キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ラプンツェルとアラビアンナイト編
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424 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)20:18:43 ID:iyh
王の間
国王「・・・側近」
側近「は、はっ!何でございましょう!」
国王「今宵、我の妻となる女は見つかったのか・・・?昨日はもうこの国に若い女は居ないなどと不抜けた事を抜かしておったが・・・」
側近「は、はい!随分前に兵士二人を街へ送り出しましたので、そろそろ見つかっている頃と思いますが」
国王「・・・見つかっていると思う、だと・・・?」ギロリ
側近「ひっ!」ガタッ
国王「貴様のような側近風情が・・・この王に『思う』などと不確かな返事を返すのか・・・?」
側近「す、すぐに確認して参ります!!」ドタバタ
国王「・・・・・・使えぬ奴目め」フンッ
国王「・・・・・・」
国王「・・・・・・時間を持て余してしまうな、本でも読むとするか・・・ん?」
カタッ
国王「扉が勝手に・・・いや、気配がする。おい、そこに居るのは誰だ・・・?」
ヒョコ
ラプンツェル「あ、やっと人が居たよ!ねぇねぇ、国王ってどこにいるかおじさん知ってる?」ニコニコ
国王「っ・・・!何者だ、貴様は・・・!」ジャキン
425 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)20:31:33 ID:iyh
ラプンツェル「剣・・・!おじさんそんなの振り回したら駄目だよ、それは戦う道具だって私は教わったよ?」
国王「ほう、娘・・・あくまでお前は我の敵ではないと主張するのか。この国王に舐めた口の効き方をしておいて・・・図々しい奴だ」チャキ
ラプンツェル「・・・あっ!おじさんが国王だったんだ!?」
国王「反省はしていないと解釈するぞ。さぁ、答えろ。貴様は何者だ・・・何のためにここにいる?刺客には見えないが・・・他国のスパイか・・・」
ラプンツェル「私はラプンツェルだよ!国王の友達になりに来たんだけど・・・」
国王「友達だと?この我が・・・貴様のような小娘を相手にするわけが無かろう・・・!」
ラプンツェル「あれ・・・?おかしいなぁ・・・さっきの兵士達はそう言ってたけど・・・聞き間違えちゃったかな・・・?」
国王「よくわからぬ奴だが・・・貴様は無断で我の宮殿に立ち入った侵入者。この手で即刻、排除してやろう・・・!」ジャキン
ラプンツェル「・・・っ!」
国王「無礼者が・・・!死ね・・・!」
426 :名無しさん@おーぷん :2015/02/05(木)20:44:28 ID:HO1
誰かラプちゃんを助けて…。
キモオタorティンク、ないしはシェヘラザード様!!
※しかし、今見返したら赤ずきんちゃんが12歳とこれまたお若い。
桃太郎さんやラプちゃんと同じく、17歳ほどかと思ってました。
言葉遣いが大人びているので…。
427 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)20:45:53 ID:iyh
ジャキーン
ティンカーベル「ラプンツェル!逃げてー!!」ピュー
ドスドスドスドス
キモオタ「うおおおぉぉぉ!!!ラプンツェル殿おおおぉぉぉ!!」ズサァァァーー
ドンッ
ラプンツェル「わっ!」ドシーン
国王「・・・っ!」ピタッ
キモオタ「ゼェゼェ・・・なんとか助かりましたな・・・!緊急事態故、転ばせたことは大目に見ていただきますぞラプンツェル殿!」
国王「貴様等・・・新手の侵入者か。貴様等もこの国王がまとめて殺してくれるわ・・・!」ジャキ
ティンカーベル「助かってないよ!どうする?キモオタ・・・!?」
キモオタ「ちょ、待っていただきたい!国王殿・・・!」
国王「問答無用!我は侵入者などに貸す耳はもっておらん!」
シェヘラザードの声「キモオタさん!キモオタさん!なんだか大変な状況のようですね。今から言うことを王に伝えてください!」
キモオタ「シェヘラザード殿!どうしたらいいですかな!?」
429 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:01:20 ID:iyh
国王「まずは貴様だ!薄汚い豚めが・・・!」ジャキ
キモオタ「ま、待っていただきたい!我々、大臣殿の紹介でここに来たのでござる!」
国王「大臣だと・・・?貴様、寄りによって我が重臣の名を持ち出して嘘を吐くとは・・・!」
ティンカーベル「違うよ!嘘じゃないよ!私はティンカーベル、旅の者だよ!」
キモオタ「申し遅れましたぞ、我輩はキモオタ・・・旅の者でござる。我々は大臣殿の娘、シェヘラザード殿の友人でござる!今宵、シェヘラザード殿が国王殿の妻となるのだと聞いた故・・・!」
国王「シェヘラザードが・・・我の今宵の妻だと?」
ラプンツェル「そうなの?私そんなの初めてきいt」モガモガ
ティンカーベル「ラプンツェルは私と一緒に静かにしてよう!ね?」グイグイ
キモオタ「シェヘラザード殿が急に国王殿に嫁ぐことになり・・・我々は友達なのにお別れも言えぬままでござる!それを見た大臣殿がならば王宮へ行ってみるがよいと言ってくださったのですぞ!」
国王「・・・信じるわけではないが、真実だとしたら貴様を斬り殺すことは出来ぬ、我の重臣の紹介だというのならばな」
キモオタ「ラプンツェル殿がなにやら粗相をしたことに関しては申し訳なかったでござる!なにとぞ許していただきたい!」
430 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:14:40 ID:iyh
国王「・・・貴様等が侵入者で無かったにせよ、そこの長い髪の娘に無礼な態度をとられたのは事実・・・そうだな・・・キモオタよ、お前は旅の者だと言ったな?」
キモオタ「そうでござる。様々な世界・・・いや国をティンカーベル殿と旅しているのでござる」
国王「我は暇を持て余している。国王という立場故になかなか旅にでることもできず、国外の愉快な話題に飢えている」
キモオタ「と、いいますと・・・」
国王「どこか遠くの世界・・・ここではないどこかの愉快な話をして、我に聞かせてみよ。その話に我が満足すれば、此度の無礼は水に流してやる。今宵嫁にくるというシェヘラザードにも会わせてやろう」
ラプンツェル「うんうん、私も塔にいたからわかるけどずっと閉じこもってたら外のお話聞きたくなるもんね、わかるよ私もその気持ちー」
ティンカーベル「キモオタ!国王様に話そうよ!今までの旅のこと!そうしたらラプンツェルのこと許してくれるんでしょ?」
キモオタ「そうですなwwwでは、お話しいたしますぞ、国王殿」
431 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:33:49 ID:iyh
数時間後
・・・
・・・
・・・
・・・
キモオタ「というわけで、我々の旅の話はここまででござるwww」
国王「ふむ、なかなか興味深い話だったぞキモオタ。我も国王という立場がなければ旅にでることができるというのに・・・!」
ティンカーベル「でも大変なこともたくさんあったよねー」
国王「それはそうだろう、だが王宮にいては新たな出会いも無いからな。それがどうだ!お前達は聞くも愉快な仲間に巡り会えたと言うではないか。特に大規模な国家を栄えさせておきながら常に半裸だという国王の話は傑作だったぞ」
ラプンツェル「裸王だっけ?私もその人は特に気になるよ、いつか会ってみたいなー」ワクワク
ティンカーベル「なんていうか・・・裸王は凄まじいよ!でもね国民のこと考えてくれてるからみんなに好かれてるの!裸だけど!」
国王「・・・我とは違い、善政を執り行う国王か・・・」
ラプンツェル「ねぇねぇ、私ね?気になってたんだけど・・・なんで国王は女の人を殺しちゃうの?」
国王「・・・・・・」
キモオタ「ちょwwwラプンツェル殿wwwなんでそんなこと聞いてしまうのでござるかwww」
国王「まぁ良かろう。キモオタ、その娘の言葉遣いはいずれなんとかしろ・・・我が女を殺す理由が聞きたいのなら聞かせてやろう」
国王「愉快な話を聞いた礼代わりだ・・・もっとも、我の話は全く楽しくない話だがな」
432 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:47:41 ID:iyh
キモオタ「国王殿が毎日一人、若い娘を殺していく理由・・・我が輩も気になりますぞ」ヒソヒソ
ラプンツェル「でしょ?きっと理由があると私は思うんだよね」ヒソヒソ
ティンカーベル「【アラビアンナイト】のおとぎ話の内容でもあるわけだしね・・・ちゃんと聞いておこう」ヒソヒソ
国王「数年前・・・我の元に弟が訪ねてきた。あいつも我と同じく国王の座に付いているんだが・・・せっかく久しぶりに兄弟が顔を合わせたと言うのにあいつはなにやら傷心の様子でな、ずっと落ち込んでいる」
国王「だから我は理由を聞いたのだ。すると弟はこう言った『妻の不貞を目撃してしまった』と」
キモオタ「ほう・・・」
ラプンツェル「ティンクティンク!ふてーってなに?」
ティンカーベル「なんだろう・・・キモオタわかる?」
キモオタ「要するに国王殿の弟殿は奥さんに不倫されたということでござるよ」
ティンカーベル「不倫!お昼のテレビでやってた奴だ!好きな人がいるのに他の人好きになっちゃう人でしょ!?」
キモオタ「まぁそうでござるけどwwwあまり国王殿の話の腰を折るのはよろしくないですぞwww静かに聞くでござるよwww」
ラプンツェル「そうだね!もう口挟まないよ、国王続き話して話して!」
433 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:01:29 ID:iyh
国王「弟が言うには、宮殿を出発したはいいが私への土産を忘れたことに気がついて取りに帰ると、その妻が奴隷の男と寝ていたという」
国王「我は耳を疑ったが、弟がふさぎ込んでいたためしばらく宮殿に泊まっていくよう勧めた。しかし、数日後・・・我が別の用事で宮殿を留守にしている間、弟があるものを目撃したと教えてくれたのだ。キモオタよ、なんだかわかるか?」
キモオタ「わかりませんな・・・ただ、嫌な予感しかしないでござる」
国王「我はまたも耳を疑った、信じられなかったのだ・・・いや、信じたくなかったのかもしれない。思わず弟を怒鳴りつけてしまったが・・・我もその現場を目の当たりにして、信じざるを得なかった」
国王「元妻は事もあろうに、我の留守中に男女複数の奴隷を集め淫靡に耽っていたのだ・・・!信じられるか・・・!キモオタよ!あの女は我を愛しているなどと口では調子のいいことを言い、見えぬところでは痴態の限りを尽くしておったのだぞ!?」
キモオタ「なんという・・・普段ならば『それなんてエロゲwww』と返すところでござるが、実際に起きたこととなると洒落になりませんな・・・」
ラプンツェル「ねぇ、ティンク。私、国王の言ってることほとんどわかんないんだけど、どうしよう・・・?」
ティンク「私もわかってないし、あとでキモオタに聞こう。また話の腰折ったら起こられるかもしれないし!」
国王「私はもう、妻が・・・女が・・・信じられなかった!」
434 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:14:51 ID:iyh
国王「我はそれまで国のため、国民のため・・・尽くしてきたというのに・・・!」
キモオタ「国王殿・・・なんというか・・・かける言葉がみつかりませんな・・・」
国王「即刻その女と奴隷どもは処刑した。独り身となった我に是非新たな妻にと女を紹介されたが・・・もう、我は女というものを信用できなくなっていた。ただただ疑念と憎悪を感じるだけだった、愛情というのがどのような感情だったのかさえ、思い出せずにいた」
国王「ただただ、不快だった。そして、大臣に命じたのだ。国中の若い娘を毎日一人我に嫁がせよと、そしてその娘は翌日には処刑するともな」
国王「死人に口無しと言うが・・・その通りだ、殺してしまえばその女は嘘をつかない、裏切ることはない、一夜限りで殺してしまえばもう我は妻に不貞を働かれることはない」
国王「それが・・・我が女殺しの狂王と呼ばれるようになった理由だ」
キモオタ「我輩、同じ男として・・・さすがに同情してしまいますな・・・」
435 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:28:40 ID:iyh
ラプンツェル「えっと・・・私は国王のお話の意味はほとんどわからなかったけど・・・大好きだった人に裏切られちゃったの?」
国王「物凄く平たく言うとすればそうだ」
ティンカーベル「それで女の人が信じられなくなっちゃって・・・それで殺しちゃうのか・・・」
国王「そうだ。我はむしろ被害者なのだ・・・それを誰も理解できない。いや、そんな事を望んでいるわけではないのだ」
ラプンツェル「でも、みんながみんなそうじゃないよ?私ね、王子と離ればなれになったけど、今もちゃんと王子のこと好きだよ?」
国王「口ではどうとでも言えるのだ。貴様も時がたてばその王子とやらとは別の男に惚れるのだ」
ラプンツェル「そうかなー?そんな事絶対無いと思うなー?塔に王子が遊びに来てくれた毎日はすっごく楽しかったよ?ティンクちゃんが気づかせてくれたけど、私は王子に恋してるんだ。それはきっと王子だけ特別なんだよ。だから他の人には恋はしないよ?」
国王「・・・この議論は止めだ、堂々巡りになるだけだからな。とにかく我はもう女を信じない」
ティンカーベル「・・・大丈夫かな、シェヘラザード・・・こんなところに嫁ぐって言ってたけど・・・」
キモオタ「シェヘラザード殿には考えがあるのでござろう・・・我々はできる限りの協力をするだけでござるよ」
436 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:30:50 ID:iyh
今日はおしまい
年齢についてはまぁそんなに本編に関係する訳じゃないから
各々のイメージで問題ないよ。
あとこの国王の境遇は原作よりちょっとソフトにしてる。不憫すぎるぜ・・・
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
437 :名無しさん@おーぷん :2015/02/05(木)23:07:36 ID:fje
うわぁ……これは人間不審にもなるな……
乙です!今回も面白かった!!
438 :名無しさん@おーぷん :2015/02/05(木)23:10:33 ID:aKF
赤ずきんちゃん12歳か…
( ///´Д`////) ハァハァ
446 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:01:37 ID:Xke
コンコン
側近「失礼いたします。国王様、今宵の王妃様をお連れいたしました」ペコッ
国王「ああ、通せ。お前達も残れ、シェヘラザードに会いたいと言っていただろう」
キモオタ「そうでしたなwwwではお言葉に甘えますかなwww」
ラプンツェル「シェヘラザードって、シンドバッドの指輪から話してた人だよね。どんな人なのかな?」
スッ
シェヘラザード「・・・お久しぶりでございます。国王様」ペコリ
国王「そうだな、最後に会ったのは数年前か?」
シェヘラザード「はい。不束者ではございますが、このシェヘラザード・・・王妃として精一杯国の繁栄に尽力致します」
キモオタ「ほうwww砂漠地帯だけに褐色美少女とは鉄板ですなwww」ヒソヒソ
ティンカーベル「シンドバッドをちゃんと叱ったりしてたし落ち着いた印象だったからもうちょっとお姉さんかと思ったけど、ずいぶんと若いね」ヒソヒソ
447 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:19:28 ID:Xke
ラプンツェル「銀髪の女の子って初めて見たよ!シェヘラザードは可愛いね!」ニコニコ
国王「ん?初めて見た・・・?お前達はシェヘラザードの友人なのではないのか・・・?」
キモオタ「ちょwww国王殿wwwあれですぞwwwラプンツェル殿は久しぶりに会ったから照れ隠しをしているだけでござるよwww」
ティンカーベル「そうだよ!なにもおかしくないよ!」
ラプンツェル「えぇ?でも・・・・・・」
シェヘラザード「・・・ええ、彼等は私の友人です。ですが、せっかく来ていただいて申し訳ないのですが・・・私は国王様と二人きりで夕食の席に着きたいのです」チラッ
キモオタ(今の目配せ・・・一度、我々に引くようにとのことでござろうな・・・)
キモオタ「そうでござるかwwwでは我々は失礼しますかなwww」
シェヘラザード「はい。ですが、彼等ともこの場にいない友人とも別れの言葉を交わせていないのです。国王様、どうか今宵わずかな時間でかまいませんので私に友人との別れを惜しむ時間を頂けないでしょうか?」
国王「・・・構わんぞ」
シェヘラザード「ありがとうございます。ではティンクさん、ラプンツェルまた後程お会いしましょう」ニコッ
ラプンツェル「うん、わかったよ!またあとで会おうね!」
ティンカーベル「そうだね、またね!シェヘラザード!」
449 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:31:53 ID:Xke
・・・
国王「・・・良かったのか?あいつらはお前に会いに来たのだろう?」
シェヘラザード「はい、後ほど彼等と会話を交わすことを許可していただきましたので。それに私はもう国王様の妻でございます、少しでも早く今の国王様のことを理解したいのでございます」
国王「だから二人きりで食事をとると?そのような事に意味があるとは思えないがな。お前は明日の朝には処刑されるのだぞ?」
シェヘラザード「はい、覚悟の上でございます」
国王「よもや、自分は大臣の娘なのだから殺されないとでも思い上がっているのではあるまいな?」
シェヘラザード「そのようなことは決してございません。私がここに参じたのは国王様との約束を守るためにございます」
国王「約束・・・?なんだそれは」
シェヘラザード「お気になさらず、私が幼少の頃の他愛もない戯れでございますので」
国王「・・・まぁよい。お前が我との食事を望むというのならば構わぬが、おい誰か食事の支度をしろ」
側近「はっ!すぐに支度させます故!ダダッ」
シェヘラザード「・・・・・・」
450 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:43:08 ID:Xke
王宮側の街 食堂
店員のおばちゃん「はいよ!おまちどう!ゆっくり食べていきなね!」
ドサッ
シンドバッド「さぁ来たぞ、金はシェヘラザードから預かってるんだ。遠慮なく食えよお前ら!」
ラプンツェル「わぁー!見たことない料理がいっぱいあるよ、どうやって作ってるのかなこれ・・・あとであのおばさんに聞いてみよう」モグモグ
キモオタ「ドゥフフwwwいやはやwww食べ慣れない料理ばかりでござるがどれも絶品ですなwww」ガツガツ
ティンカーベル「・・・・・・」
ラプンツェル「ねぇねぇおばさーん!この甘い飲み物おかわり欲しい!」ニコニコ
キモオタ「やはり揚げ物はどこの国で食べてもうまいですなwww店員殿、この揚げ物ももう一皿追加でwww」コポォ
シンドバッド「しっかり食っとけよ!今日は徹夜になりそうだからな!あぁ、俺にも酒のおかわりくれ」
店員のおばちゃん「あいよー!ちょっと待ってねー!」
ティンカーベル「もう!みんなはシェヘラザードが心配じゃないの!?あんな悪い王様のところにいるのに!もぉー!」プンスカ
451 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:53:15 ID:Xke
キモオタ「まぁまぁwwwシェヘラザード殿も考えがあって我等に出て行くように言ったわけでwww事実、そういう手筈だったとシンドバッド殿も言っていたでござろうwwwだから今は飲んで食うでござるよwww」コポォ
ティンカーベル「キモオタの白状もの!」パチーン
ラプンツェル「おばさーん!甘いのもう一個ちょうだーい!」
ティンカーベル「ラプンツェルはジュースばっかり飲み過ぎだよ!ちゃんとご飯も食べなよ!」プンスカ
ラプンツェル「食べてるよー、ティンクもぷりぷりしてないで食べようよ、美味しいよ?」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿落ち着くでござるよwww指摘するところおかしいでござるしwww」
ティンカーベル「そりゃあね?シェヘラザードはおとぎ話の事情を知ってる主人公だってのはわかるよ。でもあんな若いのに悪い王様と二人きりって怖いと思うよ!?」
シンドバッド「まぁ聞けティンク。お前達が王宮に入り込んでちょっと予定は狂ったが、これは【アラビアンナイト】の筋書き通りだ、問題なく物語は進行してるんだ。慌てなくてもシェヘラザードは殺されねぇよ」
ティンカーベル「でもさぁ・・・私達、【アラビアンナイト】の内容よくわかんないから不安だったんだよ・・・」
シンドバッド「しかたねぇ、ざっと説明しておいてやるか・・・」
452 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)21:03:13 ID:Xke
シンドバッド「お前達は宮殿にまで入り込むことになったんだ、この国の事情はだいたいわかっただろ?」
キモオタ「そうですなwww国王はトラウマが原因で若い女性を殺して回っているということでござろうwww」ムッシャムッシャ
シンドバッド「ああ、そうだ。それで、シェヘラザードが王の元へ嫁ぐわけだな。これは王の愚行をやめさせる為だ」
ラプンツェル「じゃあシェヘラザードは王様を説得するためにお嫁さんになったの?」
ティンカーベル「あの国王でしょー?とても説得してわかってもらえるようには見えなかったけど」
シンドバッド「そりゃあそうだ、説得してやめるくらいならここまで大事になってねぇ。だから、シェヘラザードは国王を改心させるために説得じゃない方法を選んだんだ」
ラプンツェル「その方法ってなに?説得よりも効果がありそうな方法ってことだよね?」
シンドバッド「ずばり、国王におとぎ話を聞かせることだ」
キモオタ「ちょwwwおとぎ話ですかなwwwそんなんでうまくいくんですかなwww」
453 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)21:20:52 ID:Xke
シンドバッド「そうは言うがな、おとぎ話に限らず物語ってのは人の想いや感性を変える力があるんだぜ?」
キモオタ「それはわかりますぞ、以前司書殿に【マッチ売りの少女】を読み聞かせしてもらった時、子供たちは絵本の中の物語だとわかっていたにも関わらず、マッチ売り殿の死を悲しんでいましたからな」
ティンカーベル「うん、おとぎ話を聞いていろんなことを考えて・・・それで泣いてくれたんだよ。きっと可哀想な人に手助けしてあげようって思ってくれたはずだよ」
シンドバッド「だろう?そのシショって奴にも話の才能があったのかもしれねぇな。だが、シェヘラザードが国王へ聞かせたのはそういう本の類じゃねぇんだ、全部あいつが考えて作り出した物語だ」
ラプンツェル「お話を作る人?って言うことはシェヘラザードは物語の作者って事?」
キモオタ「そんなことがあり得るんですかな?シェヘラザードはこの【アラビアンナイト】の主人公、でありながら作者でもあると・・・?」
シンドバッド「そりゃああれだ、このおとぎ話はちょっと特殊でな?お前達は【アリババと40人の盗賊】とか【ヌレンナハール姫と美しい魔女】っておとぎ話を聞いたことねぇか?」
ティンカーベル「あ、アリババは図書館で読んだよ?あれもシェヘラザードが作者なの?」
シンドバッド「そうだ、シェヘラザードが国王に聞かせたおとぎ話のひとつだ。同じようにいくつものおとぎ話が集まってこの【アラビアンナイト】は構成されている。俺の【船乗りシンドバッドの冒険】もシェヘラザードが作者なんだぜ?」
454 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)21:39:54 ID:Xke
キモオタ「つまり・・・どういうことですかなwww」
シンドバッド「お前・・・聞いてたのかよ?だからな?シェヘラザードが作り出した【アリババと40人の盗賊】や【船乗りシンドバッドの冒険】をはじめとするいくつものおとぎ話を国王に聞かせて、やがて改心させるってのが【アラビアンナイト】の展開だな」
ティンカーベル「だからシンドバッドは当たり前のように別のおとぎ話のはずのこの世界にいるんだね?」
シンドバッド「そうだな、前にちょっとトラブルがあってな・・・空を飛ぶ手段のある奴らが交代で見張りするようにしてるんだよ、それがたまたま俺の時にお前たちが来たって訳だな」
キモオタ「ではとりあえずシェヘラザード殿は無事だということですなwww」
シンドバッド「そうだな。だからとりあえず安心しろ、飯を食い終わったらもう一度宮殿に行くからな?」
ラプンツェル「シェヘラザードと会うんだよね?だったらさ、私はシェヘラザードに作ったおとぎ話を聞いてみたいな、お願いしたら聞かせてくれるかな?」
シンドバッド「聞かせてくれるだろうよ、どっちにしろ国王へ聞かせる場に立ち会うことになるだろうしな」
キモオタ「そうと決まれば食べますぞwwwしっかり食べて備えておかねばいけませんなwww」
455 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)22:02:37 ID:Xke
王宮 国王の寝室
シェヘラザード「国王様、何かお飲みになりますか?」
国王「いや、結構」
シェヘラザード「そうですか、では私の分だけ失礼しますね」カチャカチャ
国王(シェヘラザード・・・少し見ぬ間に大きくなったものだな、幼い頃はよく宮殿に遊びに来ていたな)
──こくおうさまー!しぇはらざーどはこくおうさまとけっこんするー!
──国王様、お母様に教わって料理に挑戦してみました。味見してください!
──国王様、書庫から大昔の書物を見つけたんです。解読を手伝っていただけませんか?
国王(娘のいない我にはまるで本当の娘のような存在だった。しかし、いつから来なくなったんだったか・・・あれは確か・・・)
──国王様の悲しみはわかります。ですがこのような事はもうおやめください・・・!
国王(ああ、我が国中の娘を殺し始めた頃だったか・・・あの時追い返してそれ以来だったな)
シェヘラザード「国王様?どうかなさいましたか?」
国王「・・・いや、少しウトウトしていたようだ。気にするな」
コンコンッ
側近「国王様、先程の旅人たちが来ています。いかが致しましょう?」
国王「キモオタ達か。約束だ、通してやれ」
457 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)22:09:29 ID:Xke
今日はここまでです
なかなか話が進まないな・・・
来週は祝日もあるし一気に進めたいところ、しばしお待ちを
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
458 :名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)22:20:34 ID:WgJ
こんばんは。>>1さん乙です!
マイペースで無理なく続きを書いて下さい。
次回も楽しみにしています!!
459 :名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)23:38:10 ID:7cc
乙ニャン
銀髪褐色いいにゃー…(ゲス顏)
460 :名無しさん@おーぷん :2015/02/07(土)00:24:31 ID:UTo
乙!結構なシチュでも悲壮な感じにならないキモオタは実はすごい気がする…
461 :名無しさん@おーぷん :2015/02/07(土)09:57:36 ID:6Ck
乙!
続き楽しみだ
王の間
国王「・・・側近」
側近「は、はっ!何でございましょう!」
国王「今宵、我の妻となる女は見つかったのか・・・?昨日はもうこの国に若い女は居ないなどと不抜けた事を抜かしておったが・・・」
側近「は、はい!随分前に兵士二人を街へ送り出しましたので、そろそろ見つかっている頃と思いますが」
国王「・・・見つかっていると思う、だと・・・?」ギロリ
側近「ひっ!」ガタッ
国王「貴様のような側近風情が・・・この王に『思う』などと不確かな返事を返すのか・・・?」
側近「す、すぐに確認して参ります!!」ドタバタ
国王「・・・・・・使えぬ奴目め」フンッ
国王「・・・・・・」
国王「・・・・・・時間を持て余してしまうな、本でも読むとするか・・・ん?」
カタッ
国王「扉が勝手に・・・いや、気配がする。おい、そこに居るのは誰だ・・・?」
ヒョコ
ラプンツェル「あ、やっと人が居たよ!ねぇねぇ、国王ってどこにいるかおじさん知ってる?」ニコニコ
国王「っ・・・!何者だ、貴様は・・・!」ジャキン
425 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)20:31:33 ID:iyh
ラプンツェル「剣・・・!おじさんそんなの振り回したら駄目だよ、それは戦う道具だって私は教わったよ?」
国王「ほう、娘・・・あくまでお前は我の敵ではないと主張するのか。この国王に舐めた口の効き方をしておいて・・・図々しい奴だ」チャキ
ラプンツェル「・・・あっ!おじさんが国王だったんだ!?」
国王「反省はしていないと解釈するぞ。さぁ、答えろ。貴様は何者だ・・・何のためにここにいる?刺客には見えないが・・・他国のスパイか・・・」
ラプンツェル「私はラプンツェルだよ!国王の友達になりに来たんだけど・・・」
国王「友達だと?この我が・・・貴様のような小娘を相手にするわけが無かろう・・・!」
ラプンツェル「あれ・・・?おかしいなぁ・・・さっきの兵士達はそう言ってたけど・・・聞き間違えちゃったかな・・・?」
国王「よくわからぬ奴だが・・・貴様は無断で我の宮殿に立ち入った侵入者。この手で即刻、排除してやろう・・・!」ジャキン
ラプンツェル「・・・っ!」
国王「無礼者が・・・!死ね・・・!」
426 :名無しさん@おーぷん :2015/02/05(木)20:44:28 ID:HO1
誰かラプちゃんを助けて…。
キモオタorティンク、ないしはシェヘラザード様!!
※しかし、今見返したら赤ずきんちゃんが12歳とこれまたお若い。
桃太郎さんやラプちゃんと同じく、17歳ほどかと思ってました。
言葉遣いが大人びているので…。
427 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)20:45:53 ID:iyh
ジャキーン
ティンカーベル「ラプンツェル!逃げてー!!」ピュー
ドスドスドスドス
キモオタ「うおおおぉぉぉ!!!ラプンツェル殿おおおぉぉぉ!!」ズサァァァーー
ドンッ
ラプンツェル「わっ!」ドシーン
国王「・・・っ!」ピタッ
キモオタ「ゼェゼェ・・・なんとか助かりましたな・・・!緊急事態故、転ばせたことは大目に見ていただきますぞラプンツェル殿!」
国王「貴様等・・・新手の侵入者か。貴様等もこの国王がまとめて殺してくれるわ・・・!」ジャキ
ティンカーベル「助かってないよ!どうする?キモオタ・・・!?」
キモオタ「ちょ、待っていただきたい!国王殿・・・!」
国王「問答無用!我は侵入者などに貸す耳はもっておらん!」
シェヘラザードの声「キモオタさん!キモオタさん!なんだか大変な状況のようですね。今から言うことを王に伝えてください!」
キモオタ「シェヘラザード殿!どうしたらいいですかな!?」
429 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:01:20 ID:iyh
国王「まずは貴様だ!薄汚い豚めが・・・!」ジャキ
キモオタ「ま、待っていただきたい!我々、大臣殿の紹介でここに来たのでござる!」
国王「大臣だと・・・?貴様、寄りによって我が重臣の名を持ち出して嘘を吐くとは・・・!」
ティンカーベル「違うよ!嘘じゃないよ!私はティンカーベル、旅の者だよ!」
キモオタ「申し遅れましたぞ、我輩はキモオタ・・・旅の者でござる。我々は大臣殿の娘、シェヘラザード殿の友人でござる!今宵、シェヘラザード殿が国王殿の妻となるのだと聞いた故・・・!」
国王「シェヘラザードが・・・我の今宵の妻だと?」
ラプンツェル「そうなの?私そんなの初めてきいt」モガモガ
ティンカーベル「ラプンツェルは私と一緒に静かにしてよう!ね?」グイグイ
キモオタ「シェヘラザード殿が急に国王殿に嫁ぐことになり・・・我々は友達なのにお別れも言えぬままでござる!それを見た大臣殿がならば王宮へ行ってみるがよいと言ってくださったのですぞ!」
国王「・・・信じるわけではないが、真実だとしたら貴様を斬り殺すことは出来ぬ、我の重臣の紹介だというのならばな」
キモオタ「ラプンツェル殿がなにやら粗相をしたことに関しては申し訳なかったでござる!なにとぞ許していただきたい!」
国王「・・・貴様等が侵入者で無かったにせよ、そこの長い髪の娘に無礼な態度をとられたのは事実・・・そうだな・・・キモオタよ、お前は旅の者だと言ったな?」
キモオタ「そうでござる。様々な世界・・・いや国をティンカーベル殿と旅しているのでござる」
国王「我は暇を持て余している。国王という立場故になかなか旅にでることもできず、国外の愉快な話題に飢えている」
キモオタ「と、いいますと・・・」
国王「どこか遠くの世界・・・ここではないどこかの愉快な話をして、我に聞かせてみよ。その話に我が満足すれば、此度の無礼は水に流してやる。今宵嫁にくるというシェヘラザードにも会わせてやろう」
ラプンツェル「うんうん、私も塔にいたからわかるけどずっと閉じこもってたら外のお話聞きたくなるもんね、わかるよ私もその気持ちー」
ティンカーベル「キモオタ!国王様に話そうよ!今までの旅のこと!そうしたらラプンツェルのこと許してくれるんでしょ?」
キモオタ「そうですなwwwでは、お話しいたしますぞ、国王殿」
431 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:33:49 ID:iyh
数時間後
・・・
・・・
・・・
・・・
キモオタ「というわけで、我々の旅の話はここまででござるwww」
国王「ふむ、なかなか興味深い話だったぞキモオタ。我も国王という立場がなければ旅にでることができるというのに・・・!」
ティンカーベル「でも大変なこともたくさんあったよねー」
国王「それはそうだろう、だが王宮にいては新たな出会いも無いからな。それがどうだ!お前達は聞くも愉快な仲間に巡り会えたと言うではないか。特に大規模な国家を栄えさせておきながら常に半裸だという国王の話は傑作だったぞ」
ラプンツェル「裸王だっけ?私もその人は特に気になるよ、いつか会ってみたいなー」ワクワク
ティンカーベル「なんていうか・・・裸王は凄まじいよ!でもね国民のこと考えてくれてるからみんなに好かれてるの!裸だけど!」
国王「・・・我とは違い、善政を執り行う国王か・・・」
ラプンツェル「ねぇねぇ、私ね?気になってたんだけど・・・なんで国王は女の人を殺しちゃうの?」
国王「・・・・・・」
キモオタ「ちょwwwラプンツェル殿wwwなんでそんなこと聞いてしまうのでござるかwww」
国王「まぁ良かろう。キモオタ、その娘の言葉遣いはいずれなんとかしろ・・・我が女を殺す理由が聞きたいのなら聞かせてやろう」
国王「愉快な話を聞いた礼代わりだ・・・もっとも、我の話は全く楽しくない話だがな」
432 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)21:47:41 ID:iyh
キモオタ「国王殿が毎日一人、若い娘を殺していく理由・・・我が輩も気になりますぞ」ヒソヒソ
ラプンツェル「でしょ?きっと理由があると私は思うんだよね」ヒソヒソ
ティンカーベル「【アラビアンナイト】のおとぎ話の内容でもあるわけだしね・・・ちゃんと聞いておこう」ヒソヒソ
国王「数年前・・・我の元に弟が訪ねてきた。あいつも我と同じく国王の座に付いているんだが・・・せっかく久しぶりに兄弟が顔を合わせたと言うのにあいつはなにやら傷心の様子でな、ずっと落ち込んでいる」
国王「だから我は理由を聞いたのだ。すると弟はこう言った『妻の不貞を目撃してしまった』と」
キモオタ「ほう・・・」
ラプンツェル「ティンクティンク!ふてーってなに?」
ティンカーベル「なんだろう・・・キモオタわかる?」
キモオタ「要するに国王殿の弟殿は奥さんに不倫されたということでござるよ」
ティンカーベル「不倫!お昼のテレビでやってた奴だ!好きな人がいるのに他の人好きになっちゃう人でしょ!?」
キモオタ「まぁそうでござるけどwwwあまり国王殿の話の腰を折るのはよろしくないですぞwww静かに聞くでござるよwww」
ラプンツェル「そうだね!もう口挟まないよ、国王続き話して話して!」
433 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:01:29 ID:iyh
国王「弟が言うには、宮殿を出発したはいいが私への土産を忘れたことに気がついて取りに帰ると、その妻が奴隷の男と寝ていたという」
国王「我は耳を疑ったが、弟がふさぎ込んでいたためしばらく宮殿に泊まっていくよう勧めた。しかし、数日後・・・我が別の用事で宮殿を留守にしている間、弟があるものを目撃したと教えてくれたのだ。キモオタよ、なんだかわかるか?」
キモオタ「わかりませんな・・・ただ、嫌な予感しかしないでござる」
国王「我はまたも耳を疑った、信じられなかったのだ・・・いや、信じたくなかったのかもしれない。思わず弟を怒鳴りつけてしまったが・・・我もその現場を目の当たりにして、信じざるを得なかった」
国王「元妻は事もあろうに、我の留守中に男女複数の奴隷を集め淫靡に耽っていたのだ・・・!信じられるか・・・!キモオタよ!あの女は我を愛しているなどと口では調子のいいことを言い、見えぬところでは痴態の限りを尽くしておったのだぞ!?」
キモオタ「なんという・・・普段ならば『それなんてエロゲwww』と返すところでござるが、実際に起きたこととなると洒落になりませんな・・・」
ラプンツェル「ねぇ、ティンク。私、国王の言ってることほとんどわかんないんだけど、どうしよう・・・?」
ティンク「私もわかってないし、あとでキモオタに聞こう。また話の腰折ったら起こられるかもしれないし!」
国王「私はもう、妻が・・・女が・・・信じられなかった!」
434 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:14:51 ID:iyh
国王「我はそれまで国のため、国民のため・・・尽くしてきたというのに・・・!」
キモオタ「国王殿・・・なんというか・・・かける言葉がみつかりませんな・・・」
国王「即刻その女と奴隷どもは処刑した。独り身となった我に是非新たな妻にと女を紹介されたが・・・もう、我は女というものを信用できなくなっていた。ただただ疑念と憎悪を感じるだけだった、愛情というのがどのような感情だったのかさえ、思い出せずにいた」
国王「ただただ、不快だった。そして、大臣に命じたのだ。国中の若い娘を毎日一人我に嫁がせよと、そしてその娘は翌日には処刑するともな」
国王「死人に口無しと言うが・・・その通りだ、殺してしまえばその女は嘘をつかない、裏切ることはない、一夜限りで殺してしまえばもう我は妻に不貞を働かれることはない」
国王「それが・・・我が女殺しの狂王と呼ばれるようになった理由だ」
キモオタ「我輩、同じ男として・・・さすがに同情してしまいますな・・・」
435 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:28:40 ID:iyh
ラプンツェル「えっと・・・私は国王のお話の意味はほとんどわからなかったけど・・・大好きだった人に裏切られちゃったの?」
国王「物凄く平たく言うとすればそうだ」
ティンカーベル「それで女の人が信じられなくなっちゃって・・・それで殺しちゃうのか・・・」
国王「そうだ。我はむしろ被害者なのだ・・・それを誰も理解できない。いや、そんな事を望んでいるわけではないのだ」
ラプンツェル「でも、みんながみんなそうじゃないよ?私ね、王子と離ればなれになったけど、今もちゃんと王子のこと好きだよ?」
国王「口ではどうとでも言えるのだ。貴様も時がたてばその王子とやらとは別の男に惚れるのだ」
ラプンツェル「そうかなー?そんな事絶対無いと思うなー?塔に王子が遊びに来てくれた毎日はすっごく楽しかったよ?ティンクちゃんが気づかせてくれたけど、私は王子に恋してるんだ。それはきっと王子だけ特別なんだよ。だから他の人には恋はしないよ?」
国王「・・・この議論は止めだ、堂々巡りになるだけだからな。とにかく我はもう女を信じない」
ティンカーベル「・・・大丈夫かな、シェヘラザード・・・こんなところに嫁ぐって言ってたけど・・・」
キモオタ「シェヘラザード殿には考えがあるのでござろう・・・我々はできる限りの協力をするだけでござるよ」
436 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/05(木)22:30:50 ID:iyh
今日はおしまい
年齢についてはまぁそんなに本編に関係する訳じゃないから
各々のイメージで問題ないよ。
あとこの国王の境遇は原作よりちょっとソフトにしてる。不憫すぎるぜ・・・
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
437 :名無しさん@おーぷん :2015/02/05(木)23:07:36 ID:fje
うわぁ……これは人間不審にもなるな……
乙です!今回も面白かった!!
438 :名無しさん@おーぷん :2015/02/05(木)23:10:33 ID:aKF
赤ずきんちゃん12歳か…
( ///´Д`////) ハァハァ
446 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:01:37 ID:Xke
コンコン
側近「失礼いたします。国王様、今宵の王妃様をお連れいたしました」ペコッ
国王「ああ、通せ。お前達も残れ、シェヘラザードに会いたいと言っていただろう」
キモオタ「そうでしたなwwwではお言葉に甘えますかなwww」
ラプンツェル「シェヘラザードって、シンドバッドの指輪から話してた人だよね。どんな人なのかな?」
スッ
シェヘラザード「・・・お久しぶりでございます。国王様」ペコリ
国王「そうだな、最後に会ったのは数年前か?」
シェヘラザード「はい。不束者ではございますが、このシェヘラザード・・・王妃として精一杯国の繁栄に尽力致します」
キモオタ「ほうwww砂漠地帯だけに褐色美少女とは鉄板ですなwww」ヒソヒソ
ティンカーベル「シンドバッドをちゃんと叱ったりしてたし落ち着いた印象だったからもうちょっとお姉さんかと思ったけど、ずいぶんと若いね」ヒソヒソ
447 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:19:28 ID:Xke
ラプンツェル「銀髪の女の子って初めて見たよ!シェヘラザードは可愛いね!」ニコニコ
国王「ん?初めて見た・・・?お前達はシェヘラザードの友人なのではないのか・・・?」
キモオタ「ちょwww国王殿wwwあれですぞwwwラプンツェル殿は久しぶりに会ったから照れ隠しをしているだけでござるよwww」
ティンカーベル「そうだよ!なにもおかしくないよ!」
ラプンツェル「えぇ?でも・・・・・・」
シェヘラザード「・・・ええ、彼等は私の友人です。ですが、せっかく来ていただいて申し訳ないのですが・・・私は国王様と二人きりで夕食の席に着きたいのです」チラッ
キモオタ(今の目配せ・・・一度、我々に引くようにとのことでござろうな・・・)
キモオタ「そうでござるかwwwでは我々は失礼しますかなwww」
シェヘラザード「はい。ですが、彼等ともこの場にいない友人とも別れの言葉を交わせていないのです。国王様、どうか今宵わずかな時間でかまいませんので私に友人との別れを惜しむ時間を頂けないでしょうか?」
国王「・・・構わんぞ」
シェヘラザード「ありがとうございます。ではティンクさん、ラプンツェルまた後程お会いしましょう」ニコッ
ラプンツェル「うん、わかったよ!またあとで会おうね!」
ティンカーベル「そうだね、またね!シェヘラザード!」
449 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:31:53 ID:Xke
・・・
国王「・・・良かったのか?あいつらはお前に会いに来たのだろう?」
シェヘラザード「はい、後ほど彼等と会話を交わすことを許可していただきましたので。それに私はもう国王様の妻でございます、少しでも早く今の国王様のことを理解したいのでございます」
国王「だから二人きりで食事をとると?そのような事に意味があるとは思えないがな。お前は明日の朝には処刑されるのだぞ?」
シェヘラザード「はい、覚悟の上でございます」
国王「よもや、自分は大臣の娘なのだから殺されないとでも思い上がっているのではあるまいな?」
シェヘラザード「そのようなことは決してございません。私がここに参じたのは国王様との約束を守るためにございます」
国王「約束・・・?なんだそれは」
シェヘラザード「お気になさらず、私が幼少の頃の他愛もない戯れでございますので」
国王「・・・まぁよい。お前が我との食事を望むというのならば構わぬが、おい誰か食事の支度をしろ」
側近「はっ!すぐに支度させます故!ダダッ」
シェヘラザード「・・・・・・」
450 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:43:08 ID:Xke
王宮側の街 食堂
店員のおばちゃん「はいよ!おまちどう!ゆっくり食べていきなね!」
ドサッ
シンドバッド「さぁ来たぞ、金はシェヘラザードから預かってるんだ。遠慮なく食えよお前ら!」
ラプンツェル「わぁー!見たことない料理がいっぱいあるよ、どうやって作ってるのかなこれ・・・あとであのおばさんに聞いてみよう」モグモグ
キモオタ「ドゥフフwwwいやはやwww食べ慣れない料理ばかりでござるがどれも絶品ですなwww」ガツガツ
ティンカーベル「・・・・・・」
ラプンツェル「ねぇねぇおばさーん!この甘い飲み物おかわり欲しい!」ニコニコ
キモオタ「やはり揚げ物はどこの国で食べてもうまいですなwww店員殿、この揚げ物ももう一皿追加でwww」コポォ
シンドバッド「しっかり食っとけよ!今日は徹夜になりそうだからな!あぁ、俺にも酒のおかわりくれ」
店員のおばちゃん「あいよー!ちょっと待ってねー!」
ティンカーベル「もう!みんなはシェヘラザードが心配じゃないの!?あんな悪い王様のところにいるのに!もぉー!」プンスカ
451 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)20:53:15 ID:Xke
キモオタ「まぁまぁwwwシェヘラザード殿も考えがあって我等に出て行くように言ったわけでwww事実、そういう手筈だったとシンドバッド殿も言っていたでござろうwwwだから今は飲んで食うでござるよwww」コポォ
ティンカーベル「キモオタの白状もの!」パチーン
ラプンツェル「おばさーん!甘いのもう一個ちょうだーい!」
ティンカーベル「ラプンツェルはジュースばっかり飲み過ぎだよ!ちゃんとご飯も食べなよ!」プンスカ
ラプンツェル「食べてるよー、ティンクもぷりぷりしてないで食べようよ、美味しいよ?」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿落ち着くでござるよwww指摘するところおかしいでござるしwww」
ティンカーベル「そりゃあね?シェヘラザードはおとぎ話の事情を知ってる主人公だってのはわかるよ。でもあんな若いのに悪い王様と二人きりって怖いと思うよ!?」
シンドバッド「まぁ聞けティンク。お前達が王宮に入り込んでちょっと予定は狂ったが、これは【アラビアンナイト】の筋書き通りだ、問題なく物語は進行してるんだ。慌てなくてもシェヘラザードは殺されねぇよ」
ティンカーベル「でもさぁ・・・私達、【アラビアンナイト】の内容よくわかんないから不安だったんだよ・・・」
シンドバッド「しかたねぇ、ざっと説明しておいてやるか・・・」
452 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)21:03:13 ID:Xke
シンドバッド「お前達は宮殿にまで入り込むことになったんだ、この国の事情はだいたいわかっただろ?」
キモオタ「そうですなwww国王はトラウマが原因で若い女性を殺して回っているということでござろうwww」ムッシャムッシャ
シンドバッド「ああ、そうだ。それで、シェヘラザードが王の元へ嫁ぐわけだな。これは王の愚行をやめさせる為だ」
ラプンツェル「じゃあシェヘラザードは王様を説得するためにお嫁さんになったの?」
ティンカーベル「あの国王でしょー?とても説得してわかってもらえるようには見えなかったけど」
シンドバッド「そりゃあそうだ、説得してやめるくらいならここまで大事になってねぇ。だから、シェヘラザードは国王を改心させるために説得じゃない方法を選んだんだ」
ラプンツェル「その方法ってなに?説得よりも効果がありそうな方法ってことだよね?」
シンドバッド「ずばり、国王におとぎ話を聞かせることだ」
キモオタ「ちょwwwおとぎ話ですかなwwwそんなんでうまくいくんですかなwww」
シンドバッド「そうは言うがな、おとぎ話に限らず物語ってのは人の想いや感性を変える力があるんだぜ?」
キモオタ「それはわかりますぞ、以前司書殿に【マッチ売りの少女】を読み聞かせしてもらった時、子供たちは絵本の中の物語だとわかっていたにも関わらず、マッチ売り殿の死を悲しんでいましたからな」
ティンカーベル「うん、おとぎ話を聞いていろんなことを考えて・・・それで泣いてくれたんだよ。きっと可哀想な人に手助けしてあげようって思ってくれたはずだよ」
シンドバッド「だろう?そのシショって奴にも話の才能があったのかもしれねぇな。だが、シェヘラザードが国王へ聞かせたのはそういう本の類じゃねぇんだ、全部あいつが考えて作り出した物語だ」
ラプンツェル「お話を作る人?って言うことはシェヘラザードは物語の作者って事?」
キモオタ「そんなことがあり得るんですかな?シェヘラザードはこの【アラビアンナイト】の主人公、でありながら作者でもあると・・・?」
シンドバッド「そりゃああれだ、このおとぎ話はちょっと特殊でな?お前達は【アリババと40人の盗賊】とか【ヌレンナハール姫と美しい魔女】っておとぎ話を聞いたことねぇか?」
ティンカーベル「あ、アリババは図書館で読んだよ?あれもシェヘラザードが作者なの?」
シンドバッド「そうだ、シェヘラザードが国王に聞かせたおとぎ話のひとつだ。同じようにいくつものおとぎ話が集まってこの【アラビアンナイト】は構成されている。俺の【船乗りシンドバッドの冒険】もシェヘラザードが作者なんだぜ?」
454 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)21:39:54 ID:Xke
キモオタ「つまり・・・どういうことですかなwww」
シンドバッド「お前・・・聞いてたのかよ?だからな?シェヘラザードが作り出した【アリババと40人の盗賊】や【船乗りシンドバッドの冒険】をはじめとするいくつものおとぎ話を国王に聞かせて、やがて改心させるってのが【アラビアンナイト】の展開だな」
ティンカーベル「だからシンドバッドは当たり前のように別のおとぎ話のはずのこの世界にいるんだね?」
シンドバッド「そうだな、前にちょっとトラブルがあってな・・・空を飛ぶ手段のある奴らが交代で見張りするようにしてるんだよ、それがたまたま俺の時にお前たちが来たって訳だな」
キモオタ「ではとりあえずシェヘラザード殿は無事だということですなwww」
シンドバッド「そうだな。だからとりあえず安心しろ、飯を食い終わったらもう一度宮殿に行くからな?」
ラプンツェル「シェヘラザードと会うんだよね?だったらさ、私はシェヘラザードに作ったおとぎ話を聞いてみたいな、お願いしたら聞かせてくれるかな?」
シンドバッド「聞かせてくれるだろうよ、どっちにしろ国王へ聞かせる場に立ち会うことになるだろうしな」
キモオタ「そうと決まれば食べますぞwwwしっかり食べて備えておかねばいけませんなwww」
455 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)22:02:37 ID:Xke
王宮 国王の寝室
シェヘラザード「国王様、何かお飲みになりますか?」
国王「いや、結構」
シェヘラザード「そうですか、では私の分だけ失礼しますね」カチャカチャ
国王(シェヘラザード・・・少し見ぬ間に大きくなったものだな、幼い頃はよく宮殿に遊びに来ていたな)
──こくおうさまー!しぇはらざーどはこくおうさまとけっこんするー!
──国王様、お母様に教わって料理に挑戦してみました。味見してください!
──国王様、書庫から大昔の書物を見つけたんです。解読を手伝っていただけませんか?
国王(娘のいない我にはまるで本当の娘のような存在だった。しかし、いつから来なくなったんだったか・・・あれは確か・・・)
──国王様の悲しみはわかります。ですがこのような事はもうおやめください・・・!
国王(ああ、我が国中の娘を殺し始めた頃だったか・・・あの時追い返してそれ以来だったな)
シェヘラザード「国王様?どうかなさいましたか?」
国王「・・・いや、少しウトウトしていたようだ。気にするな」
コンコンッ
側近「国王様、先程の旅人たちが来ています。いかが致しましょう?」
国王「キモオタ達か。約束だ、通してやれ」
457 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/02/06(金)22:09:29 ID:Xke
今日はここまでです
なかなか話が進まないな・・・
来週は祝日もあるし一気に進めたいところ、しばしお待ちを
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
458 :名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)22:20:34 ID:WgJ
こんばんは。>>1さん乙です!
マイペースで無理なく続きを書いて下さい。
次回も楽しみにしています!!
459 :名無しさん@おーぷん :2015/02/06(金)23:38:10 ID:7cc
乙ニャン
銀髪褐色いいにゃー…(ゲス顏)
460 :名無しさん@おーぷん :2015/02/07(土)00:24:31 ID:UTo
乙!結構なシチュでも悲壮な感じにならないキモオタは実はすごい気がする…
461 :名無しさん@おーぷん :2015/02/07(土)09:57:36 ID:6Ck
乙!
続き楽しみだ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ラプンツェルとアラビアンナイト編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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