キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
Part28
962 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/17(月)01:11:27 ID:Iox
チャールズ「えぇ!?なんでですか!?やめちゃうんですか先輩!」ガタッ
雪の女王「あぁ、そうだ。なぁ、チャールズ…悪いがこの話はあまりしたくないのだが…」
チャールズ「駄目ですよー!俺は学校もあるから弟子やめなきゃですけど先輩はそうじゃないでしょー?俺、反対ですよ!」
雪の女王「そうは言うが私にも事情があってだな…」
チャールズ「先輩がやめちゃったら誰が先生の助手するんですか!?」
アンデルセン「その時は新しい助手を雇うしか…ないだろうな。今の仕事量を一人でというのは厳しい」
雪の女王「こいつは有名作家だ、私の後釜なんかすぐにでも見つかるさ。君が心配することじゃn」
チャール「見つかったとしても続くわけないじゃないですか!普通の人に助手が勤まるほど先生はマトモな性格じゃあ無いんですよ!?」
アンデルセン「チャールズ、落ち着け。それとさりげなく私を悪く言うのはやめろ」
チャールズ「マトモじゃない先生の助手は先輩じゃないと務まりませんって!だから助手やめちゃ嫌ですよー!」
雪の女王「引き留めてくれるのは嬉しいが…」
チャールズ「俺は何の事情があるのか知らないですけど、でも先輩だってやめたくないでしょ!?」
963 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/17(月)01:18:50 ID:Iox
雪の女王「私か?私は…」
アンデルセン「……」
雪の女王(私は助手を辞めたくない。だが、そんなワガママを通してはカイやゲルダはどうなる?これは私一人の問題じゃない)
雪の女王「私は、私は自分の意思で助手を辞めようと…」
アンデルセン「…女王。私に何か遠慮しているのなら、その必要はない」
チャールズ「ん?女王?先生、それってd」
アンデルセン「君の正直な想いを聞かせてくれ。それが結果として【雪の女王】の存続に関わるのなら…共にどうすることが最善か考えよう」
雪の女王「……」
アンデルセン「君に幸せになって欲しいというのは出任せなんかじゃないんだ。聞かせてくれ、君は…どうしたい?」
雪の女王「私は、私は…続けていたい。童話作家アンデルセンの助手を」
雪の女王「お前がこの先書いていくであろう童話を、お前の側で読みたい。お前の願いが世界を変えていくところを見届けたい」
雪の女王「いいや、それも言い訳に過ぎない。あれこれ理由を言ったとこで結局のところ…」
雪の女王「アナスン、私はお前という人間が好きなのだと思う。ただ、それだけだ」
964 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/17(月)01:32:04 ID:Iox
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
アンデルセンを殺しに来て、アンデルセンを愛する
それが雪の女王
次回
回想も終わり、舞台は現在へ
そして遂に動き出す、猫
965 :名無しさん@おーぷん :2016/10/17(月)01:42:45 ID:KiU
乙!
なんというかうまく表現できないけど、良いな
966 :名無しさん@おーぷん :2016/10/17(月)02:04:33 ID:uQa
乙です
何かいきなり大人のしっとり恋愛模様(?)な感じですかー
えぇやんえぇやん
967 :名無しさん@おーぷん :2016/10/17(月)15:13:08 ID:2aK
乙です!
いやぁ、いい!!
続き待ってます!!
977 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)00:56:45 ID:n90
雪の女王「まったく不思議なものだ。私はかつてお前の事を心底憎み、お前を殺す為にこの街に来たというのに」
雪の女王「お殺すどころかまさか好意を持ってしまうことになるとは…どうやら私は随分とチョロイ女だったようだな、我ながら情けないよ」フフッ
アンデルセン「情けなく思う必要などないさ、それだけ私に人間的魅力があるという事だろう?」フフッ
雪の女王「フフッ、まぁそういう事にしておいてやろう。まぁ、とにかく…」
雪の女王「自分の運命だとか責任だとか、そういうものを考慮せずに私自身がただやりたいと思うこと…それはお前の助手を続けること。それが私の本音だ、アナスン」
アンデルセン「君の気持ちは判った。君がそうしたいと願うのならば助手を続けるといい、私としても君が側にいてくれるのならばそれは喜ばしい事だ」
アンデルセン「それによって生じる問題をどうすべきか…それはまた追って話し合うとして、だ。今、ここで一つだけ認識を共有したい事がある」
雪の女王「認識を共有…何の事だ?」
アンデルセン「君が私を敬愛してくれるのは嬉しい、共に過ごしたいと思ってくれたこともだ。だが住む世界が違う君と私がいつまでも共に暮らすということは不可能。この意味は…わかっているだろう?」
雪の女王(わかっている。私は童話世界の人間、アナスンは現実世界の人間。元々、異なる時間の流れの中にいるのだ)
雪の女王(どんなに著名で優れた作家だろうとアナスンはただの人間、いずれ死という形で別れが訪れる。対する私は寿命で死ぬことはない。その代わり永遠の悲しみを背負うことになるのだ、敬愛する友を失った悲しみを)
雪の女王(【雪の女王】が結末を迎えた後も、寒く冷たい世界でただ一人、消えることのない世界で永遠に…だ)
アンデルセン「それでも君は…」
雪の女王「愚問だな、アナスン。死なない人間はいないし、残された人間が全ての悲しみから逃れる方法もきっと無い」
雪の女王「それでも私は君の助手であることを選ぶ。そうすることが今の私にとって一番の幸福なんだ」
978 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)00:58:33 ID:n90
雪の女王「例え運命や結末が決まっていても変えられる何かがある、そう言ったのはお前だぞアナスン」
雪の女王「私はより幸せになるためにお前の助手を続けるんだ、いつか訪れるだろう悲しみなんか今は知ったことじゃないのさ」フフッ
アンデルセン「…私としたことが余計な心配をしてしまったようだ。そもそも君は悲しみに押し潰されるようなか弱い女性では無かったな、強い力も神経の図太さも持っている」クスクス
雪の女王「そうだな、私は神経の図太い女だ。そして侮辱されて黙っているような性格じゃあ無いぞ?望むなら君の書斎を少し涼しくしてやっても構わないんだが」フフッ
アンデルセン「フフッ、君には逆らわない方が良さそうだ。以前、君に破壊された窓や書斎の床板の修繕は思いの外費用がかかったしな」
アンデルセン「ともあれ、改めて歓迎するよ女王。これからも私のパートナーとして力を貸してくれ」スッ
雪の女王「あぁ、いいだろう。こちらこそ宜しく頼むよ、アナスン」スッ
チャールズ「……うんうん!なんかよくわかんないけど一件落着ですね、先輩が助手続けてくれるなら俺も安心してイギリスに帰れますよー。先生を一人にはできませんからねー」
アンデルセン「君が私をどう評価しているのか、改めて聞く必要がありそうだな…」
雪の女王「君には礼を言わないとな、君が言い出さなければ私はきっと本音を吐けなかった」
チャールズ「やだなー!礼言われることしてませんって!俺自身、先輩には助手続けてて欲しいって気持ちありましたしー。あぁ、でも気になること一つ聞きたいんですけどー」アハハ
チャールズ「なんで先輩、女王って呼ばれてるんです?あだ名ですよね?」ヘラヘラ
979 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:00:50 ID:n90
雪の女王「あぁ…それはだな…」
雪の女王(どうする…?思わず流していたが、聞かれてしまった以上チャールズにおとぎ話の世界について話すか…?)
雪の女王(いや、やめておいた方がいいだろう。チャールズは信用できるが…だとしてもおとぎ話の世界の事は他言するような事じゃない。だが、それならなんと言い訳をすればいいか…)
チャールズ「あー、なんかすんません、もしかしなくても言いにくい事なんですよね?」
雪の女王「いや、あのだなチャールズ…」
チャールズ「いや、言いにくいことなら大丈夫です!きっとあれなんですよね、先輩が態度デカ過ぎて付けられた蔑称でしょ?先輩、先生に対しても敬語とか使わないからそのせいで付けられた不名誉な…痛ったい!」ドスッ
雪の女王「私の呼び名を不名誉のように言うのはやめろ。そもそもお前の雑な敬語も似たようなものだろう」
チャールズ「えぇー…じゃあなんでなんですか?まさかガチな王族ってわけでも無いでしょ?はっ!まさか性的な…いやいやいや嘘ですすんません拳振り上げるのやめえましょ!ねっ!ラブアンドピース!」
アンデルセン「彼女が女王と呼ばれる理由、私が教えようか。チャールズ、実はな…まさに君の想像通りなんだ」
チャールズ「えーっ!そうなんですか!?じゃあやっぱり性的な…」
アンデルセン「違う、そっちじゃない。私まで睨まれるからその説はもう口に出すんじゃない」
チャールズ「っていう事はまさかガチの女王なんですか…?」
アンデルセン「あぁ、彼女は正真正銘…本物の女王なのさ」
980 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:04:02 ID:n90
雪の女王「おいアナスン、その事は…」ヒソヒソ
アンデルセン「大丈夫だ、まぁ見ているといい」ヒソヒソ
チャールズ「えええぇーっ!マジなんですか!?先輩、リアルクイーンなんすか!?」ガビーン
アンデルセン「チャールズ、声が大きい。これは当然ながら公に出来ない話題だ」
チャールズ「ですよね!俺、こう見えて口固いんで大丈夫ですよ!幼女に聞かれない限りは!」
雪の女王「待て待て、幼女に聞かれたら言ってしまうのか?」
チャールズ「幼女に隠し事しろって言うんですか!?当然言いますよ!」
雪の女王「こいつは…」
アンデルセン「チャールズ。当然、幼女にも内緒だ」
チャールズ「おぉ…先生のこの雰囲気、どうやらガチみたいですね。わかりました、幼女にも内緒ですね!」
アンデルセン「ならば話そう。実はだな……彼女は某国の女王なのだが、王族という立場に嫌気がさしてしまい、黙って国を後にし…そしてこの街にいるんだ」
チャールズ「なるほど…王族って偉いしリッチだし自由そうだけど色々大変そうですもんね、しきたりとか世間体とかー。それが嫌で逃げ出したんですね?」
アンデルセン「あぁ、そんなところだ。で、だな…色々あって私は彼女を匿っているんだ。そして私の助手という形で民衆に紛れている。だが当然、この事が彼女の母国に知られれば最悪戦争だ。攻めいられれば私はもちろんこのデンマークの存続すら保証出来ない」
アンデルセン「本来ならば国へ戻るべきだろうが…だが彼女はここに残ると決めた。私は彼女の意思を尊重したい、故に彼女が女王であることは内密にして欲しい」
雪の女王(まぁ誤魔化す必要があるとはいえこうもスラスラと嘘を…流石は作家、創作は得意か。いいや、そんな言い方は他の作家に失礼だな)
981 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:06:14 ID:n90
アンデルセン「という事なのだが…納得できたかいチャールズ?」
チャールズ「わっかりました!任せてください!俺、誰にも言いませんから!安心してくださいね、先輩!」
雪の女王「あ、あぁ。助かる…」
雪の女王(真実を打ち明けるわけにはいかないとしても、騙しているようで気が引けるな…)
チャールズ「いやー…まさか先輩にそんな秘密があったとは…確かにどことなくロイヤル感ありますもんね先輩!」アハハ
雪の女王「そうか?そんな事は初めて言われたが」
チャールズ「いやいやー、ありますよ気品とかそういうの!まっ、王族だろうと一般人だろうと俺にとっては頼れる先輩だって事に変わりないですよ!頼れるしスタイルいいしで自慢の先輩なんですからー」アハハ
雪の女王「フフッ、君は侮辱したり持ち上げたり忙しい奴だな」クスクス
チャールズ「あははっ、細かい事は気にしない方向でいきましょう!あっ、先輩飲み物空じゃないですかー。俺、新しいもの貰ってきますよ!同じのでいいですか?」
雪の女王「あぁ、悪いが頼もうかな」
チャールズ「了解です!他にもご用が御座いましたら何なりとおもーしつけください、女王サマー。なんつってー」アハハ
982 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:10:55 ID:n90
雪の女王「どうやら、うまく誤魔化せたようだな…」
アンデルセン「あぁ、彼に真実を伝える訳にはいかないからな」
雪の女王「だが、少々悪いことをした気にもなるな。彼は私たちを信じてくれているのに騙すような真似をしてしまった」
アンデルセン「疑わずに信じてくれたからな…確かに罪悪感はある。だがそれでも、彼にはおとぎ話の世界の存在を伝えるべきではない。少なくとも今はまだ」
アンデルセン「彼はまだ若く作家としての経験も浅い。まだまだこれから延びていく才能ある若者だ。下手におとぎ話の世界の存在を教えてしまえば…彼の芽を摘むことにもなりかねない」
雪の女王「確かにな…」
アンデルセン「優しい青年だからな、自分の握るペンが実際に誰かの運命を描いていると知ってしまえば彼は自由に物語を書けなくなるかもしれない」
雪の女王「奔放に見えてそういう気は使う奴だからな…そう考えると言わないで正解だったのかもしれないな」
アンデルセン「あぁ、一度知ってしまえば知らなかった頃には戻れない。いずれ、彼がおとぎ話の世界の存在を知ってしまうとしても…今はまだ早い」
アンデルセン「彼に嘘をついたことを咎められようと、私は彼の師として…真実を伝えることはしない。それが彼のためだと思うからだ」
雪の女王「フフッ、弟子を案じた師匠らしい配慮だな。お前にしては珍しい」
アンデルセン「珍しいは余計だ。さて…チャールズも来たことだしそろそろグリム両先生を呼んでこようか、いい加減に喧嘩の熱も覚めただろう」
雪の女王「そうだな、私が呼んで来よう。折角の食事会、喧嘩などしていては勿体無い」ガタッ
アンデルセン「そうだな。先生方に話を聞かせてもらうことはチャールズにとってもよい経験になる。そういった場はなるべく多く設けてやりたいな」
アンデルセン「そうして得たものがいずれ彼の中で形を持ち、産み出されたおとぎ話が多くの人達を笑顔にできる事を私は切に願うよ」
・・・
983 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:18:31 ID:n90
現在
雪の女王の世界 女王の書庫
・・・
雪の女王「それからしばらくしてグリム兄弟は故郷へと帰ったが、滞在中にチャールズは兄弟から多くの知識と鉄拳を受け取ったようだ」
雪の女王「それからも彼は修行として様々な経験を積んだようだった。それから数ヶ月経って、チャールズは弟子としての期間を終えてイギリスへと帰っていったよ」
雪の女王「これがアナスン唯一の弟子、チャールズについてだ。この時アナスンは彼におとぎ話の世界の存在を教えることをよしとしなかったが…私の知らないところで教えていたのかもしれないからおとぎ話の世界の存続を知っていたかどうかは、なんとも言えないな」
キモオタ「なるほどwwwしっかし百年以上前のデンマークにそこまで拗らせたロリコンがいたとはwww驚きですぞwww」
ティンカーベル「ちなみにそのチャールズは童話作家になれたの?」
雪の女王「どうだろうな…以前お千代の住まい探しに現実世界へ渡ったとき少し聞いて廻ったが少なくともチャールズという童話作家は居ないようだった」
キモオタ「才能があってもそうそう作家にはなれないのかも知れませんな…いやはや、世知辛いですな」
雪の女王「ペンネームで本を出している可能性もあるからなんとも言えないが、な」
ティンカーベル「あのさ、流れとか無視して言っちゃうけど」
キモオタ「なんでござるかwww」
ティンカーベル「ぶっちゃけ私はチャールズの事より女王とアンデルセンの恋の行方が気になる!大人の恋!憧れちゃうよねー!さぁ聞かせて貰うからねー!」ワクワク
キモオタ「出た出たwwwティンカーベル殿の持病が発症しましたぞwwwというかそんなことをしている場合ではwww」
雪の女王「悪いが君が期待するような話は出来ないぞ?結局、アナスンの死によって私達は別れを余儀なくされたのだし」
ティンカーベル「それでもいいから聞かせて!恋愛話っていうのは結末とかわりとどーでもいいの!その経過にドキドキきゅんきゅんするもんなの!」クワッ
雪の女王「そ、そうか…君も随分と拗らせているようだが、聞いて満足するなら話してあげようか…」ヒキヒキ
ティンカーベル「よっし!聞かせて聞かせて!くぅー、ワクワクするうー!」
キモオタ「ちょwww毎度毎度お主は話を脱線させ過ぎですぞwwwまぁ聞きたいことは大方聞かせて貰った故に別にいいでござるけど」
タシッ
984 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:38:55 ID:n90
キモオタ「ん…?」
タシッ
ティンカーベル「キモオタ?どーかしたの?一緒に女王の恋バナ聞こうよ!」
キモオタ「お主リラックスしすぎですぞwwwというか、何か物音が聞こえたような…まぁ気のせいでござろう。というかお主明日は作戦決行なのに夜更かしは感心しませんぞwww」
???「鈍感な豚だと思ったがなかなか鋭い一面もあるようだな。わざと聞こえるようにしていたとはいえ、私の足音に反応するとは…誉めてやるぞ豚、いいやキモオタよ」
???「などと言ったところで私の声は届かないがな。姿を見せる事も見せない事も、声を聞かせることも聞かせないことも私の裁量ひとつだ。霊体だったあの頃のようにな」
???「だがあいつが…チャールズが私の『器』としてこしらえたこの体は実に使い勝手がいい、猫の姿などふざけていると最初は思ったものだが」
チェシャ猫「神出鬼没、完全に姿を消すことが可能なこのチェシャ猫という名の器はこの手のスパイ活動にはもってこいだ。こうしてコイツらのすぐ側にいても気付かれる事はない」
チェシャ猫「例え相手が屈指の魔力を誇る雪の女王だとしても、私の存在を関知することは出来ない」
チェシャ猫「さて、もうここに用事はない。しかし、見れば見るほど愚かな連中だなにも知らずに雑談に花を咲かせているとはな」
チェシャ猫「明日決行されるアシェンプテルの奪還作戦、それがこちらにもれているとも知らずに」
チェシャ猫「さて、私も早々に帰還して支度をしなければな」
チェシャ猫「フフフ…さぁもうじきだ。もうじきチャールズの無念を晴らせる、私の屈辱を拭える…私とアリスの願いがようやく成就する!」
チェシャ猫「ようやく、ようやく!愚かな人間共を、くだらない世界を全て消し去ることができるのだ…!」
985 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:46:41 ID:n90
『作者』編 おしまい
長くなってしまったけど付き合ってくれたみんなありがとう
次スレでは遂にあの世界へ…!
次回
不思議の国のアリス編 お楽しみに!
986 :名無しさん@おーぷん :2016/10/24(月)02:48:37 ID:WkF
なぁにこの猫
聞こえてないとはいえ全部説明しちゃう感じすげえ小物感ある
988 :名無しさん@おーぷん :2016/10/24(月)18:16:17 ID:OfH
九冊目完結お疲れ様です!
ついに次回から不思議の国アリス編ですか!!
楽しみにしています
989 :名無しさん@おーぷん :2016/10/24(月)22:29:37 ID:NjZ
乙です
いよいよ10冊目かぁ
アリス編ってことはこれがラストなのかな?
990 :名無しさん@おーぷん :2016/10/25(火)07:49:07 ID:cYT
乙です!
続き待ってます!!
991 :名無しさん@おーぷん :2016/10/25(火)11:53:45 ID:9Ow
九冊目完結お疲れ様です!!
アリス編すっごい楽しみ!
994 :名無しさん@おーぷん :2016/10/30(日)22:59:53 ID:yX1
お疲れさま!
遂にここまで来たんだね。
これから、どうなっていくのか楽しみだ!
期待してるよ!取り敢えずホントお疲れさま!
チャールズ「えぇ!?なんでですか!?やめちゃうんですか先輩!」ガタッ
雪の女王「あぁ、そうだ。なぁ、チャールズ…悪いがこの話はあまりしたくないのだが…」
チャールズ「駄目ですよー!俺は学校もあるから弟子やめなきゃですけど先輩はそうじゃないでしょー?俺、反対ですよ!」
雪の女王「そうは言うが私にも事情があってだな…」
チャールズ「先輩がやめちゃったら誰が先生の助手するんですか!?」
アンデルセン「その時は新しい助手を雇うしか…ないだろうな。今の仕事量を一人でというのは厳しい」
雪の女王「こいつは有名作家だ、私の後釜なんかすぐにでも見つかるさ。君が心配することじゃn」
チャール「見つかったとしても続くわけないじゃないですか!普通の人に助手が勤まるほど先生はマトモな性格じゃあ無いんですよ!?」
アンデルセン「チャールズ、落ち着け。それとさりげなく私を悪く言うのはやめろ」
チャールズ「マトモじゃない先生の助手は先輩じゃないと務まりませんって!だから助手やめちゃ嫌ですよー!」
雪の女王「引き留めてくれるのは嬉しいが…」
チャールズ「俺は何の事情があるのか知らないですけど、でも先輩だってやめたくないでしょ!?」
963 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/17(月)01:18:50 ID:Iox
雪の女王「私か?私は…」
アンデルセン「……」
雪の女王(私は助手を辞めたくない。だが、そんなワガママを通してはカイやゲルダはどうなる?これは私一人の問題じゃない)
雪の女王「私は、私は自分の意思で助手を辞めようと…」
アンデルセン「…女王。私に何か遠慮しているのなら、その必要はない」
チャールズ「ん?女王?先生、それってd」
アンデルセン「君の正直な想いを聞かせてくれ。それが結果として【雪の女王】の存続に関わるのなら…共にどうすることが最善か考えよう」
雪の女王「……」
アンデルセン「君に幸せになって欲しいというのは出任せなんかじゃないんだ。聞かせてくれ、君は…どうしたい?」
雪の女王「私は、私は…続けていたい。童話作家アンデルセンの助手を」
雪の女王「お前がこの先書いていくであろう童話を、お前の側で読みたい。お前の願いが世界を変えていくところを見届けたい」
雪の女王「いいや、それも言い訳に過ぎない。あれこれ理由を言ったとこで結局のところ…」
雪の女王「アナスン、私はお前という人間が好きなのだと思う。ただ、それだけだ」
964 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/17(月)01:32:04 ID:Iox
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
アンデルセンを殺しに来て、アンデルセンを愛する
それが雪の女王
次回
回想も終わり、舞台は現在へ
そして遂に動き出す、猫
965 :名無しさん@おーぷん :2016/10/17(月)01:42:45 ID:KiU
乙!
なんというかうまく表現できないけど、良いな
966 :名無しさん@おーぷん :2016/10/17(月)02:04:33 ID:uQa
乙です
何かいきなり大人のしっとり恋愛模様(?)な感じですかー
えぇやんえぇやん
乙です!
いやぁ、いい!!
続き待ってます!!
977 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)00:56:45 ID:n90
雪の女王「まったく不思議なものだ。私はかつてお前の事を心底憎み、お前を殺す為にこの街に来たというのに」
雪の女王「お殺すどころかまさか好意を持ってしまうことになるとは…どうやら私は随分とチョロイ女だったようだな、我ながら情けないよ」フフッ
アンデルセン「情けなく思う必要などないさ、それだけ私に人間的魅力があるという事だろう?」フフッ
雪の女王「フフッ、まぁそういう事にしておいてやろう。まぁ、とにかく…」
雪の女王「自分の運命だとか責任だとか、そういうものを考慮せずに私自身がただやりたいと思うこと…それはお前の助手を続けること。それが私の本音だ、アナスン」
アンデルセン「君の気持ちは判った。君がそうしたいと願うのならば助手を続けるといい、私としても君が側にいてくれるのならばそれは喜ばしい事だ」
アンデルセン「それによって生じる問題をどうすべきか…それはまた追って話し合うとして、だ。今、ここで一つだけ認識を共有したい事がある」
雪の女王「認識を共有…何の事だ?」
アンデルセン「君が私を敬愛してくれるのは嬉しい、共に過ごしたいと思ってくれたこともだ。だが住む世界が違う君と私がいつまでも共に暮らすということは不可能。この意味は…わかっているだろう?」
雪の女王(わかっている。私は童話世界の人間、アナスンは現実世界の人間。元々、異なる時間の流れの中にいるのだ)
雪の女王(どんなに著名で優れた作家だろうとアナスンはただの人間、いずれ死という形で別れが訪れる。対する私は寿命で死ぬことはない。その代わり永遠の悲しみを背負うことになるのだ、敬愛する友を失った悲しみを)
雪の女王(【雪の女王】が結末を迎えた後も、寒く冷たい世界でただ一人、消えることのない世界で永遠に…だ)
アンデルセン「それでも君は…」
雪の女王「愚問だな、アナスン。死なない人間はいないし、残された人間が全ての悲しみから逃れる方法もきっと無い」
雪の女王「それでも私は君の助手であることを選ぶ。そうすることが今の私にとって一番の幸福なんだ」
978 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)00:58:33 ID:n90
雪の女王「例え運命や結末が決まっていても変えられる何かがある、そう言ったのはお前だぞアナスン」
雪の女王「私はより幸せになるためにお前の助手を続けるんだ、いつか訪れるだろう悲しみなんか今は知ったことじゃないのさ」フフッ
アンデルセン「…私としたことが余計な心配をしてしまったようだ。そもそも君は悲しみに押し潰されるようなか弱い女性では無かったな、強い力も神経の図太さも持っている」クスクス
雪の女王「そうだな、私は神経の図太い女だ。そして侮辱されて黙っているような性格じゃあ無いぞ?望むなら君の書斎を少し涼しくしてやっても構わないんだが」フフッ
アンデルセン「フフッ、君には逆らわない方が良さそうだ。以前、君に破壊された窓や書斎の床板の修繕は思いの外費用がかかったしな」
アンデルセン「ともあれ、改めて歓迎するよ女王。これからも私のパートナーとして力を貸してくれ」スッ
雪の女王「あぁ、いいだろう。こちらこそ宜しく頼むよ、アナスン」スッ
チャールズ「……うんうん!なんかよくわかんないけど一件落着ですね、先輩が助手続けてくれるなら俺も安心してイギリスに帰れますよー。先生を一人にはできませんからねー」
アンデルセン「君が私をどう評価しているのか、改めて聞く必要がありそうだな…」
雪の女王「君には礼を言わないとな、君が言い出さなければ私はきっと本音を吐けなかった」
チャールズ「やだなー!礼言われることしてませんって!俺自身、先輩には助手続けてて欲しいって気持ちありましたしー。あぁ、でも気になること一つ聞きたいんですけどー」アハハ
チャールズ「なんで先輩、女王って呼ばれてるんです?あだ名ですよね?」ヘラヘラ
979 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:00:50 ID:n90
雪の女王「あぁ…それはだな…」
雪の女王(どうする…?思わず流していたが、聞かれてしまった以上チャールズにおとぎ話の世界について話すか…?)
雪の女王(いや、やめておいた方がいいだろう。チャールズは信用できるが…だとしてもおとぎ話の世界の事は他言するような事じゃない。だが、それならなんと言い訳をすればいいか…)
チャールズ「あー、なんかすんません、もしかしなくても言いにくい事なんですよね?」
雪の女王「いや、あのだなチャールズ…」
チャールズ「いや、言いにくいことなら大丈夫です!きっとあれなんですよね、先輩が態度デカ過ぎて付けられた蔑称でしょ?先輩、先生に対しても敬語とか使わないからそのせいで付けられた不名誉な…痛ったい!」ドスッ
雪の女王「私の呼び名を不名誉のように言うのはやめろ。そもそもお前の雑な敬語も似たようなものだろう」
チャールズ「えぇー…じゃあなんでなんですか?まさかガチな王族ってわけでも無いでしょ?はっ!まさか性的な…いやいやいや嘘ですすんません拳振り上げるのやめえましょ!ねっ!ラブアンドピース!」
アンデルセン「彼女が女王と呼ばれる理由、私が教えようか。チャールズ、実はな…まさに君の想像通りなんだ」
チャールズ「えーっ!そうなんですか!?じゃあやっぱり性的な…」
アンデルセン「違う、そっちじゃない。私まで睨まれるからその説はもう口に出すんじゃない」
チャールズ「っていう事はまさかガチの女王なんですか…?」
アンデルセン「あぁ、彼女は正真正銘…本物の女王なのさ」
980 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:04:02 ID:n90
雪の女王「おいアナスン、その事は…」ヒソヒソ
アンデルセン「大丈夫だ、まぁ見ているといい」ヒソヒソ
チャールズ「えええぇーっ!マジなんですか!?先輩、リアルクイーンなんすか!?」ガビーン
アンデルセン「チャールズ、声が大きい。これは当然ながら公に出来ない話題だ」
チャールズ「ですよね!俺、こう見えて口固いんで大丈夫ですよ!幼女に聞かれない限りは!」
雪の女王「待て待て、幼女に聞かれたら言ってしまうのか?」
チャールズ「幼女に隠し事しろって言うんですか!?当然言いますよ!」
雪の女王「こいつは…」
アンデルセン「チャールズ。当然、幼女にも内緒だ」
チャールズ「おぉ…先生のこの雰囲気、どうやらガチみたいですね。わかりました、幼女にも内緒ですね!」
アンデルセン「ならば話そう。実はだな……彼女は某国の女王なのだが、王族という立場に嫌気がさしてしまい、黙って国を後にし…そしてこの街にいるんだ」
チャールズ「なるほど…王族って偉いしリッチだし自由そうだけど色々大変そうですもんね、しきたりとか世間体とかー。それが嫌で逃げ出したんですね?」
アンデルセン「あぁ、そんなところだ。で、だな…色々あって私は彼女を匿っているんだ。そして私の助手という形で民衆に紛れている。だが当然、この事が彼女の母国に知られれば最悪戦争だ。攻めいられれば私はもちろんこのデンマークの存続すら保証出来ない」
アンデルセン「本来ならば国へ戻るべきだろうが…だが彼女はここに残ると決めた。私は彼女の意思を尊重したい、故に彼女が女王であることは内密にして欲しい」
雪の女王(まぁ誤魔化す必要があるとはいえこうもスラスラと嘘を…流石は作家、創作は得意か。いいや、そんな言い方は他の作家に失礼だな)
981 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:06:14 ID:n90
アンデルセン「という事なのだが…納得できたかいチャールズ?」
チャールズ「わっかりました!任せてください!俺、誰にも言いませんから!安心してくださいね、先輩!」
雪の女王「あ、あぁ。助かる…」
雪の女王(真実を打ち明けるわけにはいかないとしても、騙しているようで気が引けるな…)
チャールズ「いやー…まさか先輩にそんな秘密があったとは…確かにどことなくロイヤル感ありますもんね先輩!」アハハ
雪の女王「そうか?そんな事は初めて言われたが」
チャールズ「いやいやー、ありますよ気品とかそういうの!まっ、王族だろうと一般人だろうと俺にとっては頼れる先輩だって事に変わりないですよ!頼れるしスタイルいいしで自慢の先輩なんですからー」アハハ
雪の女王「フフッ、君は侮辱したり持ち上げたり忙しい奴だな」クスクス
チャールズ「あははっ、細かい事は気にしない方向でいきましょう!あっ、先輩飲み物空じゃないですかー。俺、新しいもの貰ってきますよ!同じのでいいですか?」
雪の女王「あぁ、悪いが頼もうかな」
チャールズ「了解です!他にもご用が御座いましたら何なりとおもーしつけください、女王サマー。なんつってー」アハハ
982 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:10:55 ID:n90
雪の女王「どうやら、うまく誤魔化せたようだな…」
アンデルセン「あぁ、彼に真実を伝える訳にはいかないからな」
雪の女王「だが、少々悪いことをした気にもなるな。彼は私たちを信じてくれているのに騙すような真似をしてしまった」
アンデルセン「疑わずに信じてくれたからな…確かに罪悪感はある。だがそれでも、彼にはおとぎ話の世界の存在を伝えるべきではない。少なくとも今はまだ」
アンデルセン「彼はまだ若く作家としての経験も浅い。まだまだこれから延びていく才能ある若者だ。下手におとぎ話の世界の存在を教えてしまえば…彼の芽を摘むことにもなりかねない」
雪の女王「確かにな…」
アンデルセン「優しい青年だからな、自分の握るペンが実際に誰かの運命を描いていると知ってしまえば彼は自由に物語を書けなくなるかもしれない」
雪の女王「奔放に見えてそういう気は使う奴だからな…そう考えると言わないで正解だったのかもしれないな」
アンデルセン「あぁ、一度知ってしまえば知らなかった頃には戻れない。いずれ、彼がおとぎ話の世界の存在を知ってしまうとしても…今はまだ早い」
アンデルセン「彼に嘘をついたことを咎められようと、私は彼の師として…真実を伝えることはしない。それが彼のためだと思うからだ」
雪の女王「フフッ、弟子を案じた師匠らしい配慮だな。お前にしては珍しい」
アンデルセン「珍しいは余計だ。さて…チャールズも来たことだしそろそろグリム両先生を呼んでこようか、いい加減に喧嘩の熱も覚めただろう」
雪の女王「そうだな、私が呼んで来よう。折角の食事会、喧嘩などしていては勿体無い」ガタッ
アンデルセン「そうだな。先生方に話を聞かせてもらうことはチャールズにとってもよい経験になる。そういった場はなるべく多く設けてやりたいな」
アンデルセン「そうして得たものがいずれ彼の中で形を持ち、産み出されたおとぎ話が多くの人達を笑顔にできる事を私は切に願うよ」
・・・
983 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:18:31 ID:n90
現在
雪の女王の世界 女王の書庫
・・・
雪の女王「それからしばらくしてグリム兄弟は故郷へと帰ったが、滞在中にチャールズは兄弟から多くの知識と鉄拳を受け取ったようだ」
雪の女王「それからも彼は修行として様々な経験を積んだようだった。それから数ヶ月経って、チャールズは弟子としての期間を終えてイギリスへと帰っていったよ」
雪の女王「これがアナスン唯一の弟子、チャールズについてだ。この時アナスンは彼におとぎ話の世界の存在を教えることをよしとしなかったが…私の知らないところで教えていたのかもしれないからおとぎ話の世界の存続を知っていたかどうかは、なんとも言えないな」
キモオタ「なるほどwwwしっかし百年以上前のデンマークにそこまで拗らせたロリコンがいたとはwww驚きですぞwww」
ティンカーベル「ちなみにそのチャールズは童話作家になれたの?」
雪の女王「どうだろうな…以前お千代の住まい探しに現実世界へ渡ったとき少し聞いて廻ったが少なくともチャールズという童話作家は居ないようだった」
キモオタ「才能があってもそうそう作家にはなれないのかも知れませんな…いやはや、世知辛いですな」
雪の女王「ペンネームで本を出している可能性もあるからなんとも言えないが、な」
ティンカーベル「あのさ、流れとか無視して言っちゃうけど」
キモオタ「なんでござるかwww」
ティンカーベル「ぶっちゃけ私はチャールズの事より女王とアンデルセンの恋の行方が気になる!大人の恋!憧れちゃうよねー!さぁ聞かせて貰うからねー!」ワクワク
キモオタ「出た出たwwwティンカーベル殿の持病が発症しましたぞwwwというかそんなことをしている場合ではwww」
雪の女王「悪いが君が期待するような話は出来ないぞ?結局、アナスンの死によって私達は別れを余儀なくされたのだし」
ティンカーベル「それでもいいから聞かせて!恋愛話っていうのは結末とかわりとどーでもいいの!その経過にドキドキきゅんきゅんするもんなの!」クワッ
雪の女王「そ、そうか…君も随分と拗らせているようだが、聞いて満足するなら話してあげようか…」ヒキヒキ
ティンカーベル「よっし!聞かせて聞かせて!くぅー、ワクワクするうー!」
キモオタ「ちょwww毎度毎度お主は話を脱線させ過ぎですぞwwwまぁ聞きたいことは大方聞かせて貰った故に別にいいでござるけど」
タシッ
984 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:38:55 ID:n90
キモオタ「ん…?」
タシッ
ティンカーベル「キモオタ?どーかしたの?一緒に女王の恋バナ聞こうよ!」
キモオタ「お主リラックスしすぎですぞwwwというか、何か物音が聞こえたような…まぁ気のせいでござろう。というかお主明日は作戦決行なのに夜更かしは感心しませんぞwww」
???「鈍感な豚だと思ったがなかなか鋭い一面もあるようだな。わざと聞こえるようにしていたとはいえ、私の足音に反応するとは…誉めてやるぞ豚、いいやキモオタよ」
???「などと言ったところで私の声は届かないがな。姿を見せる事も見せない事も、声を聞かせることも聞かせないことも私の裁量ひとつだ。霊体だったあの頃のようにな」
???「だがあいつが…チャールズが私の『器』としてこしらえたこの体は実に使い勝手がいい、猫の姿などふざけていると最初は思ったものだが」
チェシャ猫「神出鬼没、完全に姿を消すことが可能なこのチェシャ猫という名の器はこの手のスパイ活動にはもってこいだ。こうしてコイツらのすぐ側にいても気付かれる事はない」
チェシャ猫「例え相手が屈指の魔力を誇る雪の女王だとしても、私の存在を関知することは出来ない」
チェシャ猫「さて、もうここに用事はない。しかし、見れば見るほど愚かな連中だなにも知らずに雑談に花を咲かせているとはな」
チェシャ猫「明日決行されるアシェンプテルの奪還作戦、それがこちらにもれているとも知らずに」
チェシャ猫「さて、私も早々に帰還して支度をしなければな」
チェシャ猫「フフフ…さぁもうじきだ。もうじきチャールズの無念を晴らせる、私の屈辱を拭える…私とアリスの願いがようやく成就する!」
チェシャ猫「ようやく、ようやく!愚かな人間共を、くだらない世界を全て消し去ることができるのだ…!」
985 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/24(月)01:46:41 ID:n90
『作者』編 おしまい
長くなってしまったけど付き合ってくれたみんなありがとう
次スレでは遂にあの世界へ…!
次回
不思議の国のアリス編 お楽しみに!
986 :名無しさん@おーぷん :2016/10/24(月)02:48:37 ID:WkF
なぁにこの猫
聞こえてないとはいえ全部説明しちゃう感じすげえ小物感ある
988 :名無しさん@おーぷん :2016/10/24(月)18:16:17 ID:OfH
九冊目完結お疲れ様です!
ついに次回から不思議の国アリス編ですか!!
楽しみにしています
989 :名無しさん@おーぷん :2016/10/24(月)22:29:37 ID:NjZ
乙です
いよいよ10冊目かぁ
アリス編ってことはこれがラストなのかな?
990 :名無しさん@おーぷん :2016/10/25(火)07:49:07 ID:cYT
乙です!
続き待ってます!!
991 :名無しさん@おーぷん :2016/10/25(火)11:53:45 ID:9Ow
九冊目完結お疲れ様です!!
アリス編すっごい楽しみ!
お疲れさま!
遂にここまで来たんだね。
これから、どうなっていくのか楽しみだ!
期待してるよ!取り敢えずホントお疲れさま!
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
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