キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編
Part16
Part1<<
Part12
Part13
Part14
Part15
Part16
Part17
Part18
Part19
Part20
>>Part22
評価する!(2313)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
評価する!(2313)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
641 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/10(日)23:13:35 ID:QlB
人魚王「フフッ、この怪力を前にして怖じ気付かぬ気概は誉めてやろう」
赤鬼「……」ジリッ
人魚王「迂闊に近寄れぬといった所か。賢明な判断だ、貴様は私の間合いに入ってはいけないのだからな、さぁ怯えろ…歌の効かぬ貴様は目障りだ、ここで消しておく」クックック
赤鬼「そうですかとはならねぇな、それにお前が思っているほど怯えちゃいないさ。それより今はどうやってお前に一撃くれてやろうかと思ってるんだ、オイラの友達はあんたのせいで辛い思いをしたわけだからな」
人魚王「あぁ、アレの事か…私の所有物に友情を感じ事もあろうに私に因縁を付けてくるとはとんだ迷惑だな」
赤鬼「王族には何人か知り合いがいるが……お前のようなゲスな王は初めてだ、兵達もなるべく気絶ですむようにと思ってたんだが……お前がそのつもりならお前だけはそうもいかねぇみてぇだ」
人魚王「ふん、ゲスだと?結構だ。国王とは国を守るものだ、時には突拍子のない行動も求められる。常に下々の者に理解できる行動だけを取れるわけではないのでな」クックック
鬼神『……青二才、奴ニ人間共ヲ恨ム理由ヲ聞キダセ』
赤鬼「なんだよ、いきなりどうした?今更こいつにそんな事を聞いても…」
鬼神『黙ッテ我ノ指示ニ従エ……奴ハドウニモ不信ダ』
赤鬼「不信ってなんだ?気になることでもあるのか」
鬼神『我ハ憎悪ノ感情ニ敏感ダト以前話シタナ。ダガ、奴カラ微塵モ感ジヌノダ』
赤鬼「微塵も感じない……?」
鬼神『ウム、奴ハ人魚王。本来ナラバ人間ヘノ憎悪ハ沸キ立ッテイルハズダ。娘ノ話ダト人魚ハ人間ニナイガシロニサレテイルノダカラナ』
鬼神『シカシ、奴カラハ人間ヘノ憎悪ヲ一切感ジヌノダ。オカシナハナシダロウ』
642 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/10(日)23:16:26 ID:QlB
今日はここまでです。
ブレーメンやっぱり有名なのねw
人魚姫編次回に続きます
643 :名無しさん@おーぷん :2015/05/10(日)23:46:42 ID:7Ew
乙ー
644 :名無しさん@おーぷん :2015/05/10(日)23:56:21 ID:aCC
乙ー
今日もドロシーちゃん鬼畜でした。
656 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:53:54 ID:YS4
赤鬼「確かにおかしな話だ……人魚は人間に深い憎しみを持っているはずだろ。それは人間が人魚を襲うからだと」
鬼神『ウム、先程ノ兵士達モ、ディーヴァト呼バレル人魚モ…例外無ク人間ヘノ憎シミヲ纏ッテイタ』
鬼神『復讐心、ソシテ憎悪…ソレラガ溢レテイタ。イクラ平静ヲ装オウトモ我ハ見抜ケル。ダガシカシ……アノ人魚王ニハ人間ヘノ一切ノ憎シミヲ感ジヌ』
赤鬼「どういうことだ……?」
鬼神『…恐ラク、アノ者……イヤ、先ズハ避ケヨ』
シュバッ
人魚王「鬼と言うのは随分と独り言の多い種族のようだな」ヒュオッ
バシュッ
赤鬼「っと…危ねぇ危ねぇ。これが鬼をも越える怪力か、集中しねぇと怪我じゃすまねぇか…!」スッ
人魚姫『赤鬼!ぶつぶつ言ってたら危ないって!なんでこんな時に独り言なんか言ってんだろ…』
赤ずきん「あれは独り言じゃあないわよ……鬼神にそそのかされてなければいいけど」ボソッ
人魚王「避けたか、だがそこは既に私の間合いだぞ?」バッ
ゴシュッ
赤鬼「うおっ…!なんて拳圧だ…あんなもん食らっちまったらただじゃすまねぇ…!」スッ
657 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:55:31 ID:YS4
人魚王「強さ故の油断か慢心か…こうも容易く敵を懐に入れるとはな」ススッ
赤鬼 「いいや、これでいい。お前の間合いの中だって事はオイラの金棒が届く距離にお前は居るんだ。だったら少なくとも、オイラを無視して人魚姫や赤ずきんを狙えねぇだろ!」
人魚王「この期に及んで仲間の心配か?言っただろう、目障りな貴様は消しておくと。それとも、驚異の怪力を得た私を力勝負で倒せると思っているのか?」
赤鬼「さぁな。やってみねぇことにはわからねぇが……確実なのはオイラが倒されちまったら、赤ずきんや人魚姫が危険だって事だ!」ブンッ
ビュオッ ガシッ
人魚王「怪力というのは便利なものだ、攻撃を避ける必要も耐える必要もない。こうして武器を受け止めてやればいいのだからな」ガシッ
赤鬼「ぐおっ…!金棒の一撃を避けるどころか掴んできやがった…!」グググッ
人魚王「それを奪えば貴様は丸腰というわけだ。この金棒……しばし借りるぞ?」グイッ
赤鬼「なんて力だこいつ……!」ググッ
ズダーン ズダーン
人魚王「……あの小娘、余計な真似を」ギロッ
赤ずきん「よそ見をしている場合?あなたにどんな怪力が備わっているとしても、目の前にいるのは鬼。痛い目をみても知らないわよ?」
赤鬼「ああ、なめてもらっちゃあ困るぞ!ぬおおおっ!」ビュオン
ガシッ
人魚王「少し不意を突かれたが、私の方が強い力を持っていることは変わらぬ」スッ
赤鬼「ぬぬっ…正攻法では一撃与えるのは難しいか…!」
658 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:57:13 ID:YS4
人魚王「しかし解せぬ。なぜあれの為にここまでやる?」
人魚王「あれの歌声は人間を操る。私にとっては無くてはならぬ兵器、故に多大な犠牲を払ってまで回収に来たのだ」
人魚王「だが貴様等は違う。獣を集め歌を封じてまで我らを迎え撃とうとし、私が貴様を上回る力を手にしたと知っていながら向かってきたりと…あれを助けることで貴様等にどのようなメリットが存在する?」ビュオッ
スッ ズダンズダーン
赤鬼「オイラも赤ずきんも損得であいつの友達やってねぇんでな」ググッ
ブオンッ
人魚王「尚更理解できんな。あれから歌声を取り上げればただの人魚、歌声を失ったあれに利用価値など無い。そのうえで何故助け何故庇う?その行為に自らを危険にさらす価値があるのか?」スッ
赤鬼「ああ、大いにある!オイラはあいつが海に帰りたくねぇってならお前等を追い払う!ディーヴァになりたくねぇってなら、ならなくて良いように手助けしてやる!」ガシッ
赤鬼「友達が悩んでたら手を貸すって決めてんだオイラは!かつて親友がそうしてくれたようにな!だから損得なんざ知った事じゃねぇんだ!」ブォン
人魚王「若さ故か、まったく世界というものが見えていない」
スッ
人魚王「若造にひとつ教えてやろう。なんらかの目標を持って生きる以上…何かを成し遂げようとすれば必ず犠牲が必要になる」
659 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:58:37 ID:YS4
人魚王「そうなれば愛だの恋だの友情などというくだらない感情は障害にしかならない。時に冷酷でなければ……」ググッ
ガシッ
赤鬼「ぐぅっ…!しまった…!」ガシッ
人魚王「何かを成し遂げるなど不可能だ」ギリギリギリ
赤ずきん「いけない…!赤鬼!振り払いなさい!」ダダッ ガチャッ
人魚姫『赤鬼…!ちょっと、私を赤鬼の所まで運んで!赤鬼がピンチなのにほっとけないっしょ!お願い、マジで頼むって!』バシバシ
ロバ「あの青年の所へ行けと言っているのだろうがそれは出来ないよ娘さん。彼等はあの王から君を守るために戦っている、それに水を差すってのはよくない」トコトコトコ
人魚姫『でも、赤鬼が捕まったのに何も出来ないとか……!』
赤鬼「ぐお……離しやがれ……!」ゲホゲホ
人魚王「貴様等はあれを救うなどと言っていたが、到底無理な話だ。私と貴様等には目的に対する覚悟の差がありすぎる」ギリギリギリ
赤鬼「ぐぐ……赤ずきん、人魚姫を連れて……この場から離れ……」ググッ
660 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:59:57 ID:YS4
人魚王「都合が良すぎるのだ貴様等は。あれも救う、そして仲間も救いたい…故に容易く遠距離攻撃というアドバンテージすら放棄する。甘いとは思わぬか?ずきんの娘よ」ギロッ
ガチャッ
赤ずきん「赤鬼を離しなさい。この距離なら、いくらあなたが力自慢でもその腕を吹き飛ばすくらいはできるわよ?」
人魚王「ほう、ならばやめておけ。私が手にしている『盾』にでも当たれば大変だ、貴様も仲間が弾け飛ぶ様は見たくあるまい」
赤ずきん「……人魚姫を兵器扱いしたと思えば、今度は赤鬼を盾呼ばわりなのね」ガチャッ
人魚王「利用できるものはなんであろうと利用する。私は常にそうやって全て解決してきた、そして今後もだ」
人魚姫『もう我慢できない!あいつ今度は赤鬼の事も道具みたいに言って…!マジで許せない!』タッタッタッ
ロバ「こ、これお嬢さん。待ちなさい!」トコトコトコ
人魚姫『ちょっと親父!あんたいい加減にしろっての、姉ちゃんをボロボロになるまで利用した次は赤鬼を盾にするって?いいから私の友達を離せっての!』キッ
人魚王「聞こえぬと解って尚、感情を抑えられぬか。何を喚いている?不服か?私がこの鬼を利用することが」
赤ずきん「……そうやってあなたは様々なものを利用してきたのね」
赤ずきん「人魚の歌声を兵器として扱い、兵士達の命も容易く散らせ、私の攻撃を防ぐために赤鬼を利用する……そうやって人間のことも利用したのでしょう?海底の国の繁栄のために」
人魚王「ほう…国の繁栄のために私が人間を利用したと?」
661 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:01:43 ID:YS4
人魚姫『あいつが人間を利用ってどゆこと…?っていうか悪い人間が不老不死のために人魚を捕まえてんでしょ?利用してるのは悪い人間の方じゃないの?』
赤ずきん「あなたには言っていなかったけれど、この世界の人間は誰ひとりとして人魚の存在を信じていなかったわ。誰もあなた達の存在を知らなかった」
人魚姫『は?なんで…?人魚の存在を知らないなら、捕まえることなんか思いつかないんじゃないの?』
髪の短い人魚「……デタラメを言うのはやめなさい……人間が人魚の存在を知らない?……ならどうして人魚は人間に襲われ続けてるの?」ゼェゼェ
髪の短い人魚「人間共はその罪すら認めないつもり……?私たちの仲間は数えられないほど命を失っているのに……あなたたち人間の手によって……!」
赤ずきん「人魚が襲撃されたのは事実でしょうけど、人間がその犯人とは限らない…いいえ、犯人は人間ではないわ」
人魚王「面白いことを言う娘だ。ならば貴様は真の犯人は誰だと考える?」
赤ずきん「一人だけいるじゃない。人間以外で人魚の存在を知っていて、人魚を襲う事が出来て、そして人魚を襲うことで利益を得られる人物」
人魚王「……馬鹿馬鹿しい……魚でも獣でも災害でもないなら……人魚を襲えるような種族は人間しか存在しない……」
赤ずきん「……人魚が人魚を襲った、としたら?」
人魚姫『はっ!?人魚が仲間を襲ったって事?いくらなんでもそんなことないっしょ!』
赤ずきん「そうかしら?聞いてみればはっきりするんじゃない?それともシラを切り通す?ねぇ、人魚王。どうなのかしら?」
人魚王「……」
662 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:03:58 ID:YS4
赤鬼「なんだと……お前は、こいつが人魚襲撃の犯人だと言うのか…?」
赤ずきん「ええ、人魚を襲撃していたのは人間じゃない。人魚を統べる王、あなたよ人魚王」
人魚姫『えっ!?ちょ、マジでちょっと待って…!あいつが?何のために!?そりゃさ、人魚なら泳ぎは得意だし簡単に人魚襲えるだろうけど……』
髪の短い人魚「……あろう事か人間共の罪をお父様に着せようとするなんて…!お父様は国民達のために平和で豊かな国を作る事を一番に考えておられます、それを……許せない……!」
赤ずきん「……どうなの、人魚王?」
赤ずきん「あなたなら人魚を襲うことが出来る、それに人魚を襲う意味だってあるはず。娘を物としてしか見ていないようなあなたなら…同種族を殺すことも容易いんじゃないかしら?」
クハハ……
人魚王「クハハハッハッハッハ!小娘、私が全ての黒幕だと?」
赤ずきん「……」
人魚王「私が自らの国民を殺し、その罪を人間に着せたとお前は言うのだな?」
髪の短い人魚「お、お父様!あの様な小娘の言葉など聞く必要ありません、ただのでたらめです!」
人魚王「クハハハッ!いいだろう、小娘風情がよく真相にたどり着いたものだ。褒美代わりだ、認めてやろうではないか…!」
人魚王「人魚を…我が国の民を殺していたのは人間ではない、私だ」
663 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:05:29 ID:YS4
人魚姫『……えっ!?はぁ!?』
髪の短い人魚「お、お父様…!?」
赤鬼「そういうことだったか……!」
赤ずきん「あら、随分と容易く認めたわね…少し予想外よ」
髪の短い人魚「私には信じられません…!お父様がそんな事…お父様には国民を手に掛ける理由なんてないではないですか…!」
人魚王「理由がない?私は国の繁栄のためならば、国民を守る為ならば手段など選ばん、人間だろうが鬼だろうが国民であろうが殺す」
赤ずきん「赤鬼が言っていたものね、共通の敵が存在することで人魚達は団結していると。人魚同士の争いを止め、人魚の襲撃を人間のせいにすることで怒りの矛先を人間に向けさせる。それをあなたは意図的に行った」
人魚王「そうだ、圧倒的な憎しみが同じ敵に向けば……人魚同士の争いは消える、そうすれば我々の国は平和に近づく。人間に姿を見せてはいけないという古来からの掟がある以上、自ら人間に近づく人魚は稀だ。本来ならば真相が表にでることもないはずだったがな」
赤ずきん「国民を守るために国民を殺す……どうかしているわ」
人魚王「少数の国民を殺す事で国が栄え、人魚同士のいさかいが無くなるのならば安すぎる犠牲だ。それで殺した人魚の何千倍もの人魚が幸福になるならばな」
人魚王「何かを得るには相応の犠牲が必要だ。いくつかの人魚の命、人間との関係、ディーヴァの自由…それを失えば人魚の王国は栄え、争いもなく多くの人魚が幸せになれる。ならば迷うことなどない」
人魚王「国の繁栄と多くの人魚の幸福を求めること、それは私の王としての勤めだからな」
664 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:07:39 ID:YS4
赤ずきん「そんなものは詭弁よ。失うものがなくても、得られるものはある。私は知っているもの」
人魚王「いいや違う、だが貴様には理解できぬだろう。何もかも救おうなどと考えているような未熟者ではな」
髪の短い人魚「……全ては真実、お父様はわずかとは言え……平和のためとは言え……国民を手に掛けたんですね……!」
髪の短い人魚「申し訳ありません、お父様。この事は……全ての国民に伝えます、伝えなければなりません!ですからどうか……どうか罪を償っていただきたく思います……!」
人魚王「愚か者、これは罪ではない。それにそのような事を許すわけなかろう。私が何故、真実を口にしたと思うのだ?」
人魚王「ここで真相を語ったところで海底に伝わることがないからだ。戦いの後、ここには無数の兵と鬼、獣、頭巾の娘、鋼を撃ち込まれた人魚の死骸が横たわるのだからな」グイッ
ギリギリギリ
赤鬼「ぐあ……息が……」ゼェゼェ
人魚姫『赤鬼……!こいつ、離せって言ってんでしょ!』ダダッ
赤ずきん「待ちなさい、人魚王の目的はあなたよ。赤鬼を苦しめているのはそのための餌。近寄っては駄目よ」
人魚王「察しが良すぎるというのも考え物だな、だがそろそろ始末を付けようではないか」ググッ
赤鬼「ぐおぉ……!」ギリギリギリ
人魚姫『赤ずきん!あんたならなんとか出来るっしょ!マジでなんとかしなきゃ赤鬼やばいよ!』ユサユサ
赤ずきん「赤鬼……あなたの力ではどうやっても逃れられそうにないのね?」ガチャッ
赤鬼「情けねぇ事だが無理だ……流石は鬼退治を可能にする怪力……これ以上はあらがえそうもねぇ…!ここは……一か八か、賭けるしかねぇぞ……」ギリギリギリ
赤ずきん「……」フゥー
人魚王「ほう?何か秘策でもあるのか?見せてみろ、それで私を倒せるというのならな」クハハ
665 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:08:37 ID:YS4
赤ずきん「赤鬼……あなたの思惑は理解したけれど」ガチャッ
タッタッタッ
髪の短い人魚「あの娘……お父様達の方へ……!お気をつけくださいお父様!」
人魚王「ほう、極限まで近寄って狙いを定めるつもりか?私が持つ『盾』を忘れたか?」グイッ
タッタッタッ
人魚姫『ダメ…!あいつ、赤鬼を盾にして赤ずきんの攻撃をふせぐつもりじゃん…!』
タッタッタッ スタッ
赤ずきん「言っておくけれど、私は納得していないから」ガチャッ
赤鬼「……ああ、だが平気だ。あいつならこの場も何とかしてくれるだろう」
赤ずきん「そのあとが怖いの。痛いわよ、我慢なさい」スッ
ズダーン
赤鬼「ぐっ……っ!」ドサァー
人魚姫『赤ずきん!?ちょ、なんで赤鬼撃ってんの!?』
人魚王「ほう、仲間が殺されるならば…苦しまぬようせめてとどめは自分でという事か?」
666 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:11:21 ID:YS4
赤鬼「……」ドサッ
人魚王「気を失ったか……まぁいい、これで私に楯突くことも無かろう。次は貴様だ、ずきんの娘よ」
赤ずきん「離れるわよ、人魚姫。今のあなたは人間だから、危険よ」タッタッタッ
人魚姫『それってどういう…?ってそうじゃないじゃん!なんで赤鬼を……』
赤ずきん「いいから、逃げるのよ。今は出来るだけ赤鬼から距離をとっておきなさい」タッタッタッ
人魚姫『赤鬼?はっ?追いかけてくるのは親父のほうっしょ?』タッタッタッ
人魚王「逃がさぬ、真実を知るものは一人としてこの海岸から逃さん。そして私の兵器よ、貴様を守るものは消えた。おとなしく我が手に戻れ」
人魚姫『……』
人魚姫『……ごめん、やっぱ駄目だ。我慢できないっしょ…!なんであいつが悪いのに逃げるのかわかんないし、聞こえなくても怒鳴ってやりたい事もあるしさ』スッ
赤ずきん「人魚姫…!」
人魚王「ほう、観念したか?」
人魚姫『うっさい!あんたが自分の目的のために人魚を殺さなかったら……人間に対する憎しみを植え付けなかったら、きっと人魚と人間は仲良くできてたんだよ!』
人魚姫『姉ちゃん達が人間を殺す必要も無かった!きっとたくさんの人魚は大勢の人間と共存できて…協力してどっちの種族も幸せで、船が沈むこともなくて、王子が苦労する必要もなくて…!』
人魚姫『私は…歌声にも家柄にも縛られず、王子と恋をすることだって出来たはず!自分の声で気持ちを伝えることだってできたはずなんだ!』
人魚姫『あんたは人魚の幸せのためなんて言ってるけど、ただの押し付けじゃん!あんたが居なけりゃ…人魚はもっと広い世界をみれたのに!』
人魚王「……学習せぬ兵器よ。自分は危害を加えられるとでも思っているのだろうが……歌声さえ響かせられればあとはどうなろうが構わぬのだぞ?」
667 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:14:23 ID:YS4
人魚姫『やってみろっての!あんたの思う通りにはもうさせないんだからね!』
人魚王「何を言っているか解らずとも、兵器に楯突かれるのはどうも気分が悪いものだな…喉に影響のない部分から潰しておくか…」
赤ずきん「離れなさい人魚姫!」
人魚姫『……っ!』
人魚王「腕か、足を潰す程度なら歌声に影響はあるまい。だが叫びすぎて喉を枯らせてはつまらない、耐えてみせよ我が兵器よ」スッ
ガシッ
人魚王「なんだ…腕が動かぬ…!背後から押さえつけられているような……!」ハッ
鬼神赤鬼「ようやく外に出られたってぇのに、獲物が人間モドキってんじゃあやる気も出ねぇな」ガシッ
人魚王「貴様さっき気を失ったばかりでは……いや、黒い皮膚……別の個体の鬼か…!」ギリッ
鬼神赤鬼「ったく、青二才が気を失っている間は共存だのなんだの眠てぇ事を言う奴がいねぇと思ったんだがな。小僧といい人魚の娘といい反吐が出る輩が多くて嫌になっちまう」
人魚王「こやつ…我が力を持ってしても腕を微動だにすることができぬ…なんという怪力だ…!貴様等の切り札というわけか!この様な兵器じみた鬼を隠していたとは……」
赤ずきん「……」フゥー
鬼神赤鬼「おい、俺をあいつ等のしもべのように言うんじゃねぇ。モドキと言えど殺すぞ」ギロリ
668 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:16:21 ID:YS4
ガシッ
鬼神赤鬼「丁度良い、貴様の事は少々気に食わなかったところだ。少し遊んでやる」シュガッ
ガシッ
人魚王「は、速い…!そしてなんだこの腕力は……!!」ウググッ
人魚姫『さっきまで赤鬼を圧倒してたあいつを簡単に捕まえた…!なんなのあれ……赤鬼じゃ、ないよね?』
赤ずきん「……ええ、断じてね。それと、あれは私たちの味方というわけでもないから注意なさい」
人魚王「くっ……もう少しで兵器の奪還に成功する、貴様のような得体の知れない輩に好きにされてたまるか…!」グググッ
鬼神赤鬼「ほう、掴んだ腕を振り払うとは、まだそんな余力があったとはな。その薬はなかなか侮れないようだ。だが……」
人魚王「今度はこちらから行くぞ、鬼よ!赤かろうと黒かろうと鬼は鬼!我が怪力の前に沈め!」シュッ
鬼神赤鬼「自惚れるな。小賢しい呪術で鬼を越えし腕力を手に入れたようだが……」シュバッ
ゴガァ
人魚王「がはっ……!」ゲホォ
鬼神赤鬼「貴様が相手にしているのは神と呼ばれる鬼。対峙することすら恐れ多い行為であると知れ」
669 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:17:31 ID:YS4
人魚王「なぜだ……あの薬ならば鬼を越えることができるはず……」ボタボタ
シュババ ドゴォ
鬼神赤鬼「貴様の人間を利用するという考えは興味深かったがな、だが鬼神に喧嘩を売るのは感心しねぇな。だが俺はこう見えて寛大だ」ヒュヒュッ
ドゴォ バキィ
鬼神赤鬼「貴様のような雑魚だろうと、喧嘩を売ってきた以上は高値で買い取ってやろう」シュババ
ゴガガガガッ
鬼神赤鬼「買値は…そうだな、貴様の四肢を潰すというのはでどうだ?」
バキッ ゴシャァ
人魚王「げふぁ…ハァハァ……ゼェゼェ……」
人魚王(手も足も出ぬ……もはや、声も……)
人魚王(何故だ……私は間違っていない。国を守るため、民を守るため……私はなんだって利用してきた)
人魚王(それが……何故、こんな所で……!私は……!)
人魚王(……)
人魚王(私は間違っていない。私は……正しいのだ!私こそ正しき王の姿なのだ…!)
・・・
・・
・
670 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:21:33 ID:YS4
人魚姫の世界 ずっと昔 海底 珊瑚で出来た王宮
若き日の人魚王(以下、人魚王子)「……また、南北の海域で対立か」フゥー
側近「はい…北の海域の人魚と南の海域の人魚での争いは収まりそうにありません」
人魚王子「同じ国民だというのに、同じ人魚だというのに住む海域が違うだけでなぜこうも争いが無くならないのだ…!」
側近「海は広いですからね、海域によって環境も文化も違います。始まりはきっとそんな些細なことでしょうが……」
人魚王子「だがもはや無視できる規模ではない……国王は見て見ぬ振りをする始末。私が争いを無くさねば……」
側近「人魚王子様……」
人魚王子「私はゆくゆくは王になる男、この国の民の幸せは私が叶えるべきものだ。なんとしても、どんな事をしてでも平和な国を手に入れる!」
671 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:24:53 ID:YS4
・・・
ワーワー ざわざわ ワーワー
人魚王子「……何故だ……何故、人魚同士の争いが絶えない……」ブツブツ
側近「王子……」
人魚王子「お互いに罵り傷つけあうこんな事になんの意味がある……我々人魚はもっと平和に暮らせるはずだ……何故、何故だ……なぜ争いが……何故平和な世界が訪れない……」ブツブツ
人魚王子「なりふり構っていられない、なんとかせねば……なんとかせねば……何を捨ててでも……」ブツブツ
側近「種族を同じくしても心が離れているのでしょう……なにか、南北の人魚の心を一つにする手段があれば……」
人魚王子「心を一つにする手段……心を一つに……例えば同じ目標、同じ願い……同じ敵……」ブツブツ
側近「お、王子?」
人魚王子「ある……あるぞ!人魚同士の争いを無くす策が……」
側近「……と言いますとどのような?」
人魚王子「陸に住むという人間を利用するんだ。あいつらが人魚を襲ったという情報を流布しろ、共通の敵を持てば人魚はきっと団結できる」
側近「し、しかし、実際の被害もないというのに…」
人魚王子「私が殺す。手頃な人魚を数人な……そうだな、人間が人魚を襲うのは不老不死に効果があるという噂を信じているという事にしろ、いいな」
側近「……」
672 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:27:24 ID:YS4
・・・
・・
・
「人間は人魚を襲う極悪種族だ!」
「もう何日も帰ってこないうちの娘も人間に襲われたに違いない!」
「人間を許すな!人魚同士団結して奴等を殺せ!」
「殺せ!殺せ!人間を許すな!」
人魚王子「どうやら、うまく言っているようだ。何人かの人魚を殺すだけでこれほどの成果が生まれるとは…!素晴らしい!やはり何かを得るには代償が必要……!あれだけの人魚を犠牲にしただけでこの結果はすばらしい」
側近「しかし……これはあまりにも……」
人魚王子「我が国が平和に一歩近づいたのだ、喜べ」
側近「……」
人魚王「だが襲われる人魚が居なくなってはまた争いが起きるかも知れないからな……口止めを兼ねて貴様には我が国の礎になって貰おう」スラッ
側近「……っ!」
ズブリッ
人魚王「フフッ、この怪力を前にして怖じ気付かぬ気概は誉めてやろう」
赤鬼「……」ジリッ
人魚王「迂闊に近寄れぬといった所か。賢明な判断だ、貴様は私の間合いに入ってはいけないのだからな、さぁ怯えろ…歌の効かぬ貴様は目障りだ、ここで消しておく」クックック
赤鬼「そうですかとはならねぇな、それにお前が思っているほど怯えちゃいないさ。それより今はどうやってお前に一撃くれてやろうかと思ってるんだ、オイラの友達はあんたのせいで辛い思いをしたわけだからな」
人魚王「あぁ、アレの事か…私の所有物に友情を感じ事もあろうに私に因縁を付けてくるとはとんだ迷惑だな」
赤鬼「王族には何人か知り合いがいるが……お前のようなゲスな王は初めてだ、兵達もなるべく気絶ですむようにと思ってたんだが……お前がそのつもりならお前だけはそうもいかねぇみてぇだ」
人魚王「ふん、ゲスだと?結構だ。国王とは国を守るものだ、時には突拍子のない行動も求められる。常に下々の者に理解できる行動だけを取れるわけではないのでな」クックック
鬼神『……青二才、奴ニ人間共ヲ恨ム理由ヲ聞キダセ』
赤鬼「なんだよ、いきなりどうした?今更こいつにそんな事を聞いても…」
鬼神『黙ッテ我ノ指示ニ従エ……奴ハドウニモ不信ダ』
赤鬼「不信ってなんだ?気になることでもあるのか」
鬼神『我ハ憎悪ノ感情ニ敏感ダト以前話シタナ。ダガ、奴カラ微塵モ感ジヌノダ』
赤鬼「微塵も感じない……?」
鬼神『ウム、奴ハ人魚王。本来ナラバ人間ヘノ憎悪ハ沸キ立ッテイルハズダ。娘ノ話ダト人魚ハ人間ニナイガシロニサレテイルノダカラナ』
鬼神『シカシ、奴カラハ人間ヘノ憎悪ヲ一切感ジヌノダ。オカシナハナシダロウ』
642 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/10(日)23:16:26 ID:QlB
今日はここまでです。
ブレーメンやっぱり有名なのねw
人魚姫編次回に続きます
643 :名無しさん@おーぷん :2015/05/10(日)23:46:42 ID:7Ew
乙ー
644 :名無しさん@おーぷん :2015/05/10(日)23:56:21 ID:aCC
乙ー
今日もドロシーちゃん鬼畜でした。
656 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:53:54 ID:YS4
赤鬼「確かにおかしな話だ……人魚は人間に深い憎しみを持っているはずだろ。それは人間が人魚を襲うからだと」
鬼神『ウム、先程ノ兵士達モ、ディーヴァト呼バレル人魚モ…例外無ク人間ヘノ憎シミヲ纏ッテイタ』
鬼神『復讐心、ソシテ憎悪…ソレラガ溢レテイタ。イクラ平静ヲ装オウトモ我ハ見抜ケル。ダガシカシ……アノ人魚王ニハ人間ヘノ一切ノ憎シミヲ感ジヌ』
赤鬼「どういうことだ……?」
鬼神『…恐ラク、アノ者……イヤ、先ズハ避ケヨ』
シュバッ
人魚王「鬼と言うのは随分と独り言の多い種族のようだな」ヒュオッ
バシュッ
赤鬼「っと…危ねぇ危ねぇ。これが鬼をも越える怪力か、集中しねぇと怪我じゃすまねぇか…!」スッ
人魚姫『赤鬼!ぶつぶつ言ってたら危ないって!なんでこんな時に独り言なんか言ってんだろ…』
赤ずきん「あれは独り言じゃあないわよ……鬼神にそそのかされてなければいいけど」ボソッ
人魚王「避けたか、だがそこは既に私の間合いだぞ?」バッ
ゴシュッ
赤鬼「うおっ…!なんて拳圧だ…あんなもん食らっちまったらただじゃすまねぇ…!」スッ
人魚王「強さ故の油断か慢心か…こうも容易く敵を懐に入れるとはな」ススッ
赤鬼 「いいや、これでいい。お前の間合いの中だって事はオイラの金棒が届く距離にお前は居るんだ。だったら少なくとも、オイラを無視して人魚姫や赤ずきんを狙えねぇだろ!」
人魚王「この期に及んで仲間の心配か?言っただろう、目障りな貴様は消しておくと。それとも、驚異の怪力を得た私を力勝負で倒せると思っているのか?」
赤鬼「さぁな。やってみねぇことにはわからねぇが……確実なのはオイラが倒されちまったら、赤ずきんや人魚姫が危険だって事だ!」ブンッ
ビュオッ ガシッ
人魚王「怪力というのは便利なものだ、攻撃を避ける必要も耐える必要もない。こうして武器を受け止めてやればいいのだからな」ガシッ
赤鬼「ぐおっ…!金棒の一撃を避けるどころか掴んできやがった…!」グググッ
人魚王「それを奪えば貴様は丸腰というわけだ。この金棒……しばし借りるぞ?」グイッ
赤鬼「なんて力だこいつ……!」ググッ
ズダーン ズダーン
人魚王「……あの小娘、余計な真似を」ギロッ
赤ずきん「よそ見をしている場合?あなたにどんな怪力が備わっているとしても、目の前にいるのは鬼。痛い目をみても知らないわよ?」
赤鬼「ああ、なめてもらっちゃあ困るぞ!ぬおおおっ!」ビュオン
ガシッ
人魚王「少し不意を突かれたが、私の方が強い力を持っていることは変わらぬ」スッ
赤鬼「ぬぬっ…正攻法では一撃与えるのは難しいか…!」
658 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:57:13 ID:YS4
人魚王「しかし解せぬ。なぜあれの為にここまでやる?」
人魚王「あれの歌声は人間を操る。私にとっては無くてはならぬ兵器、故に多大な犠牲を払ってまで回収に来たのだ」
人魚王「だが貴様等は違う。獣を集め歌を封じてまで我らを迎え撃とうとし、私が貴様を上回る力を手にしたと知っていながら向かってきたりと…あれを助けることで貴様等にどのようなメリットが存在する?」ビュオッ
スッ ズダンズダーン
赤鬼「オイラも赤ずきんも損得であいつの友達やってねぇんでな」ググッ
ブオンッ
人魚王「尚更理解できんな。あれから歌声を取り上げればただの人魚、歌声を失ったあれに利用価値など無い。そのうえで何故助け何故庇う?その行為に自らを危険にさらす価値があるのか?」スッ
赤鬼「ああ、大いにある!オイラはあいつが海に帰りたくねぇってならお前等を追い払う!ディーヴァになりたくねぇってなら、ならなくて良いように手助けしてやる!」ガシッ
赤鬼「友達が悩んでたら手を貸すって決めてんだオイラは!かつて親友がそうしてくれたようにな!だから損得なんざ知った事じゃねぇんだ!」ブォン
人魚王「若さ故か、まったく世界というものが見えていない」
スッ
人魚王「若造にひとつ教えてやろう。なんらかの目標を持って生きる以上…何かを成し遂げようとすれば必ず犠牲が必要になる」
659 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:58:37 ID:YS4
人魚王「そうなれば愛だの恋だの友情などというくだらない感情は障害にしかならない。時に冷酷でなければ……」ググッ
ガシッ
赤鬼「ぐぅっ…!しまった…!」ガシッ
人魚王「何かを成し遂げるなど不可能だ」ギリギリギリ
赤ずきん「いけない…!赤鬼!振り払いなさい!」ダダッ ガチャッ
人魚姫『赤鬼…!ちょっと、私を赤鬼の所まで運んで!赤鬼がピンチなのにほっとけないっしょ!お願い、マジで頼むって!』バシバシ
ロバ「あの青年の所へ行けと言っているのだろうがそれは出来ないよ娘さん。彼等はあの王から君を守るために戦っている、それに水を差すってのはよくない」トコトコトコ
人魚姫『でも、赤鬼が捕まったのに何も出来ないとか……!』
赤鬼「ぐお……離しやがれ……!」ゲホゲホ
人魚王「貴様等はあれを救うなどと言っていたが、到底無理な話だ。私と貴様等には目的に対する覚悟の差がありすぎる」ギリギリギリ
赤鬼「ぐぐ……赤ずきん、人魚姫を連れて……この場から離れ……」ググッ
660 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)22:59:57 ID:YS4
人魚王「都合が良すぎるのだ貴様等は。あれも救う、そして仲間も救いたい…故に容易く遠距離攻撃というアドバンテージすら放棄する。甘いとは思わぬか?ずきんの娘よ」ギロッ
ガチャッ
赤ずきん「赤鬼を離しなさい。この距離なら、いくらあなたが力自慢でもその腕を吹き飛ばすくらいはできるわよ?」
人魚王「ほう、ならばやめておけ。私が手にしている『盾』にでも当たれば大変だ、貴様も仲間が弾け飛ぶ様は見たくあるまい」
赤ずきん「……人魚姫を兵器扱いしたと思えば、今度は赤鬼を盾呼ばわりなのね」ガチャッ
人魚王「利用できるものはなんであろうと利用する。私は常にそうやって全て解決してきた、そして今後もだ」
人魚姫『もう我慢できない!あいつ今度は赤鬼の事も道具みたいに言って…!マジで許せない!』タッタッタッ
ロバ「こ、これお嬢さん。待ちなさい!」トコトコトコ
人魚姫『ちょっと親父!あんたいい加減にしろっての、姉ちゃんをボロボロになるまで利用した次は赤鬼を盾にするって?いいから私の友達を離せっての!』キッ
人魚王「聞こえぬと解って尚、感情を抑えられぬか。何を喚いている?不服か?私がこの鬼を利用することが」
赤ずきん「……そうやってあなたは様々なものを利用してきたのね」
赤ずきん「人魚の歌声を兵器として扱い、兵士達の命も容易く散らせ、私の攻撃を防ぐために赤鬼を利用する……そうやって人間のことも利用したのでしょう?海底の国の繁栄のために」
人魚王「ほう…国の繁栄のために私が人間を利用したと?」
661 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:01:43 ID:YS4
人魚姫『あいつが人間を利用ってどゆこと…?っていうか悪い人間が不老不死のために人魚を捕まえてんでしょ?利用してるのは悪い人間の方じゃないの?』
赤ずきん「あなたには言っていなかったけれど、この世界の人間は誰ひとりとして人魚の存在を信じていなかったわ。誰もあなた達の存在を知らなかった」
人魚姫『は?なんで…?人魚の存在を知らないなら、捕まえることなんか思いつかないんじゃないの?』
髪の短い人魚「……デタラメを言うのはやめなさい……人間が人魚の存在を知らない?……ならどうして人魚は人間に襲われ続けてるの?」ゼェゼェ
髪の短い人魚「人間共はその罪すら認めないつもり……?私たちの仲間は数えられないほど命を失っているのに……あなたたち人間の手によって……!」
赤ずきん「人魚が襲撃されたのは事実でしょうけど、人間がその犯人とは限らない…いいえ、犯人は人間ではないわ」
人魚王「面白いことを言う娘だ。ならば貴様は真の犯人は誰だと考える?」
赤ずきん「一人だけいるじゃない。人間以外で人魚の存在を知っていて、人魚を襲う事が出来て、そして人魚を襲うことで利益を得られる人物」
人魚王「……馬鹿馬鹿しい……魚でも獣でも災害でもないなら……人魚を襲えるような種族は人間しか存在しない……」
赤ずきん「……人魚が人魚を襲った、としたら?」
人魚姫『はっ!?人魚が仲間を襲ったって事?いくらなんでもそんなことないっしょ!』
赤ずきん「そうかしら?聞いてみればはっきりするんじゃない?それともシラを切り通す?ねぇ、人魚王。どうなのかしら?」
人魚王「……」
662 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:03:58 ID:YS4
赤鬼「なんだと……お前は、こいつが人魚襲撃の犯人だと言うのか…?」
赤ずきん「ええ、人魚を襲撃していたのは人間じゃない。人魚を統べる王、あなたよ人魚王」
人魚姫『えっ!?ちょ、マジでちょっと待って…!あいつが?何のために!?そりゃさ、人魚なら泳ぎは得意だし簡単に人魚襲えるだろうけど……』
髪の短い人魚「……あろう事か人間共の罪をお父様に着せようとするなんて…!お父様は国民達のために平和で豊かな国を作る事を一番に考えておられます、それを……許せない……!」
赤ずきん「……どうなの、人魚王?」
赤ずきん「あなたなら人魚を襲うことが出来る、それに人魚を襲う意味だってあるはず。娘を物としてしか見ていないようなあなたなら…同種族を殺すことも容易いんじゃないかしら?」
クハハ……
人魚王「クハハハッハッハッハ!小娘、私が全ての黒幕だと?」
赤ずきん「……」
人魚王「私が自らの国民を殺し、その罪を人間に着せたとお前は言うのだな?」
髪の短い人魚「お、お父様!あの様な小娘の言葉など聞く必要ありません、ただのでたらめです!」
人魚王「クハハハッ!いいだろう、小娘風情がよく真相にたどり着いたものだ。褒美代わりだ、認めてやろうではないか…!」
人魚王「人魚を…我が国の民を殺していたのは人間ではない、私だ」
663 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:05:29 ID:YS4
人魚姫『……えっ!?はぁ!?』
髪の短い人魚「お、お父様…!?」
赤鬼「そういうことだったか……!」
赤ずきん「あら、随分と容易く認めたわね…少し予想外よ」
髪の短い人魚「私には信じられません…!お父様がそんな事…お父様には国民を手に掛ける理由なんてないではないですか…!」
人魚王「理由がない?私は国の繁栄のためならば、国民を守る為ならば手段など選ばん、人間だろうが鬼だろうが国民であろうが殺す」
赤ずきん「赤鬼が言っていたものね、共通の敵が存在することで人魚達は団結していると。人魚同士の争いを止め、人魚の襲撃を人間のせいにすることで怒りの矛先を人間に向けさせる。それをあなたは意図的に行った」
人魚王「そうだ、圧倒的な憎しみが同じ敵に向けば……人魚同士の争いは消える、そうすれば我々の国は平和に近づく。人間に姿を見せてはいけないという古来からの掟がある以上、自ら人間に近づく人魚は稀だ。本来ならば真相が表にでることもないはずだったがな」
赤ずきん「国民を守るために国民を殺す……どうかしているわ」
人魚王「少数の国民を殺す事で国が栄え、人魚同士のいさかいが無くなるのならば安すぎる犠牲だ。それで殺した人魚の何千倍もの人魚が幸福になるならばな」
人魚王「何かを得るには相応の犠牲が必要だ。いくつかの人魚の命、人間との関係、ディーヴァの自由…それを失えば人魚の王国は栄え、争いもなく多くの人魚が幸せになれる。ならば迷うことなどない」
人魚王「国の繁栄と多くの人魚の幸福を求めること、それは私の王としての勤めだからな」
664 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:07:39 ID:YS4
赤ずきん「そんなものは詭弁よ。失うものがなくても、得られるものはある。私は知っているもの」
人魚王「いいや違う、だが貴様には理解できぬだろう。何もかも救おうなどと考えているような未熟者ではな」
髪の短い人魚「……全ては真実、お父様はわずかとは言え……平和のためとは言え……国民を手に掛けたんですね……!」
髪の短い人魚「申し訳ありません、お父様。この事は……全ての国民に伝えます、伝えなければなりません!ですからどうか……どうか罪を償っていただきたく思います……!」
人魚王「愚か者、これは罪ではない。それにそのような事を許すわけなかろう。私が何故、真実を口にしたと思うのだ?」
人魚王「ここで真相を語ったところで海底に伝わることがないからだ。戦いの後、ここには無数の兵と鬼、獣、頭巾の娘、鋼を撃ち込まれた人魚の死骸が横たわるのだからな」グイッ
ギリギリギリ
赤鬼「ぐあ……息が……」ゼェゼェ
人魚姫『赤鬼……!こいつ、離せって言ってんでしょ!』ダダッ
赤ずきん「待ちなさい、人魚王の目的はあなたよ。赤鬼を苦しめているのはそのための餌。近寄っては駄目よ」
人魚王「察しが良すぎるというのも考え物だな、だがそろそろ始末を付けようではないか」ググッ
赤鬼「ぐおぉ……!」ギリギリギリ
人魚姫『赤ずきん!あんたならなんとか出来るっしょ!マジでなんとかしなきゃ赤鬼やばいよ!』ユサユサ
赤ずきん「赤鬼……あなたの力ではどうやっても逃れられそうにないのね?」ガチャッ
赤鬼「情けねぇ事だが無理だ……流石は鬼退治を可能にする怪力……これ以上はあらがえそうもねぇ…!ここは……一か八か、賭けるしかねぇぞ……」ギリギリギリ
赤ずきん「……」フゥー
人魚王「ほう?何か秘策でもあるのか?見せてみろ、それで私を倒せるというのならな」クハハ
665 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:08:37 ID:YS4
赤ずきん「赤鬼……あなたの思惑は理解したけれど」ガチャッ
タッタッタッ
髪の短い人魚「あの娘……お父様達の方へ……!お気をつけくださいお父様!」
人魚王「ほう、極限まで近寄って狙いを定めるつもりか?私が持つ『盾』を忘れたか?」グイッ
タッタッタッ
人魚姫『ダメ…!あいつ、赤鬼を盾にして赤ずきんの攻撃をふせぐつもりじゃん…!』
タッタッタッ スタッ
赤ずきん「言っておくけれど、私は納得していないから」ガチャッ
赤鬼「……ああ、だが平気だ。あいつならこの場も何とかしてくれるだろう」
赤ずきん「そのあとが怖いの。痛いわよ、我慢なさい」スッ
ズダーン
赤鬼「ぐっ……っ!」ドサァー
人魚姫『赤ずきん!?ちょ、なんで赤鬼撃ってんの!?』
人魚王「ほう、仲間が殺されるならば…苦しまぬようせめてとどめは自分でという事か?」
666 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:11:21 ID:YS4
赤鬼「……」ドサッ
人魚王「気を失ったか……まぁいい、これで私に楯突くことも無かろう。次は貴様だ、ずきんの娘よ」
赤ずきん「離れるわよ、人魚姫。今のあなたは人間だから、危険よ」タッタッタッ
人魚姫『それってどういう…?ってそうじゃないじゃん!なんで赤鬼を……』
赤ずきん「いいから、逃げるのよ。今は出来るだけ赤鬼から距離をとっておきなさい」タッタッタッ
人魚姫『赤鬼?はっ?追いかけてくるのは親父のほうっしょ?』タッタッタッ
人魚王「逃がさぬ、真実を知るものは一人としてこの海岸から逃さん。そして私の兵器よ、貴様を守るものは消えた。おとなしく我が手に戻れ」
人魚姫『……』
人魚姫『……ごめん、やっぱ駄目だ。我慢できないっしょ…!なんであいつが悪いのに逃げるのかわかんないし、聞こえなくても怒鳴ってやりたい事もあるしさ』スッ
赤ずきん「人魚姫…!」
人魚王「ほう、観念したか?」
人魚姫『うっさい!あんたが自分の目的のために人魚を殺さなかったら……人間に対する憎しみを植え付けなかったら、きっと人魚と人間は仲良くできてたんだよ!』
人魚姫『姉ちゃん達が人間を殺す必要も無かった!きっとたくさんの人魚は大勢の人間と共存できて…協力してどっちの種族も幸せで、船が沈むこともなくて、王子が苦労する必要もなくて…!』
人魚姫『私は…歌声にも家柄にも縛られず、王子と恋をすることだって出来たはず!自分の声で気持ちを伝えることだってできたはずなんだ!』
人魚姫『あんたは人魚の幸せのためなんて言ってるけど、ただの押し付けじゃん!あんたが居なけりゃ…人魚はもっと広い世界をみれたのに!』
人魚王「……学習せぬ兵器よ。自分は危害を加えられるとでも思っているのだろうが……歌声さえ響かせられればあとはどうなろうが構わぬのだぞ?」
667 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:14:23 ID:YS4
人魚姫『やってみろっての!あんたの思う通りにはもうさせないんだからね!』
人魚王「何を言っているか解らずとも、兵器に楯突かれるのはどうも気分が悪いものだな…喉に影響のない部分から潰しておくか…」
赤ずきん「離れなさい人魚姫!」
人魚姫『……っ!』
人魚王「腕か、足を潰す程度なら歌声に影響はあるまい。だが叫びすぎて喉を枯らせてはつまらない、耐えてみせよ我が兵器よ」スッ
ガシッ
人魚王「なんだ…腕が動かぬ…!背後から押さえつけられているような……!」ハッ
鬼神赤鬼「ようやく外に出られたってぇのに、獲物が人間モドキってんじゃあやる気も出ねぇな」ガシッ
人魚王「貴様さっき気を失ったばかりでは……いや、黒い皮膚……別の個体の鬼か…!」ギリッ
鬼神赤鬼「ったく、青二才が気を失っている間は共存だのなんだの眠てぇ事を言う奴がいねぇと思ったんだがな。小僧といい人魚の娘といい反吐が出る輩が多くて嫌になっちまう」
人魚王「こやつ…我が力を持ってしても腕を微動だにすることができぬ…なんという怪力だ…!貴様等の切り札というわけか!この様な兵器じみた鬼を隠していたとは……」
赤ずきん「……」フゥー
鬼神赤鬼「おい、俺をあいつ等のしもべのように言うんじゃねぇ。モドキと言えど殺すぞ」ギロリ
668 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:16:21 ID:YS4
ガシッ
鬼神赤鬼「丁度良い、貴様の事は少々気に食わなかったところだ。少し遊んでやる」シュガッ
ガシッ
人魚王「は、速い…!そしてなんだこの腕力は……!!」ウググッ
人魚姫『さっきまで赤鬼を圧倒してたあいつを簡単に捕まえた…!なんなのあれ……赤鬼じゃ、ないよね?』
赤ずきん「……ええ、断じてね。それと、あれは私たちの味方というわけでもないから注意なさい」
人魚王「くっ……もう少しで兵器の奪還に成功する、貴様のような得体の知れない輩に好きにされてたまるか…!」グググッ
鬼神赤鬼「ほう、掴んだ腕を振り払うとは、まだそんな余力があったとはな。その薬はなかなか侮れないようだ。だが……」
人魚王「今度はこちらから行くぞ、鬼よ!赤かろうと黒かろうと鬼は鬼!我が怪力の前に沈め!」シュッ
鬼神赤鬼「自惚れるな。小賢しい呪術で鬼を越えし腕力を手に入れたようだが……」シュバッ
ゴガァ
人魚王「がはっ……!」ゲホォ
鬼神赤鬼「貴様が相手にしているのは神と呼ばれる鬼。対峙することすら恐れ多い行為であると知れ」
669 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:17:31 ID:YS4
人魚王「なぜだ……あの薬ならば鬼を越えることができるはず……」ボタボタ
シュババ ドゴォ
鬼神赤鬼「貴様の人間を利用するという考えは興味深かったがな、だが鬼神に喧嘩を売るのは感心しねぇな。だが俺はこう見えて寛大だ」ヒュヒュッ
ドゴォ バキィ
鬼神赤鬼「貴様のような雑魚だろうと、喧嘩を売ってきた以上は高値で買い取ってやろう」シュババ
ゴガガガガッ
鬼神赤鬼「買値は…そうだな、貴様の四肢を潰すというのはでどうだ?」
バキッ ゴシャァ
人魚王「げふぁ…ハァハァ……ゼェゼェ……」
人魚王(手も足も出ぬ……もはや、声も……)
人魚王(何故だ……私は間違っていない。国を守るため、民を守るため……私はなんだって利用してきた)
人魚王(それが……何故、こんな所で……!私は……!)
人魚王(……)
人魚王(私は間違っていない。私は……正しいのだ!私こそ正しき王の姿なのだ…!)
・・・
・・
・
670 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:21:33 ID:YS4
人魚姫の世界 ずっと昔 海底 珊瑚で出来た王宮
若き日の人魚王(以下、人魚王子)「……また、南北の海域で対立か」フゥー
側近「はい…北の海域の人魚と南の海域の人魚での争いは収まりそうにありません」
人魚王子「同じ国民だというのに、同じ人魚だというのに住む海域が違うだけでなぜこうも争いが無くならないのだ…!」
側近「海は広いですからね、海域によって環境も文化も違います。始まりはきっとそんな些細なことでしょうが……」
人魚王子「だがもはや無視できる規模ではない……国王は見て見ぬ振りをする始末。私が争いを無くさねば……」
側近「人魚王子様……」
人魚王子「私はゆくゆくは王になる男、この国の民の幸せは私が叶えるべきものだ。なんとしても、どんな事をしてでも平和な国を手に入れる!」
671 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/17(日)23:24:53 ID:YS4
・・・
ワーワー ざわざわ ワーワー
人魚王子「……何故だ……何故、人魚同士の争いが絶えない……」ブツブツ
側近「王子……」
人魚王子「お互いに罵り傷つけあうこんな事になんの意味がある……我々人魚はもっと平和に暮らせるはずだ……何故、何故だ……なぜ争いが……何故平和な世界が訪れない……」ブツブツ
人魚王子「なりふり構っていられない、なんとかせねば……なんとかせねば……何を捨ててでも……」ブツブツ
側近「種族を同じくしても心が離れているのでしょう……なにか、南北の人魚の心を一つにする手段があれば……」
人魚王子「心を一つにする手段……心を一つに……例えば同じ目標、同じ願い……同じ敵……」ブツブツ
側近「お、王子?」
人魚王子「ある……あるぞ!人魚同士の争いを無くす策が……」
側近「……と言いますとどのような?」
人魚王子「陸に住むという人間を利用するんだ。あいつらが人魚を襲ったという情報を流布しろ、共通の敵を持てば人魚はきっと団結できる」
側近「し、しかし、実際の被害もないというのに…」
人魚王子「私が殺す。手頃な人魚を数人な……そうだな、人間が人魚を襲うのは不老不死に効果があるという噂を信じているという事にしろ、いいな」
側近「……」
・・・
・・
・
「人間は人魚を襲う極悪種族だ!」
「もう何日も帰ってこないうちの娘も人間に襲われたに違いない!」
「人間を許すな!人魚同士団結して奴等を殺せ!」
「殺せ!殺せ!人間を許すな!」
人魚王子「どうやら、うまく言っているようだ。何人かの人魚を殺すだけでこれほどの成果が生まれるとは…!素晴らしい!やはり何かを得るには代償が必要……!あれだけの人魚を犠牲にしただけでこの結果はすばらしい」
側近「しかし……これはあまりにも……」
人魚王子「我が国が平和に一歩近づいたのだ、喜べ」
側近「……」
人魚王「だが襲われる人魚が居なくなってはまた争いが起きるかも知れないからな……口止めを兼ねて貴様には我が国の礎になって貰おう」スラッ
側近「……っ!」
ズブリッ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編
Part1<< Part12 Part13 Part14 Part15 Part16 Part17 Part18 Part19 Part20 >>Part22
評価する!(2313)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
ショートストーリーの人気記事
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
神様の秘密とは?神様が叶えたかったこととは?笑いあり、涙ありの神ss。日常系アニメが好きな方におすすめ!
→記事を読む
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む