キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 マッチ売りの少女編
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227 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:10:46 ID:R52
王子の銅像「えっと・・・妖精のお嬢さん?」
ティンカーベル「ティンカーベルだよ!ティンクって呼んでね!」
王子の銅像「解ったよ、ティンク。君はこのおとぎ話を知っているようだからなにを頼まれるかわかるのかな?」
ティンカーベル「王子様の体に貼られている金箔を貧しい人に届けたらいいのかな?」
王子の銅像「話が早くて助かるよ、じゃあお願いできるかな」
マッチ売り「ねぇおにいちゃん。きんぱくってなに?」
キモオタ「金でできた薄い紙のようなものでござるよ、高級な代物でござろうなwww」
シンデレラ「・・・でも、王子様の銅像には金箔なんて・・・」
王子の銅像「最後の一枚が背中にあるはずだ。それを頼むよティンク」
ティンカーベル「わかった!剥がすよ?王子様」ベリッ
228 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:20:17 ID:R52
ティンカーベル「本当に最後の一枚なんだね・・・」
王子の銅像「そうだね・・・僕には見えないけどわかるよ。そんな悲しそうにしないでくれ、ティンク」
キモオタ「ティンカーベル殿・・・このお話は一体どういう内容なのですかな?悲しいおとぎ話・・・というのは?」
ティンカーベル「戻ってから話すよ!とりあえず届けてくる!どこに持ってく?」
ツバメ「その通りにボロボロのレンガの建物が見えるだろう?その二階の一番右の部屋だよ」
王子の銅像「あの家の女の子は母親が病気らしいんだけど、父親はもう無くなっているんだ。今はマッチを売って生計を立てているらしいけど・・・正直苦しい生活だ」
マッチ売り「マッチ売り・・・私とおんなじだ。」
ティンカーベル「わかった!行ってくる!」
マッチ売り「あの・・・・王子様、いいですか?」
王子の銅像「なんだい?」
マッチ売り「この町にも貧しい子供たちがたくさんいるんですか?」
229 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:30:45 ID:R52
王子の銅像「この町にも・・・と言ったね?」
マッチ売り「うん、私の町には・・・お父さんもお母さんもいない子供たちやお家がない子供がたくさんいます。私にはお家もお父さんもいるし、マッチを売るお仕事もあるけど・・・なんにもない子供たちもいっぱいいます」
王子の銅像「・・・そうか、君は【マッチ売りの少女】のおとぎ話の・・・」
マッチ売り「おとぎ話・・・?」
王子の銅像「いいや、なんでもない。マッチ売りちゃんの質問に答えよう」
王子の銅像「恥ずかしい話だが、この国にはストリートチルドレンや浮浪者に溢れている。貧困層が多いのも事実だよ」
マッチ売り「そっか・・・わかりました」
王子の銅像「どうか、したかい?」
マッチ売り「ううん、なんでもないです。悲しいなって思いました、可哀想だなって・・・」
キモオタ「マッチ売り殿だって、辛いのを我慢する必要などないんですぞ?」
マッチ売り「ううん、私にはお家もお父さんもお仕事もあるもん。恵まれているほうだよ?」ニコッ
キモオタ「・・・・・・マッチ売り殿」
230 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:41:50 ID:R52
王子の銅像「マッチ売りちゃん、君もそうとうつらい思いをしていると思うけど、違うのかい?」
マッチ売り「・・・お父さんに叩かれるときもあるけど・・・私は寒い夜に雨に濡れたり、何日も何日もご飯が食べられなかったりしないから・・・」
シンデレラ「叩かれるって・・・虐待ですよ、キモオタさん!」
キモオタ「・・・・・・許せんでござるよ、本当に」
王子の銅像「そうか・・・他人と比べる必要なんてない。君がつらかったら、辛いと言えばいいんだよ?」
マッチ売り「はい、でも大丈夫です!神父さんは優しいし、最近優しいおにいちゃんもできたんですだから辛くないです王子様!」ニコッ
キモオタ「・・・・・・優しいおにいちゃんwww照れますなwww」コポォ
王子の銅像「・・・そうか、君がそう言うのなら信じるよ」
ティンカーベル「ただいまー!」
王子の銅像「お疲れ様。助かったよ」
ツバメ「ありがとうね、ティンク!」
キモオタ「お疲れですなwwwさっそくでござるが・・・このおとぎ話がどのようなお話なのか教えていただきたいwww」
ティンカーベル「うん、わかった・・・じゃあ説明するよ」
ティンカーベル「【幸福な王子】のお話をね」
231 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:45:04 ID:R52
今日はここまで
このおとぎ話って【幸福な王子】と【幸福の王子】で表記のぶれがあるよね
このお話では前者を採用してる
マッチ売りの少女編 次回に続きます
232 :名無しさん@おーぷん :2014/12/09(火)23:15:02 ID:Nqn
乙
マッチ売りの少女が二人…いよいよ展開が読めなくなってきたな。
期待してる。
233 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)00:16:34 ID:APR
乙!
どうやって落とし前をつけるのか非常に楽しみ
234 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)00:20:02 ID:xl3
乙
マッチ売りちゃん健気さに惚れた
支援支援
235 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)08:55:09 ID:koO
幸福な王子も消えそうだったら厄介だな
236 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)10:53:41 ID:CmS
追いついた
くっそ続きが気になる……
237 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)10:56:26 ID:IKR
これが楽しみで生きてる
238 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)18:36:47 ID:fjP
あ、つまり…
239 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:23:23 ID:cUe
ティンカーベル「あるところに心優しい王子様が居たんだよ。とても立派な王子様だったんだけどある日、亡くなっちゃったんだ」
マッチ売り「病気になっちゃったの?」
ティンカーベル「そうかもしれないね、でね?国の人たちは町の広場に立派な王子様の銅像を作ったんだよ。それはとても立派な像で、両目にはサファイア。剣の柄にはルビー。他にもたくさんの宝石を使って、全身には金箔が貼られていたんだよ!」
キモオタ「・・・しかし、この王子殿は銅像ですぞ?宝石など付いていませんぞwww」
王子の銅像「そうだね。でも僕の体には元々は宝石屋金箔が貼られていたんだよ。勿体ないことにね・・・」
ティンカーベル「でね、ツバメがある日王子の像の足下で休んでると王子様の悲しむ声が聞こえてくるんだ。ツバメが理由を聞くと王子様は「ここから見える家の住人が貧しい思いをしているから僕はつらくて泣いている。僕の剣の束からルビーを外しております彼に与えてほしい」って言うの」
マッチ売り「それって王子様の知らない人?」
王子の銅像「うん、でも知り合いかどうかは関係ないよ」
241 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:33:48 ID:cUe
王子の銅像「僕はね・・・悲しかったし、悔しかった。自分の国の為に一生懸命働いて、死んでしまったことは気にしていない。けれど、生きている間の僕は気がつかなかったんだ。この国に貧しい思いをしている人がたくさんいることに」
マッチ売り「だから、知らない人なのにルビーをプレゼントしたの?」
王子の銅像「それもあるけれど・・・像の僕にはルビーなんか必要無いのさ。キラキラの像が広場にあるのに、貧しくて苦しんでいる住人はたくさん居る。そんなのおかしいよね?」
マッチ売り「・・・・・・」コクン
王子の銅像「だったら少しでも多くの人がつらい思いをしなくてすむようにするべきなんだ。僕を讃えてくれるのは嬉しいけど、お金の使い方が間違ってる」
シンデレラ「王族の勘違いしたお金の使い方・・・同じ王族として耳が痛いです」
王子の銅像「シンデレラ姫・・・かな?君はそんなことないだろう?さぁ、ティンク、続けてくれるかい?」
ティンカーベル「うん。王子様の銅像はね、それからもツバメにお願いして体中の金箔や両目のサファイア、宝石を貧しい人にプレゼントして貰ったの」
キモオタ「自分はぼろぼろになりながらも貧しい国民の為に行動するとは・・・立派な王子ですなwww」
242 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:42:05 ID:cUe
マッチ売り「妖精さん、それから王子様はどうなったの?」ワクワク
ティンカーベル「王子様とツバメはたくさんの貧しい人を助けていったけど、王子様の体からはどんどん金箔や宝石が減ってみすぼらしくなっちゃったの。今みたいにね」
マッチ売り「王子様・・・可哀想」
王子の銅像「ははっ、ありがとう。マッチ売りちゃん、でもね・・・僕の犠牲で他にたくさんの人が救われるなら、幸せになれるなら構わないんだ」
ティンカーベル「それから、ツバメは王子様の手伝いをしているうちに南の島に渡る時期になったけど・・・王子様のために、この国に残ると言ったんだよ」
キモオタ「2人とも自己犠牲の精神というわけですな・・・」
ティンカーベル「そのおかげで貧しい人たちは救われたけど・・・」
マッチ売り「けど・・・どうなっちゃうの?」
ティンカーベル「・・・・・・」
ザワザワ
ツバメ「そこから先は実際にみてもらったほうが早いかもね」
王子の銅像「・・・そうみたいだ。さぁみんな、私の後ろに隠れるんだ」
スッ
大臣「ふふぅ、この王子の像もずいぶんみすぼらしくなったものだな」
243 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)20:43:38 ID:fjP
大臣か…
244 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:50:14 ID:cUe
付き人「はい、このあたりには貧困層が多いですからね・・・像に付いていた宝石や金箔は・・・おそらく盗まれたのでしょう」
大臣「ふふぅ、まったく・・・困ったものだ。少し税を上げればねを上げるのだから」
付き人「いかがしますか?修繕を行いますか?予算はかなりかかりますが・・・」
大臣「その必要はない。それよりもこんなみすぼらしい銅像があると国の品位が下がってしまう。明日にでも取り壊せ」
付き人「はい、人員を手配します」
マッチ売り(・・・!)
キモオタ(なんですと・・・!)
大臣「その後に新しく私の像を作るぞ。王子のより立派で高級な奴だ!」ウキウキ
付き人「しかし予算が・・・」
大臣「そんなものはまた税を上げればいいだろう?どうせだしゴッソリ上げてしまえ」
付き人「・・・・・・はい、承知しました」
シンデレラ(酷いね・・・国民のことなんかちっぽけも考えていないよ?あの人・・・)
245 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)20:53:12 ID:fjP
悪い大臣は駆逐せよ!
246 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)20:54:12 ID:8IC
時代が変わってもやることは変わらないのか…
247 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:00:34 ID:cUe
大臣「ふふっ、楽しみだ!ハッハッハ!」
スタスタ
王子の銅像「大臣たちは行ったみたいだね。でておいで、みんな」
マッチ売り「王子様、壊されちゃうの・・・?」
キモオタ「大丈夫でござろう?善人の王子殿が壊されてあの悪い大臣の悪政がはびこるなど・・・ないでござるよね?」
ティンカーベル「・・・・・・」
王子の銅像「いいや、私は明日、取り壊される。そして、南に渡り損ねたツバメ君は寒さに耐えられず・・・死んでしまう」
ティンカーベル「・・・・・・国民のために尽くした2人はどんどん消耗していって、王子様は取り壊される。ツバメも王子様が言ったように、死んでしまう。二人の魂は天国へと昇っていくけれど・・・この世界で報われることはないんだよ。それが・・・このおとぎ話の結末」
シンデレラ「・・・そんなのって、あんまりです。ティンクちゃん」
マッチ売り「そうだよ・・・王子様は立派だよ!みんなが幸せになるようにって思ったんだよ!それなのに壊されちゃうの?」
ティンカーベル「・・・私だって納得いかないよ!でも・・・そういう結末だもん。しょうがないじゃん!」
キモオタ「・・・・・・」
248 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:10:37 ID:cUe
シンデレラ「ティンクちゃん。元の世界に帰るのは明日にしませんか?私、王子様の運命を最後まで見届けたい・・・だって、こんな立派な考えの王子様なのに・・・報われないなんて・・・」
マッチ売り「私も・・・一緒にいたいな。王子様のお話、聞きたい」
キモオタ「しかしマッチ売り殿はまた父上がうるさいですぞ・・・帰らねば」
マッチ売り「大丈夫だよおにいちゃん。今日はさっきの女の子がマッチをまた全部買ってくれたから、明日の夕方までに帰れればきっとそんなに怒られないよ」ニコッ
ティンカーベル(黒幕のマッチ入手経路はやっぱりここだったんだね・・・)
キモオタ「・・・しかし」
ティンカーベル「・・・そうしよう。私、キモオタと今夜の宿を探してくるから、二人はここで待ってて」
シンデレラ「うん、ごめんねティンクちゃん」
マッチ売り「王子様のお話、シンデレラお姉ちゃんと一緒に聞いておくね」ニコッ
キモオタ「ティンカーベル殿?宿探しならみんなでもwww」
ティンカーベル「いいからいくよ!それに・・・キモオタには話さないといけないことがあるんだよ」
キモオタ「なにですかな?」
ティンカーベル「キモオタはマッチ売りちゃんがどうなるか・・・知らないんだよね?」
249 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)21:11:27 ID:8IC
あぁ…
ついに来たか
250 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:21:51 ID:cUe
宿屋
キモオタ「部屋も確保できましたしwwwティンカーベル殿の話を聞きますぞwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「マッチ売り殿の・・・【マッチ売りの少女】のお話のおさらいでござろう?今回は誘拐や黒幕との接触やらなんやらで出来ませんでしたからなwww」
ティンカーベル「やっぱり、まだお話の結末を知らないんだね?」
キモオタ「予想はしているのでありますがなwww」
ティンカーベル「・・・おかしいと思ったんだ、マッチ売りちゃんがどうなるか知ってたら、キモオタがあんな笑顔でいられる訳ないもん」
キモオタ「どういう意味ですかなwww」
ティンカーベル「さっきもちょっと言ったけど、【マッチ売りの少女】は悲しいおとぎ話なんだよ」
キモオタ「それは知っておりますぞ・・・マッチ売り殿は厳しい境遇にいますな。しかし、それも中盤までのお話でござろう?ラストにはシンデレラ殿みたいに幸せになれるでござるもんね?」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「ティンカーベル殿・・・?」
ティンカーベル「キモオタ、おさらいするから最後までちゃんと聞いてね?」
ティンカーベル「マッチ売りちゃんにどんな結末が待っていても。だよ?」
251 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:40:39 ID:cUe
・・・
マッチ売りの少女
寒い寒い冬。年の瀬のある日の出来事
あるところにとても貧しい女の子が住んでいました
その女の子はマッチを売り歩いていましたが、慌ただしく歩いていく人達は誰一人見向きもしません。しかし、マッチが売れないまま帰ればお父さんにひどく叱られてしまいます。
耳は真っ赤で両手はしもやけ、満足な洋服も着ることができないので震えながら声を出します。マッチ、マッチはいりませんか?
けれど誰の耳にも届きません
馬車に轢かれそうになり、女の子は靴を無くしてしまいます。寒空の下裸足のままで、寒さに耐えながら女の子は懸命にマッチを売ろうとします
でも全く売ることはできません。
もう日も暮れて、裕福な家族が住む家々には明かりが灯り
中では家族が楽しそうにしています。けれどマッチ売りの少女は一人きりです。
寒さに耐えられず、女の子はマッチを一本擦ります。
するとその明かりの中に、暖かいストーブが映りました
女の子は不思議に思いマッチを擦りました
おいしそうな七面鳥。きれいに飾り付けされたもみの木。たくさんのプレゼント。
マッチを擦るたびに幸せな幻が見えました
女の子がもう一本マッチを擦ると、亡くなった優しいおばあちゃんが微笑んでいました。しかし風に揺られて、その幻は消えそうになってしまいます
女の子は慌てて持っていたマッチを全て、次々に擦りました。
おばあちゃんは女の子に笑いかけると、手を取ってそのまま天国へと昇っていきました
翌朝、マッチの燃えかすを抱えたまま女の子は死んでいました
笑顔のまま亡くなっていった女の子を町の人たちは見つけ、悲しみました。
おしまい
・・・
252 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:48:19 ID:cUe
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿wwwそんなジョークを言うとは不謹慎ですぞwwwさすがの我輩も不謹慎厨にならざるを得ないwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「あれでござろうwww得意の妖精ジョークでござろうwwwんんwwwぶっちゃけ妖精ジョークは笑いどころがわからないでござるよwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「あ!あれでござろうwww我輩が誘拐されたティンカーベル殿を見つけだすのが遅れた故にwwwまだ怒っているとはwww」
ティンカーベル「・・・・・・もう、やめようよ。キモオタ・・・」ポロポロ
キモオタ「な、なにをですかなwww」
ティンカーベル「もうわかってるんでしょ!私の話が嘘じゃないって事!」ポロポロ
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「信じられないからって・・・逃げてもしかたないじゃん!」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「マッチ売りちゃんは可哀想なまま、報われないまま死んじゃうんだよ!それが、このおとぎ話の結末なの!」
253 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)22:04:19 ID:cUe
キモオタ「・・・なんとかならんでござるか」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「我々で、なんとかこの結末を変えられないでござるか?マッチ売り殿を・・・救いたいでござる・・・!」
ティンカーベル「例えば、その日にマッチをたくさん買ってあげればおうちに帰れるからマッチ売りちゃんは死なないと思う」
キモオタ「それならば・・・!」
ティンカーベル「でも、それはやっちゃだめだよ・・・物語の結末を変えちゃうことになるもん・・・」
キモオタ「・・・・・・他には何か・・・考えるでござる、考えるでござるよ!」
ティンカーベル「キモオタ・・・おとぎ話の結末を変えちゃうとその世界は消滅するって話、したよね」
キモオタ「聞きたくないでござるよ・・・我輩はそれ以上・・・!」
ティンカーベル「・・・キモオタ、駄目だよ・・・私たちが逃げちゃ・・・」
キモオタ「わかってる・・・わかってるでござるよ!おとぎ話の結末を変えるとその世界は消滅する。そして、このおとぎ話の結末はマッチ売り殿の死でござる。つまり・・・手立てがない」
キモオタ「マッチ売り殿が死ねばおとぎ話は残ること。マッチ売り殿は死なないけどおとぎ話は消える・・・どちらかでござる」
キモオタ「・・・我々には、おとぎ話とマッチ売り殿両方を救う手段が・・・無いのでござる・・・!」
254 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)22:14:48 ID:cUe
ティンカーベル「もう、駄目だよキモオタ・・・つらいけど、私たちには手段がないもん」
キモオタ「・・・・・・そもそも、おかしいでござる」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「可哀想な女の子が可哀想なまま、報われずに亡くなるなんておとぎ話・・・!何のためにあるのでござるか!」ワナワナ
ティンカーベル「・・・・・・ねぇ、キモオタ」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「おとぎ話ってね、子供たちに読むためにあるよね。少なくとも今のおとぎ話はさ」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「子供たちにわくわくしてほしい!とか、お話を通して気がついてほしい事がある、そういう気持ちで作者はお話を書くと思うんだよ」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「ねぇ、キモオタ。キモオタはこの【マッチ売りの少女】のお話を聞いて、どんな風に思った?」
256 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)22:26:46 ID:cUe
キモオタ「辛い話だと思ったでござる。ほかの多くのおとぎ話は・・・シンデレラ殿も、図書館で読んだおとぎ話もハッピーエンドでござった
だというのにマッチ売り殿は・・・天国に行ったとしても、幸福な王子殿と同様にこの世界では報われない・・・」
ティンカーベル「じゃあ、町であったマッチ売りちゃんと一緒に過ごしてどう思った?」
キモオタ「可哀想だと思いましたな。それと絶対に虐待は許せないとも思いましたぞ。もうこんな──」
ティンカーベル「可哀想な子供をほってはおけない。って思った?」
キモオタ「その通りですな」
ティンカーベル「作者はそれに気がついてほしかったのかも知れないなって、私は思うの」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「確かにこのおとぎ話は悲しい結末だよ。でも、子供たちはこのお話を聞いて、こう思ってくれると思う。」
ティンカーベル「マッチ売りちゃん可哀想。つらい人には優しくしてあげなくちゃ。苦しい思いをしている人には手をさしのべてあげなくちゃって」
キモオタ「・・・・・・心の教育、という奴ですかな」
ティンカーベル「そんな感じかな。おとぎ話を通して、いろんな気持ちや考えを持って、心を豊かにしてほしい。そしたら人に優しくできるし、つらい人を助けられる心がもてるでしょ?」
ティンカーベル「そう思って、作者はこのおとぎ話を作ったんじゃないかな」
257 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)22:31:33 ID:qCH
こんなにおとぎ話に詳しい>>1は何者なんだ
王子の銅像「えっと・・・妖精のお嬢さん?」
ティンカーベル「ティンカーベルだよ!ティンクって呼んでね!」
王子の銅像「解ったよ、ティンク。君はこのおとぎ話を知っているようだからなにを頼まれるかわかるのかな?」
ティンカーベル「王子様の体に貼られている金箔を貧しい人に届けたらいいのかな?」
王子の銅像「話が早くて助かるよ、じゃあお願いできるかな」
マッチ売り「ねぇおにいちゃん。きんぱくってなに?」
キモオタ「金でできた薄い紙のようなものでござるよ、高級な代物でござろうなwww」
シンデレラ「・・・でも、王子様の銅像には金箔なんて・・・」
王子の銅像「最後の一枚が背中にあるはずだ。それを頼むよティンク」
ティンカーベル「わかった!剥がすよ?王子様」ベリッ
228 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:20:17 ID:R52
ティンカーベル「本当に最後の一枚なんだね・・・」
王子の銅像「そうだね・・・僕には見えないけどわかるよ。そんな悲しそうにしないでくれ、ティンク」
キモオタ「ティンカーベル殿・・・このお話は一体どういう内容なのですかな?悲しいおとぎ話・・・というのは?」
ティンカーベル「戻ってから話すよ!とりあえず届けてくる!どこに持ってく?」
ツバメ「その通りにボロボロのレンガの建物が見えるだろう?その二階の一番右の部屋だよ」
王子の銅像「あの家の女の子は母親が病気らしいんだけど、父親はもう無くなっているんだ。今はマッチを売って生計を立てているらしいけど・・・正直苦しい生活だ」
マッチ売り「マッチ売り・・・私とおんなじだ。」
ティンカーベル「わかった!行ってくる!」
マッチ売り「あの・・・・王子様、いいですか?」
王子の銅像「なんだい?」
マッチ売り「この町にも貧しい子供たちがたくさんいるんですか?」
229 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:30:45 ID:R52
王子の銅像「この町にも・・・と言ったね?」
マッチ売り「うん、私の町には・・・お父さんもお母さんもいない子供たちやお家がない子供がたくさんいます。私にはお家もお父さんもいるし、マッチを売るお仕事もあるけど・・・なんにもない子供たちもいっぱいいます」
王子の銅像「・・・そうか、君は【マッチ売りの少女】のおとぎ話の・・・」
マッチ売り「おとぎ話・・・?」
王子の銅像「いいや、なんでもない。マッチ売りちゃんの質問に答えよう」
王子の銅像「恥ずかしい話だが、この国にはストリートチルドレンや浮浪者に溢れている。貧困層が多いのも事実だよ」
マッチ売り「そっか・・・わかりました」
王子の銅像「どうか、したかい?」
マッチ売り「ううん、なんでもないです。悲しいなって思いました、可哀想だなって・・・」
キモオタ「マッチ売り殿だって、辛いのを我慢する必要などないんですぞ?」
マッチ売り「ううん、私にはお家もお父さんもお仕事もあるもん。恵まれているほうだよ?」ニコッ
キモオタ「・・・・・・マッチ売り殿」
230 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:41:50 ID:R52
王子の銅像「マッチ売りちゃん、君もそうとうつらい思いをしていると思うけど、違うのかい?」
マッチ売り「・・・お父さんに叩かれるときもあるけど・・・私は寒い夜に雨に濡れたり、何日も何日もご飯が食べられなかったりしないから・・・」
シンデレラ「叩かれるって・・・虐待ですよ、キモオタさん!」
キモオタ「・・・・・・許せんでござるよ、本当に」
王子の銅像「そうか・・・他人と比べる必要なんてない。君がつらかったら、辛いと言えばいいんだよ?」
マッチ売り「はい、でも大丈夫です!神父さんは優しいし、最近優しいおにいちゃんもできたんですだから辛くないです王子様!」ニコッ
キモオタ「・・・・・・優しいおにいちゃんwww照れますなwww」コポォ
王子の銅像「・・・そうか、君がそう言うのなら信じるよ」
ティンカーベル「ただいまー!」
王子の銅像「お疲れ様。助かったよ」
ツバメ「ありがとうね、ティンク!」
キモオタ「お疲れですなwwwさっそくでござるが・・・このおとぎ話がどのようなお話なのか教えていただきたいwww」
ティンカーベル「うん、わかった・・・じゃあ説明するよ」
ティンカーベル「【幸福な王子】のお話をね」
231 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/09(火)22:45:04 ID:R52
今日はここまで
このおとぎ話って【幸福な王子】と【幸福の王子】で表記のぶれがあるよね
このお話では前者を採用してる
マッチ売りの少女編 次回に続きます
乙
マッチ売りの少女が二人…いよいよ展開が読めなくなってきたな。
期待してる。
233 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)00:16:34 ID:APR
乙!
どうやって落とし前をつけるのか非常に楽しみ
234 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)00:20:02 ID:xl3
乙
マッチ売りちゃん健気さに惚れた
支援支援
235 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)08:55:09 ID:koO
幸福な王子も消えそうだったら厄介だな
236 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)10:53:41 ID:CmS
追いついた
くっそ続きが気になる……
237 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)10:56:26 ID:IKR
これが楽しみで生きてる
238 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)18:36:47 ID:fjP
あ、つまり…
239 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:23:23 ID:cUe
ティンカーベル「あるところに心優しい王子様が居たんだよ。とても立派な王子様だったんだけどある日、亡くなっちゃったんだ」
マッチ売り「病気になっちゃったの?」
ティンカーベル「そうかもしれないね、でね?国の人たちは町の広場に立派な王子様の銅像を作ったんだよ。それはとても立派な像で、両目にはサファイア。剣の柄にはルビー。他にもたくさんの宝石を使って、全身には金箔が貼られていたんだよ!」
キモオタ「・・・しかし、この王子殿は銅像ですぞ?宝石など付いていませんぞwww」
王子の銅像「そうだね。でも僕の体には元々は宝石屋金箔が貼られていたんだよ。勿体ないことにね・・・」
ティンカーベル「でね、ツバメがある日王子の像の足下で休んでると王子様の悲しむ声が聞こえてくるんだ。ツバメが理由を聞くと王子様は「ここから見える家の住人が貧しい思いをしているから僕はつらくて泣いている。僕の剣の束からルビーを外しております彼に与えてほしい」って言うの」
マッチ売り「それって王子様の知らない人?」
王子の銅像「うん、でも知り合いかどうかは関係ないよ」
241 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:33:48 ID:cUe
王子の銅像「僕はね・・・悲しかったし、悔しかった。自分の国の為に一生懸命働いて、死んでしまったことは気にしていない。けれど、生きている間の僕は気がつかなかったんだ。この国に貧しい思いをしている人がたくさんいることに」
マッチ売り「だから、知らない人なのにルビーをプレゼントしたの?」
王子の銅像「それもあるけれど・・・像の僕にはルビーなんか必要無いのさ。キラキラの像が広場にあるのに、貧しくて苦しんでいる住人はたくさん居る。そんなのおかしいよね?」
マッチ売り「・・・・・・」コクン
王子の銅像「だったら少しでも多くの人がつらい思いをしなくてすむようにするべきなんだ。僕を讃えてくれるのは嬉しいけど、お金の使い方が間違ってる」
シンデレラ「王族の勘違いしたお金の使い方・・・同じ王族として耳が痛いです」
王子の銅像「シンデレラ姫・・・かな?君はそんなことないだろう?さぁ、ティンク、続けてくれるかい?」
ティンカーベル「うん。王子様の銅像はね、それからもツバメにお願いして体中の金箔や両目のサファイア、宝石を貧しい人にプレゼントして貰ったの」
キモオタ「自分はぼろぼろになりながらも貧しい国民の為に行動するとは・・・立派な王子ですなwww」
242 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:42:05 ID:cUe
マッチ売り「妖精さん、それから王子様はどうなったの?」ワクワク
ティンカーベル「王子様とツバメはたくさんの貧しい人を助けていったけど、王子様の体からはどんどん金箔や宝石が減ってみすぼらしくなっちゃったの。今みたいにね」
マッチ売り「王子様・・・可哀想」
王子の銅像「ははっ、ありがとう。マッチ売りちゃん、でもね・・・僕の犠牲で他にたくさんの人が救われるなら、幸せになれるなら構わないんだ」
ティンカーベル「それから、ツバメは王子様の手伝いをしているうちに南の島に渡る時期になったけど・・・王子様のために、この国に残ると言ったんだよ」
キモオタ「2人とも自己犠牲の精神というわけですな・・・」
ティンカーベル「そのおかげで貧しい人たちは救われたけど・・・」
マッチ売り「けど・・・どうなっちゃうの?」
ティンカーベル「・・・・・・」
ザワザワ
ツバメ「そこから先は実際にみてもらったほうが早いかもね」
王子の銅像「・・・そうみたいだ。さぁみんな、私の後ろに隠れるんだ」
スッ
大臣「ふふぅ、この王子の像もずいぶんみすぼらしくなったものだな」
243 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)20:43:38 ID:fjP
大臣か…
244 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)20:50:14 ID:cUe
付き人「はい、このあたりには貧困層が多いですからね・・・像に付いていた宝石や金箔は・・・おそらく盗まれたのでしょう」
大臣「ふふぅ、まったく・・・困ったものだ。少し税を上げればねを上げるのだから」
付き人「いかがしますか?修繕を行いますか?予算はかなりかかりますが・・・」
大臣「その必要はない。それよりもこんなみすぼらしい銅像があると国の品位が下がってしまう。明日にでも取り壊せ」
付き人「はい、人員を手配します」
マッチ売り(・・・!)
キモオタ(なんですと・・・!)
大臣「その後に新しく私の像を作るぞ。王子のより立派で高級な奴だ!」ウキウキ
付き人「しかし予算が・・・」
大臣「そんなものはまた税を上げればいいだろう?どうせだしゴッソリ上げてしまえ」
付き人「・・・・・・はい、承知しました」
シンデレラ(酷いね・・・国民のことなんかちっぽけも考えていないよ?あの人・・・)
245 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)20:53:12 ID:fjP
悪い大臣は駆逐せよ!
246 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)20:54:12 ID:8IC
時代が変わってもやることは変わらないのか…
247 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:00:34 ID:cUe
大臣「ふふっ、楽しみだ!ハッハッハ!」
スタスタ
王子の銅像「大臣たちは行ったみたいだね。でておいで、みんな」
マッチ売り「王子様、壊されちゃうの・・・?」
キモオタ「大丈夫でござろう?善人の王子殿が壊されてあの悪い大臣の悪政がはびこるなど・・・ないでござるよね?」
ティンカーベル「・・・・・・」
王子の銅像「いいや、私は明日、取り壊される。そして、南に渡り損ねたツバメ君は寒さに耐えられず・・・死んでしまう」
ティンカーベル「・・・・・・国民のために尽くした2人はどんどん消耗していって、王子様は取り壊される。ツバメも王子様が言ったように、死んでしまう。二人の魂は天国へと昇っていくけれど・・・この世界で報われることはないんだよ。それが・・・このおとぎ話の結末」
シンデレラ「・・・そんなのって、あんまりです。ティンクちゃん」
マッチ売り「そうだよ・・・王子様は立派だよ!みんなが幸せになるようにって思ったんだよ!それなのに壊されちゃうの?」
ティンカーベル「・・・私だって納得いかないよ!でも・・・そういう結末だもん。しょうがないじゃん!」
キモオタ「・・・・・・」
シンデレラ「ティンクちゃん。元の世界に帰るのは明日にしませんか?私、王子様の運命を最後まで見届けたい・・・だって、こんな立派な考えの王子様なのに・・・報われないなんて・・・」
マッチ売り「私も・・・一緒にいたいな。王子様のお話、聞きたい」
キモオタ「しかしマッチ売り殿はまた父上がうるさいですぞ・・・帰らねば」
マッチ売り「大丈夫だよおにいちゃん。今日はさっきの女の子がマッチをまた全部買ってくれたから、明日の夕方までに帰れればきっとそんなに怒られないよ」ニコッ
ティンカーベル(黒幕のマッチ入手経路はやっぱりここだったんだね・・・)
キモオタ「・・・しかし」
ティンカーベル「・・・そうしよう。私、キモオタと今夜の宿を探してくるから、二人はここで待ってて」
シンデレラ「うん、ごめんねティンクちゃん」
マッチ売り「王子様のお話、シンデレラお姉ちゃんと一緒に聞いておくね」ニコッ
キモオタ「ティンカーベル殿?宿探しならみんなでもwww」
ティンカーベル「いいからいくよ!それに・・・キモオタには話さないといけないことがあるんだよ」
キモオタ「なにですかな?」
ティンカーベル「キモオタはマッチ売りちゃんがどうなるか・・・知らないんだよね?」
249 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)21:11:27 ID:8IC
あぁ…
ついに来たか
250 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:21:51 ID:cUe
宿屋
キモオタ「部屋も確保できましたしwwwティンカーベル殿の話を聞きますぞwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「マッチ売り殿の・・・【マッチ売りの少女】のお話のおさらいでござろう?今回は誘拐や黒幕との接触やらなんやらで出来ませんでしたからなwww」
ティンカーベル「やっぱり、まだお話の結末を知らないんだね?」
キモオタ「予想はしているのでありますがなwww」
ティンカーベル「・・・おかしいと思ったんだ、マッチ売りちゃんがどうなるか知ってたら、キモオタがあんな笑顔でいられる訳ないもん」
キモオタ「どういう意味ですかなwww」
ティンカーベル「さっきもちょっと言ったけど、【マッチ売りの少女】は悲しいおとぎ話なんだよ」
キモオタ「それは知っておりますぞ・・・マッチ売り殿は厳しい境遇にいますな。しかし、それも中盤までのお話でござろう?ラストにはシンデレラ殿みたいに幸せになれるでござるもんね?」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「ティンカーベル殿・・・?」
ティンカーベル「キモオタ、おさらいするから最後までちゃんと聞いてね?」
ティンカーベル「マッチ売りちゃんにどんな結末が待っていても。だよ?」
251 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:40:39 ID:cUe
・・・
マッチ売りの少女
寒い寒い冬。年の瀬のある日の出来事
あるところにとても貧しい女の子が住んでいました
その女の子はマッチを売り歩いていましたが、慌ただしく歩いていく人達は誰一人見向きもしません。しかし、マッチが売れないまま帰ればお父さんにひどく叱られてしまいます。
耳は真っ赤で両手はしもやけ、満足な洋服も着ることができないので震えながら声を出します。マッチ、マッチはいりませんか?
けれど誰の耳にも届きません
馬車に轢かれそうになり、女の子は靴を無くしてしまいます。寒空の下裸足のままで、寒さに耐えながら女の子は懸命にマッチを売ろうとします
でも全く売ることはできません。
もう日も暮れて、裕福な家族が住む家々には明かりが灯り
中では家族が楽しそうにしています。けれどマッチ売りの少女は一人きりです。
寒さに耐えられず、女の子はマッチを一本擦ります。
するとその明かりの中に、暖かいストーブが映りました
女の子は不思議に思いマッチを擦りました
おいしそうな七面鳥。きれいに飾り付けされたもみの木。たくさんのプレゼント。
マッチを擦るたびに幸せな幻が見えました
女の子がもう一本マッチを擦ると、亡くなった優しいおばあちゃんが微笑んでいました。しかし風に揺られて、その幻は消えそうになってしまいます
女の子は慌てて持っていたマッチを全て、次々に擦りました。
おばあちゃんは女の子に笑いかけると、手を取ってそのまま天国へと昇っていきました
翌朝、マッチの燃えかすを抱えたまま女の子は死んでいました
笑顔のまま亡くなっていった女の子を町の人たちは見つけ、悲しみました。
おしまい
・・・
252 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)21:48:19 ID:cUe
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿wwwそんなジョークを言うとは不謹慎ですぞwwwさすがの我輩も不謹慎厨にならざるを得ないwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「あれでござろうwww得意の妖精ジョークでござろうwwwんんwwwぶっちゃけ妖精ジョークは笑いどころがわからないでござるよwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「あ!あれでござろうwww我輩が誘拐されたティンカーベル殿を見つけだすのが遅れた故にwwwまだ怒っているとはwww」
ティンカーベル「・・・・・・もう、やめようよ。キモオタ・・・」ポロポロ
キモオタ「な、なにをですかなwww」
ティンカーベル「もうわかってるんでしょ!私の話が嘘じゃないって事!」ポロポロ
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「信じられないからって・・・逃げてもしかたないじゃん!」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「マッチ売りちゃんは可哀想なまま、報われないまま死んじゃうんだよ!それが、このおとぎ話の結末なの!」
253 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)22:04:19 ID:cUe
キモオタ「・・・なんとかならんでござるか」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「我々で、なんとかこの結末を変えられないでござるか?マッチ売り殿を・・・救いたいでござる・・・!」
ティンカーベル「例えば、その日にマッチをたくさん買ってあげればおうちに帰れるからマッチ売りちゃんは死なないと思う」
キモオタ「それならば・・・!」
ティンカーベル「でも、それはやっちゃだめだよ・・・物語の結末を変えちゃうことになるもん・・・」
キモオタ「・・・・・・他には何か・・・考えるでござる、考えるでござるよ!」
ティンカーベル「キモオタ・・・おとぎ話の結末を変えちゃうとその世界は消滅するって話、したよね」
キモオタ「聞きたくないでござるよ・・・我輩はそれ以上・・・!」
ティンカーベル「・・・キモオタ、駄目だよ・・・私たちが逃げちゃ・・・」
キモオタ「わかってる・・・わかってるでござるよ!おとぎ話の結末を変えるとその世界は消滅する。そして、このおとぎ話の結末はマッチ売り殿の死でござる。つまり・・・手立てがない」
キモオタ「マッチ売り殿が死ねばおとぎ話は残ること。マッチ売り殿は死なないけどおとぎ話は消える・・・どちらかでござる」
キモオタ「・・・我々には、おとぎ話とマッチ売り殿両方を救う手段が・・・無いのでござる・・・!」
254 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)22:14:48 ID:cUe
ティンカーベル「もう、駄目だよキモオタ・・・つらいけど、私たちには手段がないもん」
キモオタ「・・・・・・そもそも、おかしいでござる」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「可哀想な女の子が可哀想なまま、報われずに亡くなるなんておとぎ話・・・!何のためにあるのでござるか!」ワナワナ
ティンカーベル「・・・・・・ねぇ、キモオタ」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「おとぎ話ってね、子供たちに読むためにあるよね。少なくとも今のおとぎ話はさ」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「子供たちにわくわくしてほしい!とか、お話を通して気がついてほしい事がある、そういう気持ちで作者はお話を書くと思うんだよ」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「ねぇ、キモオタ。キモオタはこの【マッチ売りの少女】のお話を聞いて、どんな風に思った?」
256 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/12/10(水)22:26:46 ID:cUe
キモオタ「辛い話だと思ったでござる。ほかの多くのおとぎ話は・・・シンデレラ殿も、図書館で読んだおとぎ話もハッピーエンドでござった
だというのにマッチ売り殿は・・・天国に行ったとしても、幸福な王子殿と同様にこの世界では報われない・・・」
ティンカーベル「じゃあ、町であったマッチ売りちゃんと一緒に過ごしてどう思った?」
キモオタ「可哀想だと思いましたな。それと絶対に虐待は許せないとも思いましたぞ。もうこんな──」
ティンカーベル「可哀想な子供をほってはおけない。って思った?」
キモオタ「その通りですな」
ティンカーベル「作者はそれに気がついてほしかったのかも知れないなって、私は思うの」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「確かにこのおとぎ話は悲しい結末だよ。でも、子供たちはこのお話を聞いて、こう思ってくれると思う。」
ティンカーベル「マッチ売りちゃん可哀想。つらい人には優しくしてあげなくちゃ。苦しい思いをしている人には手をさしのべてあげなくちゃって」
キモオタ「・・・・・・心の教育、という奴ですかな」
ティンカーベル「そんな感じかな。おとぎ話を通して、いろんな気持ちや考えを持って、心を豊かにしてほしい。そしたら人に優しくできるし、つらい人を助けられる心がもてるでしょ?」
ティンカーベル「そう思って、作者はこのおとぎ話を作ったんじゃないかな」
257 :名無しさん@おーぷん :2014/12/10(水)22:31:33 ID:qCH
こんなにおとぎ話に詳しい>>1は何者なんだ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 マッチ売りの少女編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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