キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ラプンツェルとアラビアンナイト編
Part13
529 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:09:39 ID:Jg2
キモオタ「しかし気になるのはゴーテル殿を豹変させた魔法具ですな」
ゴーテル「うむ、アリスめワシが育てている魔法の野菜を寄越せというでな、断ったんじゃが・・・あの娘、トランプの兵士を実体化させるとワシを羽交い締めにしおって、無理矢理コショウを飲み込まされたんじゃ」
キモオタ「しかし魔法で抵抗できなかったのですかな?」
ゴーテル「お主はトランプ兵の恐ろしさを知らんな?アリスの持つトランプ兵は倒しても倒してもキリがない。なにしろ文字通り束になって掛かってくる。逃げようにもあの娘の持つ笛で呼び寄せられてはな・・・成す術がなかったわ」
キモオタ「確かにそれでは厳しいですな・・・」
ゴーテル「あとはもうお前も知っての通りじゃ。ワシはもうなにもかもに憎しみを感じてラプンツェルすら腹立たしく思えてきた。
ようやく正気を取り戻した頃にはワシが切り落としたラプンツェルの髪の毛は消え、窓から見える畑は荒らされ放題じゃった」
キモオタ「野菜はわかるのでござるが・・・ラプンツェル殿の髪の毛などどうするんでござろうな」
ゴーテル「言ったじゃろ、あいつの魔力は髪の毛に集約されておる。切り落とされたとしても髪の毛には魔力が残留する。ラプンツェルは生まれながらに魔力を持った娘じゃからな、例えるならばラプンツェルの髪の毛はティンカーベルの鱗粉に近い」
キモオタ「となると・・・魔力を含んでいる髪に毛には利用価値があると、アリス殿達は考えたわけですな?」
ゴーテル「実際のところ利用価値はあるじゃろうな。髪の毛とは言ってもあの長さじゃ、例えば布地なんぞに編み込めばそれだけで魔力を持つ生地になる」
キモオタ「魔法具をかき集めているアリス殿達もそこに目を付けたと・・・」
ゴーテル「そうじゃな。コショウの正体はワシにはわからんが少なくともあいつらに力を与えてしまったと言うのは事実じゃ。お前達には迷惑をかけてしまったな」
キモオタ「いやいやwww力を得ているには向こうだけではないのでwww我々も戦う力を手にしますしなwwwそれにどうやら我々に協力してくれるらしいおとぎ話の登場人物もいるようでござるしwww」
530 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:20:07 ID:Jg2
ゴーテル「とにかく、アリスは『魔力を高める野菜』と『ラプンツェルの髪』を手に入れた、そしてどうやらアリスは負の感情を植え付けるコショウを持っている」
キモオタ「おそらく我々の知らぬ所でも新たな魔法具を手にしているでござろうし・・・我々もうかうかできまでんな」
ゴーテル「協力者が居ると言っていたな。それが誰かは知らぬが、元々のおとぎ話に縛られずに動けるティンカーベルとキモオタは今回のアリスに企みに対抗する上で重要になってくる」
ゴーテル「いずれお前達はアリスと戦うことになるだろう。プレッシャーを与えるつもりはないが、おとぎ話の世界の未来はお前達に掛かっていると言える。ワシはこの世界からは動けんが、手助けは出来るからのぉ・・・頼ってくるといい」
キモオタ「それはありがたいですなwww」
ゴーテル「・・・さて、ではワシの話は終わりじゃ。ラプンツェル達が王子を捜し出して戻ってくるまで少し時間が掛かるじゃろう。その間ラプンツェルのかわいさについて語ろうかのぉ」
キモオタ「ちょwwwなんwwwでwww」
ゴーテル「お前はもうすぐ現実世界に戻るのだろう?ワシは魔女じゃからな、なかなか娘自慢する機会がないんじゃよ。さぁ、まずは『可愛らしいラプンツェルのおもいで〜ママへのはじめてのプレゼント〜』から聞かせてやろう。あれはラプンツェルが4歳になろうという時・・・」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www早く戻ってきていただきたいwww」コポォ
・・・
531 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:25:57 ID:Jg2
王子(まったく前が見えない・・・ラプンツェルは無事だろうか?)
ヨロヨロ
王子(ジャムの瓶に紅茶を入れて出すような娘だ、どこかで無礼を働いて酷い目にあって居なければいいが・・・!)
ヨロヨロ ドシャー
王子「くっ!視力を失った事が動く上でこれほど障害となるとは・・・」
王子(どれほどの時間が経過したのだろうか・・・ここはどこだろうか・・・おそらく塔のあった森から抜けられていないはずだが・・・)
オージー!ドコニイルノー?イタラヘンジシテー!
王子「この声は・・・!ラプンツェルか!?」ヨロヨロ
アッ!イマコエガキコエタヨティンク!オージダヨタブン!
王子「ラプンツェルなのか!?ラプンツェル!私はここにいる!」
532 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:30:13 ID:Jg2
ラプンツェル「おーじ!洋服もボロボロだし血も出てる・・・!ティンクー!はやくはやく!おーじを塔まで運ぼう!」
ティンカーベル「うん!でも私たちだけじゃ運べないよ!そうだ、王子に妖精の粉をかけて・・・」ファサー
王子「ラプンツェルにティンク・・・私の目の前にいるのか?」ヨロッ
ラプンツェル「ひどい怪我・・・!両目とも見えないの?大丈夫だよ、私はおーじの目の前にいるよ!わかる?ほら、手を握ってるの私だよ」ギュッ
王子「そうか・・・ラプンツェル、私には君の姿がもう見えない。君は怪我をしていないか?無事でいるのかい?」
ラプンツェル「無事だよ、どこも怪我してないよ!キモオタとねティンクが一緒にいてくれたから大丈夫だったよ!」
王子「そうか、それならばよかった・・・」
ラプンツェル「よくないよ!だっておーじは両目が見えなくなってる・・・私の塔に来たから・・・私と約束なんかしたから!」
王子「自分を責めるなんて君らしくないな。ラプンツェルのせいじゃあないよ、君の姿を見ることが出来ないのは辛いけれど、こうして君と会話はできる。君の歌声を聞くことも出来る」
王子「君が無事ならば、私はそれで十分さ。だからいつかもう一度、君の歌を聴かせてほしい。できれば私だけのために、君の歌を・・・だから私の側にいて欲しい」
ラプンツェル「王子・・・!」ジワッ
533 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:33:42 ID:Jg2
ラプンツェル「何度だって歌うよ!おーじがそうして欲しいって言うなら私はいつだって王子のために歌を歌うよ」ポロポロ
ラプンツェル「そうだ・・・!ママとね、話して仲直りしたんだ!塔にいつでも帰ってきて良いし、おーじと旅に出ることも許してくれたよ!だからね、一緒にママとおーじのママの病気を治す方法を探しにいこう!」ポロポロ
王子「だが・・・この両目では・・・」
ラプンツェル「私たち・・・約束したよ?だから諦めちゃ駄目だよおーじ!もしも目が見えなくて旅が出来ないなら私が先におーじの目が見えるようになる方法を探す!だから諦めちゃ駄目だよ!」ポロポロ
ポタッポタッ
ティンカーベル(ラプンツェルの涙が王子の目に・・・!)
王子「・・・・・・っ!」パアァァー
ラプンツェル「・・・おーじ?」
王子「なんという事だ・・・私は君の歌声に癒された事があったが、君は涙でさえ私を癒す事が出来るんだね・・・」
ティンカーベル「・・・王子、目が見えるようになったんだね!」
王子「ああ。ラプンツェル、君のおかげだ。君が私に為に涙を流してくれたからこうしてもう一度私の両目には光が射し込んできた・・・」
王子「君という名の光が・・・!」
534 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:36:11 ID:Jg2
ラプンツェル「ううぅ・・・おーじ!よかった、よかったよおーじ!」ポロポロ
ギュッ
王子「っと、ラプンツェル・・・僕は無事だった、君のおかげで目も見えるようになった。一緒に旅に行くことだって出来る。泣くのはおかしいだろう?」
ラプンツェル「嬉しい涙だよ、私は大好きなおーじともママとも離ればなれにならなくていいんだ!自分に好きなことを塔の外で思いっきりできるんだ!」
ラプンツェル「おーじともずっと一緒だよ!ねっ!もう一回約束してよおーじ!ずっと一緒にいるって約束!」
王子「ああ、ちょうど私も同じ事を考えていたところだ」
ラプンツェル「じゃあゆびきりだね!私はもうどんな約束もやぶったりしないよ!」
ラプンツェル「だって私は今ものすごく幸せだから、もうなにもなくしたくないもんね!」ニコニコ
・・・
535 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:39:53 ID:Jg2
数時間後 ラプンツェルの塔の下
・・・
ラプンツェル「・・・・・・」ムッスー
ティンカーベル「さっきあんなに笑顔だったのに!?駄目だよラプンツェル、そんな顔しちゃ!」
ラプンツェル「だってキモオタもティンクも帰るっていうからだよ、せっかく仲良くなったのにー」ムッスー
キモオタ「またいつでも遊べるではござらんかwwwひとときの別れでござるよwww」コポォ
ラプンツェル「・・・・・・わかった。じゃあ約束だからね!あと、そうだ、これ・・・あげるっ!」スッ
ティンカーベル「なになに?・・・ラプンツェルの髪の毛?」
ラプンツェル「ママが教えてくれたんだよ、私の髪の毛は長くてきれいだからきっとキモオタ達に役に立つって!」ニコニコ
キモオタ「なんとwwwこれはありがたく受け取っておきますぞwww」
ティンカーベル「元気でねラプンツェル!でもあんまり無茶して王子を困らせちゃ駄目だよ?」
ラプンツェル「大丈夫!でも絶対ぜーったい旅は成功させる!だからキモオタ達もがんばってね!私との約束!」ニコニコ
キモオタ「いいですぞwwwではwww約束ですなwww」コポォ
ティンカーベル「うん!約束!」
ラプンツェル「えへへ、じゃあまたね!ちゃんと約束守ってるかどうか、いつか旅の話してもらうからね!さぼっちゃ駄目だよ?」ニコニコ
・・・
・・
・
536 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:43:26 ID:Jg2
現実世界 キモオタの住む町・図書館
キモオタ「今回は二つのおとぎ話を行き来しましたし大変でしたなwww」
ティンカーベル「だねー、それにしてもさ、ラプンツェルが幸せそうで何よりだよね!おとぎ話も消えなかったしね」
キモオタ「そうですなwwwしかしwww王子殿の心労はすさまじいことになりそうですなwww」
ティンカーベル「まぁね、ラプンツェルはなんていうか自由すぎるもんね。すぐにどっか行っちゃうし」クスクス
キモオタ「まぁでも大丈夫でござろうwwwなんせゴーテル殿が居るわけでござるしwww」
ティンカーベル「どうかな?ゴーテルは基本あますぎるからなぁー」
キモオタ「っと、ティンカーベル殿wwwありましたなwww【ラプンツェル】の絵本ですぞwww早速確認するでござるwww」コポォ
ティンカーベル「うんうん!早く読もう!」
パサッ
537 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:46:29 ID:Jg2
ラプンツェル
あるところにとても高い塔があり、その塔には一人の娘が住んでいました。
名前はラプンツェルといい、美しい容姿と綺麗な歌声、そしてなにより目を引く長い長い髪の毛をもっていました。
ラプンツェルの養母であるゴーテルは彼女をたいへん可愛がり、守るために塔に閉じこめていました。
塔に出入り口は無く、彼女の長い髪が唯一塔への移動手段でした
しかしある日、塔に三人の客人がやってきます。
旅人のキモータとティンク。そしてラプンツェルの歌声に惚れた王子でした。
四人はすぐに仲良くなり、ラプンツェルは優しい王子に恋をしました。そしていつしか二人でお互いの両親の病気を治す方法を探す旅に出ることを約束しました
しかし、それを知ったゴーテルは激しく怒りました。塔からでないという約束をしていたのに破られたからです
愛娘のはずのラプンツェルを激しく罵倒して自慢だった長い髪の毛をジョキンと切り落とすと、旅人のキモータとティンクもまとめて遠い砂漠の国に捨ててしまいました。
ラプンツェルはゴーテルとの約束を破ったことを反省し、なんとか塔まで帰ってくるとゴーテルに自分に気持ちを正直に伝えました。
そしてティンクの協力を得て王子と再会することが出来ました
ラプンツェルを失った悲しみで塔から落ちて失明していた王子の瞳は再会したラプンツェルに喜びの涙で光を取り戻し
ラプンツェルは大好きなゴーテルと仲直りし、王子と旅に出ることになりました
ラプンツェルはとても幸せでした
ラプンツェルはいつも笑顔で楽しく暮らしました
おしまい
・・・
540 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:50:17 ID:Jg2
キモオタ「ふむwwwとりあえず消えなかったでござるが・・・こうして見ると、シェヘラザード殿の言葉は考えさせられますな」
ティンカーベル「作者としては話を変えるのに反対。だけどおとぎ話の住人としては主人公に幸せになって欲しい。ってやつね」
キモオタ「ですな、もちろん我輩もラプンツェル殿が元の話より幸せになって嬉しいのでござるが・・・」
ティンカーベル「うーん・・・マッチ売りの時は結末自体がマッチ売りが死んじゃうことだったからどうしようもなかったけど、出来る範囲ならいいと私は思うけどなー」
キモオタ「まぁ今すぐ答えがでるものではないですなwwwせっかく図書館に来ているわけでござるしwww他の本も読んでみますかなwww」
ティンカーベル「じゃあさ!あれ調べてみようよ、コショウの魔法具!」
キモオタ「そうですなwww結局ゴーテル殿もよくわからないみたいでしたしなwww」
ティンカーベル「コショウの魔法具はもし使われたら怖いよ。だって感情を操作しちゃうようなもんでしょ?」
スタスタ
司書「あっ、キモオタさん。今日もおとぎ話ですか?」ニコッ
キモオタ「・・・司書殿w」
541 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:55:25 ID:Jg2
キモオタ「以前は助かりましたぞw急に読み聞かせをお願いしてしまって」
司書「いえいえ、今日は何か調べ物ですか?お手伝いしますよ?」ウフフ
キモオタ「それは助かりますな、ちょっと探したいものがあったのでござるが手がかりが無くてw是非お願いしたいw」
司書「えっと、確かコショウがどうとか・・・?」
キモオタ「聞いてたでござるか?そうなんでござるよw性格が豹変するコショウが出てくるおとぎ話ってないでござるかね?」
ティンカーベル「・・・・・・」
司書「あっ、それならあれかな?ありますよ、性格が変わっちゃうコショウ。厳密にはちょっと違うかもしれませんけど」
キモオタ「なんですと!?本当にあるんでござるな!なんというおとぎ話ですかな?」
司書「【不思議の国のアリス】です、キモオタさんは読んだことないですか?うちの図書館でも人気ですよ」
ティンカーベル「・・・やっぱりあいつのおとぎ話の魔法具だったんだ!」
543 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:00:18 ID:Jg2
キモオタ「その話、詳しく聞かせていただきたい!」ガタッ
司書「は、はい。えっとですね、内容は長くなっちゃうので省きますけど【不思議の国のアリス】は主人公のアリスが不思議なことがたくさん起こるワンダーランドに迷い込む。というアリスの不思議な体験を書いたおとぎ話なんですけど」
司書「その中の一節で、アリスは公爵夫人の屋敷を訪れるんです。そこでは料理人がスープの中にこれでもかって程たっぷりのコショウを入れていて部屋中がコショウの匂いでいっぱいなんです」
司書「そしてその公爵夫人はしかめっ面でイライラしててですね。初対面のアリスに暴言を吐いたり赤ん坊を乱雑に扱ったりとにかく気性の荒い不機嫌な人だったんです」
キモオタ「なるほど、ちょっとイヤな感じの婦人だったわけですな」
司書「ところがそうでもなくてですね。後にアリスは別の場所でもう一度公爵夫人と出会うんですが、今度はにこやかで優しくアリスに接してくれたんです。まるで屋敷にいるときとは別人のようでした」
司書「そこでアリスは性格が一変している公爵夫人についてこう解釈したんです。きっと屋敷で公爵夫人があんなに乱暴だったのはコショウのせいだ。と」
キモオタ「ほう?コショウのせいで乱暴に?そんなことがあるんですかな?」
司書「事実はどうか分からないですけど、アリスなりの解釈じゃないでしょうか?」フフッ
司書「『乱暴な性格になってしまうのはきっとコショウのせい。だったら酸っぱくなるのはお酢のせいで、しかめっ面になるのはカモミールのせい。」
司書「そして楽しい気持ちにさせるのはキャンディなんだ!』・・・と、アリスは思ったんです」
545 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:05:01 ID:Jg2
キモオタ「なるほど・・・実際はそれはアリス殿の解釈ではなく、そういう魔法具だったということですな」ボソッ
司書「キモオタさん?どうかしましたか?」
キモオタ「い、いやwなんでもないですぞ!あ、じゃあ今日は【不思議の国のアリス】を借りて帰りますかなw」ヒョイ
司書「はい!じゃあ貸し出しの手続きしますね?」ニコッ
タッタッタッ
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「どうしましたかなwww先程から黙っておりますなwww何か考え事でござるかwww」
ティンカーベル「・・・あのさ、あの司書のお姉さんって」ヒソヒソ
司書「キモオタさん、お待たせしました!返却期限は二週間なので忘れないでくださいね」ニコッ
キモオタ「わかりましたぞwでは、我輩はこれでwww」
司書「はい、気をつけて帰ってくださいねー」
ティンカーベル「・・・・・・」ジーッ
司書「バイバイ、妖精さん」コソッ
ティンカーベル「・・・・・・っ!」
キモオタ「どうしましたかなwww帰りますぞwwwさぁ帰りにマックに行くでござるよwwwそれともピザーラにしますかなwww」コポォ
547 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:07:32 ID:Jg2
司書「ふふっ、妖精さんに気づかれちゃったな。私に妖精が見えるって事」フフッ
司書「でもこれをきっかけに仲良くなれたら嬉しいなー」フフッ
ショタ「なんだか嬉しそうだね、お姉ちゃん」クスクス
司書「あっ・・・もしかして声にでちゃってたかな・・・?」ワタワタ
ロリ「・・・独り言。言ってた。ちょっと怪しい人に見える」ボソボソ
司書「・・・うん、それはよくないね。反省しないと。でも、二人ともどうやってここに来たの?もう、お姉ちゃんが居ないときは勝手に外出歩いちゃ駄目だって言ったでしょう?」
ショタ「平気だよ、このあたりは僕たちが居た世界とは違って道もキチンとあるし道案内の看板だってある。これだったら迷いようがないよ。道しるべの石ころを用意したけど無駄になっちゃったしね」クスクス
ロリ「・・・そう。お兄ちゃんは賢いから、安心」ボソボソ
司書「うーん・・・でもこの世界は二人の世界とは違っていろいろ危ないこともあるのよ?」
ショタ「お姉ちゃんは心配性だよね、僕たち兄妹が一緒なら大丈夫さ。そうだよね?」
ロリ「・・・うん。平気。お兄ちゃんは先に事まで考えてる、安心」ボソボソ
550 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:13:15 ID:Jg2
司書「本当かなー?この前教えた交通ルールは大丈夫?覚えてる?」
ショタ「僕たちは道の右側を歩く。横断歩道って所は青い光がついててもよく右と左を見てから道を横切ること。だよね?」
司書「うん、そうだね!偉いよ。じゃあ、もし知らない人がお菓子あげるからおいでって言ったらどうする?」
ロリ「・・・知らない人がそんなことを言ってきたら」ボソボソ
司書「うん、どうするかな?」
ロリ「・・・そいつは魔女。だから絶対に油断しちゃいけない。もしも捕まったら、魔女の隙を見つける」ボソボソ
司書「・・・・・・」
ロリ「・・・そして火のついたかまどの中に突き飛ばす。お兄ちゃんは・・・私が助ける」ボソボソ
ショタ「あのね、グレーテル。気持ちは嬉しいんだけどそれはこの世界では・・・」
グレーテル「・・・大丈夫。お兄ちゃんは私が守る」ボソボソ
司書「もう・・・これじゃあ怖くて帰らせらんないよ・・・ヘンゼルもグレーテルも司書室で待ってなさい。ビスケットとジュースあるから、お姉ちゃんの仕事終わるまで待っててね?わかった?
お仕事終わったら一緒に帰ろう、ね?」
グレーテル「わかった。待ってる。ビスケット・・・好き」
ヘンゼル「うん、なんだかごめんね。お姉ちゃんの仕事の邪魔しちゃったかもしれない」
司書「いいのよ、この世界では二人とも私の弟と妹なんだから。お姉ちゃんに遠慮する弟妹なんて居ないでしょ?だからいいのよ」ニコッ
・・・
アリスの目的が魔法のランプであると知ったキモオタ達
おとぎ話を次々と消すアリス達の行動はおとぎ話全体への影響を及ぼし始める
あらたな協力者。精神操作する魔法具。
そして、現実世界に現れたおとぎ話の住人である兄妹
キモオタ達の冒険は続きます
ラプンツェルとアラビアンナイト編 おしまい
551 :【見えざる雷】 :2015/02/11(水)22:17:29 ID:i21
おつ!
おもろかった!
次回からは司書さんの冒険かな?
553 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:18:56 ID:Jg2
>>551
ところがどっこい。赤いあいつらの冒険です
555 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)22:24:55 ID:uA6
>>1さん乙でした!!
次回は、赤々コンビやシンデレラ達の活躍に期待します
気長に六冊目を待ちますね
再度、本当にお疲れ様です!!
556 :【見えざる雷】 :2015/02/11(水)22:26:35 ID:i21
赤ずきん!
赤鬼!
嬉しい!
557 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:30:08 ID:Jg2
今日はここまでで五冊目終わりです。
なんでも信じちゃうラプンツェルの初恋と
人間不信で妻に不貞を働かれた国王の対比で書きたかったけど難しい
ちょっと会話だけの所多すぎたり、途中ちょっとモチベ低下したりで今回はなんかグダグダだったかも、すまん
今まではその都度かいてたけど今日のは書きためにしてみた
書きためだと毎日更新できないけど誤字確認しやすいしこれで行こうかと思ってる
次回は魔法具の材料集めに行った赤ずきんと赤鬼がメインのお話です。どこの世界に行くかはお楽しみで
シェヘラザードが話してた協力者も出てきます。あと裸王も。
みんなのレスや支援が支えでついに六冊目、正直ここまで書くとは思わなかったwww
これからもレス支援お願いします、がんばって書くので
では次回もよろしくー
558 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)22:37:50 ID:uA6
>>553
>>1さん、解説ありがとうございます
次回は赤々コンビのパワーアップと、魔法具の材料集めの旅…
六冊目、楽しみに待ってます!!
559 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)22:58:42 ID:uA6
協力者は【アラビアンナイト】のキャラが濃厚だろうけど、まさかの青鬼さん再登場があるかな…!?
赤鬼さんや【わらしべ長者】の他にも、赤ずきんちゃんにとって頼りになる、おとぎ話キャラが増えますように…
頑張れ、赤ずきんちゃん。仲間の為に。六冊目、wktkです!!
561 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)23:25:37 ID:sJa
お疲れ様です!!
ラプンツェルとアラビアンナイト、本当に面白かった!
司書ちゃんもおとぎ話と関わりがあるみたいだし、wktkすぎる!!
569 :名無しさん@おーぷん :2015/02/12(木)18:54:27 ID:H9h
登場タイトルまとめ
ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→無事
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→不明
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界)
ヘンゼルとグレーテル→不明
キモオタ「しかし気になるのはゴーテル殿を豹変させた魔法具ですな」
ゴーテル「うむ、アリスめワシが育てている魔法の野菜を寄越せというでな、断ったんじゃが・・・あの娘、トランプの兵士を実体化させるとワシを羽交い締めにしおって、無理矢理コショウを飲み込まされたんじゃ」
キモオタ「しかし魔法で抵抗できなかったのですかな?」
ゴーテル「お主はトランプ兵の恐ろしさを知らんな?アリスの持つトランプ兵は倒しても倒してもキリがない。なにしろ文字通り束になって掛かってくる。逃げようにもあの娘の持つ笛で呼び寄せられてはな・・・成す術がなかったわ」
キモオタ「確かにそれでは厳しいですな・・・」
ゴーテル「あとはもうお前も知っての通りじゃ。ワシはもうなにもかもに憎しみを感じてラプンツェルすら腹立たしく思えてきた。
ようやく正気を取り戻した頃にはワシが切り落としたラプンツェルの髪の毛は消え、窓から見える畑は荒らされ放題じゃった」
キモオタ「野菜はわかるのでござるが・・・ラプンツェル殿の髪の毛などどうするんでござろうな」
ゴーテル「言ったじゃろ、あいつの魔力は髪の毛に集約されておる。切り落とされたとしても髪の毛には魔力が残留する。ラプンツェルは生まれながらに魔力を持った娘じゃからな、例えるならばラプンツェルの髪の毛はティンカーベルの鱗粉に近い」
キモオタ「となると・・・魔力を含んでいる髪に毛には利用価値があると、アリス殿達は考えたわけですな?」
ゴーテル「実際のところ利用価値はあるじゃろうな。髪の毛とは言ってもあの長さじゃ、例えば布地なんぞに編み込めばそれだけで魔力を持つ生地になる」
キモオタ「魔法具をかき集めているアリス殿達もそこに目を付けたと・・・」
ゴーテル「そうじゃな。コショウの正体はワシにはわからんが少なくともあいつらに力を与えてしまったと言うのは事実じゃ。お前達には迷惑をかけてしまったな」
キモオタ「いやいやwww力を得ているには向こうだけではないのでwww我々も戦う力を手にしますしなwwwそれにどうやら我々に協力してくれるらしいおとぎ話の登場人物もいるようでござるしwww」
530 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:20:07 ID:Jg2
ゴーテル「とにかく、アリスは『魔力を高める野菜』と『ラプンツェルの髪』を手に入れた、そしてどうやらアリスは負の感情を植え付けるコショウを持っている」
キモオタ「おそらく我々の知らぬ所でも新たな魔法具を手にしているでござろうし・・・我々もうかうかできまでんな」
ゴーテル「協力者が居ると言っていたな。それが誰かは知らぬが、元々のおとぎ話に縛られずに動けるティンカーベルとキモオタは今回のアリスに企みに対抗する上で重要になってくる」
ゴーテル「いずれお前達はアリスと戦うことになるだろう。プレッシャーを与えるつもりはないが、おとぎ話の世界の未来はお前達に掛かっていると言える。ワシはこの世界からは動けんが、手助けは出来るからのぉ・・・頼ってくるといい」
キモオタ「それはありがたいですなwww」
ゴーテル「・・・さて、ではワシの話は終わりじゃ。ラプンツェル達が王子を捜し出して戻ってくるまで少し時間が掛かるじゃろう。その間ラプンツェルのかわいさについて語ろうかのぉ」
キモオタ「ちょwwwなんwwwでwww」
ゴーテル「お前はもうすぐ現実世界に戻るのだろう?ワシは魔女じゃからな、なかなか娘自慢する機会がないんじゃよ。さぁ、まずは『可愛らしいラプンツェルのおもいで〜ママへのはじめてのプレゼント〜』から聞かせてやろう。あれはラプンツェルが4歳になろうという時・・・」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www早く戻ってきていただきたいwww」コポォ
・・・
531 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:25:57 ID:Jg2
王子(まったく前が見えない・・・ラプンツェルは無事だろうか?)
ヨロヨロ
王子(ジャムの瓶に紅茶を入れて出すような娘だ、どこかで無礼を働いて酷い目にあって居なければいいが・・・!)
ヨロヨロ ドシャー
王子「くっ!視力を失った事が動く上でこれほど障害となるとは・・・」
王子(どれほどの時間が経過したのだろうか・・・ここはどこだろうか・・・おそらく塔のあった森から抜けられていないはずだが・・・)
オージー!ドコニイルノー?イタラヘンジシテー!
王子「この声は・・・!ラプンツェルか!?」ヨロヨロ
アッ!イマコエガキコエタヨティンク!オージダヨタブン!
王子「ラプンツェルなのか!?ラプンツェル!私はここにいる!」
532 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:30:13 ID:Jg2
ラプンツェル「おーじ!洋服もボロボロだし血も出てる・・・!ティンクー!はやくはやく!おーじを塔まで運ぼう!」
ティンカーベル「うん!でも私たちだけじゃ運べないよ!そうだ、王子に妖精の粉をかけて・・・」ファサー
王子「ラプンツェルにティンク・・・私の目の前にいるのか?」ヨロッ
ラプンツェル「ひどい怪我・・・!両目とも見えないの?大丈夫だよ、私はおーじの目の前にいるよ!わかる?ほら、手を握ってるの私だよ」ギュッ
王子「そうか・・・ラプンツェル、私には君の姿がもう見えない。君は怪我をしていないか?無事でいるのかい?」
ラプンツェル「無事だよ、どこも怪我してないよ!キモオタとねティンクが一緒にいてくれたから大丈夫だったよ!」
王子「そうか、それならばよかった・・・」
ラプンツェル「よくないよ!だっておーじは両目が見えなくなってる・・・私の塔に来たから・・・私と約束なんかしたから!」
王子「自分を責めるなんて君らしくないな。ラプンツェルのせいじゃあないよ、君の姿を見ることが出来ないのは辛いけれど、こうして君と会話はできる。君の歌声を聞くことも出来る」
王子「君が無事ならば、私はそれで十分さ。だからいつかもう一度、君の歌を聴かせてほしい。できれば私だけのために、君の歌を・・・だから私の側にいて欲しい」
ラプンツェル「王子・・・!」ジワッ
533 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:33:42 ID:Jg2
ラプンツェル「何度だって歌うよ!おーじがそうして欲しいって言うなら私はいつだって王子のために歌を歌うよ」ポロポロ
ラプンツェル「そうだ・・・!ママとね、話して仲直りしたんだ!塔にいつでも帰ってきて良いし、おーじと旅に出ることも許してくれたよ!だからね、一緒にママとおーじのママの病気を治す方法を探しにいこう!」ポロポロ
王子「だが・・・この両目では・・・」
ラプンツェル「私たち・・・約束したよ?だから諦めちゃ駄目だよおーじ!もしも目が見えなくて旅が出来ないなら私が先におーじの目が見えるようになる方法を探す!だから諦めちゃ駄目だよ!」ポロポロ
ポタッポタッ
ティンカーベル(ラプンツェルの涙が王子の目に・・・!)
王子「・・・・・・っ!」パアァァー
ラプンツェル「・・・おーじ?」
王子「なんという事だ・・・私は君の歌声に癒された事があったが、君は涙でさえ私を癒す事が出来るんだね・・・」
ティンカーベル「・・・王子、目が見えるようになったんだね!」
王子「ああ。ラプンツェル、君のおかげだ。君が私に為に涙を流してくれたからこうしてもう一度私の両目には光が射し込んできた・・・」
王子「君という名の光が・・・!」
ラプンツェル「ううぅ・・・おーじ!よかった、よかったよおーじ!」ポロポロ
ギュッ
王子「っと、ラプンツェル・・・僕は無事だった、君のおかげで目も見えるようになった。一緒に旅に行くことだって出来る。泣くのはおかしいだろう?」
ラプンツェル「嬉しい涙だよ、私は大好きなおーじともママとも離ればなれにならなくていいんだ!自分に好きなことを塔の外で思いっきりできるんだ!」
ラプンツェル「おーじともずっと一緒だよ!ねっ!もう一回約束してよおーじ!ずっと一緒にいるって約束!」
王子「ああ、ちょうど私も同じ事を考えていたところだ」
ラプンツェル「じゃあゆびきりだね!私はもうどんな約束もやぶったりしないよ!」
ラプンツェル「だって私は今ものすごく幸せだから、もうなにもなくしたくないもんね!」ニコニコ
・・・
535 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:39:53 ID:Jg2
数時間後 ラプンツェルの塔の下
・・・
ラプンツェル「・・・・・・」ムッスー
ティンカーベル「さっきあんなに笑顔だったのに!?駄目だよラプンツェル、そんな顔しちゃ!」
ラプンツェル「だってキモオタもティンクも帰るっていうからだよ、せっかく仲良くなったのにー」ムッスー
キモオタ「またいつでも遊べるではござらんかwwwひとときの別れでござるよwww」コポォ
ラプンツェル「・・・・・・わかった。じゃあ約束だからね!あと、そうだ、これ・・・あげるっ!」スッ
ティンカーベル「なになに?・・・ラプンツェルの髪の毛?」
ラプンツェル「ママが教えてくれたんだよ、私の髪の毛は長くてきれいだからきっとキモオタ達に役に立つって!」ニコニコ
キモオタ「なんとwwwこれはありがたく受け取っておきますぞwww」
ティンカーベル「元気でねラプンツェル!でもあんまり無茶して王子を困らせちゃ駄目だよ?」
ラプンツェル「大丈夫!でも絶対ぜーったい旅は成功させる!だからキモオタ達もがんばってね!私との約束!」ニコニコ
キモオタ「いいですぞwwwではwww約束ですなwww」コポォ
ティンカーベル「うん!約束!」
ラプンツェル「えへへ、じゃあまたね!ちゃんと約束守ってるかどうか、いつか旅の話してもらうからね!さぼっちゃ駄目だよ?」ニコニコ
・・・
・・
・
536 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:43:26 ID:Jg2
現実世界 キモオタの住む町・図書館
キモオタ「今回は二つのおとぎ話を行き来しましたし大変でしたなwww」
ティンカーベル「だねー、それにしてもさ、ラプンツェルが幸せそうで何よりだよね!おとぎ話も消えなかったしね」
キモオタ「そうですなwwwしかしwww王子殿の心労はすさまじいことになりそうですなwww」
ティンカーベル「まぁね、ラプンツェルはなんていうか自由すぎるもんね。すぐにどっか行っちゃうし」クスクス
キモオタ「まぁでも大丈夫でござろうwwwなんせゴーテル殿が居るわけでござるしwww」
ティンカーベル「どうかな?ゴーテルは基本あますぎるからなぁー」
キモオタ「っと、ティンカーベル殿wwwありましたなwww【ラプンツェル】の絵本ですぞwww早速確認するでござるwww」コポォ
ティンカーベル「うんうん!早く読もう!」
パサッ
537 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:46:29 ID:Jg2
ラプンツェル
あるところにとても高い塔があり、その塔には一人の娘が住んでいました。
名前はラプンツェルといい、美しい容姿と綺麗な歌声、そしてなにより目を引く長い長い髪の毛をもっていました。
ラプンツェルの養母であるゴーテルは彼女をたいへん可愛がり、守るために塔に閉じこめていました。
塔に出入り口は無く、彼女の長い髪が唯一塔への移動手段でした
しかしある日、塔に三人の客人がやってきます。
旅人のキモータとティンク。そしてラプンツェルの歌声に惚れた王子でした。
四人はすぐに仲良くなり、ラプンツェルは優しい王子に恋をしました。そしていつしか二人でお互いの両親の病気を治す方法を探す旅に出ることを約束しました
しかし、それを知ったゴーテルは激しく怒りました。塔からでないという約束をしていたのに破られたからです
愛娘のはずのラプンツェルを激しく罵倒して自慢だった長い髪の毛をジョキンと切り落とすと、旅人のキモータとティンクもまとめて遠い砂漠の国に捨ててしまいました。
ラプンツェルはゴーテルとの約束を破ったことを反省し、なんとか塔まで帰ってくるとゴーテルに自分に気持ちを正直に伝えました。
そしてティンクの協力を得て王子と再会することが出来ました
ラプンツェルを失った悲しみで塔から落ちて失明していた王子の瞳は再会したラプンツェルに喜びの涙で光を取り戻し
ラプンツェルは大好きなゴーテルと仲直りし、王子と旅に出ることになりました
ラプンツェルはとても幸せでした
ラプンツェルはいつも笑顔で楽しく暮らしました
おしまい
・・・
540 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:50:17 ID:Jg2
キモオタ「ふむwwwとりあえず消えなかったでござるが・・・こうして見ると、シェヘラザード殿の言葉は考えさせられますな」
ティンカーベル「作者としては話を変えるのに反対。だけどおとぎ話の住人としては主人公に幸せになって欲しい。ってやつね」
キモオタ「ですな、もちろん我輩もラプンツェル殿が元の話より幸せになって嬉しいのでござるが・・・」
ティンカーベル「うーん・・・マッチ売りの時は結末自体がマッチ売りが死んじゃうことだったからどうしようもなかったけど、出来る範囲ならいいと私は思うけどなー」
キモオタ「まぁ今すぐ答えがでるものではないですなwwwせっかく図書館に来ているわけでござるしwww他の本も読んでみますかなwww」
ティンカーベル「じゃあさ!あれ調べてみようよ、コショウの魔法具!」
キモオタ「そうですなwww結局ゴーテル殿もよくわからないみたいでしたしなwww」
ティンカーベル「コショウの魔法具はもし使われたら怖いよ。だって感情を操作しちゃうようなもんでしょ?」
スタスタ
司書「あっ、キモオタさん。今日もおとぎ話ですか?」ニコッ
キモオタ「・・・司書殿w」
541 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)21:55:25 ID:Jg2
キモオタ「以前は助かりましたぞw急に読み聞かせをお願いしてしまって」
司書「いえいえ、今日は何か調べ物ですか?お手伝いしますよ?」ウフフ
キモオタ「それは助かりますな、ちょっと探したいものがあったのでござるが手がかりが無くてw是非お願いしたいw」
司書「えっと、確かコショウがどうとか・・・?」
キモオタ「聞いてたでござるか?そうなんでござるよw性格が豹変するコショウが出てくるおとぎ話ってないでござるかね?」
ティンカーベル「・・・・・・」
司書「あっ、それならあれかな?ありますよ、性格が変わっちゃうコショウ。厳密にはちょっと違うかもしれませんけど」
キモオタ「なんですと!?本当にあるんでござるな!なんというおとぎ話ですかな?」
司書「【不思議の国のアリス】です、キモオタさんは読んだことないですか?うちの図書館でも人気ですよ」
ティンカーベル「・・・やっぱりあいつのおとぎ話の魔法具だったんだ!」
543 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:00:18 ID:Jg2
キモオタ「その話、詳しく聞かせていただきたい!」ガタッ
司書「は、はい。えっとですね、内容は長くなっちゃうので省きますけど【不思議の国のアリス】は主人公のアリスが不思議なことがたくさん起こるワンダーランドに迷い込む。というアリスの不思議な体験を書いたおとぎ話なんですけど」
司書「その中の一節で、アリスは公爵夫人の屋敷を訪れるんです。そこでは料理人がスープの中にこれでもかって程たっぷりのコショウを入れていて部屋中がコショウの匂いでいっぱいなんです」
司書「そしてその公爵夫人はしかめっ面でイライラしててですね。初対面のアリスに暴言を吐いたり赤ん坊を乱雑に扱ったりとにかく気性の荒い不機嫌な人だったんです」
キモオタ「なるほど、ちょっとイヤな感じの婦人だったわけですな」
司書「ところがそうでもなくてですね。後にアリスは別の場所でもう一度公爵夫人と出会うんですが、今度はにこやかで優しくアリスに接してくれたんです。まるで屋敷にいるときとは別人のようでした」
司書「そこでアリスは性格が一変している公爵夫人についてこう解釈したんです。きっと屋敷で公爵夫人があんなに乱暴だったのはコショウのせいだ。と」
キモオタ「ほう?コショウのせいで乱暴に?そんなことがあるんですかな?」
司書「事実はどうか分からないですけど、アリスなりの解釈じゃないでしょうか?」フフッ
司書「『乱暴な性格になってしまうのはきっとコショウのせい。だったら酸っぱくなるのはお酢のせいで、しかめっ面になるのはカモミールのせい。」
司書「そして楽しい気持ちにさせるのはキャンディなんだ!』・・・と、アリスは思ったんです」
545 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:05:01 ID:Jg2
キモオタ「なるほど・・・実際はそれはアリス殿の解釈ではなく、そういう魔法具だったということですな」ボソッ
司書「キモオタさん?どうかしましたか?」
キモオタ「い、いやwなんでもないですぞ!あ、じゃあ今日は【不思議の国のアリス】を借りて帰りますかなw」ヒョイ
司書「はい!じゃあ貸し出しの手続きしますね?」ニコッ
タッタッタッ
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「どうしましたかなwww先程から黙っておりますなwww何か考え事でござるかwww」
ティンカーベル「・・・あのさ、あの司書のお姉さんって」ヒソヒソ
司書「キモオタさん、お待たせしました!返却期限は二週間なので忘れないでくださいね」ニコッ
キモオタ「わかりましたぞwでは、我輩はこれでwww」
司書「はい、気をつけて帰ってくださいねー」
ティンカーベル「・・・・・・」ジーッ
司書「バイバイ、妖精さん」コソッ
ティンカーベル「・・・・・・っ!」
キモオタ「どうしましたかなwww帰りますぞwwwさぁ帰りにマックに行くでござるよwwwそれともピザーラにしますかなwww」コポォ
547 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:07:32 ID:Jg2
司書「ふふっ、妖精さんに気づかれちゃったな。私に妖精が見えるって事」フフッ
司書「でもこれをきっかけに仲良くなれたら嬉しいなー」フフッ
ショタ「なんだか嬉しそうだね、お姉ちゃん」クスクス
司書「あっ・・・もしかして声にでちゃってたかな・・・?」ワタワタ
ロリ「・・・独り言。言ってた。ちょっと怪しい人に見える」ボソボソ
司書「・・・うん、それはよくないね。反省しないと。でも、二人ともどうやってここに来たの?もう、お姉ちゃんが居ないときは勝手に外出歩いちゃ駄目だって言ったでしょう?」
ショタ「平気だよ、このあたりは僕たちが居た世界とは違って道もキチンとあるし道案内の看板だってある。これだったら迷いようがないよ。道しるべの石ころを用意したけど無駄になっちゃったしね」クスクス
ロリ「・・・そう。お兄ちゃんは賢いから、安心」ボソボソ
司書「うーん・・・でもこの世界は二人の世界とは違っていろいろ危ないこともあるのよ?」
ショタ「お姉ちゃんは心配性だよね、僕たち兄妹が一緒なら大丈夫さ。そうだよね?」
ロリ「・・・うん。平気。お兄ちゃんは先に事まで考えてる、安心」ボソボソ
550 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:13:15 ID:Jg2
司書「本当かなー?この前教えた交通ルールは大丈夫?覚えてる?」
ショタ「僕たちは道の右側を歩く。横断歩道って所は青い光がついててもよく右と左を見てから道を横切ること。だよね?」
司書「うん、そうだね!偉いよ。じゃあ、もし知らない人がお菓子あげるからおいでって言ったらどうする?」
ロリ「・・・知らない人がそんなことを言ってきたら」ボソボソ
司書「うん、どうするかな?」
ロリ「・・・そいつは魔女。だから絶対に油断しちゃいけない。もしも捕まったら、魔女の隙を見つける」ボソボソ
司書「・・・・・・」
ロリ「・・・そして火のついたかまどの中に突き飛ばす。お兄ちゃんは・・・私が助ける」ボソボソ
ショタ「あのね、グレーテル。気持ちは嬉しいんだけどそれはこの世界では・・・」
グレーテル「・・・大丈夫。お兄ちゃんは私が守る」ボソボソ
司書「もう・・・これじゃあ怖くて帰らせらんないよ・・・ヘンゼルもグレーテルも司書室で待ってなさい。ビスケットとジュースあるから、お姉ちゃんの仕事終わるまで待っててね?わかった?
お仕事終わったら一緒に帰ろう、ね?」
グレーテル「わかった。待ってる。ビスケット・・・好き」
ヘンゼル「うん、なんだかごめんね。お姉ちゃんの仕事の邪魔しちゃったかもしれない」
司書「いいのよ、この世界では二人とも私の弟と妹なんだから。お姉ちゃんに遠慮する弟妹なんて居ないでしょ?だからいいのよ」ニコッ
・・・
アリスの目的が魔法のランプであると知ったキモオタ達
おとぎ話を次々と消すアリス達の行動はおとぎ話全体への影響を及ぼし始める
あらたな協力者。精神操作する魔法具。
そして、現実世界に現れたおとぎ話の住人である兄妹
キモオタ達の冒険は続きます
ラプンツェルとアラビアンナイト編 おしまい
551 :【見えざる雷】 :2015/02/11(水)22:17:29 ID:i21
おつ!
おもろかった!
次回からは司書さんの冒険かな?
553 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:18:56 ID:Jg2
>>551
ところがどっこい。赤いあいつらの冒険です
555 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)22:24:55 ID:uA6
>>1さん乙でした!!
次回は、赤々コンビやシンデレラ達の活躍に期待します
気長に六冊目を待ちますね
再度、本当にお疲れ様です!!
556 :【見えざる雷】 :2015/02/11(水)22:26:35 ID:i21
赤ずきん!
赤鬼!
嬉しい!
557 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/11(水)22:30:08 ID:Jg2
今日はここまでで五冊目終わりです。
なんでも信じちゃうラプンツェルの初恋と
人間不信で妻に不貞を働かれた国王の対比で書きたかったけど難しい
ちょっと会話だけの所多すぎたり、途中ちょっとモチベ低下したりで今回はなんかグダグダだったかも、すまん
今まではその都度かいてたけど今日のは書きためにしてみた
書きためだと毎日更新できないけど誤字確認しやすいしこれで行こうかと思ってる
次回は魔法具の材料集めに行った赤ずきんと赤鬼がメインのお話です。どこの世界に行くかはお楽しみで
シェヘラザードが話してた協力者も出てきます。あと裸王も。
みんなのレスや支援が支えでついに六冊目、正直ここまで書くとは思わなかったwww
これからもレス支援お願いします、がんばって書くので
では次回もよろしくー
>>553
>>1さん、解説ありがとうございます
次回は赤々コンビのパワーアップと、魔法具の材料集めの旅…
六冊目、楽しみに待ってます!!
559 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)22:58:42 ID:uA6
協力者は【アラビアンナイト】のキャラが濃厚だろうけど、まさかの青鬼さん再登場があるかな…!?
赤鬼さんや【わらしべ長者】の他にも、赤ずきんちゃんにとって頼りになる、おとぎ話キャラが増えますように…
頑張れ、赤ずきんちゃん。仲間の為に。六冊目、wktkです!!
561 :名無しさん@おーぷん :2015/02/11(水)23:25:37 ID:sJa
お疲れ様です!!
ラプンツェルとアラビアンナイト、本当に面白かった!
司書ちゃんもおとぎ話と関わりがあるみたいだし、wktkすぎる!!
569 :名無しさん@おーぷん :2015/02/12(木)18:54:27 ID:H9h
登場タイトルまとめ
ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→無事
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→不明
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界)
ヘンゼルとグレーテル→不明
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ラプンツェルとアラビアンナイト編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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