キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
Part1
1 :◆oBwZbn5S8kKC:2016/03/21(月)00:05:13 ID:QOv
シンデレラの世界 魔法使いの屋敷
・・・
裸王「……と、以上が我が国にブリキが訪れてからの出来事だ。他に聞きたい事はあるかね?」マッスル
赤ずきん「ありがとう、でも大丈夫よ。そうなるとブリキにも話が聞きたいところね…アリス周辺の情報は多いに越した事がないから」メモメモ
裸王「うむ、情報とは力と言うからなっ!だが力の本質とは筋肉!その点赤ずきんは少々筋肉不足だ、少女でも無理の無いトレーニングメニューを組んでやろうではないか!」マッチョ
赤ずきん「気持ちだけ頂いておくわ。今は皆から聞いた情報をまとめて新たに得るものがないか考えてみないと……むぐっ」
ムギュッ
ラプンツェル「うんうんー、みんなから聞いた事をちゃんとメモしてて赤ずきんはえらいね!ラプお姉ちゃんが褒めてあげるよ〜」ナデナデ
赤ずきん「…ラプンツェル、文字が歪んでしまうから抱きつかないで欲しいわ。それに偉くなんてないわ、私は出来る事をしているだけ」
ラプンツェル「けんそんなんかしちゃってー!赤ずきんはえらいよー?だって魔力を弱められた私の為に薬を貰ってきてくれたしさっ!」ニコニコ
ラプンツェル「赤ずきん達のおかげでもう魔力も髪の毛もすっかり元通りだよ〜!髪の毛もうまく操れるようになったしさっ!ほら、こんな風に文字だってかけちゃう!」シュルルッ
赤ずきん「ちょっと、私のペンに髪の毛を巻きつけて何を…」グググッ スラスラスラ
『ラプお姉ちゃん大好き』
赤ずきん「私の手帳にラクガキを…」イラッ
ラプンツェル「もしも赤ずきんに何か困った事があったら次は私が助けてあげるよっ!私の方がお姉ちゃんだしねっ!だからラプお姉ちゃんの事、頼っていいからねっ!」フンスッ
赤ずきん「……」ビリッ
ラプンツェル「ああっ!?どーして破くのっ!?」ガーンッ
4 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:11:03 ID:QOv
ラプンツェル「うわーん、桃太郎ー!赤ずきんが酷いよー、私は仲良くしたいだけなのに…塔の外の世界にあるイジメってやつだよー!」ギューッ
桃太郎「抱きつくのは止してもらおう…しかし案ずるな、赤ずきんはイジメなどというな卑劣な真似をする少女では無い」
ラプンツェル「ホントに?赤ずきん、私の事嫌いとかそういうんじゃない?」チラッ
赤ずきん「えぇ、手帳に落書きされた事に少しストレスを感じただけよ、この程度で嫌ったりしないわ。あぁ、でも文字は綺麗に記したいから突然抱きついたりするのはもう二度t」
ラプンツェル「わーいっ!嫌われちゃったと思って心配しちゃったよ〜!これから仲良くしようねっ!赤ずきんっ!」ムギューッ
赤ずきん「えぇ、あなたが私に抱きつかなければとても仲良くなれると思うわ……」グチャア
人魚姫の声『あっははは!赤ずきんちょー神経質なんですけど、いたずら書きくらい別にいーじゃん』ヘラヘラ
赤ずきん「自分の持ち物に悪戯をされるのは嫌なのよ」
人魚姫の声『そーなの?でもその割にはこないだ私がその頭巾に……あっ、やばいやばい。何でもない、今のは聞かなかった事にしといて』ヘラヘラ
赤ずきん「待ちなさい。私の頭巾に何をしたの?」ギロッ
人魚姫の声『まぁまぁ、そんなことは別に良いじゃん?それよりさ、ここのみんなってシンデレラって子の友達ばっかりなんでしょ?それにしちゃあんま心配してる感じじゃなくない?』
赤ずきん「…頭巾の件、二度目は無いと思っておきなさい。それに心配していないわけないでしょう、皆気持ちを表に出していないだけよ」
ラプンツェル「うーんっと、私には見えないけど確かそこには空気の精霊になった人魚の女の子が居るんだったよねっ!塔の外の世界ってやっぱり不思議だねぇ〜」ニコニコ
桃太郎「そう言っていたな、拙者も人魚姫と再び言葉を交わしたいものだ。赤ずきんよ、彼女は何と申しているのだ?」
赤ずきん「ええ、友達が行方不明なのに皆心配してないように見えるって言ってるわ。落ち着きすぎだって言いたいのかもね」
桃太郎「うむ…確かにその様に見えるかもしれぬ、しかしそれは違う。皆目標の為に研鑽していた手を迷わず止め、シンデレラを救うべくここに集ったのだからな」
5 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:12:53 ID:QOv
ラプンツェル「うんうんっ!私もシェヘラザードにお勉強教えてもらってたけどすぐに来たよっ!友達やママの事が一番大切っ!」フンス
桃太郎「掛け替えの無い友が姿を消したのだ…心配せぬ者などおらぬ、例え気楽に構えているように見えても…な」
人魚姫の声『そっか…じゃああの二人すっごいだらけてるけど、実はちゃんとシンデレラの事心配してるって事でいいわけ?』
・・・
キモオタ「いやはやwwwこのミルクティーは絶品でござるなwwwこんなうまいミルクティー初めてですぞwww」グビグビグビ
ティンカーベル「本当にそうだよね!紅茶が美味しいとお菓子が進むよ!ミルクティーとビスケットのコンビネーションは鉄板だよ!」サクサクサク
キモオタ「まったくですなwwwあまりのうまさに我輩、既に平らげてしまいましたぞwww」カラッ
ティンカーベル「私もだよ!かぐやのとこでご飯食べ損ねちゃったから仕方ないよね!お腹すいてるから仕方ないよね!」サクサクサク
キモオタ「と、言うわけでwwwおかわりをお願いできますかなwww赤鬼殿www」コポォ
ティンカーベル「私もーっ!ホントにおいしいよこのミルクティー」
赤鬼「そうかっ!密かに練習したかいがあるってもんだ。心配してても腹は減る、しっかり食ってシンデレラをすぐにでも助けてやらねぇとな。そら、おかわりだ」ドサッ
ティンカーベル「うんうん、それにしても腕を上げたよね赤鬼!こんなおいしい紅茶入れられるなんておもてなしレベルマックスだよ!」サクサクサク
キモオタ「よっwwwこのおもてなし好きwww」コポォ
・・・
赤ずきん「……どうかしらね、彼等は心配していないかもしれないわ」ボソッ
桃太郎「ちょ、そんな事言うなよ赤ずきん、あいつらも心配してるはずだ……多分」
6 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:13:57 ID:QOv
キモオタ「ドゥフフwwwお主ら何を話しているのですかなwww心配してるとかしてないとか聞こえたでござるがwww」コポォ
ラプンツェル「あのねー、キモオタとティンクがあんまりダラダラしてるから本当はシンデレラの事心配して無いんじゃないの疑惑が発生してたところだよ〜」ニコニコ
ティンカーベル「んんっ!ゲホゲホッ…ち、違うよ!ちょっと油断してだらだらしちゃってただけだよ!シンデレラの事心配に決まってるじゃん!」
赤ずきん「その割には二人とも随分といい食べっぷりだったじゃない?」フフッ
キモオタ「ちっちっちっwww我々がただお菓子をもさぼりダラダラしていたとでも思っているのでござるか?www」コポォ
赤鬼「違うのか?オイラにはものすごくくつろいでいるように見えたが…」
キモオタ「それが違うのでござるなぁ〜wwwいいでござるか?シンデレラ殿が姿を消し、屋敷に集まった者たちは心配のあまり暗い雰囲気になってしまいがちでござる」
キモオタ「そこでwww我輩とティンカーベル殿がダラダラしている姿を見せることで皆の気持ちを和ませようという作戦でござるwww自ら道化を演じているというわけでござるなwww」
赤ずきん「人魚姫、よく見ておきなさい。これがキモオタが得意としている口からデマカセ作戦よ」
キモオタ「ちょwww何を吹き込んでいるでござるかwwwデマカセとは心外でござるなwwwブラフと言っていただきたいwww」コポォ
ガチャッ
魔法使い「なにがブラフじゃ、モノは言いようとはこの事じゃ。お前の場合はただ食い意地が張っているだけじゃろうが」
キモオタ「ちょwww魔法使い殿www開口一番突っ込まなくていいでござるwwwそれはさておきお久しぶりでござるなwww」コポォ
魔法使い「うむ、そうじゃな。しかしお主らにも都合があるだろうに急に呼びたててすまなかったな」
ティンカーベル「そんな事気にしないでよ!友達がピンチだっていうなら私達はいつだって駈けつけるよ!」
キモオタ「そうですぞwwwちなみにこれはブラフでもデマカセでも無いでござるwww」
7 :名無しさん@おーぷん :2016/03/21(月)00:15:07 ID:pUD
キタキタキタ!!(・∀・)
8 :名無しさん@おーぷん :2016/03/21(月)00:17:43 ID:ege
感謝! 信じて待ってて良かった
9 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:17:56 ID:QOv
赤ずきん「おかえりなさい、魔法使い。用事は問題なく済ませる事ができたの?」
魔法使い「問題無く…と言っていいのかわからんが目的は果たせた。思ったよりも時間がかかってしまい折角集まってくれたお前達を待たせてしまう事になったのは心苦しいが…」
裸王「その様な事を気になさるなどナンセンスッ!魔法使い殿はシンデレラを救う為に奔走しておられる、我々がそれに文句を言う事などありはせんのです」マッチョ
桃太郎「うむ、それがシンデレラを救うための一手となりうるならば雑用を命じられようと拙者は一向に構わぬ」
魔法使い「お主等にそう言ってもらえると助かる。シンデレラは良い友を持ったもんじゃ」
ラプンツェル「ねぇねぇ、魔法使い!ママも一緒に出かけたんだったよね?ママは帰ってこなかったの?」
魔法使い「いや、帰ってきておるぞ。借りてきた書物を書斎に運んでくれるというから頼んだんじゃ、もうじき来るじゃろ」
赤鬼「荷物運びか?そういう力仕事はオイラに任せてくれりゃあいいんだぞ?魔法なんざ使えねぇけど力には自信あるからな」ガハハ
人魚姫の声『ひゅーっ、赤鬼ちょー紳士じゃーん!ねっねっ、私も何か出来る事あったら手伝うよって言ってよ、赤鬼!』
赤鬼「人魚姫も何か出来る事があれば言ってくれと言ってるぞ。折角来たんだ、なんでもやるからよ頼ってくれよ魔法使い」
魔法使い「うむ、本当にありがたいなお前達の気持ちは…じゃが感動している場合でもあるまい、キモオタ達も来た事じゃしそろそろ本題に入るとするかの」
ティンカーベル「本題っていうと…シンデレラが行方不明になった事だよね?とりあえず大まかな事は赤ずきんに聞いたけど…」
魔法使い「そうか、だが新たに得ることができた情報もある、良い知らせばかりではないがな…。とにかく、ラプンツェルは書斎にいるゴーテルを呼んできてくれ」
ラプンツェル「はーいっ!」トテトテトテ
魔法使い「赤ずきんは庭に居るヘンゼルとドロシーを呼んで来てくれるか?あの二人にも同席してもらいたい」
赤ずきん「わかったわ、少し待っていて頂戴」スタスタ
キモオタ「魔法使い殿、ドロシー殿が来ている事知っていたでござるかwww」
魔法使い「先ほど、庭の方から聞き慣れない声がしたので様子を見に行った際にな。軽く挨拶を交わしただけじゃがドロシーの事情は元々赤ずきんから聞いておったし…」
魔法使い「アリスに利用されていただけというのなら邪険に扱うのも可哀想だ。それに彼等も全くの無関係と言うわけでもない…望めるのならば協力を頼みたいでな」
10 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:21:50 ID:QOv
シンデレラの世界 魔法使いの屋敷 応接間
・・・
魔法使い「さて……皆、揃ったようじゃな。まずは各々忙しい中集まってくれたことに礼を言おう、ありがとう」スッ
魔法使い「今回集まって貰ったのは他でも無い、行方不明になったシンデレラについてじゃ。既に簡単には話を聞いているだろうが…改めてもう一度状況を整理しておく。まず…」
ドロシー「あ、あの……お話の腰を折っちゃうんですけど……少しいいですか?」オドオド
魔法使い「うむ、構わん。言ってみなさいドロシー」
ドロシー「あの、私…その、シンデレラさんと面識無いんですけど…この場に居てもいいんでしょうか?関係無い私がここに居て、お邪魔じゃないですか…?」
魔法使い「聞いた通りの心配性じゃな、もしもお主が邪魔ならとっくに追い出しておるわ。むしろ聞いて欲しいくらいだ、どうやらこの一件…やはりアリスが関係しているようじゃからな」
ドロシー「あっ、アリスちゃんが…」
キモオタ「やはりでござるか、ゴーテル殿から聞いた時はまだアリス殿の仕業か解らないとのことでござったが…その口ぶりだと確信に迫る情報を得たのでござるな?」
魔法使い「うむ、それに関しては順を追って説明する。ただ相手がアリスとなると一筋縄ではいかん、少しでも優位に立つ為には些細な情報でも見逃すわけにはいかんのじゃ」
魔法使い「お主にとってアリスと過ごした日々は悪夢のようなものじゃろう。だが…だからこそ知り得た情報や側に居たからこそ目にした記憶もあるはずだ…是非力を貸して欲しい」
ドロシー「あの、その…私、あまりお役にたてるかどうかわからないです…それでも、いいですか…?」
魔法使い「構わん。もっとも思い出すのが辛い記憶もあるじゃろうからな、協力するもせぬもお前の自由じゃ誰も無理強いなどせん。どうするかは自分自身で決めればよい」
ドロシー「あ、あの…だ、大丈夫です!私が知ってる事や見た事が何かの役に立つかもしれないなら…それは嬉しいです、だから協力させてくださいっ…!」
魔法使い「うむ、ならば助かる。では話を戻すとしようか」
11 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:22:30 ID:QOv
魔法使い「数日前、この屋敷に【一寸法師】の鬼が訪れた。シンデレラが行方不明になったという報を持ってな」
ティンカーベル「大鬼だ!シンデレラのお城で怪我を治してもらったから今は恩返しする為にいろいろお手伝いしてるんだったね」
魔法使い「そのようじゃな。大鬼が言うには…彼と国王とシンデレラの三人で雑談をしていたところ、突如としてシンデレラが姿を消した。と言う事だった」
魔法使い「ガラスの靴があるとはいえ話の途中で黙って去るような娘じゃない。不審に思った国王は彼女の自室、よく出入りしている協会や孤児院、例の実家等…シンデレラが訪れそうな場所を探したらしい、が…」
赤ずきん「でも結局彼女は見つからなかった…だからシンデレラの恩人であるあなたの屋敷に赴いたのね?」
魔法使い「うむ、結局それも徒労に終わったわけだ。しかし、そうなればもう…何者かに連れ去られたと考えるのが自然だ」
裸王「うむ確かに、シンデレラは魔法具の所有者でありおとぎ話の主人公。そしてなにより一国の王妃、連れさらわれる理由としては十分すぎるほどだ」ムキムキ
魔法使い「手を尽くしても見つける事が出来ず、国王は国内外に捜索網を敷いた。王妃が行方不明になったという報はたちまち国中に広がり真偽は別として多くの情報が集まったが…」
桃太郎「それでも結局、シンデレラを見つけ出すには至らなかった…か」
魔法使い「察しの通りじゃ。国王は諦めることなく寄せられた情報の真偽を確かめシンデレラの捜索を続けていたが……ワシには無意味に思えた」
赤鬼「シンデレラの誘拐は【シンデレラ】の世界とは別世界の人間の仕業…いや、アリスの仕業だと。魔法使いはそう考えたわけだな?」
魔法使い「うむ、だがアリスの仕業だという確証があるわけではなかった…別世界を一つ一つ調べて回るわけにもいかん。一人で【不思議の国のアリス】の世界へ乗り込むなど論外だ」
魔法使い「何らかの方法がないか調べに調べ書物を読み漁り…ワシはシンデレラの居場所を映し出す鏡の存在を思いだしたのだ」
人魚姫の声『鏡…?もしかして猛毒の魔女が持ってた、あの不思議な喋る鏡の事じゃね?あの人面白かったよねー…ん?人じゃないか』ヘラヘラ
赤ずきん「あれも確かに不思議な鏡だけど…違うでしょうね。魔法使い、その鏡ってもしかして【美女と野獣】に登場する…」
魔法使い「流石に詳しいなお主は。その通り【美女と野獣】の主人公ベルに与えられた『見たい相手の姿を映し出す鏡』だ」
12 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:23:50 ID:QOv
ヘンゼル「あぁ…あの魔法具か、人探しに特化しているからそこに頼ったのは正解かもね」
ドロシー「ヘンゼル君、その魔法具の事…知ってるの?」
ヘンゼル「昔、僕と妹のグレーテルは偶然別のおとぎ話に投げだされた事があって…その時に僕達を探し出す為に雪の女王がその鏡を借りたって聞いたよ」
ゴーテル「そうじゃったか…じゃから野獣の奴『冬を司る魔女に次いで千変万化を操る魔女か、私は随分と魔女に縁があるようだ』などと言っておったのか…」
ラプンツェル「えっ!?人間の言葉をしゃべる野獣…!すごいねすごいねっ!野獣なのに人間の言葉をしゃべれるなんて、塔の外の世界ってやっぱり不思議n」ワクワク
人魚姫の声『ちょっ!人間の言葉をしゃべる野獣っ!?なにそれ、そんな種族が居るなんてちょー興味有るんですけど!?陸の上の世界ってやっぱり不思議n』ワクワク
赤ずきん「人魚姫、今その事に興味を持ったら話が進まないわ。後にしましょう」
キモオタ「ラプンツェル殿もwww今はその好奇心しまっておいた方がいいのではwwwと言う事はつまり先ほどまで魔法使い殿達はその鏡を使わせてもらいにいっていたのでござるな?www」
魔法使い「うむ、ワシとゴーテルでその世界へ向かってな。野獣もベルも快く鏡を使わせてくれた。おかげでシンデレラの居場所を突き止めることができたのじゃ」
ティンカーベル「あれ…?でも魔法使いって、世界移動をする事が出来ないんじゃなったっけ?世界の移動は苦手な魔法だから魔力が暴走しちゃうとかなんとか言ってたじゃん?」
キモオタ「おぉwwwそう言えばそうでしたなwwwあの弱点は克服したのですかなwww」コポォ
魔法使い「……いや、克服したわけではない。まぁ、それはいいじゃろ」フイッ
ゴーテル「……」
魔法使い「とにかく、じゃ。ワシとゴーテルはその鏡を使った。すぐにその姿が映し出され我等は彼女の所在を突き止められたが…鏡に映る娘はワシの知るシンデレラとは様子が違った、まるで別人のようにな」
13 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:25:49 ID:QOv
ティンカーベル「別人って…もしかして酷い拷問とかされてボロボロになってたとか!?そんなのだったら許さないよ私!」ガタッ
魔法使い「いや、見たところ傷など負っておらんかったからその様な目にはあっておらんじゃろう。だが場合によってはそれよりもひどい、何故なら我々が見たシンデレラは……。……」クッ
キモオタ「魔法使い殿が言葉を濁すとは…一体何を見たのでござるか?シンデレラ殿は一体…」
ゴーテル「…代わりにワシが話そう」スッ
キモオタ「ゴーテル殿…」
ゴーテル「まず前提として…シンデレラが居る世界は間違いなく【不思議の国のアリス】の世界じゃ」
ヘンゼル「断定できるんだね。でも確かあの魔法具は見たい人物が居る場所を映し出すだけで声や音は聞こえない…映し出された風景だけで世界が特定できたの?」
ゴーテル「シンデレラは…懐中時計を手にした白ウサギと共に茶を飲んでいた。そこには大きなテーブルを囲む無数の椅子、そして数え切れないほどのティーセットと汚れたカップが並んでおった」
赤ずきん「無数の席と汚れたティーカップがそのまま…確かにそれは帽子屋と三月ウサギの狂ったお茶会の席の特徴ね。白ウサギが居たというの間違いないとみてもよさそうね」
人魚姫の声『っていうかさ、陸の上でお茶を飲んだ後ってそのティーカップ洗うんっしょ?なんでそのままにしてんの?面倒くさがり屋?』
赤ずきん「洗わないんじゃなくて洗えないのよ。あのお茶会は常にお茶の時間で時が止まっているから後片づけができない、だからカップが汚れたら順繰りに席を変わっていくの」
赤鬼「しかし妙だな、シンデレラはその白ウサギってやつと茶を飲んでたってぇんだろ?そりゃおかしな話だぞ」
ラプンツェル「私もおかしいって思う!だってウサギはニンジンとか草とか食べるのにお茶なんか飲むはずないm」
桃太郎「あぁ確かに妙だ…その白ウサギと言うのはアリスの仲間なのだろう?アリスにさらわれたというのに…なぜ敵方と悠長に茶など」
ゴーテル「簡単な話じゃ、敵ではないからじゃよ。アリスの仲間であるその白ウサギは今のシンデレラにとって敵では無い…そう言う事じゃろ」
14 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:27:50 ID:QOv
ラプンツェル「むー…どういう事ー?そのウサギはアリスの仲間だけどシンデレラの味方で私達にも味方してくれる良いウサギだってこと?」ムー…
ドロシー「確かに白ウサギさんは優しくて私にも良くしてくれました。でも…アリスさんには絶対の信頼と忠誠を誓っていました、私達の味方になる事は決して…無いと思います」
裸王「ならば何らかの理由でシンデレラは白ウサギの…いや、アリス側についていると考えて間違いあるまい。にわかに信じられぬがな」
ティンカーベル「ま、まってよ!シンデレラがアリスの味方しちゃってるって事!?私の友達があいつ等の仲間になっちゃったなんて、そんなことあるわけ…!」
キモオタ「忘れたでござるかティンカーベル殿…ドロシー殿が何故アリス殿の味方をしていたのか。ゴーテル殿もかつてアリス殿に性格を捻じ曲げられたでござるよ?」
キモオタ「同様に…シンデレラ殿の性格に手を加え、望まぬまま寝返らせることなど容易いのでござろう」
ティンカーベル「そっか魔法具!それじゃ…あの時のコショウ?ううん、あれからアリスはいろんな世界を消してるんだしもっと強力な魔法具かも…!」
ゴーテル「どちらにせよ精神に干渉する魔法具である事は違いあるまい、そうでなければ説明が付かん」
ヘンゼル「僕はシンデレラがどんな人物なのか知らないけど、魔法具のせいだって決めつけてもいいの?ただ単にシンデレラが君達を裏切った可能性だってあるんjy」
バッ
ティンカーベル「んなわけないでしょっ!シンデレラはそんなことしない!いくら大人が嫌いだからってよくもそんな事を言えたよね…!」グイッ
ヘンゼル「離してよティンカーベル。別に大人が嫌いだから言ってるんじゃないよ、シンデレラを悪く言うつもりはないけど…あり得る可能性は考えておいた方が良いって話だよ」
ティンカーベル「じゃあ考えなくていい事じゃん!シンデレラが私達を裏切るなんてありえないから!このひねくれシスコン!くたばれ!」
キモオタ「ちょ、ティンカーベル殿落ち着くでござる!我々で争っても何の意味も無いですぞ!」グイグイ
ヘンゼル「…気に障ったなら謝るよ。でも信頼している相手が自分達を裏切らないなんて保証は…残念だけど無いんだ。僕達の父親だった男のようにさ」
15 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:30:23 ID:QOv
ティンカーベル「……そっか、ヘンゼルは大好きだったお父さんに捨てられちゃったんだっけ」
ヘンゼル「あの男は必ず戻ってくるから待って居るように僕達に言いつけて…そしてそのまま森に置き去りにした。僕達が親を信じてるその気持ちを利用して、裏切った」
ヘンゼル「だから味方から裏切り者が出たとしたら…必ず君達が仲間を信頼しているその心に付け入る」
赤ずきん「彼女が私達を裏切るとは思わないけど、あなたが言いたいのは魔法具のせいだと決めつけるのは危険…と言う事よね?」
ヘンゼル「あぁ、そうだよ。自分に都合の良い可能性ばかり考えてたらもしもの時取り返しがつかない事になる…それに関しては僕も人の事言えないんだけどさ」
ティンカーベル「理由があって言ってたんだ…ごめん、なんか頭に血が上っちゃってた」
ヘンゼル「いいよ、むしろ当然の反応でしょ。僕だってグレーテルやお千代を同じように言われたら逆上するだろうし」
ヘンゼル「でもさ魔法使い、僕もこの席に招いたって事は…手も借りたいって事で良いんでしょ?」
魔法使い「…うむ、お主は雪の女王の家族だと聞く。それに冬を司る魔女が火打ち箱や小夜啼鳥を託したとなれば…お主に相応の見込みがあると判断しているのだろう」
ヘンゼル「どうかな…女王が甘いだけの様な気もするけど。でも僕の力が必要なら僕は手を貸すよ、キモオタお兄さん達にはまぁ…恩もあるから」
ヘンゼル「でも手を貸す以上…変な遠慮はしないよ、必要だと思った事は言わせてもらう。ただ僕は別にシンデレラを悪く言いたいわけじゃない、それだけは理解してよ」
ゴーテル「一見憎まれ口だが一理ある。シンデレラと親しいが故に我等は除外してしまいがちな可能性じゃが…こういった意見は確かに貴重じゃ。物事は多方向から見れるに出来るに越した事は無いしの」
赤鬼「三人寄れば何とやらじゃねぇが…これだけ人数が居るんだ、いろんな考えをぶつけた方が名案も浮かぶだろうって事だな」
ドロシー「あ、あの…ひとつ気が付いた事があるんですけど…いいですか?」
ゴーテル「なんじゃ?言ってみよ」
ドロシー「白ウサギさんが私達に味方する事は決してないです…ないですけど、でも優しい方なんです。だから誘拐されたシンデレラさんにお茶を振舞ってあげていただけかも…」
16 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:33:53 ID:QOv
キモオタ「なるほどwwwシンデレラ殿を誘拐した理由が人質にする為ならばあり得ますなwww人質は丁重に扱うべきでござるしwww」
赤ずきん「人質っていう線は無いんじゃない?ここに居る誰かにアリスから接触があったのかしら?」
裸王「うむ、人質を取るならば何らかの要求を突き付けてくるはず…それが無いというのはおかしな話だ」
赤鬼「アリスがシンデレラを誘拐した理由が人質じゃないとすると…こっちが手を出しにくくなるように盾として使うつもり…か?」
ゴーテル「……いや、その件じゃが」
魔法使い「…ゴーテル、それはワシが話そう。若者がシンデレラの為に知恵を巡らせているというのに魔女たるワシがが落ち込んでいるなどあり得んじゃろう」
魔法使い「アリスがシンデレラを誘拐した理由ははっきりしておる。それはシンデレラを自らの手駒として利用する為じゃ」
ティンカーベル「えっ?ど、どういうこと…?手駒として利用するって…?」
魔法使い「そのままの意味じゃ。事実、ワシはシンデレラが【不思議の国のアリス】の世界で戦っている姿を見た。目にも止まらぬ速度で相手を翻弄する様をな」
桃太郎「ガラスの靴は脚力と速度強化の魔法具、戦闘向けといえる…更に彼女は来たる戦いに備えて足技を体得している最中だったと聞く」
赤ずきん「アリスの世界で戦闘が起きていたという事は、私達以外にアリスに立ち向かっていったおとぎ話の住人が居るという事よね?そしてあなたはその姿を鏡越しに見た…そうね?」
魔法使い「【長靴を履いた猫】と【眠り姫】の姿は外見から推測出来たな、日ノ本の僧と勇ましい狼と狸…西洋の少年もおった。逃げている様子じゃったからおそらく捕えられていたのじゃろう」
魔法使い「そして彼等を負っていたのが白ウサギ、そして…シンデレラじゃ。速度を乗せた容赦の無い足技で軽々と捕えておったわ…」
キモオタ「なんという…アリス殿に立ち向かう為の力の備えを逆に利用されたという事でござるか…」
魔法使い「強要されたか自らの意思か、魔法具による精神干渉か…いずれにせよ今のシンデレラはアリスの味方として動き、その戦いぶりに躊躇や容赦は感じられんかった」
魔法使い「そしてそれは…例え我々が相手だとしても同じ。シンデレラは我等に躊躇することなく向かってくると…そう考えた方が良いじゃろうな」
17 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:37:36 ID:QOv
一同「……」
ティンカーベル「いやいやいや!いくらなんでもそれはないでしょ!っていうか私無理だよ?シンデレラと戦うとか」
赤ずきん「そんなのみんな無理よ。でも…彼女が操られているのだとしたらドロシーがそうだったように私達を殺すつもりで来るでしょうね」
人魚姫の声『でもさぁ、シンデレラってみんなの友達なんでしょ?操られてたんだとしても、なんとかならないわけ?』
赤鬼「どうだろうな…なぁ、ドロシー。少し聞くが…お前の時はどうだったんだ?あの性格の時、お前は内側からどうにかする事ができたのか?」
ドロシー「あ、あの…私も凶悪な性格になってる時は自分の意思でどうにかする事は出来なくて、だからこそ夢だと思ってて…なので、その…」
裸王「覚悟はしておくべき、と言う事か…むぅ、仲間を傷付けるというのは…我が筋肉を持ってしても酷な選択…」
ヘンゼル「そう考えると、アリスはこうなる事を予測してシンデレラを誘拐したのかもって思うね」
ラプンツェル「あっ、そっか!シンデレラは大切な友達だから戦うなんてみんな出来ないって思っちゃうもんね」
桃太郎「しかし戦わなければシンデレラに一方的な攻撃を許す事になる…相手に躊躇が無いのであればそれは我等の死を意味する」
キモオタ「シンデレラ殿を盾にするでも人質にするでもなく、我等と戦わせることでこっちの精神を乱しつつ痛手を与える…毎度ながらアリス殿はえげつないですな」
ゴーテル「だが…嘆いておっても仕方ない。シンデレラがアリス側に付き、そして今や戦う事に躊躇が無いという事は事実」
魔法使い「…これらを踏まえたうえで、お前達に問わせてもらおう…聞いての通り、シンデレラはアリスの元にいる。そしておそらく我らと戦う意思を持っている」
魔法使い「ワシはシンデレラを救いたいと考えている。お前達をここに呼んだのもその協力を求める為じゃ」
魔法使い「が…今の状況を考えればシンデレラを救い出すという事は【不思議の国のアリス】に向かうという事。それはすなわちアリス側の連中…あるいは本人と戦うと言う事になる」
魔法使い「そしてそれは…一筋縄ではいかん戦いだ。死を覚悟する必要もある厳しい戦いだ」
18 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:41:03 ID:QOv
ゴーテル「加えて言えばそもそもこれは罠の可能性もある。このタイミングでシンデレラを誘拐し、それを助けに来た我等をまんまと迎撃する…というな」
魔法使い「そうでなくとも…これは事実上の最終決戦ともなりうる。そしてもう一度言っておくが……命の保証は出来ん。アリスの世界に踏み込むのならばこれはただの救出劇では無く、もはや全面戦争となる」
一同「……」
魔法使い「無理強いは出来ん。おとぎ話の主人公とはいえお前達にはそれぞれの生活がある。しかし、それでも…危険を承知でシンデレラの救出を協力してくれるという者は…」
魔法使い「どうか、ワシに力を貸して欲しい。ワシとゴーテルだけでは…到底シンデレラを救う事など出来んのだ…頼む、この通りだ」ペコッ
赤ずきん「頭を下げる必要なんか無いわ魔法使い。シンデレラが誘拐された時点で、私には彼女を救わないなんて選択肢…存在しないもの。当然、私は救出に向かうわ」スッ
人魚姫の声『赤ずきんがそのつもりならトーゼン私だって協力するかんねっ!危険だからーって身捨てるなんてできるわけないっしょー!』
赤鬼「ああ、そうだな。アリスが強いってぇなら俺達も全力で挑むまでだ、その為の旅でもあったんだ。易々と負けるつもりもねぇしな」
桃太郎「拙者とて日ノ本一の侍と謳われた身、いかなる困難が待ち構えようと…友を救う為ならばいかなる壁をも斬り伏せて御覧にいれよう」
裸王「うむ、筋肉とは限界を超えてこそ成長するもの!そういった意味ではこの程度の障害、私にとっては良い筋トレ程度だっ!ハッハッハッ!」
ラプンツェル「私はむずかしーこと良くわかんないけどー、シンデレラとまたがーるずとーくとかしたいからねっ!頑張って助けちゃうよ!このラプンツェルに任せてよっ」フンス
ドロシー「あ、あの…私なんか何の役にも立たないかもですけど…で、でもシンデレラさんがもしも操られてるのならその辛さは解るから…お手伝い、したいです…っ」
ヘンゼル「まぁ手伝うと言った以上、投げ出すなんて出来ないしね。アリスを野放しにしてちゃ妹達に危害が加わりそうだし、僕も手を貸す」
キモオタ「いやはやwwwこうなる事は予想してましたがなwww当然我輩も手を貸しますぞwww友の危機を見過ごす豚はただの豚でござるwww」コポォ
ティンカーベル「もちろん私も頼まれるまでも無く助けに行くよ!そんなのあったりまえじゃん!」
シンデレラの世界 魔法使いの屋敷
・・・
裸王「……と、以上が我が国にブリキが訪れてからの出来事だ。他に聞きたい事はあるかね?」マッスル
赤ずきん「ありがとう、でも大丈夫よ。そうなるとブリキにも話が聞きたいところね…アリス周辺の情報は多いに越した事がないから」メモメモ
裸王「うむ、情報とは力と言うからなっ!だが力の本質とは筋肉!その点赤ずきんは少々筋肉不足だ、少女でも無理の無いトレーニングメニューを組んでやろうではないか!」マッチョ
赤ずきん「気持ちだけ頂いておくわ。今は皆から聞いた情報をまとめて新たに得るものがないか考えてみないと……むぐっ」
ムギュッ
ラプンツェル「うんうんー、みんなから聞いた事をちゃんとメモしてて赤ずきんはえらいね!ラプお姉ちゃんが褒めてあげるよ〜」ナデナデ
赤ずきん「…ラプンツェル、文字が歪んでしまうから抱きつかないで欲しいわ。それに偉くなんてないわ、私は出来る事をしているだけ」
ラプンツェル「けんそんなんかしちゃってー!赤ずきんはえらいよー?だって魔力を弱められた私の為に薬を貰ってきてくれたしさっ!」ニコニコ
ラプンツェル「赤ずきん達のおかげでもう魔力も髪の毛もすっかり元通りだよ〜!髪の毛もうまく操れるようになったしさっ!ほら、こんな風に文字だってかけちゃう!」シュルルッ
赤ずきん「ちょっと、私のペンに髪の毛を巻きつけて何を…」グググッ スラスラスラ
『ラプお姉ちゃん大好き』
赤ずきん「私の手帳にラクガキを…」イラッ
ラプンツェル「もしも赤ずきんに何か困った事があったら次は私が助けてあげるよっ!私の方がお姉ちゃんだしねっ!だからラプお姉ちゃんの事、頼っていいからねっ!」フンスッ
赤ずきん「……」ビリッ
ラプンツェル「ああっ!?どーして破くのっ!?」ガーンッ
4 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:11:03 ID:QOv
ラプンツェル「うわーん、桃太郎ー!赤ずきんが酷いよー、私は仲良くしたいだけなのに…塔の外の世界にあるイジメってやつだよー!」ギューッ
桃太郎「抱きつくのは止してもらおう…しかし案ずるな、赤ずきんはイジメなどというな卑劣な真似をする少女では無い」
ラプンツェル「ホントに?赤ずきん、私の事嫌いとかそういうんじゃない?」チラッ
赤ずきん「えぇ、手帳に落書きされた事に少しストレスを感じただけよ、この程度で嫌ったりしないわ。あぁ、でも文字は綺麗に記したいから突然抱きついたりするのはもう二度t」
ラプンツェル「わーいっ!嫌われちゃったと思って心配しちゃったよ〜!これから仲良くしようねっ!赤ずきんっ!」ムギューッ
赤ずきん「えぇ、あなたが私に抱きつかなければとても仲良くなれると思うわ……」グチャア
人魚姫の声『あっははは!赤ずきんちょー神経質なんですけど、いたずら書きくらい別にいーじゃん』ヘラヘラ
赤ずきん「自分の持ち物に悪戯をされるのは嫌なのよ」
人魚姫の声『そーなの?でもその割にはこないだ私がその頭巾に……あっ、やばいやばい。何でもない、今のは聞かなかった事にしといて』ヘラヘラ
赤ずきん「待ちなさい。私の頭巾に何をしたの?」ギロッ
人魚姫の声『まぁまぁ、そんなことは別に良いじゃん?それよりさ、ここのみんなってシンデレラって子の友達ばっかりなんでしょ?それにしちゃあんま心配してる感じじゃなくない?』
赤ずきん「…頭巾の件、二度目は無いと思っておきなさい。それに心配していないわけないでしょう、皆気持ちを表に出していないだけよ」
ラプンツェル「うーんっと、私には見えないけど確かそこには空気の精霊になった人魚の女の子が居るんだったよねっ!塔の外の世界ってやっぱり不思議だねぇ〜」ニコニコ
桃太郎「そう言っていたな、拙者も人魚姫と再び言葉を交わしたいものだ。赤ずきんよ、彼女は何と申しているのだ?」
赤ずきん「ええ、友達が行方不明なのに皆心配してないように見えるって言ってるわ。落ち着きすぎだって言いたいのかもね」
桃太郎「うむ…確かにその様に見えるかもしれぬ、しかしそれは違う。皆目標の為に研鑽していた手を迷わず止め、シンデレラを救うべくここに集ったのだからな」
5 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:12:53 ID:QOv
ラプンツェル「うんうんっ!私もシェヘラザードにお勉強教えてもらってたけどすぐに来たよっ!友達やママの事が一番大切っ!」フンス
桃太郎「掛け替えの無い友が姿を消したのだ…心配せぬ者などおらぬ、例え気楽に構えているように見えても…な」
人魚姫の声『そっか…じゃああの二人すっごいだらけてるけど、実はちゃんとシンデレラの事心配してるって事でいいわけ?』
・・・
キモオタ「いやはやwwwこのミルクティーは絶品でござるなwwwこんなうまいミルクティー初めてですぞwww」グビグビグビ
ティンカーベル「本当にそうだよね!紅茶が美味しいとお菓子が進むよ!ミルクティーとビスケットのコンビネーションは鉄板だよ!」サクサクサク
キモオタ「まったくですなwwwあまりのうまさに我輩、既に平らげてしまいましたぞwww」カラッ
ティンカーベル「私もだよ!かぐやのとこでご飯食べ損ねちゃったから仕方ないよね!お腹すいてるから仕方ないよね!」サクサクサク
キモオタ「と、言うわけでwwwおかわりをお願いできますかなwww赤鬼殿www」コポォ
ティンカーベル「私もーっ!ホントにおいしいよこのミルクティー」
赤鬼「そうかっ!密かに練習したかいがあるってもんだ。心配してても腹は減る、しっかり食ってシンデレラをすぐにでも助けてやらねぇとな。そら、おかわりだ」ドサッ
ティンカーベル「うんうん、それにしても腕を上げたよね赤鬼!こんなおいしい紅茶入れられるなんておもてなしレベルマックスだよ!」サクサクサク
キモオタ「よっwwwこのおもてなし好きwww」コポォ
・・・
赤ずきん「……どうかしらね、彼等は心配していないかもしれないわ」ボソッ
桃太郎「ちょ、そんな事言うなよ赤ずきん、あいつらも心配してるはずだ……多分」
6 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:13:57 ID:QOv
キモオタ「ドゥフフwwwお主ら何を話しているのですかなwww心配してるとかしてないとか聞こえたでござるがwww」コポォ
ラプンツェル「あのねー、キモオタとティンクがあんまりダラダラしてるから本当はシンデレラの事心配して無いんじゃないの疑惑が発生してたところだよ〜」ニコニコ
ティンカーベル「んんっ!ゲホゲホッ…ち、違うよ!ちょっと油断してだらだらしちゃってただけだよ!シンデレラの事心配に決まってるじゃん!」
赤ずきん「その割には二人とも随分といい食べっぷりだったじゃない?」フフッ
キモオタ「ちっちっちっwww我々がただお菓子をもさぼりダラダラしていたとでも思っているのでござるか?www」コポォ
赤鬼「違うのか?オイラにはものすごくくつろいでいるように見えたが…」
キモオタ「それが違うのでござるなぁ〜wwwいいでござるか?シンデレラ殿が姿を消し、屋敷に集まった者たちは心配のあまり暗い雰囲気になってしまいがちでござる」
キモオタ「そこでwww我輩とティンカーベル殿がダラダラしている姿を見せることで皆の気持ちを和ませようという作戦でござるwww自ら道化を演じているというわけでござるなwww」
赤ずきん「人魚姫、よく見ておきなさい。これがキモオタが得意としている口からデマカセ作戦よ」
キモオタ「ちょwww何を吹き込んでいるでござるかwwwデマカセとは心外でござるなwwwブラフと言っていただきたいwww」コポォ
ガチャッ
魔法使い「なにがブラフじゃ、モノは言いようとはこの事じゃ。お前の場合はただ食い意地が張っているだけじゃろうが」
キモオタ「ちょwww魔法使い殿www開口一番突っ込まなくていいでござるwwwそれはさておきお久しぶりでござるなwww」コポォ
魔法使い「うむ、そうじゃな。しかしお主らにも都合があるだろうに急に呼びたててすまなかったな」
ティンカーベル「そんな事気にしないでよ!友達がピンチだっていうなら私達はいつだって駈けつけるよ!」
キモオタ「そうですぞwwwちなみにこれはブラフでもデマカセでも無いでござるwww」
7 :名無しさん@おーぷん :2016/03/21(月)00:15:07 ID:pUD
キタキタキタ!!(・∀・)
感謝! 信じて待ってて良かった
9 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:17:56 ID:QOv
赤ずきん「おかえりなさい、魔法使い。用事は問題なく済ませる事ができたの?」
魔法使い「問題無く…と言っていいのかわからんが目的は果たせた。思ったよりも時間がかかってしまい折角集まってくれたお前達を待たせてしまう事になったのは心苦しいが…」
裸王「その様な事を気になさるなどナンセンスッ!魔法使い殿はシンデレラを救う為に奔走しておられる、我々がそれに文句を言う事などありはせんのです」マッチョ
桃太郎「うむ、それがシンデレラを救うための一手となりうるならば雑用を命じられようと拙者は一向に構わぬ」
魔法使い「お主等にそう言ってもらえると助かる。シンデレラは良い友を持ったもんじゃ」
ラプンツェル「ねぇねぇ、魔法使い!ママも一緒に出かけたんだったよね?ママは帰ってこなかったの?」
魔法使い「いや、帰ってきておるぞ。借りてきた書物を書斎に運んでくれるというから頼んだんじゃ、もうじき来るじゃろ」
赤鬼「荷物運びか?そういう力仕事はオイラに任せてくれりゃあいいんだぞ?魔法なんざ使えねぇけど力には自信あるからな」ガハハ
人魚姫の声『ひゅーっ、赤鬼ちょー紳士じゃーん!ねっねっ、私も何か出来る事あったら手伝うよって言ってよ、赤鬼!』
赤鬼「人魚姫も何か出来る事があれば言ってくれと言ってるぞ。折角来たんだ、なんでもやるからよ頼ってくれよ魔法使い」
魔法使い「うむ、本当にありがたいなお前達の気持ちは…じゃが感動している場合でもあるまい、キモオタ達も来た事じゃしそろそろ本題に入るとするかの」
ティンカーベル「本題っていうと…シンデレラが行方不明になった事だよね?とりあえず大まかな事は赤ずきんに聞いたけど…」
魔法使い「そうか、だが新たに得ることができた情報もある、良い知らせばかりではないがな…。とにかく、ラプンツェルは書斎にいるゴーテルを呼んできてくれ」
ラプンツェル「はーいっ!」トテトテトテ
魔法使い「赤ずきんは庭に居るヘンゼルとドロシーを呼んで来てくれるか?あの二人にも同席してもらいたい」
赤ずきん「わかったわ、少し待っていて頂戴」スタスタ
キモオタ「魔法使い殿、ドロシー殿が来ている事知っていたでござるかwww」
魔法使い「先ほど、庭の方から聞き慣れない声がしたので様子を見に行った際にな。軽く挨拶を交わしただけじゃがドロシーの事情は元々赤ずきんから聞いておったし…」
魔法使い「アリスに利用されていただけというのなら邪険に扱うのも可哀想だ。それに彼等も全くの無関係と言うわけでもない…望めるのならば協力を頼みたいでな」
10 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:21:50 ID:QOv
シンデレラの世界 魔法使いの屋敷 応接間
・・・
魔法使い「さて……皆、揃ったようじゃな。まずは各々忙しい中集まってくれたことに礼を言おう、ありがとう」スッ
魔法使い「今回集まって貰ったのは他でも無い、行方不明になったシンデレラについてじゃ。既に簡単には話を聞いているだろうが…改めてもう一度状況を整理しておく。まず…」
ドロシー「あ、あの……お話の腰を折っちゃうんですけど……少しいいですか?」オドオド
魔法使い「うむ、構わん。言ってみなさいドロシー」
ドロシー「あの、私…その、シンデレラさんと面識無いんですけど…この場に居てもいいんでしょうか?関係無い私がここに居て、お邪魔じゃないですか…?」
魔法使い「聞いた通りの心配性じゃな、もしもお主が邪魔ならとっくに追い出しておるわ。むしろ聞いて欲しいくらいだ、どうやらこの一件…やはりアリスが関係しているようじゃからな」
ドロシー「あっ、アリスちゃんが…」
キモオタ「やはりでござるか、ゴーテル殿から聞いた時はまだアリス殿の仕業か解らないとのことでござったが…その口ぶりだと確信に迫る情報を得たのでござるな?」
魔法使い「うむ、それに関しては順を追って説明する。ただ相手がアリスとなると一筋縄ではいかん、少しでも優位に立つ為には些細な情報でも見逃すわけにはいかんのじゃ」
魔法使い「お主にとってアリスと過ごした日々は悪夢のようなものじゃろう。だが…だからこそ知り得た情報や側に居たからこそ目にした記憶もあるはずだ…是非力を貸して欲しい」
ドロシー「あの、その…私、あまりお役にたてるかどうかわからないです…それでも、いいですか…?」
魔法使い「構わん。もっとも思い出すのが辛い記憶もあるじゃろうからな、協力するもせぬもお前の自由じゃ誰も無理強いなどせん。どうするかは自分自身で決めればよい」
ドロシー「あ、あの…だ、大丈夫です!私が知ってる事や見た事が何かの役に立つかもしれないなら…それは嬉しいです、だから協力させてくださいっ…!」
魔法使い「うむ、ならば助かる。では話を戻すとしようか」
11 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:22:30 ID:QOv
魔法使い「数日前、この屋敷に【一寸法師】の鬼が訪れた。シンデレラが行方不明になったという報を持ってな」
ティンカーベル「大鬼だ!シンデレラのお城で怪我を治してもらったから今は恩返しする為にいろいろお手伝いしてるんだったね」
魔法使い「そのようじゃな。大鬼が言うには…彼と国王とシンデレラの三人で雑談をしていたところ、突如としてシンデレラが姿を消した。と言う事だった」
魔法使い「ガラスの靴があるとはいえ話の途中で黙って去るような娘じゃない。不審に思った国王は彼女の自室、よく出入りしている協会や孤児院、例の実家等…シンデレラが訪れそうな場所を探したらしい、が…」
赤ずきん「でも結局彼女は見つからなかった…だからシンデレラの恩人であるあなたの屋敷に赴いたのね?」
魔法使い「うむ、結局それも徒労に終わったわけだ。しかし、そうなればもう…何者かに連れ去られたと考えるのが自然だ」
裸王「うむ確かに、シンデレラは魔法具の所有者でありおとぎ話の主人公。そしてなにより一国の王妃、連れさらわれる理由としては十分すぎるほどだ」ムキムキ
魔法使い「手を尽くしても見つける事が出来ず、国王は国内外に捜索網を敷いた。王妃が行方不明になったという報はたちまち国中に広がり真偽は別として多くの情報が集まったが…」
桃太郎「それでも結局、シンデレラを見つけ出すには至らなかった…か」
魔法使い「察しの通りじゃ。国王は諦めることなく寄せられた情報の真偽を確かめシンデレラの捜索を続けていたが……ワシには無意味に思えた」
赤鬼「シンデレラの誘拐は【シンデレラ】の世界とは別世界の人間の仕業…いや、アリスの仕業だと。魔法使いはそう考えたわけだな?」
魔法使い「うむ、だがアリスの仕業だという確証があるわけではなかった…別世界を一つ一つ調べて回るわけにもいかん。一人で【不思議の国のアリス】の世界へ乗り込むなど論外だ」
魔法使い「何らかの方法がないか調べに調べ書物を読み漁り…ワシはシンデレラの居場所を映し出す鏡の存在を思いだしたのだ」
人魚姫の声『鏡…?もしかして猛毒の魔女が持ってた、あの不思議な喋る鏡の事じゃね?あの人面白かったよねー…ん?人じゃないか』ヘラヘラ
赤ずきん「あれも確かに不思議な鏡だけど…違うでしょうね。魔法使い、その鏡ってもしかして【美女と野獣】に登場する…」
魔法使い「流石に詳しいなお主は。その通り【美女と野獣】の主人公ベルに与えられた『見たい相手の姿を映し出す鏡』だ」
12 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:23:50 ID:QOv
ヘンゼル「あぁ…あの魔法具か、人探しに特化しているからそこに頼ったのは正解かもね」
ドロシー「ヘンゼル君、その魔法具の事…知ってるの?」
ヘンゼル「昔、僕と妹のグレーテルは偶然別のおとぎ話に投げだされた事があって…その時に僕達を探し出す為に雪の女王がその鏡を借りたって聞いたよ」
ゴーテル「そうじゃったか…じゃから野獣の奴『冬を司る魔女に次いで千変万化を操る魔女か、私は随分と魔女に縁があるようだ』などと言っておったのか…」
ラプンツェル「えっ!?人間の言葉をしゃべる野獣…!すごいねすごいねっ!野獣なのに人間の言葉をしゃべれるなんて、塔の外の世界ってやっぱり不思議n」ワクワク
人魚姫の声『ちょっ!人間の言葉をしゃべる野獣っ!?なにそれ、そんな種族が居るなんてちょー興味有るんですけど!?陸の上の世界ってやっぱり不思議n』ワクワク
赤ずきん「人魚姫、今その事に興味を持ったら話が進まないわ。後にしましょう」
キモオタ「ラプンツェル殿もwww今はその好奇心しまっておいた方がいいのではwwwと言う事はつまり先ほどまで魔法使い殿達はその鏡を使わせてもらいにいっていたのでござるな?www」
魔法使い「うむ、ワシとゴーテルでその世界へ向かってな。野獣もベルも快く鏡を使わせてくれた。おかげでシンデレラの居場所を突き止めることができたのじゃ」
ティンカーベル「あれ…?でも魔法使いって、世界移動をする事が出来ないんじゃなったっけ?世界の移動は苦手な魔法だから魔力が暴走しちゃうとかなんとか言ってたじゃん?」
キモオタ「おぉwwwそう言えばそうでしたなwwwあの弱点は克服したのですかなwww」コポォ
魔法使い「……いや、克服したわけではない。まぁ、それはいいじゃろ」フイッ
ゴーテル「……」
魔法使い「とにかく、じゃ。ワシとゴーテルはその鏡を使った。すぐにその姿が映し出され我等は彼女の所在を突き止められたが…鏡に映る娘はワシの知るシンデレラとは様子が違った、まるで別人のようにな」
13 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:25:49 ID:QOv
ティンカーベル「別人って…もしかして酷い拷問とかされてボロボロになってたとか!?そんなのだったら許さないよ私!」ガタッ
魔法使い「いや、見たところ傷など負っておらんかったからその様な目にはあっておらんじゃろう。だが場合によってはそれよりもひどい、何故なら我々が見たシンデレラは……。……」クッ
キモオタ「魔法使い殿が言葉を濁すとは…一体何を見たのでござるか?シンデレラ殿は一体…」
ゴーテル「…代わりにワシが話そう」スッ
キモオタ「ゴーテル殿…」
ゴーテル「まず前提として…シンデレラが居る世界は間違いなく【不思議の国のアリス】の世界じゃ」
ヘンゼル「断定できるんだね。でも確かあの魔法具は見たい人物が居る場所を映し出すだけで声や音は聞こえない…映し出された風景だけで世界が特定できたの?」
ゴーテル「シンデレラは…懐中時計を手にした白ウサギと共に茶を飲んでいた。そこには大きなテーブルを囲む無数の椅子、そして数え切れないほどのティーセットと汚れたカップが並んでおった」
赤ずきん「無数の席と汚れたティーカップがそのまま…確かにそれは帽子屋と三月ウサギの狂ったお茶会の席の特徴ね。白ウサギが居たというの間違いないとみてもよさそうね」
人魚姫の声『っていうかさ、陸の上でお茶を飲んだ後ってそのティーカップ洗うんっしょ?なんでそのままにしてんの?面倒くさがり屋?』
赤ずきん「洗わないんじゃなくて洗えないのよ。あのお茶会は常にお茶の時間で時が止まっているから後片づけができない、だからカップが汚れたら順繰りに席を変わっていくの」
赤鬼「しかし妙だな、シンデレラはその白ウサギってやつと茶を飲んでたってぇんだろ?そりゃおかしな話だぞ」
ラプンツェル「私もおかしいって思う!だってウサギはニンジンとか草とか食べるのにお茶なんか飲むはずないm」
桃太郎「あぁ確かに妙だ…その白ウサギと言うのはアリスの仲間なのだろう?アリスにさらわれたというのに…なぜ敵方と悠長に茶など」
ゴーテル「簡単な話じゃ、敵ではないからじゃよ。アリスの仲間であるその白ウサギは今のシンデレラにとって敵では無い…そう言う事じゃろ」
14 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:27:50 ID:QOv
ラプンツェル「むー…どういう事ー?そのウサギはアリスの仲間だけどシンデレラの味方で私達にも味方してくれる良いウサギだってこと?」ムー…
ドロシー「確かに白ウサギさんは優しくて私にも良くしてくれました。でも…アリスさんには絶対の信頼と忠誠を誓っていました、私達の味方になる事は決して…無いと思います」
裸王「ならば何らかの理由でシンデレラは白ウサギの…いや、アリス側についていると考えて間違いあるまい。にわかに信じられぬがな」
ティンカーベル「ま、まってよ!シンデレラがアリスの味方しちゃってるって事!?私の友達があいつ等の仲間になっちゃったなんて、そんなことあるわけ…!」
キモオタ「忘れたでござるかティンカーベル殿…ドロシー殿が何故アリス殿の味方をしていたのか。ゴーテル殿もかつてアリス殿に性格を捻じ曲げられたでござるよ?」
キモオタ「同様に…シンデレラ殿の性格に手を加え、望まぬまま寝返らせることなど容易いのでござろう」
ティンカーベル「そっか魔法具!それじゃ…あの時のコショウ?ううん、あれからアリスはいろんな世界を消してるんだしもっと強力な魔法具かも…!」
ゴーテル「どちらにせよ精神に干渉する魔法具である事は違いあるまい、そうでなければ説明が付かん」
ヘンゼル「僕はシンデレラがどんな人物なのか知らないけど、魔法具のせいだって決めつけてもいいの?ただ単にシンデレラが君達を裏切った可能性だってあるんjy」
バッ
ティンカーベル「んなわけないでしょっ!シンデレラはそんなことしない!いくら大人が嫌いだからってよくもそんな事を言えたよね…!」グイッ
ヘンゼル「離してよティンカーベル。別に大人が嫌いだから言ってるんじゃないよ、シンデレラを悪く言うつもりはないけど…あり得る可能性は考えておいた方が良いって話だよ」
ティンカーベル「じゃあ考えなくていい事じゃん!シンデレラが私達を裏切るなんてありえないから!このひねくれシスコン!くたばれ!」
キモオタ「ちょ、ティンカーベル殿落ち着くでござる!我々で争っても何の意味も無いですぞ!」グイグイ
ヘンゼル「…気に障ったなら謝るよ。でも信頼している相手が自分達を裏切らないなんて保証は…残念だけど無いんだ。僕達の父親だった男のようにさ」
15 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:30:23 ID:QOv
ティンカーベル「……そっか、ヘンゼルは大好きだったお父さんに捨てられちゃったんだっけ」
ヘンゼル「あの男は必ず戻ってくるから待って居るように僕達に言いつけて…そしてそのまま森に置き去りにした。僕達が親を信じてるその気持ちを利用して、裏切った」
ヘンゼル「だから味方から裏切り者が出たとしたら…必ず君達が仲間を信頼しているその心に付け入る」
赤ずきん「彼女が私達を裏切るとは思わないけど、あなたが言いたいのは魔法具のせいだと決めつけるのは危険…と言う事よね?」
ヘンゼル「あぁ、そうだよ。自分に都合の良い可能性ばかり考えてたらもしもの時取り返しがつかない事になる…それに関しては僕も人の事言えないんだけどさ」
ティンカーベル「理由があって言ってたんだ…ごめん、なんか頭に血が上っちゃってた」
ヘンゼル「いいよ、むしろ当然の反応でしょ。僕だってグレーテルやお千代を同じように言われたら逆上するだろうし」
ヘンゼル「でもさ魔法使い、僕もこの席に招いたって事は…手も借りたいって事で良いんでしょ?」
魔法使い「…うむ、お主は雪の女王の家族だと聞く。それに冬を司る魔女が火打ち箱や小夜啼鳥を託したとなれば…お主に相応の見込みがあると判断しているのだろう」
ヘンゼル「どうかな…女王が甘いだけの様な気もするけど。でも僕の力が必要なら僕は手を貸すよ、キモオタお兄さん達にはまぁ…恩もあるから」
ヘンゼル「でも手を貸す以上…変な遠慮はしないよ、必要だと思った事は言わせてもらう。ただ僕は別にシンデレラを悪く言いたいわけじゃない、それだけは理解してよ」
ゴーテル「一見憎まれ口だが一理ある。シンデレラと親しいが故に我等は除外してしまいがちな可能性じゃが…こういった意見は確かに貴重じゃ。物事は多方向から見れるに出来るに越した事は無いしの」
赤鬼「三人寄れば何とやらじゃねぇが…これだけ人数が居るんだ、いろんな考えをぶつけた方が名案も浮かぶだろうって事だな」
ドロシー「あ、あの…ひとつ気が付いた事があるんですけど…いいですか?」
ゴーテル「なんじゃ?言ってみよ」
ドロシー「白ウサギさんが私達に味方する事は決してないです…ないですけど、でも優しい方なんです。だから誘拐されたシンデレラさんにお茶を振舞ってあげていただけかも…」
16 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:33:53 ID:QOv
キモオタ「なるほどwwwシンデレラ殿を誘拐した理由が人質にする為ならばあり得ますなwww人質は丁重に扱うべきでござるしwww」
赤ずきん「人質っていう線は無いんじゃない?ここに居る誰かにアリスから接触があったのかしら?」
裸王「うむ、人質を取るならば何らかの要求を突き付けてくるはず…それが無いというのはおかしな話だ」
赤鬼「アリスがシンデレラを誘拐した理由が人質じゃないとすると…こっちが手を出しにくくなるように盾として使うつもり…か?」
ゴーテル「……いや、その件じゃが」
魔法使い「…ゴーテル、それはワシが話そう。若者がシンデレラの為に知恵を巡らせているというのに魔女たるワシがが落ち込んでいるなどあり得んじゃろう」
魔法使い「アリスがシンデレラを誘拐した理由ははっきりしておる。それはシンデレラを自らの手駒として利用する為じゃ」
ティンカーベル「えっ?ど、どういうこと…?手駒として利用するって…?」
魔法使い「そのままの意味じゃ。事実、ワシはシンデレラが【不思議の国のアリス】の世界で戦っている姿を見た。目にも止まらぬ速度で相手を翻弄する様をな」
桃太郎「ガラスの靴は脚力と速度強化の魔法具、戦闘向けといえる…更に彼女は来たる戦いに備えて足技を体得している最中だったと聞く」
赤ずきん「アリスの世界で戦闘が起きていたという事は、私達以外にアリスに立ち向かっていったおとぎ話の住人が居るという事よね?そしてあなたはその姿を鏡越しに見た…そうね?」
魔法使い「【長靴を履いた猫】と【眠り姫】の姿は外見から推測出来たな、日ノ本の僧と勇ましい狼と狸…西洋の少年もおった。逃げている様子じゃったからおそらく捕えられていたのじゃろう」
魔法使い「そして彼等を負っていたのが白ウサギ、そして…シンデレラじゃ。速度を乗せた容赦の無い足技で軽々と捕えておったわ…」
キモオタ「なんという…アリス殿に立ち向かう為の力の備えを逆に利用されたという事でござるか…」
魔法使い「強要されたか自らの意思か、魔法具による精神干渉か…いずれにせよ今のシンデレラはアリスの味方として動き、その戦いぶりに躊躇や容赦は感じられんかった」
魔法使い「そしてそれは…例え我々が相手だとしても同じ。シンデレラは我等に躊躇することなく向かってくると…そう考えた方が良いじゃろうな」
17 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:37:36 ID:QOv
一同「……」
ティンカーベル「いやいやいや!いくらなんでもそれはないでしょ!っていうか私無理だよ?シンデレラと戦うとか」
赤ずきん「そんなのみんな無理よ。でも…彼女が操られているのだとしたらドロシーがそうだったように私達を殺すつもりで来るでしょうね」
人魚姫の声『でもさぁ、シンデレラってみんなの友達なんでしょ?操られてたんだとしても、なんとかならないわけ?』
赤鬼「どうだろうな…なぁ、ドロシー。少し聞くが…お前の時はどうだったんだ?あの性格の時、お前は内側からどうにかする事ができたのか?」
ドロシー「あ、あの…私も凶悪な性格になってる時は自分の意思でどうにかする事は出来なくて、だからこそ夢だと思ってて…なので、その…」
裸王「覚悟はしておくべき、と言う事か…むぅ、仲間を傷付けるというのは…我が筋肉を持ってしても酷な選択…」
ヘンゼル「そう考えると、アリスはこうなる事を予測してシンデレラを誘拐したのかもって思うね」
ラプンツェル「あっ、そっか!シンデレラは大切な友達だから戦うなんてみんな出来ないって思っちゃうもんね」
桃太郎「しかし戦わなければシンデレラに一方的な攻撃を許す事になる…相手に躊躇が無いのであればそれは我等の死を意味する」
キモオタ「シンデレラ殿を盾にするでも人質にするでもなく、我等と戦わせることでこっちの精神を乱しつつ痛手を与える…毎度ながらアリス殿はえげつないですな」
ゴーテル「だが…嘆いておっても仕方ない。シンデレラがアリス側に付き、そして今や戦う事に躊躇が無いという事は事実」
魔法使い「…これらを踏まえたうえで、お前達に問わせてもらおう…聞いての通り、シンデレラはアリスの元にいる。そしておそらく我らと戦う意思を持っている」
魔法使い「ワシはシンデレラを救いたいと考えている。お前達をここに呼んだのもその協力を求める為じゃ」
魔法使い「が…今の状況を考えればシンデレラを救い出すという事は【不思議の国のアリス】に向かうという事。それはすなわちアリス側の連中…あるいは本人と戦うと言う事になる」
魔法使い「そしてそれは…一筋縄ではいかん戦いだ。死を覚悟する必要もある厳しい戦いだ」
18 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/03/21(月)00:41:03 ID:QOv
ゴーテル「加えて言えばそもそもこれは罠の可能性もある。このタイミングでシンデレラを誘拐し、それを助けに来た我等をまんまと迎撃する…というな」
魔法使い「そうでなくとも…これは事実上の最終決戦ともなりうる。そしてもう一度言っておくが……命の保証は出来ん。アリスの世界に踏み込むのならばこれはただの救出劇では無く、もはや全面戦争となる」
一同「……」
魔法使い「無理強いは出来ん。おとぎ話の主人公とはいえお前達にはそれぞれの生活がある。しかし、それでも…危険を承知でシンデレラの救出を協力してくれるという者は…」
魔法使い「どうか、ワシに力を貸して欲しい。ワシとゴーテルだけでは…到底シンデレラを救う事など出来んのだ…頼む、この通りだ」ペコッ
赤ずきん「頭を下げる必要なんか無いわ魔法使い。シンデレラが誘拐された時点で、私には彼女を救わないなんて選択肢…存在しないもの。当然、私は救出に向かうわ」スッ
人魚姫の声『赤ずきんがそのつもりならトーゼン私だって協力するかんねっ!危険だからーって身捨てるなんてできるわけないっしょー!』
赤鬼「ああ、そうだな。アリスが強いってぇなら俺達も全力で挑むまでだ、その為の旅でもあったんだ。易々と負けるつもりもねぇしな」
桃太郎「拙者とて日ノ本一の侍と謳われた身、いかなる困難が待ち構えようと…友を救う為ならばいかなる壁をも斬り伏せて御覧にいれよう」
裸王「うむ、筋肉とは限界を超えてこそ成長するもの!そういった意味ではこの程度の障害、私にとっては良い筋トレ程度だっ!ハッハッハッ!」
ラプンツェル「私はむずかしーこと良くわかんないけどー、シンデレラとまたがーるずとーくとかしたいからねっ!頑張って助けちゃうよ!このラプンツェルに任せてよっ」フンス
ドロシー「あ、あの…私なんか何の役にも立たないかもですけど…で、でもシンデレラさんがもしも操られてるのならその辛さは解るから…お手伝い、したいです…っ」
ヘンゼル「まぁ手伝うと言った以上、投げ出すなんて出来ないしね。アリスを野放しにしてちゃ妹達に危害が加わりそうだし、僕も手を貸す」
キモオタ「いやはやwwwこうなる事は予想してましたがなwww当然我輩も手を貸しますぞwww友の危機を見過ごす豚はただの豚でござるwww」コポォ
ティンカーベル「もちろん私も頼まれるまでも無く助けに行くよ!そんなのあったりまえじゃん!」
元スレ:キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」九冊目
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1458486313/
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編
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