キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
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543 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:36:50 ID:2mQ
舌切り雀の世界 雀のお宿
舌切り雀「えっ?この世界にあの有名な『桃太郎』が来てるってんですかい?そりゃすげぇ!」
雀の長老「これ、舌切りの!日ノ本一の英雄を呼び捨てにするとは何事じゃ!様を付けんかい様を!」
舌切り雀「へぇすんません。そんで…本当なんですかい?その桃太郎サマが来てるってのは?」
雀の長老「うむ、偵察隊からの確かな情報じゃ。お供として有名な三匹は不在じゃが素性が解らぬライオンを引き連れているとの報告もあるのぅ」
舌切り雀「ほー…まぁ鬼退治のお供が犬猿雉って完全に舐めてますもんね。桃太郎もようやく本気を出したってとこですかね」ハハハ
雀の長老「様を付けろと言うに!まったく…舌を切られても相変わらず口に減らない奴じゃ、お前はもう少し言葉を選んでじゃなぁ…」
舌切り雀「まぁまぁ、今日は小言を聞くために来たんじゃありやせんから。お説教はまたの機会ってぇ事で、じゃないとまた抜け羽が増えますぜ」ハハハ
雀の長老「そうやって思ったことを口にするのを控えろと言うておるんじゃい!お前には雀のお宿の一員だという自覚と気配りが足りん!」
舌切り雀「やだなぁ、長老忘れたんですかい?あっし、雀のお宿の一員として、お世話になったご主人をキチンともてなしてお土産のつづらもバッチリ渡したじゃねぇですかい。完璧な仕事でしたぜありゃあ」
雀の長老「お前はその後に訪れたご婦人にとんでもない仕打ちをしたじゃろ!よりによって世話になった相手に魑魅魍魎の入ったつづらを渡すなど宿始まって以来の不祥事じゃ!」
舌切り雀「あのクソババァはあっしの舌を切り落としたんですぜ!?そのくせ強欲にももてなしを要求しやがって…ありゃあ当然の報いですぜ!」
雀の長老「阿呆!そもそも舌を切られたのはお前が勝手に糊を食い尽くしたせいじゃろうが!」
舌切り雀「まぁ…うん…いやいや、そうだとしても舌を切るなんざやりすぎだ、あっしがババァに復讐をするのは当然ですぜ!」
雀の長老「まったく…そういう考えじゃから自覚が足りないというんじゃ。舌切りの、ワシ等が営む雀のお宿とはどういうものか言うてみよ。きちんと理解しているかの?」
544 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:39:06 ID:2mQ
舌切り雀「当然ですぜ!ほら、あれ…客をもてなす宿!来た客をもてなしてつづら渡して…つう感じで…へへっ」
雀の長老「…良いか?我々が作っているのは癒しの空間なのじゃ。訪れた人を歓迎し心尽くしのもてなしをすることで理不尽や不条理のまかり通る社会で疲弊した心と体を癒す場所…それが雀のお宿」
雀の長老「一時だけでも慌ただしい日常から離れて安らいで頂き、帰り際にはお土産のつづらをお渡しする。そして笑顔でご帰宅なさるお客様の笑顔が何よりの報酬なのじゃ。決して復讐に利用して良い場所ではない」
舌切り雀「えーっ?じゃあなんで魑魅魍魎の入ったつづらとか用意してるんですかい?財宝より化物を選ぶ変態用ですかい?」
雀の長老「違うわい!あれは非力な我々が外敵から身を守るための護身用つづらじゃ!お土産用ではない!」
舌切り雀「あーなるほど!てっきり宿でベロンベロンになってゲロる客とか横柄な態度のクソみてぇな客をぶちのめす為かと思ってやした!はははっ!」
雀の長老「まったく…お前のような未熟者が何故このおとぎ話の主人公なのかのぉ…」
舌切り雀「ははっ、なんでですかね?」ヘラヘラ
雀の長老「笑い事ではない!偵察部隊からの報告によると桃太郎様はこの雀のお宿をめざしているようじゃ。おそらくは同じ主人公であるお前に何かしらの協力を求めるためじゃな」
舌切り雀「桃太郎があっしに用事?えーっ、正直相手するの面倒ですぜー?」
雀の長老「様を付けろと言うに!あと面倒とか本人の前で決して口にするでないぞ!」
545 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:40:49 ID:2mQ
雀の長老「おそらく、桃太郎様がお前の元へやってくるのは昨今のおとぎ話の世界を取り巻く現状に関連しておる。お前も現在おとぎ話の世界がどのような状況にあるかよく知っているだろう?」
舌切り雀「そりゃあもう。前にあっしの所に来た鬱陶しい白鳥と女版一寸法師みてぇな連中から詳しく話を聞きやしたから!アリスが暴れて世界がヤバい。ってなもんですよね?」
雀の長老「言葉選びはさておき…まぁそうじゃ。本来ならば我々もおとぎ話の世界の住人として、好き勝手しているアリスに立ち向かうべきじゃが…」
舌切り雀「そりゃ無理ってなもんですわ、あっしらは非力でちっぽけな雀ですぜ?」
雀の長老「如何にも。口惜しいかな…我々は戦うことなどできん、出来ることと言えば自分たちだけの力でこの【舌切り雀】の世界を守りきり、他の世界の方々の手を煩わせないことくらい」
雀の長老「しかし、詳しい理由は解らぬが桃太郎様はこの宿に…お前に協力を求めてやってこられる。これは喜ばしく、誇らしい事じゃ」
舌切り雀「アリスと戦う力を持つ桃太郎に協力できりゃあ、間接的つっても世界を守る戦いに一役買えるから、ですかい?」
雀の長老「左様。非力な我々でも力になれることがある、これほど嬉しいことはない。じゃから舌切りの、桃太郎様が訪れたら出来る限りのおもてなしと協力をする事、良いな?当然ワシ等も出来ることはするでな」
舌切り雀「えーっ…それあっしじゃないとダメですかい?ほら、あっし口も悪いし短気だしあんまり接客って向いてないと思うんd」
雀の長老「自覚しておるのならなんとかせい!お前は主人公じゃろ!」
舌切り雀「いや、そんなこと言われてもそれ現実世界の奴が勝手に決めたことですぜー?あっしに言われてもねぇ?」
雀の長老「言い訳無用じゃ!とにかく桃太郎様のお相手はおまえに任せるでな。しっかりと準備を整えて、さっさとお出迎えにあがらんか!」
546 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:43:27 ID:2mQ
舌切り雀の世界 雀のお宿から少し離れた森
舌切り雀「長老の話だとそろそろこの辺までたどり着いてんじゃねぇかって話だけどよぉ…桃太郎って強いんだろ?迎えなんかいるのかねぇ?」
舌切り雀「しっかし面倒な事になっちまったなー、あっしが日ノ本一の英雄の接待かぁー…面倒な上に気が重いわなぁー…接待しろつってもなぁ…何しろってんだよ」
舌切り雀「糊食っただけでブチキレるババァとか、わざわざ森の奥まであっしを探しに来たご主人とかもそーだけど、人間の考えってのはイマイチわかんねぇしなぁ…」
舌切り雀「とりあえずあれだ、好物はきびだんごだろうな。厨房の連中にクッソ大量に作っとけって言ったからまぁ問題ねぇだろ」
舌切り雀「しっかしあっしに何の用事なのかねぇ…確かに日ノ本が舞台だって共通点はあるが時代も場所も違うしそもそも世界が違うってのに、何頼まれるんだか知らねぇけどさ」
舌切り雀「まっ、どっちにしろ下手に出てやるか。鬼を倒す程だから相当な手練れでよ、そんでお高く止まってる偉そうな野郎だろうしなー…んっ?」
ドタドタドタ
行商人「うわああぁ!だ、誰か助けてくれぇ!」
流浪の侍「逃がしはせん…!悪いが荷は全て置いていって貰おうか…さもなくば斬る!」チャキッ
舌切り雀(うわー、物騒になっちまったなこの辺も。野武士か落ち武者か…どっちにしろ商人にゃ気の毒だがあっしにはどうにもできねぇ)
行商人「そ、そいつはできねぇ!商品を渡しちまったら村で俺を待ってるお客に申し訳ねぇ!だから勘弁しちゃくれねぇか!」
流浪の侍「…拙者の知ったことではない。こちらも命を繋ぐには銭が必要…荷を渡す気がないというのならば、お主を殺して奪うまで…!」
行商人「くっ、もう逃げ場がねぇ…ここまでか!村の衆、すまねぇ…!」
547 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:46:16 ID:2mQ
流浪の侍「退路は断たれた、観念するがいい…!」ググッ
ビュオンッ! ガキィィンッ!!
桃太郎「…罪無き商人を襲うとは不届きなり」グググッ
行商人「た、助かった…!」
流浪の侍「馬鹿な…拙者の太刀が防がれただと!?」
桃太郎「腰に携えた刀、そしてその身なり、侍としての器は整っているようだが…肝心の中身が伴っていなければ侍とは呼べぬ、素人同然」
流浪の侍「拙者を愚弄するか…!主を失おうとも拙者は侍だ、拙者が素人だなどという戯れ言…撤回して貰おう!」ジャキッ
桃太郎「確かに刀は相当な業物のようだが…信念無き刃などナマクラ刀にも劣る、そのような棒きれで斬れる物などありはせん」
流浪の侍「どこまでも拙者を愚弄するというのだな…貴様が相当な手練れだというのなら、一切の容赦はせぬ!」ダダッ
ビュオンッ! スッ
桃太郎「…言ったであろう、信念無きお主では拙者を斬ることは叶わぬ。早々に去るがいい」
流浪の侍「くっ…堕ちようとも拙者は侍!いくら貴様が強かろうとそこまで言われながら背を向け逃げるなどできん!」ズバッ
桃太郎「退くもまた兵法…とはいえその心意気、悪くはない」ビュッ
流浪の侍「ぬぐぉ…峰打ちだと!?くっ、動けぬ…!侍同士の果たし合いに遠慮など…ひと思いに斬れ!」ドサッ
桃太郎「お主は斬るには惜しい。商人よ、この隙に逃げよ。護衛についてはやれぬが…大きな街道へ出ればもう案ずることもないだろう」
行商人「あ、ありがとうございます!助かりました!では私は失礼して…!」スタタタタ
桃太郎「さて…これであの商人は無事村へたどり着けるだろう。次は…お主だ」スッ
548 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:48:15 ID:2mQ
流浪の侍「ようやく斬る気になったか。命を捨てる覚悟など遠の昔に出来ている…!斬れ…!」
桃太郎「言ったであろう、斬るには惜しいと。しばらくすれば動けるだろう…もうあの様な真似をするのは止めることだ。お主が侍であり続けたいのならな。これは僅かだが…とって置くが良い」スッ
流浪の侍「銭だと…?このような施しをされるいわれはない!」
桃太郎「お主もかつては主君のために刃を振るう真の侍だったのだろう?」
流浪の侍「あぁ…だが主を失い、職を失った拙者にはもうこうするしか生きる道が無いのだ!」
桃太郎「拙者はそうは思えぬ。今は辛くとも歩みを止めなければいずれまた侍として刃を振るうことも叶おう。この路銀は…それを願う拙者の気持ちだ、受け取っては貰えぬか」
流浪の侍「……」
桃太郎「信念無き刃ではあったが、お主の剣術はなかなか見所が有るものだった。すぐにでもお主を必要としてくれる者は現れるだろう。では…拙者はこれにて」
流浪の侍「待て。お主、名はなんという?」
桃太郎「桃太郎。そう呼ばれている」
流浪の侍「桃太郎。拙者は侍だ、受けた恩義は必ず返す…!次に合間見えるときは名実ともに侍として…お主の前に参ずる!必ず、必ずだ」
桃太郎「うむ…承知した。いずれまた合間見えよう」スッ
549 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:52:02 ID:2mQ
・・・
桃太郎「……」スタスタスタ
舌切り雀(へぇー、さすがは日ノ本一だ。商人を助けたうえに堕ちた侍にまで気をまわせるなんてな、少なくともあの侍は盗人にならずに済んだわけだ)
桃太郎「……」
舌切り雀(ただ悪い奴をぶちのめすんじゃなくて改心させちまうなんてすげぇなあいつぁ!あっしなら速攻でぶちのめすってのに、接待にも俄然やる気出てきたってもんだ!)
桃太郎「……ライオン、そこの茂みにいるのか?もう良い、姿を見せて構わぬ」
ガサガサ
ライオン「ガルルゥ…」ノシノシ
舌切り雀(おっ、あれが例のライオンか。丁度良い、もうここで声かけちまって宿まで案内するか)
桃太郎「ライオンよ。今し方、流浪の侍に襲われていた商人を救ってきたのだが……」
舌切り雀「おーい、桃t」
桃太郎「うおぉぉぉっ!ライオン聞いてくれよマジで!あの侍思ったより強くてめっちゃびびった!!つーか最初刃受け止めたとき結構ギリギリだったからねあれ!?泣きそうなの我慢したの賞賛して欲しいくらいだっての!」
ライオン「だよねだよねぇ!?僕も茂みから見てたけどもう何度も目を覆っちゃったもん!見てるだけで漏らしそうになっちゃったよ僕ぅー!」
舌切り雀「は?」
550 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:53:57 ID:2mQ
ライオン「それにしても桃太郎さんいきなり飛び出してっちゃうからびっくりしたよもぉー…知らない世界で独りきりとか怖くて想像しただけでたてがみが抜け落ちちゃうよぉ…」
桃太郎「わかるわかる!すげー心細いもんなぁ…でも商人が襲われてたからさ、正直めっちゃ怖かったけど見過ごすわけにはいかないしさー」
ライオン「でもよかったよぉ。さっき桃太郎さんも言ってたけどいくら強くっても信念っていうのが無かったら何にも斬れないんだよね?だったら安心だよぉ」
桃太郎「いやいや!斬れるからね!?信念あろうがなかろうが刀振るえば大体斬れるし避け損なえば血まみれで死ぬからね!?」
ライオン「えぇっ!?でもこれさっき桃太郎さんが言ってたんだよぉ!?あれ嘘だったのぉ!?」
桃太郎「嘘じゃないって!あれはなんていうかこう…精神的な?心意気みたいな?なんかそういうアレで…」
ライオン「そうだったんだぁ…他にもいろいろカッコイイ事言ってたから実は余裕があるのかなぁなんて思っちゃったよぉー…」
桃太郎「ないない!余裕とか微塵もないから!ほんと戦ってる最中ももう英雄やめて柴刈りで生計立てたいと思ってたし!」
ライオン「あっ、それはいいねぇ!平和が一番だもんねぇ〜」
桃太郎「ほんとそれ。早いところアリスを何とかして平和な村で暮らしたいー、最近ちょっと畑とか欲しいなーって拙者思っててさー、良い土地探して貰うかなー」
舌切り雀「……」
551 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:55:35 ID:2mQ
桃太郎「でもまぁみんなも頑張ってるしアリス倒すのは頑張るけどさ。っていうかもうそろそろ到着しても良さそうなんだけどなぁ…えっと、地図地図」ゴソゴソ
ライオン「この世界の主人公の雀さんの飼い主だったお爺さん、丁寧に地図描いてくれて良かったねぇ」
桃太郎「ありがたいよね。でも言いにくいけど達筆すぎて字が読めないんだよ…なんてよむんだろこれ『大きな…蜂の巣に気を…つけるべし』かな?……はぁっ!?そんなの口頭で言ってよぉぉ!!こえええぇぇぇ!!!」
ライオン「だ、駄目だよ!蜂さんは騒ぐと寄ってくるんだってかかしが言ってた!静かにしようよ!」
桃太郎「マジでか!わかった、静かに静かに…な?」ヒソヒソ
ライオン「はーい、そっと森を抜けようね」ヒソヒソ
桃太郎「蜂はなぁ…マジでヤバいから!うちの村でも蜂に刺されて死んだ奴いるからね?マジで気をつけよう、マジでヤバいからね蜂は」
ライオン「うんうん、僕とかほとんど裸だから刺され放題で怖いよぉ〜」
桃太郎「ライオンを覆えるような布無いしなぁ…でも拙者は怖いから顔覆おうかな…蜂ヤバいし」
ライオン「えぇーっ!ずるいよぉー!蜂はヤバいんでしょぉ!?僕も何か欲しいよぉー!」
舌切り雀「テメェ等ァ!男が蜂がヤベェ蜂がヤベェって…つまんねぇことで騒ぐんじゃねぇ!それでもテメェ等男かァァ!!」
桃太郎「うわああああぁぁぁ!!!!」ビクゥーッ
ライオン「で、出たあああああぁぁぁ!!」ビクゥーッ
552 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:58:22 ID:2mQ
舌切り雀「うるせぇぇ!何も出てねぇってんだ!ったく、どうなってんだ英雄と百獣の王が実はヘタレだったってぇのか?」
ライオン「も、桃太郎さん!この雀さん喋ってるけど…日ノ本の雀さんは喋るの?」ヒソヒソ
桃太郎「喋らない喋らない!雉以外で喋る鳥なんてうちの世界にもいないって!多分……突然変異じゃないのか?」ヒソヒソ
ライオン「突然変異!ならしかたないねぇ…」ヒソヒソ
舌切り雀「違ぇ!あっしはこのおとぎ話【舌切り雀】の主人公、だから喋れるだけだ。ライオン、オメーと同じだ」
桃太郎「ちょ、ちょっと待って…じゃあお主は拙者のこと知って……?」
舌切り雀「おう、オメー桃太郎だろ?でもまぁまさか日ノ本一の英雄桃太郎があんなヘタレだとは思わなかったがなぁ」
桃太郎「……」
舌切り雀「……?なんだってんだ、急に黙ってよぉ」
桃太郎「ヘタレというのは何の事だろうか舌切り殿。拙者は鬼退治の英雄桃太郎!そんな拙者がヘタレ?舌切り殿は何か幻でも見たのではないか?」キリッ
舌切り雀「今更キリッとしたとこで誤魔化されるわきゃねぇだろが!このドンブラコ野郎がァァ!!」
桃太郎「ひえっ、すいませんっ!」
553 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:00:41 ID:2mQ
舌切り雀「おい、ドンブラコ。そっちのライオンは何者だ?つーかオメー等の目的はなんだよ?」
桃太郎「あっ、拙者の名は桃太郎で…」
舌切り雀「オメーみたいな流されやすそうな野郎はドンブラコで十分だろうがァァ!!」
桃太郎「ひいぃっ!ラ、ライオン!早く自己紹介したげて!この雀すげぇ怖い!」
ライオン「あっ、あの…僕はその【オズの魔法使い】のライオンでその…よろしくお願いします」ペコペコ
舌切り雀「よろしく頼む。で、雀のお宿を目指してるってぇ聞いたぞ?このあっしに用があんだろう?何の用事か教えて貰おうか」
桃太郎「うむ。実はお主に折り入って頼みたいことがあるのだ。その頼みというのは…」
舌切り雀「何を格好付けてやがんだテメェ!」
桃太郎「い、いや…拙者はキリッとしてないと実力出せないって言うか…あと体裁とかイメージとか色々あるから人前ではキリッとするようにしてて…」
舌切り雀「普通に喋れ。ヘタレが取り繕ってるみてぇで腹立つ」
桃太郎「な、なぁライオン…ちょ、ちょっと言いすぎじゃない?いくらなんでも…」ヒソヒソ
舌切り雀「文句があんならあっしに直接言えばいいだろうがぁ!ヒソヒソすんじゃねぇぇ!!何の用事でここに来たのかさっさと言えこのヘタレドンブラコ!」
桃太郎「ひぃぃっ!もおおぉぉ!なんなのこいつううぅぅ!!!もうマジ怖いいやだもう拙者ああああぁ!!」
554 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:03:29 ID:2mQ
・・・
舌切り雀「なるほどねぇ…大体事情は理解した。とりあえずお前等は本物で、アリスを倒すための修行でこの世界に来たってぇんだな?」
ライオン「う、うん。そうなんだよぉ…ねっ、桃太郎さん?」
桃太郎「そ、そうそう。お主のつづらは魑魅魍魎を出せるって友人から聞いて…ちょっと協力して貰えないかなぁ…って」
舌切り雀「あっしのじゃねぇけどな。まぁ良いだろ、お前等がヘタレだってのはどうも納得いかねぇがアリスを倒す為ってなら協力してやらぁ」
桃太郎「おぉ!かたじけない!できればもうちょっと優しいしゃべり方にしてくれるともっとありがたいんだけど…」チラッ
舌切り雀「でもどうしてこの世界なんだ?他の世界には鬼とか怪物とかいるだろうしそういう奴らを征伐した方が話が早いんじゃねぇか?」
桃太郎「雀に無視された…」ガビーン
舌切り雀「まぁさっきはヘタレだってバカにしたけどよぉ、修行のために魑魅魍魎に立ち向かおうって気概は流石は桃太郎って所だな、そんくらいの相手じゃねぇと修行にならねぇってか」
桃太郎「そ、それはどうも…。修行!そう、修行の為にね!強い相手と戦わないと意味ないからね!ははっ…」
舌切り雀「おっ、わかってるじゃねぇか!ビビりだがやるときはやるって感じかぁ?少しは見直したぜ」
ライオン「うんうん!でも協力して貰えて良かったねぇー…雀さんのつづらから出てきた魑魅魍魎ならもしも危なくなっても引っ込めてもらえるし、これで最初の予定通り怪我することなく安全にしゅぎょうできるねぇ」ニコニコ
桃太郎「ばっ…なんでそういうこと言っちゃうんd」
舌切り雀「ドンブラコ」
桃太郎「は、はい…」
舌切り雀「正座」
桃太郎「わかりました…」
555 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:06:21 ID:2mQ
舌切り雀「修行するには強敵じゃないと意味がない。でも本気の戦いだと怪我をするかもしれないし死ぬかもしれない。だからいざという時引っ込められそうって事でうちのつづらを頼った…つうことか?」
桃太郎「はい…」
ライオン「ご、ごめんね桃太郎さん…」
桃太郎「い、いいよ。事実だし…」
舌切り雀「事実なのが問題なんだろうがァ!傷付くのが怖いからいざってときにやっぱり無しって出来る修行を選ぶって…どう言うことだテメェなめてんのか!」
桃太郎「すいませんっ!なめてません!」
舌切り雀「あっしはな…嫌いなもんが3つあるんだ」
舌切り雀「ひとつは調子に乗ってるクソババァ。もう一つは和ばさみ。もう一つ、なんだかわかるか?」
桃太郎「さ、さぁ…なんですかね…」
舌切り雀「オメーみたいな男のくせにビクビクしてるヘタレ野郎だァー!男ならもっと堂々としろこのキビダンゴ野郎!」バンッ
桃太郎「ひぃっ!」
556 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:09:56 ID:2mQ
舌切り雀「おい…ひとつ気になってたんだがよ。お前が背負ってる旗はなんだ?なんて書いてあるか読んで見ろ」
桃太郎「あっ、この旗ですか?これは『日本一』ですね」
ライオン「確かアリスちゃんとの戦いが決まってからお爺さんが新しくこさえてくれたんだよねぇ?」
桃太郎「そうそう、じーちゃんばーちゃんには内緒にしてたんだけどさ、心配するから。でもお供がバラしちゃってさぁー、そしたらじいちゃんとお供が協力して旗作ってくれたんだよ!ばぁちゃんは得意のキビダンゴ作ってくれたし、気を使わせて申し訳ないんだよなー」
ライオン「でも優しいよねぇ。家族ってこういうときありがたみを感じるよねぇ」
桃太郎「確かになー。流石にアリスの世界には付けていけないけどみんなの気持ちがこもってるからそれ以外ではなるべく付けようかなって」
ライオン「うんうん、それがいいよぉ」
桃太郎「そうだよなぁ?ははっ、ちょっとこっぱずかしいけど」
舌切り雀「何ほのぼのとしてんだ!おいドンブラコ、テメェは本当に日ノ本一なのか?」
桃太郎「えっ、そりゃまぁ…一応鬼倒してるしね、拙者…日ノ本一って名乗って良いかなって思ってるけど…」
舌切り雀「テメェみてぇなヘタレ野郎が…日ノ本一なわけねぇだろうが調子のんじゃねぇぞ!」
557 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:13:25 ID:2mQ
舌切り雀「お前の世界もそうだろうがこの世界も日ノ本なんだ。おめぇみたいな奴が日ノ本一を名乗るなんざあっしが許さねぇぞ!?」
桃太郎「す、すいません!すぐに外します!」
舌切り雀「男が一度掲げたもんをほいほい降ろすんじゃねぇぇぇ!!」
桃太郎「もおおぉぉぉっ!じゃあどうしろっていうんだよお前えええぇぇ!!!」
ライオン「お、落ち着いて桃太郎さん!」
桃太郎「だってあいつが…!あいつが無茶苦茶言うからさぁぁ!!」
舌切り雀「無茶じゃねぇよ。今のお前を日ノ本一と認めるわけにゃなんねぇが…だったら自他共に認める日ノ本一になりゃあいい」
桃太郎「えっ、なにそれどう言うこと…?」
舌切り雀「だからよぉ!お前や俺以外にも日ノ本が舞台のおとぎ話はいくつかあるだろ?今からそいつ等の所に行ってよぉ…お前が本物の日ノ本一だって証明して回れ」
桃太郎「他の日ノ本のおとぎ話の世界で…拙者のことを認めて貰う!?無理無理無理!」
舌切り雀「やる前から諦めんな!あっしがこれから連れて行く世界の主人公に認められたならつづらも貸してやるしお前を桃太郎だって認めてやる、修行にもなるだろ?」
桃太郎「そ、そうかもしれないけどさぁ…いやでもなぁ…」
舌切り雀「ウジウジせずにスパッと決めろやこのドンブラコ野郎がァァァ!!」
桃太郎「は、はいぃぃ!わかりました!やりますぅ!」
558 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:19:00 ID:2mQ
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
次回、名実ともに日ノ本一になるため別のおとぎ話を訪れた桃太郎達
舌切り雀に連れられた先で出会ったのは桃太郎と肩を並べるレベルのあの太郎だったのである
559 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)01:23:59 ID:9vd
楽しみにしておりましたぁぁぁ!
このコンビ本当にほっこりします。
560 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)07:26:41 ID:Bfq
ヤバいヤバい桃ライオン可愛いぃぃ(*´∇`*)ありがとうー
舌切り雀が意外とアレなキャラですなw
次は金太郎ですかい!?
561 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)08:00:22 ID:Fex
知名度なら浦島の方かもしれない
今は某携帯会社のCMあるからそんなでもないか
562 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)09:19:01 ID:ixY
乙です!
桃ライコンビ、馴染みすぎでしょ(笑)
続き待ってます!!
舌切り雀の世界 雀のお宿
舌切り雀「えっ?この世界にあの有名な『桃太郎』が来てるってんですかい?そりゃすげぇ!」
雀の長老「これ、舌切りの!日ノ本一の英雄を呼び捨てにするとは何事じゃ!様を付けんかい様を!」
舌切り雀「へぇすんません。そんで…本当なんですかい?その桃太郎サマが来てるってのは?」
雀の長老「うむ、偵察隊からの確かな情報じゃ。お供として有名な三匹は不在じゃが素性が解らぬライオンを引き連れているとの報告もあるのぅ」
舌切り雀「ほー…まぁ鬼退治のお供が犬猿雉って完全に舐めてますもんね。桃太郎もようやく本気を出したってとこですかね」ハハハ
雀の長老「様を付けろと言うに!まったく…舌を切られても相変わらず口に減らない奴じゃ、お前はもう少し言葉を選んでじゃなぁ…」
舌切り雀「まぁまぁ、今日は小言を聞くために来たんじゃありやせんから。お説教はまたの機会ってぇ事で、じゃないとまた抜け羽が増えますぜ」ハハハ
雀の長老「そうやって思ったことを口にするのを控えろと言うておるんじゃい!お前には雀のお宿の一員だという自覚と気配りが足りん!」
舌切り雀「やだなぁ、長老忘れたんですかい?あっし、雀のお宿の一員として、お世話になったご主人をキチンともてなしてお土産のつづらもバッチリ渡したじゃねぇですかい。完璧な仕事でしたぜありゃあ」
雀の長老「お前はその後に訪れたご婦人にとんでもない仕打ちをしたじゃろ!よりによって世話になった相手に魑魅魍魎の入ったつづらを渡すなど宿始まって以来の不祥事じゃ!」
舌切り雀「あのクソババァはあっしの舌を切り落としたんですぜ!?そのくせ強欲にももてなしを要求しやがって…ありゃあ当然の報いですぜ!」
雀の長老「阿呆!そもそも舌を切られたのはお前が勝手に糊を食い尽くしたせいじゃろうが!」
舌切り雀「まぁ…うん…いやいや、そうだとしても舌を切るなんざやりすぎだ、あっしがババァに復讐をするのは当然ですぜ!」
雀の長老「まったく…そういう考えじゃから自覚が足りないというんじゃ。舌切りの、ワシ等が営む雀のお宿とはどういうものか言うてみよ。きちんと理解しているかの?」
544 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:39:06 ID:2mQ
舌切り雀「当然ですぜ!ほら、あれ…客をもてなす宿!来た客をもてなしてつづら渡して…つう感じで…へへっ」
雀の長老「…良いか?我々が作っているのは癒しの空間なのじゃ。訪れた人を歓迎し心尽くしのもてなしをすることで理不尽や不条理のまかり通る社会で疲弊した心と体を癒す場所…それが雀のお宿」
雀の長老「一時だけでも慌ただしい日常から離れて安らいで頂き、帰り際にはお土産のつづらをお渡しする。そして笑顔でご帰宅なさるお客様の笑顔が何よりの報酬なのじゃ。決して復讐に利用して良い場所ではない」
舌切り雀「えーっ?じゃあなんで魑魅魍魎の入ったつづらとか用意してるんですかい?財宝より化物を選ぶ変態用ですかい?」
雀の長老「違うわい!あれは非力な我々が外敵から身を守るための護身用つづらじゃ!お土産用ではない!」
舌切り雀「あーなるほど!てっきり宿でベロンベロンになってゲロる客とか横柄な態度のクソみてぇな客をぶちのめす為かと思ってやした!はははっ!」
雀の長老「まったく…お前のような未熟者が何故このおとぎ話の主人公なのかのぉ…」
舌切り雀「ははっ、なんでですかね?」ヘラヘラ
雀の長老「笑い事ではない!偵察部隊からの報告によると桃太郎様はこの雀のお宿をめざしているようじゃ。おそらくは同じ主人公であるお前に何かしらの協力を求めるためじゃな」
舌切り雀「桃太郎があっしに用事?えーっ、正直相手するの面倒ですぜー?」
雀の長老「様を付けろと言うに!あと面倒とか本人の前で決して口にするでないぞ!」
545 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:40:49 ID:2mQ
雀の長老「おそらく、桃太郎様がお前の元へやってくるのは昨今のおとぎ話の世界を取り巻く現状に関連しておる。お前も現在おとぎ話の世界がどのような状況にあるかよく知っているだろう?」
舌切り雀「そりゃあもう。前にあっしの所に来た鬱陶しい白鳥と女版一寸法師みてぇな連中から詳しく話を聞きやしたから!アリスが暴れて世界がヤバい。ってなもんですよね?」
雀の長老「言葉選びはさておき…まぁそうじゃ。本来ならば我々もおとぎ話の世界の住人として、好き勝手しているアリスに立ち向かうべきじゃが…」
舌切り雀「そりゃ無理ってなもんですわ、あっしらは非力でちっぽけな雀ですぜ?」
雀の長老「如何にも。口惜しいかな…我々は戦うことなどできん、出来ることと言えば自分たちだけの力でこの【舌切り雀】の世界を守りきり、他の世界の方々の手を煩わせないことくらい」
雀の長老「しかし、詳しい理由は解らぬが桃太郎様はこの宿に…お前に協力を求めてやってこられる。これは喜ばしく、誇らしい事じゃ」
舌切り雀「アリスと戦う力を持つ桃太郎に協力できりゃあ、間接的つっても世界を守る戦いに一役買えるから、ですかい?」
雀の長老「左様。非力な我々でも力になれることがある、これほど嬉しいことはない。じゃから舌切りの、桃太郎様が訪れたら出来る限りのおもてなしと協力をする事、良いな?当然ワシ等も出来ることはするでな」
舌切り雀「えーっ…それあっしじゃないとダメですかい?ほら、あっし口も悪いし短気だしあんまり接客って向いてないと思うんd」
雀の長老「自覚しておるのならなんとかせい!お前は主人公じゃろ!」
舌切り雀「いや、そんなこと言われてもそれ現実世界の奴が勝手に決めたことですぜー?あっしに言われてもねぇ?」
雀の長老「言い訳無用じゃ!とにかく桃太郎様のお相手はおまえに任せるでな。しっかりと準備を整えて、さっさとお出迎えにあがらんか!」
546 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:43:27 ID:2mQ
舌切り雀の世界 雀のお宿から少し離れた森
舌切り雀「長老の話だとそろそろこの辺までたどり着いてんじゃねぇかって話だけどよぉ…桃太郎って強いんだろ?迎えなんかいるのかねぇ?」
舌切り雀「しっかし面倒な事になっちまったなー、あっしが日ノ本一の英雄の接待かぁー…面倒な上に気が重いわなぁー…接待しろつってもなぁ…何しろってんだよ」
舌切り雀「糊食っただけでブチキレるババァとか、わざわざ森の奥まであっしを探しに来たご主人とかもそーだけど、人間の考えってのはイマイチわかんねぇしなぁ…」
舌切り雀「とりあえずあれだ、好物はきびだんごだろうな。厨房の連中にクッソ大量に作っとけって言ったからまぁ問題ねぇだろ」
舌切り雀「しっかしあっしに何の用事なのかねぇ…確かに日ノ本が舞台だって共通点はあるが時代も場所も違うしそもそも世界が違うってのに、何頼まれるんだか知らねぇけどさ」
舌切り雀「まっ、どっちにしろ下手に出てやるか。鬼を倒す程だから相当な手練れでよ、そんでお高く止まってる偉そうな野郎だろうしなー…んっ?」
ドタドタドタ
行商人「うわああぁ!だ、誰か助けてくれぇ!」
流浪の侍「逃がしはせん…!悪いが荷は全て置いていって貰おうか…さもなくば斬る!」チャキッ
舌切り雀(うわー、物騒になっちまったなこの辺も。野武士か落ち武者か…どっちにしろ商人にゃ気の毒だがあっしにはどうにもできねぇ)
行商人「そ、そいつはできねぇ!商品を渡しちまったら村で俺を待ってるお客に申し訳ねぇ!だから勘弁しちゃくれねぇか!」
流浪の侍「…拙者の知ったことではない。こちらも命を繋ぐには銭が必要…荷を渡す気がないというのならば、お主を殺して奪うまで…!」
行商人「くっ、もう逃げ場がねぇ…ここまでか!村の衆、すまねぇ…!」
547 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:46:16 ID:2mQ
流浪の侍「退路は断たれた、観念するがいい…!」ググッ
ビュオンッ! ガキィィンッ!!
桃太郎「…罪無き商人を襲うとは不届きなり」グググッ
行商人「た、助かった…!」
流浪の侍「馬鹿な…拙者の太刀が防がれただと!?」
桃太郎「腰に携えた刀、そしてその身なり、侍としての器は整っているようだが…肝心の中身が伴っていなければ侍とは呼べぬ、素人同然」
流浪の侍「拙者を愚弄するか…!主を失おうとも拙者は侍だ、拙者が素人だなどという戯れ言…撤回して貰おう!」ジャキッ
桃太郎「確かに刀は相当な業物のようだが…信念無き刃などナマクラ刀にも劣る、そのような棒きれで斬れる物などありはせん」
流浪の侍「どこまでも拙者を愚弄するというのだな…貴様が相当な手練れだというのなら、一切の容赦はせぬ!」ダダッ
ビュオンッ! スッ
桃太郎「…言ったであろう、信念無きお主では拙者を斬ることは叶わぬ。早々に去るがいい」
流浪の侍「くっ…堕ちようとも拙者は侍!いくら貴様が強かろうとそこまで言われながら背を向け逃げるなどできん!」ズバッ
桃太郎「退くもまた兵法…とはいえその心意気、悪くはない」ビュッ
流浪の侍「ぬぐぉ…峰打ちだと!?くっ、動けぬ…!侍同士の果たし合いに遠慮など…ひと思いに斬れ!」ドサッ
桃太郎「お主は斬るには惜しい。商人よ、この隙に逃げよ。護衛についてはやれぬが…大きな街道へ出ればもう案ずることもないだろう」
行商人「あ、ありがとうございます!助かりました!では私は失礼して…!」スタタタタ
桃太郎「さて…これであの商人は無事村へたどり着けるだろう。次は…お主だ」スッ
流浪の侍「ようやく斬る気になったか。命を捨てる覚悟など遠の昔に出来ている…!斬れ…!」
桃太郎「言ったであろう、斬るには惜しいと。しばらくすれば動けるだろう…もうあの様な真似をするのは止めることだ。お主が侍であり続けたいのならな。これは僅かだが…とって置くが良い」スッ
流浪の侍「銭だと…?このような施しをされるいわれはない!」
桃太郎「お主もかつては主君のために刃を振るう真の侍だったのだろう?」
流浪の侍「あぁ…だが主を失い、職を失った拙者にはもうこうするしか生きる道が無いのだ!」
桃太郎「拙者はそうは思えぬ。今は辛くとも歩みを止めなければいずれまた侍として刃を振るうことも叶おう。この路銀は…それを願う拙者の気持ちだ、受け取っては貰えぬか」
流浪の侍「……」
桃太郎「信念無き刃ではあったが、お主の剣術はなかなか見所が有るものだった。すぐにでもお主を必要としてくれる者は現れるだろう。では…拙者はこれにて」
流浪の侍「待て。お主、名はなんという?」
桃太郎「桃太郎。そう呼ばれている」
流浪の侍「桃太郎。拙者は侍だ、受けた恩義は必ず返す…!次に合間見えるときは名実ともに侍として…お主の前に参ずる!必ず、必ずだ」
桃太郎「うむ…承知した。いずれまた合間見えよう」スッ
549 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:52:02 ID:2mQ
・・・
桃太郎「……」スタスタスタ
舌切り雀(へぇー、さすがは日ノ本一だ。商人を助けたうえに堕ちた侍にまで気をまわせるなんてな、少なくともあの侍は盗人にならずに済んだわけだ)
桃太郎「……」
舌切り雀(ただ悪い奴をぶちのめすんじゃなくて改心させちまうなんてすげぇなあいつぁ!あっしなら速攻でぶちのめすってのに、接待にも俄然やる気出てきたってもんだ!)
桃太郎「……ライオン、そこの茂みにいるのか?もう良い、姿を見せて構わぬ」
ガサガサ
ライオン「ガルルゥ…」ノシノシ
舌切り雀(おっ、あれが例のライオンか。丁度良い、もうここで声かけちまって宿まで案内するか)
桃太郎「ライオンよ。今し方、流浪の侍に襲われていた商人を救ってきたのだが……」
舌切り雀「おーい、桃t」
桃太郎「うおぉぉぉっ!ライオン聞いてくれよマジで!あの侍思ったより強くてめっちゃびびった!!つーか最初刃受け止めたとき結構ギリギリだったからねあれ!?泣きそうなの我慢したの賞賛して欲しいくらいだっての!」
ライオン「だよねだよねぇ!?僕も茂みから見てたけどもう何度も目を覆っちゃったもん!見てるだけで漏らしそうになっちゃったよ僕ぅー!」
舌切り雀「は?」
550 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:53:57 ID:2mQ
ライオン「それにしても桃太郎さんいきなり飛び出してっちゃうからびっくりしたよもぉー…知らない世界で独りきりとか怖くて想像しただけでたてがみが抜け落ちちゃうよぉ…」
桃太郎「わかるわかる!すげー心細いもんなぁ…でも商人が襲われてたからさ、正直めっちゃ怖かったけど見過ごすわけにはいかないしさー」
ライオン「でもよかったよぉ。さっき桃太郎さんも言ってたけどいくら強くっても信念っていうのが無かったら何にも斬れないんだよね?だったら安心だよぉ」
桃太郎「いやいや!斬れるからね!?信念あろうがなかろうが刀振るえば大体斬れるし避け損なえば血まみれで死ぬからね!?」
ライオン「えぇっ!?でもこれさっき桃太郎さんが言ってたんだよぉ!?あれ嘘だったのぉ!?」
桃太郎「嘘じゃないって!あれはなんていうかこう…精神的な?心意気みたいな?なんかそういうアレで…」
ライオン「そうだったんだぁ…他にもいろいろカッコイイ事言ってたから実は余裕があるのかなぁなんて思っちゃったよぉー…」
桃太郎「ないない!余裕とか微塵もないから!ほんと戦ってる最中ももう英雄やめて柴刈りで生計立てたいと思ってたし!」
ライオン「あっ、それはいいねぇ!平和が一番だもんねぇ〜」
桃太郎「ほんとそれ。早いところアリスを何とかして平和な村で暮らしたいー、最近ちょっと畑とか欲しいなーって拙者思っててさー、良い土地探して貰うかなー」
舌切り雀「……」
551 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:55:35 ID:2mQ
桃太郎「でもまぁみんなも頑張ってるしアリス倒すのは頑張るけどさ。っていうかもうそろそろ到着しても良さそうなんだけどなぁ…えっと、地図地図」ゴソゴソ
ライオン「この世界の主人公の雀さんの飼い主だったお爺さん、丁寧に地図描いてくれて良かったねぇ」
桃太郎「ありがたいよね。でも言いにくいけど達筆すぎて字が読めないんだよ…なんてよむんだろこれ『大きな…蜂の巣に気を…つけるべし』かな?……はぁっ!?そんなの口頭で言ってよぉぉ!!こえええぇぇぇ!!!」
ライオン「だ、駄目だよ!蜂さんは騒ぐと寄ってくるんだってかかしが言ってた!静かにしようよ!」
桃太郎「マジでか!わかった、静かに静かに…な?」ヒソヒソ
ライオン「はーい、そっと森を抜けようね」ヒソヒソ
桃太郎「蜂はなぁ…マジでヤバいから!うちの村でも蜂に刺されて死んだ奴いるからね?マジで気をつけよう、マジでヤバいからね蜂は」
ライオン「うんうん、僕とかほとんど裸だから刺され放題で怖いよぉ〜」
桃太郎「ライオンを覆えるような布無いしなぁ…でも拙者は怖いから顔覆おうかな…蜂ヤバいし」
ライオン「えぇーっ!ずるいよぉー!蜂はヤバいんでしょぉ!?僕も何か欲しいよぉー!」
舌切り雀「テメェ等ァ!男が蜂がヤベェ蜂がヤベェって…つまんねぇことで騒ぐんじゃねぇ!それでもテメェ等男かァァ!!」
桃太郎「うわああああぁぁぁ!!!!」ビクゥーッ
ライオン「で、出たあああああぁぁぁ!!」ビクゥーッ
552 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)00:58:22 ID:2mQ
舌切り雀「うるせぇぇ!何も出てねぇってんだ!ったく、どうなってんだ英雄と百獣の王が実はヘタレだったってぇのか?」
ライオン「も、桃太郎さん!この雀さん喋ってるけど…日ノ本の雀さんは喋るの?」ヒソヒソ
桃太郎「喋らない喋らない!雉以外で喋る鳥なんてうちの世界にもいないって!多分……突然変異じゃないのか?」ヒソヒソ
ライオン「突然変異!ならしかたないねぇ…」ヒソヒソ
舌切り雀「違ぇ!あっしはこのおとぎ話【舌切り雀】の主人公、だから喋れるだけだ。ライオン、オメーと同じだ」
桃太郎「ちょ、ちょっと待って…じゃあお主は拙者のこと知って……?」
舌切り雀「おう、オメー桃太郎だろ?でもまぁまさか日ノ本一の英雄桃太郎があんなヘタレだとは思わなかったがなぁ」
桃太郎「……」
舌切り雀「……?なんだってんだ、急に黙ってよぉ」
桃太郎「ヘタレというのは何の事だろうか舌切り殿。拙者は鬼退治の英雄桃太郎!そんな拙者がヘタレ?舌切り殿は何か幻でも見たのではないか?」キリッ
舌切り雀「今更キリッとしたとこで誤魔化されるわきゃねぇだろが!このドンブラコ野郎がァァ!!」
桃太郎「ひえっ、すいませんっ!」
553 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:00:41 ID:2mQ
舌切り雀「おい、ドンブラコ。そっちのライオンは何者だ?つーかオメー等の目的はなんだよ?」
桃太郎「あっ、拙者の名は桃太郎で…」
舌切り雀「オメーみたいな流されやすそうな野郎はドンブラコで十分だろうがァァ!!」
桃太郎「ひいぃっ!ラ、ライオン!早く自己紹介したげて!この雀すげぇ怖い!」
ライオン「あっ、あの…僕はその【オズの魔法使い】のライオンでその…よろしくお願いします」ペコペコ
舌切り雀「よろしく頼む。で、雀のお宿を目指してるってぇ聞いたぞ?このあっしに用があんだろう?何の用事か教えて貰おうか」
桃太郎「うむ。実はお主に折り入って頼みたいことがあるのだ。その頼みというのは…」
舌切り雀「何を格好付けてやがんだテメェ!」
桃太郎「い、いや…拙者はキリッとしてないと実力出せないって言うか…あと体裁とかイメージとか色々あるから人前ではキリッとするようにしてて…」
舌切り雀「普通に喋れ。ヘタレが取り繕ってるみてぇで腹立つ」
桃太郎「な、なぁライオン…ちょ、ちょっと言いすぎじゃない?いくらなんでも…」ヒソヒソ
舌切り雀「文句があんならあっしに直接言えばいいだろうがぁ!ヒソヒソすんじゃねぇぇ!!何の用事でここに来たのかさっさと言えこのヘタレドンブラコ!」
桃太郎「ひぃぃっ!もおおぉぉ!なんなのこいつううぅぅ!!!もうマジ怖いいやだもう拙者ああああぁ!!」
554 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:03:29 ID:2mQ
・・・
舌切り雀「なるほどねぇ…大体事情は理解した。とりあえずお前等は本物で、アリスを倒すための修行でこの世界に来たってぇんだな?」
ライオン「う、うん。そうなんだよぉ…ねっ、桃太郎さん?」
桃太郎「そ、そうそう。お主のつづらは魑魅魍魎を出せるって友人から聞いて…ちょっと協力して貰えないかなぁ…って」
舌切り雀「あっしのじゃねぇけどな。まぁ良いだろ、お前等がヘタレだってのはどうも納得いかねぇがアリスを倒す為ってなら協力してやらぁ」
桃太郎「おぉ!かたじけない!できればもうちょっと優しいしゃべり方にしてくれるともっとありがたいんだけど…」チラッ
舌切り雀「でもどうしてこの世界なんだ?他の世界には鬼とか怪物とかいるだろうしそういう奴らを征伐した方が話が早いんじゃねぇか?」
桃太郎「雀に無視された…」ガビーン
舌切り雀「まぁさっきはヘタレだってバカにしたけどよぉ、修行のために魑魅魍魎に立ち向かおうって気概は流石は桃太郎って所だな、そんくらいの相手じゃねぇと修行にならねぇってか」
桃太郎「そ、それはどうも…。修行!そう、修行の為にね!強い相手と戦わないと意味ないからね!ははっ…」
舌切り雀「おっ、わかってるじゃねぇか!ビビりだがやるときはやるって感じかぁ?少しは見直したぜ」
ライオン「うんうん!でも協力して貰えて良かったねぇー…雀さんのつづらから出てきた魑魅魍魎ならもしも危なくなっても引っ込めてもらえるし、これで最初の予定通り怪我することなく安全にしゅぎょうできるねぇ」ニコニコ
桃太郎「ばっ…なんでそういうこと言っちゃうんd」
舌切り雀「ドンブラコ」
桃太郎「は、はい…」
舌切り雀「正座」
桃太郎「わかりました…」
555 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:06:21 ID:2mQ
舌切り雀「修行するには強敵じゃないと意味がない。でも本気の戦いだと怪我をするかもしれないし死ぬかもしれない。だからいざという時引っ込められそうって事でうちのつづらを頼った…つうことか?」
桃太郎「はい…」
ライオン「ご、ごめんね桃太郎さん…」
桃太郎「い、いいよ。事実だし…」
舌切り雀「事実なのが問題なんだろうがァ!傷付くのが怖いからいざってときにやっぱり無しって出来る修行を選ぶって…どう言うことだテメェなめてんのか!」
桃太郎「すいませんっ!なめてません!」
舌切り雀「あっしはな…嫌いなもんが3つあるんだ」
舌切り雀「ひとつは調子に乗ってるクソババァ。もう一つは和ばさみ。もう一つ、なんだかわかるか?」
桃太郎「さ、さぁ…なんですかね…」
舌切り雀「オメーみたいな男のくせにビクビクしてるヘタレ野郎だァー!男ならもっと堂々としろこのキビダンゴ野郎!」バンッ
桃太郎「ひぃっ!」
556 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:09:56 ID:2mQ
舌切り雀「おい…ひとつ気になってたんだがよ。お前が背負ってる旗はなんだ?なんて書いてあるか読んで見ろ」
桃太郎「あっ、この旗ですか?これは『日本一』ですね」
ライオン「確かアリスちゃんとの戦いが決まってからお爺さんが新しくこさえてくれたんだよねぇ?」
桃太郎「そうそう、じーちゃんばーちゃんには内緒にしてたんだけどさ、心配するから。でもお供がバラしちゃってさぁー、そしたらじいちゃんとお供が協力して旗作ってくれたんだよ!ばぁちゃんは得意のキビダンゴ作ってくれたし、気を使わせて申し訳ないんだよなー」
ライオン「でも優しいよねぇ。家族ってこういうときありがたみを感じるよねぇ」
桃太郎「確かになー。流石にアリスの世界には付けていけないけどみんなの気持ちがこもってるからそれ以外ではなるべく付けようかなって」
ライオン「うんうん、それがいいよぉ」
桃太郎「そうだよなぁ?ははっ、ちょっとこっぱずかしいけど」
舌切り雀「何ほのぼのとしてんだ!おいドンブラコ、テメェは本当に日ノ本一なのか?」
桃太郎「えっ、そりゃまぁ…一応鬼倒してるしね、拙者…日ノ本一って名乗って良いかなって思ってるけど…」
舌切り雀「テメェみてぇなヘタレ野郎が…日ノ本一なわけねぇだろうが調子のんじゃねぇぞ!」
557 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:13:25 ID:2mQ
舌切り雀「お前の世界もそうだろうがこの世界も日ノ本なんだ。おめぇみたいな奴が日ノ本一を名乗るなんざあっしが許さねぇぞ!?」
桃太郎「す、すいません!すぐに外します!」
舌切り雀「男が一度掲げたもんをほいほい降ろすんじゃねぇぇぇ!!」
桃太郎「もおおぉぉぉっ!じゃあどうしろっていうんだよお前えええぇぇ!!!」
ライオン「お、落ち着いて桃太郎さん!」
桃太郎「だってあいつが…!あいつが無茶苦茶言うからさぁぁ!!」
舌切り雀「無茶じゃねぇよ。今のお前を日ノ本一と認めるわけにゃなんねぇが…だったら自他共に認める日ノ本一になりゃあいい」
桃太郎「えっ、なにそれどう言うこと…?」
舌切り雀「だからよぉ!お前や俺以外にも日ノ本が舞台のおとぎ話はいくつかあるだろ?今からそいつ等の所に行ってよぉ…お前が本物の日ノ本一だって証明して回れ」
桃太郎「他の日ノ本のおとぎ話の世界で…拙者のことを認めて貰う!?無理無理無理!」
舌切り雀「やる前から諦めんな!あっしがこれから連れて行く世界の主人公に認められたならつづらも貸してやるしお前を桃太郎だって認めてやる、修行にもなるだろ?」
桃太郎「そ、そうかもしれないけどさぁ…いやでもなぁ…」
舌切り雀「ウジウジせずにスパッと決めろやこのドンブラコ野郎がァァァ!!」
桃太郎「は、はいぃぃ!わかりました!やりますぅ!」
558 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/18(月)01:19:00 ID:2mQ
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
次回、名実ともに日ノ本一になるため別のおとぎ話を訪れた桃太郎達
舌切り雀に連れられた先で出会ったのは桃太郎と肩を並べるレベルのあの太郎だったのである
559 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)01:23:59 ID:9vd
楽しみにしておりましたぁぁぁ!
このコンビ本当にほっこりします。
560 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)07:26:41 ID:Bfq
ヤバいヤバい桃ライオン可愛いぃぃ(*´∇`*)ありがとうー
舌切り雀が意外とアレなキャラですなw
次は金太郎ですかい!?
561 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)08:00:22 ID:Fex
知名度なら浦島の方かもしれない
今は某携帯会社のCMあるからそんなでもないか
562 :名無しさん@おーぷん :2016/07/18(月)09:19:01 ID:ixY
乙です!
桃ライコンビ、馴染みすぎでしょ(笑)
続き待ってます!!
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
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