キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
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475 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/27(月)01:06:39 ID:fWS
シェヘラザード「……」
モルジアナ「おい、聞いてんのか!?もしあのクソ野郎がアタシの世界を荒らしてるってなら許せねぇんだよ。おい、だから聞いてんのかシェヘラザード!」
シェヘラザード「……えぇ、聞いてますよ」ゴゴゴゴゴ
モルジアナ「お、おう。ならいいんだ、すまねぇ…(な、なんだこの指輪越しに伝わってくる気は…思わず謝っちまったじゃねぇか)」
シェヘラザード「……それで、ほかには?」
モルジアナ「お、おう。退治された盗賊団が妙なもんで縛られててよ…どうやら魔力が宿ってるみてぇなんだよ。ロープでも鎖でもなくてな。そいつはまるで…」
シェヘラザード「長い長い髪の毛…では?」
モルジアナ「そうなんだよ、よく分かったな。なにか心当たりでもあんのかい?あのクソゴミ以外でアタシの世界に進入してる奴にさ」
シェヘラザード「えぇ。私の友人です。そして彼女をそそのかしてそちらの世界へ行ったのはシンドバッドだという確信も持てました」
モルジアナ「そうかい、だったらなんとかしてくんねぇか?王子のアリなら空飛ぶ絨毯ですぐにこれるだろ?あいつが忙しいならイフリートでもいい、頼んでくれねぇか?」
シェヘラザード「いえ、その必要はありません。私が直接向かいます」
モルジアナ「いや待てよ!お前が軽々しく動いちゃなんねぇよ、【アラビアンナイト】が消えちまったらお前…アタシにゃ責任とれねぇしさ。あんたは母親みてぇなもんだからそうなっちまうのは嫌なんだ」
シェヘラザード「ご心配なく。これは私が直接動いた方が話が早いです、彼にそそのかされたであろうラプンツェルさんのことも気になりますし。どちらにしろ時間をかけるつもりはありません」
シェヘラザード「聞き分けのない息子を懲らしめるくらい、あっという間ですから」ゴゴゴゴゴ
476 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/27(月)01:16:29 ID:fWS
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
レス支援ありがとう!
シェヘラザードは個人的にはスレンダーですね身長は低いってわけでもなさそうですけどラプは髪の毛の長さのこともあるのである程度の身長はありそうです。
少年少女組が成長したらどうなるんだろうね、とりあえずヘンゼルのシスコンが許されなくなるんだろうか…
次回、シンドバッドがお仕置きされる話(直球)
シェヘラプの話のあとに桃ライオンしたらまたキモオタ達のとこに戻ります、視点変更多いけど勘弁
お楽しみに!
477 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)01:28:42 ID:pOq
乙!
わーい桃ライオンが楽しみだぜ!o(^ー^)o
シェヘラたんと国王もいいなぁ…ぺたんこおっぱいだけど人妻なのだよねシェヘラたん…
478 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)01:56:05 ID:fXP
乙!
ただの暴虐非道国王ではなかったか
479 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)12:16:09 ID:nU2
乙です!
シンドバット南無(笑)
続き待ってます!!
480 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)13:49:15 ID:ixC
乙です!
シェヘラ委員長の気迫やばば
490 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:19:07 ID:D89
アリババと40人の盗賊の世界 とある弱小盗賊団のアジト
ギャーギャー ワーワー
雑魚盗賊A「クソ!何が起こってるんだ!?別の盗賊団の奇襲か!?突然茂みからロープが伸びてきたと思ったら仲間が何人か捕らえられちまった!」
雑魚盗賊B「お前よく見ろ!ロープじゃあねぇよありゃ髪の毛だ!…えっ、髪の毛!?人間を縛れるほど長い髪の毛とかあんの!?なぁ、どうなの!?なぁおいいぃ!」
雑魚盗賊C「混乱するんじゃねぇ!少なくともあの女は長い髪の毛を自在に操る魔術だか妖術だかの使い手だ!気ぃ抜いたらもってかれるぞ!?」
盗賊頭領「一カ所に留まるのは危険だ!お前ら散れっ散れーっ!女の方だけじゃなくチャラチャラした男の方にも気を配れ!こいつらただ者じゃあねぇぞ!」
ワーワー
シンドバッド「よーし、奇襲が成功したな!こんな具合でうまーく不意を突いてやると相手はただ混乱するしかできねぇんだ、そうすりゃもうこっちのもんだぜ。じゃあ問題だ、ラプンツェル。ここでお前はどう動くべきか解るか?」
ラプンツェル「えーっとね、とーぞくが混乱してる間に攻撃する!」ドヤァ
シンドバッド「よし、正解だ!だが相手はお前の髪の毛を警戒してるからな、それに剣を抜いてっから正面から捕らえようとても髪を切られちまうぜ?さぁ、どーしたもんかねぇ?」
ラプンツェル「うーんとね、それじゃあこーするっ!」シュッ
シュルシュルシュルッ ガシッ
雑魚盗賊A「うおっ!?お、俺の足にあの女の髪の毛が絡みついて…ぬわーっ!?」ビターン
盗賊頭領「おい!大丈夫か!?あの女…足を引っ張ってこかせてくるぞ!お前ら気を付け…ぬおぉぉっ!」ビターン
雑魚盗賊B「へへっ、大丈夫ですぜ頭領!足を狙ってきてるってぇならこういう具合に飛び跳ねて避けりゃあ…!えっ、なんで避けたのに追いかけてきtぐわーっ!」ビターン
雑魚盗賊C「あの髪の毛、飛ばすだけじゃなく軌道さえも自在なのかよ!?この混乱の中であんなもん避けられるわけ…ぎゃーっ!」ビターン
ラプンツェル「ふふんっ!みんなを困らせる悪いとーぞくはこのラプンツェルがみーんな捕まえちゃうからね!ろーやの中で反省してるといいよっ!」フンス
491 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:21:32 ID:D89
シンドバッド「ひゅーっ、やるじゃねぇか!だがここで油断しちゃダメだぜ、転かしたら動けないうちに縛っちまえ!…っと、相手を縛るときに注意することはなんだ?さっき別の盗賊捕まえたときに教えた事、覚えてるよな?」
ラプンツェル「えっとね、刃物を持っていないか確認する!それか持ってても取り出せないように両手もぐるぐるに縛っちゃう!」
シンドバッド「よーし、その通りだ!こいつらが体勢立て直す前にとっとと縛っちまえ!」
ラプンツェル「わかった!みんなまとめて縛っちゃえーっ!」シュッ
シュルシュルシュルッ グルグルグルッ
「クソ、俺達盗賊がカタギの小娘に出し抜かれるなど…認めんぞぉ!」ジタバタ
「こんなむちゃくちゃに縛られてたんじゃナイフも取り出せねぇ…」ジタバタ
「追尾してくるとかズルいだろ!あんなもん初見で対処出来ねぇよ!」ジタバタ
シンドバッド「よし、一丁上がりだな!もうこいつらは動けねぇ、街に戻って番兵にでも伝えりゃあとは投獄なり処罰なりしてくれるだろうよ」
シンドバッド「しかしすげぇな!今回はほとんどお前一人で捕まえちまったぞ!俺はちょいと助言しただけだ、お前案外戦闘のセンスあるんじゃねぇか?」ハハハ
ラプンツェル「そうだよね!私センスあるよね!私もそう思う!だってすんごく余裕だったしね!あさごはんまえ!」フンス
シンドバッド「おいおい、誉めはしたがあんま調子に乗るんじゃねぇぞ?今回はうまいこといったけど毎回思い通りになるとは限らないんだぞ、確実に相手を無力化するまでは油断しちゃいけねぇ。じゃねぇと痛い目見るぜ?」
ラプンツェル「えへへっ、大丈夫!私の髪の毛は特別だからね!私が思った通りに動いてくれるし普通じゃ持てない物でも髪の毛使えばラクラクだもんっ!余裕だよよゆー!」ドヤァ
シンドバッド「いや、だからお前そういう慢心が真剣勝負の中じゃ命取りに…まぁいいか、確かにお前の髪の毛はすげぇしな!十分戦力として数えられると思うぜ!」ハハハ
492 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:23:53 ID:D89
ラプンツェル「私、シンドバッドに戦いのやり方教えてってお願いして良かったよ!こーして特訓できる場所にも連れてきてくれたし!ありがとね!」ニコニコ
シンドバッド「おう!まぁ、数え切れない程の冒険を繰り広げた俺に相談したってのは良い判断だったな!でもシェヘラザードにバレたらかなりヤベェからこの事は内緒な?」
ラプンツェル「わかった!私、絶対に言わないよー!」フンス
シンドバッド「それにしても嬉しいねぇ、お前には他に頼れそうな奴が大勢いるってのにその中で敢えて俺を選んでくれたんだからな。ラプンツェル、そんなに俺が好きなら俺の女になっちまうか?」ニッ
ラプンツェル「えへへ〜、王子のほうがずっとカッコいいからやめとく!それにシンドバッドに相談したのもたまたまお城で会ったから話しただけなんだー」ニコニコ
シンドバッド「なんだよ…まっ、そーだよな。だが引き受けたからには手は抜かねぇぜ、バッチリ特訓してやるからよ!その代わり、約束した例のアレ…頼むぜ?」ヒソヒソ
ラプンツェル「うん!シンドバッドはすんごく頼りになってとっても強くてものすごくカッコいいって事を私の友達に伝えたらいいんだよね!」ニコニコ
シンドバッド「おっと、ちょっと間違ってるな。それを『可愛い女の子の友達』に伝えるんだ、男には別に言わなくても良いからな?どういう事かわかるだろ?」
ラプンツェル「わかってるわかってる!赤ずきんとかグレーテルとかシンデレラとか…あとシェヘラザードにもバッチリ伝えとくから、安心してね!」
シンドバッド「わかってねぇなお前!?子供とか人妻には伝えなくてもいいんだよ!いや人妻はありか…?つーかシェヘラザードには絶対に言うなよ?俺が言わせたってバレたらヤベェからな」
ラプンツェル「そーなの?それよりあれだね、シンドバッドはシェヘラザードにバレたらやばいことがいっぱいあるねぇ〜」ニコニコ
シンドバッド「へへっ、まぁな。あいつは何かと口うるさいからよぉ…俺のこと思って言ってくれてるってのは解るが、全部に従ってたら窮屈で仕方ねぇぜ」
ラプンツェル「わかるわかる!私にも言ってくるもん!もうすぐお姫様になるんだから買い食いはやめなさいーとか!つまみ食いはやめなさいーとか!あと手が汚れたときとか裾で拭くのはやめなさいーとか言ってくるよ!」
シンドバッド「いや、それはハンカチとか使えよお前。ガキじゃねぇんだから」ハハハ
493 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:26:54 ID:D89
ラプンツェル「まーでもシェヘラザードがホントは良い子だって事は知ってるよ?国を良くするので忙しいはずなのに私やかかしにお勉強教えてくれるし!あとお菓子もくれるし!優しいし旦那さんの事すごく好きだし!」
シンドバッド「まぁ他人に厳しい分、自分にはもっと厳しいしな、あいつ。説教は多いし煩わしいこともあるけどまぁ…良い奴だよ、そうじゃなきゃ俺もわざわざ別の世界の警備なんかしねぇし」
ラプンツェル「うーん…そー考えるとお勉強会すっぽかして来た事、シェヘラザードに悪いことしちゃったなぁ…」
シンドバッド「おいおい、今更そんな事言っても仕方ねぇぜ?」
ラプンツェル「そーなんだけどさ、昨日はシェヘラザードが私のお話聞いてくれないからもーっ!てなっちゃって勝手にするって決めちゃったけど、やっぱりもっとお話しした方が良かったのかなぁ…」
シンドバッド「まぁそれが出来るなら一番良かっただろうがな、まーなんにせよお前は勉強より特訓を選んだんだ。シェヘラザードが思わず納得しちまうくらい強くなればいいんだ、あんまり気にすんなって」
ラプンツェル「そうだよね!もう決めちゃったんだし悩んでも仕方ないよね!特訓頑張るしかないよね!」ウンウン
シンドバッド「あぁ、そうだ。この調子でガンガン盗賊を退治していきゃお前は強くなれるし治安も良くなる!うまくすりゃあ逆に誉められるかもしれねぇぞ?」ニッ
ラプンツェル「そっか!悪者退治して街が平和になれば誉められるかもだね!あっ、でもさでもさ!確かこの世界はアリババって人が盗賊を退治するおとぎ話なんだよね?」
シンドバッド「まぁ正確にはアリババの召し使いのモルジアナっていう女が盗賊を退治するんだけどな。それがどーかしたか?」
ラプンツェル「もしもね?私達がうっかりモルジアナが退治するはずの盗賊をやっつけたら、このおとぎ話消えちゃうよね?それは私嫌なんだけど、大丈夫かな?このまま盗賊退治してても大丈夫?」
シンドバッド「ハッハッハ!意外と心配性だなラプンツェルは!確かに俺たちがうっかり例の『40人の盗賊団』を退治しちまったらモルジアナが連中を退治するってぇ筋書きが変わっちまってこのおとぎ話は消滅する。だがそんな事は絶対にねぇから安心しろ」
シンドバッド「なにしろこの世界には数十以上の盗賊団が溢れかえってるんだぜ?まさに大盗賊時代!そいつ等をうっかり倒しちまう可能性なんてかなり低いぜ、ざっくり五十分の一で計算してえーっと、何パーだ?…まぁとにかくありえねぇから心配すんなってこったな!」
ラプンツェル「そっか、それなら大丈夫だね!私達は安心して盗賊をやっつければいいんだね!」
シンドバッド「おう、俺が適当に標的として選んだ盗賊団がまさかあの『40人の盗賊団』だった!なんて事、絶対にありえねぇよ。ハッハッハ!」
・・・
494 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:29:38 ID:D89
とある盗賊団のアジト付近 茂み
ガサガサ
シンドバッド「よーし、ラプンツェル。次の標的はあの盗賊団だ、街で見かけた下っ端盗賊っぽい奴を尾行してたらまんまとアジトに到着だ!丁度良いから退治しとこうぜ」
ラプンツェル「わかった!でもなんだか沢山居るよ?大丈夫かなー?」
シンドバッド「いけるいける。お前さっきも余裕だったろ?確かに人数は多いが、ビビってしょぼい盗賊ばっかり相手にしててもなんにもならねぇだろ?」
シンドバッド「それに安心しな!もしもやべぇと思ったら俺も加勢する、いざとなったら上空を飛んでるロック鳥に奴らを襲わせるってのもありだ」
ラプンツェル「それなら安心だねっ!たくさん盗賊捕まえてもっと強くなってシェヘラザードに私がちゃんとしてるってところ見せたいもんね!」
シンドバッド「おう!お前が成長することはあいつにとっても嬉しいことのはずだ。しっかり頑張って認めてもらおうぜ」
ラプンツェル「うん、頑張る!」フンス
シンドバッド「で、今回の作戦だが…さっきと同じように奇襲をかける。だが今回は人数が多いからな、まずはお前の髪の毛を使ってあっちの方の茂みに石を投げ込め」
シンドバッド「そうすりゃ盗賊共はそっちに気を取られるだろうからその隙に一気に勝負を決める。それじゃあ適当な石を掴んで投げてみろ、気づかれないように高いとっから素早くな」
ラプンツェル「わかった!えーっと…じゃあこれにしよっ」ズシッ
シンドバッド「いやちょっと待て!ちょっと物音立てりゃあいいんだぞ?そんなデカい岩を使う必要なんかねぇって」
ラプンツェル「でも小さいよりおっきい方がいいと思う!よーし、じゃあちょっぴり重いけどこれを掴んであっちの茂みに投げるよ!せーのっ!」
ブンッ ズルッ
ラプンツェル「ありゃ?思ったより飛んでいかなかったなー…って言うか投げるときちょっとズルってなっちゃった。失敗失敗ー、えへへー」テヘペロ
シンドバッド「あーあー何やってんだ、無駄にデカい岩なんか投げるから飛距離足りてねぇぞアレ。お前これじゃあ向こうの茂みに届かねぇじゃねーか、ったく」
ヒューンッ
495 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:31:56 ID:D89
ラプンツェル達が標的にした盗賊のアジト
盗賊の親分「えぇい!アリババとかいう男の家はまだ突き止められねぇのか!お前には部下の指揮を任せてんだ、この不手際はテメェの責任だぞ、どうオトシマエ付けるつもりだぁ!?」バンッ
盗賊アニキ「す、すいやせん親分!どうやらアリババの野郎、随分と頭が切れる召使いを従えてるようで…そいつが俺たちを妨害してるようなんで」
盗賊の親分「だから何だってぇんだ!?頭がキレようが相当な手練れだろうと関係ねぇ!俺が殺せと命じたらテメェらはそれに従うだけだろうが!」ギロリ
盗賊アニキ「す、すいやせん!団員一同、血眼になって探してますんで…もう少しばかりお待ちくだせぇ!」
盗賊の親分「ったく、アリババの野郎…ただじゃおかねぇぞ!俺達が居ない間にアジトの洞窟に忍び込んで宝を盗んで行きやがって、素人に癖に盗賊から盗みを働こうなんざとんでもねぇ野郎だ!」
盗賊アニキ「まったくでさぁ。恐れ知らずなのか愚かなのか…どっちにしろ大胆とはこの事ですぜ。大した肝っ玉持ってますよアリババは」
盗賊の親分「何を感心してんだテメェは!いいかぁ!?盗賊ってのはメンツを潰されたらおしまいなんだよ!俺の40人の盗賊団がただに素人に出し抜かれたなんて他の盗賊団に知られたらどうなるかもわからねぇのか!?」
盗賊アニキ「い、いえ…この事が他の盗賊団に知れたらうちの盗賊団の名声は地に落ちちまいやす…!」
盗賊の親分「あぁそうだ、それだけは絶対に阻止すんだ!小さな盗賊団をようやくここまでデカくしたんだ、それを馬鹿な素人のせいで失うなんざ…間抜けすぎる!絶対にそんな事はさせねぇ!」
盗賊アニキ「へい、その通りでさぁ!」
盗賊の親分「いいか?俺はゆくゆくは世界を牛耳る盗賊…そう!盗賊王になる男だ!手下のテメェ等は命を賭けて俺の命令に従い、死に物狂いで俺ために働け!俺を盗賊王にのしあげるためになぁ!ガーッハッハッハー!!」ガハハハ
ヒューンッ ドゴォッ!!
盗賊の親分「ゲボアッ」ドサッ
盗賊アニキ「!? 突然岩が飛んで来やがった!?い、いやそれよりも!だ、大丈夫ですかい!?親分!?」ユサユサ
盗賊の親分「」
盗賊アニキ「し、死んでる…!お、親分が謎の奇襲でやられたァー!?」
496 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:34:11 ID:D89
盗賊アニキ「…テメェ等、辺りに気を配れ!親分を殺した奴はまだ近くにいるかもしれねぇ、探せ!探せ!このまま帰すんじゃねぇぞ!」
ワーワー サガセサガセー
盗賊「アニキ!俺、妙なことに気がついたんスけど…そっちの茂みからいい香りがしませんかい?なんか女の子の匂いっていうか…」スンスン
盗賊アニキ「馬鹿!お前、こんな時にお前馬鹿!ここは俺達盗賊のアジトだぞ!?女の子の匂いなんてするわきゃねぇだろふざけんなよお前……あ、マジだな。なんか花の匂いするわ」スンスン
盗賊「でしょ?俺、鼻はすごくいいんス!もしかして親分を殺した女の子がそこの茂みに潜んでいるとか…」
盗賊アニキ「馬鹿お前!親分は相当の手練れだったんだぞ!?こんなフローラルな香りさせてる女の子が親分を殺せるわけねぇだろ!もしそんなすごい娘居たら見てみたいわ!そしてその強さを褒めてやりたいくらいだわ!」
ラプンツェル「あっ、はいはーい!みんなの親分倒しちゃったの私だよ!すごいでしょ!」フンス
盗賊アニキ「!?」
シンドバッド「バッカお前何で出て行くんだよ!やべぇから逃げるぞって言ったろ!?」グイグイ
ラプンツェル「えっ、でも誉めてくれるって言ってたから…シンドバッドだって誉められると嬉しいでしょ?私は誉められるの好きー!」ニコニコ
シンドバッド「なこと言ってる場合か!早く逃げるぞ!」
盗賊アニキ「待て待て!このまま帰す訳にはいかねぇぞ!テメェ等この子らの周りを取り囲め!」
ザザザッ
ラプンツェル「ありゃー…囲まれちゃったね。ねぇシンドバッド、私知ってるよ!こういうのをぜったいぜつめいっていうんだよね!」ドヤァ
シンドバッド「…あぁ、物知りだよお前は。この人数じゃあ正面突破は無理だな。だったらお前を呼ぶしかねぇよな!ロック鳥!降りて来い!お前の見せ場がやってきたぜ!」
497 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:36:46 ID:D89
ロック鳥「ルオオオォォォォォォォッ!!」バサバサーッ
盗賊アニキ「なんだこの怪鳥は!あのチャラいのが呼んだのか…!まさか猛獣使いだったとは…いや、んな事言ってる場合じゃねぇ!待て待てお前らちょっと聞け!」
シンドバッド「ロック鳥!盗賊共を一蹴しろ!爪で裂こうが吹き飛ばそうが啄もうがお前の勝手だ!自由にしちまって構わねぇぞ!」
ロック鳥「ルオッ!ルオォォォォォック!!」バサバサーッ
盗賊アニキ「待て待て!そこのチャラいの!勘違いしないでくれ!俺達はあんたらと戦うつもりなんかねぇ!」
シンドバッド「やかましい!俺らを取り囲んでおきながらよくもそんな白々しい嘘がつけたもんだ!今更怖じ気づいてもおせぇ!ロック鳥やっちまえ!」
ラプンツェル「待って待ってー、ロック鳥ー。ちょっと待ってあげて!この人達戦うつもりないっていってるから攻撃しちゃかわいそうだよー」
シンドバッド「おいラプンツェルお前いい加減にしろ!こいつ等は盗賊だぞ!あんなの嘘に決まってる!ロック鳥、いいからやっちまえ!」
ロック鳥「ルォッ」フイッ
シンドバッド「あっ、お前!何、ラプンツェルの命令を優先してんだ!お前のマスターは俺だろうが、なにラプンツェルにすり寄ってんだ!」
ラプンツェル「ロック鳥はさっき自由にしていいって言ってたから好きなようにしてるだけだもんねー?」ナデナデ
ロック鳥「ルオッ!」スリスリ
シンドバッド「肝心なときにお前誰に似て……いやハッキリしてるよな。こうなりゃあ俺が一人で相手するしかねぇか…!」スラッ
498 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:42:26 ID:D89
盗賊アニキ「そりゃあ盗賊の言葉なんか信用できねぇか。しかもこの構え、やはりただ者じゃねぇ…!テメェ等、守りを固めろ!」
シンドバッド「この大人数を相手にするってぇのは相当分が悪いが、この程度の逆境には慣れっこだ。数多の海を駆け、いくつもの修羅場をくぐり抜けたシンドバッド様に切り開けねぇ道はねぇ!さぁテメェら覚悟しt…痛ってぇ!」ビターン
ラプンツェル「もーっ!盗賊のみんなが戦う気が無いって言うのはホントだよ、武器持ってないもん!よく見なきゃだよ!ねーっ、ロック鳥?」グルグルグルー
ロック鳥「ルォーッ」
シンドバッド「ラプンツェル!バカお前早くほどけ!そうやって油断させて隠したナイフでブスリといかれたりすんだよ!こいつ等は悪党なんだぞ!?世間知らずなお前には思いも寄らないような卑劣な手を使うんだぞ!」
ラプンツェル「えーっと、はじめまして!私の名前はラプンツェルだよ!こっちはロック鳥で、あのぐるぐる巻きになってるのがシンドバッド。よろしくね!」ニコニコ
シンドバッド「聞けお前!」ジタバタ
盗賊アニキ「俺はこの盗賊団の副団長。と言えば聞こえが良いがこいつ等にまとめ役、盗賊アニキなんて呼ばれてる。それより、俺は盗賊家業に着いて長いが…カタギに真っ正面から自己紹介されたのは初めてだ」
ラプンツェル「初めてあった人には自己紹介しなきゃなんだって!塔の外じゃ挨拶は特に大切だってママが言ってた」
盗賊アニキ「そうかい、だが俺が言う事じゃあないが盗賊相手にする事じゃあねぇ。そこの兄ちゃんが言うように盗賊は汚い手でも平気で使うんだぜ」
ラプンツェル「でもアニキは違うでしょ?さっき言ってたもん、戦うつもりなんか無いって、でしょ?」
盗賊アニキ「まぁ…そうだが、普通は盗賊の言うことなんか信じないもんだ」
ラプンツェル「どーして?」
盗賊アニキ「どうしてもだ。だが…今回俺達に戦う気が無いってのは本当だ。むしろあんたに感謝してんだ、親分を…いやあの男を倒してくれたんだからな」
盗賊アニキ「あんたは俺達の恩人だ、こいつ等を代表して礼を言わせてくれ。助かった、恩に着る。礼にもならねぇが宴に参加してくれねぇか?もちろん無理にとはいわねぇ」ペコッ
ラプンツェル「よくわかんないけど、どーいたしまして!そしてパーティーは大好きだから私もやるやる!」フンス
シンドバッド「…どうなってやがる?普通は親分を倒されたんなら仕返しするもんだ。そもそも戦う気がないってのは嘘じゃねぇのか?」
盗賊アニキ「よぉしテメェ等!宴の支度だぁ!恩人に出来る限りの礼を尽くせぇ!」
499 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:47:26 ID:D89
・・・
ラプンツェル「じゃああの親分はとっても酷い人だったって事ー?」モグモグ
盗賊アニキ「あぁ、俺達は盗賊だからあんたらカタギに人並みに扱って貰えねぇ事に不満なんざねぇよ。だがあの男は…団長でありながら俺達団員を人間として見てすらいなかった、宝物を奪い名声を高めるための道具としてしか見ちゃいなかったんだ」
盗賊アニキ「あいつは団員を駒としか思っちゃいなかった。命を落としかねない無茶な任務、明らかに人手が足りない状態での任務なんか当たり前で、自分のみを守るために部下を盾にする囮にするなんざしょっちゅうよ」
盗賊アニキ「精神的にも肉体的にも過酷な生活、それでいて休息なんざまともに取れやしねぇし全員に十分な飯が行き渡らないことも少なくなかった。ほとんど奴隷のようなもんだった」
ラプンツェル「むーっ、ひどいね!休憩できないのもご飯食べられないのも辛いよね!そんな盗賊団やめちゃえばよかったのに!」ムシャムシャ
盗賊アニキ「奴は傍若無人だったが…それを黙認させるほどの力があった。全員でかかれば勝機もあっただろうが、この大盗賊時代だ…親分を失った後、団をまとめられる器がある奴がいねぇと…別の盗賊団の食い物にされちまうだけだった」
ラプンツェル「アニキじゃだめだったの?」ガジガジ
盗賊アニキ「俺はそんな器じゃねぇよ。こいつらは慕ってくれてるが…学がねぇから、読み書きはかろうじて出来るが難しい事となるとなぁ。それで…」
ガヤガヤガヤガヤ
「ラプンツェルさん!ノンアルなんですよね!ぶどうジュースどうぞ!本当、ラプンツェルさんには感謝してるんですぜ、なぁ?」
「おう!あのおっさん無茶ばっかりだったからな。でもよそに行くあてもねぇから従うしかなくてなぁ…」
「でももう違うもんな!俺達はあのブラック盗賊団から解放された!ラプンツェルさん!乾杯しましょ乾杯!」
盗賊アニキ「お前ら!恩人に失礼だぞ!ちょっと下がってろ!」
500 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:49:40 ID:D89
「アニキばっかりズルいッスよ!俺達もラプンツェルさんとおしゃべりしたいッス!」
「そうッス!こちとら女の子と飯食うのなんて十数年振りっすよ!この喜びを噛み締めさせてくだせぇ!」
盗賊アニキ「お前ら…情けねぇ事言ってんじゃねぇ!この方はカタギなんだ、俺達とは住む世界が…」
ラプンツェル「もーっ、私あんまりラプンツェルさんとか言われるのイヤだなー、くすぐったいから!ラプちゃんでいいよー」ニコニコ
「うおぉー!ラプちゃんはなんて器がでかいんだ…つーか女の子を愛称で呼べる日が来るとか泣きそうだ俺…」
「泣くな泣くな!涙でラプちゃんの姿が拝めないなんて損だぞ!」
「うおぉー!ラプちゃんの髪の毛くんかくんかしてぇー!」
盗賊アニキ「誰だァ!今失礼なこと言った奴ー!…すいやせん、こいつらは気のいい連中なんですがどうも下品でならねぇ…気ぃ悪くしねぇでくれ」
ラプンツェル「いいよいいよぉ、口悪いお猿さんや妖精の友達とかいるし、あんまり気になんないよ」ニコニコ
盗賊アニキ「ラプンツェルさん、見かけによらず肝据わってんだな…」
シンドバッド「ラプンツェル、お前あんまりこいつ等と仲良くするんじゃねぇぞ。腹の中じゃ何考えてるのかわかんねぇんだ」グルグルマキ
シンドバッド「…あといい加減に髪の毛ほどいてくれねぇか?」
ラプンツェル「ダメ。シンドバッド、ひどいこというもん!みんなは戦うつもり無いのなんかもうとっくにわかってるくせにー!」
501 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:52:23 ID:D89
盗賊アニキ「いや、その兄ちゃんの言うとおりだ。あんまり俺達に情を持たない方がいい。俺から誘っておいてなんだがあんたは少々世間を知らなすぎる」
ラプンツェル「えーっ?そりゃ盗むのは悪いことだと思うけど、みんなは良い人だよ?私にも優しいし!もー友達だよ、私たち!」ニコニコ
盗賊アニキ「カタギがそんな事口にするもんじゃねぇ。優しいのはそりゃああんたが恩人だからだ、みんな感謝してるからな。だが結局俺たちは盗賊、悪党なんだ。今だって俺達はある一人の男を殺すために探してたんだしな、あんたらと同じカタギの男をな」
盗賊「そんな言い方…!ありゃああの男の命令で仕方なくやってたことじゃないですか!宝物を盗まれた報復にって…あの男が死んだ今、もうアリババを殺す必要も無いんd」
シンドバッド「ちょ、ちょっと待て。今なんて言った?その宝物を盗んだ男の名だ」
盗賊アニキ「どうしてそんな事を気にするんだ?まぁ今となっては隠す必要も無いけどよ…宝を盗んだのはアリババっていう男だ。俺達『40人の盗賊団』に宝物庫に忍び込んでな」
盗賊「盗賊から宝を盗むなんてトンデモねぇ!ってんであの親分だった男が怒っちゃって、でももう別にどうでもいいんですけどねアリババ殺さなくても…って大丈夫ですかい?兄ちゃん汗すっげぇけど…どっか痛いのか?」
シンドバッド「……」
シンドバッド(おいおいおい!こんな偶然ってあんのか!?この世界にいくつ盗賊団があると思ってる!?よりによってお前…やべぇ、完ッ全にやらかしちまった…!)
シンドバッド(どうすんだこれ…!親分が死んじまったら結末を迎えられなくなってこのおとぎ話が消えちまう!いや落ち着け、この盗賊の兄貴分を新しい親分に仕立て上げて…いやダメだ、こいつらにはもうアリババを殺す理由が無い!)
シンドバッド(とにかくここはシェヘラザードに報告してうまく改変してもらうのが一番の解決策だよな。だがそうするってなると必然的にあいつの耳に入れなきゃ何ねぇ訳で…)
シンドバッド(…駄目だ!どっちにしろシェヘラザードは魔神の如く怒る…防ぎようがねぇ!)
502 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:54:23 ID:D89
シンドバッド「あいつに知られずに…いやそうすると…するってぇと…いや無理か…」ブツブツ
盗賊「アニキ、大丈夫すかねこの兄ちゃん…急にブツブツ言ってるけど」
盗賊アニキ「大丈夫じゃねぇか?別に怪我してる訳じゃねぇ。…まぁそういう事だラプンツェルさん、所詮俺たちは盗賊、盗みも殺しもする悪党だ。だから盗賊なんかを友達だなんて言うもんじゃねぇ、冗談だとしてもな」
ラプンツェル「冗談じゃないよ?よくわかんないけど、だったらみんなもう盗賊やめたらいーじゃん、親分ももういないんだしさ!」
盗賊アニキ「そんな簡単なことじゃねぇんだ。こいつらは俺と同じで大体が孤児、身よりもなけりゃ学も金も無い、読み書きできない奴が大半だ。結局悪党に身を置くか奴隷に成り下がるか…そんくらいだ、末路はな」
ラプンツェル「お仕事が無いなら私が探すの手伝ってあげるよ!私、友達もいっぱいいるからお仕事無いか聞いてみる!パパ…あっ、王様なんだけどね、パパにお願いしたら働くところ見つけてくれるかも!」
盗賊アニキ「お、王!?ラプンツェルさん、姫君なのか!?い、いや…だったらなおさら俺たちと関わっちゃあ…」
ラプンツェル「あとは…シンデレラとかシェヘラザードに聞いたらお城のお仕事貰えないかなー。あっ、みんなマッチョだから裸王なら喜んでお仕事くれるかも!あとで聞いてみる!」
盗賊アニキ「…なぁラプンツェルさん、あんたがあの男を倒したのは偶然なんだよな?」
ラプンツェル「うん、そーだよ?」
盗賊アニキ「どうして俺達にそこまで肩入れするんだ?頭領を失った盗賊団の連中に仕事を探してやるなんて…どう考えても普通じゃあねぇぞ、何故そこまでする?ただ成り行きで杯を交わしただけだぞ、俺達は…」
ラプンツェル「一緒にご飯食べて飲み物飲んでお喋りしたらもうお友達だよ?盗賊とかかたぎ?とかよくわかんないけど、関係ないよ。だってもうみんなは私の友達だもん」
ラプンツェル「だから友達がお仕事無くて困ってるんなら私はお手伝いするよ!そんなの当たり前のことだよー」ニコニコ
503 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:58:53 ID:D89
その時、盗賊アニキの頬を伝ったのは涙であった。
物心付いた時には既に親は無く、他の孤児達と盗みをして食いつなぐ日々
社会の隅に追いやられ、他人から優しい言葉をかけられることなど…無かったのである
盗賊アニキ「あんたは…盗賊の俺達を友と呼んでくれるのか?散々盗みを働いた俺達を!」
ラプンツェル「だから最初っからそういってるのにー。それにもうみんなは盗賊じゃないでしょ?私がお仕事探してきてあげるからおーぶねに乗ったつもりでいてよね!」フンス
盗賊アニキ「ラプンツェルさん…!俺の心は今、喜びで満ちている。親分から解放されたからじゃねぇ、真っ当な仕事が見つかるかもしれないからでもねぇ!あんたのような心優しい人に出会えたことが、俺はとても嬉しい」
ラプンツェル「アニキが嬉しいなら私も嬉しいなー、でも出来ればラプンツェルさんはやめてよー。友達はそんな風に呼び合ったりしないよ?」ニコニコ
盗賊アニキ「あぁ、わかった…!よぉし、お前らぁ!親分から解放された今、俺達は盗賊団を捨てる!そして今ここに新たな団体を発足する!その名も『40人のラプちゃん親衛隊』だ!反対意見がある奴はいるか!?」
「みんな賛成ですぜアニキィィ!ナイスアイディア!」
「よっしゃあぁぁ!これからもラプちゃんと一緒だぁ!」
「ラプちゃんかわいいぃぃぃ!!ラプちゃんマジ天使ぃぃぃ!!くんかくんかぁー!」
盗賊アニキ「ラプちゃん、これから俺達はあんたに付き従う。だがそれは部下としてでも奴隷としてでもねぇ、友人として…そして親衛隊としてラプちゃんの力になる、構わねぇか?」
ラプンツェル「しんえーたい?とかよくわかんないけど、みんな仲良くできるって事だよね!それなら賛成賛成!」
盗賊アニキ「そうと決まればもう一度乾杯だラプちゃん!お前等ぁ!飲み物準備しろー!ラプちゃんはノンアルだぞノンアル!」
ワーワー ガヤガヤ
シンドバッド(や、やべぇ…名案が浮かばないうちに話がこじれて来やがった…!)
504 :名無しさん@おーぷん :2016/07/04(月)00:59:19 ID:2Kz
ラプ…いい子やなぁ…
シェヘラザード「……」
モルジアナ「おい、聞いてんのか!?もしあのクソ野郎がアタシの世界を荒らしてるってなら許せねぇんだよ。おい、だから聞いてんのかシェヘラザード!」
シェヘラザード「……えぇ、聞いてますよ」ゴゴゴゴゴ
モルジアナ「お、おう。ならいいんだ、すまねぇ…(な、なんだこの指輪越しに伝わってくる気は…思わず謝っちまったじゃねぇか)」
シェヘラザード「……それで、ほかには?」
モルジアナ「お、おう。退治された盗賊団が妙なもんで縛られててよ…どうやら魔力が宿ってるみてぇなんだよ。ロープでも鎖でもなくてな。そいつはまるで…」
シェヘラザード「長い長い髪の毛…では?」
モルジアナ「そうなんだよ、よく分かったな。なにか心当たりでもあんのかい?あのクソゴミ以外でアタシの世界に進入してる奴にさ」
シェヘラザード「えぇ。私の友人です。そして彼女をそそのかしてそちらの世界へ行ったのはシンドバッドだという確信も持てました」
モルジアナ「そうかい、だったらなんとかしてくんねぇか?王子のアリなら空飛ぶ絨毯ですぐにこれるだろ?あいつが忙しいならイフリートでもいい、頼んでくれねぇか?」
シェヘラザード「いえ、その必要はありません。私が直接向かいます」
モルジアナ「いや待てよ!お前が軽々しく動いちゃなんねぇよ、【アラビアンナイト】が消えちまったらお前…アタシにゃ責任とれねぇしさ。あんたは母親みてぇなもんだからそうなっちまうのは嫌なんだ」
シェヘラザード「ご心配なく。これは私が直接動いた方が話が早いです、彼にそそのかされたであろうラプンツェルさんのことも気になりますし。どちらにしろ時間をかけるつもりはありません」
シェヘラザード「聞き分けのない息子を懲らしめるくらい、あっという間ですから」ゴゴゴゴゴ
476 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/27(月)01:16:29 ID:fWS
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
レス支援ありがとう!
シェヘラザードは個人的にはスレンダーですね身長は低いってわけでもなさそうですけどラプは髪の毛の長さのこともあるのである程度の身長はありそうです。
少年少女組が成長したらどうなるんだろうね、とりあえずヘンゼルのシスコンが許されなくなるんだろうか…
次回、シンドバッドがお仕置きされる話(直球)
シェヘラプの話のあとに桃ライオンしたらまたキモオタ達のとこに戻ります、視点変更多いけど勘弁
お楽しみに!
477 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)01:28:42 ID:pOq
乙!
わーい桃ライオンが楽しみだぜ!o(^ー^)o
シェヘラたんと国王もいいなぁ…ぺたんこおっぱいだけど人妻なのだよねシェヘラたん…
478 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)01:56:05 ID:fXP
乙!
ただの暴虐非道国王ではなかったか
479 :名無しさん@おーぷん :2016/06/27(月)12:16:09 ID:nU2
乙です!
シンドバット南無(笑)
続き待ってます!!
乙です!
シェヘラ委員長の気迫やばば
490 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:19:07 ID:D89
アリババと40人の盗賊の世界 とある弱小盗賊団のアジト
ギャーギャー ワーワー
雑魚盗賊A「クソ!何が起こってるんだ!?別の盗賊団の奇襲か!?突然茂みからロープが伸びてきたと思ったら仲間が何人か捕らえられちまった!」
雑魚盗賊B「お前よく見ろ!ロープじゃあねぇよありゃ髪の毛だ!…えっ、髪の毛!?人間を縛れるほど長い髪の毛とかあんの!?なぁ、どうなの!?なぁおいいぃ!」
雑魚盗賊C「混乱するんじゃねぇ!少なくともあの女は長い髪の毛を自在に操る魔術だか妖術だかの使い手だ!気ぃ抜いたらもってかれるぞ!?」
盗賊頭領「一カ所に留まるのは危険だ!お前ら散れっ散れーっ!女の方だけじゃなくチャラチャラした男の方にも気を配れ!こいつらただ者じゃあねぇぞ!」
ワーワー
シンドバッド「よーし、奇襲が成功したな!こんな具合でうまーく不意を突いてやると相手はただ混乱するしかできねぇんだ、そうすりゃもうこっちのもんだぜ。じゃあ問題だ、ラプンツェル。ここでお前はどう動くべきか解るか?」
ラプンツェル「えーっとね、とーぞくが混乱してる間に攻撃する!」ドヤァ
シンドバッド「よし、正解だ!だが相手はお前の髪の毛を警戒してるからな、それに剣を抜いてっから正面から捕らえようとても髪を切られちまうぜ?さぁ、どーしたもんかねぇ?」
ラプンツェル「うーんとね、それじゃあこーするっ!」シュッ
シュルシュルシュルッ ガシッ
雑魚盗賊A「うおっ!?お、俺の足にあの女の髪の毛が絡みついて…ぬわーっ!?」ビターン
盗賊頭領「おい!大丈夫か!?あの女…足を引っ張ってこかせてくるぞ!お前ら気を付け…ぬおぉぉっ!」ビターン
雑魚盗賊B「へへっ、大丈夫ですぜ頭領!足を狙ってきてるってぇならこういう具合に飛び跳ねて避けりゃあ…!えっ、なんで避けたのに追いかけてきtぐわーっ!」ビターン
雑魚盗賊C「あの髪の毛、飛ばすだけじゃなく軌道さえも自在なのかよ!?この混乱の中であんなもん避けられるわけ…ぎゃーっ!」ビターン
ラプンツェル「ふふんっ!みんなを困らせる悪いとーぞくはこのラプンツェルがみーんな捕まえちゃうからね!ろーやの中で反省してるといいよっ!」フンス
491 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:21:32 ID:D89
シンドバッド「ひゅーっ、やるじゃねぇか!だがここで油断しちゃダメだぜ、転かしたら動けないうちに縛っちまえ!…っと、相手を縛るときに注意することはなんだ?さっき別の盗賊捕まえたときに教えた事、覚えてるよな?」
ラプンツェル「えっとね、刃物を持っていないか確認する!それか持ってても取り出せないように両手もぐるぐるに縛っちゃう!」
シンドバッド「よーし、その通りだ!こいつらが体勢立て直す前にとっとと縛っちまえ!」
ラプンツェル「わかった!みんなまとめて縛っちゃえーっ!」シュッ
シュルシュルシュルッ グルグルグルッ
「クソ、俺達盗賊がカタギの小娘に出し抜かれるなど…認めんぞぉ!」ジタバタ
「こんなむちゃくちゃに縛られてたんじゃナイフも取り出せねぇ…」ジタバタ
「追尾してくるとかズルいだろ!あんなもん初見で対処出来ねぇよ!」ジタバタ
シンドバッド「よし、一丁上がりだな!もうこいつらは動けねぇ、街に戻って番兵にでも伝えりゃあとは投獄なり処罰なりしてくれるだろうよ」
シンドバッド「しかしすげぇな!今回はほとんどお前一人で捕まえちまったぞ!俺はちょいと助言しただけだ、お前案外戦闘のセンスあるんじゃねぇか?」ハハハ
ラプンツェル「そうだよね!私センスあるよね!私もそう思う!だってすんごく余裕だったしね!あさごはんまえ!」フンス
シンドバッド「おいおい、誉めはしたがあんま調子に乗るんじゃねぇぞ?今回はうまいこといったけど毎回思い通りになるとは限らないんだぞ、確実に相手を無力化するまでは油断しちゃいけねぇ。じゃねぇと痛い目見るぜ?」
ラプンツェル「えへへっ、大丈夫!私の髪の毛は特別だからね!私が思った通りに動いてくれるし普通じゃ持てない物でも髪の毛使えばラクラクだもんっ!余裕だよよゆー!」ドヤァ
シンドバッド「いや、だからお前そういう慢心が真剣勝負の中じゃ命取りに…まぁいいか、確かにお前の髪の毛はすげぇしな!十分戦力として数えられると思うぜ!」ハハハ
492 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:23:53 ID:D89
ラプンツェル「私、シンドバッドに戦いのやり方教えてってお願いして良かったよ!こーして特訓できる場所にも連れてきてくれたし!ありがとね!」ニコニコ
シンドバッド「おう!まぁ、数え切れない程の冒険を繰り広げた俺に相談したってのは良い判断だったな!でもシェヘラザードにバレたらかなりヤベェからこの事は内緒な?」
ラプンツェル「わかった!私、絶対に言わないよー!」フンス
シンドバッド「それにしても嬉しいねぇ、お前には他に頼れそうな奴が大勢いるってのにその中で敢えて俺を選んでくれたんだからな。ラプンツェル、そんなに俺が好きなら俺の女になっちまうか?」ニッ
ラプンツェル「えへへ〜、王子のほうがずっとカッコいいからやめとく!それにシンドバッドに相談したのもたまたまお城で会ったから話しただけなんだー」ニコニコ
シンドバッド「なんだよ…まっ、そーだよな。だが引き受けたからには手は抜かねぇぜ、バッチリ特訓してやるからよ!その代わり、約束した例のアレ…頼むぜ?」ヒソヒソ
ラプンツェル「うん!シンドバッドはすんごく頼りになってとっても強くてものすごくカッコいいって事を私の友達に伝えたらいいんだよね!」ニコニコ
シンドバッド「おっと、ちょっと間違ってるな。それを『可愛い女の子の友達』に伝えるんだ、男には別に言わなくても良いからな?どういう事かわかるだろ?」
ラプンツェル「わかってるわかってる!赤ずきんとかグレーテルとかシンデレラとか…あとシェヘラザードにもバッチリ伝えとくから、安心してね!」
シンドバッド「わかってねぇなお前!?子供とか人妻には伝えなくてもいいんだよ!いや人妻はありか…?つーかシェヘラザードには絶対に言うなよ?俺が言わせたってバレたらヤベェからな」
ラプンツェル「そーなの?それよりあれだね、シンドバッドはシェヘラザードにバレたらやばいことがいっぱいあるねぇ〜」ニコニコ
シンドバッド「へへっ、まぁな。あいつは何かと口うるさいからよぉ…俺のこと思って言ってくれてるってのは解るが、全部に従ってたら窮屈で仕方ねぇぜ」
ラプンツェル「わかるわかる!私にも言ってくるもん!もうすぐお姫様になるんだから買い食いはやめなさいーとか!つまみ食いはやめなさいーとか!あと手が汚れたときとか裾で拭くのはやめなさいーとか言ってくるよ!」
シンドバッド「いや、それはハンカチとか使えよお前。ガキじゃねぇんだから」ハハハ
493 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:26:54 ID:D89
ラプンツェル「まーでもシェヘラザードがホントは良い子だって事は知ってるよ?国を良くするので忙しいはずなのに私やかかしにお勉強教えてくれるし!あとお菓子もくれるし!優しいし旦那さんの事すごく好きだし!」
シンドバッド「まぁ他人に厳しい分、自分にはもっと厳しいしな、あいつ。説教は多いし煩わしいこともあるけどまぁ…良い奴だよ、そうじゃなきゃ俺もわざわざ別の世界の警備なんかしねぇし」
ラプンツェル「うーん…そー考えるとお勉強会すっぽかして来た事、シェヘラザードに悪いことしちゃったなぁ…」
シンドバッド「おいおい、今更そんな事言っても仕方ねぇぜ?」
ラプンツェル「そーなんだけどさ、昨日はシェヘラザードが私のお話聞いてくれないからもーっ!てなっちゃって勝手にするって決めちゃったけど、やっぱりもっとお話しした方が良かったのかなぁ…」
シンドバッド「まぁそれが出来るなら一番良かっただろうがな、まーなんにせよお前は勉強より特訓を選んだんだ。シェヘラザードが思わず納得しちまうくらい強くなればいいんだ、あんまり気にすんなって」
ラプンツェル「そうだよね!もう決めちゃったんだし悩んでも仕方ないよね!特訓頑張るしかないよね!」ウンウン
シンドバッド「あぁ、そうだ。この調子でガンガン盗賊を退治していきゃお前は強くなれるし治安も良くなる!うまくすりゃあ逆に誉められるかもしれねぇぞ?」ニッ
ラプンツェル「そっか!悪者退治して街が平和になれば誉められるかもだね!あっ、でもさでもさ!確かこの世界はアリババって人が盗賊を退治するおとぎ話なんだよね?」
シンドバッド「まぁ正確にはアリババの召し使いのモルジアナっていう女が盗賊を退治するんだけどな。それがどーかしたか?」
ラプンツェル「もしもね?私達がうっかりモルジアナが退治するはずの盗賊をやっつけたら、このおとぎ話消えちゃうよね?それは私嫌なんだけど、大丈夫かな?このまま盗賊退治してても大丈夫?」
シンドバッド「ハッハッハ!意外と心配性だなラプンツェルは!確かに俺たちがうっかり例の『40人の盗賊団』を退治しちまったらモルジアナが連中を退治するってぇ筋書きが変わっちまってこのおとぎ話は消滅する。だがそんな事は絶対にねぇから安心しろ」
シンドバッド「なにしろこの世界には数十以上の盗賊団が溢れかえってるんだぜ?まさに大盗賊時代!そいつ等をうっかり倒しちまう可能性なんてかなり低いぜ、ざっくり五十分の一で計算してえーっと、何パーだ?…まぁとにかくありえねぇから心配すんなってこったな!」
ラプンツェル「そっか、それなら大丈夫だね!私達は安心して盗賊をやっつければいいんだね!」
シンドバッド「おう、俺が適当に標的として選んだ盗賊団がまさかあの『40人の盗賊団』だった!なんて事、絶対にありえねぇよ。ハッハッハ!」
・・・
494 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:29:38 ID:D89
とある盗賊団のアジト付近 茂み
ガサガサ
シンドバッド「よーし、ラプンツェル。次の標的はあの盗賊団だ、街で見かけた下っ端盗賊っぽい奴を尾行してたらまんまとアジトに到着だ!丁度良いから退治しとこうぜ」
ラプンツェル「わかった!でもなんだか沢山居るよ?大丈夫かなー?」
シンドバッド「いけるいける。お前さっきも余裕だったろ?確かに人数は多いが、ビビってしょぼい盗賊ばっかり相手にしててもなんにもならねぇだろ?」
シンドバッド「それに安心しな!もしもやべぇと思ったら俺も加勢する、いざとなったら上空を飛んでるロック鳥に奴らを襲わせるってのもありだ」
ラプンツェル「それなら安心だねっ!たくさん盗賊捕まえてもっと強くなってシェヘラザードに私がちゃんとしてるってところ見せたいもんね!」
シンドバッド「おう!お前が成長することはあいつにとっても嬉しいことのはずだ。しっかり頑張って認めてもらおうぜ」
ラプンツェル「うん、頑張る!」フンス
シンドバッド「で、今回の作戦だが…さっきと同じように奇襲をかける。だが今回は人数が多いからな、まずはお前の髪の毛を使ってあっちの方の茂みに石を投げ込め」
シンドバッド「そうすりゃ盗賊共はそっちに気を取られるだろうからその隙に一気に勝負を決める。それじゃあ適当な石を掴んで投げてみろ、気づかれないように高いとっから素早くな」
ラプンツェル「わかった!えーっと…じゃあこれにしよっ」ズシッ
シンドバッド「いやちょっと待て!ちょっと物音立てりゃあいいんだぞ?そんなデカい岩を使う必要なんかねぇって」
ラプンツェル「でも小さいよりおっきい方がいいと思う!よーし、じゃあちょっぴり重いけどこれを掴んであっちの茂みに投げるよ!せーのっ!」
ブンッ ズルッ
ラプンツェル「ありゃ?思ったより飛んでいかなかったなー…って言うか投げるときちょっとズルってなっちゃった。失敗失敗ー、えへへー」テヘペロ
シンドバッド「あーあー何やってんだ、無駄にデカい岩なんか投げるから飛距離足りてねぇぞアレ。お前これじゃあ向こうの茂みに届かねぇじゃねーか、ったく」
ヒューンッ
495 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:31:56 ID:D89
ラプンツェル達が標的にした盗賊のアジト
盗賊の親分「えぇい!アリババとかいう男の家はまだ突き止められねぇのか!お前には部下の指揮を任せてんだ、この不手際はテメェの責任だぞ、どうオトシマエ付けるつもりだぁ!?」バンッ
盗賊アニキ「す、すいやせん親分!どうやらアリババの野郎、随分と頭が切れる召使いを従えてるようで…そいつが俺たちを妨害してるようなんで」
盗賊の親分「だから何だってぇんだ!?頭がキレようが相当な手練れだろうと関係ねぇ!俺が殺せと命じたらテメェらはそれに従うだけだろうが!」ギロリ
盗賊アニキ「す、すいやせん!団員一同、血眼になって探してますんで…もう少しばかりお待ちくだせぇ!」
盗賊の親分「ったく、アリババの野郎…ただじゃおかねぇぞ!俺達が居ない間にアジトの洞窟に忍び込んで宝を盗んで行きやがって、素人に癖に盗賊から盗みを働こうなんざとんでもねぇ野郎だ!」
盗賊アニキ「まったくでさぁ。恐れ知らずなのか愚かなのか…どっちにしろ大胆とはこの事ですぜ。大した肝っ玉持ってますよアリババは」
盗賊の親分「何を感心してんだテメェは!いいかぁ!?盗賊ってのはメンツを潰されたらおしまいなんだよ!俺の40人の盗賊団がただに素人に出し抜かれたなんて他の盗賊団に知られたらどうなるかもわからねぇのか!?」
盗賊アニキ「い、いえ…この事が他の盗賊団に知れたらうちの盗賊団の名声は地に落ちちまいやす…!」
盗賊の親分「あぁそうだ、それだけは絶対に阻止すんだ!小さな盗賊団をようやくここまでデカくしたんだ、それを馬鹿な素人のせいで失うなんざ…間抜けすぎる!絶対にそんな事はさせねぇ!」
盗賊アニキ「へい、その通りでさぁ!」
盗賊の親分「いいか?俺はゆくゆくは世界を牛耳る盗賊…そう!盗賊王になる男だ!手下のテメェ等は命を賭けて俺の命令に従い、死に物狂いで俺ために働け!俺を盗賊王にのしあげるためになぁ!ガーッハッハッハー!!」ガハハハ
ヒューンッ ドゴォッ!!
盗賊の親分「ゲボアッ」ドサッ
盗賊アニキ「!? 突然岩が飛んで来やがった!?い、いやそれよりも!だ、大丈夫ですかい!?親分!?」ユサユサ
盗賊の親分「」
盗賊アニキ「し、死んでる…!お、親分が謎の奇襲でやられたァー!?」
496 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:34:11 ID:D89
盗賊アニキ「…テメェ等、辺りに気を配れ!親分を殺した奴はまだ近くにいるかもしれねぇ、探せ!探せ!このまま帰すんじゃねぇぞ!」
ワーワー サガセサガセー
盗賊「アニキ!俺、妙なことに気がついたんスけど…そっちの茂みからいい香りがしませんかい?なんか女の子の匂いっていうか…」スンスン
盗賊アニキ「馬鹿!お前、こんな時にお前馬鹿!ここは俺達盗賊のアジトだぞ!?女の子の匂いなんてするわきゃねぇだろふざけんなよお前……あ、マジだな。なんか花の匂いするわ」スンスン
盗賊「でしょ?俺、鼻はすごくいいんス!もしかして親分を殺した女の子がそこの茂みに潜んでいるとか…」
盗賊アニキ「馬鹿お前!親分は相当の手練れだったんだぞ!?こんなフローラルな香りさせてる女の子が親分を殺せるわけねぇだろ!もしそんなすごい娘居たら見てみたいわ!そしてその強さを褒めてやりたいくらいだわ!」
ラプンツェル「あっ、はいはーい!みんなの親分倒しちゃったの私だよ!すごいでしょ!」フンス
盗賊アニキ「!?」
シンドバッド「バッカお前何で出て行くんだよ!やべぇから逃げるぞって言ったろ!?」グイグイ
ラプンツェル「えっ、でも誉めてくれるって言ってたから…シンドバッドだって誉められると嬉しいでしょ?私は誉められるの好きー!」ニコニコ
シンドバッド「なこと言ってる場合か!早く逃げるぞ!」
盗賊アニキ「待て待て!このまま帰す訳にはいかねぇぞ!テメェ等この子らの周りを取り囲め!」
ザザザッ
ラプンツェル「ありゃー…囲まれちゃったね。ねぇシンドバッド、私知ってるよ!こういうのをぜったいぜつめいっていうんだよね!」ドヤァ
シンドバッド「…あぁ、物知りだよお前は。この人数じゃあ正面突破は無理だな。だったらお前を呼ぶしかねぇよな!ロック鳥!降りて来い!お前の見せ場がやってきたぜ!」
497 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:36:46 ID:D89
ロック鳥「ルオオオォォォォォォォッ!!」バサバサーッ
盗賊アニキ「なんだこの怪鳥は!あのチャラいのが呼んだのか…!まさか猛獣使いだったとは…いや、んな事言ってる場合じゃねぇ!待て待てお前らちょっと聞け!」
シンドバッド「ロック鳥!盗賊共を一蹴しろ!爪で裂こうが吹き飛ばそうが啄もうがお前の勝手だ!自由にしちまって構わねぇぞ!」
ロック鳥「ルオッ!ルオォォォォォック!!」バサバサーッ
盗賊アニキ「待て待て!そこのチャラいの!勘違いしないでくれ!俺達はあんたらと戦うつもりなんかねぇ!」
シンドバッド「やかましい!俺らを取り囲んでおきながらよくもそんな白々しい嘘がつけたもんだ!今更怖じ気づいてもおせぇ!ロック鳥やっちまえ!」
ラプンツェル「待って待ってー、ロック鳥ー。ちょっと待ってあげて!この人達戦うつもりないっていってるから攻撃しちゃかわいそうだよー」
シンドバッド「おいラプンツェルお前いい加減にしろ!こいつ等は盗賊だぞ!あんなの嘘に決まってる!ロック鳥、いいからやっちまえ!」
ロック鳥「ルォッ」フイッ
シンドバッド「あっ、お前!何、ラプンツェルの命令を優先してんだ!お前のマスターは俺だろうが、なにラプンツェルにすり寄ってんだ!」
ラプンツェル「ロック鳥はさっき自由にしていいって言ってたから好きなようにしてるだけだもんねー?」ナデナデ
ロック鳥「ルオッ!」スリスリ
シンドバッド「肝心なときにお前誰に似て……いやハッキリしてるよな。こうなりゃあ俺が一人で相手するしかねぇか…!」スラッ
498 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:42:26 ID:D89
盗賊アニキ「そりゃあ盗賊の言葉なんか信用できねぇか。しかもこの構え、やはりただ者じゃねぇ…!テメェ等、守りを固めろ!」
シンドバッド「この大人数を相手にするってぇのは相当分が悪いが、この程度の逆境には慣れっこだ。数多の海を駆け、いくつもの修羅場をくぐり抜けたシンドバッド様に切り開けねぇ道はねぇ!さぁテメェら覚悟しt…痛ってぇ!」ビターン
ラプンツェル「もーっ!盗賊のみんなが戦う気が無いって言うのはホントだよ、武器持ってないもん!よく見なきゃだよ!ねーっ、ロック鳥?」グルグルグルー
ロック鳥「ルォーッ」
シンドバッド「ラプンツェル!バカお前早くほどけ!そうやって油断させて隠したナイフでブスリといかれたりすんだよ!こいつ等は悪党なんだぞ!?世間知らずなお前には思いも寄らないような卑劣な手を使うんだぞ!」
ラプンツェル「えーっと、はじめまして!私の名前はラプンツェルだよ!こっちはロック鳥で、あのぐるぐる巻きになってるのがシンドバッド。よろしくね!」ニコニコ
シンドバッド「聞けお前!」ジタバタ
盗賊アニキ「俺はこの盗賊団の副団長。と言えば聞こえが良いがこいつ等にまとめ役、盗賊アニキなんて呼ばれてる。それより、俺は盗賊家業に着いて長いが…カタギに真っ正面から自己紹介されたのは初めてだ」
ラプンツェル「初めてあった人には自己紹介しなきゃなんだって!塔の外じゃ挨拶は特に大切だってママが言ってた」
盗賊アニキ「そうかい、だが俺が言う事じゃあないが盗賊相手にする事じゃあねぇ。そこの兄ちゃんが言うように盗賊は汚い手でも平気で使うんだぜ」
ラプンツェル「でもアニキは違うでしょ?さっき言ってたもん、戦うつもりなんか無いって、でしょ?」
盗賊アニキ「まぁ…そうだが、普通は盗賊の言うことなんか信じないもんだ」
ラプンツェル「どーして?」
盗賊アニキ「どうしてもだ。だが…今回俺達に戦う気が無いってのは本当だ。むしろあんたに感謝してんだ、親分を…いやあの男を倒してくれたんだからな」
盗賊アニキ「あんたは俺達の恩人だ、こいつ等を代表して礼を言わせてくれ。助かった、恩に着る。礼にもならねぇが宴に参加してくれねぇか?もちろん無理にとはいわねぇ」ペコッ
ラプンツェル「よくわかんないけど、どーいたしまして!そしてパーティーは大好きだから私もやるやる!」フンス
シンドバッド「…どうなってやがる?普通は親分を倒されたんなら仕返しするもんだ。そもそも戦う気がないってのは嘘じゃねぇのか?」
盗賊アニキ「よぉしテメェ等!宴の支度だぁ!恩人に出来る限りの礼を尽くせぇ!」
499 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:47:26 ID:D89
・・・
ラプンツェル「じゃああの親分はとっても酷い人だったって事ー?」モグモグ
盗賊アニキ「あぁ、俺達は盗賊だからあんたらカタギに人並みに扱って貰えねぇ事に不満なんざねぇよ。だがあの男は…団長でありながら俺達団員を人間として見てすらいなかった、宝物を奪い名声を高めるための道具としてしか見ちゃいなかったんだ」
盗賊アニキ「あいつは団員を駒としか思っちゃいなかった。命を落としかねない無茶な任務、明らかに人手が足りない状態での任務なんか当たり前で、自分のみを守るために部下を盾にする囮にするなんざしょっちゅうよ」
盗賊アニキ「精神的にも肉体的にも過酷な生活、それでいて休息なんざまともに取れやしねぇし全員に十分な飯が行き渡らないことも少なくなかった。ほとんど奴隷のようなもんだった」
ラプンツェル「むーっ、ひどいね!休憩できないのもご飯食べられないのも辛いよね!そんな盗賊団やめちゃえばよかったのに!」ムシャムシャ
盗賊アニキ「奴は傍若無人だったが…それを黙認させるほどの力があった。全員でかかれば勝機もあっただろうが、この大盗賊時代だ…親分を失った後、団をまとめられる器がある奴がいねぇと…別の盗賊団の食い物にされちまうだけだった」
ラプンツェル「アニキじゃだめだったの?」ガジガジ
盗賊アニキ「俺はそんな器じゃねぇよ。こいつらは慕ってくれてるが…学がねぇから、読み書きはかろうじて出来るが難しい事となるとなぁ。それで…」
ガヤガヤガヤガヤ
「ラプンツェルさん!ノンアルなんですよね!ぶどうジュースどうぞ!本当、ラプンツェルさんには感謝してるんですぜ、なぁ?」
「おう!あのおっさん無茶ばっかりだったからな。でもよそに行くあてもねぇから従うしかなくてなぁ…」
「でももう違うもんな!俺達はあのブラック盗賊団から解放された!ラプンツェルさん!乾杯しましょ乾杯!」
盗賊アニキ「お前ら!恩人に失礼だぞ!ちょっと下がってろ!」
500 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:49:40 ID:D89
「アニキばっかりズルいッスよ!俺達もラプンツェルさんとおしゃべりしたいッス!」
「そうッス!こちとら女の子と飯食うのなんて十数年振りっすよ!この喜びを噛み締めさせてくだせぇ!」
盗賊アニキ「お前ら…情けねぇ事言ってんじゃねぇ!この方はカタギなんだ、俺達とは住む世界が…」
ラプンツェル「もーっ、私あんまりラプンツェルさんとか言われるのイヤだなー、くすぐったいから!ラプちゃんでいいよー」ニコニコ
「うおぉー!ラプちゃんはなんて器がでかいんだ…つーか女の子を愛称で呼べる日が来るとか泣きそうだ俺…」
「泣くな泣くな!涙でラプちゃんの姿が拝めないなんて損だぞ!」
「うおぉー!ラプちゃんの髪の毛くんかくんかしてぇー!」
盗賊アニキ「誰だァ!今失礼なこと言った奴ー!…すいやせん、こいつらは気のいい連中なんですがどうも下品でならねぇ…気ぃ悪くしねぇでくれ」
ラプンツェル「いいよいいよぉ、口悪いお猿さんや妖精の友達とかいるし、あんまり気になんないよ」ニコニコ
盗賊アニキ「ラプンツェルさん、見かけによらず肝据わってんだな…」
シンドバッド「ラプンツェル、お前あんまりこいつ等と仲良くするんじゃねぇぞ。腹の中じゃ何考えてるのかわかんねぇんだ」グルグルマキ
シンドバッド「…あといい加減に髪の毛ほどいてくれねぇか?」
ラプンツェル「ダメ。シンドバッド、ひどいこというもん!みんなは戦うつもり無いのなんかもうとっくにわかってるくせにー!」
501 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:52:23 ID:D89
盗賊アニキ「いや、その兄ちゃんの言うとおりだ。あんまり俺達に情を持たない方がいい。俺から誘っておいてなんだがあんたは少々世間を知らなすぎる」
ラプンツェル「えーっ?そりゃ盗むのは悪いことだと思うけど、みんなは良い人だよ?私にも優しいし!もー友達だよ、私たち!」ニコニコ
盗賊アニキ「カタギがそんな事口にするもんじゃねぇ。優しいのはそりゃああんたが恩人だからだ、みんな感謝してるからな。だが結局俺たちは盗賊、悪党なんだ。今だって俺達はある一人の男を殺すために探してたんだしな、あんたらと同じカタギの男をな」
盗賊「そんな言い方…!ありゃああの男の命令で仕方なくやってたことじゃないですか!宝物を盗まれた報復にって…あの男が死んだ今、もうアリババを殺す必要も無いんd」
シンドバッド「ちょ、ちょっと待て。今なんて言った?その宝物を盗んだ男の名だ」
盗賊アニキ「どうしてそんな事を気にするんだ?まぁ今となっては隠す必要も無いけどよ…宝を盗んだのはアリババっていう男だ。俺達『40人の盗賊団』に宝物庫に忍び込んでな」
盗賊「盗賊から宝を盗むなんてトンデモねぇ!ってんであの親分だった男が怒っちゃって、でももう別にどうでもいいんですけどねアリババ殺さなくても…って大丈夫ですかい?兄ちゃん汗すっげぇけど…どっか痛いのか?」
シンドバッド「……」
シンドバッド(おいおいおい!こんな偶然ってあんのか!?この世界にいくつ盗賊団があると思ってる!?よりによってお前…やべぇ、完ッ全にやらかしちまった…!)
シンドバッド(どうすんだこれ…!親分が死んじまったら結末を迎えられなくなってこのおとぎ話が消えちまう!いや落ち着け、この盗賊の兄貴分を新しい親分に仕立て上げて…いやダメだ、こいつらにはもうアリババを殺す理由が無い!)
シンドバッド(とにかくここはシェヘラザードに報告してうまく改変してもらうのが一番の解決策だよな。だがそうするってなると必然的にあいつの耳に入れなきゃ何ねぇ訳で…)
シンドバッド(…駄目だ!どっちにしろシェヘラザードは魔神の如く怒る…防ぎようがねぇ!)
502 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:54:23 ID:D89
シンドバッド「あいつに知られずに…いやそうすると…するってぇと…いや無理か…」ブツブツ
盗賊「アニキ、大丈夫すかねこの兄ちゃん…急にブツブツ言ってるけど」
盗賊アニキ「大丈夫じゃねぇか?別に怪我してる訳じゃねぇ。…まぁそういう事だラプンツェルさん、所詮俺たちは盗賊、盗みも殺しもする悪党だ。だから盗賊なんかを友達だなんて言うもんじゃねぇ、冗談だとしてもな」
ラプンツェル「冗談じゃないよ?よくわかんないけど、だったらみんなもう盗賊やめたらいーじゃん、親分ももういないんだしさ!」
盗賊アニキ「そんな簡単なことじゃねぇんだ。こいつらは俺と同じで大体が孤児、身よりもなけりゃ学も金も無い、読み書きできない奴が大半だ。結局悪党に身を置くか奴隷に成り下がるか…そんくらいだ、末路はな」
ラプンツェル「お仕事が無いなら私が探すの手伝ってあげるよ!私、友達もいっぱいいるからお仕事無いか聞いてみる!パパ…あっ、王様なんだけどね、パパにお願いしたら働くところ見つけてくれるかも!」
盗賊アニキ「お、王!?ラプンツェルさん、姫君なのか!?い、いや…だったらなおさら俺たちと関わっちゃあ…」
ラプンツェル「あとは…シンデレラとかシェヘラザードに聞いたらお城のお仕事貰えないかなー。あっ、みんなマッチョだから裸王なら喜んでお仕事くれるかも!あとで聞いてみる!」
盗賊アニキ「…なぁラプンツェルさん、あんたがあの男を倒したのは偶然なんだよな?」
ラプンツェル「うん、そーだよ?」
盗賊アニキ「どうして俺達にそこまで肩入れするんだ?頭領を失った盗賊団の連中に仕事を探してやるなんて…どう考えても普通じゃあねぇぞ、何故そこまでする?ただ成り行きで杯を交わしただけだぞ、俺達は…」
ラプンツェル「一緒にご飯食べて飲み物飲んでお喋りしたらもうお友達だよ?盗賊とかかたぎ?とかよくわかんないけど、関係ないよ。だってもうみんなは私の友達だもん」
ラプンツェル「だから友達がお仕事無くて困ってるんなら私はお手伝いするよ!そんなの当たり前のことだよー」ニコニコ
503 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/07/04(月)00:58:53 ID:D89
その時、盗賊アニキの頬を伝ったのは涙であった。
物心付いた時には既に親は無く、他の孤児達と盗みをして食いつなぐ日々
社会の隅に追いやられ、他人から優しい言葉をかけられることなど…無かったのである
盗賊アニキ「あんたは…盗賊の俺達を友と呼んでくれるのか?散々盗みを働いた俺達を!」
ラプンツェル「だから最初っからそういってるのにー。それにもうみんなは盗賊じゃないでしょ?私がお仕事探してきてあげるからおーぶねに乗ったつもりでいてよね!」フンス
盗賊アニキ「ラプンツェルさん…!俺の心は今、喜びで満ちている。親分から解放されたからじゃねぇ、真っ当な仕事が見つかるかもしれないからでもねぇ!あんたのような心優しい人に出会えたことが、俺はとても嬉しい」
ラプンツェル「アニキが嬉しいなら私も嬉しいなー、でも出来ればラプンツェルさんはやめてよー。友達はそんな風に呼び合ったりしないよ?」ニコニコ
盗賊アニキ「あぁ、わかった…!よぉし、お前らぁ!親分から解放された今、俺達は盗賊団を捨てる!そして今ここに新たな団体を発足する!その名も『40人のラプちゃん親衛隊』だ!反対意見がある奴はいるか!?」
「みんな賛成ですぜアニキィィ!ナイスアイディア!」
「よっしゃあぁぁ!これからもラプちゃんと一緒だぁ!」
「ラプちゃんかわいいぃぃぃ!!ラプちゃんマジ天使ぃぃぃ!!くんかくんかぁー!」
盗賊アニキ「ラプちゃん、これから俺達はあんたに付き従う。だがそれは部下としてでも奴隷としてでもねぇ、友人として…そして親衛隊としてラプちゃんの力になる、構わねぇか?」
ラプンツェル「しんえーたい?とかよくわかんないけど、みんな仲良くできるって事だよね!それなら賛成賛成!」
盗賊アニキ「そうと決まればもう一度乾杯だラプちゃん!お前等ぁ!飲み物準備しろー!ラプちゃんはノンアルだぞノンアル!」
ワーワー ガヤガヤ
シンドバッド(や、やべぇ…名案が浮かばないうちに話がこじれて来やがった…!)
ラプ…いい子やなぁ…
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
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