キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 泣いた赤鬼編
Part2
43 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)22:58:19 ID:qWBta14ZW
ティンカーベル「ほらキモオタ!おせんべいもあるって!」
家の中からの声「おちゃもあるよぉー」
キモオタ「明らかに裏声なのが気になるんですがそれはwww」コポォ
ティンカーベル「いいじゃん、入ろう!お話ししたいし!こんにちわー!
」ガラガラ
キモオタ「ちょwww心の準備がwww」
赤鬼「やあやあ!ようこそ!赤鬼の家へ!あがってあがって!」ニコニコ
ティンカーベル「おじゃましまーす!ほらキモオタも!」
キモオタ「コミュ力高いですぞティンカーベル殿wwwおじゃまするでござるwww」
赤鬼「いやあ、嬉しいなぁ!村の人は誰も来てくれないから寂しくても寂しくて!オイラは赤鬼!鬼だけど悪さはしない、みんなと友達になりたい鬼だ!」
ティンカーベル「私はティンカーベル!外国の妖精だよ!妖怪でももののけでもないよ!ティンクって呼んでね!」
赤鬼「そうかそうか!わかった!ティンクは妖精っていう種族なんだな?よろしく!そっちの君は?」
キモオタ「キモオタですぞwww種族は人間でござるwwwオークではないですぞwww」ドゥフコポォ
44 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:05:41 ID:Ir82Bhox6
ここまではおとぎ話に異変は無いようだね
45 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:08:19 ID:qWBta14ZW
赤鬼「ティンクとキモオタ!よろしく!さぁ楽しく話でもしようじゃないか!っと、お茶がまだだったな、ちょっと待っててくれ」イソイソ
キモオタ「楽しそうですな赤鬼殿www」
ティンカーベル「ね!こんなに気さくなのに村人はどうかしてるよ!・・・えっ?」
ゴポゴポゴポゴポ
キモオタ「どうしましたかなwwwティンカーベル殿www」
ゴポゴポゴポゴポ
ティンカーベル「キモオタ・・・あれ見て」スッ
赤鬼「お待たせ!ほうじ茶でよかったか?一応緑茶もあるけど」
ゴポゴポゴポゴポ
ティンカーベル「ねぇ赤鬼、これってふつうの湯飲みにお茶が入ってるんだよね?」
赤鬼「そうだぞ!どうかした?」
キモオタ「ゴポゴポ言うほど煮えたくっているのは見間違いですかな・・・」
46 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:15:17 ID:qWBta14ZW
赤鬼「鬼の茶釜で沸かしたからな、これくらい熱くないと美味しくないぞ!」ゴクゴクー
キモオタ「文化の違いですな・・・ッ熱ゥッ!!」ガシャーン
ティンカーベル「あっ!キモオタがヤケドした!」
赤鬼「大丈夫か!?薬持ってくるか!?」
キモオタ「オロナイン塗っておくので大丈夫ですぞwwwそれよりお茶、もう少しぬるいとうれしいでござるwww」
ティンカーベル「ごめん、私もぬるい方がいい!」
赤鬼「2人とも猫舌だなぁ!はっはっは」ニコニコ
キモオタ「これが異変ですかな・・・?」
ティンカーベル「どうだろ・・・違うと思うけど、ただの文化の違いに見えるよ」
キモオタ「どっちにしろこれじゃ村人が来ても帰ってしまいますぞwww」
47 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:24:50 ID:qWBta14ZW
赤鬼「はい、ぬるめのお茶だ」ニコニコ
キモオタ「カップめん作れそうな温度ですな・・・」
ティンカーベル「人間のアツアツのお茶=鬼のぬるいお茶なんだね・・・」
赤鬼「せんべいもあるぞ!」コトッ
ティンカーベル「あっ、おせんべいはおいしい」パリパリ
キモオタ「せんべいまで規格外だったらどうしようかと思いましたがなwww」コポォ
赤鬼「それオイラが焼いたんだ、なかなかおいしいだろう?自信作だ」
ティンカーベル「おいしいよ!赤鬼はお菓子作るの得意なんだね!」
赤鬼「実は料理は好きなんだ、熊の生肉を使ったお菓子もあるけどどどうだ?」ニコニコ
ティンカーベル「わ、私、お腹いっぱい!」
キモオタ「わ、我輩もせんべいでじゅうぶんですぞwww」
赤鬼「そうか・・・自信あったんだが、残念だ」ショボン
48 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:35:34 ID:Ir82Bhox6
熊の生肉を使ったお菓子・・・ゴクリ
49 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:37:57 ID:qWBta14ZW
一時間後
ティンカーベル「そこで私はこう言ったの!「ジャムがなければマーガリンでいいじゃん!」ってね!」ケラケラ
赤鬼「そいつあ傑作だ!がっはっは!」ガッハッハ
キモオタ「ティンカーベル殿の妖精ジョーク話はおもしろいですなwww」ドゥフコポォ
赤鬼「まったくだ!っと、もうこんな時間か!やはり楽しい時間は過ぎるのが早いな」
ティンカーベル「なにか用事があるの?」
赤鬼「あぁ、すまん。実は今日の夕方親友が訪ねてくる約束なんだ、青鬼って言ってな。オイラより頭がいいけどこいつも心優しい鬼なんだ」
キモオタ「なるほどwwwでしたら我々はそろそろおいとましますかなwww」
赤鬼「いやいや!気にするなよ!2人は旅の途中なんだろ?泊まっていけばいい」
ティンカーベル「じゃあお言葉に甘えちゃおう!ね、キモオタ!」
キモオタ「そうですなwww」
赤鬼「是非そうしてくれ!で、俺は青鬼の歓迎の為に山に果物や山菜を取りに行くんだが、一緒に行かないか?」
50 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:40:28 ID:Ir82Bhox6
どんなんだよ妖精ジョークってwww
51 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:48:26 ID:qWBta14ZW
裏山
ピーヒョロロロロ
ティンカーベル「気持ちのいい場所だねー」
赤鬼「だろう?このあたりはちょっと険しいからな、あまり村人は入ってこないんだ。だから果物も山菜も取り放題だ」
ティンカーベル「私は飛べるし、赤鬼はパワフルだからこれくらい険しい山でも問題ないけど普通の人間にはつらいかも」
赤鬼「そうだな!で、キモオタ・・・どうしてそんなにへばってるんだ?」
キモオタ「我輩・・・普通の人間故・・・ゼェゼェ・・・飛べない故・・・ゼェゼェ・・・」グッタリ
ティンカーベル「ちゃんと運動しないからこうなるんだよー」
赤鬼「がっはっは!帰り道はオイラが担いでやるから頑張るんだキモオタ!」
キモオタ「最近こんなのばっかりでござるよ・・・ゼェゼェ・・・ゼェゼェ・・・」
赤鬼「・・・ん?あそこに何か・・・いや、誰かいるな?」
52 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:53:03 ID:Ir82Bhox6
!!?
53 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)00:00:09 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「・・・・・・」ガサッ
赤鬼「人間の娘・・・?あんな幼い人間の娘がなぜこんな場所に?」
ティンカーベル「キモオタ、ここって昔の日本だよね?あの娘・・・金髪だよ?」
キモオタ「それに明らかに洋服でござるし、日本人では無いですな・・・」
赤鬼「しかしあんな格好でひとりでここまで来たのか、あの娘・・・危ないぞ」
金髪の娘「・・・・・・」
赤鬼「おーい!そこの娘っ子!ここは険しくて危ないぞ!俺は心優しい鬼だ!一緒に山を下りよう!」
金髪の娘「・・・・・・主人公の赤鬼」ボソッ
ティンカーベル「・・・・・・?」
金髪の娘「・・・・・・私は探している」
キモオタ「探してるですとwww一体何を探しているんですかなwww」
金髪の娘「染色に使う、真っ赤な植物」
金髪の娘「私は真紅草を探してる」
54 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)00:02:55 ID:FXX1bFlQe
面白いです!
55 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)00:03:19 ID:sQOP4p0t2
今日はここまでです、レス付くとモチベ上がる!
意外と反響あって嬉しいぼちぼち書いていくからよろしくね
妖精ジョーク:アメリカンジョークみたいなもの。きっと説明しても笑いどころはわからない。
泣いた赤鬼編 次回に続きます
56 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)00:04:29 ID:8MrD9viRS
乙!!
今回もおもろかったwww
85 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)16:48:24 ID:sQOP4p0t2
赤鬼「真紅草か・・・」
キモオタ「真紅草とは一体なんですかなwww」コポォ
金髪の娘「村で聞いた、染色に使える植物。鮮やかな真紅色を出せるって」
赤鬼「しかし、真紅草はもう少し奥まで行かないと生えていないぞ?娘っ子が取りに行くにはなぁ・・・どうしても必要なのか?」
金髪の娘「必要だから取りに来た。このあたりで糸を真っ赤に染色できるのは真紅草だけだと聞いたから」
ティンカーベル「糸?赤い糸が欲しいの?」
キモオタ「縫い物でもするんですかなwwwしかし糸の色なんて何でもいいのではwww」
金髪の娘「そう言うわけにはいかない。糸なら何でもいいというわけじゃない。ただの縫い物ではないから」
86 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)16:56:58 ID:sQOP4p0t2
赤鬼「どうしても諦めないって言うんだな・・・」
金髪の娘「諦めることは出来ない。諦めたら私はここで死んでしまう」
キモオタ「ファッ!?」
ティンカーベル「なんだか特別な事情があるみたいだね」
金髪の娘「今の私は、例えるならあなたの羽が引っこ抜かれているのと同じ状況よ、ティンカーベル」
ティンカーベル「ちょ、縁起でも無いこと言うのやめてよ!」
キモオタ「・・・・・・むむっ?」
赤鬼「死ぬなんて言うもんじゃねぇ!どんな事情か知らんが、どうしても必要ならオイラが付いていく。それでいいか?」
金髪の娘「鬼なのに人間の手助けをするのね?」
赤鬼「関係ねぇや、娘っ子は困ってる奴がいても相手が人間じゃなきゃほっておくのか?」
金髪の娘「どうかしらね。でも手伝ってくれるなら助かるわ」
87 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:08:47 ID:sQOP4p0t2
赤鬼「じゃあ決まりだ・・・ってよく見たら傷だらけじゃねぇか。あぶねぇからオイラの肩に乗っかってな」ヒョイ
金髪の娘「・・・子供扱いしないで、これなら自分で歩いていく」キッ
赤鬼「娘っ子の足じゃ夜中になっちまうぞ?熊や狼も出てくるんだ、食われちまうぞ?」
金髪の娘「・・・・・・我慢する。早くいきましょう」
赤鬼「よし、じゃあキモオタとティンク。ちょっと寄り道するが付き合ってくれるか?」
ティンク「いいよ、なんか訳ありみたいだしね!」
キモオタ「赤鬼殿www我輩も肩に乗せて頂きたいのですがwww」
赤鬼「すまん、流石に2人乗せてだともしもの時に危ないからな。ここは頑張って歩いてくれ、今までの倍険しい山道だがなんとかならぁ」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www妖精の粉をかけて頂きたいのですがwww」チラッ
ティンカーベル「慣れてないのに逆に危ないよ、いい運動だと思って頑張ろう!」
キモオタ「これはwww筋肉痛待ったなしwww」コポォ
88 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:21:15 ID:sQOP4p0t2
山道
ガサガサッ ガサガサッ
ティンカーベル「金髪の女の子ってこのあたりじゃ珍しいけど、旅してるの?」
金髪の娘「旅、という表現でいいのかしら。でも旅だと思ってもらっても差し支えは無いわね」
赤鬼「まだ子供なのに一人で旅してるのか、だから口調とかしっかりしてるんだな。しかし、親御さんも心配だろうなぁ」
金髪の娘「・・・・・・」
ティンカーベル「ねぇねぇ!大事そうに持ってる長いのは何?布が巻いてあるけど」
赤鬼「がっはっは、ティンクは初対面なのにグイグイいくなぁ」ガッハッハ
金髪の娘「・・・内緒よ」
ティンカーベル「えーっ!教えてよ教えてよ!」ケラケラ
キモオタ「ゼェーハァーゼェーハァー」
90 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:42:01 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「そうね、だったらこれが何か教える代わりにあなたに妖精の粉を少し分けてくれる?」
ティンカーベル「妖精の粉?いいけど、何で知ってるの?」
赤鬼「妖精の粉?なんだそれは?」
金髪の娘「妖精が飛ぶときにその羽から零れ落ちる鱗粉。魔法の力を秘めていて、妖精を信じる者に一時的ではあるけれど飛行能力を。素材としては空間移動系や速度変化の魔法具に用いられる」
赤鬼「たまげたなぁ、妖精ってのは不思議な力をもっているもんだなー・・・そのマホウグってのは何なんだ?」
金髪の娘「この世界の言い方をするなら、神通力が宿った道具かしらね。あなた達鬼の種族に伝わる『隠れ蓑』や『打ち出の小槌』のようなものよ」
赤鬼「あぁ、なるほどなぁ。不思議な力がある道具ってことだな」
ティンカーベル「・・・なんでそんなに詳しいの?私にことも、鬼のことも」
金髪の娘「何故かしらね。それよりあなたが知りたいのはこっちの物でしょう?」ヒョイ
ティンカーベル「・・・・・・」
91 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:56:25 ID:sQOP4p0t2
ティンカーベル「あなた、何者なの・・・?どこから来たの?」
金髪の娘「どこから来たのか言っても、今のあなたには解らないと思うけど。何者かという質問が呼び名を聞いているなら、今は『金髪ちゃん』とでも呼んでくれたらいいわ」
ティンカーベル「・・・・・・何でこの世界に来たの?」キッ
赤鬼「おいおい、喧嘩するんじゃないぞ?ほら、キモオタも止めてくれ」
赤鬼「あれ?キモオタはどこだ?」
キモオタ「」グッタリ
ティンカーベル「あっ!キモオタが倒れてる!」
キモオタ「これしんどいでござる・・・我輩、もう歩けませんぞ・・・」
ティンカーベル「もぉー、だらしないなぁ!」ピュー
グルルルッ
赤鬼「このうなり声っ・・・!キモオタ!あぶねぇ!」
ガサッ
熊「グルルッ」
92 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)18:14:47 ID:sQOP4p0t2
熊「グルルッ」フシュー
キモオタ「ぶひいいいぃぃ!我輩食べるところ無いですぞおおお!!!」ダッ
赤鬼「駄目だ!走るな!追いかけてくるぞ!」ダッ
熊「ウガアアァ!」
キモオタ「あわわ・・・おはなしウォッチで助けを!裸王殿!シンデレラ殿!しかしいきなり呼んでも・・・!ど、どうするでござるかぁ!」ワタワタ
ティンカーベル「ダメっ!間に合わない!」
ズダーン ズダーン
熊「グ、グガァ・・・・・・」ドスーン
キモオタ「ひいいいいぃぃ!死ぬかとおもいましたぞおおおぉぉ!」
赤鬼「眉間と心臓に一発・・・!」
ガシャッ
金髪の娘「ティンカーベル。これがあなたが気にしていた長物の正体よ。約束通り妖精の粉、貰うから」ガシャッ
ティンカーベル「ものすごい射撃の腕前・・・本当に何者なんだろう・・・」
93 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)18:31:20 ID:sQOP4p0t2
裏山 最深部
赤鬼「さぁ着いたぞ!そのあたりにあるのが真紅草だ」
金髪の娘「縫い糸一巻染めるならどれくらい必要?」
赤鬼「そうだなあ、ざっとこんなもんかな。しかし染色はどうするんだ?なんならオイラがやってやろうか?」ガサガサッ
金髪の娘「意外と器用なのね。お願いするわ」
赤鬼「ただし数日はかかるぞ?」
金髪の娘「構わないわ」
キモオタ「赤鬼殿!あの木の実食べられるでござるかなwww」
赤鬼「おぉ、今いく!」ドスドスドス
ティンカーベル「・・・金髪ちゃん。ちょっと話したい、いい?」
金髪の娘「・・・いいわよ、赤鬼も行ったみたいだし」
金髪の娘「別のおとぎ話の住人同士、お互い聞きたいこともあるものね?」
94 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)18:47:05 ID:sQOP4p0t2
キモオタ「ふぅwww赤鬼殿には別の場所で果物採ってくると言い訳しておきましたぞwww」
金髪の娘「あら、彼も一緒なの?」
ティンカーベル「私の友達。一緒に旅をしてるの、おとぎ話の事情も知ってる」
キモオタ「金髪殿は何故かティンカーベル殿の事を知っているようでしたしなwww他のおとぎ話の住人ではないかと思っておりましたぞwww」
金髪の娘「そう。じゃあティンカーベル、あなた達の目的は?何故ここにいるのか教えて」
ティンカーベル「知ってるかもしれないけど、ピーターパンのおはなしは消滅しちゃってる。だから私はピーターパンのおはなしを復活させるために旅をしてるの」
金髪の娘「ここには打ち出の小槌でも探しにきたの?」
ティンカーベル「ううん、このおとぎ話が消えそうな臭いがしたから消えないように助けにきたんだよ」
金髪の娘「へぇ・・・そんなこともしてるのね」
キモオタ「話に腰を折りますがwww時に打ち出の小槌とは一体www」
金髪の娘「打ち出の小槌。鬼が持っているという魔法具・・・神通力の宿った道具よ」
97 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:01:07 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「どんな願いも叶える能力を持つ魔法具よ。体を大きくしたり、財宝を出したりね」
キモオタ「ティンカーベル殿!それがあれば【ピーターパン】のおはなしを復活させられるのではwww」
ティンカーベル「金髪ちゃん!それ詳しく教えて!」
金髪の娘「残念だけどもう手には入らないわよ。打ち出の小槌は【一寸法師】の世界の宝物。でもそのお話は消滅している、恐らく打ち出の小槌もね」
ティンカーベル「残念・・・私が知らないところでも知らないお話が消えていってるんだね」
キモオタ「やはり魔法のランプに望みを託すしかありませんなwww」コポォ
金髪の娘「知らなかったと言うことは、この世界に来たのは本当にこのおはなしを救う為なのね」
ティンカーベル「だからそうだって!だって他のおはなしまで消えちゃったら私みたいなつらい思いをする人が増えちゃうし、それは嫌だもん」
金髪の娘「・・・・・・嘘では無いようね」ボソッ
金髪の娘「さっきあなたは私に聞いたわね。どこから来たのか、何者なのか、なぜここにいるのか・・・教えてあげるわ、ティンカーベル。そしてキモオタ」
金髪の娘「私もあなたと同じ、この世界を救いに来た」
98 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:10:12 ID:sQOP4p0t2
ティンカーベル「この世界を救いに・・・?でも、金髪ちゃんはおとぎ話の世界の住人なんでしょ?」
金髪の娘「一応、主人公をやっていたわ」
キモオタ「しかし主人公ならばなおさら自分のおとぎ話を不在にしていていいのですかなwww」
ティンカーベル「もしかして、金髪ちゃんも私と同じ?」
金髪の娘「そうね。私のおとぎ話も消滅している」
キモオタ「なんですと!ということは金髪殿もおとぎ話の復活を願って?」
金髪の娘「・・・いいえ、私はそれは望んでいない。元の世界は居心地もよくて大好きな人もたくさんいたけれど、それもみんな死んでしまった」
ティンカーベル「・・・・・・」
金髪の娘「だからせめて他のおとぎ話には同じ末路を辿って欲しくない。だから私は元の世界で手に入れたおとぎ話の世界を行き来する魔法具とこのマスケットを手に取って、旅をしているの」
ティンカーベル「ねぇ、消えちゃってるなら聞いてもわかんないかもだけど、なんていうお話?あなたの本当の名前は?」
金髪の娘「名前、ね・・・なんだったかしら・・・」
99 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:23:27 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「真紅草を探している。そう言ったわよね、ティンカーベルの妖精の粉が欲しいとも言った」
キモオタ「糸、と言っておりましたなwww手に入らないとここで死ぬとwww」
ティンカーベル「金髪ちゃん・・・ううん、あなたは魔法具でおとぎ話の世界を行き来してるんだね?でも、それが使えなくなっちゃった。だから私の羽と例えたんだね」
キモオタ「なるほどwwwここから移動できなくなればここで死んでしまうことになりますからなwww」
金髪の娘「ティンカーベルの言うとおりよ。真紅草も妖精の粉も、私がおとぎ話の世界を行き来するのに必要な魔法具の修繕に必要なの」ゴソゴソ
金髪の娘「これよ」
キモオタ「これは上等そうな真っ赤な布ですなwww洋服でござるか?www」
金髪の娘「ハズレよ。ここに移動してきたときに引っ掛けて、裂けてしまったの。魔法の力の込められた赤い糸で縫いつけないと、使えない」
ティンカーベル「それって・・・なに?」
金髪の娘「ずきんよ、真っ赤なずきん。お婆ちゃんに貰った大切なずきん・・・お気に入りでずっと身につけてた。だから私は元の世界では・・・・・・」
金髪の娘「『赤ずきんちゃん』と呼ばれていたわ」
100 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:33:30 ID:sQOP4p0t2
赤ずきん「本当の名前なんて忘れてしまったけど、皆が呼んでくれるそれこそが私に名前だった」
赤ずきん「もう、みんなにそう呼ばれることは無いけれどね」
ティンカーベル「・・・ごめん、私は赤ずきんがこの世界に何か手を加えようとしている悪い人かもって思っちゃった」シュン
赤ずきん「お互い様よ。私もあなた達がこの世界の消滅の一因かもしれないと思っていたしね」
キモオタ「おとぎ話の消滅を影で操っている黒幕がいるかもしれませんからなwww疑ってしまうのは仕方ないwww」
赤ずきん「黒幕?なにそれ?おとぎ話は現実世界の人間に忘れられると消えるんじゃないの?」
ティンカーベル「まだ可能性の段階っていうか・・・もしかしたらだけど、何かの手段で誰かが天啓を見せておとぎ話に異変を与えているんじゃないかって私達は考えてるんだ」
赤ずきん「詳しく教えてくれる?」
101 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:42:31 ID:sQOP4p0t2
・・・
赤ずきん「なるほどね・・・【裸の王様】や【王様の耳はロバの耳】でおかしな行動を起こした人は決まって天啓を見ていると、そういうことね」
ティンカーベル「うん、偶然かもしれないけどね」
キモオタ「もしや赤ずきん殿の世界の異変もこの天啓では?」
赤ずきん「どうかしらね・・・あの狼、知性はあるみたいだったから可能性はありそうだけど・・・」
ティンカーベル「狼?狼が原因なの?」
キモオタ「そういえば我々赤ずきん殿の世界のおはなし知りませんなwww」
赤ずきん「そうね、もしも黒幕がいるのなら解決のための情報は多い方がいい。いいわ、話してあげる。私のおとぎ話【赤ずきん】がどんなおはなしなのか。そして・・・・・・」
赤ずきん「【赤ずきん】のおはなしがどうやって消滅したかをね」
102 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:45:02 ID:sQOP4p0t2
今日はここまでです。平日はまたあんまり書けないから書き溜めー
次回、赤ずきんのおとぎ話が如何にして消滅したか。
泣いた赤鬼編 次回に続きます
103 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)19:48:41 ID:3QQjmDYou
超面白い!ワクワクしながら待ってるよー
104 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)20:21:23 ID:e7upjoKB9
乙!!
赤ずきんちゃんきたwww
105 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)20:38:52 ID:z4Str7UOB
赤ずきんちゃんでしたか
で、そのおとぎ話も消滅してしまってる、と
どうなるんだろう
106 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)20:39:31 ID:lRqLXnil3
今回も面白かったよ!赤ずきんちゃんの世界も気になるな。
次の更新も楽しみにしてる!
ティンカーベル「ほらキモオタ!おせんべいもあるって!」
家の中からの声「おちゃもあるよぉー」
キモオタ「明らかに裏声なのが気になるんですがそれはwww」コポォ
ティンカーベル「いいじゃん、入ろう!お話ししたいし!こんにちわー!
」ガラガラ
キモオタ「ちょwww心の準備がwww」
赤鬼「やあやあ!ようこそ!赤鬼の家へ!あがってあがって!」ニコニコ
ティンカーベル「おじゃましまーす!ほらキモオタも!」
キモオタ「コミュ力高いですぞティンカーベル殿wwwおじゃまするでござるwww」
赤鬼「いやあ、嬉しいなぁ!村の人は誰も来てくれないから寂しくても寂しくて!オイラは赤鬼!鬼だけど悪さはしない、みんなと友達になりたい鬼だ!」
ティンカーベル「私はティンカーベル!外国の妖精だよ!妖怪でももののけでもないよ!ティンクって呼んでね!」
赤鬼「そうかそうか!わかった!ティンクは妖精っていう種族なんだな?よろしく!そっちの君は?」
キモオタ「キモオタですぞwww種族は人間でござるwwwオークではないですぞwww」ドゥフコポォ
44 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:05:41 ID:Ir82Bhox6
ここまではおとぎ話に異変は無いようだね
45 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:08:19 ID:qWBta14ZW
赤鬼「ティンクとキモオタ!よろしく!さぁ楽しく話でもしようじゃないか!っと、お茶がまだだったな、ちょっと待っててくれ」イソイソ
キモオタ「楽しそうですな赤鬼殿www」
ティンカーベル「ね!こんなに気さくなのに村人はどうかしてるよ!・・・えっ?」
ゴポゴポゴポゴポ
キモオタ「どうしましたかなwwwティンカーベル殿www」
ゴポゴポゴポゴポ
ティンカーベル「キモオタ・・・あれ見て」スッ
赤鬼「お待たせ!ほうじ茶でよかったか?一応緑茶もあるけど」
ゴポゴポゴポゴポ
ティンカーベル「ねぇ赤鬼、これってふつうの湯飲みにお茶が入ってるんだよね?」
赤鬼「そうだぞ!どうかした?」
キモオタ「ゴポゴポ言うほど煮えたくっているのは見間違いですかな・・・」
46 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:15:17 ID:qWBta14ZW
赤鬼「鬼の茶釜で沸かしたからな、これくらい熱くないと美味しくないぞ!」ゴクゴクー
キモオタ「文化の違いですな・・・ッ熱ゥッ!!」ガシャーン
ティンカーベル「あっ!キモオタがヤケドした!」
赤鬼「大丈夫か!?薬持ってくるか!?」
キモオタ「オロナイン塗っておくので大丈夫ですぞwwwそれよりお茶、もう少しぬるいとうれしいでござるwww」
ティンカーベル「ごめん、私もぬるい方がいい!」
赤鬼「2人とも猫舌だなぁ!はっはっは」ニコニコ
キモオタ「これが異変ですかな・・・?」
ティンカーベル「どうだろ・・・違うと思うけど、ただの文化の違いに見えるよ」
キモオタ「どっちにしろこれじゃ村人が来ても帰ってしまいますぞwww」
47 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:24:50 ID:qWBta14ZW
赤鬼「はい、ぬるめのお茶だ」ニコニコ
キモオタ「カップめん作れそうな温度ですな・・・」
ティンカーベル「人間のアツアツのお茶=鬼のぬるいお茶なんだね・・・」
赤鬼「せんべいもあるぞ!」コトッ
ティンカーベル「あっ、おせんべいはおいしい」パリパリ
キモオタ「せんべいまで規格外だったらどうしようかと思いましたがなwww」コポォ
赤鬼「それオイラが焼いたんだ、なかなかおいしいだろう?自信作だ」
ティンカーベル「おいしいよ!赤鬼はお菓子作るの得意なんだね!」
赤鬼「実は料理は好きなんだ、熊の生肉を使ったお菓子もあるけどどどうだ?」ニコニコ
ティンカーベル「わ、私、お腹いっぱい!」
キモオタ「わ、我輩もせんべいでじゅうぶんですぞwww」
赤鬼「そうか・・・自信あったんだが、残念だ」ショボン
熊の生肉を使ったお菓子・・・ゴクリ
49 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:37:57 ID:qWBta14ZW
一時間後
ティンカーベル「そこで私はこう言ったの!「ジャムがなければマーガリンでいいじゃん!」ってね!」ケラケラ
赤鬼「そいつあ傑作だ!がっはっは!」ガッハッハ
キモオタ「ティンカーベル殿の妖精ジョーク話はおもしろいですなwww」ドゥフコポォ
赤鬼「まったくだ!っと、もうこんな時間か!やはり楽しい時間は過ぎるのが早いな」
ティンカーベル「なにか用事があるの?」
赤鬼「あぁ、すまん。実は今日の夕方親友が訪ねてくる約束なんだ、青鬼って言ってな。オイラより頭がいいけどこいつも心優しい鬼なんだ」
キモオタ「なるほどwwwでしたら我々はそろそろおいとましますかなwww」
赤鬼「いやいや!気にするなよ!2人は旅の途中なんだろ?泊まっていけばいい」
ティンカーベル「じゃあお言葉に甘えちゃおう!ね、キモオタ!」
キモオタ「そうですなwww」
赤鬼「是非そうしてくれ!で、俺は青鬼の歓迎の為に山に果物や山菜を取りに行くんだが、一緒に行かないか?」
50 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:40:28 ID:Ir82Bhox6
どんなんだよ妖精ジョークってwww
51 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/08(土)23:48:26 ID:qWBta14ZW
裏山
ピーヒョロロロロ
ティンカーベル「気持ちのいい場所だねー」
赤鬼「だろう?このあたりはちょっと険しいからな、あまり村人は入ってこないんだ。だから果物も山菜も取り放題だ」
ティンカーベル「私は飛べるし、赤鬼はパワフルだからこれくらい険しい山でも問題ないけど普通の人間にはつらいかも」
赤鬼「そうだな!で、キモオタ・・・どうしてそんなにへばってるんだ?」
キモオタ「我輩・・・普通の人間故・・・ゼェゼェ・・・飛べない故・・・ゼェゼェ・・・」グッタリ
ティンカーベル「ちゃんと運動しないからこうなるんだよー」
赤鬼「がっはっは!帰り道はオイラが担いでやるから頑張るんだキモオタ!」
キモオタ「最近こんなのばっかりでござるよ・・・ゼェゼェ・・・ゼェゼェ・・・」
赤鬼「・・・ん?あそこに何か・・・いや、誰かいるな?」
52 :名無しさん@おーぷん :2014/11/08(土)23:53:03 ID:Ir82Bhox6
!!?
53 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)00:00:09 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「・・・・・・」ガサッ
赤鬼「人間の娘・・・?あんな幼い人間の娘がなぜこんな場所に?」
ティンカーベル「キモオタ、ここって昔の日本だよね?あの娘・・・金髪だよ?」
キモオタ「それに明らかに洋服でござるし、日本人では無いですな・・・」
赤鬼「しかしあんな格好でひとりでここまで来たのか、あの娘・・・危ないぞ」
金髪の娘「・・・・・・」
赤鬼「おーい!そこの娘っ子!ここは険しくて危ないぞ!俺は心優しい鬼だ!一緒に山を下りよう!」
金髪の娘「・・・・・・主人公の赤鬼」ボソッ
ティンカーベル「・・・・・・?」
金髪の娘「・・・・・・私は探している」
キモオタ「探してるですとwww一体何を探しているんですかなwww」
金髪の娘「染色に使う、真っ赤な植物」
金髪の娘「私は真紅草を探してる」
54 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)00:02:55 ID:FXX1bFlQe
面白いです!
55 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)00:03:19 ID:sQOP4p0t2
今日はここまでです、レス付くとモチベ上がる!
意外と反響あって嬉しいぼちぼち書いていくからよろしくね
妖精ジョーク:アメリカンジョークみたいなもの。きっと説明しても笑いどころはわからない。
泣いた赤鬼編 次回に続きます
56 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)00:04:29 ID:8MrD9viRS
乙!!
今回もおもろかったwww
85 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)16:48:24 ID:sQOP4p0t2
赤鬼「真紅草か・・・」
キモオタ「真紅草とは一体なんですかなwww」コポォ
金髪の娘「村で聞いた、染色に使える植物。鮮やかな真紅色を出せるって」
赤鬼「しかし、真紅草はもう少し奥まで行かないと生えていないぞ?娘っ子が取りに行くにはなぁ・・・どうしても必要なのか?」
金髪の娘「必要だから取りに来た。このあたりで糸を真っ赤に染色できるのは真紅草だけだと聞いたから」
ティンカーベル「糸?赤い糸が欲しいの?」
キモオタ「縫い物でもするんですかなwwwしかし糸の色なんて何でもいいのではwww」
金髪の娘「そう言うわけにはいかない。糸なら何でもいいというわけじゃない。ただの縫い物ではないから」
86 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)16:56:58 ID:sQOP4p0t2
赤鬼「どうしても諦めないって言うんだな・・・」
金髪の娘「諦めることは出来ない。諦めたら私はここで死んでしまう」
キモオタ「ファッ!?」
ティンカーベル「なんだか特別な事情があるみたいだね」
金髪の娘「今の私は、例えるならあなたの羽が引っこ抜かれているのと同じ状況よ、ティンカーベル」
ティンカーベル「ちょ、縁起でも無いこと言うのやめてよ!」
キモオタ「・・・・・・むむっ?」
赤鬼「死ぬなんて言うもんじゃねぇ!どんな事情か知らんが、どうしても必要ならオイラが付いていく。それでいいか?」
金髪の娘「鬼なのに人間の手助けをするのね?」
赤鬼「関係ねぇや、娘っ子は困ってる奴がいても相手が人間じゃなきゃほっておくのか?」
金髪の娘「どうかしらね。でも手伝ってくれるなら助かるわ」
87 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:08:47 ID:sQOP4p0t2
赤鬼「じゃあ決まりだ・・・ってよく見たら傷だらけじゃねぇか。あぶねぇからオイラの肩に乗っかってな」ヒョイ
金髪の娘「・・・子供扱いしないで、これなら自分で歩いていく」キッ
赤鬼「娘っ子の足じゃ夜中になっちまうぞ?熊や狼も出てくるんだ、食われちまうぞ?」
金髪の娘「・・・・・・我慢する。早くいきましょう」
赤鬼「よし、じゃあキモオタとティンク。ちょっと寄り道するが付き合ってくれるか?」
ティンク「いいよ、なんか訳ありみたいだしね!」
キモオタ「赤鬼殿www我輩も肩に乗せて頂きたいのですがwww」
赤鬼「すまん、流石に2人乗せてだともしもの時に危ないからな。ここは頑張って歩いてくれ、今までの倍険しい山道だがなんとかならぁ」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www妖精の粉をかけて頂きたいのですがwww」チラッ
ティンカーベル「慣れてないのに逆に危ないよ、いい運動だと思って頑張ろう!」
キモオタ「これはwww筋肉痛待ったなしwww」コポォ
88 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:21:15 ID:sQOP4p0t2
山道
ガサガサッ ガサガサッ
ティンカーベル「金髪の女の子ってこのあたりじゃ珍しいけど、旅してるの?」
金髪の娘「旅、という表現でいいのかしら。でも旅だと思ってもらっても差し支えは無いわね」
赤鬼「まだ子供なのに一人で旅してるのか、だから口調とかしっかりしてるんだな。しかし、親御さんも心配だろうなぁ」
金髪の娘「・・・・・・」
ティンカーベル「ねぇねぇ!大事そうに持ってる長いのは何?布が巻いてあるけど」
赤鬼「がっはっは、ティンクは初対面なのにグイグイいくなぁ」ガッハッハ
金髪の娘「・・・内緒よ」
ティンカーベル「えーっ!教えてよ教えてよ!」ケラケラ
キモオタ「ゼェーハァーゼェーハァー」
90 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:42:01 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「そうね、だったらこれが何か教える代わりにあなたに妖精の粉を少し分けてくれる?」
ティンカーベル「妖精の粉?いいけど、何で知ってるの?」
赤鬼「妖精の粉?なんだそれは?」
金髪の娘「妖精が飛ぶときにその羽から零れ落ちる鱗粉。魔法の力を秘めていて、妖精を信じる者に一時的ではあるけれど飛行能力を。素材としては空間移動系や速度変化の魔法具に用いられる」
赤鬼「たまげたなぁ、妖精ってのは不思議な力をもっているもんだなー・・・そのマホウグってのは何なんだ?」
金髪の娘「この世界の言い方をするなら、神通力が宿った道具かしらね。あなた達鬼の種族に伝わる『隠れ蓑』や『打ち出の小槌』のようなものよ」
赤鬼「あぁ、なるほどなぁ。不思議な力がある道具ってことだな」
ティンカーベル「・・・なんでそんなに詳しいの?私にことも、鬼のことも」
金髪の娘「何故かしらね。それよりあなたが知りたいのはこっちの物でしょう?」ヒョイ
ティンカーベル「・・・・・・」
91 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)17:56:25 ID:sQOP4p0t2
ティンカーベル「あなた、何者なの・・・?どこから来たの?」
金髪の娘「どこから来たのか言っても、今のあなたには解らないと思うけど。何者かという質問が呼び名を聞いているなら、今は『金髪ちゃん』とでも呼んでくれたらいいわ」
ティンカーベル「・・・・・・何でこの世界に来たの?」キッ
赤鬼「おいおい、喧嘩するんじゃないぞ?ほら、キモオタも止めてくれ」
赤鬼「あれ?キモオタはどこだ?」
キモオタ「」グッタリ
ティンカーベル「あっ!キモオタが倒れてる!」
キモオタ「これしんどいでござる・・・我輩、もう歩けませんぞ・・・」
ティンカーベル「もぉー、だらしないなぁ!」ピュー
グルルルッ
赤鬼「このうなり声っ・・・!キモオタ!あぶねぇ!」
ガサッ
熊「グルルッ」
熊「グルルッ」フシュー
キモオタ「ぶひいいいぃぃ!我輩食べるところ無いですぞおおお!!!」ダッ
赤鬼「駄目だ!走るな!追いかけてくるぞ!」ダッ
熊「ウガアアァ!」
キモオタ「あわわ・・・おはなしウォッチで助けを!裸王殿!シンデレラ殿!しかしいきなり呼んでも・・・!ど、どうするでござるかぁ!」ワタワタ
ティンカーベル「ダメっ!間に合わない!」
ズダーン ズダーン
熊「グ、グガァ・・・・・・」ドスーン
キモオタ「ひいいいいぃぃ!死ぬかとおもいましたぞおおおぉぉ!」
赤鬼「眉間と心臓に一発・・・!」
ガシャッ
金髪の娘「ティンカーベル。これがあなたが気にしていた長物の正体よ。約束通り妖精の粉、貰うから」ガシャッ
ティンカーベル「ものすごい射撃の腕前・・・本当に何者なんだろう・・・」
93 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)18:31:20 ID:sQOP4p0t2
裏山 最深部
赤鬼「さぁ着いたぞ!そのあたりにあるのが真紅草だ」
金髪の娘「縫い糸一巻染めるならどれくらい必要?」
赤鬼「そうだなあ、ざっとこんなもんかな。しかし染色はどうするんだ?なんならオイラがやってやろうか?」ガサガサッ
金髪の娘「意外と器用なのね。お願いするわ」
赤鬼「ただし数日はかかるぞ?」
金髪の娘「構わないわ」
キモオタ「赤鬼殿!あの木の実食べられるでござるかなwww」
赤鬼「おぉ、今いく!」ドスドスドス
ティンカーベル「・・・金髪ちゃん。ちょっと話したい、いい?」
金髪の娘「・・・いいわよ、赤鬼も行ったみたいだし」
金髪の娘「別のおとぎ話の住人同士、お互い聞きたいこともあるものね?」
94 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)18:47:05 ID:sQOP4p0t2
キモオタ「ふぅwww赤鬼殿には別の場所で果物採ってくると言い訳しておきましたぞwww」
金髪の娘「あら、彼も一緒なの?」
ティンカーベル「私の友達。一緒に旅をしてるの、おとぎ話の事情も知ってる」
キモオタ「金髪殿は何故かティンカーベル殿の事を知っているようでしたしなwww他のおとぎ話の住人ではないかと思っておりましたぞwww」
金髪の娘「そう。じゃあティンカーベル、あなた達の目的は?何故ここにいるのか教えて」
ティンカーベル「知ってるかもしれないけど、ピーターパンのおはなしは消滅しちゃってる。だから私はピーターパンのおはなしを復活させるために旅をしてるの」
金髪の娘「ここには打ち出の小槌でも探しにきたの?」
ティンカーベル「ううん、このおとぎ話が消えそうな臭いがしたから消えないように助けにきたんだよ」
金髪の娘「へぇ・・・そんなこともしてるのね」
キモオタ「話に腰を折りますがwww時に打ち出の小槌とは一体www」
金髪の娘「打ち出の小槌。鬼が持っているという魔法具・・・神通力の宿った道具よ」
97 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:01:07 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「どんな願いも叶える能力を持つ魔法具よ。体を大きくしたり、財宝を出したりね」
キモオタ「ティンカーベル殿!それがあれば【ピーターパン】のおはなしを復活させられるのではwww」
ティンカーベル「金髪ちゃん!それ詳しく教えて!」
金髪の娘「残念だけどもう手には入らないわよ。打ち出の小槌は【一寸法師】の世界の宝物。でもそのお話は消滅している、恐らく打ち出の小槌もね」
ティンカーベル「残念・・・私が知らないところでも知らないお話が消えていってるんだね」
キモオタ「やはり魔法のランプに望みを託すしかありませんなwww」コポォ
金髪の娘「知らなかったと言うことは、この世界に来たのは本当にこのおはなしを救う為なのね」
ティンカーベル「だからそうだって!だって他のおはなしまで消えちゃったら私みたいなつらい思いをする人が増えちゃうし、それは嫌だもん」
金髪の娘「・・・・・・嘘では無いようね」ボソッ
金髪の娘「さっきあなたは私に聞いたわね。どこから来たのか、何者なのか、なぜここにいるのか・・・教えてあげるわ、ティンカーベル。そしてキモオタ」
金髪の娘「私もあなたと同じ、この世界を救いに来た」
98 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:10:12 ID:sQOP4p0t2
ティンカーベル「この世界を救いに・・・?でも、金髪ちゃんはおとぎ話の世界の住人なんでしょ?」
金髪の娘「一応、主人公をやっていたわ」
キモオタ「しかし主人公ならばなおさら自分のおとぎ話を不在にしていていいのですかなwww」
ティンカーベル「もしかして、金髪ちゃんも私と同じ?」
金髪の娘「そうね。私のおとぎ話も消滅している」
キモオタ「なんですと!ということは金髪殿もおとぎ話の復活を願って?」
金髪の娘「・・・いいえ、私はそれは望んでいない。元の世界は居心地もよくて大好きな人もたくさんいたけれど、それもみんな死んでしまった」
ティンカーベル「・・・・・・」
金髪の娘「だからせめて他のおとぎ話には同じ末路を辿って欲しくない。だから私は元の世界で手に入れたおとぎ話の世界を行き来する魔法具とこのマスケットを手に取って、旅をしているの」
ティンカーベル「ねぇ、消えちゃってるなら聞いてもわかんないかもだけど、なんていうお話?あなたの本当の名前は?」
金髪の娘「名前、ね・・・なんだったかしら・・・」
99 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:23:27 ID:sQOP4p0t2
金髪の娘「真紅草を探している。そう言ったわよね、ティンカーベルの妖精の粉が欲しいとも言った」
キモオタ「糸、と言っておりましたなwww手に入らないとここで死ぬとwww」
ティンカーベル「金髪ちゃん・・・ううん、あなたは魔法具でおとぎ話の世界を行き来してるんだね?でも、それが使えなくなっちゃった。だから私の羽と例えたんだね」
キモオタ「なるほどwwwここから移動できなくなればここで死んでしまうことになりますからなwww」
金髪の娘「ティンカーベルの言うとおりよ。真紅草も妖精の粉も、私がおとぎ話の世界を行き来するのに必要な魔法具の修繕に必要なの」ゴソゴソ
金髪の娘「これよ」
キモオタ「これは上等そうな真っ赤な布ですなwww洋服でござるか?www」
金髪の娘「ハズレよ。ここに移動してきたときに引っ掛けて、裂けてしまったの。魔法の力の込められた赤い糸で縫いつけないと、使えない」
ティンカーベル「それって・・・なに?」
金髪の娘「ずきんよ、真っ赤なずきん。お婆ちゃんに貰った大切なずきん・・・お気に入りでずっと身につけてた。だから私は元の世界では・・・・・・」
金髪の娘「『赤ずきんちゃん』と呼ばれていたわ」
100 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:33:30 ID:sQOP4p0t2
赤ずきん「本当の名前なんて忘れてしまったけど、皆が呼んでくれるそれこそが私に名前だった」
赤ずきん「もう、みんなにそう呼ばれることは無いけれどね」
ティンカーベル「・・・ごめん、私は赤ずきんがこの世界に何か手を加えようとしている悪い人かもって思っちゃった」シュン
赤ずきん「お互い様よ。私もあなた達がこの世界の消滅の一因かもしれないと思っていたしね」
キモオタ「おとぎ話の消滅を影で操っている黒幕がいるかもしれませんからなwww疑ってしまうのは仕方ないwww」
赤ずきん「黒幕?なにそれ?おとぎ話は現実世界の人間に忘れられると消えるんじゃないの?」
ティンカーベル「まだ可能性の段階っていうか・・・もしかしたらだけど、何かの手段で誰かが天啓を見せておとぎ話に異変を与えているんじゃないかって私達は考えてるんだ」
赤ずきん「詳しく教えてくれる?」
101 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:42:31 ID:sQOP4p0t2
・・・
赤ずきん「なるほどね・・・【裸の王様】や【王様の耳はロバの耳】でおかしな行動を起こした人は決まって天啓を見ていると、そういうことね」
ティンカーベル「うん、偶然かもしれないけどね」
キモオタ「もしや赤ずきん殿の世界の異変もこの天啓では?」
赤ずきん「どうかしらね・・・あの狼、知性はあるみたいだったから可能性はありそうだけど・・・」
ティンカーベル「狼?狼が原因なの?」
キモオタ「そういえば我々赤ずきん殿の世界のおはなし知りませんなwww」
赤ずきん「そうね、もしも黒幕がいるのなら解決のための情報は多い方がいい。いいわ、話してあげる。私のおとぎ話【赤ずきん】がどんなおはなしなのか。そして・・・・・・」
赤ずきん「【赤ずきん】のおはなしがどうやって消滅したかをね」
102 :◆oBwZbn5S8kKC :2014/11/09(日)19:45:02 ID:sQOP4p0t2
今日はここまでです。平日はまたあんまり書けないから書き溜めー
次回、赤ずきんのおとぎ話が如何にして消滅したか。
泣いた赤鬼編 次回に続きます
103 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)19:48:41 ID:3QQjmDYou
超面白い!ワクワクしながら待ってるよー
104 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)20:21:23 ID:e7upjoKB9
乙!!
赤ずきんちゃんきたwww
105 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)20:38:52 ID:z4Str7UOB
赤ずきんちゃんでしたか
で、そのおとぎ話も消滅してしまってる、と
どうなるんだろう
106 :名無しさん@おーぷん :2014/11/09(日)20:39:31 ID:lRqLXnil3
今回も面白かったよ!赤ずきんちゃんの世界も気になるな。
次の更新も楽しみにしてる!
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 泣いた赤鬼編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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