キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 かぐや姫とオズの魔法使い編
Part13
Part1<<
Part9
Part10
Part11
Part12
Part13
Part14
Part15
Part16
Part17
>>Part28
評価する!(2738)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
評価する!(2738)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
430 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:25:32 ID:Sre
かぐや姫の世界 村へ続く道
・・・
タッタッタッタ
孫悟空「よぉし!もうじき村が見えてくるはずだ、急ぐぞテメェ等!」ヒュヒュヒュッ
かぐや「キモオタ君、ティンクちゃん。襲撃を受けているという村はこっちよ。はぐれずについて来ているわね?」タッタッタ
ティンカーベル「ほらほら!キモオタ急いで急いで!」フワフワ
キモオタ「ちょ、ティンカーベル殿はともかくかぐや殿も悟空殿も走るの速いでござるよ!我輩、ついて行くのが精一杯ですぞ!」ゼェゼェ
ドロシー「あ、あのっ…悟空さん、抱えて貰っちゃってすいません…。私、走るの早くないしそれに体重だって重いから…大変ですよね」
孫悟空「気にすんな、お前なんざ軽いもんよ。つーか、女って奴はどーして身体の重さなんざ気にするんだ?ある程度重い方が攻撃の威力も増すし安定するってのに…」
キモオタ「女子とはそういうもんでござるよwwwというかドロシー殿で重かったら我輩なんかもうマジでヤバい体重ですぞwww」ゼェゼェ
ティンカーベル「もーっ!無駄口叩いてないで急ぐよ!もたもたしたら翁も玉龍も危ないんだからね!しんどいならおはなしサイリウムで早く走れるようになればいいじゃん!」
キモオタ「もう使ってますぞwww簡単に言うでござるがこれ結構細かい速度調整がむずかしいのでござるよwww道路も舗装されていないでござるしwww」
孫悟空「ったく、男がこんぐらいの距離走った程度で何弱音吐いてやがんだ」
かぐや「…ここまで誰ともすれ違っていない…村の人たちはもう逃げ切ったのかしら、それとも…」ブツブツ
ドロシー「かぐやさん、お爺さんの事も不安なはずなのに村の人たちの事も心配してる…」
孫悟空「考え込むなかぐや、逆に死体も怪我人も転がって無ぇんだからいい方だと考えりゃいい。それにジジィもお前残して死ぬなんざ考えはねぇだろうしな」
かぐや「そうは言うけれどね悟空…。お爺様、近頃腰痛が辛いって言っていたから腰痛が悪化して動けなくなったりしていなければいいけど…」
431 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:28:06 ID:Sre
キモオタ「それにしてもwwwかぐや殿は冷静なお姉さんタイプだと思っておりましたがwww翁殿が絡むと途端にポンコツになりますなぁwww」
ティンカーベル「キモオタ!ポンコツとかそういう言い方するの良くないでしょ!家族の事が心配なのは当たり前じゃん!」
キモオタ「申し訳ないwww悪い意味では無くwww良い意味でのポンコツですぞ、ポンコツ可愛いとかいうでござろうwww」コポォ
ティンカーベル「それ言うの一部の人だけだよ…かぐやごめんね?キモオタは自分がポンコツな事を棚に上げてこう言う事言うけど、多分悪気はないから許してあげてね?」
キモオタ「ティンカーベル殿も大概のような気がするでござるけどwwwともあれ気に障ってしまったなら謝るでござる、我輩失言多いので勘弁願いたいwww」コポォ
かぐや「いいのよ、確かに私はお爺様やお婆様が絡むと判断が甘くなってしまいがちだから。それは自覚してるのだけどね…」
孫悟空「まっ、今に始まった事じゃねぇんだよ。ジジィは無茶するしかぐやは二人の事になるとすぐ感情的になる、それ見てバーさんはオロオロするわで…」
ドロシー「私はかぐやさんと出会って日が浅いから、かぐやさんのあんな姿…初めて見ました。普段は冷静で優しいから…ちょっぴり意外です」
かぐや「あら、がっかりしちゃった?頼れるお姉さんだと思ってたのに正直がっかりって感じかしら?」フフッ
ドロシー「あっ、そんなことないです!あのっ、むしろ家族の為に感情的になれるって、すごく家族の事を大切にしているからだと思いますし…!」
ドロシー「それに私も…仲間の事になるとついカッとなっちゃう事、ありますから…」ゴニョゴニョ
キモオタ「ほうwwwドロシー殿のような内気ガールがカッとなるとかwwwいわゆるギャップ萌えという奴ですなwww」
ドロシー「ぎゃっぷもえ…?あのっ、それってどういう……?」
ティンカーベル「妄言だから気にしなくても良いよ!それよりさかぐやさっき言ってたじゃん?【かぐや姫】を結末に導く事が償いだって、あれどーいう意味?」
キモオタ「そう言えばかぐや殿の罪とやらも、タイミング悪く聞きそびれてしまいましたしな…確かに気になりますなwww」
かぐや「今話してもきっと村に着くまでに終わらないから、お爺様を救ってから全てを話すわね。ただ、端的に言うと私の罪は…」
かぐや「多くのおとぎ話の世界を消滅させて、数え切れない程罪の無い人たちを殺した事よ」
432 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:31:43 ID:Sre
ティンカーベル「えぇっ!?おとぎ話の世界消しちゃったって…それって元々の【かぐや姫】の筋書きじゃないよね!?」
かぐや「そうね。私は月に住んでいる時から自分がおとぎ話の住人だと自覚していたしおとぎ話の事情を知っていたから、物語の筋書きとは関係なく私の意思で犯した罪よ」
キモオタ「ファッ!?ちょ、ちょっと待っていただきたい!それは所謂、アリス殿と同じように自分の目的の為に他の世界を…?」
かぐや「えぇ、あの時の私は…自分の考えを正しいと思い込んでいたから、それを実行に移す為に多くの人を犠牲にしておとぎ話を消した。幸か不幸か、それだけの能力があったから」
ドロシー「そ、それって…私と同じ……!だからかぐやさんは私に良くしてくれたんですね…」
かぐや「間違ってはいないわね、それだけではないけれど。でもねドロシーあなたの罪と私の罪は同じようで全く違うわ」
ドロシー「それってどういうことですか…?」
かぐや「あなたは精神を操作されていたから無自覚で罪を犯していた。けれど私は自分の意思で行動していたの、これは大きな違いよ」
ドロシー「あのっ、こんなこと聞いていいのか解らないですけど…なんで、かぐやさんはそんな事を…?」
かぐや「…あの頃の私はきっと神様にでもなったつもりで居たんでしょうね」
ドロシー「神様…ですか?」
かぐや「えぇ、月の王の娘に生まれて不自由無く育って周囲はちやほやして私にひれ伏す…その上、私は月の民が持つ能力をとてもうまく扱えた。だから驕っていたのね、誰よりも優れているって勘違いしていたのよ」
キモオタ「ほう…それはまた今の姿からは想像もできないですな」
かぐや「驕っていた私はある時、一つの結論にたどり着いたのよ。世間知らずの姫が不完全な知識で紡いだ、見当違いの真実。ただあの頃の私の心にあった正義はただ一つ」
かぐや「理不尽な世界から、おとぎ話の住人を救済する事」
433 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:33:21 ID:Sre
ドロシー「理不尽な世界…辛かったり悲しい結末のおとぎ話から主人公を救う為に、おとぎ話を消したって事…ですか?」
かぐや「そうよ。そんな理不尽な結末でもその世界を消滅させれば、苦しい運命や悲しい結末から解放できる。そう信じていたのよ、あの頃の私はね」
キモオタ「……っ」
孫悟空「おとぎ話は何も幸せな展開ばかりじゃねぇ。自業自得で罰を受けたり不幸になる物語もあるが、まったく罪の無い奴が理不尽な目に会う話だってある」
孫悟空「キモオタ、お前もいろんなおとぎ話の世界を旅したってなら覚えがあるだろ?」
キモオタ「覚えがあるも何も…我輩とティンカーベル殿は以前その件で相当悩む事になりましたからな。それに同様の考えを持っていた少年を一人知っているでござるし…」
ティンカーベル「うん、私達の場合は【マッチ売りの少女】だったんだけどね…」
孫悟空「あのおとぎ話か…ありゃあ相当に悲惨な内容だな」
かぐや「そうね、数多く存在するおとぎ話の中でも間違いなく理不尽さ悲惨さでは群を抜くわね」
キモオタ「我輩もなんとかマッチ売り殿を救う手立てを考えたのでござるけど、結末を大きく変えればおとぎ話が消滅してしまう故…八方ふさがりでしてな…」
ティンカーベル「うん…おとぎ話を消してでもマッチ売りちゃんを救おうって考えもあったっけ…その時のかぐやと同じだね」
かぐや「それでもあなた達はおとぎ話を消さなかった。きっと大切な事にすぐに気がつけたのね。でも私は違ったの、あの頃は悟空とも玉龍とも出会ってなかったから孤独だったものね」
かぐや「自分だけしか信じなかった。おとぎ話を消された主人公は私に感謝しているとすら思っていたもの。それは全て、自分に都合のいい考えにすぎなかったのだけどね」
キモオタ「……」
かぐや「…村が見えてきたわ。この続きは全てが終わってからね、今はお爺様を救って襲撃者を追い払う事…その方が優先よ」
・・・
434 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:35:37 ID:Sre
かぐや姫の世界 襲われた集落
???「あら〜?もうおしまいなのぉ?威勢のいいお爺ちゃんだから少しは出来るのかと思ったら、とんだ期待はずれだったわねぇ」ブホホ
竹取の翁「ゼェゼェ…なんじゃあやつは…何が起きておる…。貴様、ただの人間ではないな…?」ゼェゼェ
???「そうねぇ〜、それはアタシよりもあなたの方が確信もてるんじゃな〜い?アタシにそこまでぼろぼろにされたんですものね〜?」ブホホ
竹取の翁「ゼェゼェ…この…化け物めがァ!」ビュオッ
???「んもう、乙女を相手に化け物だなんて失礼しちゃうわねっ!そんなデリカシーの無さじゃ、娘に嫌われちゃうわよ〜?」
???「まぁいいわっ、そんなデリカシーの無いお爺ちゃんに…乙女の吐息、お見舞いしちゃうっ!」スゥゥゥゥッ
竹取の翁「また例の突風か…!」ググッ
ビュオオオオォォォォッ
竹取の翁「ぬっ、ぬぐうぅっ!」ビュオォォォ
ガシャーン
???「もう無理しない方がいいんじゃな〜い?お爺ちゃん良く頑張った方よぉ?あなたのせいで他の村人には逃げられちゃったしねぇ〜」
竹取の翁「させん…貴様の好きにはさせんぞ……!貴様のような族を野放しにしておけば、いずれかぐやも傷付くことになる…それだけは命に変えてもやらせはせぬ」グググッ
435 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:37:54 ID:Sre
???「その娘ラヴなところ、嫌いじゃないわよ〜?でもお爺ちゃんの望みとアタシ達の目的は合い入れる事ができないのよねぇ、最終的にはかぐやちゃんには消えて貰わなきゃだしねぇ?」ブホホ
竹取の翁「……っ!」
???「血気盛んなメンズは好みなんだけどねぇ〜、流石にその年齢じゃ魔法薬の実験にも使えそうにないしそろそろ楽にしてあげようかしらね…!」スゥゥゥゥッ
ザッ
???「っ!? アタシに近づくのは誰かしらぁ!?」ヒュッ
玉龍「チッ、しくじったッスか…!」ヒュッ
ズバッ
???「ちょ、なになになに〜!?いきなり斬りかかってくるなんて、あんた何者なのぉ〜?」スタッ
玉龍「あー、これあとでセンパイに怒られる奴ッスね…背後取れてたのにギリギリ気付かれたッスか…」
???「ちょーっと勘弁してよぉ〜、いくらアタシが可愛いからって背後からそっと近寄るなんて…趣味悪いわよぉ?」バッ
玉龍「趣味悪い顔面の奴に言われたくないッス」
???「まぁ…まぁまぁ!乙女の顔面を悪く言うなんて許せないっ…!」
竹取の翁「龍の小僧か…悪いがあとは任せるぞ…。かぐやは逃げおおせたか?」
玉龍「こんな時までかぐやかぐや…まったく、ジーさんはそろそろ娘離れするべきッスよ?あとウチはレディっす、小僧はやめるッスよ」
436 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:40:01 ID:Sre
???「龍…?あぁ、話は聞いているわよ〜?あなたも女の子に憧れるメンズでしょぉ?うふふ、アタシとおーんなじ。今の事は水に流してあげるから仲良くしましょ?」チュッ
玉龍「あんた、この世界の人間じゃないッスよね?一体何者ッスか?」
帽子屋「あらやだぁ!アタシったら名乗り遅れちゃったわね、【不思議の国のアリス】から来た帽子屋よ。マッドハッターって呼ぶ人も居るわね、あなたも好きに呼んで頂戴〜」ブホホ
玉龍「そうッスか、気色の悪い襲撃者っていうから何かと思ったッスけど…まぁ、これは納得のキモさッスね。予想以上のキモイおっさんが出て来てびっくりしてるッスよ」
帽子屋「あらぁ…?あなただってメンズでしょう?人の事言えないじゃない、あなたもアタシも男の娘…本当は同類同士で争うなんて嫌なのよねぇ〜。だからやめましょ?」
玉龍「ウチも同類同士で争うのは嫌っすよ、例え如意棒がついてても可愛ければ女の子だと思ってるッスから」
帽子屋「ほらっ!アタシも同意見よ!可愛い子を傷付けるなんてナンセンスよねっ!」
玉龍「そッスね。だからウチはあんたを斬りつける事に躊躇する必要が無くて安心してるッスよ」ヒュッ
帽子屋「あら…それって、どういうことかしらぁ…!!」スゥゥゥゥッ
竹取の翁「小僧、気を付けろ…あの男、口から突風を吐きだす…!この村の悲惨なあり様も、あの突風にやられたんじゃ…!」
玉龍「だから小僧じゃ…っていうか早く逃げて欲しいッスよ。正直、ジーさんを庇いながら戦える相手じゃないッス、アレ」ヒョイッ
帽子屋「余所見なんかしてて避けられるほど…私が吐く乙女の吐息は甘くないわよぉぉっ!!」
ビュオオオォォォォッ!!
437 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:42:49 ID:Sre
玉龍「これはヤバい奴っすね…受けるのは諦めるッス!」ヒョイッ
ベキベキベキーッ!!
帽子屋「流石は龍の皇子ねぇ!身軽さには自信ありって感じかしらぁ〜?」ブホホ
玉龍「木造とはいえ家を吹き飛ばすとは恐ろしいッスね。こりゃ復興が大変ッス…次はもっと丈夫な建物にするよう言っておくっすかね」
帽子屋「ブホホッ!海底の魔女が作った魔法薬で手に入れたこの能力は元々家を吹き飛ばす為のものだもの!乙女の吐息を防ぎたいっていうのなら…」
スゥゥゥゥゥッ!!
帽子屋「丈夫なレンガの家でも造る事ねぇー!!」ビュォォォォォッ!!
玉龍「魔法薬…。なるほどッス、大体どういう事か読めたッスよ…厄介な魔女がそっちに味方してるんスね」ヒョイッ
帽子屋「あらあらあらぁー?大きな口を叩いた割には逃げの一手ってかんじねぇー?それじゃさっきのお爺ちゃんといっしょよぉ〜?」ブホホ
玉龍「いいんスよ、ウチの役目はジーさんを逃がす事なんすから。不意打ちで倒せればラッキーって思ってたッスけどね」
帽子屋「やぁだぁ〜、アタシの事随分と舐めてかかってるのねぇ?玉龍ちゃん?ちょーっと心外よ、アタシ【不思議の国のアリス】では結構な重要キャラよ〜?あんたと違ってね〜」ビュッ
玉龍「突風が適わないと解って接近戦に持ち込むッスか?いいッスよ、ウチもその方が自信ありッス!」ビュッ
帽子屋「あらあら!随分な自信ねぇ?まさかあんたのほうから間合いに飛び込んでくとはねぇ〜」ヒュッ
玉龍「突風を出すには大きく息を吸う必要があるみたいッスけど、近づいてしまえばそれも止める事が出来るッス!それに…隙だらけッスよ、オッサン!」
ザシュッ
438 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:44:53 ID:Sre
ズバッ!!
玉龍「手ごたえありッス…!」
ボタボタッ…
帽子屋「あら、これは随分とキクわねぇ…流石、龍の爪の鋭さは伝説以上ねぇ〜…危うく意識トンじゃうくらいよぉ?」ブホホ
玉龍「強がりはやめるッスよ。今は女の子の姿だっていってもこの爪の鋭さは本来のものッスかr」
ガシッ
帽子屋「捕まえたわよ〜?可愛い可愛い玉龍ちゃん…?」ブホホ
玉龍「な、なんスかこいつ…!これじゃまるで斬りつけられるのを解って近づいt」ゾワッ
ブチッ
玉龍「っ!?」ババッ
帽子屋「やぁだぁ!今更距離を取ったってダメよぉ〜?痛みは無いでしょうけど、見てごらんなさいなあなたのみ・ぎ・う・で♪」
玉龍「み、右腕だけ元から無かったようになってるッス……!?」
帽子屋「ブホッホホホ!!玉龍ちゃんの右腕、いただいちゃったわよぉ〜!」ブホホホ
玉龍「なっ…なんスかこれ…?引きちぎったにしても傷一つ痛み一つないなんてどうかしてるッス……っ!」
帽子屋「ブホホ!これでもう自慢の龍の爪は左側だけになっちゃったわねぇ?」
439 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:49:42 ID:Sre
玉龍「…魔法薬ッスか!ひとつだけじゃないなんて気付きそうなもんッスのに…!」クッ
帽子屋「ブホホホッ!動揺してる隙に乙女の吐息、いくわよぉ…!」スゥゥゥゥッ
玉龍「させないッス!ウチにはまだ左腕があるッス!こっちで切り裂いてやれば…!」ヒュッ
帽子屋「あらぁ?いいのぉ?私が今度は左腕を狙ってるって、気がついてるんじゃない…?」
玉龍「……っ!」ババッ
帽子屋「やだぁ!ビビらないでよー、あからさまに距離を取るのね玉龍ちゃん!そうよねぇ?両腕もがれたら戦う事が出来なくなるものねぇ?」
玉龍「……困ったッスね。武器なんか【孫悟空】の世界に置いてきたッス…先輩早く来て欲しいッスよ…」ボソッ
帽子屋「あらあら八方ふさがりねぇ?ちょーっとトラウマになっちゃったかしらぁ?悪い事しちゃったわねぇ〜?」
玉龍「そう思ってるなら返して欲しいッスよ。ウチの予想があってれば、あんたのその魔法薬はもいだものをくっつけることも出来るンスよね?」
帽子屋「あらぁ、察しが良いのね!でも駄目よぉ、また斬りかかられちゃあ堪らないものぉ〜」
帽子屋「でもそうねぇせっかく痛み無くもげるんだから…せめてもの償いに別のモノをもいであげましょうか?あなたについてる如意棒とかねぇ?より女の子に近くなれるわよぉ?」ブホホ
玉龍「……。それは遠慮しておくッス。それと……もうその例え使わない方がいいッスよ」
帽子屋「あらぁ?あなたもさっき使ってたじゃないの、結構的確な例えだと思うのに。使っちゃダメなのぉ?」ブホホ
玉龍「金輪際使わない方がいいッス。その例えをめっちゃ嫌う人が、ようやく到着したみたいっすからね」
帽子屋「はぁ?それってどういう…。……!?」
ビュバッ!!
帽子屋「突然背後から棍棒が…!?あ、あらやだ…も、もしかしてこの武器…」
ゴゴゴゴゴ
孫悟空「どいつもこいつを俺の武器を卑猥なもんに例えやがって…!」ザッ
孫悟空「覚悟しろよお前等、もう二度とそんな戯言口にできねぇように痛めつけてやらぁ!!馬鹿共をぶちのめせ!穿て、如意棒ォォォォ!!」
440 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:52:50 ID:Sre
今日はここまでです。レスもイラスト支援も励みになります、ありがとう!
忙しくて間隔空き気味だけど懲りずにつきあってくださいな
ここまでに出たおとぎ話紹介
【わらしべ長者】
道端で拾ったわらしべを物々交換で別の物へと変えていく信心深い若者のおとぎ話
日本の昔話。信心深いが貧しい若者が観音様を拝むと『この後初めて手に触れたものを大切にする事』とお告げを受ける
そこで手にしたのが一本のわらしべ。若者がその藁にアブをくくりつけていると、傍らにいた子供がそれを面白がって欲しがります
その子供の母親はそのアブ付きわらしべと蜜柑を交換して欲しいと申し出たので、若者は交換する事にします。その後、道端で疲れ果てている女性が蜜柑を交換して欲しいと申し出てきて…
赤ずきんが救ったおとぎ話の一つ
若者は貧民から一転富豪に。商売に手を出しており随分と軌道に乗っているらしい。赤ずきん曰く『信仰心と運だけは人間離れしている』
赤ずきんとは友人関係にあり、【泣いた赤鬼】で赤鬼(鬼神)が破壊した家屋などの修繕の際に不足していた人員を援助してくれた。
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きます
441 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)02:26:01 ID:8W3
乙であります
442 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)07:01:19 ID:Jii
乙です!
てか魔法薬ズリー!チート過ぎてズリー!
443 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)07:33:23 ID:WU0
乙!
魔法薬は他のおとぎ話のキャラクターが持ってる能力を使えるんだな
海底の魔女は魔女としては優秀だな
444 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)10:46:38 ID:nNR
乙です!
魔法薬やべぇ…
これにアリス陣営は魔法具も持ってるんだから…
続き待ってます!
470 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:18:33 ID:3g5
ヒュオッ ゴシャアアァァ!!
帽子屋「もう、そんなに怒る事ないじゃないのぉ〜!悟空ちゃんって下ネタダメ系?外見はワイルドなのに案外ピュアなのねぇ〜?」ヒラリッ
スタッ
帽子屋「人は見かけによらないってよく言うけど、妖怪も例外じゃないみたいねぇ〜?」ブホホ
孫悟空「さぁどうだか知らねぇが…だが外見どおり戦闘には自信ありだ、見かけ倒しなんかじゃねぇから覚悟しやがれぇ!」ビュバッ
帽子屋「ちょっ、危ないじゃないの!んもぉっ!今のギリギリだったわよぉ!?アタシの帽子は売り物なんだから扱いには注意しt」スッ
ビュオッ
帽子屋「やだぁ、人の話聞きなさいよ悟空ちゃんってばぁ!」
孫悟空「ほう、手負いだってのに如意棒の一撃を二度もかわすたぁなかなかやるじゃねぇか!しかしテメェ随分ふざけた格好だな。テメェ男だろ?どうして女物の服を着てやがんだ…?」
帽子屋「乙女が女物の洋服着るのなんか当たり前よぉ!おかしなこと言うのねぇ悟空ちゃんっ」ブホホ
孫悟空「……俺の連れが似たような事言ってのを思い出したぜ」バッ
帽子屋「ぶほほっ、安心して頂戴っ!可憐な姿を利用して攻撃の手を止めさせようだなんて姑息な事、考えてないわよぉ〜?」
孫悟空「可憐だぁ?どの口が言ってんだ、どっちかってぇとテメェの外見は俺が【西遊記】で相手にしてきた妖怪共のそれに近いぜ?」
帽子屋「やだぁ言うわねぇ悟空ちゃん!でも【西遊記】の主人公がその妖怪に二度も攻撃を避けられちゃうようじゃ、おとぎ話として成り立たないんじゃあなーい?」
孫悟空「はっ、テメェこそ言うじゃねぇか…!テメェ、名は?」
帽子屋「ぶほほっ。【不思議の国のアリス】の帽子屋よ。あなたを待っていたわよ悟空ちゃん…!」
471 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:20:49 ID:3g5
孫悟空「やっぱり【不思議の国のアリス】のメンツか。しかし、俺を待っていただぁ?そいつぁどういう…」
帽子屋「ぶふふっ、悟空ちゃんが【かぐや姫】の世界にいるって事はアリスちゃんから聞いていたのよっ、それで彼女に頼まれたのよねぇ〜」
帽子屋「アリスちゃんの目的を達成する上で、おとぎ話最強と言われるあなたはジャマなのよ〜!ぶほほっ、流石に紅瓢はもう通用しないでしょうし…だからアタシが来たのよぉ」
孫悟空「なるほど、紅瓢で俺を溶かすのに失敗しちまったから今度はテメェが俺を始末しに来たって訳か。はっ、俺ぁアリスに随分と嫌われてやがるな」クックック
帽子屋「んふふっ、裏を返せば悟空ちゃんの事を認めているのよぉ〜。放置しておけば必ず脅威になるってね、アタシとしては大好きなアリスちゃんの障害になるモノは取り除きたいじゃない?」
帽子屋「だから【西遊記】のおとぎ話が消滅したように、悟空ちゃんにも完全に消滅して貰わなきゃねぇ〜」ンフフ
孫悟空「どうやらデケェ口を叩くだけの自信はあるみてぇだな…そして実力も兼ね備えている、テメェの面構えを見りゃあ解る。面白ぇ…!久々に全力で如意棒を振るう事ができそうだなぁ!」ググッ
玉龍「センパイ!待つッス…帽子屋に安易に近づいたら危険ッスよ!」
孫悟空「あぁ、解ってる。お前のその右腕…こいつにやられたんだな?」
玉龍「そうッス…!そいつは魔法具を使って別のおとぎ話の能力を手に入れているんス!薬がいくつあるかはわかんないスけど、ウチが知っている能力は二つッス!」
玉龍「ひとつは大息を吐きだして建物すら吹き飛ばす【三匹のこぶた】の狼の能力ッス!そしてもう一つは身体の一部をもぎ取って付けたり外したりできる能力ッス…!」
孫悟空「その能力には聞き覚えがあるぜ。確か随分昔に別世界の事も勉強しろってお師匠に聞かされた日ノ本のおとぎ話にそんな能力を持つ鬼が出てきたよなぁ?」
玉龍「そうッス!ジーさんのこぶをもぎ取った鬼の能力…【こぶとり爺さん】の鬼の能力ッスよ!」
帽子屋「んふふっ、二人とも案外博識ねぇ〜?もちろんその魔法具の効果はまだ続いているけれど、悟空ちゃん相手に素手で挑むのは流石に無茶かしらねぇ?」
帽子屋「悟空ちゃんは如意棒を使って戦うんですものっ!だからアタシも武器…使わせて貰っちゃうわよぉ?」ンフフ
472 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:24:48 ID:3g5
玉龍「武器なんか持っていたッスか…!じゃあウチの時に素手で相手をしたのは、龍の爪を確実にもぎ取る為だったッスね…!」
帽子屋「ぶふふぉっ、そうよぉ?悟空ちゃんもジャマだけど…玉龍ちゃんも危険視されているのよぉ?なんてったって龍ですものねぇ!一目おかれてるんだから喜びなさぁい」クネクネ
玉龍「お前みたいな姑息な奴に一目置かれても嬉しくなんか無いッス!」ムッ
帽子屋「ぶほほっ、そんなに怒らないでよぉ?いくらアタシ達でも龍を相手にするのは避けたいものねぇ、だから女の子状態の時に龍の爪ごと腕をもいだのよぉ!」ブホホホ
帽子屋「女の子状態で戦う時に玉龍ちゃんは爪で戦う為に腕だけ龍に戻すって聞いていたのよぉ。例え片腕だけでももげれば戦力を削げるでしょぉ?ふふっ、うまくいって良かったわ〜」ンフフ
玉龍「ぐぅ…悔しいッス…!ウチはまんまとあいつの策に乗せられてたんスね…!武器なんか持っているようには見えなかったッスのに…!」ギリッ
帽子屋「小さくしてバッグに入れていたのよぉ。【不思議の国のアリス】にはサイズを変化させる魔法具がたくさんあるのっ!だからこんな風に小瓶の液体を武器に垂らしてやれば…」ピチョーン
ヒュオ シャキーン
帽子屋「さぁてっ!そろそろ覚悟してもらうわよ悟空ちゃん?いくらあなたが強くてもこの死神の鎌に刈り取る事の出来ない命なんて無いんですものぉ〜!」ビュオッ
孫悟空「大鎌か。そいつぁ…なんともテメェらしい道具じゃねぇか」
帽子屋「んふふっ、それってどういう意味かしらねぇ〜?とあるおとぎ話かの死神から奪ったものだけどお気に入りなのよこれぇ」ンフフ
孫悟空「さぁな。掛かって来な、テメェが魔法薬を使おうと大鎌を振り回そうと俺は全力でお前を倒すだけだぜぇ!」ググッ
帽子屋「んふふっ、望むところよぉ!死神の鎌の切れ味…じっくり味わせてあげちゃうわぁ!!」バッ
473 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:28:36 ID:3g5
ヒュン
孫悟空「待たせたな如意棒!さぁテメェの出番だ、俺と存分に暴れようじゃねぇか!ぜぇぇぇああぁぁっ!!」ビュオンビュオンッ
帽子屋「んふふっ、さぁ魂さえも切り離すその鋭利な刃で…全てを刈り取りなさい!」ヒュオッ
ガキィィンッ
帽子屋「あらっ意外ねぇ!アタシの鎌にかかれば如意棒なんて真っ二つだと思っていたのに、随分と丈夫な武器じゃないのぉ!」ババッ
孫悟空「意外はこっちのセリフだぜぇ、如意棒の一撃を刃で受けていながら刃こぼれひとつねぇとは…流石は死神の鎌ってところかぁ!」ババッ
帽子屋「やぁだぁ、自分の武器を褒められるのって嬉しいわねぇ!嬉しくなっちゃうわぁ〜」
孫悟空「はっ、テメェの武器だぁ?どこの死神から奪ったか知らねぇが、盗んできた大鎌振り回してよくそんな事が言えるぜ!」
帽子屋「ぶほほっ、そうだったわねぇ!でもその如意棒だって無理矢理奪ったものよねぇ?人の事とやかく言えないわよぉ、強奪犯さぁん?」ブホホ
孫悟空「ハッハッハァ!違ぇねぇ!だったら武器についてとやかく言うのはもうヤメだぁ!」ヒュオッ
ビュオッ ガキィィンッ
帽子屋「あら、今のは危なかったわねぇっ!伸縮自在って厄介ねぇ…距離感が掴みにくくて戦いづらいわぁ〜!」ビュオッ
ヒュン ズバッ
孫悟空「抜かせぇ!そもそもが大鎌なんてもん武器にするには向いてねぇ、そんなもん好き好んで使ってる時点で戦いにくいに決まってんだろうがぁ!」ビュオッ
帽子屋「ぶほほっ、でも素敵じゃなぁい?アタシは悟空ちゃんみたいに勝負に勝てればいいって考えじゃないのよぉ!」
孫悟空「あぁ?」
帽子屋「強いのは当たり前よっ、それに加えていかに美しく魅せる戦いができるかどうか…それがアタシのスタイルなのよぉ〜!」ブホホ
かぐや姫の世界 村へ続く道
・・・
タッタッタッタ
孫悟空「よぉし!もうじき村が見えてくるはずだ、急ぐぞテメェ等!」ヒュヒュヒュッ
かぐや「キモオタ君、ティンクちゃん。襲撃を受けているという村はこっちよ。はぐれずについて来ているわね?」タッタッタ
ティンカーベル「ほらほら!キモオタ急いで急いで!」フワフワ
キモオタ「ちょ、ティンカーベル殿はともかくかぐや殿も悟空殿も走るの速いでござるよ!我輩、ついて行くのが精一杯ですぞ!」ゼェゼェ
ドロシー「あ、あのっ…悟空さん、抱えて貰っちゃってすいません…。私、走るの早くないしそれに体重だって重いから…大変ですよね」
孫悟空「気にすんな、お前なんざ軽いもんよ。つーか、女って奴はどーして身体の重さなんざ気にするんだ?ある程度重い方が攻撃の威力も増すし安定するってのに…」
キモオタ「女子とはそういうもんでござるよwwwというかドロシー殿で重かったら我輩なんかもうマジでヤバい体重ですぞwww」ゼェゼェ
ティンカーベル「もーっ!無駄口叩いてないで急ぐよ!もたもたしたら翁も玉龍も危ないんだからね!しんどいならおはなしサイリウムで早く走れるようになればいいじゃん!」
キモオタ「もう使ってますぞwww簡単に言うでござるがこれ結構細かい速度調整がむずかしいのでござるよwww道路も舗装されていないでござるしwww」
孫悟空「ったく、男がこんぐらいの距離走った程度で何弱音吐いてやがんだ」
かぐや「…ここまで誰ともすれ違っていない…村の人たちはもう逃げ切ったのかしら、それとも…」ブツブツ
ドロシー「かぐやさん、お爺さんの事も不安なはずなのに村の人たちの事も心配してる…」
孫悟空「考え込むなかぐや、逆に死体も怪我人も転がって無ぇんだからいい方だと考えりゃいい。それにジジィもお前残して死ぬなんざ考えはねぇだろうしな」
かぐや「そうは言うけれどね悟空…。お爺様、近頃腰痛が辛いって言っていたから腰痛が悪化して動けなくなったりしていなければいいけど…」
431 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:28:06 ID:Sre
キモオタ「それにしてもwwwかぐや殿は冷静なお姉さんタイプだと思っておりましたがwww翁殿が絡むと途端にポンコツになりますなぁwww」
ティンカーベル「キモオタ!ポンコツとかそういう言い方するの良くないでしょ!家族の事が心配なのは当たり前じゃん!」
キモオタ「申し訳ないwww悪い意味では無くwww良い意味でのポンコツですぞ、ポンコツ可愛いとかいうでござろうwww」コポォ
ティンカーベル「それ言うの一部の人だけだよ…かぐやごめんね?キモオタは自分がポンコツな事を棚に上げてこう言う事言うけど、多分悪気はないから許してあげてね?」
キモオタ「ティンカーベル殿も大概のような気がするでござるけどwwwともあれ気に障ってしまったなら謝るでござる、我輩失言多いので勘弁願いたいwww」コポォ
かぐや「いいのよ、確かに私はお爺様やお婆様が絡むと判断が甘くなってしまいがちだから。それは自覚してるのだけどね…」
孫悟空「まっ、今に始まった事じゃねぇんだよ。ジジィは無茶するしかぐやは二人の事になるとすぐ感情的になる、それ見てバーさんはオロオロするわで…」
ドロシー「私はかぐやさんと出会って日が浅いから、かぐやさんのあんな姿…初めて見ました。普段は冷静で優しいから…ちょっぴり意外です」
かぐや「あら、がっかりしちゃった?頼れるお姉さんだと思ってたのに正直がっかりって感じかしら?」フフッ
ドロシー「あっ、そんなことないです!あのっ、むしろ家族の為に感情的になれるって、すごく家族の事を大切にしているからだと思いますし…!」
ドロシー「それに私も…仲間の事になるとついカッとなっちゃう事、ありますから…」ゴニョゴニョ
キモオタ「ほうwwwドロシー殿のような内気ガールがカッとなるとかwwwいわゆるギャップ萌えという奴ですなwww」
ドロシー「ぎゃっぷもえ…?あのっ、それってどういう……?」
ティンカーベル「妄言だから気にしなくても良いよ!それよりさかぐやさっき言ってたじゃん?【かぐや姫】を結末に導く事が償いだって、あれどーいう意味?」
キモオタ「そう言えばかぐや殿の罪とやらも、タイミング悪く聞きそびれてしまいましたしな…確かに気になりますなwww」
かぐや「今話してもきっと村に着くまでに終わらないから、お爺様を救ってから全てを話すわね。ただ、端的に言うと私の罪は…」
かぐや「多くのおとぎ話の世界を消滅させて、数え切れない程罪の無い人たちを殺した事よ」
432 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:31:43 ID:Sre
ティンカーベル「えぇっ!?おとぎ話の世界消しちゃったって…それって元々の【かぐや姫】の筋書きじゃないよね!?」
かぐや「そうね。私は月に住んでいる時から自分がおとぎ話の住人だと自覚していたしおとぎ話の事情を知っていたから、物語の筋書きとは関係なく私の意思で犯した罪よ」
キモオタ「ファッ!?ちょ、ちょっと待っていただきたい!それは所謂、アリス殿と同じように自分の目的の為に他の世界を…?」
かぐや「えぇ、あの時の私は…自分の考えを正しいと思い込んでいたから、それを実行に移す為に多くの人を犠牲にしておとぎ話を消した。幸か不幸か、それだけの能力があったから」
ドロシー「そ、それって…私と同じ……!だからかぐやさんは私に良くしてくれたんですね…」
かぐや「間違ってはいないわね、それだけではないけれど。でもねドロシーあなたの罪と私の罪は同じようで全く違うわ」
ドロシー「それってどういうことですか…?」
かぐや「あなたは精神を操作されていたから無自覚で罪を犯していた。けれど私は自分の意思で行動していたの、これは大きな違いよ」
ドロシー「あのっ、こんなこと聞いていいのか解らないですけど…なんで、かぐやさんはそんな事を…?」
かぐや「…あの頃の私はきっと神様にでもなったつもりで居たんでしょうね」
ドロシー「神様…ですか?」
かぐや「えぇ、月の王の娘に生まれて不自由無く育って周囲はちやほやして私にひれ伏す…その上、私は月の民が持つ能力をとてもうまく扱えた。だから驕っていたのね、誰よりも優れているって勘違いしていたのよ」
キモオタ「ほう…それはまた今の姿からは想像もできないですな」
かぐや「驕っていた私はある時、一つの結論にたどり着いたのよ。世間知らずの姫が不完全な知識で紡いだ、見当違いの真実。ただあの頃の私の心にあった正義はただ一つ」
かぐや「理不尽な世界から、おとぎ話の住人を救済する事」
433 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:33:21 ID:Sre
ドロシー「理不尽な世界…辛かったり悲しい結末のおとぎ話から主人公を救う為に、おとぎ話を消したって事…ですか?」
かぐや「そうよ。そんな理不尽な結末でもその世界を消滅させれば、苦しい運命や悲しい結末から解放できる。そう信じていたのよ、あの頃の私はね」
キモオタ「……っ」
孫悟空「おとぎ話は何も幸せな展開ばかりじゃねぇ。自業自得で罰を受けたり不幸になる物語もあるが、まったく罪の無い奴が理不尽な目に会う話だってある」
孫悟空「キモオタ、お前もいろんなおとぎ話の世界を旅したってなら覚えがあるだろ?」
キモオタ「覚えがあるも何も…我輩とティンカーベル殿は以前その件で相当悩む事になりましたからな。それに同様の考えを持っていた少年を一人知っているでござるし…」
ティンカーベル「うん、私達の場合は【マッチ売りの少女】だったんだけどね…」
孫悟空「あのおとぎ話か…ありゃあ相当に悲惨な内容だな」
かぐや「そうね、数多く存在するおとぎ話の中でも間違いなく理不尽さ悲惨さでは群を抜くわね」
キモオタ「我輩もなんとかマッチ売り殿を救う手立てを考えたのでござるけど、結末を大きく変えればおとぎ話が消滅してしまう故…八方ふさがりでしてな…」
ティンカーベル「うん…おとぎ話を消してでもマッチ売りちゃんを救おうって考えもあったっけ…その時のかぐやと同じだね」
かぐや「それでもあなた達はおとぎ話を消さなかった。きっと大切な事にすぐに気がつけたのね。でも私は違ったの、あの頃は悟空とも玉龍とも出会ってなかったから孤独だったものね」
かぐや「自分だけしか信じなかった。おとぎ話を消された主人公は私に感謝しているとすら思っていたもの。それは全て、自分に都合のいい考えにすぎなかったのだけどね」
キモオタ「……」
かぐや「…村が見えてきたわ。この続きは全てが終わってからね、今はお爺様を救って襲撃者を追い払う事…その方が優先よ」
・・・
434 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:35:37 ID:Sre
かぐや姫の世界 襲われた集落
???「あら〜?もうおしまいなのぉ?威勢のいいお爺ちゃんだから少しは出来るのかと思ったら、とんだ期待はずれだったわねぇ」ブホホ
竹取の翁「ゼェゼェ…なんじゃあやつは…何が起きておる…。貴様、ただの人間ではないな…?」ゼェゼェ
???「そうねぇ〜、それはアタシよりもあなたの方が確信もてるんじゃな〜い?アタシにそこまでぼろぼろにされたんですものね〜?」ブホホ
竹取の翁「ゼェゼェ…この…化け物めがァ!」ビュオッ
???「んもう、乙女を相手に化け物だなんて失礼しちゃうわねっ!そんなデリカシーの無さじゃ、娘に嫌われちゃうわよ〜?」
???「まぁいいわっ、そんなデリカシーの無いお爺ちゃんに…乙女の吐息、お見舞いしちゃうっ!」スゥゥゥゥッ
竹取の翁「また例の突風か…!」ググッ
ビュオオオオォォォォッ
竹取の翁「ぬっ、ぬぐうぅっ!」ビュオォォォ
ガシャーン
???「もう無理しない方がいいんじゃな〜い?お爺ちゃん良く頑張った方よぉ?あなたのせいで他の村人には逃げられちゃったしねぇ〜」
竹取の翁「させん…貴様の好きにはさせんぞ……!貴様のような族を野放しにしておけば、いずれかぐやも傷付くことになる…それだけは命に変えてもやらせはせぬ」グググッ
???「その娘ラヴなところ、嫌いじゃないわよ〜?でもお爺ちゃんの望みとアタシ達の目的は合い入れる事ができないのよねぇ、最終的にはかぐやちゃんには消えて貰わなきゃだしねぇ?」ブホホ
竹取の翁「……っ!」
???「血気盛んなメンズは好みなんだけどねぇ〜、流石にその年齢じゃ魔法薬の実験にも使えそうにないしそろそろ楽にしてあげようかしらね…!」スゥゥゥゥッ
ザッ
???「っ!? アタシに近づくのは誰かしらぁ!?」ヒュッ
玉龍「チッ、しくじったッスか…!」ヒュッ
ズバッ
???「ちょ、なになになに〜!?いきなり斬りかかってくるなんて、あんた何者なのぉ〜?」スタッ
玉龍「あー、これあとでセンパイに怒られる奴ッスね…背後取れてたのにギリギリ気付かれたッスか…」
???「ちょーっと勘弁してよぉ〜、いくらアタシが可愛いからって背後からそっと近寄るなんて…趣味悪いわよぉ?」バッ
玉龍「趣味悪い顔面の奴に言われたくないッス」
???「まぁ…まぁまぁ!乙女の顔面を悪く言うなんて許せないっ…!」
竹取の翁「龍の小僧か…悪いがあとは任せるぞ…。かぐやは逃げおおせたか?」
玉龍「こんな時までかぐやかぐや…まったく、ジーさんはそろそろ娘離れするべきッスよ?あとウチはレディっす、小僧はやめるッスよ」
436 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:40:01 ID:Sre
???「龍…?あぁ、話は聞いているわよ〜?あなたも女の子に憧れるメンズでしょぉ?うふふ、アタシとおーんなじ。今の事は水に流してあげるから仲良くしましょ?」チュッ
玉龍「あんた、この世界の人間じゃないッスよね?一体何者ッスか?」
帽子屋「あらやだぁ!アタシったら名乗り遅れちゃったわね、【不思議の国のアリス】から来た帽子屋よ。マッドハッターって呼ぶ人も居るわね、あなたも好きに呼んで頂戴〜」ブホホ
玉龍「そうッスか、気色の悪い襲撃者っていうから何かと思ったッスけど…まぁ、これは納得のキモさッスね。予想以上のキモイおっさんが出て来てびっくりしてるッスよ」
帽子屋「あらぁ…?あなただってメンズでしょう?人の事言えないじゃない、あなたもアタシも男の娘…本当は同類同士で争うなんて嫌なのよねぇ〜。だからやめましょ?」
玉龍「ウチも同類同士で争うのは嫌っすよ、例え如意棒がついてても可愛ければ女の子だと思ってるッスから」
帽子屋「ほらっ!アタシも同意見よ!可愛い子を傷付けるなんてナンセンスよねっ!」
玉龍「そッスね。だからウチはあんたを斬りつける事に躊躇する必要が無くて安心してるッスよ」ヒュッ
帽子屋「あら…それって、どういうことかしらぁ…!!」スゥゥゥゥッ
竹取の翁「小僧、気を付けろ…あの男、口から突風を吐きだす…!この村の悲惨なあり様も、あの突風にやられたんじゃ…!」
玉龍「だから小僧じゃ…っていうか早く逃げて欲しいッスよ。正直、ジーさんを庇いながら戦える相手じゃないッス、アレ」ヒョイッ
帽子屋「余所見なんかしてて避けられるほど…私が吐く乙女の吐息は甘くないわよぉぉっ!!」
ビュオオオォォォォッ!!
437 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:42:49 ID:Sre
玉龍「これはヤバい奴っすね…受けるのは諦めるッス!」ヒョイッ
ベキベキベキーッ!!
帽子屋「流石は龍の皇子ねぇ!身軽さには自信ありって感じかしらぁ〜?」ブホホ
玉龍「木造とはいえ家を吹き飛ばすとは恐ろしいッスね。こりゃ復興が大変ッス…次はもっと丈夫な建物にするよう言っておくっすかね」
帽子屋「ブホホッ!海底の魔女が作った魔法薬で手に入れたこの能力は元々家を吹き飛ばす為のものだもの!乙女の吐息を防ぎたいっていうのなら…」
スゥゥゥゥゥッ!!
帽子屋「丈夫なレンガの家でも造る事ねぇー!!」ビュォォォォォッ!!
玉龍「魔法薬…。なるほどッス、大体どういう事か読めたッスよ…厄介な魔女がそっちに味方してるんスね」ヒョイッ
帽子屋「あらあらあらぁー?大きな口を叩いた割には逃げの一手ってかんじねぇー?それじゃさっきのお爺ちゃんといっしょよぉ〜?」ブホホ
玉龍「いいんスよ、ウチの役目はジーさんを逃がす事なんすから。不意打ちで倒せればラッキーって思ってたッスけどね」
帽子屋「やぁだぁ〜、アタシの事随分と舐めてかかってるのねぇ?玉龍ちゃん?ちょーっと心外よ、アタシ【不思議の国のアリス】では結構な重要キャラよ〜?あんたと違ってね〜」ビュッ
玉龍「突風が適わないと解って接近戦に持ち込むッスか?いいッスよ、ウチもその方が自信ありッス!」ビュッ
帽子屋「あらあら!随分な自信ねぇ?まさかあんたのほうから間合いに飛び込んでくとはねぇ〜」ヒュッ
玉龍「突風を出すには大きく息を吸う必要があるみたいッスけど、近づいてしまえばそれも止める事が出来るッス!それに…隙だらけッスよ、オッサン!」
ザシュッ
438 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:44:53 ID:Sre
ズバッ!!
玉龍「手ごたえありッス…!」
ボタボタッ…
帽子屋「あら、これは随分とキクわねぇ…流石、龍の爪の鋭さは伝説以上ねぇ〜…危うく意識トンじゃうくらいよぉ?」ブホホ
玉龍「強がりはやめるッスよ。今は女の子の姿だっていってもこの爪の鋭さは本来のものッスかr」
ガシッ
帽子屋「捕まえたわよ〜?可愛い可愛い玉龍ちゃん…?」ブホホ
玉龍「な、なんスかこいつ…!これじゃまるで斬りつけられるのを解って近づいt」ゾワッ
ブチッ
玉龍「っ!?」ババッ
帽子屋「やぁだぁ!今更距離を取ったってダメよぉ〜?痛みは無いでしょうけど、見てごらんなさいなあなたのみ・ぎ・う・で♪」
玉龍「み、右腕だけ元から無かったようになってるッス……!?」
帽子屋「ブホッホホホ!!玉龍ちゃんの右腕、いただいちゃったわよぉ〜!」ブホホホ
玉龍「なっ…なんスかこれ…?引きちぎったにしても傷一つ痛み一つないなんてどうかしてるッス……っ!」
帽子屋「ブホホ!これでもう自慢の龍の爪は左側だけになっちゃったわねぇ?」
439 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:49:42 ID:Sre
玉龍「…魔法薬ッスか!ひとつだけじゃないなんて気付きそうなもんッスのに…!」クッ
帽子屋「ブホホホッ!動揺してる隙に乙女の吐息、いくわよぉ…!」スゥゥゥゥッ
玉龍「させないッス!ウチにはまだ左腕があるッス!こっちで切り裂いてやれば…!」ヒュッ
帽子屋「あらぁ?いいのぉ?私が今度は左腕を狙ってるって、気がついてるんじゃない…?」
玉龍「……っ!」ババッ
帽子屋「やだぁ!ビビらないでよー、あからさまに距離を取るのね玉龍ちゃん!そうよねぇ?両腕もがれたら戦う事が出来なくなるものねぇ?」
玉龍「……困ったッスね。武器なんか【孫悟空】の世界に置いてきたッス…先輩早く来て欲しいッスよ…」ボソッ
帽子屋「あらあら八方ふさがりねぇ?ちょーっとトラウマになっちゃったかしらぁ?悪い事しちゃったわねぇ〜?」
玉龍「そう思ってるなら返して欲しいッスよ。ウチの予想があってれば、あんたのその魔法薬はもいだものをくっつけることも出来るンスよね?」
帽子屋「あらぁ、察しが良いのね!でも駄目よぉ、また斬りかかられちゃあ堪らないものぉ〜」
帽子屋「でもそうねぇせっかく痛み無くもげるんだから…せめてもの償いに別のモノをもいであげましょうか?あなたについてる如意棒とかねぇ?より女の子に近くなれるわよぉ?」ブホホ
玉龍「……。それは遠慮しておくッス。それと……もうその例え使わない方がいいッスよ」
帽子屋「あらぁ?あなたもさっき使ってたじゃないの、結構的確な例えだと思うのに。使っちゃダメなのぉ?」ブホホ
玉龍「金輪際使わない方がいいッス。その例えをめっちゃ嫌う人が、ようやく到着したみたいっすからね」
帽子屋「はぁ?それってどういう…。……!?」
ビュバッ!!
帽子屋「突然背後から棍棒が…!?あ、あらやだ…も、もしかしてこの武器…」
ゴゴゴゴゴ
孫悟空「どいつもこいつを俺の武器を卑猥なもんに例えやがって…!」ザッ
孫悟空「覚悟しろよお前等、もう二度とそんな戯言口にできねぇように痛めつけてやらぁ!!馬鹿共をぶちのめせ!穿て、如意棒ォォォォ!!」
440 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/21(月)00:52:50 ID:Sre
今日はここまでです。レスもイラスト支援も励みになります、ありがとう!
忙しくて間隔空き気味だけど懲りずにつきあってくださいな
ここまでに出たおとぎ話紹介
【わらしべ長者】
道端で拾ったわらしべを物々交換で別の物へと変えていく信心深い若者のおとぎ話
日本の昔話。信心深いが貧しい若者が観音様を拝むと『この後初めて手に触れたものを大切にする事』とお告げを受ける
そこで手にしたのが一本のわらしべ。若者がその藁にアブをくくりつけていると、傍らにいた子供がそれを面白がって欲しがります
その子供の母親はそのアブ付きわらしべと蜜柑を交換して欲しいと申し出たので、若者は交換する事にします。その後、道端で疲れ果てている女性が蜜柑を交換して欲しいと申し出てきて…
赤ずきんが救ったおとぎ話の一つ
若者は貧民から一転富豪に。商売に手を出しており随分と軌道に乗っているらしい。赤ずきん曰く『信仰心と運だけは人間離れしている』
赤ずきんとは友人関係にあり、【泣いた赤鬼】で赤鬼(鬼神)が破壊した家屋などの修繕の際に不足していた人員を援助してくれた。
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きます
441 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)02:26:01 ID:8W3
乙であります
442 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)07:01:19 ID:Jii
乙です!
てか魔法薬ズリー!チート過ぎてズリー!
443 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)07:33:23 ID:WU0
乙!
魔法薬は他のおとぎ話のキャラクターが持ってる能力を使えるんだな
海底の魔女は魔女としては優秀だな
444 :名無しさん@おーぷん :2015/12/21(月)10:46:38 ID:nNR
乙です!
魔法薬やべぇ…
これにアリス陣営は魔法具も持ってるんだから…
続き待ってます!
470 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:18:33 ID:3g5
ヒュオッ ゴシャアアァァ!!
帽子屋「もう、そんなに怒る事ないじゃないのぉ〜!悟空ちゃんって下ネタダメ系?外見はワイルドなのに案外ピュアなのねぇ〜?」ヒラリッ
スタッ
帽子屋「人は見かけによらないってよく言うけど、妖怪も例外じゃないみたいねぇ〜?」ブホホ
孫悟空「さぁどうだか知らねぇが…だが外見どおり戦闘には自信ありだ、見かけ倒しなんかじゃねぇから覚悟しやがれぇ!」ビュバッ
帽子屋「ちょっ、危ないじゃないの!んもぉっ!今のギリギリだったわよぉ!?アタシの帽子は売り物なんだから扱いには注意しt」スッ
ビュオッ
帽子屋「やだぁ、人の話聞きなさいよ悟空ちゃんってばぁ!」
孫悟空「ほう、手負いだってのに如意棒の一撃を二度もかわすたぁなかなかやるじゃねぇか!しかしテメェ随分ふざけた格好だな。テメェ男だろ?どうして女物の服を着てやがんだ…?」
帽子屋「乙女が女物の洋服着るのなんか当たり前よぉ!おかしなこと言うのねぇ悟空ちゃんっ」ブホホ
孫悟空「……俺の連れが似たような事言ってのを思い出したぜ」バッ
帽子屋「ぶほほっ、安心して頂戴っ!可憐な姿を利用して攻撃の手を止めさせようだなんて姑息な事、考えてないわよぉ〜?」
孫悟空「可憐だぁ?どの口が言ってんだ、どっちかってぇとテメェの外見は俺が【西遊記】で相手にしてきた妖怪共のそれに近いぜ?」
帽子屋「やだぁ言うわねぇ悟空ちゃん!でも【西遊記】の主人公がその妖怪に二度も攻撃を避けられちゃうようじゃ、おとぎ話として成り立たないんじゃあなーい?」
孫悟空「はっ、テメェこそ言うじゃねぇか…!テメェ、名は?」
帽子屋「ぶほほっ。【不思議の国のアリス】の帽子屋よ。あなたを待っていたわよ悟空ちゃん…!」
471 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:20:49 ID:3g5
孫悟空「やっぱり【不思議の国のアリス】のメンツか。しかし、俺を待っていただぁ?そいつぁどういう…」
帽子屋「ぶふふっ、悟空ちゃんが【かぐや姫】の世界にいるって事はアリスちゃんから聞いていたのよっ、それで彼女に頼まれたのよねぇ〜」
帽子屋「アリスちゃんの目的を達成する上で、おとぎ話最強と言われるあなたはジャマなのよ〜!ぶほほっ、流石に紅瓢はもう通用しないでしょうし…だからアタシが来たのよぉ」
孫悟空「なるほど、紅瓢で俺を溶かすのに失敗しちまったから今度はテメェが俺を始末しに来たって訳か。はっ、俺ぁアリスに随分と嫌われてやがるな」クックック
帽子屋「んふふっ、裏を返せば悟空ちゃんの事を認めているのよぉ〜。放置しておけば必ず脅威になるってね、アタシとしては大好きなアリスちゃんの障害になるモノは取り除きたいじゃない?」
帽子屋「だから【西遊記】のおとぎ話が消滅したように、悟空ちゃんにも完全に消滅して貰わなきゃねぇ〜」ンフフ
孫悟空「どうやらデケェ口を叩くだけの自信はあるみてぇだな…そして実力も兼ね備えている、テメェの面構えを見りゃあ解る。面白ぇ…!久々に全力で如意棒を振るう事ができそうだなぁ!」ググッ
玉龍「センパイ!待つッス…帽子屋に安易に近づいたら危険ッスよ!」
孫悟空「あぁ、解ってる。お前のその右腕…こいつにやられたんだな?」
玉龍「そうッス…!そいつは魔法具を使って別のおとぎ話の能力を手に入れているんス!薬がいくつあるかはわかんないスけど、ウチが知っている能力は二つッス!」
玉龍「ひとつは大息を吐きだして建物すら吹き飛ばす【三匹のこぶた】の狼の能力ッス!そしてもう一つは身体の一部をもぎ取って付けたり外したりできる能力ッス…!」
孫悟空「その能力には聞き覚えがあるぜ。確か随分昔に別世界の事も勉強しろってお師匠に聞かされた日ノ本のおとぎ話にそんな能力を持つ鬼が出てきたよなぁ?」
玉龍「そうッス!ジーさんのこぶをもぎ取った鬼の能力…【こぶとり爺さん】の鬼の能力ッスよ!」
帽子屋「んふふっ、二人とも案外博識ねぇ〜?もちろんその魔法具の効果はまだ続いているけれど、悟空ちゃん相手に素手で挑むのは流石に無茶かしらねぇ?」
帽子屋「悟空ちゃんは如意棒を使って戦うんですものっ!だからアタシも武器…使わせて貰っちゃうわよぉ?」ンフフ
472 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:24:48 ID:3g5
玉龍「武器なんか持っていたッスか…!じゃあウチの時に素手で相手をしたのは、龍の爪を確実にもぎ取る為だったッスね…!」
帽子屋「ぶふふぉっ、そうよぉ?悟空ちゃんもジャマだけど…玉龍ちゃんも危険視されているのよぉ?なんてったって龍ですものねぇ!一目おかれてるんだから喜びなさぁい」クネクネ
玉龍「お前みたいな姑息な奴に一目置かれても嬉しくなんか無いッス!」ムッ
帽子屋「ぶほほっ、そんなに怒らないでよぉ?いくらアタシ達でも龍を相手にするのは避けたいものねぇ、だから女の子状態の時に龍の爪ごと腕をもいだのよぉ!」ブホホホ
帽子屋「女の子状態で戦う時に玉龍ちゃんは爪で戦う為に腕だけ龍に戻すって聞いていたのよぉ。例え片腕だけでももげれば戦力を削げるでしょぉ?ふふっ、うまくいって良かったわ〜」ンフフ
玉龍「ぐぅ…悔しいッス…!ウチはまんまとあいつの策に乗せられてたんスね…!武器なんか持っているようには見えなかったッスのに…!」ギリッ
帽子屋「小さくしてバッグに入れていたのよぉ。【不思議の国のアリス】にはサイズを変化させる魔法具がたくさんあるのっ!だからこんな風に小瓶の液体を武器に垂らしてやれば…」ピチョーン
ヒュオ シャキーン
帽子屋「さぁてっ!そろそろ覚悟してもらうわよ悟空ちゃん?いくらあなたが強くてもこの死神の鎌に刈り取る事の出来ない命なんて無いんですものぉ〜!」ビュオッ
孫悟空「大鎌か。そいつぁ…なんともテメェらしい道具じゃねぇか」
帽子屋「んふふっ、それってどういう意味かしらねぇ〜?とあるおとぎ話かの死神から奪ったものだけどお気に入りなのよこれぇ」ンフフ
孫悟空「さぁな。掛かって来な、テメェが魔法薬を使おうと大鎌を振り回そうと俺は全力でお前を倒すだけだぜぇ!」ググッ
帽子屋「んふふっ、望むところよぉ!死神の鎌の切れ味…じっくり味わせてあげちゃうわぁ!!」バッ
473 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/12/29(火)00:28:36 ID:3g5
ヒュン
孫悟空「待たせたな如意棒!さぁテメェの出番だ、俺と存分に暴れようじゃねぇか!ぜぇぇぇああぁぁっ!!」ビュオンビュオンッ
帽子屋「んふふっ、さぁ魂さえも切り離すその鋭利な刃で…全てを刈り取りなさい!」ヒュオッ
ガキィィンッ
帽子屋「あらっ意外ねぇ!アタシの鎌にかかれば如意棒なんて真っ二つだと思っていたのに、随分と丈夫な武器じゃないのぉ!」ババッ
孫悟空「意外はこっちのセリフだぜぇ、如意棒の一撃を刃で受けていながら刃こぼれひとつねぇとは…流石は死神の鎌ってところかぁ!」ババッ
帽子屋「やぁだぁ、自分の武器を褒められるのって嬉しいわねぇ!嬉しくなっちゃうわぁ〜」
孫悟空「はっ、テメェの武器だぁ?どこの死神から奪ったか知らねぇが、盗んできた大鎌振り回してよくそんな事が言えるぜ!」
帽子屋「ぶほほっ、そうだったわねぇ!でもその如意棒だって無理矢理奪ったものよねぇ?人の事とやかく言えないわよぉ、強奪犯さぁん?」ブホホ
孫悟空「ハッハッハァ!違ぇねぇ!だったら武器についてとやかく言うのはもうヤメだぁ!」ヒュオッ
ビュオッ ガキィィンッ
帽子屋「あら、今のは危なかったわねぇっ!伸縮自在って厄介ねぇ…距離感が掴みにくくて戦いづらいわぁ〜!」ビュオッ
ヒュン ズバッ
孫悟空「抜かせぇ!そもそもが大鎌なんてもん武器にするには向いてねぇ、そんなもん好き好んで使ってる時点で戦いにくいに決まってんだろうがぁ!」ビュオッ
帽子屋「ぶほほっ、でも素敵じゃなぁい?アタシは悟空ちゃんみたいに勝負に勝てればいいって考えじゃないのよぉ!」
孫悟空「あぁ?」
帽子屋「強いのは当たり前よっ、それに加えていかに美しく魅せる戦いができるかどうか…それがアタシのスタイルなのよぉ〜!」ブホホ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 かぐや姫とオズの魔法使い編
Part1<< Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14 Part15 Part16 Part17 >>Part28
評価する!(2738)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む