キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
Part10
Part1<<
Part6
Part7
Part8
Part9
Part10
Part11
Part12
Part13
Part14
>>Part28
評価する!(2305)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
評価する!(2305)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
410 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:27:19 ID:xVI
雪の女王「だが単なる思いつきや気まぐれで私の所へ来たわけではないんだろう?何か理由があって…近々アリスとの戦いを予感している、だからこそ急にやってきて私に協力を求めた。そうだろう?」
キモオタ「いやはや、まったくその通りでござるよwww我々には時間があまり無いのでござる、故に特訓するならば濃密な物にしたいのですぞ。そこで強力な魔力を持つ女王殿を頼ったわけでござる」
ティンカーベル「あのね、実は三日後に私達はみんなと一緒にアリスの世界に乗り込むことになってるんだ」
雪の女王「三日後とは随分と急だな」
カイ「アリスは今回の騒ぎの元凶なんだろ?【不思議の国のアリス】はアリスの領域、乗り込んでいくなんてのは危険過ぎやしねぇか?」
キモオタ「それは百も承知なのでござるが…我々にとっては避けられない戦いなのでござるよ」
雪の女王「何か事情があるというのだな。聞かせて貰おう、何故こうも急にアリスの世界への突入を決断したのかを。他にも私に用があると言うのならばそれも併せて聞いておこう」
ティンカーベル「うん、でもどっから話そうかな…ねぇキモオタ?」
キモオタ「女王殿もご存じの通り、我々はおとぎ話の世界に起きた異変をなんとかするべく…そして世界の消滅を防ぐべく様々な世界を旅しているでござる」
女王「あぁ、そしてその異変の元凶がアリスだと判明した今、彼女を止める事を目標にして動いている。君も、そして私もな」
キモオタ「そうですな、そして我々はその旅の途中で多くの人々と出会い、アリス殿の企みを阻止するという同じ目的を掲げる仲間と出会うことが出来たのでござる」
ティンカーベル「シンデレラの事は知ってるよね?シンデレラも私達の友達で一緒に戦ってくれるはずだったんだけど…今はアリスに連れ去られちゃって、あいつらの世界にいるんだ」
雪の女王「つまり人質ということか?」
キモオタ「なんと言えばいいのか…我々が得た情報によるとシンデレラ殿は以前とは別人のようだったらしいでござる。アリス殿の元で戦っている姿が確認されてましてな…それが強要されたのものなのか、あるいは」
キモオタ「何らかの魔法具による洗脳や精神操作…シンデレラ殿はそういった類の魔法の被害にあっていると我々は考えているのでござる」
411 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:29:29 ID:xVI
女王「……精神に干渉する魔法具、か」スッ
キモオタ「女王殿…?何か心当たりがあるのですかな?」
カイ「心当たりも何も…アリスに連れ去られたシンデレラが別人のようになっちまったってなら、間違いなく……」
女王「キモオタ、ティンカーベル。どうやら私は、君達に謝罪をしなければならないようだ」
ティンカーベル「えっ?女王が私達に?なんで?別に何もされてないよね?」
キモオタ「どう言うことですかな女王殿?理由を話していただきたいのでござるが…」
雪の女王「君達も存在は知っているはずだ。この【雪の女王】の世界にはある一つの魔法具が存在する。悪魔が作り出した鏡…砕け散って破片になった今でも魔法の力は失われていない、悪魔の鏡の破片だ」
ティンカーベル「あっ!そうそう思い出した!前に白鳥にも言ったけどさ、私ね魔法具の材料にするためにその悪魔の鏡の破片が欲しいの!なんか催促するみたいになっちゃうけど…それって今すぐ手には入らないかな?」
雪の女王「あぁ聞いている、そのことも君に言わなければいけないと思っていた。だが…今、この世界に悪魔の鏡の破片は存在しない。君に譲ることも当然出来ない」
ティンカーベル「えぇっ!?それって前はあったってことだよね!?」
雪の女王「あぁ、以前は存在した。悪魔とは言うが彼等はおとぎ話の事情を知る味方、強い力を持つ連中だから鏡に破片の保管も彼らに任していたが……私が留守にしている間アリスの襲撃にあった悪魔達は鏡の破片を奪われた」
キモオタ「なん…ですと…!悪魔の鏡の破片を奪われたですと…!」
412 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:33:20 ID:xVI
雪の女王「本来アリスは私を消すためにこの世界へ来たのだろう、だが不在だったため侵入者に気がついた悪魔達がアリスを迎え撃ったが……返り討ちにされてしまった」
雪の女王「何匹もの悪魔がやられ、一部の土地は彼女の攻撃の爪痕を残したままになっている。だが幸いなことに物語の筋に影響は無く、悪魔達の奮闘のおかげで物語が消滅することなく彼女を追い返した。だが…」
キモオタ「その時、いくつかに破片を奪われてしまったという事ですな…?」
雪の女王「その通りだ。アリスは去り際に彼等から悪魔の鏡の破片を奪っていった。それは決して…奪われても良いものではなかった」
雪の女王「同じ過ちを繰り返さないため、残った破片は私が処分した。同時に破片の奪還のために白鳥や親指姫に【不思議の国のアリス】の偵察を命じたが…それを取り返すことは適わなかった。予想以上に強固な守りだったからだ」
ティンカーベル「じゃあアリスは悪魔の鏡の破片を持っているって事だよね?あいつが強い魔力を持ってる破片を手放すわけ無いもん…」
雪の女王「…すまない、君たちには一番に伝えるべきだった。だが…余計な不安を与えることも避けたかった、だから私は君たちには伝えずこちらで解決しようと思っていたが…」
カイ「アリスにさらわれたシンデレラがどうやら精神に干渉されてるってなると…もうそんな事も言っていられないがな」
雪の女王「あぁ、悪魔の鏡の破片は…人間に使えば対象の精神に干渉し…性格をねじ曲げることが出来る恐ろしい魔法具だ。そしてシンデレラは恐らくその鏡の破片によって…性格を変化させられている。好戦的な性格にな」
キモオタ「なんという…!」
雪の女王「本当にすまない。全てに責任は私にある、鏡の破片の管理が行き届いていなかったこと…そしてあろうことかそれをアリスに奪われてしまったこと」
雪の女王「そしてその破片によって君たちの大切な仲間を危険にさらしてしまった事…悔やんでも悔やみきれない。私は許されざるミスを犯してしまった」
413 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:37:11 ID:xVI
雪の女王「実に情けない話だ。アリスの企みを阻止するなどと言っておきながら、隙をつかれて魔法具を奪われてしまうなど…」
ティンカーベル「確かにやばいしシンデレラが鏡の破片を使われちゃってるならすごく心配だけど…でも悪いのはアリスで女王は悪くないよ!気にすることないって!」
キモオタ「そうですな、それに済んだことですぞ。起きてしまった以上責任の所在などどうだっていいでござる、むしろシンデレラ殿の精神に干渉している魔法具が悪魔の鏡の破片だと断定できるのだとすれば対策も立てやすいでござるよ!」
ティンカーベル「確かにそだね!どうやったらシンデレラを元に戻せるのか分かるわけだし、ポジティブに行くしかないよ!気持ちで負けてたら勝てないし!」
キモオタ「そうですなwww対策さえ分かっていれば魔法具だろうがなんだろうがなんとでもなりますぞwww」コポォ
雪の女王「…君達は随分と前向きだな、悩んでいた私がバカバカしく思える程にな」フフッ
キモオタ「ドゥフフwwwトラブルと遊ぶヤンチャボーイですからな我々www悩んでも仕方ないことは悩まないwww」コポォ
カイ「ただ脳天気なだけだろお前等は」
ティンカーベル「私は違うよ、私はね!まぁキモオタは何にも考えてない脳天気マンだけど」
キモオタ「ちょwww自分ばっかりずるいですぞお主www」コポォ
雪の女王「フフッ、少々胸が軽くなった。だが不甲斐ない姿をさらした事へのケジメはつけるつもりだ、当然君たちへの協力は惜しまない。何でも言うといい」
キモオタ「そいつは助かりますなwwwでは早速シンデレラ殿を脅かしている悪魔の鏡の破片について詳しく聞きたいでござるwww」コポォ
雪の女王「あぁ、シンデレラを救う上で重要になってくるものな。そうだな、丁度ここに悪魔の鏡の破片の影響を受けている少年がいるわけだが…」
カイ「…んだよ俺を説明に使うんじゃねぇよ。ったく、俺も好きで魔法具の影響受けてる訳じゃねぇんだぞ」
414 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:42:22 ID:xVI
雪の女王「先ほど少し話したが悪魔の鏡の破片は対象の性格を変化させる魔法具だ」
キモオタ「ふむ、優しいシンデレラ殿が好戦的になってしまったように…でござるな」
ティンカーベル「じゃあ今は口が悪くてちょっと感じも悪いカイは元々は優しくて可愛らしい少年だったって事だね?」
カイ「感じ悪いとか言ってくるお前の方が感じ悪いけどな」
雪の女王「本質は歪んでモノを写す鏡だ。カイは頭が良いうえに控えめで優しく、他人を思いやれる少年だったからこそ、今はこんなに口が悪い」
カイ「テメェ…俺がキレねぇとでも思ってんのか」
雪の女王「だがカイに場合は元々持っていた知識も得る事への探求心も失っていないし思いやりの心も失っちゃいない、相当感じは悪いがな?」クスクス
カイ「面倒くせぇ…もう諦めた、好きにしやがれ」プイッ
雪の女王「鏡に破片がシンデレラにどこまでの影響を与えたのかは分からない。君達を今も仲間だと思っているかもしれないし思っていないかもしれない、優しい心が残っているかもしれないし完全に失われているのかもしれない。そのあたりは今は何とも言えない」
雪の女王「ただ一つだけ確実なのは鏡の破片は対象の肉体に残留する、という点だ」
ティンカーベル「破片がザンリューする…?それってつまり…どゆこと?」
キモオタ「シンデレラ殿の肉体のどこかに鏡の破片が埋まっている、ということでござるかね?」
雪の女王「あぁ、そう解釈してくれて構わない」
415 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:46:47 ID:xVI
雪の女王「カイの場合…突き刺さった鏡の破片は胸に残留している。彼を悪魔の鏡の魔法から解放するには胸にある破片を取り除く必要がある」
キモオタ「言うには簡単でござるが難しそうでござるな…破片ってごくごく小さな物でござろう?」
雪の女王「そうだな、視認できる大きさではあるが…肉体の中に潜り込んだそれを取り除くのは容易くはない」
キモオタ「ちなみにカイ殿に埋め込まれた鏡の破片は物語的にはどうなるのでござる?」
ティンカーベル「はいはい!私知ってるよ!カイは物語の最後で鏡の破片を取り除かれて元の性格に戻れるんだよね!」
カイ「そうみてぇだな、一応俺がこの先どうなるかは聞いてる」
キモオタ「ほうwwwちなみにどうやってカイ殿は破片を取り除いたのですかな?」
雪の女王「彼には幼なじみのゲルダという少女がいる。ゲルダは村を出て行ったカイを連れ戻すために旅をしているんだが…やがてこの宮殿にたどり着いたゲルダはカイの為に涙を流す」
雪の女王「その涙は冷え切った彼の心を溶かし、胸に残留していた悪魔の鏡の破片を洗い流すんだ。カイは優しくも勇敢なゲルダの愛によって魔法から解き放たれるんだ」
ティンカーベル「くぅ〜!知ってたけど改めて聞くとすんごくロマンチックだよねぇ!私そう言うの大好きだよー!カイも隅に置けないよね!」
カイ「茶化すな。俺のことなんかほっときゃいいのにゲルダの奴無茶しやがって」
キモオタ「しかしおとぎ話に主人公はリア充が多いでござるなぁwww可愛い幼なじみがいる時点で勝ち組なのにしかも好かれているとかwwwカイ殿爆発しろwww」
カイ「しねぇよ。お前が爆散しろ」
416 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:53:32 ID:xVI
雪の女王「だがカイの場合、鏡の破片が洗い流されたのはゲルダに流した涙だったからだと考えるべきだ。シンデレラ同じ方法が通用するとは限らない」
キモオタ「むむう…しかし方法は問わずシンデレラ殿の肉体から破片を取り除けばいいのでござるよね?」
雪の女王「そうだ。だから今その方法を考えても実際の彼女の状況によってはその方法が使えなくなるかもしれない…闇雲に考えるよりも実際の状況を見て適切な手段を選ぶべきだな」
ティンカーベル「そっかぁ…まぁでもとにかく体のどっかにある破片を探して取り除く!これ分かってるだけでも違うよね!」
キモオタ「そうですなwwwこの情報は後ほど皆に伝えておくべきですなwww」
雪の女王「他のおとぎ話を読んでヒントになりそうな物を探すというのも手だな、書庫も自由に出入りしてくれ。役立つ本も多くおいてあるはずだ」
カイ「チッ…俺の安住の地にまた邪魔者が来るって事かよ…」
キモオタ「いやはやwww何から何まですいませんなぁwww助かりますぞwww」
雪の女王「だが折角だ、君達は私に特訓をして貰いたいと言っていたな?ならばまず君たちの力量を見ておきたい」
ティンカーベル「あっ、早速特訓開始!?よっし、頑張るぞ!」
キモオタ「我輩も気合い満タンですぞwwwでは早速頼みますぞwww」
雪の女王「あぁ、時間がないのなら少しでも早く取りかかった方がいいからな、今から特訓を開始する。カイ、すまないがその間に皆の食事の準備をしておいてくれるか?それと客間のベッドメイクもだ」
カイ「面倒だがまぁそれくらいはやってやるよ。つーか特訓するのは良いがよぉ…こいつらの事うっかり殺しちまうなよ?」
雪の女王「フフッ、それは彼ら次第だな。訓練ごときで私に殺されるようならそのときは……その程度だって事だ」
キモティン「えっ」
417 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:59:24 ID:xVI
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
読んでくれてる人本当にありがとう!レス感謝かんしゃ!
高島屋でお土産を買うお千代
次回、実力を見るだけでも容赦しない雪の女王
お楽しみに!
419 :名無しさん@おーぷん :2016/06/13(月)01:39:32 ID:kLP
キモティンwww
420 :名無しさん@おーぷん :2016/06/13(月)03:28:46 ID:2kc
乙!
熱くて甘くてミルクたっぷりの紅茶飲みたくなった
429 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:20:08 ID:bJm
ティンカーベル「あ、あはは!もーっ!二人してそんな物騒なこと言って、私達をビビらせようたってそうはいかないよ!」
キモオタ「まったくですぞwwwこんな場面でジョークをぶっこんでくるとは、女王殿はクールな外見に似合わず相当なジョーク好きのようですなwwwしかしジョークのクオリティにおいてはどうやら我々に分があるようですぞwww」コポォ
ティンカーベル「そうだよね!いくら女王がすんごい魔力持ってるからって特訓でうっかり私達を殺しちゃうなんて、ある訳ないじゃん!嘘っぽすぎてバレバレの冗談だよー!」
キモオタ「もっとリアリティのあるジョークでないと我々をビビらせることなど出来ませんぞwww」コポォ
雪の女王「…なぁカイ、私は今、何か冗談を口にしたか?」
カイ「いいや、冗談を言っているようには聞こえなかったが?」
雪の女王「あぁ、その通りだ。だが彼らの反応を見るにまさかとは思うが…『特訓なのだから命に危険が及ぶはず無い』などと考えているのではないだろうか?」
カイ「いくらなんでもそこまで浅はかじゃないだろう。実戦でないとはいえ『雪の女王』の名を冠するお前を相手に戦うということがどういうことか理解していると思うぞ?」
雪の女王「フフッ、そうだよな。自画自賛になってしまうが私の魔力はおとぎ話の世界でも屈指のものだ、相応の覚悟を持って挑んできていると考えるのは当然だ」フフッ
カイ「あぁ、こいつらも生半可な覚悟で挑んできてるわけねぇだろうぜ。『雪の女王』に挑むということは例えるならば冬を強引に夏に変えようとするようなもんだしな、それこそ命を失う覚悟なんざとっくに済ませてるはずだ」
ティンカーベル「…キモオタ、これ多分ガチの奴だよ!うっかりすると死ぬ奴だよ!?」ヒソヒソ
キモオタ「確かにこれはやばいでござるな…ある程度の覚悟はしていたでござるが、まさかこれほどとは…」
ティンカーベル「怖いけどこうなったらやるしかないよね!でもさ特訓だといっても二人対一人なんて卑怯だからまずはキモオタが犠牲n…じゃなかったキモオタが先陣を切っていく感じでいこう」ヒソヒソ
キモオタ「ずるいですぞwwwここはもう覚悟決めてお互いが死なないように立ち回るしかありますまいwww」ヒソヒソ
430 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:22:00 ID:bJm
雪の女王「…何かヒソヒソと相談しているようだが、どうする?やはり特訓は中止にするか?」
キモオタ「いやいやwww我々は力を付けねばならぬ理由があるのでwww故に特訓お願いしますぞwww」
雪の女王「死を覚悟しての選択、そう判断して構わないな?」
キモオタ「それは正直微妙なところでござるなwwwとはいえここで死を回避しても、弱いままならアリス殿に殺されるでござろうしなwwwまぁ死に物狂いでやれば大丈夫でござろうwww」
ティンカーベル「まぁぶっちゃけあんな言い方されたらすんごい怖いけどね!」
キモオタ「ちょwww直球wwwティンカーベル殿の魂の叫びがwww」
ティンカーベル「でも口ばっかりでいざ戦うとなったら怖いから止めますー、なんて言ってたらマッチ売りちゃんも草葉の陰で苦笑いだよ!っていうかいっとくけど私だってそう簡単にはやられないよ!」フンス
キモオタ「そうですなwwwと言うわけで女王殿、改めてよろしく頼むでござるwww」
雪の女王「いいだろう、とはいえこの宮殿には特訓に耐えうるような場所が存在しない。少し時間を貰おうか、今から戦いに相応しい場を生成しよう」
キモオタ「なんとwww専用の空間を造るとはwwwなんだか手を煩わせてしまって申し訳ないですなwww」
雪の女王「構わないよ、私も君たちの覚悟に応えねばな。そうだな…二十分後に宮殿の前に来てくれ、もちろん戦いの準備を済ませておくように。行くぞ、カイ」
カイ「あぁ。ティーセットはあとで片すからそのままにしておいて構わないぜ、せいぜい死なない準備をしておくんだな」フフッ
キモオタ「また不穏なことを言い残しておきましたなwwwとりあえず準備して行きますかなwww」コポォ
ティンカーベル「そだね、それに前向きに考えたらこれはむしろラッキーだよ!女王を相手に善戦できたらアリス相手でもそんなに苦戦しないって事の証明にもなるしさ!そう思うことにした!」
キモオタ「ほうwwwそれは確かにwwwならばここは是が非でも善戦して、アリス殿との決戦の前に箔をつけておきたいですなwww」
431 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:24:56 ID:bJm
女王の宮殿 宮殿前の雪原
雪の女王「この辺りにしよう。建造物クラスの大物を生成するのは久しぶりだ、シンプルで強度を重視したいところだが…さてどんなデザインにするかな」フフッ
パキパキ…ズゴゴゴゴ
カイ「良かったのか?あいつ等に本当のことを言わなくても」
女王「あぁ、別になんの問題もないだろう。嘘をついているわけでも騙しているわけでもないのだから」
カイ「まぁそうだけどよ…俺は解ってるんだぜ?さっきのはあいつ等を鼓舞するための虚言。俺もそれを察したからあいつ等をちょっとビビらせてやろうと口裏を合わせたんだしな」
雪の女王「まぁそうだな。甘えさせるつもりなど毛頭ないが私が本気を出せば…いや、半分の力でさえ二人とも一瞬で氷の欠片になる。あくまで特訓なんだから彼等を殺してしまっては何にもならない」
雪の女王「私は当然、適度に力のセーブをする。だがそれを前もって言ってしまうと…彼等に体は意識的にしろ無意識にしろ自分はどうせ死なないと慢心した動きになってしまう」
カイ「まぁ、そうかもな。んなことじゃあいくら特訓しても実戦で役に立てるとは思えねぇ」
雪の女王「だから少し、容赦のない女王を演じてみたのさ。彼等はブラフや話術に長けていると聞いていたから見破られるかとも思ったが私の演技もなかなかということだな」フフッ
カイ「調子に乗るんじゃねぇよ。でもよ…その、なんだ…」
雪の女王「どうした?何か気になることでもあるのか?」
カイ「それであいつ等は強くなれるかもしれねぇけど、お前の評判は悪くなるんじゃねぇか?少なくともあいつ等には容赦のない厳しい女だって思われるかもしれないんだぜ?」
雪の女王「なんだなんだ?私のことを心配してくれるのか?可愛い奴め、抱きしめてやるから近くに来なさい」フフッ
カイ「断る。デカい建物造るのは久しぶりなんだろ、集中しろ。それに心配なんかしてねぇよ、俺はヘンゼル達と違ってお前に懐いてるわけじゃねぇからな」
雪の女王「それは寂しいな。だが安心すると良い、君をさらったのは私なんだ。君に気苦労をかけるようなことはしないさ」
カイ「そうかよ。まぁお前のせいで俺が割を食う事になっても俺はどうとも思わねぇけどな。だからお前の好きにしろ」フイッ スタスタ
雪の女王「フフッ、まったく素直じゃないなカイは」クスクス
432 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:27:06 ID:bJm
二十分後
雪の女王の宮殿前
ドーンッ
キモオタ「ちょwww先程までだだっ広い雪原だったはずの空間にwww巨大な建物がwww」コポォ
ティンカーベル「わーっ…これはすごい。あれだね、現実世界の体育館?あんな感じだね、規模はこっちの方が全然おっきいけど」
キモオタ「これはもはや東京ドーム一個分ですぞwww我輩、スポーツ興味ない故に実物見たことも大きさも知らないでござるけどwww」コポォ
雪の女王「フフッ、お気に召したか?もう少し時間があれば装飾にもこだわりたかったがな。だが強度には自信がある、広さも十分だろう?」
キモオタ「十分すぎますなwwwこれだけ広ければコミケとか開催できますぞwww」コポォ
ティンカーベル「こんな凄い氷の建物、私達の特訓のためだけに造ってもらって悪いなぁ…」
雪の女王「君達が有効に活用してくれることが何よりの労いだ。くれぐれも私に瞬殺されないようにな?」ニコッ
キモオタ「ここまでしてくれる優しさを持ちつつも容赦ないwww女王殿はこういう場面だとスパルタでござるなぁwww」ヒソヒソ
ティンカーベル「優しいけど厳しいってヘンゼル達口を揃えて言ってたしね」ヒソヒソ
キモオタ「そう言えばそうでしたなwwwアメとムチというやつですなwww我輩としてはアメよりポテチがいいのでござるがwww」
雪の女王「さぁ、無駄口を叩いていないで始めるぞ。時間が惜しいんだろう?」
433 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:30:32 ID:bJm
女王の氷ドーム(仮称)内部
ティンカーベル「おぉーっ!中はあんまり寒くないね!」
キモオタ「というか外が寒すぎなのでござるよwww吹雪とかやばいでござるからなwww」
ティンカーベル「それにしても天井は高いしとにかく広いし…これが氷だけで出来ててしかも二十分くらいで造っちゃったとか圧巻だねぇ…」
キモオタ「宅配ピザが家に届くより早いですからなwww」コポォ
雪の女王「まずは君達の力量を計りたい。だから今回は遮蔽物を一切造っていない、今後必要ならば追加で設置していこう」スタスタ
キモオタ「力量を計るといっても…いったい何をするのでござるかな?」
雪の女王「難しいことじゃない。君たち二人で私を倒すつもりでかかってくればいいだけだ。どんな手段を使っても構わない」スタスタ
ティンカーベル「魔法具とか妖精の粉とか…なんでも?どうなったら終わりになるの?」
雪の女王「基本的には降参をするか意識を失ったらそこで終了だ。私に遠慮はいらないから全力出来てくれ。…っと、最初はこれくらい距離をとって対峙しようか」スタスタ
ティンカーベル「結構距離とったね…まぁ私はスリングショット使いだから距離はあった方がいいけど!」
キモオタ「ルールは分かりましたぞwwwとはいえ…本当に全力でもいいのでござるか?我輩のおはなしサイリウムの能力は攻撃特化も多いでござるし、女王殿を怪我させてしまう可能性もありますぞ?」
雪の女王「聞いていたとおり、君はキモいが優しい男だな。だが、手の内を晒すのは頂けない。私が全力で来いと言ったんだ、君は自分の持てる力を余すことなく使えばいい」
雪の女王「さぁ…それじゃあ特訓開始だ」スッ
キティンカーベル「ちょっと待って…!自惚れてもないし女王の凄さも分かってるけどさ、でもそれで女王に怪我なんかさせたら…」
雪の女王「私は『開始』だと言ったんだぞ。既に戦闘は始まっている」ヒュッ
ビュッ
キモオタ「ファッ!?…女王殿が一気に距離を詰めてきましたぞ!?」ブヒッ
雪の女王の声「さぁすぐに敵を見据えろ。相手の心配をしているほど、君達に余裕はないはずだぞ?」
435 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:32:31 ID:bJm
ティンカーベル「うわー!マズいよキモオタ!結構距離あったから安心してたけど、あのスピードだと一瞬で距離詰められちゃう!」
キモオタ「初っ端から距離を詰められるのは避けたいですな…。ここはシンデレラ殿との絆の力で一旦離れて距離を取り直しますぞ!」フリフリフリ
おはなしサイリウム「コード認識完了『シンデレラ』 魔法発現状態へ移行……モード『step』」
キモオタ「ここはガラスの靴の如き瞬足で一気に距離を取るでごz…ぶひぃぃぃっ!」ビターンッ!
ティンカーベル「あっ!キモオタが盛大に転んだ!もう!普段運動しないからこうなるんだよ!」プンスカ
キモオタ「いや、運動不足が原因ではないですぞ!?我輩の靴が…床に縫いつけられてるでござる!」パキパキパキ
ティンカーベル「本当だ!いつの間に…っていうかこんなに距離があるのに!」
雪の女王「状況分析も良いが打開策を生み出せなければ無駄に終わってしまうぞ?」パキパキパキ…スラッ
キモオタ「女王殿が氷の槍を生成しましたぞ…!あんなもので貫かれては一溜まりもありませんぞ!」
ティンカーベル「急いで氷を床ごと壊そう!赤鬼の金棒なら出来るでしょ!?」
キモオタ「しかし、破壊したところで床を移動していてはまた張り付けられてしまうのでは…んっ?これは…」
ティンカーベル「ぶつぶつ言ってないで早くなんとかしよ!じゃなきゃ動けないキモオタとかただの気持ち悪い的だよ!」
キモオタ「ティンカーベル殿!我輩に妖精の粉を!」
ティンカーベル「!? わかった!でも妖精の粉じゃ氷を壊せないよ!?」
ファサー
キモオタ「問題ありませんぞ!凍りつけられていたのは靴の部分のみ!靴を脱げばこの通り脱出可能ですぞぉぉ!」バッ
436 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:34:02 ID:bJm
雪の女王「危ないところだったなキモオタ。二人が随分と慌てているから私が凍らせているのが靴の部分だけだという事に気がつかないと思ったぞ」フフッ
キモオタ「間一髪でござったけどね、思ったより我輩の脳味噌は冷静だったでござる」フワフワ
ティンカーベル「でもラッキーだったね!女王がうっかりしてて!足ごと凍り付かせてたら完全にアウトだったもんね!」
キモオタ「いや…女王殿がそんなミスをしますかな?これはおそらく敢えて靴だけ凍らせたでござる、我々に対抗手段を残すために」ヒソヒソ
ティンカーベル「そっか、私達の力量を計るって言ってたし…冷静に対処できるかどうか見てたんだね!」ヒソヒソ
キモオタ「恐らく。あのまま氷を壊して逃げても床に面している以上同じ事の繰り返しでござるしな」ヒソヒソ
雪の女王「冷静でいたことは誉めてやろう。だが反撃の好機をお喋りで無為にするのは愚策だな。お前たちが空中に逃げることを私が予測していたとしたらどうする?」パキパキパキ
ティンカーベル「氷柱だ!女王の周りに氷柱!あれこっちに飛ばしてくる奴だよ!どうする!?」
キモオタ「回避か防御…ですぞ!しかし回避するにしてもあれがホーミングしてこないという確証はないでござるし、防御も方法を間違えれば不利に…なんとか戦いの流れを掴まねば…」
雪の女王「考えていても流れなど掴めないぞ?とにかく行動しなければな。さぁ…こっちは射出準備完了したことだし、アドバイスはここまでだ」スッ
ティンカーベル「キモオタ!どうすんの!?もっと高く飛んで届かないとこまで行く!?」
キモオタ「射程距離が分からない以上…ここは防御アンド作戦タイムですぞ!ティンカーベル殿、我輩の側へ!」フリフリフリ
雪の女王「回避は諦めて防御に徹するか?だがこの氷柱は生半可なものではないぞ?」フフッ
ビュビュビュビュッ
437 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:36:31 ID:bJm
おはなしサイリウム「コード認識完了『ラプンツェル』 魔法発現状態へ移行……モード『tower』」ドォォォォォッ
ガキガキガキィィンッ
雪の女王「【ラプンツェル】の塔か…護るべき者を覆う強固な壁、あの氷柱で打ち破れないところを見るに相当な強度のようだ」スッ
雪の女王「天井…全ての方向の壁どこをとっても隙がない。大方時間稼ぎをして作戦をたてようという算段だろうが…そうはさせない」
雪の女王「塔が一切の攻撃を寄せ付けないのなら…狙うべきは塔の根元、地面を抉ってやればいい」スッ
パキパキパキ…ズゴォッ!!
雪の女王「どの様な強固な建造物も崩れた地面に建ち続けることは出来ない。そして崩れゆく建物周辺で一番危険なのは…その内部だ」
パキパキパキズゴォッ! ゴゴゴゴゴ
雪の女王「塔が崩れるとなれば君達も逃げ出すしかない。そう、私の目の前にな」
ゴゴゴゴゴ ズゥゥゥン
雪の女王(容易く崩せた…?何か策があると考えたが買いかぶりだったか…?あるいは瓦礫に紛れて攻撃するつもりか?)
雪の女王「まぁ良い、まずは私の吹雪で瓦礫を一掃して……」
キモオタ「そおおぉぉい!ティンカーベル殿!今ですぞぉ!塔の崩壊に乗じた奇襲を受けて見ろでござるぅー!」シュッ
ティンカーベル「まっかせてぇぇー!奇襲からのゼロ距離射撃だよぉぉ!!」ピューン
雪の女王「やはり瓦礫の陰からの奇襲か。だがなティンカーベル、近距離から私を撃つというのは良い作戦だが…それをバラしてしまっては意味がない、君の動きを注視すれば容易く避けられるのだから」スッ
ティンカーベル「そうだよね!私のことをしっかり見てればいいと思うよ!」ニヤニヤ
シュッ
雪の女王「マッチ…!あぁやられたな、大声で作戦をバラしていたのは陽動。本命はマッチ売りの魔法具か」フフッ
ティンカーベル「私の動きを注意して見てたんなら絶対にマッチの炎が視界に入るもんね!これで戦いの流れを掴み取るよー!」
438 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:39:42 ID:bJm
キモオタ「ティンカーベル殿!グッジョブですぞwwwここまでは作戦通り、ブラフに煽りに嘘八百!それが我々のバトルスタイルですぞ!女王殿!」
ティンカーベル「きっとこの幻見たら女王は降参するよ!とんでもない地獄絵図だからね!」フンスッ
雪の女王「戦いの最中に勝利を確信する輩というのはほとんどの場合敗北するものだぞ?まぁ、良い…君私が見る幻覚は一体何なんだろうな、少々楽しみだ」クスクス
キモオタ「ドゥフフwwwこれは以前の戦いの場で失策だったものの再利用でござるが…今回はうまくいくでござろうなwww」コポォ
ワラワラワラワラワラワラ
キモオタ2「そうですなwww我々の渾身の策を受けてみよですぞwww」コポォ
キモオタ39「しかしこの人数www幻覚見せるってレベルじゃねぇぞwww」コポォ
キモオタ273「いやいやwww我輩はオタクじゃありませんぞwwwただのアニメファンでしてwww」
キモオタ485「貴様は〜wwwだから2ちゃんねるでwwwバカにされるというのだwww」ドゥフコポォ
キモオタ873「ぐえぇぇwww悪霊退散www悪霊退散www」シュシュッ
コポォコポォドゥフドゥフ
雪の女王「キモオタ、ティンカーベル…これは何事だ?」
ティンカーベル「戦闘で適わないなら精神攻撃!マッチ売りちゃんのマッチのおかげで今ここは考え得る限り最悪な空間と化したんだからね!」フンスッ
キモオタ本体「ドゥフフwwwこれぞ雪の女王殿を打ち破る必殺の策略!約千人の我輩が溢れかえるキモい空間に耐えられますかなwww」コポォ
分身キモオタ(およそ1000人)「ちょwww自分でキモイとかwwwクッソワロタwww」ドゥフコポォ
雪の女王「だが単なる思いつきや気まぐれで私の所へ来たわけではないんだろう?何か理由があって…近々アリスとの戦いを予感している、だからこそ急にやってきて私に協力を求めた。そうだろう?」
キモオタ「いやはや、まったくその通りでござるよwww我々には時間があまり無いのでござる、故に特訓するならば濃密な物にしたいのですぞ。そこで強力な魔力を持つ女王殿を頼ったわけでござる」
ティンカーベル「あのね、実は三日後に私達はみんなと一緒にアリスの世界に乗り込むことになってるんだ」
雪の女王「三日後とは随分と急だな」
カイ「アリスは今回の騒ぎの元凶なんだろ?【不思議の国のアリス】はアリスの領域、乗り込んでいくなんてのは危険過ぎやしねぇか?」
キモオタ「それは百も承知なのでござるが…我々にとっては避けられない戦いなのでござるよ」
雪の女王「何か事情があるというのだな。聞かせて貰おう、何故こうも急にアリスの世界への突入を決断したのかを。他にも私に用があると言うのならばそれも併せて聞いておこう」
ティンカーベル「うん、でもどっから話そうかな…ねぇキモオタ?」
キモオタ「女王殿もご存じの通り、我々はおとぎ話の世界に起きた異変をなんとかするべく…そして世界の消滅を防ぐべく様々な世界を旅しているでござる」
女王「あぁ、そしてその異変の元凶がアリスだと判明した今、彼女を止める事を目標にして動いている。君も、そして私もな」
キモオタ「そうですな、そして我々はその旅の途中で多くの人々と出会い、アリス殿の企みを阻止するという同じ目的を掲げる仲間と出会うことが出来たのでござる」
ティンカーベル「シンデレラの事は知ってるよね?シンデレラも私達の友達で一緒に戦ってくれるはずだったんだけど…今はアリスに連れ去られちゃって、あいつらの世界にいるんだ」
雪の女王「つまり人質ということか?」
キモオタ「なんと言えばいいのか…我々が得た情報によるとシンデレラ殿は以前とは別人のようだったらしいでござる。アリス殿の元で戦っている姿が確認されてましてな…それが強要されたのものなのか、あるいは」
キモオタ「何らかの魔法具による洗脳や精神操作…シンデレラ殿はそういった類の魔法の被害にあっていると我々は考えているのでござる」
411 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:29:29 ID:xVI
女王「……精神に干渉する魔法具、か」スッ
キモオタ「女王殿…?何か心当たりがあるのですかな?」
カイ「心当たりも何も…アリスに連れ去られたシンデレラが別人のようになっちまったってなら、間違いなく……」
女王「キモオタ、ティンカーベル。どうやら私は、君達に謝罪をしなければならないようだ」
ティンカーベル「えっ?女王が私達に?なんで?別に何もされてないよね?」
キモオタ「どう言うことですかな女王殿?理由を話していただきたいのでござるが…」
雪の女王「君達も存在は知っているはずだ。この【雪の女王】の世界にはある一つの魔法具が存在する。悪魔が作り出した鏡…砕け散って破片になった今でも魔法の力は失われていない、悪魔の鏡の破片だ」
ティンカーベル「あっ!そうそう思い出した!前に白鳥にも言ったけどさ、私ね魔法具の材料にするためにその悪魔の鏡の破片が欲しいの!なんか催促するみたいになっちゃうけど…それって今すぐ手には入らないかな?」
雪の女王「あぁ聞いている、そのことも君に言わなければいけないと思っていた。だが…今、この世界に悪魔の鏡の破片は存在しない。君に譲ることも当然出来ない」
ティンカーベル「えぇっ!?それって前はあったってことだよね!?」
雪の女王「あぁ、以前は存在した。悪魔とは言うが彼等はおとぎ話の事情を知る味方、強い力を持つ連中だから鏡に破片の保管も彼らに任していたが……私が留守にしている間アリスの襲撃にあった悪魔達は鏡の破片を奪われた」
キモオタ「なん…ですと…!悪魔の鏡の破片を奪われたですと…!」
412 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:33:20 ID:xVI
雪の女王「本来アリスは私を消すためにこの世界へ来たのだろう、だが不在だったため侵入者に気がついた悪魔達がアリスを迎え撃ったが……返り討ちにされてしまった」
雪の女王「何匹もの悪魔がやられ、一部の土地は彼女の攻撃の爪痕を残したままになっている。だが幸いなことに物語の筋に影響は無く、悪魔達の奮闘のおかげで物語が消滅することなく彼女を追い返した。だが…」
キモオタ「その時、いくつかに破片を奪われてしまったという事ですな…?」
雪の女王「その通りだ。アリスは去り際に彼等から悪魔の鏡の破片を奪っていった。それは決して…奪われても良いものではなかった」
雪の女王「同じ過ちを繰り返さないため、残った破片は私が処分した。同時に破片の奪還のために白鳥や親指姫に【不思議の国のアリス】の偵察を命じたが…それを取り返すことは適わなかった。予想以上に強固な守りだったからだ」
ティンカーベル「じゃあアリスは悪魔の鏡の破片を持っているって事だよね?あいつが強い魔力を持ってる破片を手放すわけ無いもん…」
雪の女王「…すまない、君たちには一番に伝えるべきだった。だが…余計な不安を与えることも避けたかった、だから私は君たちには伝えずこちらで解決しようと思っていたが…」
カイ「アリスにさらわれたシンデレラがどうやら精神に干渉されてるってなると…もうそんな事も言っていられないがな」
雪の女王「あぁ、悪魔の鏡の破片は…人間に使えば対象の精神に干渉し…性格をねじ曲げることが出来る恐ろしい魔法具だ。そしてシンデレラは恐らくその鏡の破片によって…性格を変化させられている。好戦的な性格にな」
キモオタ「なんという…!」
雪の女王「本当にすまない。全てに責任は私にある、鏡の破片の管理が行き届いていなかったこと…そしてあろうことかそれをアリスに奪われてしまったこと」
雪の女王「そしてその破片によって君たちの大切な仲間を危険にさらしてしまった事…悔やんでも悔やみきれない。私は許されざるミスを犯してしまった」
413 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:37:11 ID:xVI
雪の女王「実に情けない話だ。アリスの企みを阻止するなどと言っておきながら、隙をつかれて魔法具を奪われてしまうなど…」
ティンカーベル「確かにやばいしシンデレラが鏡の破片を使われちゃってるならすごく心配だけど…でも悪いのはアリスで女王は悪くないよ!気にすることないって!」
キモオタ「そうですな、それに済んだことですぞ。起きてしまった以上責任の所在などどうだっていいでござる、むしろシンデレラ殿の精神に干渉している魔法具が悪魔の鏡の破片だと断定できるのだとすれば対策も立てやすいでござるよ!」
ティンカーベル「確かにそだね!どうやったらシンデレラを元に戻せるのか分かるわけだし、ポジティブに行くしかないよ!気持ちで負けてたら勝てないし!」
キモオタ「そうですなwww対策さえ分かっていれば魔法具だろうがなんだろうがなんとでもなりますぞwww」コポォ
雪の女王「…君達は随分と前向きだな、悩んでいた私がバカバカしく思える程にな」フフッ
キモオタ「ドゥフフwwwトラブルと遊ぶヤンチャボーイですからな我々www悩んでも仕方ないことは悩まないwww」コポォ
カイ「ただ脳天気なだけだろお前等は」
ティンカーベル「私は違うよ、私はね!まぁキモオタは何にも考えてない脳天気マンだけど」
キモオタ「ちょwww自分ばっかりずるいですぞお主www」コポォ
雪の女王「フフッ、少々胸が軽くなった。だが不甲斐ない姿をさらした事へのケジメはつけるつもりだ、当然君たちへの協力は惜しまない。何でも言うといい」
キモオタ「そいつは助かりますなwwwでは早速シンデレラ殿を脅かしている悪魔の鏡の破片について詳しく聞きたいでござるwww」コポォ
雪の女王「あぁ、シンデレラを救う上で重要になってくるものな。そうだな、丁度ここに悪魔の鏡の破片の影響を受けている少年がいるわけだが…」
カイ「…んだよ俺を説明に使うんじゃねぇよ。ったく、俺も好きで魔法具の影響受けてる訳じゃねぇんだぞ」
414 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:42:22 ID:xVI
雪の女王「先ほど少し話したが悪魔の鏡の破片は対象の性格を変化させる魔法具だ」
キモオタ「ふむ、優しいシンデレラ殿が好戦的になってしまったように…でござるな」
ティンカーベル「じゃあ今は口が悪くてちょっと感じも悪いカイは元々は優しくて可愛らしい少年だったって事だね?」
カイ「感じ悪いとか言ってくるお前の方が感じ悪いけどな」
雪の女王「本質は歪んでモノを写す鏡だ。カイは頭が良いうえに控えめで優しく、他人を思いやれる少年だったからこそ、今はこんなに口が悪い」
カイ「テメェ…俺がキレねぇとでも思ってんのか」
雪の女王「だがカイに場合は元々持っていた知識も得る事への探求心も失っていないし思いやりの心も失っちゃいない、相当感じは悪いがな?」クスクス
カイ「面倒くせぇ…もう諦めた、好きにしやがれ」プイッ
雪の女王「鏡に破片がシンデレラにどこまでの影響を与えたのかは分からない。君達を今も仲間だと思っているかもしれないし思っていないかもしれない、優しい心が残っているかもしれないし完全に失われているのかもしれない。そのあたりは今は何とも言えない」
雪の女王「ただ一つだけ確実なのは鏡の破片は対象の肉体に残留する、という点だ」
ティンカーベル「破片がザンリューする…?それってつまり…どゆこと?」
キモオタ「シンデレラ殿の肉体のどこかに鏡の破片が埋まっている、ということでござるかね?」
雪の女王「あぁ、そう解釈してくれて構わない」
雪の女王「カイの場合…突き刺さった鏡の破片は胸に残留している。彼を悪魔の鏡の魔法から解放するには胸にある破片を取り除く必要がある」
キモオタ「言うには簡単でござるが難しそうでござるな…破片ってごくごく小さな物でござろう?」
雪の女王「そうだな、視認できる大きさではあるが…肉体の中に潜り込んだそれを取り除くのは容易くはない」
キモオタ「ちなみにカイ殿に埋め込まれた鏡の破片は物語的にはどうなるのでござる?」
ティンカーベル「はいはい!私知ってるよ!カイは物語の最後で鏡の破片を取り除かれて元の性格に戻れるんだよね!」
カイ「そうみてぇだな、一応俺がこの先どうなるかは聞いてる」
キモオタ「ほうwwwちなみにどうやってカイ殿は破片を取り除いたのですかな?」
雪の女王「彼には幼なじみのゲルダという少女がいる。ゲルダは村を出て行ったカイを連れ戻すために旅をしているんだが…やがてこの宮殿にたどり着いたゲルダはカイの為に涙を流す」
雪の女王「その涙は冷え切った彼の心を溶かし、胸に残留していた悪魔の鏡の破片を洗い流すんだ。カイは優しくも勇敢なゲルダの愛によって魔法から解き放たれるんだ」
ティンカーベル「くぅ〜!知ってたけど改めて聞くとすんごくロマンチックだよねぇ!私そう言うの大好きだよー!カイも隅に置けないよね!」
カイ「茶化すな。俺のことなんかほっときゃいいのにゲルダの奴無茶しやがって」
キモオタ「しかしおとぎ話に主人公はリア充が多いでござるなぁwww可愛い幼なじみがいる時点で勝ち組なのにしかも好かれているとかwwwカイ殿爆発しろwww」
カイ「しねぇよ。お前が爆散しろ」
416 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:53:32 ID:xVI
雪の女王「だがカイの場合、鏡の破片が洗い流されたのはゲルダに流した涙だったからだと考えるべきだ。シンデレラ同じ方法が通用するとは限らない」
キモオタ「むむう…しかし方法は問わずシンデレラ殿の肉体から破片を取り除けばいいのでござるよね?」
雪の女王「そうだ。だから今その方法を考えても実際の彼女の状況によってはその方法が使えなくなるかもしれない…闇雲に考えるよりも実際の状況を見て適切な手段を選ぶべきだな」
ティンカーベル「そっかぁ…まぁでもとにかく体のどっかにある破片を探して取り除く!これ分かってるだけでも違うよね!」
キモオタ「そうですなwwwこの情報は後ほど皆に伝えておくべきですなwww」
雪の女王「他のおとぎ話を読んでヒントになりそうな物を探すというのも手だな、書庫も自由に出入りしてくれ。役立つ本も多くおいてあるはずだ」
カイ「チッ…俺の安住の地にまた邪魔者が来るって事かよ…」
キモオタ「いやはやwww何から何まですいませんなぁwww助かりますぞwww」
雪の女王「だが折角だ、君達は私に特訓をして貰いたいと言っていたな?ならばまず君たちの力量を見ておきたい」
ティンカーベル「あっ、早速特訓開始!?よっし、頑張るぞ!」
キモオタ「我輩も気合い満タンですぞwwwでは早速頼みますぞwww」
雪の女王「あぁ、時間がないのなら少しでも早く取りかかった方がいいからな、今から特訓を開始する。カイ、すまないがその間に皆の食事の準備をしておいてくれるか?それと客間のベッドメイクもだ」
カイ「面倒だがまぁそれくらいはやってやるよ。つーか特訓するのは良いがよぉ…こいつらの事うっかり殺しちまうなよ?」
雪の女王「フフッ、それは彼ら次第だな。訓練ごときで私に殺されるようならそのときは……その程度だって事だ」
キモティン「えっ」
417 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/13(月)00:59:24 ID:xVI
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
読んでくれてる人本当にありがとう!レス感謝かんしゃ!
高島屋でお土産を買うお千代
次回、実力を見るだけでも容赦しない雪の女王
お楽しみに!
419 :名無しさん@おーぷん :2016/06/13(月)01:39:32 ID:kLP
キモティンwww
420 :名無しさん@おーぷん :2016/06/13(月)03:28:46 ID:2kc
乙!
熱くて甘くてミルクたっぷりの紅茶飲みたくなった
429 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:20:08 ID:bJm
ティンカーベル「あ、あはは!もーっ!二人してそんな物騒なこと言って、私達をビビらせようたってそうはいかないよ!」
キモオタ「まったくですぞwwwこんな場面でジョークをぶっこんでくるとは、女王殿はクールな外見に似合わず相当なジョーク好きのようですなwwwしかしジョークのクオリティにおいてはどうやら我々に分があるようですぞwww」コポォ
ティンカーベル「そうだよね!いくら女王がすんごい魔力持ってるからって特訓でうっかり私達を殺しちゃうなんて、ある訳ないじゃん!嘘っぽすぎてバレバレの冗談だよー!」
キモオタ「もっとリアリティのあるジョークでないと我々をビビらせることなど出来ませんぞwww」コポォ
雪の女王「…なぁカイ、私は今、何か冗談を口にしたか?」
カイ「いいや、冗談を言っているようには聞こえなかったが?」
雪の女王「あぁ、その通りだ。だが彼らの反応を見るにまさかとは思うが…『特訓なのだから命に危険が及ぶはず無い』などと考えているのではないだろうか?」
カイ「いくらなんでもそこまで浅はかじゃないだろう。実戦でないとはいえ『雪の女王』の名を冠するお前を相手に戦うということがどういうことか理解していると思うぞ?」
雪の女王「フフッ、そうだよな。自画自賛になってしまうが私の魔力はおとぎ話の世界でも屈指のものだ、相応の覚悟を持って挑んできていると考えるのは当然だ」フフッ
カイ「あぁ、こいつらも生半可な覚悟で挑んできてるわけねぇだろうぜ。『雪の女王』に挑むということは例えるならば冬を強引に夏に変えようとするようなもんだしな、それこそ命を失う覚悟なんざとっくに済ませてるはずだ」
ティンカーベル「…キモオタ、これ多分ガチの奴だよ!うっかりすると死ぬ奴だよ!?」ヒソヒソ
キモオタ「確かにこれはやばいでござるな…ある程度の覚悟はしていたでござるが、まさかこれほどとは…」
ティンカーベル「怖いけどこうなったらやるしかないよね!でもさ特訓だといっても二人対一人なんて卑怯だからまずはキモオタが犠牲n…じゃなかったキモオタが先陣を切っていく感じでいこう」ヒソヒソ
キモオタ「ずるいですぞwwwここはもう覚悟決めてお互いが死なないように立ち回るしかありますまいwww」ヒソヒソ
430 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:22:00 ID:bJm
雪の女王「…何かヒソヒソと相談しているようだが、どうする?やはり特訓は中止にするか?」
キモオタ「いやいやwww我々は力を付けねばならぬ理由があるのでwww故に特訓お願いしますぞwww」
雪の女王「死を覚悟しての選択、そう判断して構わないな?」
キモオタ「それは正直微妙なところでござるなwwwとはいえここで死を回避しても、弱いままならアリス殿に殺されるでござろうしなwwwまぁ死に物狂いでやれば大丈夫でござろうwww」
ティンカーベル「まぁぶっちゃけあんな言い方されたらすんごい怖いけどね!」
キモオタ「ちょwww直球wwwティンカーベル殿の魂の叫びがwww」
ティンカーベル「でも口ばっかりでいざ戦うとなったら怖いから止めますー、なんて言ってたらマッチ売りちゃんも草葉の陰で苦笑いだよ!っていうかいっとくけど私だってそう簡単にはやられないよ!」フンス
キモオタ「そうですなwwwと言うわけで女王殿、改めてよろしく頼むでござるwww」
雪の女王「いいだろう、とはいえこの宮殿には特訓に耐えうるような場所が存在しない。少し時間を貰おうか、今から戦いに相応しい場を生成しよう」
キモオタ「なんとwww専用の空間を造るとはwwwなんだか手を煩わせてしまって申し訳ないですなwww」
雪の女王「構わないよ、私も君たちの覚悟に応えねばな。そうだな…二十分後に宮殿の前に来てくれ、もちろん戦いの準備を済ませておくように。行くぞ、カイ」
カイ「あぁ。ティーセットはあとで片すからそのままにしておいて構わないぜ、せいぜい死なない準備をしておくんだな」フフッ
キモオタ「また不穏なことを言い残しておきましたなwwwとりあえず準備して行きますかなwww」コポォ
ティンカーベル「そだね、それに前向きに考えたらこれはむしろラッキーだよ!女王を相手に善戦できたらアリス相手でもそんなに苦戦しないって事の証明にもなるしさ!そう思うことにした!」
キモオタ「ほうwwwそれは確かにwwwならばここは是が非でも善戦して、アリス殿との決戦の前に箔をつけておきたいですなwww」
431 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:24:56 ID:bJm
女王の宮殿 宮殿前の雪原
雪の女王「この辺りにしよう。建造物クラスの大物を生成するのは久しぶりだ、シンプルで強度を重視したいところだが…さてどんなデザインにするかな」フフッ
パキパキ…ズゴゴゴゴ
カイ「良かったのか?あいつ等に本当のことを言わなくても」
女王「あぁ、別になんの問題もないだろう。嘘をついているわけでも騙しているわけでもないのだから」
カイ「まぁそうだけどよ…俺は解ってるんだぜ?さっきのはあいつ等を鼓舞するための虚言。俺もそれを察したからあいつ等をちょっとビビらせてやろうと口裏を合わせたんだしな」
雪の女王「まぁそうだな。甘えさせるつもりなど毛頭ないが私が本気を出せば…いや、半分の力でさえ二人とも一瞬で氷の欠片になる。あくまで特訓なんだから彼等を殺してしまっては何にもならない」
雪の女王「私は当然、適度に力のセーブをする。だがそれを前もって言ってしまうと…彼等に体は意識的にしろ無意識にしろ自分はどうせ死なないと慢心した動きになってしまう」
カイ「まぁ、そうかもな。んなことじゃあいくら特訓しても実戦で役に立てるとは思えねぇ」
雪の女王「だから少し、容赦のない女王を演じてみたのさ。彼等はブラフや話術に長けていると聞いていたから見破られるかとも思ったが私の演技もなかなかということだな」フフッ
カイ「調子に乗るんじゃねぇよ。でもよ…その、なんだ…」
雪の女王「どうした?何か気になることでもあるのか?」
カイ「それであいつ等は強くなれるかもしれねぇけど、お前の評判は悪くなるんじゃねぇか?少なくともあいつ等には容赦のない厳しい女だって思われるかもしれないんだぜ?」
雪の女王「なんだなんだ?私のことを心配してくれるのか?可愛い奴め、抱きしめてやるから近くに来なさい」フフッ
カイ「断る。デカい建物造るのは久しぶりなんだろ、集中しろ。それに心配なんかしてねぇよ、俺はヘンゼル達と違ってお前に懐いてるわけじゃねぇからな」
雪の女王「それは寂しいな。だが安心すると良い、君をさらったのは私なんだ。君に気苦労をかけるようなことはしないさ」
カイ「そうかよ。まぁお前のせいで俺が割を食う事になっても俺はどうとも思わねぇけどな。だからお前の好きにしろ」フイッ スタスタ
雪の女王「フフッ、まったく素直じゃないなカイは」クスクス
432 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:27:06 ID:bJm
二十分後
雪の女王の宮殿前
ドーンッ
キモオタ「ちょwww先程までだだっ広い雪原だったはずの空間にwww巨大な建物がwww」コポォ
ティンカーベル「わーっ…これはすごい。あれだね、現実世界の体育館?あんな感じだね、規模はこっちの方が全然おっきいけど」
キモオタ「これはもはや東京ドーム一個分ですぞwww我輩、スポーツ興味ない故に実物見たことも大きさも知らないでござるけどwww」コポォ
雪の女王「フフッ、お気に召したか?もう少し時間があれば装飾にもこだわりたかったがな。だが強度には自信がある、広さも十分だろう?」
キモオタ「十分すぎますなwwwこれだけ広ければコミケとか開催できますぞwww」コポォ
ティンカーベル「こんな凄い氷の建物、私達の特訓のためだけに造ってもらって悪いなぁ…」
雪の女王「君達が有効に活用してくれることが何よりの労いだ。くれぐれも私に瞬殺されないようにな?」ニコッ
キモオタ「ここまでしてくれる優しさを持ちつつも容赦ないwww女王殿はこういう場面だとスパルタでござるなぁwww」ヒソヒソ
ティンカーベル「優しいけど厳しいってヘンゼル達口を揃えて言ってたしね」ヒソヒソ
キモオタ「そう言えばそうでしたなwwwアメとムチというやつですなwww我輩としてはアメよりポテチがいいのでござるがwww」
雪の女王「さぁ、無駄口を叩いていないで始めるぞ。時間が惜しいんだろう?」
433 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:30:32 ID:bJm
女王の氷ドーム(仮称)内部
ティンカーベル「おぉーっ!中はあんまり寒くないね!」
キモオタ「というか外が寒すぎなのでござるよwww吹雪とかやばいでござるからなwww」
ティンカーベル「それにしても天井は高いしとにかく広いし…これが氷だけで出来ててしかも二十分くらいで造っちゃったとか圧巻だねぇ…」
キモオタ「宅配ピザが家に届くより早いですからなwww」コポォ
雪の女王「まずは君達の力量を計りたい。だから今回は遮蔽物を一切造っていない、今後必要ならば追加で設置していこう」スタスタ
キモオタ「力量を計るといっても…いったい何をするのでござるかな?」
雪の女王「難しいことじゃない。君たち二人で私を倒すつもりでかかってくればいいだけだ。どんな手段を使っても構わない」スタスタ
ティンカーベル「魔法具とか妖精の粉とか…なんでも?どうなったら終わりになるの?」
雪の女王「基本的には降参をするか意識を失ったらそこで終了だ。私に遠慮はいらないから全力出来てくれ。…っと、最初はこれくらい距離をとって対峙しようか」スタスタ
ティンカーベル「結構距離とったね…まぁ私はスリングショット使いだから距離はあった方がいいけど!」
キモオタ「ルールは分かりましたぞwwwとはいえ…本当に全力でもいいのでござるか?我輩のおはなしサイリウムの能力は攻撃特化も多いでござるし、女王殿を怪我させてしまう可能性もありますぞ?」
雪の女王「聞いていたとおり、君はキモいが優しい男だな。だが、手の内を晒すのは頂けない。私が全力で来いと言ったんだ、君は自分の持てる力を余すことなく使えばいい」
雪の女王「さぁ…それじゃあ特訓開始だ」スッ
キティンカーベル「ちょっと待って…!自惚れてもないし女王の凄さも分かってるけどさ、でもそれで女王に怪我なんかさせたら…」
雪の女王「私は『開始』だと言ったんだぞ。既に戦闘は始まっている」ヒュッ
ビュッ
キモオタ「ファッ!?…女王殿が一気に距離を詰めてきましたぞ!?」ブヒッ
雪の女王の声「さぁすぐに敵を見据えろ。相手の心配をしているほど、君達に余裕はないはずだぞ?」
435 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:32:31 ID:bJm
ティンカーベル「うわー!マズいよキモオタ!結構距離あったから安心してたけど、あのスピードだと一瞬で距離詰められちゃう!」
キモオタ「初っ端から距離を詰められるのは避けたいですな…。ここはシンデレラ殿との絆の力で一旦離れて距離を取り直しますぞ!」フリフリフリ
おはなしサイリウム「コード認識完了『シンデレラ』 魔法発現状態へ移行……モード『step』」
キモオタ「ここはガラスの靴の如き瞬足で一気に距離を取るでごz…ぶひぃぃぃっ!」ビターンッ!
ティンカーベル「あっ!キモオタが盛大に転んだ!もう!普段運動しないからこうなるんだよ!」プンスカ
キモオタ「いや、運動不足が原因ではないですぞ!?我輩の靴が…床に縫いつけられてるでござる!」パキパキパキ
ティンカーベル「本当だ!いつの間に…っていうかこんなに距離があるのに!」
雪の女王「状況分析も良いが打開策を生み出せなければ無駄に終わってしまうぞ?」パキパキパキ…スラッ
キモオタ「女王殿が氷の槍を生成しましたぞ…!あんなもので貫かれては一溜まりもありませんぞ!」
ティンカーベル「急いで氷を床ごと壊そう!赤鬼の金棒なら出来るでしょ!?」
キモオタ「しかし、破壊したところで床を移動していてはまた張り付けられてしまうのでは…んっ?これは…」
ティンカーベル「ぶつぶつ言ってないで早くなんとかしよ!じゃなきゃ動けないキモオタとかただの気持ち悪い的だよ!」
キモオタ「ティンカーベル殿!我輩に妖精の粉を!」
ティンカーベル「!? わかった!でも妖精の粉じゃ氷を壊せないよ!?」
ファサー
キモオタ「問題ありませんぞ!凍りつけられていたのは靴の部分のみ!靴を脱げばこの通り脱出可能ですぞぉぉ!」バッ
436 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:34:02 ID:bJm
雪の女王「危ないところだったなキモオタ。二人が随分と慌てているから私が凍らせているのが靴の部分だけだという事に気がつかないと思ったぞ」フフッ
キモオタ「間一髪でござったけどね、思ったより我輩の脳味噌は冷静だったでござる」フワフワ
ティンカーベル「でもラッキーだったね!女王がうっかりしてて!足ごと凍り付かせてたら完全にアウトだったもんね!」
キモオタ「いや…女王殿がそんなミスをしますかな?これはおそらく敢えて靴だけ凍らせたでござる、我々に対抗手段を残すために」ヒソヒソ
ティンカーベル「そっか、私達の力量を計るって言ってたし…冷静に対処できるかどうか見てたんだね!」ヒソヒソ
キモオタ「恐らく。あのまま氷を壊して逃げても床に面している以上同じ事の繰り返しでござるしな」ヒソヒソ
雪の女王「冷静でいたことは誉めてやろう。だが反撃の好機をお喋りで無為にするのは愚策だな。お前たちが空中に逃げることを私が予測していたとしたらどうする?」パキパキパキ
ティンカーベル「氷柱だ!女王の周りに氷柱!あれこっちに飛ばしてくる奴だよ!どうする!?」
キモオタ「回避か防御…ですぞ!しかし回避するにしてもあれがホーミングしてこないという確証はないでござるし、防御も方法を間違えれば不利に…なんとか戦いの流れを掴まねば…」
雪の女王「考えていても流れなど掴めないぞ?とにかく行動しなければな。さぁ…こっちは射出準備完了したことだし、アドバイスはここまでだ」スッ
ティンカーベル「キモオタ!どうすんの!?もっと高く飛んで届かないとこまで行く!?」
キモオタ「射程距離が分からない以上…ここは防御アンド作戦タイムですぞ!ティンカーベル殿、我輩の側へ!」フリフリフリ
雪の女王「回避は諦めて防御に徹するか?だがこの氷柱は生半可なものではないぞ?」フフッ
ビュビュビュビュッ
437 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:36:31 ID:bJm
おはなしサイリウム「コード認識完了『ラプンツェル』 魔法発現状態へ移行……モード『tower』」ドォォォォォッ
ガキガキガキィィンッ
雪の女王「【ラプンツェル】の塔か…護るべき者を覆う強固な壁、あの氷柱で打ち破れないところを見るに相当な強度のようだ」スッ
雪の女王「天井…全ての方向の壁どこをとっても隙がない。大方時間稼ぎをして作戦をたてようという算段だろうが…そうはさせない」
雪の女王「塔が一切の攻撃を寄せ付けないのなら…狙うべきは塔の根元、地面を抉ってやればいい」スッ
パキパキパキ…ズゴォッ!!
雪の女王「どの様な強固な建造物も崩れた地面に建ち続けることは出来ない。そして崩れゆく建物周辺で一番危険なのは…その内部だ」
パキパキパキズゴォッ! ゴゴゴゴゴ
雪の女王「塔が崩れるとなれば君達も逃げ出すしかない。そう、私の目の前にな」
ゴゴゴゴゴ ズゥゥゥン
雪の女王(容易く崩せた…?何か策があると考えたが買いかぶりだったか…?あるいは瓦礫に紛れて攻撃するつもりか?)
雪の女王「まぁ良い、まずは私の吹雪で瓦礫を一掃して……」
キモオタ「そおおぉぉい!ティンカーベル殿!今ですぞぉ!塔の崩壊に乗じた奇襲を受けて見ろでござるぅー!」シュッ
ティンカーベル「まっかせてぇぇー!奇襲からのゼロ距離射撃だよぉぉ!!」ピューン
雪の女王「やはり瓦礫の陰からの奇襲か。だがなティンカーベル、近距離から私を撃つというのは良い作戦だが…それをバラしてしまっては意味がない、君の動きを注視すれば容易く避けられるのだから」スッ
ティンカーベル「そうだよね!私のことをしっかり見てればいいと思うよ!」ニヤニヤ
シュッ
雪の女王「マッチ…!あぁやられたな、大声で作戦をバラしていたのは陽動。本命はマッチ売りの魔法具か」フフッ
ティンカーベル「私の動きを注意して見てたんなら絶対にマッチの炎が視界に入るもんね!これで戦いの流れを掴み取るよー!」
438 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/06/20(月)00:39:42 ID:bJm
キモオタ「ティンカーベル殿!グッジョブですぞwwwここまでは作戦通り、ブラフに煽りに嘘八百!それが我々のバトルスタイルですぞ!女王殿!」
ティンカーベル「きっとこの幻見たら女王は降参するよ!とんでもない地獄絵図だからね!」フンスッ
雪の女王「戦いの最中に勝利を確信する輩というのはほとんどの場合敗北するものだぞ?まぁ、良い…君私が見る幻覚は一体何なんだろうな、少々楽しみだ」クスクス
キモオタ「ドゥフフwwwこれは以前の戦いの場で失策だったものの再利用でござるが…今回はうまくいくでござろうなwww」コポォ
ワラワラワラワラワラワラ
キモオタ2「そうですなwww我々の渾身の策を受けてみよですぞwww」コポォ
キモオタ39「しかしこの人数www幻覚見せるってレベルじゃねぇぞwww」コポォ
キモオタ273「いやいやwww我輩はオタクじゃありませんぞwwwただのアニメファンでしてwww」
キモオタ485「貴様は〜wwwだから2ちゃんねるでwwwバカにされるというのだwww」ドゥフコポォ
キモオタ873「ぐえぇぇwww悪霊退散www悪霊退散www」シュシュッ
コポォコポォドゥフドゥフ
雪の女王「キモオタ、ティンカーベル…これは何事だ?」
ティンカーベル「戦闘で適わないなら精神攻撃!マッチ売りちゃんのマッチのおかげで今ここは考え得る限り最悪な空間と化したんだからね!」フンスッ
キモオタ本体「ドゥフフwwwこれぞ雪の女王殿を打ち破る必殺の策略!約千人の我輩が溢れかえるキモい空間に耐えられますかなwww」コポォ
分身キモオタ(およそ1000人)「ちょwww自分でキモイとかwwwクッソワロタwww」ドゥフコポォ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
Part1<< Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14 >>Part28
評価する!(2305)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む