしょうがないんですね、、、
372 :名無しさん@おーぷん :2016/05/29(日)16:20:15 ID:V8s
乙です!
待ってました!!
ドロシーがんばれ!
続き待ってます!!
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
Part1<< Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 Part12 >>Part28
評価する!(2609)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む